特許第6789265号(P6789265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789265
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】収納ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/02 20060101AFI20201116BHJP
   B65D 1/22 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B65D6/02
   B65D1/22
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-78561(P2018-78561)
(22)【出願日】2018年4月16日
(65)【公開番号】特開2019-182526(P2019-182526A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2018年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】593010213
【氏名又は名称】JEJアステージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】原 祐一
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0074158(US,A1)
【文献】 米国特許第05249435(US,A)
【文献】 実公昭47−033024(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3194958(JP,U)
【文献】 特開2016−094239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/02
B65D 1/22
B65D 43/22
B65D 43/20
B65D 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する箱形ケース体と、この箱形ケース体の開口部を開閉自在に閉塞する蓋体とから成り、前記箱形ケース体は、その上面部と前面部とに開口部としての上面開口部と前面開口部とが連設状態に設けられ、前記蓋体は、前記上面開口部を閉塞する上蓋部と、この上蓋部に連設状態に設けられ前記前面開口部を閉塞する前蓋部とを有する収納ケースであって、前記前蓋部は、前記前面開口部の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで前記上蓋部に対して起伏回動自在に設けられ、また、この前記前蓋部は、その一部若しくは全部が前記上蓋部の内面に重合状態となるまで前記上蓋部に対して水平移動自在に設けられており、前記上蓋部は、前記箱形ケース体に対して起伏回動自在若しくは水平スライド移動自在に設けられ、前記前蓋部を前記上蓋部の内面に重合状態にて前記上面開口部開閉するように構成されており、前記前蓋部の左右端部は前記上蓋部の内面側左右端部に摺動支持可能に設けられ、水平状態の前記前蓋部を前記上蓋部に対して水平移動自在とする水平移動構造を具備し、更に、前記前蓋部が前記水平移動構造により摺動前方に位置した際に該前蓋部の左右端部が前記上蓋部の内面側左右端部に対して回動し、水平状態の前記前蓋部が前記前面開口部の閉塞位置まで前記上蓋部に対して回動する起伏回動構造を具備し、また、前記前蓋部の左右端部には外方へ向けて突出する軸部が設けられ、この軸部を摺動可能に支持する摺動部が前記上蓋部の内面側左右端部の前後長さ方向に設けられ、前記摺動部に対して前記軸部が摺動することで水平状態の前記前蓋部は、前記上蓋部に対して水平移動自在に設けられ、前記軸部を軸受けする軸受部が前記摺動部の前方部位に設けられ、この軸受部に対して前記軸部が回動することで、前記前蓋部は前記前面開口部の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで前記上蓋部に対して回動自在に設けられ、前記上蓋部の左右端部にして前記軸受部若しくは前記軸受部の近傍部位には、前記前蓋部の水平移動に際して該前蓋部の左右端部を支持する支持部が設けられていることを特徴とする収納ケース。
【請求項2】
請求項1記載の収納ケースにおいて、前記上蓋部は、前記箱形ケース体の上端部にヒンジ部を介して起伏回動自在に設けられていることを特徴とする収納ケース。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の収納ケースにおいて、前記前蓋部の左右端部には、前記前蓋部の水平移動に際して前記支持部に載置状態で支持される鍔状部が外方へ向けて設けられていることを特徴とする収納ケース。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の収納ケースにおいて、前記軸受部は前記摺動部の前方部位を折り返し湾曲形成して構成され、この軸受部を構成する折り返し湾曲形成部の上面部を前記支持部としたことを特徴とする収納ケース。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の収納ケースにおいて、前記前蓋部の閉塞状態を保持するロック機構を具備することを特徴とする収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許第5721688号に開示される収納ケース(以下、従来例という。)を提案している。
【0003】
この従来例は、開口部を有する合成樹脂製の箱形ケース体と、この箱形ケース体の開口部を開閉自在に閉塞する合成樹脂製の蓋体とから成り、箱形ケース体は、その上面部と前面部とに開口部としての上面開口部と前面開口部とを連設状態に設け、蓋体は、上面開口部を閉塞する合成樹脂製の上蓋部と前面開口部を閉塞する合成樹脂製の前蓋部とを有すると共に、この上蓋部と前蓋部とを互いに起伏回動自在に枢着連結した構成として、この蓋体の上蓋部が箱形ケース体の上面開口部を閉塞した状態で、この上蓋部に対し前蓋部を起動回動させて前面開口部を開放可能としたものである。
【0004】
従って、従来例は、前蓋部を上蓋部に対し起動回動させて箱形ケース体の前面開口部だけを部分的に開放させるような使い方ができ非常に便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5721688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、前述した前面開口部を開閉し得る前蓋部を備えた収納ケースに関して更なる研究・開発を進めた結果、極めて商品価値の高い画期的な収納ケースを開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
開口部を有する箱形ケース体1と、この箱形ケース体1の開口部を開閉自在に閉塞する蓋体2とから成り、前記箱形ケース体1は、その上面部と前面部とに開口部としての上面開口部3と前面開口部4とが連設状態に設けられ、前記蓋体2は、前記上面開口部3を閉塞する上蓋部5と、この上蓋部5に連設状態に設けられ前記前面開口部4を閉塞する前蓋部6とを有する収納ケースであって、前記前蓋部6は、前記前面開口部4の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで前記上蓋部5に対して起伏回動自在に設けられ、また、この前記前蓋部6は、その一部若しくは全部が前記上蓋部5の内面に重合状態となるまで前記上蓋部5に対して水平移動自在に設けられており、前記上蓋部5は、前記箱形ケース体1に対して起伏回動自在若しくは水平スライド移動自在に設けられ、前記前蓋部6を前記上蓋部5の内面に重合状態にて前記上面開口部3開閉するように構成されており、前記前蓋部6の左右端部は前記上蓋部5の内面側左右端部に摺動支持可能に設けられ、水平状態の前記前蓋部6を前記上蓋部5に対して水平移動自在とする水平移動構造を具備し、更に、前記前蓋部6が前記水平移動構造により摺動前方に位置した際に該前蓋部6の左右端部が前記上蓋部5の内面側左右端部に対して回動し、水平状態の前記前蓋部6が前記前面開口部4の閉塞位置まで前記上蓋部5に対して回動する起伏回動構造を具備し、また、前記前蓋部6の左右端部には外方へ向けて突出する軸部8が設けられ、この軸部8を摺動可能に支持する摺動部10が前記上蓋部5の内面側左右端部の前後長さ方向に設けられ、前記摺動部10に対して前記軸部8が摺動することで水平状態の前記前蓋部6は、前記上蓋部5に対して水平移動自在に設けられ、前記軸部8を軸受けする軸受部9が前記摺動部10の前方部位に設けられ、この軸受部9に対して前記軸部8が回動することで、前記前蓋部6は前記前面開口部4の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで前記上蓋部5に対して回動自在に設けられ、前記上蓋部5の左右端部にして前記軸受部9若しくは前記軸受部9の近傍部位には、前記前蓋部6の水平移動に際して該前蓋部6の左右端部を支持する支持部11が設けられていることを特徴とする収納ケースに係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の収納ケースにおいて、前記上蓋部5は、前記箱形ケース体1の上端部にヒンジ部7を介して起伏回動自在に設けられていることを特徴とする収納ケースに係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の収納ケースにおいて、前記前蓋部6の左右端部には、前記前蓋部6の水平移動に際して前記支持部11に載置状態で支持される鍔状部12が外方へ向けて設けられていることを特徴とする収納ケースに係るものである。
【0011】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の収納ケースにおいて、前記軸受部9は前記摺動部10の前方部位を折り返し湾曲形成して構成され、この軸受部9を構成する折り返し湾曲形成部10aの上面部を前記支持部11としたことを特徴とする収納ケースに係るものである。
【0012】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の収納ケースにおいて、前記前蓋部6の閉塞状態を保持するロック機構13を具備することを特徴とする収納ケースに係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、非常に操作性が良くて使い勝手が良いなど、極めて商品価値の高い画期的な収納ケースとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
図3】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
図4】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
図5】本実施例の要部の分解斜視図である。
図6】本実施例の要部の説明図である。
図7】本実施例の要部の説明図である。
図8】本実施例の要部の説明断面図である。
図9】本実施例の要部の説明断面図である。
図10】本実施例の要部の説明断面図である。
図11】本実施例の要部の動作説明図である。
図12】本実施例の要部の動作説明図である。
図13】本実施例の要部の動作説明断面図である。
図14】本実施例の別例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0016】
例えば、箱型ケース体1の前面開口部4を閉塞した状態の前蓋部6を持ち、この前蓋部6を前面開口部4の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで上蓋部5に対して起き回動(開放回動)させる。この際、前面開口部4は開放された状態となる。
【0017】
この水平状態とした前蓋部6を水平移動させることで、前蓋部6はその一部若しくは全部が上蓋部の内面に重合状態となる。
【0018】
また、この前蓋部6が内面に重合状態となった上蓋部5を箱形ケース体1に対して起き回動若しくは水平スライド移動することで、箱形ケース体1の上面開口部3も開放された状態となる。
【0019】
従って、使用者の使い勝手に応じて、箱形ケース体1の開口部の開口面積を選択することができ、例えば、箱形ケース体1内の前方部位に対して被収納物を出し入れする場合には、前蓋部6を開放させて前面開口部4を開口させるだけでよく、また、箱形ケース体1内の全体に対して被収納物を出し入れする場合には、前蓋部6及び上蓋部5を開放させて前面開口部4及び上面開口部3を開口することで大きな開口状態(全開口状態)が得られるなど、非常に使い勝手が良いことになる。
【実施例】
【0020】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施例は、開口部を有する箱形ケース体1と、この箱形ケース体1の開口部を開閉自在に閉塞する蓋体2とから成り、箱形ケース体1は、その上面部と前面部とに開口部としての上面開口部3と前面開口部4とが連設状態に設けられ、蓋体2は、上面開口部3を閉塞する上蓋部5と、この上蓋部5に連設状態に設けられ前面開口部4を閉塞する前蓋部6とを有する収納ケースであって、前蓋部6は、前面開口部4の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで上蓋部5に対して起伏回動自在に設けられると共に、この水平状態の前蓋部6は、その一部若しくは全部が上蓋部5の内面部に重合状態となるまで前記上蓋部5に対して水平移動自在に設けられており、上蓋部5は、箱形ケース体1に対して起伏回動自在若しくは水平スライド移動自在に設けられて、前蓋部6を内面部に重合状態にて上面開口部3を開閉し得るように構成された収納ケースである。
【0022】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0023】
箱形ケース体1は、図1〜4,10に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形したものであり、板状の底面部1aと、この底面部1aの前端に前傾状態で立ち上がる板状の前面部1bと、底面部1aの左右側端に垂直状態で立ち上がる板状の左右側面部1cと、底面部1aの後端に垂直状態で立ち上がる板状の後面部1dとで構成され、前面部1bは前方へ傾斜し左右側面部1c及び後面部1dの高さよりも低い高さに設定され、箱形ケース体1は、その上面部と前面部とに開口部としての上面開口部3と前面開口部4とが連設状態に設けられている。
【0024】
また、箱形ケース体1における上面開口部3の開口縁部には、後述する上蓋部5の周端縁部(被嵌凹部5a)が被嵌される上面鍔状部3aが設けられ、また、箱形ケース体1における前面開口部4の開口縁部には、前面鍔状部4aに連設され後述する前蓋部6の周端縁部を嵌合配設する段状凹部4a’を有する前面鍔状部4aが設けられ、また、ている。
【0025】
また、箱形ケース体1の左右側面部1cの上端部(上面鍔状部3a)には、凹状の指掛け部14が設けられており、この左右の指掛け部14に指を掛けて箱形ケース体1を持ち運ぶことができる。
【0026】
本実施例では、この指掛け部14を設けた部位に帯体挿通孔14aが設けられており、この左右の帯体挿通孔14aに帯体(ベルト部材)を挿通装着してこの帯体を肩に掛けるなどして箱形ケース体1を運ぶこともできる。
【0027】
蓋体2は、上面開口部3を閉塞する上蓋部5と、この上蓋部5に連設状態に設けられ前面開口部4を閉塞する前蓋部6とを有する。
【0028】
上蓋部5は、図1〜4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材を一体成形した方形板状体であり、周端縁部には箱形ケース体1の上端部(上面鍔状部3a)に被嵌する被嵌凹部5aが設けられている。
【0029】
また、上蓋部5は、箱形ケース体1の上端部(後面部1dの上面鍔状部3a)にヒンジ部7を介して起伏回動自在に設けられている。尚、左右側面部1cの上面鍔状部3aに起伏回動自在に設けても良い。
【0030】
従って、上蓋部5を開放することで、前面開口部4及び上面開口部3が開口された大きな開口状態(全開口状態)が得られる。
【0031】
前蓋部6は、図1〜4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材を一体成形した方形板状体であり、この前蓋部6の内面部には周縁から内側の位置に該周縁を縁取るように補強用突板部6aが突出状態に設けられている。
【0032】
本実施例では、水平状態の前蓋部6の左右端部は上蓋部5の内面側左右端部に摺動支持可能に設けられて、水平状態の前蓋部6を上蓋部5に対して水平移動自在とする水平移動構造を具備するとともに、水平状態の前蓋部6が水平移動構造における摺動前方部位に位置する際に該前蓋部6の左右端部が上蓋部5の内面側左右端部に起伏回動可能に設けられて、水平状態の前蓋部6を前面開口部4の閉塞位置まで上蓋部5に対して起伏回動自在とする起伏回動構造を具備している。
【0033】
具体的には、前蓋部6の左右端部に外方へ向けて突出する軸部8が設けられ、この軸部8を摺動支持可能な摺動部10が上蓋部5の内面側左右端部の前後長さ方向に設けられて、摺動部10に対して軸部8が摺動することで、水平状態の前蓋部6は、上蓋部5に対して水平移動自在に設けられて水平移動構造は構成され、軸部8を軸受けする軸受部9が摺動部10の前方部位に設けられて、この軸受部9に対して軸部8が回動することで、前蓋部6は前面開口部4の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで上蓋部5に対して起伏回動自在に設けられて起伏回動構造は構成されている。
【0034】
前蓋部6に設けられる軸部8は、図5,6,7に図示したように前蓋部6の左右端部にして該前蓋部6で前面開口部4を閉塞した際の上方側となる端部位置に突設されている。
【0035】
上蓋部5に設けられる摺動部10は、上蓋部5の内面側左右端部の前後長さ方向に設けられる垂設板部5bの下端部が内方へ向けて屈曲する断面L字状に設けて構成されており、この左右の摺動部10で水平状態の前蓋部6の左右端部を摺動支持可能に構成されている。
【0036】
また、上蓋部5に設けられる軸受部9は、図5,6,7に図示したように摺動部10の前方部位をカール形状に折り返し湾曲形成して構成され、この軸受部9を構成する折り返し湾曲形成部10aの上面部を前蓋部6の水平移動に際して該前蓋部6の左右端部を支持部する支持部11として構成している。尚、本実施例では、支持部11を軸受部9で構成しているが、この軸受部9の近傍部位に別途設けても良い。
【0037】
また、前蓋部6の左右端部には、前蓋部6の水平移動に際して支持部11に載置状態で支持される鍔状部12が外方へ向けて突出状態に設けられている。
【0038】
従って、水平状態の前蓋部6は、水平移動に際して、前蓋部6に設けられた軸部8が上蓋部5に設けられた摺動部10に支持され、前蓋部6に設けられた鍔状部12が上蓋部5に設けられた支持部11に支持される。また、支持部11で支持される部位を前蓋部6の左右端部に鍔状部12を設けるだけで良いから、例えば、前蓋部6の左右端部を高い成形精度が要求される厚みのある断面コ字状の端部とした場合に比し、多少の寸法誤差があっても確実に機能することになり、よって、生産性が飛躍的に向上することになる。
【0039】
また、本実施例では、前蓋部6の閉塞状態を保持するロック機構13を具備する。
【0040】
このロック機構13は、図4,8,9に図示したように箱形ケース体1の前面鍔状部4aに設けられ操作部13a’の操作により作動する左右の係止部材13と、前蓋部6の周端縁部に設けられ、係止部材13aが係脱自在に係合する凹状の係合部13bとで構成されている。
【0041】
図14は、上蓋部5が箱形ケース体1に対して前後方向に水平スライド移動自在に設けられて、前蓋部6を内面部に重合状態にて上面開口部3を開閉し得るように構成された場合である。尚、この上蓋部5を箱形ケース体1の左右方向に水平スライド移動するようにしても良い。
【0042】
本実施例は上述のように構成したから、箱型ケース体1の前面開口部4を閉塞した状態の前蓋部6を持ち、この前蓋部6を前面開口部4の閉塞位置から水平状態となる開放位置まで上蓋部5に対して起き回動(開放回動)させる。この際、前面開口部4は開放された状態となる(図10,11参照)。
【0043】
この水平状態とした前蓋部6を水平移動させることで、前蓋部6はその一部若しくは全部が上蓋部の内面部に重合状態となる(図12参照)。
【0044】
また、この前蓋部6が内面部に重合状態となった上蓋部5を箱形ケース体1に対して起き回動若しくは水平スライド移動することで、箱形ケース体1の上面開口部3も開放された状態となる(図13参照)。
【0045】
よって、本実施例によれば、使用者の使い勝手に応じて、箱形ケース体1の開口部の開口面積を選択することができ、例えば、箱形ケース体1内の前方部位に対して被収納物を出し入れする場合には、前蓋部6を開放させて前面開口部4を開口させるだけでよく、また、箱形ケース体1内の全体に対して被収納物を出し入れする場合には、前蓋部6及び上蓋部5を開放させて前面開口部4及び上面開口部3を開口することで大きな開口状態(全開口状態)が得られるなど、非常に使い勝手が良いことになる。
【0046】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0047】
1 箱形ケース体
2 蓋体
3 上面開口部
4 前面開口部
5 上蓋部
6 前蓋部
7 ヒンジ部
8 軸部
9 軸受部
10 摺動部
10a 折り返し湾曲形成部
11 支持部
12 鍔状部
13 ロック機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14