特許第6789076号(P6789076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789076
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】機器情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20201116BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20201116BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20201116BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20201116BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20201116BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   G05B19/042
   H04Q9/00 311J
   H04Q9/00 301C
   H04L12/28 200A
   G06Q10/06
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-220593(P2016-220593)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-78511(P2018-78511A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼溝 将輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 元
(72)【発明者】
【氏名】松尾 岳明
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓也
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−127875(JP,A)
【文献】 特開2004−320187(JP,A)
【文献】 特開2007−041905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B19/04−19/05
G06F13/00、19/00
G06Q10/00−10/10、30/00−30/08、
50/00−50/20、50/26−99/00
H03J9/00−9/06
H04L12/28、12/44−12/46
H04M3/00、3/16−3/20、3/38−3/58
7/00−7/16、11/00−11/10
H04Q9/00−9/16
H04W8/26、24/00、28/02、72/04、74/04、
74/08、84/12、88/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置され、当該施設の利用者によって利用される機器と、
前記施設に設置され、前記機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、
前記施設外の遠隔地に設置され、前記機器の運転状況を示す機器運転情報を、前記情報通信網を介して前記通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムであって、
前記機器は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶し、及び、前記機器運転情報を前記第2識別情報と共に前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器運転情報を前記第1識別情報と前記第2識別情報と共に前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、同一の前記施設に設置されている、前記通信器の前記第1識別情報と、当該通信器との間で情報の送受信を行う前記機器の前記第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、前記機器運転情報と関連付けて記憶し、
前記機器が記憶している前記第2識別情報は、前記管理サーバ装置が前記機器に対して一意に付与して、前記通信器を介して前記機器に伝達した情報であり、
前記機器は、自身に対して前記第2識別情報が未だ付与されていないとき、予め記憶している初期識別情報を前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器から前記初期識別情報を受信したとき、当該初期識別情報及び自身の前記第1識別情報を前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、前記初期識別情報及び前記第1識別情報の組み合わせを前記通信器から受信したとき、既に記憶している前記機器組合情報に当該第1識別情報が含まれていなければ、前記機器に対して前記第2識別情報を一意に付与すると共に、当該通信器の前記第1識別情報と当該機器の前記第2識別情報との組み合わせを前記機器組合情報として新たに記憶し、及び、当該機器に対して前記第2識別情報を前記通信器を介して伝達する機器情報管理システム。
【請求項2】
施設に設置され、当該施設の利用者によって利用される機器と、
前記施設に設置され、前記機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、
前記施設外の遠隔地に設置され、前記機器の運転状況を示す機器運転情報を、前記情報通信網を介して前記通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムであって、
前記機器は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶し、及び、前記機器運転情報を前記第2識別情報と共に前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器運転情報を前記第1識別情報と前記第2識別情報と共に前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、同一の前記施設に設置されている、前記通信器の前記第1識別情報と、当該通信器との間で情報の送受信を行う前記機器の前記第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、前記機器運転情報と関連付けて記憶し、
前記機器が記憶している前記第2識別情報は、前記管理サーバ装置が前記機器に対して一意に付与して、前記通信器を介して前記機器に伝達した情報であり、
前記機器は、自身に対して前記第2識別情報が未だ付与されていないとき、予め記憶している初期識別情報を前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器から前記初期識別情報を受信したとき、当該初期識別情報及び自身の前記第1識別情報を前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、前記初期識別情報及び前記第1識別情報の組み合わせを前記通信器から受信したとき、既に記憶している前記機器組合情報に当該第1識別情報が含まれていれば、前記機器に対して前記第2識別情報を一意に付与すると共に、当該通信器の前記第1識別情報と当該機器の前記第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している前記機器組合情報を更新して記憶し、及び、当該機器に対して前記第2識別情報を前記通信器を介して伝達する機器情報管理システム。
【請求項3】
施設に設置され、当該施設の利用者によって利用される機器と、
前記施設に設置され、前記機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、
前記施設外の遠隔地に設置され、前記機器の運転状況を示す機器運転情報を、前記情報通信網を介して前記通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムであって、
前記機器は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶し、及び、前記機器運転情報を前記第2識別情報と共に前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器運転情報を前記第1識別情報と前記第2識別情報と共に前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、同一の前記施設に設置されている、前記通信器の前記第1識別情報と、当該通信器との間で情報の送受信を行う前記機器の前記第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、前記機器運転情報と関連付けて記憶し、
前記機器が記憶している前記第2識別情報は、前記管理サーバ装置が前記機器に対して一意に付与して、前記通信器を介して前記機器に伝達した情報であり、
前記管理サーバ装置は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の組み合わせと共に前記機器運転情報を前記通信器から受信したとき、
既に記憶している前記機器組合情報に、受信した当該第1識別情報が含まれており且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶し、
既に記憶している前記機器組合情報に受信した当該第1識別情報が含まれておらず且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報を、受信した当該第1識別情報と受信した当該第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、当該更新後の前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶する機器情報管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバ装置は、前記初期識別情報及び前記第1識別情報の組み合わせを前記通信器から受信したとき、既に記憶している前記機器組合情報に当該第1識別情報が含まれていれば、前記機器に対して前記第2識別情報を一意に付与すると共に、当該通信器の前記第1識別情報と当該機器の前記第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している前記機器組合情報を更新して記憶し、及び、当該機器に対して前記第2識別情報を前記通信器を介して伝達する請求項1に記載の機器情報管理システム。
【請求項5】
前記初期識別情報はヌル値である請求項1、2又は4に記載の機器情報管理システム。
【請求項6】
前記管理サーバ装置は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の組み合わせと共に前記機器運転情報を前記通信器から受信したとき、
既に記憶している前記機器組合情報に、受信した当該第1識別情報が含まれており且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶し、
既に記憶している前記機器組合情報に受信した当該第1識別情報が含まれておらず且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報を、受信した当該第1識別情報と受信した当該第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、当該更新後の前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶する請求項1、2、4又は5に記載の機器情報管理システム。
【請求項7】
前記第1識別情報はMACアドレスである請求項1〜6の何れか一項に記載の機器情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に設置され、その施設の利用者によって利用される機器と、施設に設置され、機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、施設外の遠隔地に設置され、機器の運転状況を示す機器運転情報を、情報通信網を介して通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、家屋等の施設に設置される空調装置や給湯器等の機器を備え、情報通信網を介して機器との間で情報通信可能である管理サーバ装置を備える機器情報管理システムが記載されている。この機器情報管理システムでは、機器は、自身の運転状況を示す機器運転情報(空調機情報7など)を管理サーバ装置に対して送信し、管理サーバ装置は、その機器運転情報を記憶する。そして、管理サーバ装置は、機器の利用者が使用する利用者通信機器からアクセスがあったとき、その機器運転情報を利用者通信機器へ送信して利用者に閲覧させる。また、空調装置や給湯器等の機器は本来、情報通信機能を有していないため、通信器(コントローラ2)を介してその機器を情報通信網に接続している。
【0003】
特許文献1には記載されていないが、管理サーバ装置は、アクセスしてきた通信器を識別する必要がある。一般的には、情報通信網に対して接続される通信器には、情報通信網において一意なMAC(Media Access Control)アドレスと呼ばれる識別情報が出荷時点で付与されている。そのため、管理サーバ装置は、アクセスしてきた通信器及び機器をそのMACアドレスを用いて識別し、通信器のMACアドレスと機器運転情報とを関連付けて記憶できる。
【0004】
特許文献1に記載のようなシステムを用いて、利用者による特定の機器での過去の電力消費量や給湯消費量などの機器運転情報を管理サーバ装置が継続的に記憶しておけば、利用者が当月の電力消費量や給湯消費量と前年同月の電力消費量や給湯消費量とを対比して確認することなども可能である。
但し、通信器が故障などの理由によって交換されるとそのMACアドレスも変更されるため、変更前のMACアドレスに関連付けられた機器運転情報と、変更後のMACアドレスに関連付けられた機器運転情報との継続性が失われるという問題がある。
【0005】
特許文献2には、機器の構成が修理等の理由により時間の経過に伴って変更された場合であっても、同一の機器として継続的に追跡可能なシステムが記載されている。具体的には、特許文献2に記載のシステムにおいて、サーバは、予め、電子装置に関するデータポイント(装置のメーカー、モデル、マザーボードシリアル番号、ハードドライブシリアル番号など)を含むイベントリ記録を作成し、及び、そのイベントリ記録に対する一意な電子シリアル番号(ESN)を作成して電子装置に伝達しておく。そして、サーバは、電子装置からアクセスがあったとき、その電子装置の電子シリアル番号が正当な番号であるか否かを検証することで、電子装置の識別を行う。このような電子シリアル番号(ESN)を用いることで、電子装置に内蔵された部品などが修理等の理由により時間の経過に伴って変更されることでイベントリ記録の一部が変更された場合であっても、同一の電子装置として継続的に追跡することが可能になる。
尚、サーバは、電子装置からアクセスがあったとき、その電子装置の電子シリアル番号が無効であれば或いは電子装置が電子シリアル番号を有していなければ、上述したようにイベントリ記録を新たに作成し、及び、そのイベントリ記録に対する一意な電子シリアル番号を新たに作成するというプロセスを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−005496号公報
【特許文献2】特許第5363305号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載のシステムでは、電子シリアル番号(ESN)があれば、電子装置の一部の構成が変更されたとしても、その変更前後の電子装置を同一のものとして継続的に追跡できるが、電子装置全体が交換された場合には新たな電子シリアル番号が付与される。つまり、交換前の電子装置に関する情報を引き継ぐことはできなくなる。
【0008】
同様に、通信器を介して空調装置や給湯器等の機器を管理サーバ装置に接続し、管理サーバ装置が、機器の機器運転情報を通信器のMACアドレスに関連付けて継続的に管理している場合も、通信器が交換されてそのMACアドレスが変更されると、機器運転情報を引き継ぐことはできない。
尚、管理サーバ装置が、通信器のMACアドレスだけでなく、機器の製造番号と通信器のMACアドレスとの両方を機器運転情報に関連付けて管理することも可能ではある。そうすれば、通信器のMACアドレスが変更されても、機器の製造番号が変更されていなければ、以前の機器運転情報を引き継ぐことができる。
【0009】
ところが、機器の製造番号は、メーカー同士やメーカー内の複数のラインナップ同士で重複する可能性があり、一意な識別情報ではない。そのため、管理サーバ装置は、機器の製造番号だけで機器を確実に識別することは困難である。また、一意に管理された製造番号等を機器に対して付与し、機器の製造時や出荷時に機器内蔵の不揮発性メモリに書き込むといった手法は、工場製造ライン変更によるコストアップや製造工数増加の観点から好ましくない。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、機器運転情報を継続的に管理できる機器情報管理システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る機器情報管理システムの特徴構成は、施設に設置され、当該施設の利用者によって利用される機器と、
前記施設に設置され、前記機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、
前記施設外の遠隔地に設置され、前記機器の運転状況を示す機器運転情報を、前記情報通信網を介して前記通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムであって、
前記機器は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶し、及び、前記機器運転情報を前記第2識別情報と共に前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器運転情報を前記第1識別情報と前記第2識別情報と共に前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、同一の前記施設に設置されている、前記通信器の前記第1識別情報と、当該通信器との間で情報の送受信を行う前記機器の前記第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、前記機器運転情報と関連付けて記憶し、
前記機器が記憶している前記第2識別情報は、前記管理サーバ装置が前記機器に対して一意に付与して、前記通信器を介して前記機器に伝達した情報であり、
前記機器は、自身に対して前記第2識別情報が未だ付与されていないとき、予め記憶している初期識別情報を前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器から前記初期識別情報を受信したとき、当該初期識別情報及び自身の前記第1識別情報を前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、前記初期識別情報及び前記第1識別情報の組み合わせを前記通信器から受信したとき、既に記憶している前記機器組合情報に当該第1識別情報が含まれていなければ、前記機器に対して前記第2識別情報を一意に付与すると共に、当該通信器の前記第1識別情報と当該機器の前記第2識別情報との組み合わせを前記機器組合情報として新たに記憶し、及び、当該機器に対して前記第2識別情報を前記通信器を介して伝達する点にある。
ここで、前記第1識別情報はMACアドレスであってもよいし、前記初期識別情報はヌル値であってもよい。
【0012】
上記特徴構成によれば、管理サーバ装置が、機器に対して一意な第2識別情報を付与し、機器はその第2識別情報を記憶するので、機器は、製造時や出荷時などの段階で一意な識別情報を有している必要はない。
また、管理サーバ装置は、通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを機器組合情報として記憶し、及び、機器運転情報を、通信器の第1識別情報及び機器の第2識別情報と共に受信するので、通信器及び機器の何れか一方が交換などにより変更されたとしても、残りの一方の一意な識別情報を用いて、元々の通信器と機器との組み合わせを特定できる。その結果、過去に受信した機器運転情報と、通信器及び機器の何れか一方が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
更に、上記特徴構成によれば、管理サーバ装置は、初期識別情報及び第1識別情報の組み合わせを通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報にその第1識別情報が含まれていなければ、機器に対して第2識別情報を一意に付与すると共に、その通信器の第1識別情報とその機器の第2識別情報との組み合わせを上記機器組合情報として新たに記憶し、及び、機器に対して第2識別情報を伝達する。つまり、管理サーバ装置は、新たに設置された通信器及び機器の組み合わせを、通信器についての一意な第1識別情報及び機器についての一意な第2識別情報が組み合わされた機器組合情報を用いて新たに記憶できる。
従って、機器運転情報を継続的に管理できる機器情報管理システムを提供できる。
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る機器情報管理システムの特徴構成は、
施設に設置され、当該施設の利用者によって利用される機器と、
前記施設に設置され、前記機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、
前記施設外の遠隔地に設置され、前記機器の運転状況を示す機器運転情報を、前記情報通信網を介して前記通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムであって、
前記機器は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶し、及び、前記機器運転情報を前記第2識別情報と共に前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器運転情報を前記第1識別情報と前記第2識別情報と共に前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、同一の前記施設に設置されている、前記通信器の前記第1識別情報と、当該通信器との間で情報の送受信を行う前記機器の前記第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、前記機器運転情報と関連付けて記憶し、
前記機器が記憶している前記第2識別情報は、前記管理サーバ装置が前記機器に対して一意に付与して、前記通信器を介して前記機器に伝達した情報であり、
前記機器は、自身に対して前記第2識別情報が未だ付与されていないとき、予め記憶している初期識別情報を前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器から前記初期識別情報を受信したとき、当該初期識別情報及び自身の前記第1識別情報を前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、前記初期識別情報及び前記第1識別情報の組み合わせを前記通信器から受信したとき、既に記憶している前記機器組合情報に当該第1識別情報が含まれていれば、前記機器に対して前記第2識別情報を一意に付与すると共に、当該通信器の前記第1識別情報と当該機器の前記第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している前記機器組合情報を更新して記憶し、及び、当該機器に対して前記第2識別情報を前記通信器を介して伝達する点にある。
ここで、前記第1識別情報はMACアドレスであってもよいし、前記初期識別情報はヌル値であってもよい。
上記特徴構成によれば、管理サーバ装置が、機器に対して一意な第2識別情報を付与し、機器はその第2識別情報を記憶するので、機器は、製造時や出荷時などの段階で一意な識別情報を有している必要はない。
また、管理サーバ装置は、通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを機器組合情報として記憶し、及び、機器運転情報を、通信器の第1識別情報及び機器の第2識別情報と共に受信するので、通信器及び機器の何れか一方が交換などにより変更されたとしても、残りの一方の一意な識別情報を用いて、元々の通信器と機器との組み合わせを特定できる。その結果、過去に受信した機器運転情報と、通信器及び機器の何れか一方が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
従って、機器運転情報を継続的に管理できる機器情報管理システムを提供できる。
更に、上記特徴構成によれば、管理サーバ装置は、初期識別情報及び第1識別情報の組み合わせを通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報にその第1識別情報が含まれていれば、機器に対して第2識別情報を一意に付与すると共に、その通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している機器組合情報を更新して記憶し、及び、機器に対して第2識別情報を伝達する。つまり、管理サーバ装置は、既存の通信器と、交換などが行われた機器との組み合わせを、通信器についての一意な第1識別情報と機器についての一意な第2識別情報との機器組合情報を用いて記憶できる。このとき、管理サーバ装置は、通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している機器組合情報を更新して記憶するので、過去に受信した機器運転情報と、通信器及び機器の何れか一方が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る機器情報管理システムの特徴構成は、
施設に設置され、当該施設の利用者によって利用される機器と、
前記施設に設置され、前記機器との間で情報の送受信を行うと共に、自身に対して付与されている、情報通信網において一意な第1識別情報を有する通信器と、
前記施設外の遠隔地に設置され、前記機器の運転状況を示す機器運転情報を、前記情報通信網を介して前記通信器から受信して記憶する管理サーバ装置とを備える機器情報管理システムであって、
前記機器は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶し、及び、前記機器運転情報を前記第2識別情報と共に前記通信器に送信し、
前記通信器は、前記機器運転情報を前記第1識別情報と前記第2識別情報と共に前記管理サーバ装置に送信し、
前記管理サーバ装置は、同一の前記施設に設置されている、前記通信器の前記第1識別情報と、当該通信器との間で情報の送受信を行う前記機器の前記第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、前記機器運転情報と関連付けて記憶し、
前記機器が記憶している前記第2識別情報は、前記管理サーバ装置が前記機器に対して一意に付与して、前記通信器を介して前記機器に伝達した情報であり、
前記管理サーバ装置は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の組み合わせと共に前記機器運転情報を前記通信器から受信したとき、
既に記憶している前記機器組合情報に、受信した当該第1識別情報が含まれており且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶し、
既に記憶している前記機器組合情報に受信した当該第1識別情報が含まれておらず且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報を、受信した当該第1識別情報と受信した当該第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、当該更新後の前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶する点にある。
ここで、前記第1識別情報はMACアドレスであってもよい。
上記特徴構成によれば、管理サーバ装置が、機器に対して一意な第2識別情報を付与し、機器はその第2識別情報を記憶するので、機器は、製造時や出荷時などの段階で一意な識別情報を有している必要はない。
また、管理サーバ装置は、通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを機器組合情報として記憶し、及び、機器運転情報を、通信器の第1識別情報及び機器の第2識別情報と共に受信するので、通信器及び機器の何れか一方が交換などにより変更されたとしても、残りの一方の一意な識別情報を用いて、元々の通信器と機器との組み合わせを特定できる。その結果、過去に受信した機器運転情報と、通信器及び機器の何れか一方が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
上記特徴構成によれば、管理サーバ装置は、第1識別情報及び第2識別情報の組み合わせと共に機器運転情報を通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報に、受信した第1識別情報が含まれており且つ受信した第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶する。つまり、管理サーバ装置は、機器運転情報を機器組合情報に関連付けて継続的に記憶できる。
また、管理サーバ装置は、第1識別情報及び第2識別情報の組み合わせと共に機器運転情報を通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報に受信した第1識別情報が含まれておらず且つ受信した第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している機器組合情報を、受信した第1識別情報と受信した第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、更新後の機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶する。つまり、通信器が交換されたことで第1識別情報が変更されたとしても、過去に受信した機器運転情報と、通信器が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
従って、機器運転情報を継続的に管理できる機器情報管理システムを提供できる。
【0015】
本発明に係る機器情報管理システムの更に別の特徴構成は、前記機器は、自身に対して前記第2識別情報が未だ付与されていないとき、予め記憶している初期識別情報を前記通信器に送信し、前記通信器は、前記機器から前記初期識別情報を受信したとき、当該初期識別情報及び自身の前記第1識別情報を前記管理サーバ装置に送信し、前記管理サーバ装置は、前記初期識別情報及び前記第1識別情報の組み合わせを前記通信器から受信したとき、既に記憶している前記機器組合情報に当該第1識別情報が含まれていれば、前記機器に対して前記第2識別情報を一意に付与すると共に、当該通信器の前記第1識別情報と当該機器の前記第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している前記機器組合情報を更新して記憶し、及び、当該機器に対して前記第2識別情報を前記通信器を介して伝達する点にある。
ここで、前記初期識別情報はヌル値であってもよい。
【0016】
上記特徴構成によれば、管理サーバ装置は、初期識別情報及び第1識別情報の組み合わせを通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報にその第1識別情報が含まれていれば、機器に対して第2識別情報を一意に付与すると共に、その通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している機器組合情報を更新して記憶し、及び、機器に対して第2識別情報を伝達する。つまり、管理サーバ装置は、既存の通信器と、交換などが行われた機器との組み合わせを、通信器についての一意な第1識別情報と機器についての一意な第2識別情報との機器組合情報を用いて記憶できる。このとき、管理サーバ装置は、通信器の第1識別情報と機器の第2識別情報との組み合わせを、既に記憶している機器組合情報を更新して記憶するので、過去に受信した機器運転情報と、通信器及び機器の何れか一方が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
【0017】
本発明に係る機器情報管理システムの更に別の特徴構成は、前記管理サーバ装置は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の組み合わせと共に前記機器運転情報を前記通信器から受信したとき、
既に記憶している前記機器組合情報に、受信した当該第1識別情報が含まれており且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶し、
既に記憶している前記機器組合情報に受信した当該第1識別情報が含まれておらず且つ受信した当該第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している前記機器組合情報を、受信した当該第1識別情報と受信した当該第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、当該更新後の前記機器組合情報に、受信した前記機器運転情報を関連付けて記憶する点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、管理サーバ装置は、第1識別情報及び第2識別情報の組み合わせと共に機器運転情報を通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報に、受信した第1識別情報が含まれており且つ受信した第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶する。つまり、管理サーバ装置は、機器運転情報を機器組合情報に関連付けて継続的に記憶できる。
また、管理サーバ装置は、第1識別情報及び第2識別情報の組み合わせと共に機器運転情報を通信器から受信したとき、既に記憶している機器組合情報に受信した第1識別情報が含まれておらず且つ受信した第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している機器組合情報を、受信した第1識別情報と受信した第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、更新後の機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶する。つまり、通信器が交換されたことで第1識別情報が変更されたとしても、過去に受信した機器運転情報と、通信器が交換された後に受信した機器運転情報との間での継続性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】機器情報管理システムの構成を示す図である。
図2】機器と通信器と管理サーバ装置との間で行われる通信処理を説明する図である。
図3】機器と通信器と管理サーバ装置との間で行われる通信処理を説明する図である。
図4】機器と通信器と管理サーバ装置との間で行われる通信処理を説明する図である。
図5】機器と通信器と管理サーバ装置との間で行われる通信処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る機器情報管理システムについて説明する。
図1は、機器情報管理システムの構成を示す図である。図示するように、機器情報管理システムは、機器10と通信器20と管理サーバ装置Sとを備える。機器10と通信器20とは、住宅などの施設Bに設置されている。管理サーバ装置Sは、施設B外の遠隔地に設置されている。図1には、3つの施設Bを描き、各施設Bに1つの機器10及び1つの通信器20が設けられている例を描いているが、施設Bの設置数及び各施設Bでの機器10及び通信器20の設置数に制限は無い。施設Bでは、内部のプライベートネットワーク31と外部の情報通信網Nとがルータ30を用いて接続されている。通信器20は、ルータ30を介して外部の情報通信網Nに接続される。
【0021】
機器10は、施設Bの利用者によって利用される装置である。例えば、機器10は、空調装置、燃料電池などの発電装置、風呂湯張りや給湯などに湯を供給するために用いられる給湯器などの様々な装置である。本実施形態の機器10は、動作部11と、機器制御部12と、機器記憶部13と、機器通信部14とを有する。動作部11は、上述した空調装置、発電装置、給湯器などの装置である。機器制御部12は、動作部11の制御や、機器運転情報の収集を行う装置である。機器記憶部13は、機器10で取り扱われる情報を記憶する装置である。機器通信部14は、有線又は無線で通信器20と通信するための装置である。
【0022】
機器運転情報は、機器10の運転状況に関する様々な情報である。例えば、動作部11が空調装置の場合、機器運転情報は、冷房運転や暖房運転などの動作モードについての情報や、設定温度についての情報や、運転期間に関する情報や、運転予約に関する情報や、電力消費量に関する情報などである。また、動作部11が発電装置の場合、機器運転情報は、出力電圧・出力電力に関する情報や、発電運転期間に関する情報や、起動・停止回数に関する情報などである。更に、動作部11が給湯器である場合、機器運転情報は、給湯設定温度に関する情報や、給湯消費量に関する情報などである。他にも、機器10に設けられている温度センサの検出値などを機器運転情報としてもよい。
【0023】
このような機器運転情報は利用者毎に関連付けられた状態で継続的に管理されることが好ましい。例えば、管理サーバ装置が機器運転情報を継続的に記憶しておけば、利用者が当月の給湯消費量と前年同月の給湯消費量とを対比して確認することなども可能である。
【0024】
機器10は、自身に対して付与されている第2識別情報を記憶部23に記憶している。この第2識別情報は、後述する処理によって管理サーバ装置Sが付与した情報である。そして、機器10は、機器運転情報を第2識別情報と共に所定のタイミングで通信器20に送信する。所定のタイミングは、1時間に1回といったタイミングや、機器10で特定のイベントが発生したタイミングなどである。
【0025】
通信器20は、機器10との間での情報の送受信、及び、情報通信網Nに接続されている管理サーバ装置Sとの間での情報の送受信を行う装置である。本実施形態の通信器20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを有する。通信部21は、有線又は無線で機器10と通信し及びルータ30を介して管理サーバ装置Sと通信するための装置である。制御部22は、通信器20の動作を制御するための装置である。記憶部23は、通信器20で取り扱う情報を記憶する装置である。通信器20は、情報通信網Nに対して接続される装置であるので、その情報通信網Nにおいて一意な識別情報(第1識別情報)を有している。例えば、通信器20に付与される第1識別情報は、情報通信網Nにおいて一意なMACアドレスなどであり、製造時や出荷時などに記憶部23に記憶されている。このように、通信器20は、自身に対して付与されている、情報通信網Nにおいて一意な第1識別情報を有している。そして、通信器20は、機器10から受信した機器運転情報を第1識別情報と第2識別情報と共に所定のタイミングで管理サーバ装置Sに送信する。
【0026】
尚、通信器20は、上述したような通信機能のみを有する装置に限定されず、他の機能を併せて有している装置であってもよい。例えば、通信器20は、機器10に対する動作指令などを行うリモコン装置を用いて実現できる。よって、本実施形態の通信器20は、上述した通信部21及び制御部22及び記憶部23に加えて、入力受付部24と表示部25とを有する。入力受付部24は、利用者から動作部11に対する運転指令などの入力を受け付ける装置である。表示部25は、通信器20で取り扱う情報を利用者に対して表示する装置である。
【0027】
管理サーバ装置Sは、施設B外の遠隔地に設置され、機器10の運転状況を示す機器運転情報を、情報通信網Nを介して通信器20から受信して記憶する。そのため、管理サーバ装置Sは、情報通信網Nを介して他の装置と情報通信を行うための情報通信機能や情報記憶機能や演算処理機能などを有するコンピュータを用いて実現される。管理サーバ装置Sは、同一の施設Bに設置されている、通信器20の第1識別情報と、その通信器20との間で情報の送受信を行う機器10の第2識別情報との組み合わせである機器組合情報を、機器運転情報と関連付けて記憶する。
【0028】
次に、図2図5を参照して、機器10と通信器20と管理サーバ装置Sの間で行われる通信処理について説明する。
【0029】
〔機器10及び通信器20が新たに設置された装置である場合〕
図2は、機器10及び通信器20が新たに設置された装置である場合の例である。この場合、通信器20の記憶部23は、通信器20に対して付与されたMACアドレス等の第1識別情報:A1を記憶している。しかし、機器10の記憶部23は自身を識別するための識別情報を記憶していない。図中では、機器10の記憶部23は、製造時や出荷時などに設定される初期値としての初期識別情報(例えば、ヌル値など)を記憶している。
【0030】
図2に示す工程#10において機器10の制御部22は、自身に対して第2識別情報が未だ付与されていないため、例えば、新たに施設Bに設置された後の初回の電源投入時に、機器通信部14と情報通信を行うことができる通信器20が存在していれば、予め機器記憶部13に記憶している初期識別情報を通信器20に送信する。この場合、機器10の制御部22は、初期識別情報としての「ヌル(null)値」を通信器20に対して送信する。
【0031】
工程#11において通信器20は、機器10から初期識別情報を受信したとき、その初期識別情報及び自身の記憶部23が記憶している第1識別情報:A1を管理サーバ装置Sに送信する。
【0032】
工程#12において管理サーバ装置Sは、初期識別情報及び第1識別情報:A1の組み合わせを通信器20から受信したとき、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A1が含まれているか否かを判定する。尚、初期識別情報としての「ヌル(null)値」からは機器10を識別できないので、管理サーバ装置Sは、第1識別情報:A1のみに着目する。図2に示すのは、機器10及び通信器20が新たに設置された装置である場合の例であるので、管理サーバ装置Sが受信した第1識別情報:A1は未だ管理サーバ装置Sに記憶されていない。そのため、管理サーバ装置Sは、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A1が含まれていないと判定する。加えて、管理サーバ装置Sは、機器10に対して第2識別情報:B1を一意に付与すると共に、通信器20の第1識別情報:A1と機器10の第2識別情報:B1との組み合わせである機器組合情報を新たに記憶する。
そして、工程#13において管理サーバ装置Sは、機器10に対して第2識別情報:B1を通信器20を介して伝達するべく、その第2識別情報:B1を通信器20に対して送信する。
【0033】
工程#14において通信器20は、管理サーバ装置Sから第2識別情報:B1を受信したとき、その第2識別情報:B1を機器10に送信する。
【0034】
工程#15において機器10の機器制御部12は、機器通信部14で受信した第2識別情報:B1を、機器記憶部13に記憶する。そして、以後、機器10は、機器運転情報を第2識別情報:B1と共に通信器20に送信する。
このようにして、管理サーバ装置Sによって機器10に付与された一意な第2識別情報:B2が機器10に伝達されて記憶される。
【0035】
〔機器10から機器運転情報を送信する場合〕
図3は、機器10から管理サーバ装置Sに対して機器運転情報を送信する場合の例である。この場合、通信器20の記憶部23は、通信器20に対して付与されたMACアドレス等の第1識別情報:A1を既に記憶しており、機器10の記憶部23は、自身を識別するための第2識別情報:B1を既に記憶しており、管理サーバ装置Sは、通信器20の第1識別情報:A1と機器10の第2識別情報:B1との組み合わせである機器組合情報を既に記憶している。
【0036】
図3に示す工程#20において機器10の制御部22は、機器運転情報を第2識別情報:B1と共に所定のタイミングで通信器20に送信する。例えば、機器10の制御部22は、1時間に1回といったタイミングや、機器10で特定のイベントが発生したタイミングなどに、機器記憶部13に記憶してある機器運転情報を、同じく機器記憶部13に記憶してある第2識別情報:B1と共に、機器通信部14から通信器20に対して送信させる。機器記憶部13が記憶している第2識別情報:B1は、上述したように、管理サーバ装置Sが機器10に対して一意に付与して、通信器20を介して機器10に伝達した情報である。
【0037】
工程#21において通信器20は、機器10から第2識別情報:B1及び機器運転情報を受信したとき、その情報を通信器20の記憶部23に記憶する。そして、通信器20の制御部22は、機器10から受信した機器運転情報を第1識別情報:A1と第2識別情報:B1と共に所定のタイミングで管理サーバ装置Sに送信する。
【0038】
工程#22において管理サーバ装置Sは、第1識別情報:A1及び第2識別情報:B1及び機器運転情報を通信器20から受信したとき、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A1及び第2識別情報:B1の組み合わせが含まれているか否かを判定する。工程#22では、管理サーバ装置Sは、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A1及び第2識別情報:B1の組み合わせが含まれていると判定している。そして、管理サーバ装置Sは、既に記憶している機器組合情報(即ち、通信器20の第1識別情報:A1と、その通信器20との間で情報の送受信を行う機器10の第2識別情報:B1との組み合わせ)に、機器運転情報を関連付けて記憶する。
このようにして、管理サーバ装置Sにおいて、各施設Bに設置されている機器10の運転状況を示す機器運転情報が蓄積される。
【0039】
〔通信器20が交換された場合〕
図4は、機器10はそのままであるが、通信器20が故障などの理由によって交換された場合の例である。この場合、交換後の通信器20の記憶部23は、自身に対して付与されたMACアドレス等の第1識別情報:A2を記憶しているが、その内容は、交換前の通信器20の第1識別情報:A1とは相違する。また、機器10は交換されていないので、自身を識別するための第2識別情報:B1を既に記憶している。管理サーバ装置Sは、機器10の第2識別情報:B1と、交換前の通信器20の第1識別情報:A1との組み合わせである機器組合情報を既に記憶しているが、交換後の通信器20の第1識別情報:A2を記憶していない。
【0040】
図4に示す工程#30において機器10の制御部22は、自身に対して第2識別情報:B1が既に付与されているため、機器運転情報を第2識別情報:B1と共に所定のタイミングで通信器20に送信する。そして、工程#31において通信器20は、機器10から第2識別情報:B1及び機器運転情報を受信したとき、その情報を通信器20の記憶部23に記憶する。そして、通信器20の制御部22は、機器10から受信した機器運転情報を第1識別情報:A2と第2識別情報:B1と共に所定のタイミングで管理サーバ装置Sに送信する。
【0041】
工程#32において管理サーバ装置Sは、第1識別情報:A2及び第2識別情報:B1及び機器運転情報を通信器20から受信したとき、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A2及び第2識別情報:B1の組み合わせが含まれているか否かを判定する。工程#32では、管理サーバ装置Sは、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A2及び第2識別情報:B1の組み合わせが含まれていないと判定している。しかし、管理サーバ装置Sは、既に記憶している機器組合情報に機器10の第2識別情報:B1が含まれていることは認識できるので、通信器20が交換されたことで、通信器20の第1識別情報及び機器10の第2識別情報の組み合わせが「A1」及び「B1」から「A2」及び「B1」へと変更されたと判定できる。そして、管理サーバ装置Sは、既に記憶している機器組合情報を、受信した第1識別情報:A2と受信した第2識別情報:B1との組み合わせとして更新すると共に、更新後の機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶する。
【0042】
図3及び図4に示したように、管理サーバ装置Sは、第1識別情報及び第2識別情報の組み合わせと共に機器運転情報を通信器20から受信したとき、既に記憶している機器組合情報に、受信した第1識別情報が含まれており且つ受信した第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶し、既に記憶している機器組合情報に受信した第1識別情報が含まれておらず且つ受信した第2識別情報が含まれていれば、既に記憶している機器組合情報を、受信した第1識別情報と受信した第2識別情報との組み合わせとして更新すると共に、更新後の機器組合情報に、受信した機器運転情報を関連付けて記憶するように構成されている。
【0043】
〔機器10が交換された場合〕
図5は、通信器20はそのままであるが、機器10が故障などの理由によって修理又は交換された場合の例である。
この場合、通信器20の記憶部23は、通信器20に対して付与されたMACアドレス等の第1識別情報:A1を既に記憶している。しかし、機器10の記憶部23は、修理又は交換が行われたことで未だ管理サーバ装置Sから第2識別情報の付与を受けていない。その代わり、機器10の記憶部23は、製造時や出荷時などに設定される初期値としての初期識別情報(例えば、ヌル値など)を記憶している。尚、管理サーバ装置Sは、通信器20の第1識別情報:A1と、修理又は交換前の機器10の第2識別情報:B1との組み合わせである機器組合情報を既に記憶している。
【0044】
図5に示す工程#40において機器10の制御部22は、自身に対して第2識別情報が未だ付与されていないため、例えば、新たに施設Bに設置された後の初回の電源投入時に、機器通信部14と情報通信を行うことができる通信器20が存在していれば、予め機器記憶部13に記憶している初期識別情報を通信器20に送信する。この場合、機器10の制御部22は、初期識別情報としての「ヌル(null)値」を通信器20に対して送信する。
【0045】
工程#41において通信器20は、機器10から初期識別情報を受信したとき、その初期識別情報及び自身の記憶部23が記憶している第1識別情報:A1を管理サーバ装置Sに送信する。
【0046】
工程#42において管理サーバ装置Sは、初期識別情報及び第1識別情報:A1の組み合わせを通信器20から受信したとき、既に自身が記憶している機器組合情報にその第1識別情報:A1が含まれているか否かを判定する。尚、初期識別情報としての「ヌル(null)値」からは機器10を識別できないので、管理サーバ装置Sは、第1識別情報:A1のみに着目する。図5に示すのは、機器10が修理又は交換された場合の例であるので、管理サーバ装置Sは、既に記憶している機器組合情報に通信器20の第1識別情報:A1が含まれていることは認識できる。そして、管理サーバ装置Sは、機器10が交換されたことで、通信器20の第1識別情報及び機器10の第2識別情報の組み合わせが「A1」及び「B1」から「A1」及び「ヌル値」へと変更されたと判定できる。その結果、管理サーバ装置Sは、機器10に対して第2識別情報:B2を一意に付与すると共に、通信器20の第1識別情報:A1と機器10の第2識別情報:B2との組み合わせを、既に記憶している機器組合情報を更新して記憶し、及び、機器10に対して第2識別情報:B2を通信器20を介して伝達する
そして、工程#43において管理サーバ装置Sは、機器10に対して第2識別情報:B2を通信器20を介して伝達するべく、その第2識別情報:B2を通信器20に対して送信する。
【0047】
工程#44において通信器20は、管理サーバ装置Sから第2識別情報:B2を受信したとき、その第2識別情報:B2を機器10に送信する。
【0048】
工程#45において機器10の機器制御部12は、機器通信部14で受信した第2識別情報:B2を、機器記憶部13に記憶する。そして、以後、機器10は、機器運転情報を第2識別情報:B2と共に通信器20に送信する。
【0049】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、機器情報管理システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成については適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、機器10の例として空調装置や発電装置や給湯器を記載したが、他の装置を機器10として用いることができる。
【0050】
上記実施形態では、第1識別情報がMACアドレスである場合を説明したが、第1識別情報は情報通信網Nにおいて一意な情報であればMACアドレス以外の情報であってもよい。
また、初期識別情報がヌル(null)値である場合を説明したが、管理サーバ装置Sが初期識別情報であると認識できる情報であればヌル(null)値以外の情報であってもよい。
また、機器運転情報の例を幾つか挙げたが、上述したのとは異なる情報を機器運転情報として用いてもよい。
【0051】
<2>
上記実施形態では、機器10と通信器20とが別々の装置として設けられている例を説明したが、機器10と通信器20とが同じ装置内に設けられていてもよい。例えば、上述した通信器20の機能のうち、本発明の通信器の機能が通信モジュールとして、その機器10に搭載されていてもよい。この場合、上記実施形態で説明した「通信器20が交換された場合」というのは、この通信モジュールが交換された場合に該当する。
【0052】
<3>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用でき、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、機器運転情報を継続的に管理できる機器情報管理システムに利用できる。
【符号の説明】
【0054】
10 機器
20 通信器
B 施設
N 情報通信網
S 管理サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5