(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のX線画像診断装置では、ヒール効果について考慮されていないため、X線管球の陽極側に位置する絞り辺と陰極側による絞り辺の先鋭度に差が生じることについて言及されておらず、X線絞り領域の検出精度が低下する場合がある。
【0005】
X線管球は、陰極(フィラメント)と陽極(ターゲット)の間に数十kVから百数十kVの高電圧を印加し、陰極から放出された熱電子を陽極に向けて加速させて陽極に衝突させることで、X線を発生する。このとき、陰極―陽極方向において、陽極側に照射されるX線は陽極内を進んでから放出されるため、低エネルギーのX線がより多く陽極内の金属に吸収され高エネルギーのX線がより多く放出される。一方、陰極側に照射されるX線は、陽極内の金属による吸収の影響をあまり受けない。このため、X線管球から照射されるX線のうち、陰極―陽極において、陽極側に照射されるX線のエネルギー分布は、陰極側に照射されるX線のエネルギー分布より高い側にシフトする(
図11参照)。
【0006】
そのため、絞り透過後のX線画像では、矩形のX線照射領域の4辺のうち陽極側に位置する辺近傍の像に比して、陰極側に位置する辺近傍の像の先鋭性が緩やかとなってしまう。
このような理由から、X線照射領域の辺が陽極側に位置するか陰極側に位置するのかを正確に把握しなければ、X線照射領域を精度よく検出することができない場合がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、X線絞り透過後のX線照射領域の4辺のうち陰極側に位置する辺についても精度よく検出し、X線照射領域を正確に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、被検体にX線を照射するX線管球を有するX線源と、該X線源から被検体に照射されるX線照射領域を制限するX線絞りと、該X線絞りを介して照射され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、該X線検出器から出力される電気信号に基づいてX線画像を生成する画像処理部と、該画像処理部によって生成されたX線画像におけるX線照射領域の4辺のうち、前記X線管球の陰極側に位置する辺を示す陰極位置情報を検出する陰極検出部と、前記陰極検出部より得られた陰極位置情報に基づいて、前記X線画像におけるX線照射領域を検出する照射領域検出部と、を備えたX線撮影装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、X線照射領域の4辺のうち陰極側に位置する辺についても精度よく検出し、X線照射領域を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置における設置情報を記憶する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置おいて、(A)は撮影された画像のプロファイルを行うための読出領域を説明する図であり、(B)はプロファイル結果を示すグラフである。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置におけるX線照射領域検出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置における陰極位置情報生成処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】(A)読出領域の画素値をプロットして得られたグラフと、(B)間引き処理を行ったグラフとを比較する図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るX線撮影装置における陰極位置情報生成処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例に係るX線撮影装置において、間引き処理の際の間引き数と画素位置との関係を示すグラフである。
【
図9】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例に係るX線撮影装置において、間引き処理の際の間引き数と管電圧との関係を示すグラフである。
【
図10】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例に係るX線撮影装置において、周波数画像を生成する際の微分フィルタの係数と画素位置との関係を示すグラフである。
【
図11】(A)はX線管球から発生するX線の様子を説明する図であり、(B)は陽極側と陰極側に照射されるX線のエネルギー分布を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
本発明の実施形態に係るX線撮影装置は、被検体にX線を照射するX線管球を有するX線源11と、X線源11から被検体Pに照射されるX線照射領域を制限するX線絞り12と、X線絞り3を介して照射され被検体Pを透過したX線を検出するX線検出器13と、X線検出器13を回転させる回転機構14と、X線検出器13から出力される電気信号に基づいてX線画像を生成する画像処理部20と、画像処理部20において生成されたX線画像を一時的に記憶する画像記憶部21と、生成されたX線画像におけるX線照射領域の4辺のうちX線管球の陰極側に位置する辺を示す陰極位置情報を検出する陰極検出部22と、陰極検出部22より得られた陰極位置情報に基づいて画像におけるX線照射領域を検出する照射領域検出部23とを備えている。
【0013】
<第1の実施形態>
具体的には、
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置は、X線源11、X線絞り12と、X線検出器13と、回転機構14と、画像処理ユニット1、システム制御ユニット2、及びディスプレイ3を備えている。X線撮影装置は、X線透視画像を撮影するものであっても、X線撮影画像(静止画)を撮影するものであってもよい。
【0014】
X線源11は、X線を発生するX線管球を備えX線管球において発生したX線を被検体に照射する。X線管球は必要に応じてX線管球回転機構10により回転駆動される。X線絞り12は、X線源11から被検体Pに照射されるX線照射領域を制限する。X線検出器13は、X線絞り3を介して照射され被検体Pを透過したX線を検出し、透過したX線量に相当する電気信号を画像処理ユニット1に出力する。X線検出器13は、検出器回転機構14により回転駆動される。
【0015】
画像処理ユニット1は、画像処理部20、画像記憶部21、陰極検出部22、及び照射領域検出部23を備えている。
画像処理部20は、X線検出器13から出力される電気信号に基づいてX線画像を生成し、階調処理等必要な画像処理を行う、画像記憶部21は、画像処理部20において生成されたX線画像を一時的に記憶する。
【0016】
陰極検出部22は、生成されたX線画像におけるX線照射領域の4辺のうちX線管球の陰極側に位置する辺を示す陰極位置情報を検出する。
より具体的には、例えば、陰極検出部22は、後述するシステム制御ユニット2の記憶領域であるシステム情報記憶部28に格納されているX線源11におけるX線管球の設置情報を取得し、設置情報に基づいて画像処理部20によって生成されるX線画像上の陰極位置を特定して陰極位置情報を生成する。この時、X線管球又はX線検出器13が回転している場合には、生成されたX線画像上の陰極の相対位置が異なるので、X線管球回転機構10によるX線管球の回転情報も併せて取得する。
【0017】
ここで、X線管球の設置情報とは、X線撮影装置を設置する際に例えば設置者によりシステム制御ユニット2に格納される情報であり、例えば
図2のフローチャートに示す手順に従って取得される情報である。
以下、
図2のフローチャートに従って設置情報をシステム制御ユニットの記憶領域に格納する手順について説明する。
【0018】
ステップS11において、X線撮影装置設置時にX線撮影装置によって、被検体のない状態で設置者による操作に従って画像を取得する。次のステップS12では、ステップS11で取得したX線画像において、
図3(A)に示すように、X線画像30上の、X線照射領域31の4辺夫々に対して、境界を跨ぐように予め定めた複数画素からなるライン状の読出領域32の画素を読み出して画素値のプロファイルを作成する。
【0019】
ステップS13では、X線照射領域の4辺の画素値のプロファイル結果に基づいて、陰極側に位置する辺を検出する。例えば、プロファイルの傾きが夫々所定の閾値を超えるか否かを判定する。X線照射領域の4辺のうち、陰極側に位置する辺の近傍と陽極側に位置する辺の近傍とでは画像の尖鋭度が異なるので、
図3(B)に示すように、読出領域32の画素位置に対する画素値をプロットした場合に、陰極側の読出し領域と陽極側の領域とでその傾きが大きく異なる。同様に、陰極側の読出し領域と陰極側以外の読出領域とでも傾きが大きく異なる。
【0020】
従って、各読出領域のプロファイル結果(例えば、
図3(B)のグラフの傾き)と所定の閾値とを比較することで、X線照射領域の4辺から陰極側に位置する辺を特定することができる。そこで、ステップS13では、X線照射領域の4辺のプロファイル結果が、夫々所定の閾値を超えるか否かを判定し、閾値を超えた場合には、陰極側に位置しない辺であるとして、ステップS14に進み、陰極側でない旨のフラグを、システム情報記憶部28に記憶する。ステップS13の判定において、プロファイル結果が閾値より小さい場合には陰極側に位置する辺であるとして、ステップS15に進み、陰極側である旨のフラグをシステム情報記憶部28に記憶する。このようにして、設置情報として、X線源の陰極と陽極の位置情報をシステム情報記憶部28に記憶し、上記処理を終了する。なお、上記処理は、X線撮影装置の設置時に一度行えばよい。
【0021】
照射領域検出部23は、陰極検出部22より得られた陰極位置情報に基づいて画像におけるX線照射領域を検出する。すなわちX線照射領域の境界線の位置を検出する。つまり、照射領域検出部23は、X線照射領域の4辺のうち陰極側に位置する辺を陰極検出部22の出力である陰極位置情報により特定し、陰極側の辺とそれ以外の3辺とで、X線照射領域検出処理をそれぞれの特性に応じて異ならせることにより、正確にX線照射領域を検出する。
【0022】
システム制御ユニット2は、上述したX線源の設置情報を含む各種情報を記憶するシステム情報記憶部28を備え、画像処理ユニット1や上記各部を制御すると共に、画像処理ユニット1で生成された画像をディスプレイ3に表示させる。
ディスプレイ3は、画像処理ユニット1により生成され所定の画像処理がなされたX線画像を、システム制御ユニット2の指示に従って表示する。
【0023】
なお、画像処理ユニット1及びシステム制御ユニット2は、その一部又は全部をCPU(中央処理装置)、メモリ等を含むシステムとして構築することができ、画像処理ユニット1及びシステム制御ユニット2を構成する各部の機能は、予め記憶部に格納されたプログラムをCPUがメモリにロードし、実行することにより実現することができる。また機能の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアで構成することもできる。
【0024】
上述のように構成され、設置情報として陰極と陽極の位置情報がシステム情報記憶部28に記憶されたX線撮影装置における、X線照射領域検出処理について
図4のフローチャートに従って説明する。
【0025】
ステップS41で、照射領域検出部23が、画像処理部20において生成されて画像記憶部21に記憶されたX線画像を取り込み、ステップS42に進む。ステップS42では、照射領域検出部23が、取り込んだX線画像におけるX線照射領域の境界の4辺近傍それぞれについて、陰極側の辺であるか否かを陰極検出部22から取得した陰極位置情報に基づいて判定する。ステップS42において、陰極側の辺であると判定された場合にはステップS43に進み、陰極側の辺でないと判定された場合にはステップS44に進む。
【0026】
ここで、照射領域検出部23による陰極側の辺であるか否かの判定は、陰極検出部22から取得する陰極位置情報に基づいて行われる。陰極検出部22での陰極位置情報は、陰極位置情報生成処理に従って生成される。
図5に陰極位置情報生成処理にかかるフローチャートの一例を示す。
図5のステップS51において、陰極検出部22が、システム情報記憶部28から設置情報を取得する。次のステップS52で、X線源11及びX線検出器2の回転情報を取得する。ステップS53で、設置情報及び回転情報に基づいて、X線画像上の陰極位置情報を生成し、照射領域検出部23に出力する。
【0027】
図4に戻り、ステップS43では、陰極側に位置する辺の境界線を検出するために第1の間引き画像を生成する。ステップS44では、陰極側に位置する辺以外の辺の境界線を検出するために第2の間引き画像を生成する。
【0028】
図6に示すように、各辺近傍の読出領域プロットして得られたグラフを参照すると、陰極側の辺近傍の読出領域についての結果と、それ以外の辺近傍の読出し領域についての結果とで、グラフ上の傾きが異なる。例えば、傾きの差が3倍である場合には、陰極以外の辺の精度に見かけ上合致させるため、第1の間引き画像の間引き数を第2の間引き画像の間引き数の3倍とする。
【0029】
図4のフローチャートでは、第1の間引き画像の間引き数を30とし、第2の間引き画像の間引き数を10としている。このように間引き処理を行うことで、
図6の右図のように両者の傾きを見かけ上合致させて処理を進めることができる。
【0030】
ステップS45では、第1の間引き画像及び第2の間引き画像夫々に対して、高周波画像を生成する。これは、微分フィルタ等を用いて低周波成分を除去した高周波画像を生成することによりエッジを抽出することで、X線照射領域の境界を検出するためである。ステップS46では、二つの高周波画像に対して夫々Hough変換により直線検出を行い、直線の長さ、境界値の濃度差を検出し、X線照射領域の境界線であるか否かを決定し、X線照射領域の座標を特定する。次のステップS47では、特定したX線照射領域の座標を、間引き画像生成前のX線画像に対する座標に変換して、最終的にX線照射領域を検出し、上記処理を終了する。
【0031】
このように本実施形態によれば、X線管球において発生しX線絞りを介して照射され被検体を透過したX線に基づいて取得された画像においてX線照射領域を特定する場合において、X線照射領域の各辺がX線管球の陰極側に位置するかを判定した上で、陰極側に位置する辺とそれ以外の辺とで処理を異ならせてX線照射領域を検出する。このため、他辺に比して、尖鋭度が低い陰極側の辺についてその特性に応じた画像処理を行うことで高精度にX線照射領域の境界線を検出することができる。一方、陰極側以外の辺は、陰極側の辺に比して尖鋭度が高いため、陰極側以外の辺についても特性に応じた処理により高精度にX線照射領域の境界線を検出することができる。この結果、X線画像上のX線照射領域を正確に検出することができる。
【0032】
X線照射領域を正確に検出することで、その後に行われる階調処理や周波数処理等の画像処理の際に、X線照射領域を用いることができるので、画質を向上させることができる。
X線絞りが斜めに挿入されている場合や、X線管球を射入しX線画像上のX線照射領域が台形となる場合であっても陰極側の位置を特定することで、陰極側の辺とそれ以外の辺とで検出処理を異ならせることでX線照射領域の検出精度の向上が可能となる。
【0033】
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態に係るX線撮影装置では、X線画像上の陰極位置を、設置情報や回転情報等のシステム情報記憶部が有する情報に基づいて判定していた。本実施形態では、取得したX線画像に基づいて撮影の都度陰極位置を判定する。X線撮影装置の構成及び陰極位置の判定以外の処理は上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略し、以下、画像処理によって陰極位置を判定する陰極位置判定処理について、
図7のフローチャートに従って説明する。
【0034】
ステップS71において、照射領域検出部23が、画像処理部20において生成されて画像記憶部21に記憶されたX線画像を取り込み、ステップS72に進む。次のステップS72では、ステップS71で取得した画像において、
図3(A)に示すように、画像30上の、X線照射領域31の4辺夫々に対して、境界を跨ぐように予め定めた複数画素からなるライン状の読出領域32の画素を読み出してプロファイルを作成する。
【0035】
ステップS73では、X線照射領域の4辺のプロファイル結果が、夫々所定の閾値を超えるか否かを判定する。X線照射領域の4辺のうち、陰極側に位置する辺の近傍と陽極側に位置する辺の近傍とでは画像の尖鋭度が異なるので、
図3(B)に示すように、読出領域32の画素位置に対する画素値をプロットした場合に、陰極側の読出し領域と陽極側の領域とでその傾きが大きく異なる。同様に、陰極側の読出し領域と陰極側以外の読出領域とでも傾きが大きく異なる。また、撮影時にX線絞りを適用せず、つまりX線照射領域がX線絞りによって制限されていない場合には、読出領域32を画素位置に対する画素値をプロットした場合、傾きが略0となる。
【0036】
従って、各読出領域のプロファイル結果(例えば、
図3(B)のグラフの傾き)と所定の閾値Aとを比較することで、X線絞りを用いたか否かを判定することができる。ステップS72において、X線照射領域の4辺のプロファイル結果が、夫々所定の閾値Aを超えるか否かを判定し、閾値Aを超えた場合には、X線絞りがあるとしてステップS74に進む。X線照射領域の4辺のプロファイル結果が、夫々所定の閾値Aを下回る場合には、X線絞りなしとしてステップS77に進む。
【0037】
ステップS74では、各読出領域のプロファイル結果に基づいて、X線照射領域の4辺から陰極側に位置する辺を特定する。つまり、ステップS74では、X線照射領域の4辺のプロファイル結果が、夫々所定の閾値Bを超えるか否かを判定し、閾値Bを超えた場合には、陰極側に位置しない辺であるとして、ステップS75に進み、陰極側でない旨のフラグを陰極検出部22の記憶領域に記憶する。
【0038】
ステップS74の判定において、プロファイル結果が閾値Bより小さい場合には陰極側に位置する辺であるとして、ステップS76に進み、陰極側である旨のフラグを陰極検出部22の記憶領域に記憶する。このようにして、X線源の陰極の位置を示す陰極位置情報を陰極検出部22の記憶領域に記憶する。ステップS77では4辺すべての処理が終了したか否かを判定し終了していなければステップS73に戻り上記処理を繰り返す。4辺全ての処理が終了した場合には上記処理を終了する。
【0039】
(変形例)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影装置では、間引き処理の際に間引き数を固定値で設定する例について説明した。
図8のグラフに示すように、X線管球がX線検出器の中心に位置する場合、X線検出器中心からX線絞りの位置に応じて間引き数を可変にした方がより精度の良い検出が可能となる。
また、X線管球がX線検出機器の中心にない場合(例えば、X線管球が振り角を持ち、射入撮影をする場合)、幾何学的位置より、間引き数を可変に設定することもできる。
【0040】
さらに、X線撮影時にX線管球に印加する管電圧により、プロファイル結果が変化する。つまり、管電圧が高い程、X線透過率や散乱線の影響を受け、プロファイルの傾きが緩やかになる。従って、この場合は
図9に示すように、間引き数と管電圧との比例関係に従って、幾何学的な位置に加え管電圧に依存し、間引き数を変ることにより精度良く検出が可能となる。
【0041】
さらにまた、上述の例では、陰極位置情報に基づいて、陰極が位置する辺とそれ以外の辺とで間引き数を異ならせる例について説明したが、必ずしも間引き画像を生成する必要はなく、高周波画像を生成する際の微分フィルタの係数Kを陰極側の辺とそれ以外の辺とで異ならせても良い。
図10にX線検出器の中心から周辺部に従って微分フィルタの係数を大きくした例を示す。高周波画像を生成する際に使用する微分フィルタの係数を陰極側(Yn方向側)に大きくすることにより、陰極側に位置するX線照射領域の境界線におけるプロファイルの傾きが緩やかであることを補正してもよい。
【0042】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。