特許第6789269号(P6789269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789269
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/00 20060101AFI20201116BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20201116BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20201116BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20201116BHJP
   B05C 5/02 20060101ALI20201116BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20201116BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20201116BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B05C11/00
   H01L21/304 643B
   H01L21/304 648G
   H01L21/30 564Z
   H01L21/30 569D
   G02F1/13 101
   B05C5/02
   B05D1/26 Z
   B05D3/00 D
   G01B11/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-161030(P2018-161030)
(22)【出願日】2018年8月30日
(65)【公開番号】特開2020-32362(P2020-32362A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】西岡 賢太郎
【審査官】 横島 隆裕
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4105613(JP,B2)
【文献】 特開2013−035184(JP,A)
【文献】 特開2007−076109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00−21/00
B05D 1/00−7/26
G01B 11/00−11/30
G02F 1/13
H01L 21/027
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルを有するノズルユニットと、
前記ノズルの長手方向と直交する進行方向において、基板の上方で前記ノズルユニットを前記基板に対して相対移動させる移動機構と、
前記進行方向において前記ノズルユニットの前方側に位置する、異常検知領域で前記基板の異常を検知する異常検知機構とを備え、
前記異常検知機構は、前記長手方向において前記異常検知領域を挟んで対向配置された投光器および受光器の間でレーザ光線を照射する検知部を複数個有し、前記複数の検知部によりそれぞれ異なる有効検知範囲で前記異常を検知し、
前記複数の検知部は、複数本のレーザ光線のうち前記ノズルユニットに近接したノズル近接領域を部分的に通過する近接レーザ光線が前記進行方向を斜めに交差するように配置され、
前記近接レーザ光線の前記有効検知範囲は前記ノズル近接領域よりも前記進行方向の前方側に設定され
さらに、前記異常検知機構は、前記複数の検知部として第1検知部および第2検知部を有し、
前記長手方向の一方側では、前記第1検知部の前記投光器が前記第2検知部の受光器よりも前記進行方向の前方側に配置され、
前記長手方向の他方側では、前記第2検知部の前記投光器が前記第1検知部の受光器よりも前記進行方向の前方側に配置され、
前記第1検知部および前記第2検知部の前記有効検知範囲はともに前記投光器側に設定されている
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の基板処理装置であって、
前記異常検知機構は、前記複数の検知部として第3検知部をさらに有し、
前記長手方向の一方側では、前記第3検知部の前記投光器および前記受光器のうちの一方が前記進行方向において前記第1検知部の前記投光器と前記第2検知部の受光器との間に配置され、
前記長手方向の他方側では、前記第3検知部の前記投光器および前記受光器のうちの他方が前記進行方向において前記第2検知部の前記投光器と前記第1検知部の受光器との間に配置され、
前記第3検知部の前記有効検知範囲は前記投光器および前記受光器の中間に設定されている基板処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の基板処理装置であって、
前記長手方向の一方側では、前記第3検知部の前記投光器および前記受光器のうちの一方が前記第1検知部の前記投光器に近接して配置され、
前記長手方向の他方側では、前記第3検知部の前記投光器および前記受光器のうちの他方が前記第2検知部の前記投光器に近接して配置されている基板処理装置。
【請求項4】
請求項に記載の基板処理装置であって、
前記異常検知機構は、前記複数の検知部として第3検知部をさらに有し、
前記長手方向の一方側では、前記第3検知部の前記投光器および前記受光器のうちの一方が前記第1検知部の前記投光器よりも前記進行方向の前方側に配置され、
前記長手方向の他方側では、前記第3検知部の前記投光器および前記受光器のうちの他方が前記第2検知部の前記投光器よりも前記進行方向の前方側に配置されている基板処理装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
前記ノズル近接領域の前記進行方向の長さは前記基板に対して相対移動している前記ノズルユニットを緊急停止させるのに要する時間に応じて設定される基板処理装置。
【請求項6】
スリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルを有するノズルユニットを基板の上方で前記ノズルの長手方向と直交する進行方向に前記基板に対して相対移動させて前記処理液を前記基板に供給する処理液供給工程と、
前記長手方向において前記ノズルユニットの前方側に位置する異常検知領域を挟んで対向配置された投光器および受光器の間でレーザ光線を照射する検知部を複数個設け、前記複数の検知部によりそれぞれ異なる有効検知範囲で前記異常を検知する異常検知工程と、
前記基板の異常が検知されると、前記基板に対する前記ノズルユニットの相対移動を緊急停止させる停止工程とを備え、
前記異常検知工程は、
前記複数の検知部として第1検知部および第2検知部を、前記長手方向の一方側では前記第1検知部の前記投光器が前記第2検知部の受光器よりも前記進行方向の前方側に配置され、前記長手方向の他方側では前記第2検知部の前記投光器が前記第1検知部の受光器よりも前記進行方向の前方側に配置され、前記第1検知部および前記第2検知部の前記有効検知範囲がともに前記投光器側に設定されるように設けることで、
複数本のレーザ光線のうち前記ノズルユニットに近接したノズル近接領域を部分的に通過する近接レーザ光線が前記進行方向を斜めに交差させるとともに、前記近接レーザ光線の前記有効検知範囲を前記ノズル近接領域よりも前記進行方向の前方側に設定して前記異常の検知を行う工程である
ことを特徴とする基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノズルから処理液を吐出しつつノズルを基板に対して相対移動させて処理液を基板に供給する基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノズルから処理液を基板に供給する基板処理装置の一例として、例えば特許文献1に記載された基板処理装置が知られている。この基板処理装置は、ノズルの先端と基板とを近接させた状態で、ノズルを基板に対して相対的に移動させて処理液を基板の表面に供給する。このため、基板の表面に異物が付着するという異常、基板とステージとの間に異物が挟まるによって基板が盛り上がった状態となるという異常などが生じたまま、基板処理を継続すると、ノズルの接触が発生してしまう。そこで、上記基板処理装置では、異常検知のために、複数の透過型のレーザセンサが基板に対するノズルの進行方向(走査方向)の前方側に設けられている。これらのレーザセンサは基板の表面に対して略平行で、かつ上記進行方向(走査方向)に沿って並設されている(後で説明する図5参照)。各レーザセンサによる異物の検知方向は上記進行方向に対して略垂直な方向(ノズルの長手方向および基板の幅方向に相当)となっている。また、これらのレーザセンサはそれぞれ異なる有効検知範囲を有している。このため、比較的幅広の基板についても基板の表面における異常を良好に検知することが可能となっており、異常が検知されると、直ちにノズルの相対移動を停止して基板上の異物や盛り上がった基板の表面(以下、これらを「基板の異常部位」と称する)にノズルが接触するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4105613号
【特許文献2】特開2018−43200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、上記進行方向においてノズルの前方側近傍にレーザセンサを配置する領域(本発明の「異常検知領域」に相当)を設け、当該異常検知領域に対応して複数のレーザセンサを進行方向に並設している。このため、最もノズル側に位置するレーザセンサ、つまり最近接レーザセンサのレーザ光線の全部が異常検知領域のノズル近接領域(図5の符号841参照)を通過し、最近接レーザセンサの有効検知範囲もノズル近接領域に存在する。したがって、最近接レーザセンサによる異常検知から当該検知箇所がノズルに達するまでに要する時間がノズル近接領域をノズルが通過するまでに要する時間よりも短くなっている。その結果、最近接レーザセンサによる異常検知に対応して緊急停止させたとしても、基板の異常部位がノズルと接触してしまうことがあった。なお、この点については後で図5を参照しつつ詳述する。
【0005】
ここで、上記問題を解消するために、異常検知領域をノズルから十分に離すことも考えられる。しかしながら、レーザセンサのノズルからの離間により装置の大型化やコスト増大を招く。例えば特許文献2に記載の装置では、基板に対するノズルの相対的な進行方向のうち限られた範囲、つまり精密浮上部(後で説明する実施形態における「塗布ステージ」に相当)で異常検知を行う必要がある。したがって、異常検知領域のノズルからの離間、つまりノズルとレーザセンサとを離間配置したことで精密浮上部の大型化は避けられず、それに応じてコストの増大を招いてしまう。
【0006】
なお、これらの問題は、基板の異常によりノズルが基板の異常部位と接触する構造を有する基板処理装置のみならず、ノズルに取り付けられた付属物、例えば後述するようにノズルガードが基板の異常部位と接触する構造を有する装置においても発生する。つまり、上記課題は、基板の異常発生によりスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルを有するノズルユニットが基板の異常部位と接触し得る構造を有する基板処理装置において共通している。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、時間的余裕を有しつつ、基板上の異物や基板の表面の盛り上がりなどの基板の異常部位をノズルユニットの前方側で検知することができる基板処理装置や基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一の態様は、基板処理装置であって、スリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルを有するノズルユニットと、ノズルの長手方向と直交する進行方向において、基板の上方でノズルユニットを基板に対して相対移動させる移動機構と、進行方向においてノズルユニットの前方側に位置する、異常検知領域で基板の異常を検知する異常検知機構とを備え、異常検知機構は、長手方向において異常検知領域を挟んで対向配置された投光器および受光器の間でレーザ光線を照射する検知部を複数個有し、複数の検知部によりそれぞれ異なる有効検知範囲で異常を検知し、複数の検知部は、複数本のレーザ光線のうちノズルユニットに近接したノズル近接領域を部分的に通過する近接レーザ光線が進行方向を斜めに交差するように配置され、近接レーザ光線の有効検知範囲はノズル近接領域よりも進行方向の前方側に設定され、さらに、異常検知機構は、複数の検知部として第1検知部および第2検知部を有し、長手方向の一方側では、第1検知部の投光器が第2検知部の受光器よりも進行方向の前方側に配置され、長手方向の他方側では、第2検知部の投光器が第1検知部の受光器よりも進行方向の前方側に配置され、第1検知部および第2検知部の有効検知範囲はともに投光器側に設定されていることを特徴としている。
【0009】
また、この発明の他の態様は、基板処理方法であって、基板の上方で、スリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルを有するノズルユニットをノズルの長手方向と直交する進行方向に基板に対して相対移動させて処理液を基板に供給する処理液供給工程と、長手方向においてノズルユニットの前方側に位置する異常検知領域を挟んで対向配置された投光器および受光器の間でレーザ光線を照射する検知部を複数個設け、複数の検知部によりそれぞれ異なる有効検知範囲で異常を検知する異常検知工程と、基板の異常が検知されると、基板に対するノズルユニットの相対移動を緊急停止させる停止工程とを備え、異常検知工程は、複数の検知部として第1検知部および第2検知部を、長手方向の一方側では第1検知部の投光器が第2検知部の受光器よりも進行方向の前方側に配置され、長手方向の他方側では第2検知部の投光器が第1検知部の受光器よりも進行方向の前方側に配置され、第1検知部および第2検知部の有効検知範囲がともに投光器側に設定されるように設けることで、複数本のレーザ光線のうちノズルユニットに近接したノズル近接領域を部分的に通過する近接レーザ光線が進行方向を斜めに交差させるとともに、近接レーザ光線の有効検知範囲をノズル近接領域よりも進行方向の前方側に設定して異常の検知を行う工程であることを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、異常検知機構がノズルユニットの前方側に配置されるものの、異常検知機構では近接レーザ光線が進行方向を斜めに交差するように複数の検知部が設けられている。しかも、近接レーザ光線の有効検知範囲はノズル近接領域よりも進行方向の前方側に設定されている。このため、異常部位はノズルユニットから進行方向の前方側に少なくともノズル近接領域を隔てた位置で検知される。このようにノズル近接領域よりも遠い位置で検知する分だけ時間的余裕を確保しながら異常部位の検知を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、ノズルユニットの前方側に異常検知機構を配置して基板上の異物や基板の表面の盛り上がりなどの基板の異常部位をノズルユニットの前方側で検知可能となっている。しかも、異常検知機構において、近接レーザ光線が進行方向を斜めに交差し、近接レーザ光線の有効検知範囲をノズル近接領域よりも進行方向の前方側に設定している。その結果、時間的余裕を確保しつつ、基板の異常部位を検知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る基板処理装置の一実施形態である塗布装置の全体構成を模式的に示す図である。
図2図1に示す塗布装置の部分平面図である。
図3】ノズルを斜め下方から見た斜視図である。
図4図1に示す基板処理装置に装備された異常検知機構の構成を示す平面図である。
図5】従来技術を適用した異常検知機構の一例を示す図である。
図6】本発明に係る基板処理装置の他の実施形態に組み込まれた異常検知機構の構成を示す図である。
図7】本発明に係る基板処理装置のさらに他の実施形態に組み込まれた異常検知機構の構成を示す図である。
図8】本発明に係る基板処理装置の別の実施形態に組み込まれた異常検知機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明に係る基板処理装置の一実施形態である塗布装置の全体構成を模式的に示す図である。また、図2図1に示す塗布装置の部分平面図である。この塗布装置1は、図1の左手側から右手側に向けて水平姿勢で搬送される基板Sの上面Sfに塗布液を塗布するスリットコータである。なお、以下の各図において装置各部の配置関係を明確にするために、基板Sの搬送方向を「X方向」とし、図1の左手側から右手側に向かう水平方向を「+X方向」と称し、逆方向を「−X方向」と称する。また、X方向と直交する水平方向Yのうち、装置の正面側を「−Y方向」と称するとともに、装置の背面側を「+Y方向」と称する。さらに、鉛直方向Zにおける上方向および下方向をそれぞれ「+Z方向」および「−Z方向」と称する。
【0014】
まず図1を用いて塗布装置1の構成および動作の概要を説明し、その後で基板Sの異常部位を検知するための具体的な構成および動作などについて詳述する。なお、塗布装置1の基本的な構成や動作原理は、本願出願人が先に開示した特許文献2に記載されたものと共通している。そこで、本明細書では、塗布装置1の各構成のうちこれらの公知文献に記載のものと同様の構成を適用可能なもの、およびこれらの文献の記載から構造を容易に理解することのできるものについては詳しい説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を主に説明することとする。
【0015】
塗布装置1では、基板Sの搬送方向Dt(+X方向)に沿って、入力コンベア100、入力移載部2、浮上ステージ部3、出力移載部4、出力コンベア110がこの順に近接して配置されており、以下に詳述するように、これらにより略水平方向に延びる基板Sの搬送経路が形成されている。
【0016】
処理対象である基板Sは図1の左手側から入力コンベア100に搬入される。入力コンベア100は、コロコンベア101と、これを回転駆動する回転駆動機構102とを備えており、コロコンベア101の回転により基板Sは水平姿勢で(+X)方向に搬送される。入力移載部2は、コロコンベア21と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構22とを備えている。コロコンベア21が回転することで、基板Sはさらに(+X)方向に搬送される。また、コロコンベア21が昇降することで基板Sの鉛直方向位置が変更される。このように構成された入力移載部2により、基板Sは入力コンベア100から浮上ステージ部3に移載される。
【0017】
浮上ステージ部3は、基板の搬送方向Dtに沿って3分割された平板状のステージを備える。すなわち、浮上ステージ部3は入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33を備えており、これらの各ステージの上面は互いに同一平面の一部をなしている。入口浮上ステージ31および出口浮上ステージ33のそれぞれの上面には浮上制御機構35から供給される圧縮空気を噴出する噴出孔がマトリクス状に多数設けられており、噴出される気流から付与される浮力により基板Sが浮上する。こうして基板Sの下面Sbがステージ上面から離間した状態で水平姿勢に支持される。基板Sの下面Sbとステージ上面との距離、つまり浮上量は、例えば10マイクロメートルないし500マイクロメートルとすることができる。
【0018】
一方、塗布ステージ32の上面では、図2の部分拡大図に示すように、圧縮空気を噴出する噴出孔321と、基板Sの下面Sbとステージ上面との間の空気を吸引する吸引孔322とが交互に配置されている。なお、図2の部分拡大図においては、噴出孔321と吸引孔322とを区別するために、噴出孔321にハッチングを付している。
【0019】
浮上制御機構35は噴出孔321からの圧縮空気の噴出量と吸引孔322からの吸引量とを制御する。これにより、基板Sの下面Sbと塗布ステージ32の上面との距離が精密に制御され、塗布ステージ32の上方を通過する基板Sの上面Sfの鉛直方向位置が規定値に制御される。塗布ステージ32での浮上量についてはセンサ61による検出結果に基づいて制御ユニット9により算出され、また気流制御によって高精度に調整可能となっている。このように本実施形態では、塗布ステージ32が精密浮上部として機能する。
【0020】
なお、入口浮上ステージ31には、図には現れていないリフトピンが配設されており、浮上ステージ部3にはこのリフトピンを昇降させるリフトピン駆動機構34が設けられている。
【0021】
入力移載部2を介して浮上ステージ部3に搬入される基板Sは、コロコンベア21の回転により(+X)方向への推進力を付与されて、入口浮上ステージ31上に搬送される。入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33は基板Sを浮上状態に支持するが、基板Sを水平方向に移動させる機能を有していない。浮上ステージ部3における基板Sの搬送は、入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33の下方に配置された基板搬送部5により行われる。
【0022】
基板搬送部5は、吸着パッド511を基板Sの下面周縁部に部分的に当接することで基板Sを下方から支持するチャック機構51と、吸着・走行制御機構52とを有している。吸着・走行制御機構52は、チャック機構51上端の吸着部材に設けられた吸着パッド511に負圧を与えて基板Sを吸着保持させる機能およびチャック機構51をX方向に往復走行させる機能を有している。なお、吸着・走行制御機構52は搬送チャック走行ガイド521と、搬送チャックリニアモータ(図示省略)とを有し、基板Sを保持した状態で搬送方向Dtに移動させる。このようにチャック機構51が基板Sを保持した状態では、基板Sの下面Sbは浮上ステージ部3の各ステージの上面よりも高い位置に位置している。したがって、基板Sは、チャック機構51により周縁部を吸着保持されつつ、浮上ステージ部3から付与される浮力により全体として水平姿勢を維持する。
【0023】
このようにチャック機構51により基板Sの下面Sbを部分的に保持した段階で基板Sの上面の鉛直方向位置を検出するために板厚測定用のセンサ61がコロコンベア21の近傍に配置されている。このセンサ61の直下位置に基板Sを保持していない状態のチャック(図示省略)が位置することで、センサ61は吸着部材の上面、つまり吸着面の鉛直方向位置を検出可能となっている。
【0024】
入力移載部2から浮上ステージ部3に搬入された基板Sをチャック機構51が保持し、この状態でチャック機構51が(+X)方向に移動することで、基板Sが入口浮上ステージ31の上方から塗布ステージ32の上方を経由して出口浮上ステージ33の上方へ搬送される。搬送された基板Sは、出口浮上ステージ33の(+X)側に配置された出力移載部4に受け渡される。
【0025】
出力移載部4は、コロコンベア41と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構42とを備えている。コロコンベア41が回転することで、基板Sに(+X)方向への推進力が付与され、基板Sは搬送方向Dtに沿ってさらに搬送される。また、コロコンベア41が昇降することで基板Sの鉛直方向位置が変更される。コロコンベア41の昇降により実現される作用については後述する。出力移載部4により、基板Sは出口浮上ステージ33の上方から出力コンベア110に移載される。
【0026】
出力コンベア110は、コロコンベア111と、これを回転駆動する回転駆動機構112とを備えており、コロコンベア111の回転により基板Sはさらに(+X)方向に搬送され、最終的に塗布装置1外へと払い出される。なお、入力コンベア100および出力コンベア110は塗布装置1の構成の一部として設けられてもよいが、塗布装置1とは別体のものであってもよい。また例えば、塗布装置1の上流側に設けられる別ユニットの基板払い出し機構が入力コンベア100として用いられてもよい。また、塗布装置1の前方側に設けられる別ユニットの基板受け入れ機構が出力コンベア110として用いられてもよい。
【0027】
このようにして搬送される基板Sの搬送経路上に、基板Sの上面Sfに塗布液を塗布するための塗布機構7が配置される。塗布機構7は、図1に示すように、ノズル71とノズル71の(−X)方向側に設けたノズルガード72とで構成されたノズルユニット73を有している。ノズル71には、塗布液供給機構78から塗布液が供給され、ノズル下部に下向きに開口する吐出口から塗布液が吐出される。
【0028】
ノズルユニット73は、位置決め機構79によりX方向およびZ方向に移動位置決め可能となっている。位置決め機構79により、ノズルユニット73が塗布位置(図1において点線で示される位置)に位置決めされると、ノズル71が塗布ステージ32の上方に位置決めされるとともに、ノズルガード72がノズル71の(−X)方向側で近接して位置決めされる。そして、ノズル71から塗布液が吐出されて、塗布ステージ32との間を搬送されてくる基板Sに塗布される。こうして基板Sへの塗布液の塗布が行われる(本発明の「処理液供給工程」の一例に相当)。一方、ノズル71に対しメンテナンスを行う際には、ノズルユニット73は位置決め機構79により待機位置(図1において実線で示される位置)に位置決めされる。そして、この待機位置で図示を省略するメンテナンスユニットによりメンテナンス処理が実行される。
【0029】
図3はノズルを斜め下方から見た斜視図である。なお、同図においては清掃対象となるノズル71の吐出口711の近傍の構成を明確にするためにノズル先端の寸法を実際とは異ならせて示している。
【0030】
このノズル71はY方向に延びる長尺スリット状の開口部である吐出口711を有するスリットノズルである。吐出口711はY方向においてノズル71の全長と同程度の吐出口範囲71Rで開口している。このノズル71は浮上ステージ部3により浮上されながらX方向に搬送される基板Sの上面Sfに向けて吐出口711から鉛直下方、つまり(−Z)方向に塗布液を吐出可能な構成を有する。具体的には、ノズル71は、図示を省略するノズル支持体によって固定支持されるノズル本体部712と、ノズル本体部712より下方に突出するリップ部713とを有している。そして、ノズル71に対して塗布液が塗布液供給機構78から圧送されると、ノズル本体部712の内部に形成される内部流路を経由して吐出口711に送液され、吐出口711から(−Z)方向に吐出される。
【0031】
このように本実施形態では、ノズルユニット73が塗布位置に位置決めされた状態でノズル71の吐出口711から塗布液が吐出されて、塗布ステージ32との間を搬送されてくる基板Sに塗布される。この塗布位置では、ノズル71のリップ部713およびノズルガード72の下端部は塗布ステージ32上を搬送される基板Sの表面に近接している。このため、基板Sに異常部位が存在すると、異常部位にズルガード72が接触することがある。そこで、本実施形態では、図1に示すように、塗布位置の(−X)方向側に基板Sの異常部位を検知するための異常検知機構8が設けられている。このように異常検知機構8により異常部位を検知する動作が本発明の「異常検知工程」の一例に相当する。
【0032】
図4図1に示す基板処理装置に装備された異常検知機構の構成を示す平面図である。異常検知機構8は、同図に示すように、塗布ステージ32の上方空間のうち塗布位置に位置決めされたノズルユニット73の(−X)方向側の異常検知領域84で3本のレーザ光線L1〜L3を照射して異常部位を検知可能となっている。より具体的には、異常検知機構8は3つの検知センサ81〜83を有している。検知センサ81はY方向において異常検知領域84を挟んで対向配置された投光器81aおよび受光器81bを有している。投光器81aから照射されるレーザ光線L1を受光器81bが受光し、その受光量を計測して、制御ユニット9に出力する。検知センサ81では、レーザ光線L1がレーザ照射方向の所定位置で絞られており、この位置において有効な検知精度(本実施の形態においては100μm程度の大きさの異常部位を検知することができる精度)が得られるように設定されている。つまり、検知センサ81は、Y方向の一部において有効検知範囲E1を有しており、その有効検知範囲E1で異常部位を検知可能な検知部として機能する。なお、検知センサ82、83についても、構造および機能は基本的に同様であるため、相当符号を付して説明を省略する。
【0033】
このように3本のレーザ光線L1〜L3を用いてY方向において異常部位を検知可能となっている点で特許文献1に記載の装置と共通する。しかしながら、レーザ光線L1、L2がX方向に対して斜めに交差し、しかも有効検知範囲E1、E2がともに(−X)方向に位置するように構成されている点で特許文献1に記載の装置と大きく相違している。また、中央の有効検知範囲E3について異常部位をより高精度に検知するために基板Sの上面Sfに対するレーザ光線L3の照射態様をレーザ光線L1、L2と相違させている。これらの理由および詳しい構成を図4および図5を参照しつつ説明する。
【0034】
図5は従来技術を適用した異常検知機構の一例を示す図である。特許文献1に記載されたセンサ配置構造を採用した異常検知機構80では、異常検知領域84においてレーザ光線L1〜L3の照射方向はいずれもY方向である。このため、3つの有効検知範囲E1〜E3のうちの1つ(図5ではレーザ光線L1の有効検知範囲E1)は異常検知領域84のうちノズル近接領域841(図4においてドットを付した領域)に位置する。ノズル近接領域841はノズルユニット73に近接しているため、当該ノズル近接領域841で異常部位を検知したとしても、当該異常部位がノズルガード72に衝突する前に基板Sの搬送を停止することは時間的に困難である。
【0035】
これに対し、本実施形態では、図4に示すように、異常検知領域84の(+Y)方向側で受光器82b、83bおよび投光器81aがこの順序で(−X)方向に配列される一方、異常検知領域84の(−Y)方向側で受光器81bおよび投光器83a、82aがこの順序で(−X)方向に配列されている。このため、投光器81aから出射されたレーザ光線L1のうち受光器81bに入射する直前でノズル近接領域841を通過し、その他においてはノズル近接領域841から離れた領域の(+Y)方向側を通過する。そこで、本実施形態では、ノズル近接領域841を部分的に通過するレーザ光線L1については、ノズル近接領域841から(−X)方向に十分に離れた位置、つまり投光器81aに近接する位置で絞り、この位置に有効検知範囲E1を設けている。
【0036】
また、投光器82aから出射されたレーザ光線L2のうち受光器82bに入射する直前でノズル近接領域841を通過し、その他においてはノズル近接領域841から離れた領域の(−Y)方向側を通過する。そこで、本実施形態では、ノズル近接領域841を部分的に通過するレーザ光線L2についても、投光器82aに近接する位置でレーザ光線L2を絞り、この位置に有効検知範囲E2を設けている。
【0037】
さらに、投光器83aから出射されたレーザ光線L3はノズル近接領域841から離れた領域のみを通過する。そこで、本実施形態では、ノズル近接領域841から(−X)方向側に離れた領域で有効検知範囲E3を設けている。ただし、上記検知センサ81、82では、有効検知範囲E1、E2はそれぞれ投光器81a、82aに近い方にあり、有効検知範囲E1、E2に存在する異常部位がそれぞれレーザ光線L1、L2を遮光する割合は大きく、高い精度で異常部位を検知可能である。これに対し、検知センサ83では、Y方向における基板Sの中央部に存在する異常部位を検知する必要があり、有効検知範囲E3に存在する異常部位がレーザ光線L3を遮光する割合は小さくなり、検知精度が検知センサ81、82よりも低下する。そこで、検知センサ83では、投光器83aから出射されたレーザ光線L3は基板Sの上面Sfと非平行に照射される。より詳しくは、レーザ光線L3が基板Sの上面Sfに入射するように投光器83aの光線出射面(図示省略)は上面Sfを向いて配置されている。そして、上面Sfで反射されたレーザ光線L3を受光器83bで受光して受光量の変化から有効検知範囲E3における異常部位を検知している。このようにレーザ光線L3の反射を用いることによって異常部位で遮光される割合を高め、検知センサ83の検知精度を高めている。
【0038】
このように構成された異常検知機構8により基板Sの異常部位が検知されると、制御ユニット9は吸着・走行制御機構52に対して停止の指令を与え、基板Sの搬送を緊急停止する(本発明の「停止工程」の一例に相当)。
【0039】
以上のように、本実施形態では、レーザ光線L1〜L3のうち2本のレーザ光線L1、L2がX方向を斜めに交差するように投光器81a、82aおよび受光器81b、82bを配置するとともに、レーザ光線L1、L2の有効検知範囲E1、E2をノズル近接領域841よりも(−X)方向側に設定している。そのため、異常部位はノズルガード72から(−X)方向に少なくともノズル近接領域841を隔てた位置で検知される。したがって、ノズル近接領域841よりも遠い位置で検知する分だけ緊急停止の時間的余裕が生まれ、異常部位がノズルガード72に達する前に基板Sを確実に停止させることができる。
【0040】
また、本実施形態では、図4に示すように、有効検知範囲E1の(−Y)方向端部と有効検知範囲E2の(+Y)方向端部とが重なり、有効検知範囲E2の(−Y)方向端部と有効検知範囲E3の(+Y)方向端部とが重なるように構成されている。したがって、Y方向における異常部位の発生場所を問わず、異常部位の検知を確実に行うことが可能となっている。
【0041】
なお、X方向におけるノズル近接領域841の長さについては緊急停止に必要な時間に応じて設定することができる。例えば吸着・走行制御機構52による基板Sの搬送速度が比較的遅い場合には、緊急停止に必要な時間は短くなるため、それに応じてノズル近接領域841をノズルユニット73側、つまり(+X)方向側に狭まることができる。逆に、基板Sの搬送速度を高める場合には、ノズル近接領域841をノズルユニット73と反対側、つまり(−X)方向側に広げる必要がある。
【0042】
図6は本発明に係る基板処理装置の他の実施形態に組み込まれた異常検知機構の構成を示す図である。この実施形態が図4に示す実施形態と大きく相違する点は、検知センサ83の配設位置のみである。より詳しくは、検知センサ83の投光器83aが検知センサ82の投光器82aに近接配置されるとともに検知センサ83の受光器83bが検知センサ81の投光器81aに近接配置されている。これによって、レーザ光線L3が(−X)方向側に平行シフトされ、有効検知範囲E3での異常部位の検知を早期に実行することができる。これは、ノズル近接領域841をノズルユニット73と反対側に広げる必要がある装置において有利なものとなる。
【0043】
なお、検知センサ81、82に対する検知センサ83の配設位置は図4図5に示すものに限定されず、例えば図7に示すように検知センサ83を検知センサ81、82の(−X)方向側に設けてもよい。
【0044】
図8は本発明に係る基板処理装置の別の実施形態に組み込まれた異常検知機構の構成を示す図である。この実施形態が図4図6に示す実施形態と大きく相違する点は、異常検知に使用するレーザ光線の本数および有効検知範囲の個数である。つまり、本実施形態では、図4に示す異常検知機構8から検知センサ83を取り除いた構造を有しており、2本のレーザ光線L1、L2がそれぞれX方向を斜めに交差するように2つの検知センサ81、82が配置され、ノズル近接領域841から(−X)方向側に離れた2つの有効検知範囲E1、E2で異物検知を行っている。
【0045】
このように上記した実施形態では、塗布液が本発明の「処理液」の一例に相当している。また、吸着・走行制御機構52により基板Sを(+X)方向に搬送してノズルユニット73を基板Sに対して相対移動させており、吸着・走行制御機構52が本発明の「移動機構」の一例に相当し、X方向が本発明の「進行方向」に相当しており、(−X)方向側が本発明の「進行方向の前方側」に相当している。また、Y方向が本発明の「ノズルの長手方向」に相当している。検知センサ81〜83が本発明の「複数の検知部」の一例に相当しており、それらのうち検知センサ81が本発明の「第1検知部」の一例に相当している。投光器81aおよび受光器81bがそれぞれ本発明の「第1検知部の投光器」および「第1検知部の受光器」に相当している。また、検知センサ82が本発明の「第2検知部」の一例に相当しており、投光器81aおよび受光器81bがそれぞれ本発明の「第2検知部の投光器」および「第2検知部の受光器」に相当している。また、検知センサ83が本発明の「第3検知部」の一例に相当しており、投光器81aおよび受光器81bがそれぞれ本発明の「第3検知部の投光器」および「第3検知部の受光器」に相当している。また、複数のレーザ光線L1〜L3のうちレーザ光線L1、L2が本発明の「近接レーザ光線」の一例に相当している。
【0046】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、2本または3本のレーザ光線を用いて異常部位の検知を実行しているが、4本以上のレーザ光線を用いて異常部位を検知する基板処理装置に対して本発明を適用することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、レーザ光線L1、L2を投光器81a、82aの近傍位置で絞って有効検知範囲E1、E2を投光器81a.82aに近い位置に設定しているが、有効検知範囲E1、E2の設定位置はこれに限定されるものではなく、例えば有効検知範囲E1、E2を受光器81b、82bに近い位置に設定してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、レーザ光線L1、L2の一方が異常検知領域84の(+Y)方向側から(−Y)方向側に照射され、他方が異常検知領域84の(−Y)方向側から(+Y)方向側に照射されているが、ともに異常検知領域84の一方向側から他方向側に照射されるように設定してもよい。この場合、レーザ光線L1、L2の一方については投光器近傍を絞って有効検知範囲を投光器側に設定する一方、他方については受光器近傍を絞って有効検知範囲を受光器側に設定するのが望ましい。
【0049】
また、上記実施形態では、2本のレーザ光線L1、L2を本発明の「近接レーザ光線」とし、それらがそれぞれX方向を斜めに交差するように2つの検知センサ81、82を、配置しているが、近接レーザ光線の本数は2本に限定されるものではなく、例えば1本であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、3本のレーザ光線L1〜L3のうちレーザ光線L3のみを基板Sの上面Sfで反射させているが、残りのレーザ光線L1、L2の全部または一方を基板Sの上面Sfで反射させるように構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、ノズルユニット73にノズルガード72が設けられた塗布装置1に対して本発明を適用し、基板Sの異常部位がノズルガード72と接触するのを未然に防止しているが、ノズルガードを有しない塗布装置に対して本発明を適用することができる。
【0052】
さらに、上記実施形態では、いわゆる浮上方式の塗布装置1に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、スリット状の吐出口から塗布液などの処理液を吐出するノズルを有するノズルユニットを基板の上方でノズルの長手方向と直交する進行方向に基板に対して相対移動させて処理液を基板に供給する基板処理装置全般に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
この発明は、ノズルから処理液を吐出しつつノズルを基板に対して相対移動させて処理液を基板に供給する基板処理技術全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…塗布装置
8…異常検知機構
32…塗布ステージ
52…吸着・走行制御機構(移動機構)
71…ノズル
73…ノズルユニット
81〜83…検知センサ(検知部)
81a…(第1)投光器
81b…(第1)受光器
82a…(第2)投光器
82b…(第2)受光器
83a…(第3)投光器
83b…(第3)受光器
84…異常検知領域
711…吐出口
841…ノズル近接領域
E1〜E3…有効検知範囲
L1〜L3…レーザ光線
S…基板
X…搬送方向(進行方向)
Y…水平方向(ノズルの長手方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8