【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、電源が電気モーターにその半径方向外側に、また電気モーターの周りに周方向に(angularly)備えられることで達成される。電源及び/又はそれを収容するハウジングは、必ずしも360°の完全な周角度にわたって延びる必要はないが、これは、電気モーターがこの場合に電源によって完全に取り囲まれるため有利である。
【0012】
本発明の基本的アイデアは、電源を局所的にできるだけ電気モーターに近づけることである。電気モーターの半径方向外側への配置、特に可能な表面輪郭/構造とは別に一般的に円筒形である外側ハウジング表面への配置のために、内部電流経路とは別に、電源からのエネルギーを電気モーターの軸方向長さにわたって、また場合によってはステータ端子と電源の間の半径方向隙間を介して送る必要がせいぜいあるだけである。したがって、カバーされなければならない距離は従来技術に比べて著しく減少する。
【0013】
このような駆動装置が先に使用される電圧で作動されても、顕著な利点が得られる。しかしながら、短くなった導体経路に沿って同じ電力を伝えるために使用される、結果生じる増大した導体断面は操作できるので、本発明は、電圧レベルを下げる可能性を開く。
【0014】
本発明では、電源及び特にそれのために必要なエネルギー貯蓄セル(電池セル)が、中空円筒ハウジングに設けられ、電気モーターはその内部に設けられている。好ましくは、電源のシリンダー軸及び/又はそのハウジングのシリンダー軸、及びモーター軸は同軸である。また好ましくは、装置は、電源の又はそのハウジングの軸方向長さがモーターハウジングの軸方向長さに少なくとも実質的に等しく、その長さのせいぜい150%にもなるように構成される。
【0015】
本発明の装置は、電源の外側寸法により定められる操作可能ユニットであって、そこに電気モーターを有する、特に電気モーターを制御しエネルギー貯蓄セルのエネルギー管理のための全ての電子機器を完全に有する操作可能ユニット全体を提供する。
【0016】
操作のための全ての基本的な構成部品が1か所に集約されるので、これは、メンテナンスの容易性を増大させ、電圧を担う構成部品のより厚いカプセル化(封入)のために先の電圧範囲の絶縁要件も減少させる。例えば、実質的にどんな作業場でも完全な駆動装置を交換することが可能である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、管状円筒型ハウジングは、複数のエネルギー貯蓄セルが保持される又は少なくとも保持され得る複数の室を有してもよい。これらの室と、特に操作に必要な更なる構成部品とは、好ましくは中空円筒ハウジングの内壁と外壁の間に完全に設けられる。
【0018】
例えば、当該室は円筒形状を有してもよく、それにより例えばラップトップバッテリーの場合に知られているように、標準化された大きさを有する市販の電池セルがそこに保持される。前記室は好ましくは、それらが軸方向に延びるように指向(配向)されている。電池セルは好ましくは、180°異なる両方の可能な取り付け位置に室内に設けられ、これが所望の電気相互接続を単純化する。
【0019】
本発明では、管状円筒ハウジングが好ましくは複数の部分(セクション)に分割される。これは、一方で、例えば欠陥部品を交換する必要がある場合に、メンテナンスとコスト削減をより容易にする。
【0020】
他方で、しかしながら、これは、所望通りに1つの部分内及び/又は複数の部分の中で互いに並列又は直列に電気的に相互接続されるエネルギー貯蓄セル(電池セル)の可能性を開く。
【0021】
例えば本発明によれば、この場合、軸方向に、電源の管状円筒ハウジングが複数のリングに分割される。例として、それぞれのリングの軸方向長さは、軸方向に向いたまさに1つのエネルギー貯蓄セル(電池セル)をそれぞれの円筒室において受容するように適合される。リングの軸方向長さは、例えば、エネルギー貯蓄セルの軸方向長さと正確に同じか、(僅かに)小さくてもよい。同様に、軸方向長さは、エネルギー貯蓄セルの軸方向長さの整数倍(少なくとも2倍)に適合されてもよい。このようなリングは、自給エネルギー貯蓄モジュール、特に、電気モーターの操作を単独で可能にするものを形成することができる。
【0022】
本発明によれば、管状円筒ハウジングは少なくとも2つのセグメントに周方向に分割されている。それぞれのセグメントは、360°/セグメントの数の角度を有する。管状円筒ハウジングの全軸方向長さにわたって延在するそれぞれのこのようなセグメントは、特に、電気モーターの操作を単独で可能にする自給エネルギー貯蓄モジュールを形成することができる。
【0023】
それぞれの前述したリング部分が少なくとも2つのセグメントに周方向に分割されるように、軸方向及び/又は周方向への管状円筒ハウジングの分割の上の説明は特に好ましくは組み合わされてもよい。それぞれの(リング)セグメントは今度は360°/セグメントの数の角度を有してもよい。この場合、同じ周方向位置で軸方向に次々に配置された全てのセグメントの総数は特に好ましくは、特に電気相互接続により、特に電気モーターの操作を単独で可能とするエネルギー貯蓄モジュールを形成する。これは、(1つのリングにつき)セグメントの数に対応する多数のエネルギー貯蓄モジュールを生じる。
【0024】
このような構成では、したがって、電源のハウジングは、リング当たりのセグメントの数を掛けたリングの数に対応するセグメントの総数を有する。対応する様々な可能な電気相互接続がこのようにして実現できる。
【0025】
前述した構成のさらなる好ましい実施形態では、少なくとも1つの相互接続プレートが、次々に軸方向に直接位置決めされたセグメントであって、リングの隣接するセグメントの全ての組の間に設置される。それぞれのセグメントは、それ自体の相互接続プレートを有してもよい。このような相互接続プレートの結果、それぞれのセグメントのエネルギー貯蓄セルは互いに接触でき、例えば全て直列に接続され又は全て並列に接続され、又は複数のグループに分割され、異なるグループにおいて、エネルギー貯蓄セルは異なって(直列又は並列)接続されうる。それに代えて、同じ相互接続がグループにおいて選択される場合、異なるグループが取り付け位置の観点から異なって指向されてもよい。
【0026】
それぞれの相互接続プレートは、それぞれの2つの軸方向に隣接するセグメントの間の相互接続を実行することができ、例えばそれらを直列又は並列に接続する。好ましくは、同じ角度位置(周方向位置)で次々に軸方向に設置されたセグメントの少なくとも一部の、好ましくは全てのエネルギー貯蓄セルは、相互接続プレートにより直列に電気的に接続される。1つの可能な実施形態では、同じ周方向位置での全てのセグメントの軸方向長さにわたって、例えば、セグメントで使用されるエネルギー貯蓄セルの総和に対応する電圧があってもよい。対照的に、この実施形態では、電極(poles)が異なる軸方向端部にあってもよい。
【0027】
例えば、好ましい実施形態では、エネルギー貯蓄セルの2つのグループがそれぞれのセグメントに形成されてもよく、それぞれのグループでは、エネルギー貯蓄セルは並列に接続される。例えば、1つのグループは半径方向内側に設置され、1つは半径方向外側に設置される。異なるグループにおけるエネルギー貯蓄セルは好ましくは、180°異なる取り付け位置の向き(配向)を有してもよい。これは、1つのグループの並列接続されたエネルギー貯蓄セルと他方のグループの並列接続されたエネルギー貯蓄セルを、同じ周方向位置を有するセグメントを越えて軸方向に互いから独立して直列に接続する利点を創出でき、同じ軸方向側、特に以下の実施形態によれば例えばパワーエレクトロニクス及び/又はパルスインバーターを有する少なくとも1つの制御プレートを有する側にアクセス可能な2つの電極を有することができる。同じ周方向位置で軸方向に次々に位置する全てのセグメント(リング)は再び、大体半円の断面形状を有するバッテリーパックのように、一方の側にアクセス可能な電極を備えたエネルギー貯蓄モジュールを形成する。
【0028】
1つの実施形態では、異なる周方向位置でそれぞれのセグメントから生じる直列接続により軸方向に合計される電圧は再び並列に電気的に接続されてもよく、それにより電圧は実質的に同じままであるが、エネルギー貯蓄装置全体の容量は増加する。「全体のバッテリー」が、この実施形態では全てのセグメントのエネルギー貯蓄モジュールによって形成される。
【0029】
これを越えて好ましい実施形態では、創出されるエネルギー貯蓄モジュールは並列に接続される。むしろ、それらの各々は、制御プレート上のそれ自体の電子機器とともに、単独でモーターを操作するのに十分なそれぞれの自給機能モジュールを形成する。この目的のために、電子機器はパルスインバーターとステータを付勢するためのスイッチを含んでもよい。これは、(リング当たりの)セグメントの数に対応する多数の機能モジュールをもたらす。
【0030】
これはまた冗長度を創出する。というのも、例えば1つのセグメント又は同じ周方向位置で次々に位置する全てのセグメント(及びしたがって、機能モジュール)が故障しても、これは操作電圧及びステータ制御を除去せず、充電容量を減少させるだけなので(自動車の場合、そのレンジのみが減少する)、このタイプの駆動装置が操作の準備ができているからである。
【0031】
それぞれのモジュールの機能を検査し、欠陥が検出されたときにそれを完全に遮断する電子機器が含まれてもよい。この場合、残りの機能モジュールと、したがって全体として駆動装置は操作可能なままであり、ただレンジとトルクが減少するだけである。好ましくは、それぞれの相互接続プレートの形状はそれぞれのセグメントの形状に適合される。好ましくは、相互接続プレートが電源ユニットのハウジングの外側からアクセス可能でなくセグメントにより囲まれるように、少なくともセグメントを互いから分離せずに、それにより全ての実施形態の操作状態においてそれらが互いに同一平面上(面一)であって接触するように、それがセグメントの形状に一致するが、僅かにより小さくなる。例として、相互接続プレートは円形セグメントの形状を有してもよい。相互接続プレートの1つの周方向に位置する端部では、それは以下に記載するプレートなどの他の構成部品への電気接続を可能にするための端子を有してもよい。
【0032】
本発明に従う発展形態では、1つのプレートが、同じ周方向位置で次々に軸方向に位置決めされた全てのセグメントのための(同じ軸方向位置における)全ての2つの周方向に隣接するセグメントの間の領域に設置され、このプレートはそれと平行に軸方向に延び、特に、実質的に管状円筒電源の全軸方向長さにわたって延びる。このプレートは、次々に軸方向に位置決めされた2つの隣接するセグメントの間の各々の前述した相互接続プレートに電気的に接続されてもよい。
【0033】
このプレートは好ましくは、エネルギー貯蓄セル操作のための電子機器、特に全てのセグメント又は同じ周方向位置を有する全てのセグメントにおいて、直列接続されたセル電圧を検査するための電子機器を有してもよい。このプレート及びその電子機器(エレクトロニクス機器)は、先の機能試験を実施するために含まれてもよい。
【0034】
一般に、異なる可能な実施形態とは独立して、本発明によれば、直列及び/又は並列に接続されたエネルギー貯蓄セルのセグメントにおいて及びセグメントによって発生された電圧は、少なくとも1つの電子制御装置によりモーター用の相電圧を形成するために使用される。このような電子制御装置は、電気モーターの端面及び/又は電源のハウジングに設けられた、特にモーター出力軸から離れた端部に設けられた少なくとも1つの制御プレート上の電子構成部品により形成されてもよい。これは、電気モーターのステータ側の相接続が端子を作製するようにこの制御プレートに軸方向に挿入できるという利点を有する。
【0035】
前記少なくとも1つの制御プレートは、電源ユニット(及び/又はそのハウジング)及び電気モーターの軸方向端面に少なくとも部分的に重なってもよく、特にフィードバックを用いて又は用いずに制御される方法で、電源ユニットのエネルギーを電気モーターのステータ付勢システムに分配するように構成されてもよい。
【0036】
好ましくは、周方向に延びるセグメントであって電源の管状円筒ハウジングのセグメントの各々がそれぞれ、又は次々に軸方向に位置決めされたリングセグメント(エネルギー貯蓄モジュール)のうちの同じ周方向位置に割り当てられたセグメントの全てがそれぞれ、特に円形リングセグメントの形状に設計された制御プレートであって、特にそれぞれのセグメントと同じ角度範囲にわたって延びるステータ付勢システムの一部に接続したそれぞれの制御プレートを有する。したがって、前述したエネルギー貯蓄モジュールは、その制御プレートとともに、前述した機能モジュール、すなわちモーターを操作するために操作準備のできたユニットを形成する。
【0037】
前記少なくとも1つの制御プレート、及びセグメントのそれぞれに機能的に割り当てられていて場合によっては互いに接続された制御プレートの全てによって、対応的に、それぞれの電圧、特に同じ周方向位置で次々に軸方向に位置決めされた部分からの、それぞれの直列接続された総和電圧を受ける電気モーターを制御するために、組み合わされたパワーエレクトロニクスを構成することが可能である。結局、それぞれ単独でモーターを操作できる個々のパワーエレクトロニクスを足し合わせることで組み合わされたパワーエレクトロニクスが形成されるので、電気モーターが単一の周方向位置の部分のエネルギーにより操作できるという前述した利点が創出される。パワーエレクトロニクスの各々は好ましくは、この場合パルスインバーターを有する。
【0038】
本発明の非常に特に好ましい実施形態では、電気モーターのステータ付勢システムが、電流を通し、電気モーターのステータを通って軸方向に延びた複数のロッドにより形成されてもよい。これらロッドは、それらの端部のうちの一方で共用の短絡環(short-circuit ring)に接続され、他方の端部では制御プレート、特に端面に設置される上述したタイプの制御プレートに接続される。
【0039】
この場合、前記ロッドは機能的に、3相以上、好ましくは少なくとも20相、より好ましくは30相の数に割り当てられている。従来技術と比較した位相(相)の数のこの顕著な増大により、2つの相の間又は1つの相とアースの間の電圧差が60ボルト以下になる。これにより、絶縁要件が著しく低くなり、対応的に構成全体が従来技術と比較してより単純化され、より安価になるという上述した利点が生じる。
【0040】
複数のロッドを備えたステータの設計はこの実施形態では好ましいが、コイルに対するステータにおけるスロット占積率が改善されるので、原則として相の数のこのような増加が巻かれたステータコイルにより達成され、これも本発明に含まれる。
【0041】
ロッドの好ましい使用もまた、低めのモーターインダクタンスが生成され、それにより相電圧の減少が電流上昇率を支配するのに有益であるという利点をもたらす。
【0042】
特に作動電圧が60V未満に減少される場合、ステータの相接続を付勢するのに使用される(1又は複数の)制御プレートのスイッチは好ましくはMOSFETとして設計されてもよい。スイッチは好ましくは、それぞれのハーフブリッジがモーターの1つのロッドを供給できるハーフブリッジ構造で操作される。
【0043】
本発明の簡単な実施形態では、ステータ付勢システムが、電気アース(electrical ground)及び正の供給電圧によって操作され得る。しかしながら、好ましい実施形態では、(1又は複数の)パワーエレクトロニクス制御プレートの反対側の端部における短絡環が接地され、ロッドはアースの周りの2つの平衡電圧の間に接続される。これにより、それぞれのロッドは個々に又は他のロッドから独立して付勢(通電)されることになる。
【0044】
好ましい実施形態では、モーターのローター内の磁極組の数が、同じ周方向位置で次々に軸方向に位置決めされたセグメントが互いに電気的に接続される周方向のセグメントの数に等しく選択され、協働セグメント、すなわち、組み合わされた電源の自給電源セグメントを好ましくは形成する。
【0045】
パワーエレクトロニクスは、多数の制御プレートに関して先に説明したように対応する数のセグメントに細分・分割される。
【0046】
この場合、セグメントのユニット及び同じ周方向位置に位置決めされた制御プレートは、互いに独立して操作でき、ゆえにサブドライブモジュールとみなすことができる機能モジュールに空間的に分類できる。
【0047】
この場合、機能モジュールのトルクは好ましくは操作の間合計され、駆動装置のための全トルクを形成し、それぞれのモジュールの個々のトルクは必ずしも同一でなくてもよい。単なるモーター、パワーエレクトロニクス及びバッテリーの一体化を越えて、このコンセプトは上で示したように以下の利点を与える。
【0048】
1. 機能モジュール(例えば、それら(セグメント)の相互接続プレート、バッテリー操作プレート、及び端面制御プレートに加えて、1つの周方向位置で次々に軸方向に位置決めされた全てのセグメント)の故障・停止の場合、残りの機能モジュールは作動し続けられ、全体のシステム停止が防止され、パフォーマンス及び/又はレンジの減少が生じるだけである。
【0049】
2. 電池セルは異なって老化するので、単純に分散・ばらつき(variance)のみにより、時間と共に異なるセル容量が予期される。電源の機能モジュール内で、この分散が好ましくはいわゆる受動相殺(passive balancing)によって補償され、すなわち(簡単な用語で)、高く充電されすぎたセルが低めの充電セルのレベルまで放電される。それに代えて、平均化が機能モジュール内で生じてもよい、すなわち、過充電セルのエネルギーが誘導的又は容量的方法により低めの充電セルに移される。
【0050】
しかしながら、全トルクの個々の機能モジュールへの分配により機能モジュールの間で調節がなされてもよい。
【0051】
エネルギー貯蓄セル又は電池セルの充電状態及び老化状態の決定のために、またモーターのトルクの調節のために、電源ユニットにおける電流の監視が、好ましくはそれぞれの機能モジュールにおいて及びそれぞれの個々のロッドにおいて別個に実施されてもよい。
【0052】
この目的のために、モーターの積層は小さめの内径を有する別なシートにより補足されてもよく、そこでは溝が内径まで延ばされる。結局、ホールセンサーが直接パワーエレクトロニクスから溝まで延ばされる。したがって、センサーは、それぞれのロッドの周りの磁気回路に一体化され、磁気干渉を避けるために取り付けられ、同時に可能な最短経路を介して評価ユニット、例えばAD変換器に接続される。
【0053】
電流は、相互接続プレートを介する接触により、電源内で、好ましくはそれぞれの機能モジュール内で測定できる。電流がその上を流れるとき、この電流は、バッテリー操作システム内で評価される電圧降下を創出する。それゆえに、相互接続プレートは、次々に軸方向に位置決めされたセグメントのそれぞれの組を接続してセル電圧を導き出すという目的を果たすだけでなく、同時に電流感知の機能も有する。
【0054】
車体などの基準に対して短絡環から電流を測定する中央電流センサーが短絡環に設置されてもよい。「良い場合」には、このセンサーを通る電流は全てのロッドを通る電流の和に等しい。それゆえに、ロッド上の個々の電流検出器が診断され得る。中央センサーで測定される値がロッド電流の和と一致しない場合、エラーが診断される。
【0055】
さらに、制御が正しく機能している場合、短絡環に設置されたセンサーを通る電流は0である。
【0056】
システムの熱放散(冷却)のために、電気モーターと制御プレート上のパワーエレクトロニクスとで生成された熱は、電源で、特にセグメントで生成された熱と分離して運ばれ、少なくとも可能な熱結合が、電源の円筒ハウジングと他の記載された構成部品の間で実施できる。これは、モーター熱が電源を加熱せず、それにより電池セルの加速された劣化をもたらさないことを保証する。
【0057】
この目的のために、好ましくは電源のハウジング及び電気モーターが固定接続を可能とする隆起部(ridges)であって、しかし比較的少ない伝熱のみ可能とする隆起部によってのみ接続されるため、電源及び電気モーターは特に半径方向隙間により互いに断熱できる。
【0058】
特に熱的解除との組み合わせにより、しかしそれと独立しても、電源の管状円筒ハウジング及び特にそれぞれのセグメントは、特にそれらの上をスライドすることで少なくとも軸方向案内溝の端部に係合する半径方向隆起部(例えば、上述したような)によって、電気モーターの外側表面(外周面)に軸方向に差し込まれ又は押されてもよい。
【0059】
電気モーター及び電源は好ましくはそれぞれ、互いに独立したそれら自体の熱放散システム、特に電気モーター及び/又は電源を通って軸方向に延びるヒートパイプを有する。
【0060】
ヒートパイプの全体構成は、それとパワーエレクトロニクスに熱的に接続した電気モーターの外側表面上の第1内側層を有する2層で設計されてもよい。
【0061】
加えて、この場合断熱材料が電源のハウジングと電気モーターの間に、特に上述した半径方向隙間をおいて設置されてもよい。この断熱材料はまた(良好な熱的接続のために)ヒートパイプをモーターに押し付ける一方、電源の電池セルをモーター及びパワーエレクトロニクスの熱生成から分離もする。
【0062】
ヒートパイプの第2外側層が電池セル及び/又は電源のハウジングを冷却するためにのみ使用でき、好ましくは電源のハウジングの外側表面に又は内側表面(内周面)に、特に断熱材と電源のハウジングの間に設置される。
【0063】
本発明の更なる実施形態では、モーター及びパワーエレクトロニクスの熱はまた、特に上述したようなヒートパイプを介して放散され、電源の熱は別な冷却コンセプト、例えば液冷により放散される。
【0064】
好ましい実施形態では、ヒートパイプは、(パワーエレクトロニクスから離れた)モーターの端面に送られ、このようにして熱境界面を創出し、それによりヒートパイプを介してモーターの延長に沿って軸方向に案内される熱は空冷により又は液冷により放散される。
【0065】
電磁誘導に基づく従来のローター位置エンコーダーが、モーターの回転角度を検出するために使用できる。しかしながら、それらの大きさのために、これらは、このようなコンパクトなシステムのために非常に制限された程度しか適さない。結局、他の技術的ソリューションがこの目的のために有利と思われる。
【0066】
軸に設置された永久磁石と、その上方に位置するプレート、例えば端面制御プレートに設置された回転角度センサーとによって回転角度検出を実現することが有利なようである。
【0067】
この目的のために、360°ホールセンサーと、また特に有利にはGMR又はTMR効果に基づく360°回転磁気抵抗センサーの両方が考えられる。この場合、ローターに偶数の極組数があり、対応する数の電源セグメント(モジュール)及びパワーエレクトロニクスユニット(制御プレート)があるときのシステムの対称性のために、180°回転角度センサーが、360°性能回転角度センサーに代えて使用されてもよい。これは、干渉フィールドで特に堅牢であって費用効率の高いAMR角度センサー(異方性磁気抵抗効果)の使用を可能にする。
【0068】
好ましい実施形態を以下の図に関連して説明する。