特許第6788916号(P6788916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6788916
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ウェビング高さ調節装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/20 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   B60R22/20
【請求項の数】13
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-128321(P2019-128321)
(22)【出願日】2019年7月10日
(65)【公開番号】特開2020-11717(P2020-11717A)
(43)【公開日】2020年1月23日
【審査請求日】2019年7月11日
(31)【優先権主張番号】107124059
(32)【優先日】2018年7月12日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519251601
【氏名又は名称】宏霖工業股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 亮雄
(72)【発明者】
【氏名】瞿 嘉駿
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−027774(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02045147(EP,A1)
【文献】 実開昭60−087853(JP,U)
【文献】 特開2019−094049(JP,A)
【文献】 特開平11−278213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/00−22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上リング部材、ロックアセンブリ、及び位置決め部材を備え、
前記上リング部材は、側面、保持要素、及び上リングを有し、
前記保持要素は下端を有し、
前記上リングは前記保持要素の下端に接続され、ウェビングは前記上リングを通過し、
前記ロックアセンブリは、前記上リング部材の外側に移動可能に配置されていて、フレーム及び摺動部を有し、
前記フレームは、前記上リング部材の外側に配置されていて、本体及び接続部を有し、
前記本体は、前記上リング部材の外側に配置されていて、
下端と、
貫通孔と、
2つの横側面と、
2つの縦方向側部と、を有し、
前記貫通孔は、前記本体を貫通して形成され、
前記2つの縦方向側部は、前記本体の前記2つの横側面にそれぞれに配置されていて、
前記接続部は、前記本体の前記下端上に形成され、前記接続部上に形成された接続孔を有し、前記ウェビングの一部分に接続されていて、
前記摺動部は、前記フレームの前記本体内に移動可能に配置されていて、2つの側面と、第1プレート部と、第2プレート部と、挿入部と、を有し、
前記第1プレート部は、前記摺動部の前記2つの側面の一方に配置され、
前記第2プレート部は、前記摺動部の前記2つの側面のもう一方に配置されていて、前記第1プレート部に対向し、
前記挿入部は、前記第1プレート部と前記第2プレート部との間に形成されていて、貫通溝を有し、
前記貫通溝は、前記挿入部を貫通して形成されていて、前記ウェビングの別の部分は前記貫通溝に挿通されており、前記貫通溝に挿通された前記ウェビングの部分は、前記フレームと前記摺動部との間の相対運動によって、ロックまたはロック解除され、
前記位置決め部材は、前記上リング部材上に配置され、前記ロックアセンブリと係合し、位置決め要素と、少なくとも1つの結合部とを有し、
前記位置決め要素は前記上リング部材上に配置され、
前記少なくとも1つの結合部は、前記位置決め要素上に配置され、位置決めのために前記ロックアセンブリを選択的及び磁気的に引き付け
ウェビング高さ調節装置が使用されておらず、前記ウェビングが格納されている場合、前記ロックアセンブリは、前記格納されたウェビングによって自動的かつ上方に移動され、前記位置決め部材に磁気的に引き付けられる、シートベルトシステムのウェビングに接続するために適用されるウェビング高さ調節装置。
【請求項2】
前記フレームは常磁性体または磁性体からなり、
前記本体は上端を有し、
前記ロックアセンブリは、前記本体の前記上端上に上方へ突出して形成された位置決め部を有し、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の前記保持要素の側面上に配置されており、かつ前記位置決め要素を貫通して形成された中心孔を有し、前記位置決め要素及び前記保持要素を位置決めするために、ねじ要素が、前記位置決め要素及び前記保持要素に挿通され、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の下部に配置され、かつ前記ロックアセンブリの前記位置決め部を選択的及び磁気的に引き付け、前記ロックアセンブリは、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材に磁気的に引き付けられる、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項3】
前記フレームは常磁性体または磁性体からなり、
前記本体は上端を有し、
前記ロックアセンブリは、前記本体の前記上端上に上方へ突出して形成された位置決め部を有し、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の前記保持要素の外側に配置され、
前記位置決め部材は複数の前記結合部を有し、前記複数の結合部は永久磁石であって、前記位置決め要素の下部上に配置され、かつ前記フレームの前記位置決め部を選択的及び磁気的に引き付け、前記ロックアセンブリは、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材に磁気的に引き付けられる、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項4】
前記フレームは常磁性体または磁性体からなり、
前記本体は上端を有し、
前記ロックアセンブリは、前記本体の前記上端上に後方に曲げられて形成された位置決め部を有し、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の前記保持要素の側面上に配置され、下端と、前記位置決め要素を貫通して形成された中心孔とを有し、前記位置決め要素及び前記保持要素を位置決めするために、ねじ要素が、前記位置決め要素及び前記保持要素に挿通され、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の前記下端上に配置されていて、前記ロックアセンブリの前記位置決め部を選択的及び磁気的に引き付け、前記ロックアセンブリは、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材に磁気的に引き付けられる、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項5】
前記フレームは常磁性体または磁性体からなり、
前記本体は上端を有し、
前記ロックアセンブリは、前記本体の前記上端上に後方に曲げられて形成された位置決め部を有し、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の周囲かつ外側に配置されており、
下端と、
後面と、
凹部と、
フックと、を有し、
前記凹部は、前記位置決め要素の前記後面上に形成され、
前記フックは、前記位置決め要素の前記後面上に形成され、前記凹部の下方に位置し、前記保持要素は前記凹部内にはめ込まれており、前記フックは前記保持要素の前記下端に掛合して接続されていて、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の前記下端上に配置されていて、前記ロックアセンブリの前記位置決め部を選択的及び磁気的に引き付け、前記ロックアセンブリは、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材に磁気的に引き付けられる、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項6】
前記摺動部の前記第1プレート部と前記第2プレート部は互いに上下にずれていて、前記第1プレート部は上面、下部、及び下端を有し、前記第2プレート部は上面、上部、及び上端を有し、前記第1プレート部の前記上面は前記第2プレート部の前記上面よりも高く、
前記摺動部の前記挿入部は、前記第1プレート部の前記下部と前記第2プレート部の前記上部との間に形成され、2つの側壁及び2つのスライド溝を有し、
前記2つの側壁は前記貫通溝の両側に配置され、それぞれが前記第1プレート部及び前記第2プレート部に接続されていて、外面を有し、
前記2つのスライド溝は前記2つの側壁の前記外面上にそれぞれに形成され、それぞれが前記第1プレート部と前記第2プレート部との間に位置し、前記本体の2つの縦方向側部は、前記2つのスライド溝にそれぞれに挿入され、
前記貫通溝は、前記第2プレート部の前記上端から前記第1プレート部の前記下端に向かって傾斜しており、前記挿入部の前記2つの側壁の間に位置している、請求項1から5のいずれかに記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項7】
前記ロックアセンブリはカバーを有し、
前記カバーは、前記フレームに対して移動するように前記摺動部を駆動するために、前記摺動部に接続された前記フレームの周囲かつ外側に移動可能に配置されていて、カバーベース及び2つのカバー側板を有し、
前記カバーベースは2つの側面と背面とを有し、
前記2つのカバー側板は、前記カバーベースの前記2つの側面上にそれぞれに形成されていて、互いに対向し、
前記ロックアセンブリは位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記カバーベースの前記背面上に配置されており、かつ永久磁石であって、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の前記保持要素の側面上に配置されており、前記位置決め要素を貫通して形成された中心孔を有し、前記位置決め要素及び前記保持要素を位置決めするために、ねじ要素が、前記位置決め要素及び前記保持要素に挿通され、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の下部上に配置されており、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材上に前記ロックアセンブリを位置決めするために、前記位置決め部と前記少なくとも1つの結合部とは互いに磁気的に引き付け合う、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項8】
前記ロックアセンブリはカバーを有し、
前記カバーは、前記フレームに対して移動するように前記摺動部を駆動するために、前記フレームの周囲かつ外側に移動可能に配置されていて、カバーベース及び2つのカバー側板を有し、
前記カバーベースは2つの側面と背面とを有し、
前記2つのカバー側板は、前記カバーベースの前記2つの側面上にそれぞれに形成されていて、互いに対向し、
前記ロックアセンブリは位置決め部を有し、前記位置決め部は前記カバーベースの前記背面上に配置されており、かつ永久磁石であって、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の前記保持要素の外側に配置されており、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の下部上に配置されていて、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材上に前記ロックアセンブリを位置決めするために、前記位置決め部と前記少なくとも1つの結合部とは、前後方向に互いに磁気的に引き付け合う、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項9】
前記ロックアセンブリはカバーを有し、
前記カバーは、前記フレームに対して移動するように前記摺動部を駆動するために、前記フレームの周囲かつ外側に移動可能に配置されていて、カバーベース及び2つのカバー側板を有し、
前記カバーベースは2つの側面と背面とを有し、
前記2つのカバー側板は、前記カバーベースの前記2つの側面上にそれぞれに形成されていて、互いに対向し、
前記ロックアセンブリは位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記カバーベースの前記背面上に配置されており、かつ永久磁石であって、
前記位置決め要素は、前記上リング部材の前記保持要素の側面上に配置されていて、前記位置決め要素を貫通して形成された中心孔を有し、前記位置決め要素及び前記保持要素を位置決めするために、ねじ要素が、前記位置決め要素及び前記保持要素に挿通され、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の下部上に配置されており、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材上に前記ロックアセンブリを位置決めするために、前記位置決め部と前記少なくとも1つの結合部とは、上下方向に互いに磁気的に引き付け合う、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項10】
前記位置決め要素は、後面及び2つの当接ロッドを有し、前記位置決め要素の前記後面は前記上リング部材に面し、前記2つの当接ロッドは、前記位置決め要素の前記後面上に突出して配置されていて、位置決めのために前記保持要素に当接する、請求項2、4、7、9のいずれかに記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項11】
前記ロックアセンブリはカバーを有し、
前記カバーは、前記フレームに対して移動するように前記摺動部を駆動するために、前記フレームの周囲かつ外側に移動可能に配置されていて、カバーベース及び2つのカバー側板を有し、
前記カバーベースは2つの側面と背面とを有し、
前記2つのカバー側板は、前記カバーベースの前記2つの側面上にそれぞれに形成されていて、互いに対向し、
前記ロックアセンブリは位置決め部を有し、前記位置決め部は前記カバーベースの前記背面上に配置されており、かつ永久磁石であって、
前記位置決め要素は前記上リング部材の周囲かつ外側に配置されていて、
下端と、
後面と、
凹部と、
フックと、を有し、
前記凹部は、前記位置決め要素の前記後面上に形成され、
前記フックは、前記位置決め要素の前記後面上に形成され、前記凹部の下方に位置し、前記保持要素は前記凹部内にはめ込まれていて、前記フックは前記保持要素の前記下端に掛合して接続され、
前記少なくとも1つの結合部のそれぞれは永久磁石であって、前記位置決め要素の前記下端上に配置されており、前記上リング部材の前記側面上に配置された前記位置決め部材上に前記ロックアセンブリを位置決めするために、前記位置決め部と前記少なくとも1つの結合部とは、上下方向に互いに磁気的に引き付け合う、請求項1に記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項12】
前記摺動部の前記第1プレート部と前記第2プレート部は互いに上下にずれており、前記第1プレート部は上面、下部、及び下端を有し、前記第2プレート部は上面、上部、及び上端を有し、前記第1プレート部の前記上面は、前記第2プレート部の前記上面よりも高く、
前記摺動部の前記挿入部は、前記第1プレート部の前記下部と前記第2プレート部の前記上部との間に形成されていて、2つの側壁及び2つのスライド溝を有し、
前記2つの側壁は前記貫通溝の両側に配置されており、それぞれが前記第1プレート部及び前記第2プレート部に接続されていて、外面を有し、
前記2つのスライド溝は、前記2つの側壁の前記外面上にそれぞれに形成され、前記2つのスライド溝のそれぞれが、前記第1プレート部と前記第2プレート部との間に位置し、前記本体の2つの縦方向側部は、前記2つのスライド溝にそれぞれに挿入され、
前記貫通溝は、前記第2プレート部の前記上端から前記第1プレート部の前記下端に向かって傾斜しており、前記2つの側壁の間に位置していて、
前記カバーは上止め部を有し、
前記上止め部は、前記カバーベースの前記背面上に形成され、
前記2つのカバー側板のそれぞれは、
上面と、
底面と、
内面と、
案内溝と、
底壁と、を有し、
前記案内溝は、前記カバー側板の前記内面上に形成され、前記カバー側板の前記上面まで延び、底部を有し、
前記底壁は、前記カバー側板の前記底面上に形成され、前記案内溝の前記底部に位置し、
前記フレームの前記本体の2つの横側面は、前記2つのカバー側板の前記案内溝に移動可能に挿入され、前記上止め部は前記2つのカバー側板の前記上面の上方に位置する、請求項7から11のいずれかに記載のウェビング高さ調節装置。
【請求項13】
前記フレームの前記接続部は接続ストラップに接続し、前記接続ストラップは接続要素に接続し、前記ウェビングは前記接続要素を通過する、請求項1から12のいずれかに記載のウェビング高さ調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェビング高さ調節装置に関し、特に車両の3点式シートベルトシステムの上部領域の高さを調節するためのウェビング高さ調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートベルトシステムは、車両内の全乗員を保護するために自動車両に適用されている。一般的に、シートベルトシステムのリトラクタは車両内の支持ピラー上に配置されている。シートベルトシステムのウェビングはシートベルトシステムのリトラクタから引き出される。シートベルトシステムのウェビングはシートベルトシステムの上リングを通過し、次に乗員の胴体の前面を斜めに通る。ウェビングの周りに取り付けられたタングは、車両のシートに取り付けられたバックルに挿入される。ウェビングの一部はタングを通過し、リトラクタ近傍のシート横まで延びて三点式シートベルトシステムを形成する。シートベルトシステムのウェビングによって、車両内で乗員の身体は車両内のシート上に拘束される。
【0003】
従来の三点式シートベルトシステムにおいて、ウェビングがしっかりと締められている場合、乗員の肩の近傍のウェビングの高さは調節することができない。緊急時に、ウェビングによって乗員の首が打ち付けられる恐れがある。ウェビング高さ調節装置は、ウェビングの高さが調節できないという欠点を克服するために採用されている。したがって、車両の安全性に対する意識が高まるにつれて、シートベルトシステムのウェビングのための高さ調節装置が必要となる。さらに、日本国特許出願番号第2018−114541号(日本特許公開第2019−14469号)においても、他の従来のウェビング高さ調節装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本特許公開第2019−14469号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシートベルトシステムのウェビングの高さ調節装置は、特定の車両に適合されており、複雑な構造、調節範囲の狭さ、調節の不連続性、複雑な操作、などのいくつかの欠点を有する。したがって、単純化され、便利かつ有用なウェビング高さ調節装置の発明が必要である。新しいウェビング高さ調節装置によって、体格が異なる乗員に応じて、ウェビングが車両内の乗員の肩近くに留まるようにウェビングの高さを調節することができ、安全性が向上する。
【0006】
この欠点を克服するために、本発明は、前述の問題を軽減または回避するウェビング高さ調節装置を提供する。
【0007】
本発明の目的は、複雑な構造、調節範囲の狭さ、調節の不連続性、及び複雑な操作を含む、従来のウェビング高さ調節装置の問題を解決可能なウェビング高さ調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ウェビング高さ調節装置は、シートベルトシステムのウェビングに接続するように適用される。ウェビング高さ調節装置は、上リング部材、ロックアセンブリ、及び位置決め部材を有する。
【0009】
上リング部材は、側面、保持要素、及び上リングを有する。保持要素は下端を有する。上リングは保持要素の下端に接続されている。ウェビングは上リングを通過する。
【0010】
ロックアセンブリは上リング部材の外側に移動可能に配置され、フレーム及び摺動部を有する。
【0011】
フレームは上リング部材の外側に配置され、本体及び接続部を有する。本体は上リング部材の外側に配置され、下端、貫通孔、2つの横側面、及び2つの縦方向側部を有する。貫通孔は本体を貫通して形成されている。2つの縦方向側部は本体の2つの横側面にそれぞれに配置されている。接続部は本体の下端上に形成されていて、接続部上に形成された接続孔を有する。接続部はウェビングの一部分と接続する。
【0012】
摺動部はフレームの本体に移動可能に配置され、2つの側面、第1プレート部、第2プレート部、及び挿入部を有する。第1プレート部は摺動部の2つの側面の一方に配置されている。第2プレート部は摺動部の2つの側面のもう一方に配置されており、第1プレート部に対向している。挿入部は第1プレート部と第2プレート部との間に形成され、貫通溝を有する。貫通溝は挿入部を貫通して形成されている。ウェビングの別の部分が貫通溝に挿通される。ウェビングの貫通溝に挿通された部分は、フレームと摺動部との間の相対運動によって、ロックまたはロック解除される。
【0013】
位置決め部材は上リング部材上に配置されており、ロックアセンブリと係合し、位置決め要素と少なくとも1つの結合部とを有する。位置決め要素は上リング部材上に配置されている。少なくとも1つの結合部は位置決め要素上に配置され、位置決めのために、ロックアセンブリを選択的及び磁気的に引き付ける。
【0014】
ウェビング高さ調節装置は車両内のシートベルトシステムに適用される。ウェビング高さ調節装置の上リング部材は車両のセンターピラー上に固定されているか、又はシートの上方及び後方で車両内に固定されている。シートベルトシステムのウェビングは、上リング部材の上リングを通過する。ロックアセンブリは、ウェビングをロックまたはロック解除するために、ウェビングの2つの部分と接続している。ウェビング高さ調節装置によって、ウェビング上の上位置決め点の高さ位置を連続的に調節することができる。ウェビング高さ調節装置は操作が簡単で、自動的にウェビングをロックする。
【0015】
ウェビング高さ調節装置が使用されていない場合、引き込まれたウェビングによって、ロックアセンブリは自動的に上方に移動することができ、上リング部材の側面上に配置された位置決め部材に磁気的に引き付けられる。スペースを節約するために、ウェビング高さ調節装置をセンターピラーの上方に引き込むことができる。ウェビングはロック解除状態において自由に引き出すことができる。
【0016】
ウェビング上の上位置決め点の高さ位置を調節する必要がある場合、ロックアセンブリは上リング部材の側面上に配置された位置決め部材から取り外され、乗員によって保持される。ウェビングの位置決め点の高さ位置は、ロックアセンブリによって直感的に調節することができる。ウェビングのロックを解除するために、フレームと摺動部との間の相対運動が生成される。位置決め点の高さ位置は連続的に調節される。ウェビング高さ調節装置を適切な位置に移動させることができたら、ロックアセンブリを放すことができる。ウェビングの位置決め点が乗員の肩の高さ近くにあることを確保するために、ロックアセンブリのフレーム及び摺動部は、ウェビングの張力によってウェビングを自動的にロックする。
【0017】
ウェビング高さ調節装置は様々な種類の車両の3点式シートベルトシステムに適合される。ウェビング調節装置は構造が単純化され、操作が簡単であり、かつ製造及び組み立てにおける費用効果が高い。ウェビング高さ調節装置は連続的な調節が可能である。ウェビング高さ調節装置の調節範囲は大きい。ウェビング高さ調節装置は操作が簡単であり、自動的にウェビングをロックする。ウェビング高さ調節装置は非使用時にはほとんど場所をとらない。
【0018】
本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、添付の図と共に以下の詳細な説明を検討することによってより明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単純化され、便利かつ有用なウェビング高さ調節装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるウェビング高さ調節装置の第1実施形態の斜視図である。
図2図1のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図3図1のウェビング高さ調節装置の操作正面図であって、シートベルトシステムに組み合わされたウェビング高さ調節装置を示す。
図4図3のウェビング高さ調節装置の部分断面を拡大して示す操作正面図である。
図5図3のウェビング高さ調節装置の部分断面の操作正面図であって、ウェビングがロック解除状態に設定されていることを示す。
図6図3のウェビング高さ調節装置の部分断面の操作正面図であって、ウェビングがロック状態に設定されていることを示す。
図7図3のウェビング高さ調節装置の部分断面の操作正面図であって、ロックアセンブリが位置決め部材に引き付けられていることを示す。
図8】本発明によるウェビング高さ調節装置の第2実施形態の斜視図である。
図9図8のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図10】本発明によるウェビング高さ調節装置の第3実施形態の斜視図である。
図11図10のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図12】本発明によるウェビング高さ調節装置の第4実施形態の斜視図である。
図13図12のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図14】本発明によるウェビング高さ調節装置の第5実施形態の斜視図である。
図15図14のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図16】本発明によるウェビング高さ調節装置の第6実施形態の斜視図である。
図17図16のウェビング高さ調節装置の別の斜視図である。
図18図17のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図19】本発明によるウェビング高さ調節装置の第7実施形態の斜視図である。
図20図19のウェビング高さ調節装置の別の斜視図である。
図21図20のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図22】本発明によるウェビング高さ調節装置の第8実施形態の斜視図である。
図23図22のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図24図22のウェビング高さ調節装置の部分断面の操作正面図であって、ウェビングがロック解除状態に設定されていることを示す。
図25図22のウェビング高さ調節装置の部分断面の操作正面図であって、ウェビングがロック状態に設定されていることを示す。
図26図22のウェビング高さ調節装置の部分断面の操作正面図であって、ロックアセンブリが位置決め部材に引き付けられていることを示す。
図27】本発明によるウェビング高さ調節装置の第9実施形態の斜視図である。
図28図27のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図29】本発明によるウェビング高さ調節装置の第10実施形態の斜視図である。
図30図29のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図31】本発明によるウェビング高さ調節装置の第11実施形態の分解斜視図である。
図32】本発明によるウェビング高さ調節装置の第12実施形態の斜視図である。
図33図32のウェビング高さ調節装置の別の斜視図である。
図34図32のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
図35】本発明によるウェビング高さ調節装置の第13実施形態の斜視図である。
図36】本発明によるウェビング高さ調節装置の第14実施形態の斜視図である。
図37図36のウェビング高さ調節装置の他の斜視図である。
図38図36のウェビング高さ調節装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本出願は、2018年7月12日に出願された台湾特許出願第107124059号の利益を主張し、その一部の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
図1から図37を参照すると、本発明によるウェビング高さ調節装置は、以下に示され、説明される複数の実施形態を有する。
【0023】
図1及び図2を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aにおいて、ウェビング高さ調節装置1Aは、上リング部材10、ロックアセンブリ20A、及び位置決め部材30Aを有する。
【0024】
図1及び図2を参照すると、上リング部材10は車両のセンターピラー上に固定されているか、またはシートの上方及び後方で車両内に固定されている。上リング部材10は側面、保持要素11、及び上リング12を有する。保持要素11は車両のセンターピラー上に固定されているか、または車両内のシートの上方及び後方で車両内に固定されており、下端を有する。上リング12は保持要素の下端11に固定して接続されている。図3を参照すると、ウェビング2はシートの横に配置されるか、シートの上方及び後方で固定され、上リング12を通過する。
【0025】
図1から図3を参照すると、ロックアセンブリ20Aは、上リング部材10の外側に移動可能に配置されていて、ウェビング2をロックまたはロック解除するために、上リング12の両側の傍らにあるウェビング2の2つの部分に接続されている。ロックアセンブリ20Aは、フレーム21及びフレーム21上に移動可能に配置されている摺動部22を有する。ウェビング2をロックまたはロック解除するために、フレーム21と摺動部22との間の相対運動を発生させることができる。
【0026】
図1及び図2を参照すると、ロックアセンブリ20Aにおいて、フレーム21は常磁性体または鉄などの磁性体からなり、磁気的に引き付けられることが可能である。フレーム21は上リング部材10の外側に配置されていて、本体211及び接続部212を有する。本体211は上リング部材10の外側に配置されていて、上端、下端、貫通孔2111、2つの横側面、及び2つの縦方向側部2112を有する。貫通孔2111は本体211を貫通して形成されている。2つの縦方向側部2112は垂直であり、本体211の2つの横側面にそれぞれに配置されている。接続部212は本体211の下端上に形成されていて、接続部212上に形成された接続孔2121を有する。接続孔2121は非貫通孔(blind hole)またはスリットとして形成された開孔(open hole)であってもよい。ロックアセンブリ20Aは位置決め部24を有する。位置決め部24は本体211の上端上に上方へ突出して形成されている。位置決め部24は上方へ突出したプレートであって、磁気的に引き付けられることができる。
【0027】
図1及び図2を参照すると、摺動部22はフレーム21の本体211内に移動可能に配置されている。摺動部22はウェビング2の移動方向に沿ってフレーム21に対して移動可能である。摺動部22は2つの側面、第1プレート部221、第2プレート部222、及び挿入部223を有する。第1プレート部221は摺動部22の2つの側面の一方に配置されている。第2プレート部222は摺動部22の2つの側面のもう一方に配置されていて、第1プレート部221に対向している。挿入部223は、第1プレート部221と第2プレート部222との間に形成されている。挿入部223は貫通溝224、2つの側壁225、及び2つのスライド溝226を有する。貫通溝224は挿入部223を貫通して形成されている。2つの側壁225は貫通溝224の両側にそれぞれに配置されている。2つの側壁225のそれぞれが第1プレート部221及び第2プレート部222に接続されている。2つのスライド溝226は、2つの側壁225の外面上にそれぞれ形成されている。2つのスライド溝226のそれぞれが第1プレート部221と第2プレート部222との間に位置している。摺動部22の挿入部223は、本体211の貫通孔2111に挿入されている。摺動部22の第1プレート部221及び第2プレート部222は、フレーム21の2つの側面にそれぞれ位置している。本体211の2つの縦方向側部2112は、摺動部22内の挿入部223の2つのスライド溝226にそれぞれに挿入される。摺動部22の挿入部223は、本体211の貫通孔2111によって制限される。摺動部22はフレーム21の本体211内に規定された制限範囲内で移動する。
【0028】
図1及び図2を参照すると、摺動部22において、第1プレート部221と第2プレート部222は互いに上下にずれている。第1プレート部221は上面、下部、及び下端を有する。第2プレート部222は上面、上部、及び上端を有する。第1プレート部221の上面は第2プレート部222の上面よりも高い。2つの側壁225のそれぞれは、第1プレート部221の下部の後面と第2プレート部222の上部の前面とに接続されている。貫通溝224は第2プレート部222の上端から第1プレート部221の下端に向かって傾斜しており、2つの側壁225の間に位置している。第2プレート部222は、第2プレート部222の上面上に形成されている上フランジ227を有する。第1プレート部221は楔形突起228を有する。楔形突起228は第1プレート部221の下部の側面上に突出して形成されている。
【0029】
図1及び図2を参照すると、ウェビング2はフレーム21の接続部212の接続孔2121に直接挿通される。図20及び図21を参照すると、接続部212は接続ストラップ25と接続することができる。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26に挿通される。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。接続ストラップ25は弾力性のあるストラップ、または弾力性のないストラップである。
【0030】
図1及び図2を参照すると、位置決め部材30Aは上リング部材10の保持要素11の側面上に配置され、車両のセンターピラー上に固定されているか、または車両内のシートの上方及び後方で車両内に固定されていて、選択的にロックアセンブリ20Aと係合する。位置決め部材30Aは、位置決め要素31と、少なくとも1つの結合部32とを有する。位置決め要素31は上リング部材10上に配置されており、円形の基部310を有する。基部310は基部310を貫通して形成された中心孔311を有する。少なくとも1つの結合部32は永久磁石であって、位置決め要素31の下部の側面上に配置されており、位置決め部24を選択的及び磁気的に引き付ける。ロックアセンブリ20Aは、上リング部材10上に固定された位置決め部材30Aに磁気的に引き付けられることができる。ロックアセンブリ20Aは、位置決め部材30Aに対して揺動することができる。
【0031】
使用において、図3を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aは車両のシートベルトシステムに適用される。上リング部材10の保持要素11と位置決め部材30Aとは車両のセンターピラー上に揺動可能に取り付けられるか、又はねじ要素6によって車両内のシートの上方及び後方で車両内に固定されている。ウェビング2はシートの横に位置するリトラクタ3から引き出され、フレーム21の接続部212を通過する。図4を参照すると、接続部212は接続ストラップ25に接続できる。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26に挿通されている。
【0032】
次に、図3から図5を参照すると、ウェビング2は、上リング部材10の上リング12、及びフレーム21内に位置する摺動部22の貫通溝224を通過する。ウェビング2は前部2A及び後部2Bを有する。ウェビング2の前部2Aは、上リング12とリトラクタ3との間に画定されている。ウェビング2の後部2Bは、ウェビング2の前部2Aと接続していて、上リング12、フレーム21、摺動部22、タング4、及びリトラクタ3を順次通過する。
【0033】
図3から図5を参照すると、乗員はシートに着座し、ウェビング2が乗員の胴体に当接するように締められている。後部2Bに接続されたタング4は、シートの横に位置するバックル5に挿入される。フレーム21と摺動部22との間の相対運動によって、ウェビング2の後部2Bはロックまたはロック解除される。ウェビング高さ調節装置1Aは、上リング部材10の近傍において、前部2Aと後部2Bとの間に位置決め摺動点を形成している。
【0034】
図5及び図6を参照すると、第1実施形態において、ウェビング2の位置決め点の高さ位置に位置するように、乗員によってウェビング高さ調節装置1Aを調節することができる。乗員は、ロックアセンブリ20Aの摺動部22のフレーム21を片手で把持することができる。ウェビング2の後部2Bをロック解除するために、フレーム21と摺動部22との間の相対運動が生成される。連続的に調節しながら、フレーム21が上方に押されるか、又は摺動部20が下方に引っ張られる。ウェビング高さ調節装置1Aが適切な位置まで移動すると、ウェビング高さ調節装置1Aを放すことができる。ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定し、ウェビング高さ調節装置1Aはウェビング2を自動的にロックするのに十分な摩擦を発生させる。タング4と上リング部材10との間の後部2Bはウェビング高さ調節装置1Aに対して動くことができない。
【0035】
ウェビング2上のウェビング高さ調節装置1Aの高さが上方又は下方に調節された後、乗員はロックアセンブリ20Aを放す。ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定し、ウェビング高さ調節装置1Aは、ウェビング2を自動的にロックするのに十分な摩擦を発生させる。タング4と上リング部材10との間の後部2Bはウェビング高さ調節装置1Aに対して動くことができない。
【0036】
ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aを使用していないとき、又はウェビング2の位置決め点の高さ位置を調節していないときは、図7を参照すると、フレーム21の位置決め部24は、上リング部材10の側面に位置する位置決め部材30Aの少なくとも1つの結合部32に磁気的に引き付けられている。ロックアセンブリ20Aは位置決め部材30Aに対して揺動する。ロックアセンブリ20Aのフレーム21及び摺動部22は、ウェビング2に対してロック解除されている。ウェビング2は自由に引き出すことができる。ウェビング2の擦れを防ぐために、ロックアセンブリ20Aは位置決め部材30Aに対して揺動する。
【0037】
図8及び図9を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bにおいて、ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第2実施形態1Bとの間の相違点を以下で説明する。
【0038】
ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bの位置決め部材30Bにおいて、基部310は上リング部材10に面する後面を有し、位置決め部材30Bは2つの当接ロッド314を有する。2つの当接ロッド314は、基部310の後面上に後方に突出して配置されている。位置決め要素31と上リング部材10の保持要素11とは、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置されている。位置決め部材30Bの基部310は保持要素11の側面上に固定されている。ロックアセンブリ20Bと位置決め部材30Bとが互いに対して揺動することを防ぐために、当接ロッド314は保持要素11に当接している。
【0039】
ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第2実施形態1Bの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bの操作は本明細書では説明しない。
【0040】
図10及び図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいて、ウェビング高さ調節装置1Cは、上リング部材10、ロックアセンブリ20C、及び位置決め部材30Cを有する。ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cの上リング部材10、ロックアセンブリ20C、及び位置決め部材30Cの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20A、及び位置決め部材30Aの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第3実施形態1Cとの間の相違点は、位置決め部材30A、30Cの形にある。
【0041】
図3図4図10、及び図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいて、上リング12の両側に位置するウェビング2の部分をロック又はロック解除するために、ロックアセンブリ20Cは、上リング部材10の側面の外側に移動可能に配置されている。ロックアセンブリ20Cは、フレーム21と、フレーム21内に配置されている摺動部22とを有する。フレーム21は常磁性体または鉄などの磁性体からなる。本体211の上端上に形成された位置決め部24は上方へ突出した無孔のプレートである。摺動部22はフレーム21に対して移動できる。ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cに示されたロックアセンブリ20Cは、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aに示されたロックアセンブリ20Aと同一であり、本明細書では説明しない。
【0042】
図10及び図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいて、位置決め部材30Cは、位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は上リング部材10の保持要素11の側面上かつ外側に配置されている。結合部32は永久磁石であって、位置決め要素31の下部の側面上に配置されていて、フレーム21の位置決め部24を選択的及び磁気的に引き付ける。ロックアセンブリ20Cは、上リング部材10に結合された位置決め部材30Cに一点磁気的に引き付けられることができる。ロックアセンブリ20Cは、位置決め部材30Cに対して揺動することができる。
【0043】
図10及び図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいて、接続部212は接続ストラップ25と接続している。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26を通過する。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。
【0044】
図10及び図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第3実施形態1Cの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいてロックアセンブリ20Cが引き込まれている場合、ロックアセンブリ20Cは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Cに磁気的に引き付けられることができる。
【0045】
図12及び図13を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dにおいて、ウェビング高さ調節装置1Dは、上リング部材10、ロックアセンブリ20D、及び位置決め部材30Dを有する。ウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dの上リング部材10、ロックアセンブリ20D、及び位置決め部材30Dの構造は、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20C、及び位置決め部材30Cの構造とほとんど同じである。ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cと第4実施形態1Dにおける相違点は、結合部32の総数にある。磁力を増大させるために、ウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dの結合部32の総数が増加されている。ロックアセンブリ20Cは、位置決め部材30Dに対して容易には揺動しない。
【0046】
ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1C及び第4実施形態1Dの操作はほとんど同じであり、本明細書では説明しない。
【0047】
図14及び図15を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおいて、ウェビング高さ調節装置1Eは、上リング部材10、ロックアセンブリ20E、及び位置決め部材30Eを有する。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eの上リング部材10、ロックアセンブリ20E、及び位置決め部材30Eの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20A、及び位置決め部材30Aの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20A、20Eは、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第5実施形態1Eにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30A、30Eに選択的及び磁気的に引き付けられることができる。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第5実施形態1Eの間の相違点は、それぞれの組み立て方法にある。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおけるロックアセンブリ20Eの組み立て方法は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aにおけるロックアセンブリ20Aの組み立て方法とは異なる。
【0048】
図14及び図15を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおいて、フレーム21は常磁性体または鉄などの磁性体からなる。本体211の上端上に形成されている位置決め部24は後方に曲げられたプレートであって、磁気的に引き付けられることができる。位置決め部材30Eは位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は、位置決め要素31を貫いて形成された中心孔311を有する。位置決め要素31は上リング部材10の保持要素11の側面上に配置されている。位置決め要素31及び保持要素11は、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に固定されている。結合部32は永久磁石であって、位置決め要素31の下端上に配置されていて、フレーム21上の後方に曲げられた位置決め部24を選択的及び磁気的に引き付ける。ロックアセンブリ20Eは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Eに引き付けられることができる。
【0049】
図14及び図15を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおいて、接続部212は、弾力性を有する接続ストラップ25と接続している。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26を通過する。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。
【0050】
ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと、第5実施形態1Eの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第5実施形態1Eの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおいて、ロックアセンブリ20Eが引き込まれている場合、フレーム21は、上リング部材10の側面上に配置された位置決め要素31の下端に磁気的に引き付けられることができる。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aにおいて、ロックアセンブリ20Aが引き込まれている場合、フレーム21は、上リング部材10の側面上に配置された位置決め要素31の側面の下部に磁気的に引き付けられることができる。
【0051】
図16から図18を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fにおいて、ウェビング高さ調節装置1Fは、上リング部材10、ロックアセンブリ20F、及び位置決め部材30Fを有する。ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fの上リング部材10、ロックアセンブリ20F、及び位置決め部材30Fの構造は、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20E、及び位置決め部材30Eの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20E、20Fは、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eおよび第6実施形態1Fにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30E、30Fの下端に選択的及び磁気的に引き付けられることができる。
【0052】
図16から図18を参照して、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第6実施形態1Fの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fの位置決め部材30Fにおいて、2つの当接ロッド314が、位置決め要素31の後面上に後方に突出して配置されている。位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11は、ねじ要素6によって車両のセンターピラーに配置されている。位置決め要素31は保持要素11の側面上に固定されている。ロックアセンブリ20Fと位置決め部材30Fとが互いに対して揺動することを防ぐために、当接ロッド314は保持要素11に当接している。
【0053】
ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第6実施形態1Fの操作はほとんど同じであり、本明細書では説明しない。
【0054】
図19から図21を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gにおいて、ウェビング高さ調節装置1Gは、上リング部材10、ロックアセンブリ20G、及び位置決め部材30Gを有する。ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gの上リング部材10、ロックアセンブリ20G、及び位置決め部材30Gの構造は、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20E、及び位置決め部材30Eの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20E、20Gは、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第7実施形態1Gにおける上リング部材の側面上に配置された位置決め部材30E、30Gの下端に選択的及び磁気的に引き付けられることができる。
【0055】
図19から図21を参照して、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第7実施形態1Gとの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gの位置決め部材30Gにおいて、位置決め要素31は中心孔を持たない。位置決め要素31は、凹部312及びフック313を有する。凹部312は位置決め要素31の後面上に形成されている。フック313は位置決め要素31の後面上に形成されており、凹部312の下方に位置している。上リング部材10の保持要素11は、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置されている。位置決め要素31は上リング部材10の保持要素11上に取り外し可能に配置されている。保持要素11は凹部312内にはめ込まれている。フック313は、位置決め要素31を保持要素11上に位置決めするために、保持要素11の下端に掛合して接続されている。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおける組み立て構造の、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置される位置決め部材30E及び保持要素11に関して、フック313で置き換えられている。
【0056】
ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第7実施形態1Gの操作はほとんど同じであり、本明細書では説明しない。
【0057】
図22及び図23を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hにおいて、ウェビング高さ調節装置1Hは、上リング部材10、ロックアセンブリ20H、及び位置決め部材30Hを有する。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの上リング部材10の構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aに示された上リング部材10の構造と同一である。上リング部材10は車両のセンターピラー上に固定されている。シートの横又は後ろに位置するウェビング2は上リング12を通過する。ロックアセンブリ20H及び位置決め部材30Hは変更される。
【0058】
図22及び図23を参照すると、上リング12の両側に位置するウェビング2の部分をロックまたはロック解除するために、ロックアセンブリ20Hは、上リング部材の側面の外側に移動可能に配置されている。ロックアセンブリ20Hは、フレーム21、摺動部22、及びカバー23を有する。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hのフレーム21及び摺動部22は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aのフレーム21及び摺動部22と実質的に同一であり、本明細書では説明しない。摺動部22はフレーム21内に移動可能に配置されている。ウェビング2はフレーム21の接続部212を直接通過する。または付加的に、接続部212は接続ストラップ25と接続している。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26を通過する。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。
【0059】
図22及び図23を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hのフレーム21は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aに示されたフレーム21の位置決め部24の構造を削除したものである。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hにはカバー23が加えられている。位置決め部24はカバー23上に配置されている。
【0060】
図22及び図23を参照すると、フレーム21に対して移動するように摺動部22を駆動するために、カバー23は、摺動部22に接続されたフレーム21の周囲かつ外側に移動可能に配置されている。カバー23は、カバーベース231及び2つのカバー側板232を有する。カバーベース231は2つの側面と、背面とを有する。2つのカバー側板232は、カバーベース231の2つの側面上にそれぞれに形成されており、互いに対向している。2つのカバー側板232の間に空間が形成され、空間はカバーベース231の背面の後ろに位置している。カバー23は上止め部233を有する。上止め部233はカバーベース231の背面の上部上に形成される。位置決め部24は上止め部233の背面上に配置されている。位置決め部24は永久磁石であるか、または常磁性体もしくは鉄などの磁性体からなる。
【0061】
図22及び図23を参照すると、2つのカバー側板232のそれぞれは、上面、底面、内面、案内溝234、及び底壁235を有する。案内溝234はカバー側板232の内面上に形成され、カバー側板232の上面まで延び、底部を有する。底壁235は、カバー側板232の底面上に形成され、案内溝234の底部に位置する。カバー23のカバーベース231の背面は、摺動部22の第1プレート部221に面する。2つの縦方向側部2112は、カバー23内の2つのカバー側板232の案内溝234にそれぞれ挿入される。フレーム21はカバー23内で上方及び下方に摺動可能であり、縦方向側部2112の下方に位置する底壁235によって位置決めされる。カバーベース231の背面の上部上に形成される上止め部233は、摺動部22の第1プレート部221の上方に位置している。
【0062】
図22及び図23を参照すると、位置決め部材30Hは、上リング部材10の保持要素11の側面上に配置されている。位置決め部材30H及び上リング部材10は車両のセンターピラー上に固定されている。位置決め部材30Hは、ロックアセンブリ20Hを選択的及び磁気的に引き付ける。位置決め部材30Hは位置決め要素31及び結合部32を有する。結合部32は永久磁石であって、位置決め要素31の側面の下部上に配置され、カバー23上の位置決め部24を引き付ける。ロックアセンブリ20Hは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Hに磁気的に引き付けられる。
【0063】
ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hは、車両のシートベルトシステムに適用される。図24を参照すると、上リング部材10の保持要素11と位置決め部材30Hとは、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に固定されている。ウェビング2はシートの横に位置するリトラクタ3から引き出され、フレーム21の接続部212を通過する。次に、ウェビング2は上リング部材10の上リング12を通過し、フレーム21内に位置する摺動部22の貫通溝224を通過する。ウェビング2は前部2A及び後部2Bを有する。ウェビング2の前部2Aは、上リング12とリトラクタ3との間に画定されている。ウェビング2の後部2Bはウェビング2の前部2Aと接続していて、上リング12、カバー23、フレーム21、摺動部22、タング4、及びリトラクタ3を順次通過する。
【0064】
乗員はシートに着座し、ウェビング2が乗員の胴体に当接するように締められている。後部2Bに接続されたタング4はシートの横に位置するバックル5に挿入される。図24を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hにおいて、フレーム21と摺動部22との間の相対運動によって、ウェビング2の後部2Bはロックまたはロック解除される。ウェビング高さ調節装置1Hは、上リング部材10の近傍において、前部2Aと後部2Bとの間に位置決め摺動点を形成している。
【0065】
図24を参照すると、乗員によって、ウェビング2の位置決め点の高さ位置に位置するようにウェビング高さ調節装置1Hを調節することができる。乗員はカバー23を片手で把持することができる。ウェビング2の後部2Bをロック解除するために、カバー23によってフレーム21と摺動部22との間の相対運動が生成される。カバー23は上方に押されるか、又は下方に引っ張られる。連続的に調節しながら、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hを適切な位置に調節することができる。
【0066】
図25を参照すると、ウェビング高さ調節装置1Hは解放されており、ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定する。ウェビング高さ調節装置1Hは、ウェビング2を自動的にロックするのに十分な摩擦を発生させる。タング4と上リング部材10との間の後部2Bは、ウェビング高さ調節装置1Hに対して動くことができない。ウェビング2上のウェビング高さ調節装置1Hの高さが上方又は下方に調節された後、乗員はカバー23を放す。ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定する。タング4と上リング部材10との間の後部2Bは、ウェビング高さ調節装置1Hに対して動くことができない。
【0067】
図26を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hを使用していないとき、又はウェビング2の位置決め点の高さ位置を調節していないときは、カバー23は上リング部材10の側面上の位置決め部材30Hに磁気的に引き付けられる。カバー23内のフレーム21及び摺動部22は、ウェビング2に対してロック解除される。ウェビング2は自由に引っ張ることができる。
【0068】
図27及び図28を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iにおいて、ウェビング高さ調節装置1Iは、上リング部材10、ロックアセンブリ20I、及び位置決め部材30Iを有する。ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iの構造は、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの構造とほぼ類似しており、本明細書では説明しない。
【0069】
図27及び図28を参照して、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hと第9実施形態1Iの相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iにおいて、位置決め部材30Iは、位置決め要素31の基部310の後面上に後方に突出して配置されている2つの当接ロッド314を有している。位置決め要素31と上リング部材10の保持要素11とは、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置されている。位置決め要素31の基部310は保持要素11の側面上に固定されている。ロックアセンブリ20Iと位置決め部材30Iとが互いに対して揺動することを防ぐために、当接ロッド314は保持要素11に当接している。
【0070】
ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iの操作は、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの操作と同一であり、本明細書では説明しない。
【0071】
図29及び図30を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jにおいて、ウェビング高さ調節装置1Jは、上リング部材10、ロックアセンブリ20J、及び位置決め部材30Jを有する。ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jの構造は、ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iの構造とほぼ同じである。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11の外側かつ周囲に取り外し可能に配置されている。ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iと第10実施形態1Jの同一部分については、本明細書では説明しない。
【0072】
ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iと第10実施形態1Jの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jにおいて、ロックアセンブリ20Jは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Jに選択的かつ磁気的に引き付けられ、ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iに示されたロックアセンブリ20Iとは異なる。
【0073】
図29及び図30を参照すると、位置決め部材30Jは、位置決め要素31と、位置決め要素31の側面の下部に配置された結合部32とを有する。カバー23の背面上の位置決め部24は永久磁石であるか、または常磁性体もしくは鉄などの磁性体からなる。位置決め部材30Jは、上リング部材10の保持要素11の側面上に配置されている。位置決め部材30Jと上リング部材10とは車両のセンターピラーに固定されている。位置決め部材30Jは、位置決めのためにロックアセンブリ20Jを選択的及び磁気的に引き付ける。位置決め部材30Jは位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11の外側かつ周囲に取り外し可能に配置されている。結合部32は永久磁石であって、位置決め要素31の側面の下部に配置されており、カバー23の位置決め部24を選択的及び磁気的に引き付ける。ロックアセンブリ20Jは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Jに磁気的に引き付けられる。
【0074】
ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jの操作は、ウェビング高さ調節装置の第9実施形態1Iの操作と同一であり、本明細書では説明しない。
【0075】
図31を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第11実施形態1Kにおいて、ウェビング高さ調節装置1Kは、上リング部材10、ロックアセンブリ20K、及び位置決め部材30Kを有する。ウェビング高さ調節装置の第11実施形態1Kの構造は、ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jと第11実施形態1Kとの間の相違点を以下で説明する。
【0076】
ウェビング高さ調節装置の第11実施形態1Kにおいて、位置決め部24は、常磁性体もしくは磁性体でできていてもよく、または磁石である。結合部32は永久磁石である。カバー23の背面上に配置された位置決め部24の総数は増加している。位置決め部材30Kの結合部32の総数は増加している。ロックアセンブリ20Kと位置決め部材30Kとが互いに対して揺動することを防ぐために、位置決め部24と結合部32との間の磁力は増大される。
【0077】
ウェビング高さ調節装置の第11実施形態1Kの操作は、ウェビング高さ調節装置の第10実施形態1Jの操作と同一であり、本明細書では説明しない。
【0078】
図32から図34を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lにおいて、ウェビング高さ調節装置1Lは、上リング部材10、ロックアセンブリ20L、及び位置決め部材30Lを有する。ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lの上リング部材10、ロックアセンブリ20L、及び位置決め部材30Lの構造は、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20H、及び位置決め部材30Hの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20H、20Lは、第8実施形態及び第12実施形態に示される上リング部材10上に配置された位置決め部材30H、30Lを選択的かつ磁気的に引き付ける。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hと第12実施形態1Lとの間の相違点は、位置決め部24及び位置決め部材30Lの組み立てにある。
【0079】
図32及び図34を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lにおいて、カバー23上の位置決め部24は永久磁石であるか、または磁気的に引き付けられるために、常磁性体または鉄などの磁性体からなる。位置決め部材30Lは、位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は中心孔311を有する。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11の側面上に配置されており、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に固定されている。結合部32は永久磁石であって、位置決め要素の下端上に配置されており、カバー23の背面上の位置決め部24を選択的及び磁気的に引き付ける。ロックアセンブリ20Lは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Lの下端に引き付けられることができる。
【0080】
ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lの操作は、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの操作と同一であり、本明細書では説明しない。
【0081】
図35を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第13実施形態1Mにおいて、ウェビング高さ調節装置1Mは、上リング部材10、ロックアセンブリ20M、及び位置決め部材30Mを有する。ウェビング高さ調節装置の第13実施形態1Mの上リング部材10、ロックアセンブリ20M、及び位置決め部材30Mの構造は、第12実施形態1Lに示された上リング部材10、ロックアセンブリ20L、及び位置決め部材30Lの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20L、20Mは、第12実施形態及び第13実施形態に示される上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30L、30Mの下端を選択的及び磁気的に引き付ける。
【0082】
図35を参照して、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lと第13実施形態1Mとの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第13実施形態1Mにおいて、位置決め部材30Mは、位置決め要素31の後面上に後方に突出して配置されている2つの当接ロッド314を有している。位置決め要素31及び上リング部材10は、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置されている。位置決め要素31は保持要素11の側面上に固定されている。ロックアセンブリ20Mと位置決め部材30Mとが互いに対して揺動することを防ぐために、2つの当接ロッド314は保持要素11に当接している。
【0083】
ウェビング高さ調節装置の第13実施形態1Mの操作は、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lの操作と同一であり、本明細書では説明しない。
【0084】
図36から図38を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第14実施形態1Nにおいて、ウェビング高さ調節装置1Nは、上リング部材10、ロックアセンブリ20N、及び位置決め部材30Nを有する。ウェビング高さ調節装置の第14実施形態1Nの上リング部材10、ロックアセンブリ20N、及び位置決め部材30Nの構造は、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lに示される上リング部材10、ロックアセンブリ20L、及び位置決め部材30Lの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20L、20Nは、第12実施形態及び第14実施形態に示される上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30L、30Nの下端を選択的及び磁気的に引き付ける。
【0085】
図36から図38を参照して、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lと第14実施形態1Nとの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第14実施形態1Nの位置決め部材30Nにおいて、位置決め要素31は中心孔を持たない。位置決め要素31は凹部312及びフック313を有する。凹部312は位置決め要素31の後面上に形成される。フック313は位置決め要素31の後面上に形成されており、凹部312の下方に位置している。上リング部材10の保持要素11は、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置されている。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11上に取り外し可能に配置されている。保持要素11は凹部312内にはめ込まれている。フック313は、位置決め要素31を保持要素11上で位置決めするために、保持要素11の下端に掛合して接続している。ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lにおける組み立て構造の、ねじ要素6によって車両のセンターピラー上に配置される位置決め部材30L及び保持要素11に関して、フック313で置き換えられている。
【0086】
ウェビング高さ調節装置の第14実施形態1Nの操作は、ウェビング高さ調節装置の第12実施形態1Lの操作と同一であり、本明細書では説明しない。
【0087】
したがって、ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L、1M、1Nは、車両のシートベルトシステムに適用することができる。ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L、1M、1Nによって、ウェビング2上の上位置決め点の高さ位置を連続的に調節することができる。ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L、1M、1Nは操作が簡単であり、ウェビング2を自動的にロックする。ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1K、1L、1M、1Nが使用されていない場合、引き込まれたウェビング2によって、ロックアセンブリ20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20I、20J、20K、20L、20M、20Nは自動的に上方に移動され、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30H、30I、30J、30K、30L、30M、30Nに磁気的に引き付けられることができる。スペースを節約するため、ウェビング高さ調節装置をセンターピラーの上方に引き込むこともできる。ウェビングはロック解除状態において自由に引っ張ることができる。
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