(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された排水装置では、トランスデューサは排水部の側方に配置されているため、トランスデューサにより発生された超音波は水平方向に伝搬しやすくなり、水面付近や底部まで超音波が伝搬しにくい。また、特許文献2に記載された排水装置においても、超音波発振素子は防臭椀部の側面に取り付けられているため、超音波は水平方向に伝搬しやすくなり、水面付近や底部まで超音波が伝搬しにくい。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、超音波発振素子が発振した超音波が水面付近や底部まで伝搬しやすい排水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水受け部の下方に設けられる排水装置であって、水受け部の下流に設けられる排水流路と、排水流路の少なくとも一部を形成し、内部に封水を形成する封水形成部と、封水形成部の水に超音波を照射する超音波発振素子と、を備え、封水形成部の底部に形成される排水流路の内壁面は、金属で形成された金属部を含み、超音波発振素子は金属部の外側に取り付けられて
おり、金属部は封水形成部の底部に取り付けられた、封水形成部とは別体の金属部材により形成され、金属部材と封水形成部との間を封止するシール部材をさらに備えることを特徴とする。
上記構成の本発明によれば、封水形成部の底部に形成される排水流路の内壁面は、金属で形成された金属部を含み、超音波発振素子が金属面に取り付けられているため、超音波発振素子が金属面を振動させて超音波を発生させ、この超音波が底部から水面に向かって封水形成部の全体に向かって拡散されるため、封水形成部の全体にわたって洗浄性を向上することができる。また、水面以外の部分に比べて水面では超音波を反射しやすい。このため、水平方向に超音波が伝搬される場合には、反射せずに吸収されやすい。これに対して、本発明によれば、底部に形成される排水流路の内壁面は、金属で形成された金属部を含み、超音波発振素子が金属部に取り付けられているため、水面に向かって超音波が広がるため、洗浄力の低下が抑制される。
【0008】
上記構成の本発明によれば、接着や溶接により金属部材と封水形成部との間の水密性を確保する場合に比べて、より簡易に、製造性を低下させることなく金属部材と封水形成部との間の水密性を確保することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、超音波発振素子の発
振がシール部材に伝達されるのを抑制する振動伝達抑制部が設けられている。
上記構成の本発明によれば、超音波発振素子
の発
振によりシール部材が劣化し、破損するのを抑制できる。
【0010】
本発明において、好ましくは、金属部材は、振動面と、振動面に立設された側面と、を有し、シール部材は側
面に配置されており、振動伝達抑制部は、振動面に対して側面が垂直方向に立設されていることにより構成されている。
振動面と封水形成部との間にシール部材を配置すると、シール部材が振動方向に振動面と封水形成部材とに挟まれるため、シール部材が劣化してしまう。これに対して、上記構成の本発明によれば、シール部材に加わる振動が小さくなり、シール部材が劣化し破損することを抑えることができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、超音波振動素子の金属部材の振動面との接触面は平坦である。
排水管路の内面は通常円形断面であり、このような排水管路の曲面に超音波発振素子を取り付けるのは手間がかかる。これに対して、上記構成の本発明によれば、振動面が平坦であるため、容易に超音波振動子を金属部材に取り付けることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、超音波振動素子は円板状であり、径方向に伸縮する。
上記構成の本発明によれば、超音波振動子が径方向に伸縮すると、金属部材の平坦な振動面が面の直交方向に振動するため、封水形成部内に超音波を送ることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、封水形成部には内外を連通する連通孔が形成され、金属部材は
、連通孔に取り付けられている。
上記構成の本発明によれば、連通孔に金属部材を取り付ける構成であるため、被覆が不要であり、製造性を低下させることなく、容易に製造することができる。また、例えば、特許文献2に記載された排水装置では、超音波発生素子が防臭椀部に取り付けられているため、電源のための配線ができず、非接触での電源供給が必要になり、動作が不安定になるおそれがある。これに対して、本実施形態では、封水形成部に連通孔を形成し、この連通孔に取り付けられた金属部材に超音波発振素子を取り付けているため、非接触での電源供給が不要であり、安定な動作が保たれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、超音波発振素子が発振した超音波が水面付近や底部まで超音波が伝搬しやすい排水装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の排水装置の一実施形態を、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1及び
図2は、本発明の一実施形態の排水装置が適用された水栓システムを示し、
図1は正面図、
図2は側面図である。
図3は、
図1に示す水栓システムの水受け部の排水口の近傍の分解斜視図である。
図1及び
図2に示すように水栓システム1は例えば、キッチンや洗面所に設置される水栓システムであり、水栓装置4と、水受け部6と、排水装置8とを備える。
【0017】
水栓装置4は、水受け部6のシンク6Aの奥に立設されており、外部からの上水道が供給される水供給配管が接続されている。水栓装置4はハンドル4Aをひねることにより、水供給配管から供給された水を蛇口4Bから水受け部6のシンク6Aに吐水する。また、水栓装置4は、ハンドル4Aの操作を検出する操作検知センサ4Cを有する(
図4参照)。
【0018】
水受け部6は水栓装置4から吐水された水を受けるシンク6Aを有する。シンク6Aは上方に開口する凹状部からなり、シンク6Aの底部の横方向一端側(
図1の右側)の奥側(
図2の右側)には集水部6Bが形成されている。シンク6Aの底面は、奥側の横方向の一端部に形成された集水部6Bに向かって傾斜している。すなわち、水受け部6のシンク6Aの底部は横方向の一端側(
図1の右側)に向かって下降するように傾斜しており、また、奥側に向かって下降するように傾斜している。集水部6Bは下方に向かって凹むように形成されている。集水部6Bは水平断面形状が略矩形であり、水平断面積が下方に向かって減少している。集水部6Bの下端には円形の排水口6Cが形成されている。
【0019】
図3に示すように、集水部6Bには、下方から順番に目皿14と、網かご12と、蓋10が設置されている。目皿14は円形であり、中心を挟んで一対の開口14Aが形成されている。目皿14は排水口6C上に設けられている。網かご12は矩形の器状であり、多数の細孔が形成されている。網かご12は外周部が集水部6Bの縁に支持されている。蓋10は矩形状の平坦な部材であり、四隅に脚部10Aが立設されている。蓋10は、脚部10Aが網かご12の縁に当接することにより支持されており、蓋10の上面がシンク6Aの底部と略面一になっている。
【0020】
図4は、
図1に示す水栓システムの排水装置の断面図である。排水装置8は、封水を形成する封水形成部としての封水形成部材18と、超音波発振素子20と、制御部40と、を備える。封水形成部材18は、内部に汚水が流れる排水流路22が形成された樹脂などの非金属製の部材であり、排水流路22の上流側端部は水受け部6の排水口6Cに接続機構16により接続されており、下流側端部は接続機構26により下水道まで延びる出口流路24に接続されている。なお、封水形成部材18は必ずしも全体を樹脂で形成する必要はなく、通常時に封水が存在する部分を樹脂で形成し、この部分の上流側及び/又は下流側の部分については金属部材で形成してもよい。
【0021】
排水流路22は、排水口6Cに接続される接続部22aと、接続部22aから上方に向かって傾斜して延びる上昇部22bと、出口流路24に接続され、下流側に向かって下降する下降部22dと、を有する。また、排水装置8は、水受け部6の排水口6Cに接続された封水筒25を有する。封水筒25は、排水流路22内を排水口6Cから下方に向かって傾斜して延びており、下端が接続部22aの下端部近傍まで延びている。排水流路22の上昇部22bと下降部22dとの境界の下端の高さは、接続部22aの上端の高さと同一または、接続部22aの上端の高さよりも上方に位置しており、また、封水筒25の下端の高さは、上昇部22bと下降部22dとの境界の下端の高さよりも低くなっている。このような構成により、排水流路22はS字状(トラップ形状)になっており、接続部22a内に封水が形成される。
【0022】
封水形成部材18の接続部22aの底部(すなわち、封水の水面に封水を挟んで対向する部分)には円環状に突出する円環部18cが形成されており、円環部18c内には封水形成部材18の内外を連通するように、連通する方向から見て円形の連通孔18aが形成されている。連通孔18aの上方の縁18bは、連通孔18aの中心に向かって延出している。また、円環部18cの外周面には螺条が形成されている。また、連通孔18a中に、取付機構28により超音波発振素子20が設置されている。
【0023】
また、
図5は、
図1に示す水栓システムの取付機構及び超音波発振素子の部分を示す分解斜視図である。
図5に示すように、取付機構28は金属部材30と、シール部材32と、シール押さえ部材34と、螺合部材36とを備える。
【0024】
金属部材30は、円形の平坦に形成された振動面部30aと、振動面部30aの外周縁に下方に向かって垂直に立設された円筒状の側面部30bと、側面部30bの下縁から半径方向外方に向かって延びる円環部30cとを備える。金属部材30は、例えば、ステンレスなどの金属材料からなる。金属部材30の振動面部30aの外側の面、すなわち封水と接触する面と逆側の面に超音波発振素子20が取り付けられる。なお、金属部材30の振動面部30aと超音波発振素子20との間に樹脂などの絶縁体を挟んでもよい。そして、超音波発振素子20は半径方向に伸縮し、振動面部30aを面に垂直な上下方向に振動させる。この際、側面部30bが振動面部30aに対して垂直に立設されているため、振動面部30aが上下方向に振動した際に、側面部30bは左右方向に振動するが、側面部30bの振幅は小さい。このため、本実施形態では、振動面部30aに対して側面部30bが垂直方向に立設されている構成が、超音波発振素子20の発振した超音波をシール部材32に伝達されるのを抑制する振動伝達抑制部として機能する。
【0025】
シール部材32は円環状のゴムやシリコーン樹脂からなる。シール部材32の外径は連通孔18aの内径と略一致している。また、シール押さえ部材34は、円筒状の樹脂からなる部材である。シール押さえ部材34の外径は連通孔18aの内径と略一致している。また、シール押さえ部材34の内径は、金属部材30の側面部30bの外径と略一致している。
【0026】
螺合部材36は、例えば、樹脂からなり、円環状の円環部36aと、円環部36aの外周縁から上方に向かって延びる円筒部36bとを備える。円筒部36bの内径は、トラップ円環部18cの外径と略等しくなっており、内周面には螺条が形成されている。
【0027】
取付機構28は以下のようにして、封水形成部材18に金属部材30を取り付けている。まず、シール部材32を封水形成部材18の連通孔18a内に、上面が連通孔18aの縁18bに当接するように配置する。次に、シール押さえ部材34を連通孔18a内に下方から挿入する。次に、連通孔18a内のシール押さえ部材34内に金属部材30の側面部30bを、円環部30cが封水形成部材18の円環部18cの下面に当接するまで挿入する。そして、封水形成部材18の円環部18cの外周面の螺条に、螺合部材36の円筒部36bの内周面の螺条が螺合するように締め付ける。これにより、金属部材30を封水形成部材18に固定することができる。
【0028】
このような構成によれば、金属部材30の円環部30cが、封水形成部材18の円環部18cの下面と、螺合部材36の円環部36aとの間に挟み込まれて固定される。そして、金属部材30の振動面部30aが排水流路22内に露出し、接続部22aの底面を構成する。このように、排水流路22を形成する封水形成部材18の底部の内壁の一部は、金属部材30の振動面部30a、すなわち、金属面により形成されている。また、シール部材32が、封水形成部材18の縁18bとシール押さえ部材34とにより上下方向に挟まれ、かつ、封水形成部材18の円環部18cの内面と金属部材30の側面部30bとの間に横方向に挟まれて固定される。シール部材32は金属部材30の側面部30bと、封水形成部材18の円環部18cの内面とに当接し、金属部材30と封水形成部材18との間を封止する。
【0029】
超音波発振素子20は、円形の板状の部材からなる。超音波発振素子20は、例えば、接着剤や溶接などにより金属部材30の振動面部30aの外面に接触するように設けられている。超音波発振素子20は、例えば、圧電セラミクスやフェライト等からなり、交流電圧を加えるとキャビテーションにより直径方向に伸縮する。超音波発振素子20から一対の配線42が延びており、配線42は制御部40に電気的に接続されている。超音波発振素子20の振動数は20k〜100kHz程度である。
【0030】
制御部40は、CPUを備えた電力供給装置であり、外部電源から電力が供給されている。制御部40は、配線44を介して水栓装置4の操作検知センサ4Cに接続されており、ハンドル4Aの操作を検出する。そして、制御部40は、操作検知センサ4Cにより水栓装置4が水の吐水を開始したのを検知すると、超音波発振素子20に交流電流を加えて振動させる。また、制御部40は、操作検知センサ4Cにより水栓装置4が水の吐水を停止したのを検知すると、超音波発振素子20への電流の印加を停止させる。
【0031】
以下、水栓システムの動作について説明する。
常時は、接続部22aに封水が貯留されている。封水の水位Wは封水形成部材18の上昇部22bと下降部22dとの境界の下端の高さにある。この際、封水には洗剤や油分などの成分が含まれている場合があるため、封水形成部材18内の排水流路22内には汚れやヌメリなどが付着する可能性がある。特に、封水水位付近の排水流路22内壁面に汚れやヌメリが集中して付着しやすい。なお、ここでいう「封水水位付近」とは、「封水水位」から波立ちにより上下動する程度の位置である。また、排水流路22内の水位は、必ずしも水位Wで一定である必要はなく、一時的に排水流路22内の水位を上昇させるような構造や機構を設けてもよい。
【0032】
水栓装置4のハンドル4Aがひねられると、水栓装置4から水が水受け部6のシンク6Aに吐出される。シンク6Aに吐出された水は、集水部6Bに向かって流れ、排水口6Cへ流れこむ。排水口6Cから流れこんだ水は、封水筒25を通じて排水流路22の接続部22aに供給される。これにより、接続部22a内の水位が封水形成部材18の上昇部22bと下降部22dとの境界の下端の高さを越え、上昇部22bから下降部22dに水が流れ出し、流れ出した水は出口流路24へ排水される。
【0033】
また、制御部40は、操作検知センサ4Cにより水栓装置4が水の吐出を開始したのを検知すると、超音波発振素子20に交流電流を印加する。これにより、超音波発振素子20が半径方向に伸縮し、金属部材30の振動面部30aを上下方向に振動させる。水栓装置4により水を吐出している状態では、接続部22a内の水位が封水形成部材18の上昇部22bと下降部22dとの境界の高さまで到達している。このため、振動面部30a内の振動は封水内を伝搬し、封水形成部材18の上昇部22bと下降部22dとの境界よりも低い部分に付着した汚れやヌメリが落とされる。
【0034】
水栓装置4のハンドル4Aがひねられて水栓装置4から水を吐水するのを停止すると、排水流路22への水の流れ込みも停止する。これにより、上昇部22bから下降部22dへの水の流れ出しも止まり、接続部22a内に封水が貯留される。また、制御部40は、操作検知センサ4Cにより水栓装置4からの水の吐水が停止されるのを検知すると、超音波発振素子20への電流の印加を停止する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、封水形成部材18の接続部22aの底部が金属部材30により形成され、超音波発振素子20が金属部材30に取り付けられているため、超音波発振素子20が金属部材30を振動させて超音波を発生させ、この超音波が底部から水面に向かって封水形成部材18の排水流路22の全体に向かって拡散されるため、封水形成部材18の全体にわたって洗浄性を向上することができる。また、水面以外の部分に比べて水面では超音波を反射しやすい。このため、水平方向に超音波が伝搬される場合には、反射せずに吸収されやすい。これに対して、本実施形態によれば、連通孔18aは封水形成部材18の底部に形成されているため、水面に向かって超音波が広がるため、洗浄力の低下が抑制される。
【0036】
また、本実施形態では、金属部材30と封水形成部材18との間を封止するシール部材32をさらに備えるため、接着や溶接により金属部材30と封水形成部材18との間の水密性を確保する場合に比べて、より簡易に、製造性を低下させることなく金属部材30と封水形成部材18との間の水密性を確保することができる。
【0037】
また、本実施形態では、側面部30bが振動面部30aに対して垂直に立設されているため、振動面部30aが上下方向に振動した際に、側面部30bは左右方向に振動するが、側面部30bの振幅は小さくなる。このため、シール部材32に加わる振動が小さくなり、シール部材32が劣化し破損することを抑えることができる。なお、本実施形態では、側面部30bが振動面部30aに対して垂直に立設されている構成によりシール部材32への振動の伝達を抑制しているが、これに限らず、例えば、シール部材32を、例えば、円環部30cなどに振動面部30a以外の部位に当接するように配置すれば、同様に振動の伝達を抑制することができる。
【0038】
また、振動面と封水形成部との間にシール部材を配置すると、シール部材が振動方向に振動面と封水形成部材とに挟まれるため、シール部材が劣化して破損してしまう懸念がある。これに対して、本実施形態では、シール部材32は金属部材30の側面部30b上に配置されているため、シール部材32に加わる振動が小さくなり、シール部材32が劣化し破損することを抑えることができる。
【0039】
また、本実施形態では、超音波発振素子20の金属部材30の振動面部30aとの接触面が平坦であるため、容易に超音波発振素子20を金属部材30に取り付けることができる。
【0040】
また、本実施形態では、超音波発振素子20は円板状であり、径方向に伸縮する。このように、超音波発振素子20が径方向に伸縮すると、金属部材30の平坦な振動面が面の直交方向に振動するため、封水形成部材18内の排水流路22に超音波を送ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、封水形成部材18には内外を連通する連通孔18aが形成され、金属部材30は、封水形成部材18の排水流路22の内壁の一部を構成するように連通孔18aに取り付けられている。このように、連通孔18aに金属部材30を取り付ける構成であるため、製造性を低下させることなく、容易に製造することができる。なお、本実施形態では、封水形成部材18の底部の内壁面の一部を金属面により形成するべく、封水形成部材18に連通孔18aを形成して金属部材30を取り付けているが、これに限らず、封水形成部材18の底部の内壁面に金属面を被覆又はメッキ加工して形成してもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、制御部40が水栓装置4のハンドル4Aの操作を検知して、超音波発振素子20への電流の印加を制御したが、これに限らず、例えば、排水流路22内の水位を検出する水位センサを設けておき、この水位センサにより検出された水位に応じて制御してもよい。また、水栓装置4から吐出される水の流量を検知するセンサを取り付けておき、制御部40はこのセンサにより検出された水の流量に応じて超音波発振素子20を制御してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、接続部22aの底部に連通孔18aを形成し、この連通孔18aに金属部材30を取り付けて、金属部材30の振動面30aの外側面に超音波発振素子20を取り付けているが、金属部材30の取付箇所はこれに限られない。例えば、上昇部22bの基端部に設けてもよく、要するに排水流路22内に貯留されている水の水面に対向するように設けられておればよく、より好ましくは、金属部材30は、振動面30aの中心軸線が水面と交差するような位置や、超音波の主たる照射方向が水面と交差するような位置に設けることが好ましい。このように金属部材30の取付位置を本発明では封水形成部材の底部という。
【0044】
また、封水形成部材18における連通孔18aを形成する領域も接続部22aのみに限られず、封水形成部材18の底部全域に設けてもよいし、一部のみに設けてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、S字状に排水流路22が延び、封水筒25の挿入によりトラップを形成しているが、トラップの形態はこれに限られず、上方が開放されている筒状部と、筒状部材の上端部を覆うように設けられた椀部とにより構成されたワントラップにも本発明を適用できる。