特許第6789345号(P6789345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6789345ガスを検出するためのセンサおよびガスを検出するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789345
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ガスを検出するためのセンサおよびガスを検出するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3504 20140101AFI20201116BHJP
   G01N 33/497 20060101ALI20201116BHJP
   G01N 21/03 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   G01N21/3504
   G01N33/497 Z
   G01N21/03 B
【請求項の数】37
【外国語出願】
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2019-78650(P2019-78650)
(22)【出願日】2019年4月17日
(62)【分割の表示】特願2016-528488(P2016-528488)の分割
【原出願日】2014年7月21日
(65)【公開番号】特開2019-164141(P2019-164141A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2019年5月14日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2013/065379
(32)【優先日】2013年7月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501204802
【氏名又は名称】センテック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Sentec AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラドマン,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハー,ペーター・マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ラン,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】カルエル,シモン
(72)【発明者】
【氏名】エレンベルガー−ジラルド,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー,ロス
(72)【発明者】
【氏名】エッケルト,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】トルメン,マウリジオ
(72)【発明者】
【氏名】ティモティジェビク,ブラニスラブ
【審査官】 嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04041932(US,A)
【文献】 特表2010−522868(JP,A)
【文献】 米国特許第05444249(US,A)
【文献】 国際公開第2013/064313(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/017054(WO,A1)
【文献】 英国特許出願公開第02054844(GB,A)
【文献】 特開昭57−100337(JP,A)
【文献】 Noninvasive Optical Transcutaneous pCO2 Gas Sensor,Sensors and Materials,2005年,Vol.17, No.5,pp. 249-257
【文献】 Characteristics of Transcutaneous pCO2 Gas Sensor Based on LiF Glass Using Soft Lithography,Sensors and Materials,2007年,Vol.19, No.8,pp. 465-476
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/74
G01N 33/48−33/98
G01N 1/00− 1/44
A61B 5/06− 5/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮ガスを検出するための、特にCO2を検出するための、センサ(1)であって、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面(2)と、測定放射を発するための少なくとも1つの放射源(3)と、前記測定対象のガスを受けるための測定体積部(4)と、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器(5)とを備え、前記放射は前記測定体積部(4)を通って伝達され、前記放射源(3)および前記第1の検出器(5)はそれぞれコンパートメント(13)内に配置され、
前記コンパートメント(13)はそれぞれ少なくとも1つのシール素子(14)によって前記測定体積部(4)から分離されており、
前記センサ(1)は、前記放射源(3)が位置する前記コンパートメント(13)と前記測定体積部(4)との間の少なくとも1つのチャネル(8)を含み、
前記センサ(1)は、前記測定体積部(4)と前記第1の検出器(5)が位置する前記コンパートメント(13)との間の少なくとも1つのチャネルを含み、
前記シール素子(14)は、前記放射源(3)と前記測定体積部(4)との間の前記チャネル(8)に配置されるとともに、前記測定体積部(4)と前記第1の検出器(5)との間の前記チャネル(8)にも配置されており、
前記センサ(1)は、前記シール素子(14)とそれぞれの前記チャネル(8)との間のシール(15)を備え、前記シール(15)は金属を含むポリマーから形成され、
前記シール素子(14)は、少なくとも部分的に、反射層でコーティングされている、センサ。
【請求項2】
前記シール素子(14)は円筒形であり、好ましくは前記シール素子(14)は楕円形または円形シリンダであることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ(1)。
【請求項3】
前記シール素子(14)は、前記第1の検出器(5)によって検出されるべき放射に対して実質的に透過的な材料からなり、好ましくは前記シール素子(14)は、サファイア、ルビー、シリコン、酸窒化アルミニウム、またはフッ化物ガラスなどの赤外線透過ガラスからなることを特徴とする、請求項1または2に記載のセンサ(1)。
【請求項4】
前記測定体積部(4)は、前記測定箇所に向けて方向付けられる透過壁(29)を備え、前記透過壁(29)は、放射を反射する多孔面(30)を備え、前記多孔面(30)の細孔開口部(31)は好ましくは5μm未満の寸法を有し、より好ましくは、細孔開口部(31)は1μm未満の寸法を有する、請求項1からのいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項5】
前記透過壁(29)は、反射層(32)でコーティングされた、好ましくはAu(金)、TiN(窒化チタン)、またはAl(アルミニウム)でコーティングされた、ePTFE、ナノ多孔性酸化アルミニウム、多孔性シリコン、または焼結もしくはエッチングされた膜もしくは薄シートなどの多孔性ポリマーまたはセラミックまたは半導体または金属を備えることを特徴とする、請求項に記載のセンサ(1)。
【請求項6】
前記放射源(3)は放熱器であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項7】
前記放射源(3)は赤外線LEDを備えることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項8】
センサケーシング(33)は気密であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項9】
前記放射源は、VCSELなどの赤外レーザを備えることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項10】
少なくとも1から12μmの範囲内、好ましくは1から5μmの範囲内、より好ましくは3から5μmまたは2から4μmの範囲内の波長帯域の放射が、前記第1の検出器(5)によって検出可能であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項11】
前記測定体積部(4)は、10mm3未満、好ましくは2mm3未満、より好ましくは1mm3以下の体積を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項12】
前記センサ(1)は、第2の検出器(34)と、測定体積部(4)と第2の検出器(34)との間の第2の経路(35)とを備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項13】
前記第2の経路(35)は、第1の検出器(5)と測定体積部(4)との間の経路から少なくとも部分的に分離されていることを特徴とする、請求項12に記載のセンサ(1)。
【請求項14】
細孔充填物(42)を備える、請求項1から13のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項15】
通信および電力供給手段を有さない前記センサは、直径30mmおよび高さ20mmの仮想シリンダに、または15cm3の仮想体積に収まり、好ましくは、直径20mmおよび高さ16mmの仮想シリンダに、または5cm3の仮想体積に収まり、最も好ましくは、直径17mmおよび高さ13mmの仮想シリンダに、または3cm3の仮想体積に収まることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項16】
前記センサは、電気または電子手段によってPCBまたはディスプレイなどの他の装置と通信するのみの通信インターフェイスを備えることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項17】
前記測定体積部(4)を介した前記放射源(3)から前記検出器(5)または前記検出面(43,44)までの最短の完全な光路の全長は、20mmを超えず、好ましくは10mmを超えないことを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項18】
前記測定体積部(4)以外のガスアクセス可能体積を通って延びる、前記測定体積部(4)を介した前記放射源(3)から前記検出器(5)または前記検出面(43,44)までの最短の完全な光路のそれらの部分の長さの合計は、3mmを超えず、好ましくは1.5mmを超えず、より好ましくは0.8mmを超えないことを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項19】
前記センサ(1)に供給される平均電力は、5W未満であり、より好ましくは2W未満であり、最も好ましくは1W未満であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項20】
前記検出器は、少なくとも第1の検出面(43)と、第2の検出面(44)と、好ましくは干渉フィルタなどの波長フィルタである少なくとも1つの波長高感度素子とを備え、前記波長高感度素子は、第1の入射角範囲内で前記波長高感度素子上に入射する第1の波長帯域内の波長の放射に対して、かつ第2の入射角範囲内で前記波長高感度素子上に入射する第2の波長帯域内の波長の放射に対して実質的に透過的であり、
前記第1および前記第2の波長帯域は少なくとも部分的に互いに異なり、前記第1および前記第2の入射角範囲は少なくとも部分的に互いに異なり、
前記第1の検出面(43)および前記第2の検出面(44)および前記少なくとも1つの波長高感度素子は、前記第1の波長帯域内の放射が前記第1の検出面(43)に衝突して前記第1の検出面(43)によって検出可能であるように前記波長高感度素子を通って伝搬するように、かつ、前記第2の波長帯域の放射が前記第2の検出面(44)に衝突して前記第2の検出面(44)によって検出可能であるように前記波長高感度素子を通って伝搬するように配置されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項21】
前記第2の検出面(44)は、前記第1の検出面(43)に対して同心円状に配置されることを特徴とする、請求項20に記載のセンサ。
【請求項22】
前記第2の検出面(44)は、前記第1の検出面(43)を少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に囲むことを特徴とする、請求項20または21に記載のセンサ。
【請求項23】
前記検出器は、2つの検出面(43,44)を備えることを特徴とする、請求項20から22のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項24】
前記第1および前記第2の検出面は、共通のサポート、好ましくは共通のセラミックサポート、より好ましくは共通のシリカサポート上に配置されることを特徴とする、請求項20から23のいずれか1項に記載のセンサ
【請求項25】
前記検出器(5)は、測定放射が前記センサ(1)の内部で複数の異なる光路に沿って前記放射源(3)から前記測定体積部(4)を通って前記検出器(5)に向かって伝搬しており、前記測定放射の光線が前記波長高感度素子に衝突した時に明確に発散する場合、前記第1および前記第2の波長帯域内の放射が前記第1および第2の検出面(43,44)によって検出可能であるように配置されることを特徴とする、請求項20から24のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項26】
前記検出器(5)は、異なる波長の測定放射光線が共通のビームの内部で前記波長高感度素子に向かって伝搬している場合、異なる波長帯域内の前記光線は、前記波長高感度素子に入った後に別個のビームの内部を前記第1および第2の検出面(43,44)へと伝搬するのみであるように配置されることを特徴とする、請求項20から25のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項27】
前記センサは、放射源(3)と第1の検出器(5)との間に前記放射の経路(6)を備え、前記放射は非結像的に前記経路に沿って伝搬することを特徴とする、請求項1から26のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項28】
非結像光学素子(7)はセンサケーシング(33)の一体部分であることを特徴とする、請求項27に記載のセンサ(1)。
【請求項29】
前記経路(6)は、前記放射源(3)と前記測定体積部(4)との間に、および/または、前記測定体積部(4)と前記第1の検出器(5)との間に、少なくとも1つのチャネル(8)を備え、好ましくは前記チャネル(8)は充填物(9)を備えることを特徴とする、請求項27または28に記載のセンサ(1)。
【請求項30】
前記測定体積部は、反射率が90%を超える、好ましくは95%を超える、より好ましくは98%を超える主に反射性の表面(36)を有することを特徴とする、請求項27から29のいずれか1項に記載のセンサ(1)。
【請求項31】
請求項1から30のいずれか1項に記載のセンサ(1)を用いる、ガス、特にCO2を検出するための方法であって、放射が少なくとも1つの放射源(3)から発せられ、測定体積部(4)を通って伝達され、検出器(5)によって検出され、前記測定体積部(4)内に経皮拡散した後の測定対象のガスは前記測定体積部(4)の中に受けられ、
前記放射は、放射源(3)と検出器(5)との間を非結像的に伝搬することを特徴とする、方法。
【請求項32】
液体または粘稠液体が前記測定体積部(4)に入ることが防止されることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
検出対象のガスを含むガス混合物から、特に、前記測定体積部(4)および前記拡散経路(26)に入っているガス混合物から、水蒸気が少なくとも部分的に除去されることを特徴とする、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
請求項31から33のいずれか1項に記載のガスを検出するための方法であって、前記放射は、NA変換器(22)またはビーム分割NA変換器(22)および波長フィルタ(21)を通って少なくとも部分的に伝達されることを特徴とする、方法。
【請求項35】
ガス、特にCO2を検出するための、請求項31から34のいずれか1項に記載の方法であって、
前記ガスは、前記測定体積部のアクセス領域(25)よりも大きい収集領域(24)を有するガス収集器(23)によって収集されることを特徴とする、方法。
【請求項36】
前記放射源(3)は、シール素子(14)として同時に用いられることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項37】
前記測定体積部は、前記測定体積部の入口から前記測定体積部に入る光子がランダムウォークを行なった後に前記測定体積部の出口から出るように、反射性の表面を備える、請求項1から18および36のいずれか1項に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明はガスを検出するためのセンサ、およびガスの発生または量を検出するための方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
ガスを測定するための現在のシステムは、さまざまな測定原理を採用している。医療技術では、主に、経皮拡散した、すなわちヒト患者または動物の皮膚を通じて拡散したガスを測定するために電気化学センサが用いられている。経皮CO2を測定するための現在の
センサは非常に高感度であり、良好な応答時間を示す。それでもやはり、それらのセンサは測定時間が長引くにつれてドリフトし、頻繁な較正を必要とするため、使用時に、ユーザは較正ガス供給を含むかなり嵩高い較正機器を用いる必要がある。センサ較正およびメンテナンスによって、技術の有用性が損なわれる。経皮ガスを測定するための電気化学センサは、たとえば国際公開第WO2008/132205号から知られている。
【0003】
今日、経皮血液ガス、特にCO2の測定は、実質的にすべての臨床設定において患者換
気の連続的かつ非侵襲的なリアルタイム監視に主に用いられている。経皮システムは、ガスが皮膚および身体組織を通じて拡散し、当該ガスが適切なセンサによって皮膚の表面上で検出可能であるという事実に依拠している。検出されたガスの濃度は次に典型的に、数学的関係を用いてガスの動脈分圧に変換される。この情報は、特に呼吸パターン、肺胞換気、肺灌流、または人工呼吸器および麻酔回路からのCO2の排除などの局面に関して、
治療中に患者の健康状態の健全性および臨界の明確なイメージを提供する。通常、皮膚は、臨床的に関連のある測定結果を得るために37℃〜45℃、好ましくは41℃〜43℃に加熱される必要がある。
【0004】
従来の非侵襲的な換気監視は、患者の息のサンプル内の呼吸ガスの濃度の測定によって行なわれる。しかし、そのような技術には、一定の臨床設定においていくつかの欠点がある。体外の血液循環を含む一定の臨床設定では、患者の血流から血液ガスを直接測定することもさらに可能である。
【0005】
経皮ガス検知における主な技術的課題の1つは、ガスが組織および皮膚を透過する速度が非常に低いという事実と関連している。したがって、その測定メカニズムが、測定チャンバ内のガスの濃度と、皮膚内のそれぞれの濃度との平衡に依拠する経皮ガス測定用センサは、極めて小さい体積のそのような測定チャンバを有する必要があり、そうでなければ平衡完了までの時間が許容できないほど長くなってしまう。さらに、そのような測定チャンバを採用する光学センサは、十分な光強度を維持しつつ、極めて小さい測定チャンバに光学放射を案内し、チャンバを通って伝達し、チャンバから収集するという課題を克服しなければならない。別の制約は、典型的に成人患者の耳たぶまたは新生児の大腿である測定箇所である。
【0006】
米国特許第7,164,812号には、光ビームが光源から検出器に伝搬する際に通る螺旋光導波路を含むセンサシステムが開示されている。光ビームのエバネッセント場が隣接の媒体に入り込み、その中の化学物質によって、たとえば経皮ガスによって吸収され得る。
【0007】
そのようなセンサシステムは、小型センサに正確に組込むことが困難な光ファイバを採用している。さらに、エバネッセント場が物質と相互に作用し得る短い距離には、高精度の製造および組立が必要である。エバネッセント場が測定対象のガス以外の多数の物質に
干渉することによって、必要な信号と不要な信号との区別が妨げられ得る。
【0008】
国際公開第WO2008/110927号には、光学サンプリングセルを含むセンサシステムが開示されており、光ビームは単一モード伝搬によってエミッタから検出器へと当該セルを通って伝搬する。光ビームは、サンプリングセルの内部のガスと相互に作用する。
【0009】
そのようなセンサシステムは高額かつ複雑であり、製造が困難である。製造仕様からの小さい偏差が単一モード伝搬に、それによってシステム性能に著しく影響を与えるため、公差を非常に厳しくする必要がある。当該分野において使用時にセンサ信頼性を維持することは達成が非常に困難であり、初期故障のリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、最新技術の欠点を回避することであり、特に、特に少量のガスの濃度を求めるためにガスを検出するためのロバストなセンサと、特に、頻繁な較正が不要であり、かつ許容可能な応答時間内に正確な結果を提供する、少量のガスの濃度を求める、ガスを検出するための方法とを提供することである。
【0011】
本文脈における応答時間とは、センサが、たとえば患者から外されて、一定の状況から安定した測定値の90%に達するのに要する時間と理解される。許容可能な応答時間は10分よりも短く、好ましくは5分よりも短く、より好ましくは2.5分よりも短い。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、この目的は、独立特許請求項に係る検出器、センサおよび方法によって達成される。
【0013】
発明の第1の局面によると、放射源によって発せられる電磁放射を検出するための、典型的にセンサ内の放射を検出して測定するための検出器が提供される。上記検出器は、第1の検出面と、第2の検出面と、少なくとも1つの波長高感度素子とを含む。検出面は、検出すべき放射が検出器に衝突する領域を形成する。波長高感度素子は、第1の波長帯域内の波長の放射が第1の入射角範囲内で波長高感度素子上に入射する際に、この放射に対して実質的に透過的である。好ましくは、厳密に1つの共通の波長高感度素子がすべての検出面について用いられる。当該素子はさらに、第2の波長帯域内の波長の放射が第2の入射角範囲内で波長高感度素子上に入射する際に、この放射に対して実質的に透過的である。これら第1および第2の波長帯域は少なくとも部分的に互いに異なるが、重なり合っていてもよい。第1および第2の入射角範囲も少なくとも部分的に互いに異なるが、重なり合っていてもよい。波長高感度素子はさらに、さらなるそのような波長帯域内の、さらなるそのような入射角範囲内で入射する波長の放射に対して実質的に透過的であってもよい。
【0014】
波長高感度素子は好ましくは、干渉フィルタなどの波長フィルタである。回折素子も考えられる。干渉層に基づく波長フィルタのフィルタリング特性は、衝突する光線の入射角に依存する。典型的に、バンドパス干渉フィルタの通過帯域の中心波長は、入射角が増加すると低波長側にずれる。さらに、通過帯域形状は変化し得る。したがって、バンドパス干渉フィルタは、第1の入射角範囲内の入射角(AOI)で衝突する光線が、それらの波長が第1の波長帯域内にある時にのみ当該フィルタを通過可能であり、第2の入射角範囲内のAOIで衝突する光線が、それらの波長が第2の波長帯域内にある時にのみ当該フィルタを通過可能であるような通過帯域形状および中心波長を有するように設計され得る。波長帯域および入射角範囲は重なり合っていてもよいがその必要はなく、第2の波長帯域
は典型的に、第2の入射角範囲が第1の入射角範囲よりも高いAOIに及ぶ時、第1の波長帯域よりも低い波長に及ぶ。
【0015】
第1の検出面および第2の検出面および少なくとも1つの波長高感度素子は、第1の波長帯域内の放射が上記第1の検出面に衝突して上記第1の検出面によって検出可能であるように波長高感度素子を通って伝搬するように配置される。これに対応して、第2のまたはさらなる波長帯域の放射は、第2またはさらなる検出面に衝突してこれら第2のまたはさらなる検出面によってそれぞれ検出可能であるように波長高感度素子を通って伝搬する。典型的に、放射が波長高感度素子に衝突する前に空気中を伝搬する場合、第1の波長帯域内の波長を有する放射の入射角は、波長高感度素子に垂直な表面に対して0°から30°であってもよく、第2の波長帯域内の波長を有する放射の入射角は、波長高感度素子に垂直な表面に対して25°から60°であってもよい。
【0016】
そのような検出器は小型化に適している。好ましくは、そのような検出器は、測定放射が、非平行光線からなる、特に明確に発散している光線からなるビームとして伝搬する状況において、および/またはコリメータもしくは集光器などのビーム成形手段がたとえばサイズ制約のために使用できない状況において用いられ得る。本発明における明確に発散している光線からなるビームは、自由空間の短い部分を通って伝搬している時に断面が明らかに変化するビームと理解される。これが起こるのは、たとえば、ビームが空気または真空中を伝搬している時に、当該ビームの別の大量の光線に対して30°を超える、特に60°を超える角度を形成する大量の光線を含む時である。さらに、各検出面の前に個々に1つの波長高感度素子がある従来のアプローチとは異なり、すべての検出面の前に1つの波長高感度素子のみが適用されるため、原則として、個々の波長高感度素子の形状、サイズ、および組立による制約なしに、検出面同士は互いに非常に近くに配置され得、任意の形状を有し得る。特に、1つの波長高感度素子から隣接の素子に通過する不要な放射の除去は、波長高感度素子が1つしかない場合は問題ではない。これによって、より小型で組立がより容易な、それによってより安価な検出器の作製が可能になる。
【0017】
また、典型的に多くの種類のそのような検出面に当てはまるが、検出面が放射に対してだけでなく温度に対しても高感度である場合、そのような小型化された検出器は温度差に起因する測定誤差が少なくなる。検出面が互いに近くに配置され得るため、より離れている場合よりも同じ温度にある可能性が高いからである。これによって、検出器信号が温度依存性を有する場合、測定結果が向上する。
【0018】
そのような設計によって、中心検出面および周辺のさらなる検出面による放射の検出が可能になる。特に、周辺検出面は、中心検出面に対して同心円状に配置されてもよい。たとえば、第2の検出面は、第1の検出面を部分的にまたは実質的に完全に囲んでもよい。本文脈において実質的に囲むとは、導体経路などの導体の配置を可能にする小さい隙間が隣り合う表面同士の間に存在し得ることを意味する。特に、第2のまたは任意の他の周辺検出面は、実質的にリング状であってもよい。
【0019】
完全にまたは部分的に第1の中心検出面を囲む第2の検出面は、第2の検出面が第1の検出面の一方側にのみ位置している場合と比べて、第2の波長帯域内の波長のより多くの放射の検出を可能にする。これによって、特に、中心検出器のすべての側に広がる明確に発散する放射ビーム、たとえば(固体)円錐を形成するほぼ回転対称のビームを検出する場合、第2の波長帯域内の放射のより正確な測定が得られる。
【0020】
個別の検出面同士の間に配置される隙間は、対応する入射角の範囲同士の、したがって検出された放射の対応する波長帯域同士の重なりを減少させ得る。さらに、そのような隙間に、かつ非完全的に囲んでいる検出面の異なる部分同士の間の隙間に、電気コンタクト
が配置され得る。
【0021】
検出器は、厳密に2つの検出面を含み得る。
厳密に2つの検出面によって、たとえば、第1の波長帯域内の放射の多くが測定対象のガスによって吸収され得、第2の波長帯域内の放射がかなりまたは完全に測定対象のガスに対して低感度であり、したがって基準放射として用いられ得る、検出器がたとえばガスセンサに用いられる場合に、2つの対応する波長帯域内の放射の検出が可能になる。たとえば、この第1の波長帯域の放射は中心検出面によって検出され得、信号放射となり、より低い波長の第2の波長帯域内の放射は周辺の第2の検出面によって検出され、基準放射となる。代替的に、信号放射も周辺検出器によって検出されてもよく、より高い波長の第2の波長帯域内の放射が中心検出面によって検出され、基準放射となる。
【0022】
代替的に、検出器は厳密に3つの検出面を含んでもよい。たとえば、検出器は、中心および外側周辺検出面が主に、検出対象のガスに対して高感度の放射の波長帯域よりも実質的に高いおよび低い波長帯域内のガス低感度放射に対してそれぞれ高感度であり、主要なガス高感度放射が内側周辺検出面によって検出されるように、設計および配置されてもよい。そのような配置によって、ガス高感度放射の範囲の上下の基準放射の検出が、したがって放射源から発せられる放射のスペクトル変化への適合が同時に可能になる。
【0023】
第1および第2の検出面は、共通のサポート、好ましくはセラミックサポート、より好ましくは、特に石英の形態のシリカ製サポート上に配置されてもよい。
【0024】
共通のサポートを用いることによって、小型化された検出器の作製が可能になり、検出面同士を同じ温度に維持するのに役立つ。
【0025】
発明の別の局面によると、測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサが提供される。センサは、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部と、上述の検出器とを含む。放射源から発せられる放射は、検出器の波長高感度素子によって分離可能な少なくとも2つの波長を含む。上記センサは、光学ガス測定経路および基準経路を含む。検出器は、ガス測定経路の放射が一方の検出面に衝突し、基準経路の放射が他方の検出面に衝突するように配置される。
【0026】
そのようなセンサは、よりコンパクトに、かつより少ない部品で作ることができるため、より単純かつ容易に小型化される。
【0027】
好ましくは、検出器は、測定放射が上記センサの内部で複数の異なる光路に沿って放射源から上記測定体積部を通って上記検出器に向かって伝搬している時に、かつ、上記測定放射の光線が上記波長高感度素子に衝突すると明確に発散する時に、上記第1および上記第2の波長帯域内の放射が上記第1および第2の検出面によって検出可能であるように配置される。
【0028】
検出器は、異なる波長の測定放射光線が波長高感度素子に向かって共通のビーム内を伝搬している場合は、異なる波長帯域内の光線が波長高感度素子から上記第1および第2の検出面へと別個のビーム内を伝搬するのみであるように構成されてもよい。次に波長高感度素子を用いて、たとえば、波長高感度素子に入った後にそれぞれの検出面に個別に伝搬する測定波長および基準波長の放射同士が区別される。
【0029】
発明のさらに別の局面によると、ガスを検出するための、特にCO2を検出するための
センサが提供される。センサは光学測定原理を用いる。赤外放射が少なくとも1つの放射
源によって発せられ、少なくとも1つの経路に沿って、測定対象のガスを受けるための測定体積部を通って、少なくとも第1の放射検出器上に案内される。
【0030】
発明のこの局面の文脈では、上述のような第1および第2の検出面ならびに1つの共通の波長高感度素子を有する1つの検出器が好ましくは用いられ得る。
【0031】
代替的に、互いに分離した第1および任意に1つ以上のさらなる検出器を用いることも可能である。任意に、そのような検出器の各々には、個々の波長高感度素子が設けられてもよい。そのような放射検出器の一定の電子特性は、当該特性を測定することによって、衝突放射の強度変化が、好ましくはマイクロプロセッサを含む電子回路を用いて推測され得るように、衝突放射の強度に依存する。そのようなセンサはさらに、センサの接触面とその測定体積部とを接続するいくつかの拡散経路を含む。
【0032】
測定箇所にセンサを装着すると、接触面の近傍に存在する分子が、1つまたはいくつかの膜、場合によってはさらなる拡散経路を通って測定体積部内に拡散し始める。センサは、測定体積部内にガス状で存在する分子種について設計される。ある時間の後、測定体積部内の測定対象の分子種は測定箇所と平衡しており、すなわち、測定体積部内の分子種の濃度は、測定箇所における濃度が一定であり続ける限り、それ以上変化しない。平衡期間の後、測定濃度は測定箇所における濃度を表し、所望のパラメータ、たとえばCO2の動
脈分圧の計算を可能にする。
【0033】
放射源によって発せられる放射の波長は、発せられた放射の少なくとも一部が、測定体積部内に拡散してその中に気相で存在する分子によって吸収され得るように選択される。発明に係る測定放射は、第1の検出器によって検出され得る放射であり、たとえば、測定対象の分子種によって吸収され得る放射、またはガスによる吸収によって大幅に減衰され得ず、したがって基準放射となり得る放射である。測定体積部内に存在するそのようなガス分子が多いほど、測定体積部を通って伝達される測定放射がより多く吸収され、その放射に対して高感度の第1の検出器に衝突する測定放射の強度が低くなる。このように、検出器に衝突する測定放射強度の変化によって、特定のガス種の濃度を求めることができる。
【0034】
センサは、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む。センサはさらに、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部と、測定体積部を通って放射源から第1の検出器に伝達される放射を検出するのための少なくとも第1の検出器とを含む。センサは、放射源と第1の検出器との間に複数の放射経路を含む。放射は、非結像的に経路に沿って伝搬する。
【0035】
測定箇所において、測定対象のガスの分子は気相で存在し得るか、または媒体に、たとえばヒト組織または血液に溶解し得る。経皮ガスの測定については、測定箇所は被験者または被験動物の皮膚上にある。呼吸ガスの測定については、測定箇所は何らかのチャネル、たとえば呼気を搬送する管上にある。
【0036】
放射を非結像的に伝搬させるために、経路に沿ったすべての光学素子が結像するわけではない。経路に沿って存在する結像光学素子は、結像目的を有しない。この結果、測定体積部に入る放射は、結像システム内に伝搬する放射に必要であるように、特定の横および角度強度分布プロファイルによって特徴付けられる必要がない。特に、発明に係るセンサの光学的設計は、放射源によって発せられる放射ビーム全体を案内するおよび/または分割することを目的としており、たとえば集束または相互アライメント(コリメーション)のためにそのビームの個々の光線に影響を及ぼすことを試みていない。個々の光線に影響を及ぼすために用いられ得る素子が装置内に存在する場合でも、それらの素子は結像のた
めに用いられない。たとえば、そのような非結像光学素子は、反射側壁を有するシリンダ、または厚い光ファイバであってもよく、その唯一の目的は、放射を入口から出口面へ、途中のロスを最小に抑えつつ案内することである。
【0037】
好ましくは、測定体積部の入口における強度分布プロファイルは非常に特徴的でなく、すなわち、放出光子が取る放射経路は別の放射経路よりも好ましくない。この結果、測定体積部に入るいずれの光子も、多数の反射によって特徴付けられるランダムウォークを行う。したがって、測定体積部の出口および検出面における強度分布も特徴的でない。結像光学素子は、当該経路に沿って、上述の限定を満たす限り存在し得る。
【0038】
放射源の画像を形成することを試みないいずれの任意の形状の反射器または光学素子も、非結像光学素子として作用し得る。これはたとえば、放物面反射器、複合放物面集光器、複合楕円集光器、光円錐、粗面等を含む。
【0039】
放射の非結像的なランダムウォーク伝搬のため、放射を閉じ込めて案内する光学素子の詳細な幾何学的形状は、結像システムについてよりも重要性がはるかに低い。したがって、製造公差を大幅に緩和することができ、センサの製造が容易になる。これは、経皮ガス測定用センサなどの、非常に小型のセンサおよび測定体積部が非常に小さいセンサに特に当てはまる。さらに、製造コストが低下し、センサの信頼性が高まる。
【0040】
非結像光学素子は、センサケーシングの一体部分であってもよい。
発明に係る一体という用語は、内側がコーティングされたケーシングの一部と理解すべきである。チャネル内に他の別個の非結像光学素子が存在する必要はない。
【0041】
センサケーシングの一体部分として非結像光学素子を含むセンサは、小型化に有利である。
【0042】
ケーシングの一体部分としての非結像光学素子は、たとえば、金属に、好ましくはアルミニウムに、またはプラスチックにフライス加工もしくはドリル加工されるか、または成形されてもよい。反射が不十分な非結像光学素子の表面は、反射層でコーティングされてもよい。
【0043】
代替的に、キャビティ、たとえば孔またはチャネルを、測定放射に対して透過的であり、かつ外側に反射層を有し得る材料で充填することによって、非結像光学素子を作製することもさらに可能である。非結像光学素子は個々の部品で作製され、後で完全な光学部品に組合されてもよいし、または1つの部品内に作製されてもよい。非結像光学素子は、たとえばプラスチックケーシングなどのケーシング内に埋込まれてもよい。これによって、個々の非結像光学素子は、埋込工程時に組合された光学素子に組立てられてもよいし、または予め組立てられて光学素子全体として埋込まれてもよい。
【0044】
放射の経路は、放射源と測定体積部との間に、および/または測定体積部と第1の検出器との間に少なくとも1つのチャネルを含んでもよく、好ましくはチャネルは充填物を含んでもよい。
【0045】
チャネルを用いることによって、非結像光学素子によって屈折する放射が放射源から測定体積部に、かつ測定体積部から検出器に伝搬することが可能になる。チャネルの内部に充填物を用いることによって測定結果が向上する。充填物は、チャネル内のガス含有量が変化せず、したがって測定がチャネルに出入りするガスを吸収することによってバイアスされ得ないことを保証し得るためである。
【0046】
チャネル充填物は好ましくは、測定放射に対して実質的に透過的な材料から、またはそのような透過性材料とさらなる材料との組合せからなる。さらに、充填材は、主にシール目的のために、すなわちチャネルとその近傍との間のガス交換を防止するために、チャネル内に存在していてもよい。
【0047】
チャネルは好ましくは、チャネルが放射入口および出口面以外のすべての表面上が反射コーティングされた透過性充填物を含まない限り、反射面または反射コーティングされた表面を有する。これによって測定放射の光吸収が減少し、したがって測定信号が向上する。
【0048】
チャネルは円筒形であってもよい。円筒形チャネルは、材料内にドリル加工されるか、または射出成形によって形成されるか、または管を含んでもよい。これによって、費用効率の高い製造が可能になる。さらに、円筒形チャネルは、より容易に透過性材料で完全に充填できる。好ましくは、円筒形チャネル用の充填物は、円筒形または少なくとも部分的に球形の形状である。
【0049】
一般的に、他の形態のチャネルも考えられる。
典型的なチャネル直径は実質的に0.3から2mmであり、好ましくは実質的に0.5から0.8mmである。チャネルの長さは実質的に2から5mmであってもよい。
【0050】
測定体積部は、反射率が90%を超える、好ましくは95%を超える、より好ましくは98%を超える反射面を有してもよい。
【0051】
それらの表面は、ガス濃度測定について、対象の波長範囲内の放射に対して高反射性である。
【0052】
測定体積部はさらに、放射が出入りすべき表面を含む。そのような透過面は、35%未満の、好ましくは15%未満の、より好ましくは7%未満の低反射率を特徴とする。
【0053】
測定体積部は、高反射面よりも低い反射率を示すさらに他の表面を含んでもよい。そのような低反射面は望ましくなく、それらの表面積は最小限に抑えることが求められるが、それらは完全には回避できないことが多い。低反射面の例は、チャネル充填物の周りのシール、測定体積部と接触面とを接続するガスアクセス孔もしくは細孔などの拡散経路の開口部、または測定体積部を汚染から保護する内側膜である。
【0054】
測定体積部は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、またはAu(金)などの金属などの高反射性材料内にフライス加工またはドリル加工することによって測定体積部を形成する際に得られる、固有の劣化しない高反射面を有してもよい。代替的に、測定体積部の少なくとも一部が、プラスチック、一定の金属または金属合金または多くの他の材料などの、高反射性でない、またはその反射率が時間とともに劣化することが予想される材料内にまたは当該材料から形成されてもよい。特に、プラスチックの射出成形は安価であり、したがって魅力的な製造法である。そのような材料は、ある段階において、必要な高反射面を形成および/または保存する、Al、Au、TiN(窒化チタン)、Cu、Ag、Mo、もしくはWなどの反射コーティング、および/またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、パリレン、Al23(酸化アルミニウム)、Sixy(窒化シリコン)、MgF2(フッ化マグネシウム)等
の反射コーティングでコーティングされる必要がある。さらに、低反射面は、反射および/または保護材料を用いた同様のコーティングによって少なくとも部分的に高反射面に変換されてもよい。
【0055】
代替的に、測定体積部は、2枚の板または板状素子を接合することによって形成されてもよく、このうち少なくとも一方は、接合後に2枚の板の界面にキャビティが形成されるように成形される。
【0056】
測定体積部は任意に成形されてもよい。しかし、その体積は、経皮ガス検知に適しているように小さい必要があり、好ましくはその体積は10mm3未満であり、より好ましく
は2mm3未満であり、さらにより好ましくは1mm3未満である。さらに、測定体積部は5mm×5mm×3mmのサイズの直方体に収まるが、測定体積部はその直方体体積を充填するほどではない。好ましくは、測定体積部は2mm×2mm×1mmのサイズの直方体に、または1.5mm×1.5mm×1mmのサイズの直方体に収まる。
【0057】
測定体積部の最小開口、すなわち放射入口開口部と出口開口部との間の測定体積部の最小断面積は少なくとも0.15mm2であり、好ましくは少なくとも0.3mm2である。
【0058】
測定体積部は壁または壁の一部を含み、当該壁において拡散経路は測定体積部内で終了し、すなわち当該壁において測定対象の分子が測定体積部に入ることができる。壁は非多孔性であってもよく、たとえば、測定対象のガス分子がそれを通過して拡散可能な内側膜からなってもよい。壁は多孔性であってもよく、すなわち多数の不規則的にまたは規則的にまたは意図的に配置された開口部または細孔または孔を含んでもよい。たとえば、開口部は、ドリル加工もしくは切除された孔、エッチングされた細孔、または多孔性材料を通過するランダムな経路からなってもよい。好ましくは、測定体積部に向けて方向付けられる壁の大部分または全面が測定放射に対して本質的に反射性であるか、または反射および/もしくは保護コーティングを含む。
【0059】
発明の別の局面によると、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサが提供される。センサ
は、受け位置で外側膜を受けるように適合される受け面と、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部と、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器とを有する。放射は、測定体積部を通って伝達される。センサは、測定体積部と受け位置との間に、測定体積部を保護するための内側膜を含む。
【0060】
好ましくは、センサはさらに、上述のようなセンサの特徴を含む。
受け位置は、センサの一部または膜の搬送対象の一部である膜の位置を決定する。一実施形態では、外側膜は、単に使用時に接触面を完全に被覆している。
【0061】
内側膜はしたがって、特に外側膜がセンサ自体の一部でない場合、センサの内部に、またはさらには接触面を被覆して配置されてもよい。
【0062】
内側膜がセンサの外部と接触する必要がない場合、内側膜の機械的ロバスト性および耐化学性に対する要求が最小になる。これは、膜が外部からの直接衝撃から保護されるためである。特に内側膜が測定体積部の境界を形成する場合、内側膜は好ましくは測定放射に対して反射性であるか、または反射コーティングを含む。
【0063】
内側膜を用いることによって、使い捨て装置に組込まれた第2の外側膜を、測定箇所にセンサを当てるために用いられる、たとえば国際公開第WO2013/064313号に記載されているような患者アプリケータなどのアプリケータとして用いることができる。外側膜がセンサの一部でない場合であっても、測定体積部は粒子または流体によって汚染されない。さらに、内側膜を用いることによって、いずれの場合もガスセルの保護が向上する。
【0064】
内側膜は、非多孔膜、好ましくはポリマーからなる膜、より好ましくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)などのフルオロポリマーからなる膜であってもよい。
【0065】
他の可能な材料は、PFA(ペルフルオロアルコキシ)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリメチルペンテン、パリレン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、アクリル共重合体、セロファン、ゴム、またはシラスティックなどのシリコーンエラストマー等である。ポリエチレンとして、可能な材料は、UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)等を含んでもよい。
【0066】
そのような膜はガス透過性であるが流体不透過性であるため、測定体積部を保護する。
内側膜は代替的に、多孔性の流体不透過膜、特に、ePTFE、ナノ多孔性酸化アルミニウム、多孔性シリコン、または焼結もしくはエッチングされた膜もしくは薄シートなどの多孔性ポリマーまたはセラミックまたは半導体または金属を含む膜であってもよい。
【0067】
多孔膜を用いることによってガス透過率が向上するが、それにも拘わらず膜は流体不透過性のままである。
【0068】
多孔内側膜は好ましくは、ePTFE(膨張PTFE)、PTFE、PES、PS、PVDF、PB、(ナノ−)ファイバ、ナイロン、アクリル共重合体を含む高分子膜、またはガラス繊維もしくは焼結もしくはプレス加工された金属もしくはセラミック粉末を含む膜、またはナノ多孔性酸化アルミニウム、多孔性チタニア、多孔性シリコン、ゼオライト、多孔性ガラス、二酸化シリコン、シリカゲル、粘土などの多孔性セラミックもしくは半導体を含む膜、または化学的もしくはトラックエッチング、切除、侵食、ドリル加工、もしくは他の処理によって意図的に導入された細孔を有するポリマー、セラミック、もしくは金属、特にアルミナ、シリカ、シリコン、チタン、チタニア、窒化シリコン、PTFE、アルミニウム、ステンレス鋼、ポリカーボネート、もしくはポリエステルを含む膜からなる。
【0069】
内側膜は、特に第1の検出器によって検出されるべき放射に対して反射性である反射膜であってもよい。
【0070】
内側膜の反射面または内側膜の表面上の反射コーティングは、測定体積部内の放射が内側膜によって吸収されること、または細孔を通って失われることを阻止し得るため、重要な利点である。細孔径は反射率に影響する。
【0071】
内側膜は、疎水性の、かつ任意に疎油性の細孔、特に、5μm未満の開口部を有する、好ましくは1μm未満の開口部を有する、反射トップコーティングおよび疎水性細孔コーティングを有する細孔を含んでもよい。
【0072】
細孔は、材料に固有であってもよい。代替的に、細孔または細孔状の構造は、好適な前駆物質の伸縮、化学または電気機械またはトラックエッチング、切除、ドリル加工、侵食等によってランダムにまたは意図的に生じてもよい。さらに、内側膜は、細孔の、粗孔の、または多孔性の、および細孔のない、などの異なる多孔性の組合せを含んでもよい。内側膜はさらに、好適な材料の粉末または粒子をプレス加工または焼結することによって生じていてもよい。
【0073】
好ましくは、細孔または細孔状の構造は、疎水性の、かつ任意にさらに疎油性の表面特性を有するか、または、細孔面がこれらの特性を達成するように、たとえばコーティングによって改質されてもよい。
【0074】
これによって、液体が測定体積部に入ることが阻止される。
内側膜は、ガス収集メカニズムを含んでもよい。
【0075】
これによって、センサのガス収集効率が向上し、したがってセンサの応答時間が減少する。
【0076】
ガス収集メカニズムは、測定箇所からガスを収集する特定のチャネルまたは細孔を含んでもよい。さらに、表面粗さが100μm〜1μmの範囲内に制御される、意図的に構造化されるかスクラッチされた単数または複数の表面が、ガス収集メカニズムとして用いられてもよい。
【0077】
内側膜がガス収集メカニズムを含む場合、別個のガス収集メカニズムを組込む必要がなく、センサアセンブリの複雑度が低下する。
【0078】
少なくとも使用時、接触面は外側膜を含んでもよい。
外側膜は、センサ、および特に測定体積部を、埃、塗布もしくはシールゲル、汗、洗浄液、または他の液体もしくは粒子などの汚染物質から保護する。たとえば洗浄または消毒中に外側膜が損傷した場合、外側膜は新たな外側膜と交換されてもよい。センサが内側膜も含む場合、たとえば膜交換中に外側膜がセンサに取付けられていなくても、測定体積部は保護され続ける。
【0079】
外側膜は流体不透過性およびガス透過性であってもよく、特に、PTFEもしくはポリエチレンもしくはポリプロピレンなどのフルオロポリマー、または、ePTFE、ナノ多孔性酸化アルミニウム、多孔性シリコン、または焼結もしくはエッチングされた膜もしくは薄シートなどの多孔性ポリマーまたはセラミックまたは半導体または金属を含む。
【0080】
そのような外側面は機械的かつ化学的にロバストであり、それにも拘わらず薄い。
外側膜は本質的に、上述の多孔または非多孔内側膜に用いられ得るのと同じ材料からなってもよい。
【0081】
発明の別の局面によると、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサが提供される。センサ
はさらに、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部と、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器とを含み、放射は測定体積部を通って伝達される。放射源および少なくとも第1の検出器は、コンパートメント内に配置される。コンパートメントは、少なくとも1つのシール素子によって測定体積部から分離されている。
【0082】
有利には、このセンサは上述のようなセンサの特徴と組合される。
コンパートメントは、放射不透過性および/または熱分離素子によって分離される少なくとも1つの放射源および少なくとも1つの検出器のための別個の区域を含んでもよい。したがって、コンパートメントという用語は、センサの電子部のための1つの開放された部屋を必ずしも意味するとは限らない。
【0083】
放射源と測定材料との間のチャネル内、または測定体積部と検出器との間のチャネル内のシール素子は、ガス分子が測定体積部からチャネル内にもしくはその逆に、またはコン
パートメントからチャネル内にもしくはその逆に拡散することを阻止する。
【0084】
代替的に、放射源は同時にシール素子として用いられてもよい。たとえば、放射源は、チャネル内にシール素子として配置されるバルブを有するフィラメントランプであってもよい。そのような実施形態によって、測定体積部内の高放射強度が得られる。さらに、別個のシール素子はもはや不要であるため、センサの部品数が減少する。
【0085】
シール素子は、測定体積部とチャネルとの間の、またはコンパートメントとチャネルとの間のチャネルをシールする。これによって、測定放射を吸収可能なガスが測定体積部とチャネルとの間で、またはコンパートメントとチャネルとの間で交換され得ないことが保証される。測定は、測定体積部内またはコンパートメント内のそのようなガスの変化する濃度によってバイアスされるからである。したがって、シール素子は測定精度を向上させる。
【0086】
センサは放射源と検出器との間に少なくとも1つのチャネルを含んでもよく、少なくとも1つのシール素子はチャネルの端の近くに配置されてもよく、少なくとも部分的にテーパ状であり、テーパ部の断面はチャネルの中心に向かって小さくなる。
【0087】
好ましくは、シール素子のテーパ部は円形断面を有する。
そのような部分的にテーパ状のシール素子はチャネルに圧入されて密封をもたらし得る。特に、これによってシール素子とチャネル壁との間に大きいシール面が得られる。
【0088】
部分的にテーパ状のシール素子の非テーパ部は、基本的に任意の形状を有してもよい。好ましくは、非テーパ部は、楕円形、円形または六角形状を有する。
【0089】
シール素子はさらに、少なくとも部分的に球形または楕円形であってもよい。好ましくは、シール素子は球体であってもよい。
【0090】
そのような少なくとも部分的に球形のシール素子はチャネルに圧入されて密封をもたらし得る。さらに、特に球形のシール素子は市場で標準的な高精度部品として入手可能であるため、カスタム製造する必要がなく、製造コストの低下につながる。
【0091】
さらに、少なくとも部分的に球形の形状を用いることによって、内部放射全体の量が減少し得るため、光学スループットに有利であり得る。これによって測定精度が向上する。
【0092】
シール素子はまた、円筒形であってもよい。好ましくは、シール素子は楕円形または円形シリンダであってもよい。
【0093】
本願の意味における円筒形とは、円筒形の数学的定義と理解すべきであるため、円、楕円、矩形または六角形などの異なる底面積を含む。
【0094】
円筒形シール素子によってチャネル内部のガスが除去され得るため、測定精度が向上し得る。円筒形シール素子は、シール素子と1つの素子内の充填物との組合せであってもよい。
【0095】
放射源と測定体積部との間のチャネルは2つのシール素子によって、好ましくは2つのシール球体によってシールされてもよく、一方のシール素子は放射源に面しており、第2のシール素子は測定体積部に面している。
【0096】
2つ以上のシール素子を用いることによって、センサの単純な設計が、それにも拘わら
ず正確な測定結果がもたらされる。シール素子はチャネル内に容易に導入され、密封チャネルがもたらされる。2つ以上のシール素子を用いると、Y字状チャネルなどの非円筒形または分岐チャネルもシールされ得る。
【0097】
第1の検出器と測定体積部との間のチャネルは、2つのシール素子によって、好ましくは2つのシール球体によってシールされてもよく、一方のシール素子は第1の検出器に面しており、第2のシール素子は測定体積部に面している。
【0098】
2つ以上のシール素子を用いることによって、センサの単純な設計が、それにも拘わらず正確な測定結果がもたらされる。シール素子はチャネル内に容易に導入され、密封チャネルがもたらされる。2つ以上のシール素子を用いると、Y字状チャネルなどの非円筒形または分岐チャネルもシールされ得る。
【0099】
好ましくは、すべてのチャネルがシール素子によってシールされる。
好ましくは、2つ以上のシール素子によってシールされるチャネルが、そのチャネルのすべての端の近くでシール素子によってシールされる。
【0100】
これによって、大量のチャネルがガスフリーになる。
測定放射は、放射源から測定体積部を介して検出器に達するために、チャネルを通って伝搬する必要がある。したがって、シール素子は、第1の検出器によって検出されるべき放射に対して実質的に透過的な材料からなってもよい。好ましくは、シール素子は、サファイア、ルビー、シリコン、酸窒化アルミニウム、またはフッ化物ガラスもしくは石英などの赤外線透過ガラスからなる。
【0101】
これによって、検出器に衝突する放射強度が高まるため、より正確な測定結果が得られる。
【0102】
シール素子はさらに、イットリア、YAG、スピネルまたはポリマーからなってもよい。フッ化物ガラスとして、たとえばZBLANが用いられてもよい。シール素子は、そのような材料もしくはそれらの前駆体を機械加工、鋳造、成形、もしくは焼結することによって、またはこれらの方法の組合せによって製造されてもよい。鋳造、成形、または焼結は、Y字状チャネルなどの特に非円筒形の分岐チャネル内にシール素子を作製するための好ましい方法である。
【0103】
放射はシール素子を通って伝搬するため、シール素子は、放射がシール素子に入る時に通る入口面と、放射がシール素子から出る時に通る出口面とを含む。入口、特に出口面は研磨されてもよいし、研磨されなくてもよいし、または意図的にスクラッチされてもよい。
【0104】
さらに、シール素子は反射層で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。特にチャネルの一方端に近いところから当該チャネルの他方端に近いところまで延在する1つのシール素子のみを用いる場合は、シール素子の入口および出口面以外を反射層でコーティングすると有利である。代替的にまたは付加的に、反射層がチャネルの内側層上に堆積されてもよい。
【0105】
シール素子上の反射コーティングは、シール素子の内部の放射が当該素子を出ること、かつ、シール素子よりも透過性が低く、あまり良好な反射率を有しないチャネル内またはチャネル上またはチャネルの材料によって吸収されることを防止する。これによって、第1の検出器に衝突する放射強度が高まり、したがってよりよい測定結果が得られる。
【0106】
センサは、シール素子とチャネルとの間のシール、好ましくはエポキシなどのポリマーから形成されるシールを含んでもよい。
【0107】
シール素子のシール特性がチャネルとその近傍との間のガス交換を防止するのに十分であることが保証されていない場合、シール素子とチャネルとの間に付加的なシールが用いられてもよい。好ましくは、当該シールは、塗布中または塗布後に流れることができ、その後で固体になるか固体にすることができる材料からなる。これによって、シールがシール素子とチャネルとの間のすべての空隙を充填した後にそこに残って自身のシール機能を果たすことが保証される。好ましくは、シールは、エポキシなどの液体樹脂を硬化することによって調製されたポリマーを含むか、または鋳造もしくははんだ付によって調製された金属を含むか、またはLTCCもしくはガラスフリットなどの焼結またはプレス加工されたセラミックもしくはガラスを含む。シールはさらに、シール素子とチャネルとの間にプレス加工された弾性材料からなってもよい。たとえば、シールは、シール素子の周りのOリングまたはシリコーンエラストマーによって形成されてもよい。
【0108】
測定放射がシールを通って伝搬し得る場合、シールは測定放射に対して非常に透過的であるか、または測定放射を吸収しないように薄いことが有利である。
【0109】
発明の別の局面によると、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサが提供される。センサ
は、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部と、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器とを含む。放射は、測定体積部を通って伝達される。センサは、測定体積部から水分子が少なくとも部分的に除去されるように配置されるウォータートラップを含む。
【0110】
有利には、センサは上述のようなセンサの特徴と組合される。
発明に係るウォータートラップは、ウォータートラップの近傍から水を捕えることができるすべてのものであり、特にガス混合物から水分子を捕えることができるすべてのものである。
【0111】
測定体積部の内部の液体水は、光学信号の大部分を吸収する場合があり、これは望ましくない。ウォータートラップを用いることによってガス混合物、特に測定体積部および拡散経路内のガス混合物を、水の凝縮が起こらないように十分乾燥させ続けることができる。これによって、測定信号の品質が十分高く維持される。
【0112】
ウォータートラップは乾燥剤、特に分子篩、シリカゲル、またはゼオライトであってもよい。
【0113】
他の可能な材料は、活性炭、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、粘土、またはソーダ石灰である。好ましくは、ウォータートラップは水分子を閉じ込めるが、測定対象のガスの分子は閉じ込めない。最も好ましくは、ウォータートラップは3A分子篩である。
【0114】
乾燥剤は標準的な構成要素であり、センサに容易にかつ費用効率が高い態様で組込まれ得る。
【0115】
ウォータートラップは、測定体積部にアクセス可能なガス混合物と接触するようにセンサに組込まれる。1つまたはいくつかのウォータートラップが1つのセンサ内に用いられてもよい。ウォータートラップは、特に大量の測定放射を吸収しない場合、測定体積部壁に組込まれてもよい。ウォータートラップの反射率が不十分である場合、ウォータートラップは反射コーティングでコーティングされてもよい。
【0116】
ウォータートラップはさらに、接触面と測定体積部との間で移動する水分子がウォータートラップによって閉じ込められ得るように、拡散経路の近くまたは周りに配置されてもよい。
【0117】
ウォータートラップはさらに、測定体積部内のガス混合物からの分子が交換チャネルを介してウォータートラップに達し得るように、センサの他の部分に組込まれてもよい。
【0118】
さらに、センサは、ウォータートラップから周囲までの交換チャネルを含んでもよいし、またはウォータートラップは周囲と直接接触していてもよい。センサは典型的に加熱されるため、周囲の相対湿度は通常は測定体積部内の相対湿度よりも低く、したがってウォータートラップは周囲にいくらかの水を出し得る。それによって、ウォータートラップは飽和することが防止される。これによって、ウォータートラップの閉じ込め能力に対する要求が減少する。したがって、ウォータートラップをより小型化し、センサの寿命を長くすることができる。
【0119】
ウォータートラップはさらに、内部に水透過性対象物が好ましくは測定体積部の近くに配置される交換チャネルによって、測定体積部から分離されてもよい。水透過性対象物はH2O分子に対して少なくともやや透過性であり、測定対象のガス種、たとえばCO2に対する水透過性対象物の透過率は減少するか、または水透過性対象物は測定対象のガス種に対してさらに不透過性である。好ましくは、水透過性対象物はナフィオンなどのイオノマーを含む。
【0120】
そのような水透過性対象物を交換チャネル内に配置する利点は、ガスが相対的な透過度で水透過性対象物の後ろの交換チャネルにアクセスできないため、対象物が測定対象のガスをより小さい体積に閉じ込めることである。これによって、センサの応答時間を短く維持することができる。
【0121】
さらに、測定体積部内のガス混合物からの水分子が周囲に達することができるように、水透過性対象物が配置されるがウォータートラップは存在しない、周囲に通じる交換チャネルを作製することも可能である。好ましくは、反射素子は交換チャネルの前に、または交換チャネルの入口に配置される。この場合、周囲がウォータートラップとして働く。
【0122】
センサは、ウォータートラップから周囲までの交換チャネルを含んでもよい。
周囲の相対湿度は、測定体積部内の相対湿度よりも常に低いことになる。したがって、ウォータートラップは周囲にいくらかの水を出し得るため、ウォータートラップは決して飽和しない。これによって、センサ内のウォータートラップの寿命が長くなる。
【0123】
ウォータートラップはさらに、患者アプリケータ内などの、センサの使い捨て部分に配置されてもよい。ウォータートラップが使い捨て部分に配置される場合、ウォータートラップは飽和する前に容易に交換可能である。好ましくは、ウォータートラップは、ウォータートラップが新たなセンサの適用ごとに自動的に交換される患者アプリケータなどの使い捨てアプリケータ内に配置される。これによって、ウォータートラップが機能し続けること、およびセンサ性能の信頼性が保証される。
【0124】
センサはさらに、ガスおよび少なくとも水分子に対して透過性の、かつ交換チャネル内に配置されるか交換チャネルを被覆している反射素子を含んでもよい。好ましくは、反射素子は、好ましくは反射コーティングでコーティングされた、ePTFE、ナノ多孔性酸化アルミニウム、多孔性シリコン、または焼結もしくはエッチングされた膜もしくは薄シートなどの多孔性ポリマーまたはセラミックまたは半導体または金属を含む膜である。
【0125】
たとえば、反射素子は、測定体積部の近くに、または測定体積部壁の一部として配置されてもよい。反射素子は好ましくは測定放射を反射する。
【0126】
そのような反射素子は、測定放射が吸収されること、かつ交換チャネルを通って失われることを防止し得る。好ましくは、反射素子は、ウォータートラップおよび水透過性対象物またはウォータートラップのみが内部に配置される交換チャネルの入口に、または交換チャネルの前に配置される。
【0127】
反射素子はさらに、内側膜の機能を果たしてもよい。好ましくは、ウォータートラップは次に、少なくとも使用時に反射素子と接触面との間にあるように配置される。好ましくは、そのようなウォータートラップは、使い捨てアプリケータまたは患者アプリケータの一部である。
【0128】
発明の別の局面によると、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサ
が提供される。センサは、測定対象のガスの測定側に向けて方向付け可能な接触面を含む。センサはさらに、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部と、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器とを含み、放射は測定体積部を通って伝達される。センサはさらに、第1の検出器によって検出された放射をフィルタリングする波長フィルタを含む。さらに、開口数変換器(NA変換器)が波長フィルタと放射源との間の経路内に配置される。特に、NA変換器は波長フィルタと測定体積部との間に、好ましくは波長フィルタに隣接して配置されてもよい。
【0129】
発明に係るNA変換器は、屈折させなければ一定の閾値角度を超える入射角で波長フィルタに衝突する、測定放射の大量の光線を、より低い入射角で波長フィルタに衝突するように屈折させる。したがって、そのようなNA変換器は、コリメータが形成するような平行またはほぼ平行の光線ビームを形成しない。NA変換器は、光線の角速度をある範囲に、典型的に20°〜30°半角内に閉じ込めるのみである。NA変換器は、一定の閾値角度を超える高角度光線を、たとえば適切に角度をつけられた鏡面における屈折によってより低角度光線に変換することによって、そのような閉じ込めを達成する。NA変換器は実際はさらにさまざまな閾値角度を有し、効率が制限され得るが、依然として、高角度光線の大部分を低角度光線に変換することを特徴とする。
【0130】
好ましくは、このセンサは上述のようなガスセンサの特徴と組合される。
波長フィルタは、一定波長の放射に対して透過的であり、さらなる放射に対して不透過的である。通常、波長フィルタは、放射が垂直入射で衝突する一定の波長帯域、すなわち公称通過帯域の放射に対して透過的であるように設計される。通過帯域位置および形状は、放射の入射角に依存する。したがって、公称通過帯域外の波長の放射は、入射角が十分高い場合にフィルタを通過し得る。そのような放射は通常、望ましくない放射である。さらに、入射角が十分高い場合、通過帯域内の有用な波長の放射がフィルタによって拒絶され得る。そのような放射は、失われた放射である。
【0131】
NA変換器を用いることによって、高入射角で波長フィルタに衝突する放射の量が減少し、波長フィルタのよりよいフィルタリング能力が得られる。したがって、公称通過帯域外のより望ましい波長放射、および公称通過帯域内のより有用な波長放射が波長フィルタを通過し得る。これによって、測定対象のガスの濃度に対する検出信号の意義が高まり、最終的により正確な測定結果が得られる。
【0132】
好ましくは、NA変換器は、放物面反射器、複合放物面集光器、複合放物面集光器、複合楕円集光器、光円錐、または少なくとも部分的にテーパ状であるその他の幾何学的対象
物の形状を有する反射性または不透過性材料の開口部として形成される。NA変換器は、たとえばフライス加工、ドリル加工、または射出成形によって製造され得る。さらに、NA変換器は反射面を有する必要がある。したがって、NA変換器は、本質的に高反射率を有する材料で形成されてもよいし、またはその表面が反射性材料でコーティングされてもよい。
【0133】
NA変換器の高さは実質的に0.3から2.5mmであってもよく、好ましくは0.5から1.5mmであってもよい。NA変換器の最小開口部は任意の形状であってもよく、面積は実質的に0.07から2.3mm2であってもよく、好ましくは円形または矩形で
あってもよく、面積は実質的に0.15から0.80mm2であってもよい。NA変換器
の最大開口部は任意の形状であってもよく、面積は実質的に0.15から9mm2であっ
てもよく、好ましくは円形または矩形であってもよく、面積は0.25から2.3mm2
であってもよい。
【0134】
代替的に、NAフィルタが用いられてもよい。
NAフィルタは、NAフィルタが変換によってではなく高角度光線の吸収によって光線の角速度を閉じ込める以外は、NA変換器に対応する。
【0135】
さらに、NA変換器は透過性充填物を含んでもよい。透過性充填物は、測定放射に対して透過的であり、部分的にまたは完全にNA変換器に収まるように形成されてもよい。透過性充填物は、NA変換器からガスを部分的にまたは完全に取除き、したがって、測定結果をバイアスする、NA変換器内にさまざまな濃度で存在するガスによる測定放射の吸収リスクを減少させる。透過性充填物は、サファイア、ルビー、イットリア、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、スピネル、酸窒化アルミニウム、もしくはシリコン、またはたとえばZBLANなどのフッ化物ガラスなどの赤外線透過性ガラス、またはポリマーなどの透過性材料を機械加工することによって、またはそのような材料もしくはそれらの前駆体を鋳造、成形、もしくは焼結することによって形成されてもよい。
【0136】
さらに、NA変換器は、NA変換器の空隙を完全に充填する透過性充填物の形状を有する透過部分を形成することによって製造されてもよい。透過部分は、放射入口および出口面以外に反射コーティングを必要とする。そのようなNA変換器は、透過性充填物によって完全に充填されるNA変換器に対応し、センサにより容易に組込まれる。
【0137】
発明の別の局面によると、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサ
が提供される。センサは、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む。接触面は、そこからガスを収集する収集領域を有するガス収集器を含む。センサはさらに、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部とを含み、測定体積部は、接触面に向けて方向付けられ、かつガスに対して透過性であるアクセス領域を含む。センサはさらに、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器を含み、放射は測定体積部を通って伝達される。ガス収集器の収集領域は、測定体積部のアクセス領域よりも大きい。
【0138】
アクセス領域は、ガス収集器が存在しない場合に使用時にガスがそこから測定体積部内に(または測定体積部外に)拡散し得る測定箇所上の領域と定義される。収集領域は、ガス収集器が存在する場合に使用時にガスがそこから測定体積部内に拡散し得る測定箇所上の領域と定義される。
【0139】
好ましくは、このセンサは上述のようなセンサの特徴と組合される。
アクセス領域よりも大きい収集領域を有することによって、より大きい面積の測定箇所からのガス分子がセンサ内に拡散できるため、測定箇所からの、特に皮膚からのガスの収
集がより効率的になる。これによって、測定体積部内のガス濃度と、測定箇所における対応する分子濃度との、特に皮膚内の濃度との平衡が高速化される。これによって次に、センサ応答時間が減少する。付加的にまたは代替的に、ガス収集器を含むことによって応答時間を損なうことなく測定体積部のサイズを増加させることができ、これによって測定体積部を通るより高い放射スループット、および最終的にセンサ精度の向上がもたらされる。
【0140】
ガス収集器の全体のガスアクセス可能体積は、拡散ガスがアクセスしなければならない体積を体積全体に追加するため、小さい必要がある。好ましくは、拡散経路の累積体積は測定体積部の体積の50倍未満であり、より好ましくは測定体積部の体積の5倍未満であり、さらにより好ましくは測定体積部の体積の1倍未満である。
【0141】
ガス収集器は基本的に任意の形状を有してもよい。好ましくは、ガス収集器は、収集領域が実質的に350mm2未満であり、好ましくは180mm2よりも小さく5mm2より
も大きいような範囲に広がる。
【0142】
ガス収集器はガス用拡散経路を含んでもよく、拡散経路は接触細孔および収集チャネルを含み、拡散経路は接触面から測定体積部に、または測定体積部に通じるさらなる拡散経路に通じている。
【0143】
拡散経路、特に収集チャネルは、接触面に向かって開放されていてもよいし、または埋込まれていてもよいし、または開放と埋込の組合せであってもよい。
【0144】
拡散経路は、意図的に構造化されるかスクラッチされた表面同士の間に、または特に100μmから1μmの範囲内の予め規定された表面粗さを有する2つの表面同士の間に形成されてもよい。
【0145】
これらの表面の少なくとも一方が内側膜または外側膜であってもよい。
そのような設計によって、測定体積部とセンサの接触面との間の効率的な断面拡散が可能になる。
【0146】
これによって、センサの応答時間が短くなる。
発明の別の局面によると、測定対象のガスの測定箇所に向けて方向付け可能な接触面を含む、ガスを検出するための、特にCO2を検出するためのセンサが提供される。センサ
は、少なくとも1つの放射源と、測定対象のガスを受けるための測定体積部とを含む。測定体積部は、測定箇所に向けて方向付けられる透過壁と、伝達される放射を検出するための少なくとも第1の検出器とを含む。放射は測定体積部を通って伝達される。透過壁は放射を反射する多孔面を含み、多孔面の細孔開口部は好ましくは5μm未満の寸法を有する。より好ましくは、細孔開口部は1μm未満の寸法を有する。
【0147】
好ましくは、センサは上述のようなセンサの特徴と組合される。
放射を反射する多孔面を用いることによって、放射が測定体積部の内部に維持されるが、それにも拘わらずガス分子は測定体積部に入ることができる。
【0148】
測定対象のガスにアクセス可能な体積全体は小さく維持される必要があるため、そのような透過壁は薄く小型であり、センサの許容可能な応答時間を得ることができる。
【0149】
透過壁は、上述のような内側膜として作用してもよい。
透過壁は本質的に、多孔内側膜に用いられ得るのと同じ材料、特に、反射層でコーティングされたナノ多孔性酸化アルミニウム、または多孔性シリコン、または焼結もしくはエ
ッチングされた膜もしくは薄シートを含んでもよい。好ましくは、反射層はAl、Au、TiN、Cu、Ag、Mo、またはWからなる。反射層は、反射層が細孔を閉塞せず、したがってガスが測定体積部に入るのを可能にするように塗布される必要がある。
【0150】
上述のセンサのいずれか1つは、比較的広い領域内の、典型的に赤外領域内の放射を反射し、かつ数マイクロメートルの発光帯域幅を有する放射源を含んでもよい。典型的におよび好ましくは、放熱器が放射源として用いられてもよい。
【0151】
放熱器は、測定放射が十分な強度で発せられる温度で、典型的に400℃よりも高い温度で動作する。しばしば、放熱器は、黒体発光スペクトルに近づく発光スペクトルを有する。特に、放熱器は、測定対象のガスの吸収帯よりもはるかに広い波長帯域内の放射を発する。
【0152】
効率的な放熱器を用いることによって、合理的な駆動力に対して正確な測定結果が得られる。
【0153】
代替的に、放射源は赤外線LEDを含んでもよい。
赤外線LEDを用いることによって、赤外線LEDは放熱器よりもセンサに対する熱エネルギの損失が少ないため、かつ高周波数でパルス化され得るため、有利であり得る。これによって、検出器信号の好ましい信号対雑音比、およびそれによって正確な測定結果を得ることができる。さらに、LEDの発光帯が十分に狭い場合、波長フィルタは少なくとも第1の検出器について省略されてもよい。しかし、測定対象のガスの吸収帯よりも広い波長帯域内の放射を発するLEDを用いてもよい。
【0154】
さらに、放射源は、十分な測定放射を発する、VCSELなどの赤外レーザを含んでもよい。
【0155】
赤外レーザを用いることによって、赤外レーザは典型的に非常に高強度で非常に狭帯域の放射を発し、高周波数でパルス化され得るため、有利である。これによって、検出器信号の好ましい信号対雑音比、およびそれによって正確な測定結果を得ることができる。さらに、波長フィルタは少なくとも第1の検出器について省略されてもよい。
【0156】
センサケーシングは気密であってもよい。センサケーシングは少なくとも、測定体積部、拡散経路、チャネル、放射源、および検出器を含む。もちろん、拡散経路を通って測定体積部にアクセスするか測定体積部から出るガス、および意図的に導入された交換チャネルを通って測定体積部または拡散経路にアクセスするかこれらから出るガスは、気密センサケーシング内に許容される。
【0157】
気密センサケーシングによって、放射経路内の測定放射を吸収可能であり、したがって測定結果をバイアス可能なガスが測定体積部の内部以外では周囲と交換され得ないため、正確な測定結果が得られる。
【0158】
少なくとも1から12μmの範囲内、好ましくは1から5μmの範囲内、より好ましくは3から5μmまたは2から4μmの範囲内の放射が、第1の検出器によって検出可能であってもよい。
【0159】
1から12μm、特に1から5μmの波長帯域は、測定対象のガス、特にCO2の吸収
線を含む。
【0160】
測定体積部は、10mm3未満、好ましくは2mm3未満、最も好ましくは1mm3以下
の体積を有してもよい。
【0161】
そのような測定体積部に入っているガス種の濃度は、許容可能な応答時間内に患者の皮膚上の測定箇所における対応する濃度と平衡され得、さらに、そのような測定体積部によって、光放射が測定体積部を通って伝搬することができる。
【0162】
センサは、個別の第2の検出器、または上述のような第1および第2の検出面と、測定体積部と第2の検出器との間の第2の経路とを有する1つの検出器を含んでもよい。
【0163】
第2の検出器または第2の検出面を用いることによって、測定体積部に入っている異なるガス種の同時測定が可能になる。
【0164】
これによってさらに、2つの検出器または検出面に衝突する放射の強度を比較することができ、第1の検出器上に落下する放射は測定対象のガスによって吸収され得、第2の検出器上に落下する放射は検出対象のガスによって吸収され得ない。これによって、たとえば放射源の老化のために時間ともに起こり得る、放射源から発せられた放射強度の変化を検出することができる。そのような検出した変化を用いて測定結果を修正することができ、これによってセンサの精度、特に長期精度が高まる。
【0165】
第2の経路は、第1の検出器と測定体積部との間の経路から少なくとも部分的に分離されてもよい。
【0166】
経路の分離によって、放射は第2の検出器に達することができる。好ましくは、経路の分離は、測定周囲が2つの検出器に衝突する放射についてかなりの程度まで同一であるように、検出器の近くで起こる。
【0167】
たとえば、経路の主な分離は、波長高感度素子の内部で起こるようにも設計されてもよい。代替的に、経路分離は、シール素子、好ましくは測定体積部と検出器コンパートメントとの間のシール素子内で、または測定体積部内で、または代替的に放射源コンパートメント内で達成されてもよい。
【0168】
代替的に、経路の分離はビーム分割NA変換器を用いることによって得られてもよい。ビーム分割NA変換器は、第1および第2の検出器の近くのチャネル充填物の端に配置されてもよい。ビーム分割NA変換器は、一方で、チャネル充填物から発せられる放射ビームを2つの別個のビームに分割する反射器であり、他方で、(NA変換器のように)一定の閾値角度を超える角度で衝突する光線をより低い角度に同時に変換する。そのような設計によって、1つのみのチャネル、好ましくは充填物を有するチャネルを有する2つの検出器を用いることができ、これによって、放射ビームの後の分離のために凝縮および侵食に対する感度が低下したより小型で高速のセンサの設計が可能になる。ビーム分割NA変換器は、板内の、たとえば楕円断面を有する2つの円錐角度のついた孔からなってもよく、小さい方の孔開口部が重なり合ってシール素子に面しており、大きい方の孔開口部も依然として重なり合うか空間的に分離されており、検出器に面している。
【0169】
さらに、好ましくは先の説明に係るセンサを用いる、ガスを検出するための、特にCO2を検出するための方法が提供される。放射が少なくとも1つの放射源から発せられ、測
定体積部を通って伝達され、検出器によって検出される。測定対象のガスは、測定体積部内に経皮拡散した後、測定体積部内に受けられる。放射は、放射源と検出器との間を非結像的に伝搬する。
【0170】
非結像的な伝搬によって、許容可能な応答時間で皮膚から経皮拡散するガスを検出可能
な小型センサを作製することができる。製造公差を大幅に緩和することができ、センサの製造が容易になる。これは、経皮ガスの測定に必要であるような、非常に小型のセンサおよび測定体積部が非常に小さいセンサに特に当てはまる。さらに、製造コストが削減され、センサの信頼性が高まる。
【0171】
洗浄液もしくは汗などの液体、またはゲルなどの粘稠液体が測定体積部に入ることが防止され得る。
【0172】
液体または粘稠液体が存在すると、液体の放射吸収特性のため、間違った測定結果につながり得る。液体または粘稠液体が測定体積部に入ることを防止するための手段は、液体に対して不透過性の膜である。
【0173】
水蒸気が、検出対象のガスを含むガス混合物から、特に、測定体積部および拡散経路に入っているガス混合物から少なくとも部分的に除去されてもよい。
【0174】
水蒸気を除去することによって相対湿度が低下し、それによって測定体積部内の、または拡散経路内の水凝縮の可能性が低下する。
【0175】
放射は、NA変換器または波長フィルタを通って少なくとも部分的に伝達されてもよい。
【0176】
NA変換器および波長フィルタを用いることによって、NA変換器なしの波長フィルタを用いる場合と比べて、フィルタの公称通過帯域外の波長を有する放射量が減少し、その公称通過帯域内の波長を有する放射量が増加する。
これによって、より正確な測定結果が得られる。
【0177】
発明の別の局面によると、好ましくは上述のような、ガス、特にCO2を検出するため
の方法が提供される。特に、方法は、先の説明に係るセンサを用いて実行される。放射が少なくとも1つの放射源から発せられ、測定体積部を通って伝達され、検出器によって検出される。測定対象のガスは、測定体積部内に経皮拡散した後、測定体積部内に受けられる。ガスは、測定体積部のアクセス領域よりも大きい収集領域を有するガス収集器によって収集される。
【0178】
アクセス領域よりも大きい収集領域を有することによって、より大きい面積の測定箇所からのガス分子がセンサ内に拡散できるため、測定箇所からの、特に皮膚からのガスの収集がより効率的になる。これによって、測定体積部内のガス濃度と、測定箇所における対応する分子濃度との、特に皮膚内の濃度との平衡が高速化され、センサ応答時間が減少する。代替的に、ガス収集器を含むことによって応答時間を損なうことなく測定体積部のサイズを増加させることができ、これによって測定体積部を通るより高い放射スループット、および最終的にセンサ精度の向上がもたらされる。
【0179】
さらに、温度の測定、多重波長パルスオキシメトリ、経皮酸素(tcPO2)、自己較正のためのさらなる放射強度、またはさらなるガス濃度測定などの異なる測定方法を1つのセンサ内に組合せることも可能である。
【0180】
1つのセンサ内のそのような組合せは用途において有利であり得る。
上述のようなセンサはさらに温度制御装置を含んでもよい。温度制御装置は、ヒータおよび温度センサを含んでもよい。
【0181】
温度制御装置は好ましくは、センサの温度を37から50℃の範囲内に、好ましくは4
1から45℃の範囲内に維持する。
【0182】
さらに、センサはパワーユニットに接続可能である。センサはさらに、センサ動作を制御し、かつ検出器によって測定される信号を増幅、変換および処理し得る信号処理装置に接続可能であるか、または当該装置を含む。電力供給および信号処理ユニットは、1つの電子装置に、または別個の電子装置に組込まれてもよいし、またはユニットは別個の部分的なユニットに分割され、そのような全体的なまたは部分的なユニットが別個の電子装置に組込まれてもよい。
【0183】
そのような別個の電子装置がセンサヘッドから少し離れて配置される場合、皮膚に貼付けるのに特に適した小型センサヘッドが設計されてもよい。
【0184】
さらに、上述のようなセンサは、測定放射をフィルタリングするために用いられる能動波長フィルタを変更するために少なくとも2つの波長フィルタを含む変更メカニズムを含んでもよい。変更メカニズムは、ホイール、ボウ、またはアレイの形態で組込まれてもよい。
【0185】
波長フィルタを変更する可能性によって、1つのセンサ内の異なる吸収線の、したがって異なるガスの検出が可能になる。さらに、自己較正測定を行なうことが可能になり、より正確な測定結果が得られる。
【0186】
多孔内側および/または外側膜を有する発明に係るセンサは、ガス透過性材料、特にシリコーン(たとえばポリジメチルシロキサン等)またはフルオロポリマー(たとえばポリテトラフルオロエチレン、アモルファスフルオロポリマー等)などのポリマーからなる細孔充填物を含んでもよい。
【0187】
そのような細孔充填物は細孔の汚染および閉塞を阻止し、細孔内の水の凝縮を防止する。
【0188】
さらに、センサの膜の一方のみが細孔充填物を含むことも1つの選択肢である。特に、外側膜が細孔充填物を含んでもよい。外側膜はたとえば、たとえば鋼、チタン、アルミニウム等の金属から、または酸化アルミニウム、窒化シリコン等のセラミック化合物から、またはポリマー細孔充填物を含むガラスからなってもよい。
【0189】
そのような設計によって、測定体積部内へのガスの拡散と、汚染および水凝縮の予防との最適な組合せが得られる。
【0190】
さらに、たとえば国際公開第WO2013/064313号に記載されているような患者アプリケータの一部である第3の膜が適用時に存在していることも考えられる。この場合、適用時に合計3つの膜が存在しており、センサに取付けられる外側膜は中間膜となる。
【0191】
発明に係るセンサ(通信および電力供給なし)は好ましくは、直径30mmおよび高さ20mmの仮想シリンダに、または15cm3の仮想体積に収まる。より好ましくは、セ
ンサは、直径20mmおよび高さ16mmのシリンダに、または5cm3の仮想体積に収
まる。最も好ましくは、センサは、直径17mmおよび高さ13mmのシリンダに、または3cm3の仮想体積に収まる。
【0192】
そのような体積に収まるそのようなセンサの内部に、センサの完全な測定光学部品が配置されるが、電気ケーブルなどの通信および電力供給手段は除外される。光路に沿ってエ
ミッタから検出器に伝搬するすべての測定放射光線がこの体積に閉じ込められる。特に、測定放射をセンサ内にまたはセンサから案内する光ファイバはセンサに接続されない。
【0193】
さらに、センサは好ましくは、電気または電子手段によってPCBまたはディスプレイなどの他の装置と通信するのみである。この場合、外部からのセンサとの光通信は存在しない。
【0194】
好ましくは、測定体積部を介した放射源から検出器または検出面までの最短の完全な光路、すなわち測定放射が進む最短経路の全長は20mmを超えず、好ましくは10mmを超えない。そのような設計によって小型化センサの作製が可能になり、これはたとえばCO2センサなどの医療用センサの文脈において好ましい。
【0195】
測定体積部を介した放射源から検出器または検出面までの最短の完全な光路、すなわち測定放射が進む最短経路は、チャネル充填物などのガスアクセス不可能体積の中を、かつ測定体積部などのガスアクセス可能体積またはチャネル充填物と放射源との間の非充填空間の中を延びる。
【0196】
さらに、測定体積部以外のガスアクセス可能体積の中を延びるこの最短の完全な光路のそれらの部分の長さの合計は3mmを超えず、好ましくは1.5mmを超えず、より好ましくは0.8mmを超えない。そのような設計によって、測定結果が向上する。測定対象のガスが時間とともに測定体積部以外のそのようなガスアクセス可能体積内に拡散すると、それは測定結果をバイアスし、測定精度が劣化する。測定体積部以外のガスアクセス可能体積の中の典型的な光路長が短く、特に測定体積部の中の典型的な経路長よりも短く設計されると、そのバイアスの影響が減少し、測定結果はより正確であり続ける。さらに、そのような設計によって、周囲に存在する測定ガスのために大きいバイアスを導入することなく、測定体積部以外のそのようなガスアクセス可能体積から周囲に通じる換気開口部を導入することもできる。
【0197】
好ましくは、当初のウォームアップ段階を除外する典型的な測定条件時にセンサに供給される平均電力は5W未満であり、より好ましくは2W未満であり、最も好ましくは1W未満である。
【0198】
これらの電力値を超えるとセンサ温度が増加し得、これによって、センサが患者の皮膚に付けられる場合、皮膚の火傷の原因となり得る。
【0199】
好ましい実施形態および以下の図面を参照して、発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0200】
図1】放射が放射源から測定体積部を介して放射検出器に伝搬する態様、および測定体積部へのガスアクセスを可能にする可能な配置を示す、センサの概略断面図である。
図2】非結像測定体積部の可能な形状、および測定体積部へのガスアクセスを可能にする可能な配置を示す、センサの概略断面図である。
図3】放射が放射源から球形シール素子を介して測定体積部内に、そこからさらなる球形シール素子、NA変換器、および波長フィルタを通って放射検出器に伝搬する態様を示す、センサの概略断面図である。
図4】非結像測定体積部のさらなる形状、およびチャネルを充填するさらなる方法を示す概略断面図である。
図5】測定体積部の反射透過壁を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図6】ガス収集メカニズムを含む内側膜を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図7a】少なくとも部分的に球形のシール素子およびシールがチャネルをシールするために配置され得る態様を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図7b】少なくとも部分的に球形のシール素子およびシールがチャネルをシールするために配置され得る態様を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図8a】高角度でシール素子を出る光線が、波長フィルタに衝突する前に、NA変換器によって低入射角の光線に変換される態様を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図8b】高角度でシール素子を出る光線が、波長フィルタに衝突する前に、NA変換器によって低入射角の光線に変換される態様を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図9】周囲に通じる交換チャネルを示す、センサの概略断面図である。
図10】乾燥剤を含む交換チャネルを示す、センサの概略断面図である。
図11a】センサの使い捨て部分におけるウォータートラップの配置を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図11b】センサの使い捨て部分におけるウォータートラップの配置を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図11c】センサの使い捨て部分におけるウォータートラップの配置を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図12a】ガス収集器が存在しない場合のアクセスおよび収集領域を示す、センサの接触面の詳細の上からの概略図である。
図12b】ガス収集器が存在する場合のアクセスおよび収集領域を示す、センサの接触面の詳細の上からの概略図である。
図13】放射が第2の経路に沿って放射源から第2の検出器上に伝搬する態様を示す、センサの概略上面図である。
図14a】ビーム分割NA変換器を有するさらなるセンサ実施形態の概略断面図である。
図14b】ビーム分割NA変換器を有するさらなるセンサ実施形態の概略上面図である。
図15a】1つの波長高感度素子およびいくつかの検出面を含む検出器を有するさらなるセンサ実施形態の概略断面図である。
図15b】1つの波長高感度素子およびいくつかの検出面を含む検出器を有するさらなるセンサ実施形態の概略上面図である。
図15c】1つの波長高感度素子およびいくつかの検出面を含む検出器を有するさらなるセンサ実施形態の概略上面図である。
図16】シール素子、ならびに1つの波長高感度素子および少なくとも2つの検出面を含む検出器を有するさらなるセンサ実施形態の概略断面図である。
図17a】細孔充填物がない場合の測定体積部の多孔壁の実現例を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図17b】細孔充填物がある場合の測定体積部の多孔壁の実現例を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図17c】細孔充填物がない場合の測定体積部の多孔壁の実現例を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図17d】細孔充填物がある場合の測定体積部の多孔壁の実現例を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図17e】細孔充填物がない場合の測定体積部の多孔壁の実現例を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図17f】細孔充填物がある場合の測定体積部の多孔壁の実現例を示す、センサ詳細の概略断面図である。
図18a】波長高感度素子および少なくとも2つの検出面を含む検出器の実施形態の概略上面図である。
図18b】波長高感度素子および少なくとも2つの検出面を含む検出器の実施形態の概略上面図である。
図18c】波長高感度素子および少なくとも2つの検出面を含む検出器の実施形態の概略上面図である。
図18d】波長高感度素子および少なくとも2つの検出面を含む検出器の実施形態の概略上面図である。
図18e】波長高感度素子および少なくとも2つの検出面を含む検出器の実施形態の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0201】
図1は、ガスを検出するためのセンサ1の概略断面図を示す。センサ1は、測定箇所に向けて方向付け可能な接触面2を含む。この場合、測定箇所は患者の皮膚上の領域であり、検出対象のガスは、患者の皮膚を通じて、すなわち経皮的に拡散したCO2である。セ
ンサはさらに、コンパートメント13内に位置する放射源3を含み、放射源3は、少なくとも放射が検出対象のガスによって吸収され得る波長範囲内の放射を発する。発せられた好適な波長の放射は、さまざまな経路6に沿って放射源3から少なくとも1つのシール素子14を含むチャネル8を通って測定体積部4に、かつ、そこから、これもシール素子14を含むさらなるチャネル8を通って、波長フィルタ21を通って、コンパートメント13内に位置する第1の検出器5に伝搬する。発せられた放射の一定部分は、測定体積部4内のガスの濃度に応じて、測定体積部4内で検出対象のガスによって吸収される。ガスによる吸収の変化によって検出器5からの信号変化が生じ、これによってガス濃度を推測することができる。
【0202】
検出器5および波長フィルタ21は代替的に、(たとえば図18a〜図18eに示されるような)第1および第2の検出面を含む1つの検出器、および干渉波長フィルタなどの1つの共通の波長高感度素子に置換えられてもよい。第2の検出面を有する検出器および波長高感度素子を用いることによって、より容易に小型化でき、さらにより正確であり得る、より単純で安価なセンサを作製することができる。
【0203】
測定体積部4の表面は、放射入口および出口開口部以外は、主に高反射性である。測定体積部4は結像目的を有さず、測定体積部4に入るいずれの光子もランダムウォークを行う。入射する放射は、結像システムの場合のように特定の空間および放射強度プロファイルを有することは重要でない。測定体積部4の形状は、放射源3および第1の検出器5に向けて方向付けられる上面が平面を形成するように設計される。シール素子14の表面は、その平面の一部を形成する。そのような平面は、円筒形シール素子14を板に、かつ必要であればさらにシールに粗く組込み、その後、平面が得られるまで研削および研磨することによって作製される。円筒形シール素子14の他方の表面も平面であり、同様に作製される。もちろん、平面は、研削および研磨を行わずに、既に適切な形状のシール素子を組込むことによっても得ることができる。
【0204】
したがって、一方は平面および組込まれたシール素子14を有し、他方は一方のシール素子14の下から他方のシール素子14の下に延在するピットまたは凹みを有する、2つの板状素子40は、測定体積部4が2つの板状素子40によって形成され、平面および凹部によって閉じ込められた空間で構成されるように接合される。
【0205】
検出対象のガスは、測定箇所から、接触孔27および内側膜11を含む接触面2および拡散経路26を介して、測定体積部4内に拡散する。内側膜11の第1の面は同時に、測定体積部4の透過壁29の多孔面30を形成し、かつ、本質的に反射性材料からなるために良好に反射している。代替的に、内側膜11の第1の面は反射層32を受けている。内側膜11は、多孔面30において非多孔性であるか、または非常に小さい細孔開口部を有して多孔性である。多孔面30における細孔開口部のサイズは、約1μmを超えない。内側膜11の第2の面は、接触細孔27が接触面2と内側膜11の第2の面との接続部を形成する接触面2の後ろに配置されるため、測定箇所からのガス分子は、内側膜11へのか
つ内側膜11の中の拡散によって測定体積部4にアクセスし得、したがって拡散経路26は内側膜11の中を延びる。接触細孔26はたとえば、接触面2もしくはセンサケーシング33の、または接触面2を形成するように装着された板もしくは膜の小孔からなってもよい。ガス分子のための拡散経路26は次に、接触面2から接触細孔2および内側膜11を介して測定箇所4に通じていてもよい。
【0206】
代替的に、測定体積部4の透過壁29は、内側膜によってではなく、たとえば小孔などの接触細孔27を含む材料によって形成される。測定体積部に向けて方向付けられる当該材料の第1の面は反射性であるか、または反射層32でコーティングされている。接触細孔は接触面2まで、または接触面2の近くまで延在してもよい。接触細孔27を含む当該材料の第2の面は、多孔性または非多孔性であり、かつその外面が接触面2の少なくとも一部を形成し得る、内側膜11の内面に隣接していてもよい。ガス分子のための拡散経路26は次に、接触面2から内側膜11および接触細孔2を介して測定箇所4に通じていてもよい。
【0207】
図2は、コンパートメント13内に位置する測定放射を発する放射源3を含むセンサ1の概略断面を示す。測定放射は、非円筒形シール素子14を含むチャネル8を通って測定体積部4内に伝搬する。測定放射は次に、測定体積部4と、これも非円筒形シール素子14および任意にシールを含む少なくとも1つのさらなるチャネル8を通って伝搬し、NA変換器22および波長フィルタ21を通過し、最終的にコンパートメント13内に位置する第1の検出器5に衝突する。
【0208】
測定対象のガスは、接触面2から、接触細孔27および内側膜11を含むガス拡散経路26を介して、測定体積部4にアクセスし得る。外側膜10が、少なくとも使用時に接触面2上に存在している。センサケーシング33は、たとえば外側膜がセンサ1上にクリップ留めされ得るように外側膜10を受け位置で受けるように適合された受け面を有する。内側膜11は接触面2からセンサ内に延在してもよく、センサにおいて内側膜11の内面は測定体積部4の透過壁29を形成してもよい。代替的に、内側膜11の内面は、測定体積部の閉込めから離れて位置決めされてもよく、拡散経路26は、測定体積部4に通じる小孔または接触細孔27からなる第2の透過ゾーンの中を延びる。さらに、内側膜11は、その外面が接触面2から離れており、内側膜11の内面がそれから離れて位置するようにも位置決めされる。拡散経路26は次にさらに、接触面から、たとえば接触細孔27を含むいくつかのさらなる透過ゾーンを通って内側膜11に通じている。
【0209】
測定体積部4は、非結像光学素子7である。当該素子は、測定放射が測定体積部4に入るまたは測定体積部4から出るべきそれらの領域を除いて、主に反射面36を有する。測定体積部4は2つの板状素子40によって形成され、測定箇所に向けて方向付けられる素子は、ガスアクセスを可能にする孔または細孔は別として、平面である。第2の素子は、チャネル8およびシール素子14を含む。その第2の素子内の特定のピットまたは凹部が、第1の素子の平面およびシール素子14の端面とともに、測定体積部4の境界を形成する。これによって、放射が一方のシール素子14の端面から他方のシール素子14の端面に伝搬することができる。
【0210】
この実施形態の主な利点の1つは、第1の板状素子が基本的に平面鏡として作用し、それによって第1の板状素子は、放射入口および出口場所の正反対に位置する非常に良好に制御される箇所に凹部を得る必要がないことである。したがって、第1の板状素子の公差を緩和することができるが、第2の板状素子の公差はいずれにせよ厳しくする必要がある。
【0211】
図3は、コンパートメント13内に位置する測定放射を発する放射源3を含むセンサ1
の概略断面を示す。測定放射は、さまざまな放射経路6に沿って、2つの球形シール素子14aを含むチャネル8を通って測定体積部4内に伝搬する。測定放射は次に、測定体積部4と、これも2つの球形シール素子14aおよび任意に充填物9を含む少なくともさらなるチャネル8の中を、さらにNA変換器22および波長フィルタ21を通って伝搬し、最終的にコンパートメント13内に位置する第1の検出器5に衝突する。チャネル8は反射面36を含む。ガスは、接触面2から測定体積部4に延在する多孔または非多孔内側膜11を通って測定体積部4にアクセス可能であり、この場合、それは良好な固有の反射率を有するか、または反射層32でコーティングされた、測定体積部の透過壁29を形成する。
【0212】
測定体積部4は2つの板状素子40から形成され、測定箇所に向けて方向付けられる方の素子は本質的に平面である。他方の板状素子はシール素子14aおよび接続ピットを含み、この中を測定放射が伝搬する。測定体積部4は非結像的であり、したがって非結像光学素子7を表わす。
【0213】
図4は、コンパートメント13内に位置する測定放射を発する放射源3を含むセンサ1の概略断面を示す。測定放射は、シール素子14およびシール15を含むチャネル8を通って測定体積部4内に伝搬する。測定放射は次に、非結像光学素子7を表わす測定体積部4を通って、かつシール素子14およびシール15を含むさらなるチャネル8を通って、波長フィルタ21を通って伝搬し、最終的にコンパートメント13内に位置する第1の検出器5に衝突する。コンパートメントは、熱的かつ光学的な分離壁によって2部分に分割される。チャネル8が反射面36を含み、シール15が測定放射に対して少なくとも合理的に透過的であるか、または反射チャネル8もしくは透過性シール15を有する必要がないようにシール素子14が反射層によってコーティングされている。
【0214】
測定体積部4は反射面36を有し、アルミニウムなどの反射性材料内に2つ以上の合流孔を機械加工することによって形成される。これによって1つの材料片から材料体積4を機械加工することができるため、測定体積部を形成する板状素子40の正確な位置合せが不要となる。
【0215】
測定体積部4へのガスアクセスは、接触細孔27を通る拡散経路26と、収集チャネル28を含むガス収集器とによって保証される。代替の実施形態では、測定体積部4の底部は2つの合流孔によってではなく、代わりに、反射面を有する内側膜11からなる透過壁によって形成される。
【0216】
図5は、測定体積部4の透過壁29の可能な実現例を示す、センサ詳細の概略断面図を示す。透過壁29は内側膜11から形成されており、内側膜11は、多孔面30を有し、たとえば当該面に塗布された反射層32のために反射面を有する。細孔31が多孔面30から接触面2に延在しているため、測定対象のガス分子が拡散経路26に沿って接触面2から内側膜および細孔31を通って測定体積部4内に拡散し得る。測定体積部4は、チャネル8を反射面36でシールする球形シール素子14aによって規定される放射入口および出口面以外は、実質的にすべての部分に反射面36を有する。
【0217】
図6は、ガス収集メカニズム12を含む内側膜11の可能な実現例を示す、センサ詳細の概略断面図を示す。内側膜11は、測定体積部4の透過壁29を形成し、多孔面30と、たとえば多孔面30上に塗布された反射層32のために反射面とを有する。細孔31が多孔面30から接触面2までの、または収集チャネル28までの接触細孔27の形態で延在しているため、測定対象のガス分子が拡散経路26に沿って接触面2から収集チャネル28を通って、内側膜11を通って、かつ細孔31を通って測定体積部4内に拡散し得る。内側膜11は、ガス透過領域、たとえば収集チャネル28、接触細孔27を通る拡散経
路26等を含むが、ガス不透過領域を含んでもよく、当該不透過領域は、センサの応答時間を遅らせ得るガスアクセス可能体積を提供することなく、内側膜11の寸法安定性を維持するように働く。
【0218】
測定体積部4は、チャネル8に入っている不規則な形状のシール素子14によっても閉じ込められる。チャネル8は反射面36を有してもよいし、またはシール素子14は反射層でコーティングされてもよい。ガス収集メカニズムの収集領域24はアクセス領域25よりも大きい。
【0219】
図7aおよび図7bは、球形シール素子14a(図7a)または部分的に球形のシール素子14a(図7b)およびシール15がチャネル8をシールするために配置され得る態様を示す、センサ詳細の2つの概略断面図を示す。たとえば、示されるセンサ詳細は、測定放射が球形シール素子14aを通ってチャネル8内に伝達されるように、または測定放射がチャネル8から球形シール素子14aを通ってコンパートメント13内に第1の検出器に向かって伝達されるように、コンパートメント13に隣接して位置してもよい。チャネル8は反射面36を有する。そのようなチャネル充填物は、まず、たとえばプレス加工によって球形シール素子14aをその目標場所に運んだ後、たとえば硬化またはシール液体を用いて残りの空間の必要な部分を充填してシール15を形成することによって形成されてもよい。シール15は、球形シール素子14aのみでは十分きつくまたは確実にシールしない場合、チャネル充填物が漏れないことを保証する。
【0220】
部分的に球形のシール素子14aは、球形シール素子をたとえば研削などの適切な手段を用いて平坦化することによって、当該球形シール素子から得られる。平坦化処理は好ましくは、特に硬化シール液体の一部が球体の全面上に流れるかこぼれ得る場合は、シール15の塗布および硬化の後に行なわれる。このように流れたりこぼれたりするのは、シールが測定放射に対して高度に透過的でない限り望ましくない。
【0221】
図8aは、第1の検出器5の近傍のセンサ詳細の概略断面図を示す。放射は、放射体積からチャネル8を通って伝搬する。チャネル8は、反射面36を有するシール素子14およびシール15からなる充填物9を含む。たとえば測定体積部などの放射経路に沿って存在する非結像光学素子のため、測定放射はチャネル充填物9を出るとさまざまな経路6を進む。放射は、典型的に広い角度分布でチャネル充填物9を出るが、これは高角度で出る放射を含む。そのような高角度放射は、放射面を有するNA変換器22の壁に当たり、低入射角で波長フィルタ21に衝突するように反射される。NA変換器22がない場合、高角度放射は屈折せず、はるかに高い角度で波長フィルタ21に衝突する。波長フィルタ21を通って伝達される放射は、コンパートメント13内に位置する第1の検出器5に達して測定信号を生じさせ得る。低角度でチャネル充填物9を出る放射はNA変換器22に当たらず、反射せずに波長フィルタ21に衝突する。したがって、NA変換器は、高角度を低角度放射に変換することによって、波長フィルタ21に衝突する測定放射の角拡散を狭め、これによってフィルタ選択性が向上する。
【0222】
NA変換器22は透過性充填物38を含む。この透過性充填物は、ガスがNA変換器にアクセスすることを防止し、したがって、測定結果は、測定放射を吸収するガスの変化する濃度によってバイアスされ得ない。
【0223】
図8bは、NA変換器22が材料に形成される空隙で構成されず、当該空隙は透過性充填物を含んでもよいし含まなくてもよい代替の実施形態を示す。代わりに、NA変換器22は、NA変換器22の空隙を完全に充填する透過性充填物38の形状を有する透過部分39から形成される。透過部分39は、放射入口および出口面以外に反射コーティング36を有する。そのようなNA変換器は、透過性充填物38によって完全に充填されるNA
変換器に対応し、より容易にセンサに組込まれる。
【0224】
図9は、センサ1の概略断面図を示す。測定体積部4は、交換チャネル17を通じて周囲19と接続されている。同時に測定体積部4に入っている測定対象のガスに対してほぼまたは完全に不透過性である水透過性対象物18が、交換チャネル17内の測定体積部4の近くに配置されている。これも水分子に対して透過性である反射素子20が、測定体積部壁の一部に位置決めされている。したがって、放射源3からシール素子14を介して測定体積部4内に伝搬する放射は交換チャネル17に入らず、代わりに測定体積部4内に残ることになる。これによって、検出器に衝突する測定放射の量が増加し、これによって次に測定精度が向上する。測定体積部4に入っている水分子は反射素子20を通じて水透過性対象物18にアクセス可能であり、周囲19に拡散し得る。このように、測定体積部4内のガス混合物は、液体水の凝縮が起こり得ないように十分乾燥した状態に維持される。
【0225】
図10は、センサ1の概略断面図を示す。測定体積部4は交換チャネル17に接続されている。測定体積部4に入っている測定対象のガスに対して好ましくはほぼまたは完全に不透過性であるウォータートラップ16が、交換チャネル17内の測定体積部4の近くに配置されている。これも水分子に対して透過性である反射素子20が、測定体積部壁の一部に位置決めされている。したがって、放射源3からシール素子14を介して測定体積部4内に伝搬する放射は交換チャネル17に入らず、代わりに測定体積部4内に残ることになる。これによって、検出器に衝突する測定放射の量が増加し、これによって次に測定精度が向上する。測定体積部4に入っている水分子は反射素子20を通じてウォータートラップ16にアクセス可能であり、ウォータートラップ16内に閉込められ得る。このように、測定体積部4内のガス混合物は、液体水の凝縮が起こり得ないように十分乾燥した状態に維持される。
【0226】
図11a、図11bおよび図11cは、測定体積部4の近傍、およびセンサ1の使い捨て部分におけるウォータートラップ16の3つの可能な配置を示す、センサ1の詳細の概略断面図を示す。測定体積部4は2つの板状素子40によって形成され、板状素子40の一方は実質的に平面である。測定体積部4は、内側膜11によって形成される透過壁29を含む。測定箇所に存在する分子は、拡散経路26を介して測定体積部4内に拡散し得る。内側膜11は、測定体積部4に入っている水分子が内側膜11を通って拡散して1つまたはいくつかのウォータートラップ16に達してその中に閉じ込められ得るように、水分子に対して透過性である。これによって、測定体積部4に入っているガス混合物は、液体水が測定体積部4内で凝縮し得ないように十分乾燥した状態に維持される。さらに、水分子は直接、すなわち測定体積部4を訪れずに、たとえばセンサ1の接触面2に沿った拡散によって、ウォータートラップ16の場所における外側面10を通る拡散によって、または特に拡散経路26がウォータートラップ16の材料に存在する接触細孔27の中を延びる場合は拡散経路26を介して、ウォータートラップ16に達し得る。
【0227】
ウォータートラップ16は、外側膜10を交換するとウォータートラップ16も交換されるように、外側膜と好適に組合される。このように、新たなウォータートラップ16をセンサ1内に容易に設置することができる。
【0228】
図12aおよび図12bは、ガス収集器23が存在しない場合のアクセス領域25(図12a)ならびに存在する場合のアクセス領域25および収集領域24(図12b)を示す、センサ1の接触面2の、かつ接触面2上の詳細図を示す。
【0229】
ガス収集器23が存在しない場合、図12aに示されるように、アクセス領域25内の接触面2に存在するガス分子は、接触細孔27に効率的にアクセスし、拡散経路を介して測定体積部内に拡散し得る。
【0230】
ガス収集器23が存在する場合、図12bに示されるように、収集領域24内の接触面2に存在するガス分子は、接触細孔27またはガス収集器23に効率的にアクセスし得る。ガス分子はガス収集器23に入ると、スクラッチまたは孔などのガス収集器23内の収集チャネル28およびさらなる拡散経路26に沿って接触細孔27内に拡散し、そこからさらに測定体積部内に拡散し得る。
【0231】
したがって、ガス収集器23は、そこからガス分子が測定体積部に通じる拡散経路に効率的にアクセスできるゾーンを増加させ、センサの応答時間を短縮する。
【0232】
図13は、測定放射が経路6に沿って、コンパートメント13内に位置する放射源3からチャネル8を充填するシール素子14を通って測定体積部4内に、さらにそこからチャネル8を充填するさらなるシール素子14を通って、かつ波長フィルタ21を通って、コンパートメント13内に位置する第1の検出器5に伝搬する態様を示す、センサ1の、かつセンサ1の内部の概略上面図を示す。さらに、測定放射は、第2の経路35に沿って、測定体積部4を通って、さらなるチャネル8を充填するさらなるシール素子14を通って、かつ波長フィルタ21と異なる公称通過帯域を有する第2の波長フィルタ41を通って、コンパートメント13内に位置する第2の検出器34に伝搬している。代替的に、各々が波長フィルタ21を有する第1の検出器5および第2の検出器34の代わりに、図18a〜図18eに示されるような2つの検出面および1つの波長高感度素子を含む検出器が用いられてもよい。
【0233】
測定箇所からのガス分子は、接触細孔27を通って測定体積部4にアクセスし得る。センサケーシング33は、周囲または測定体積部4からのガスがコンパートメント13にアクセスするかコンパートメント13から出て、バイアスされた測定をもたらし得ないように、気密である。
【0234】
図14aおよび図14bは、センサ1の概略断面図および上面図をそれぞれ示す。
図14aおよび図14bは上述と同様の種類であるが、以下の異なる特徴を有するセンサ1の実施形態を示す。測定放射光線は、放射源3から光路6に沿って共通のビームの内部を、まずチャネル8内の第1のシール素子14を通って、次に測定体積部4を通って、その次にチャネル8内の第2のシール素子14を通って伝搬する(図14aの右側)。1つのシール素子14をチャネル8に組込む代わりに、いくつかのシール素子をチャネル8に組込むことも考えられる。さらに、シール素子14は、断面図に示されるようにチャネル8から突出していてもよく、反射外面36を有していてもよい。放射は、その経路上の最後のチャネル8または最後のシール素子14のうち、どちらか最後に来る方を出るまで、共通のビーム内を伝搬する。その後、放射ビームは、ビーム分割NA変換器であり、かつ透過性充填物をさらに含み得る、NA変換器22に入る。放射ビームが2本の個々のビームに分割されるのは、ビーム分割NA変換器22に入った後のみである。そのような設計によって、たとえば侵食、汚染または凝縮による特に測定チャンバ内の反射特性の変化に対してセンサがロバストになり、さらに、測定体積部を小型化できる。2本の個々の放射ビームはそれぞれ、第1の波長フィルタ21上に向けて方向付けられ、そこから第1の検出器5に達し、第2の波長フィルタ41上に向けて方向付けられ、そこから第2の検出器34に達する(図14b参照)。それによって、第1の波長の測定放射が光路6に沿って案内されて第1の検出器5によって検出され得る一方で、第2の波長の測定放射が第2の光路35に沿って案内されて第2の検出器34によって検出され得る。
【0235】
本実施形態における測定体積部4は、2つの合流する、角度をつけられた孔と、底部反射器として反射面またはコーティング36を有する透過壁29とによって規定され、これらはともに非結像光学素子7を形成する。透過壁29は同時に、センサの接触面2の近く
に存在するガスを測定するための拡散経路26として作用する接触細孔27を有する内側膜として作用する。
【0236】
図15aは代替のセンサ1の概略断面図を示し、図15bおよび図15cはセンサ1の概略上面図を示す。この実施形態は、以下の異なる特徴以外は、図14aおよび図14bに示される実施形態と同様である。測定体積部4と検出器コンパートメント13との間のシール素子14は、比較的幅広である。これによって放射ビームが広がり、全波長の測定放射は当該ビーム内に同様に分布する。しかし、ビーム内の光線の角度分布は均一でなく、中心近くでシール素子14を出る光線は、中心からずれてシール素子を出る光線よりもシール素子に垂直な表面に対する角度が低い。
【0237】
これは、図15bに示されるように、それぞれ第1および第2の波長フィルタ21および41を有する第1の検出器5および第2の検出器34を、シール素子と波長フィルタとの間に小さい隙間が存在し得るシール素子14の表面上に配置する際に有利である。
【0238】
代替的に、図15cに示されるように、単波長高感度素子21ならびに第1および第2の検出面43および44を含む検出器がシール素子14の出口面の近くに配置されてもよい。第1および第2の検出面43および44は、たとえば図18a〜図18dに示されるような形状を有してもよく、同心円状に配置されてもよい。
【0239】
そのような設計では、測定放射は、測定体積部は別として、ガスアクセス可能空間の非常に短い区間のみを通過する。したがって、検出器のコンパートメント13に達したいずれの測定対象ガスも、測定体積部4内の測定対象のガスの測定結果を大きくバイアスすることはできない。これによって、チャネルシール15に漏れが存在する場合でも、センサ測定を正確に維持することができる。
【0240】
図16は、2つの主要な特徴以外は図15a〜図15cに示されるセンサ1と同様の実施形態を示す。第1の特徴は、同時にシール素子14としても用いられる放射源3である。放射は効率的に測定体積部に注入され、チャネル8のまたは放射源3の両側の反射面36が注入放射強度を高めるのにさらに役立ち得る。さらに、別個のシール素子は不要であり、設計上、ガスアクセス可能空間が測定対象のガスを含んでいる場合にバイアスされた測定結果につながり得るガスアクセス可能空間がシール素子と放射源との間に存在し得ない。第2の主要な特徴は、図15a〜図15cのような1つの幅広のシール素子14がなく、代わりに、たとえば反射コーティング36を有するより狭いシール素子14bと、その上に、より幅広の、図15a〜図15cの実施形態と同様に放射ビームを広げることができるさらなるシール素子14cが存在することである。この方法によって、測定体積部を小さく維持することが容易になる。
【0241】
図17aは、測定体積部4の底部のより詳細な図を示す。センサ1は、2つのチャネル8を有するセンサケーシング33を含む。反射面36を含むシール素子14はチャネル8内に配置され、付加的なシール15によってシールされる。測定対象のガスは、接触面2から接触細孔27、拡散経路26、透過壁29、および細孔31を通って測定体積部4内にアクセスし得る。透過壁29を含む測定体積部は、反射面36を含む。透過壁29は同時に内側膜11として作用し得る。外側膜10は使用時に、または常に存在していてもよい。代替的に、外側膜は省略されてもよい。付加的な外側膜(図示せず)、たとえば、上述のような患者アプリケータとしての使い捨て装置に組込まれた外側膜が使用時にのみ存在する場合、患者の皮膚上の測定時に合計3つの膜が存在するため、センサに取付けられる外側膜が中間膜45になる。
【0242】
図17bは、細孔31内に付加的な細孔充填物42を有する図17aのすべての特徴を
示す。
【0243】
図17cは、少なくとも0.01mmから最大で0.5mmの直径および反射面36を有する、より少ないがより幅広の細孔31を有する透過壁29が用いられる点で図17aと異なっており、幅広細孔31の場所は、これらを通る測定放射の過度の損失を回避するためにうまく選択される必要がある。
【0244】
図17dは、幅広細孔31内に付加的な細孔充填物42を有する図17cのすべての特徴を示しており、これは、汚染は狭い細孔を通るよりも広い細孔31を通って測定体積部4により容易にアクセスし得るため、この場合特に有用である。
【0245】
図17eは、図17aおよび図17cの組合せを示す。測定体積部4の透過壁29aは狭い細孔および反射面36を有し得、同時に内側膜11として作用し得る。第1の透過壁29aに接触して、または第1の透過壁29aの非常に近くに配置されたより幅広の細孔を有する第2の外側透過壁29bは、同時に外側膜10として作用し得る。付加的な外側膜(図示せず)、たとえば、上述のような患者アプリケータとしての使い捨て装置に組込まれた外側膜が使用時にのみ存在する場合、外側透過壁29bは中間膜45として作用し得る。
【0246】
図17fは、外側透過壁29bの幅広細孔31内に付加的な細孔充填物42を有する図17eのすべての特徴を示す。これによって、測定体積部4に向かって充填されていない開口部を有するセンサの接触面2が形成される。
【0247】
図18a〜図18eは、検出器5の好ましい実施形態の詳細概略図を示す。検出器5は、第1の波長帯域内の放射を検出するための第1の検出面43と、第2の波長帯域内の放射を検出するための少なくとも第2の検出面44とを含む。検出器には、干渉波長フィルタ21によって形成される波長高感度素子が設けられている。検出面43および44によって生成される測定信号の電気収集に必要な検出面との電気コンタクト、ならびに検出面および波長フィルタが上に配置される共通のサポートは図示されていない。この検出器は好ましくは、たとえば図15cを参照して本明細書中の上記に説明したようなセンサ内に用いられる。
【0248】
図18aは、丸い第1の検出面43と、実質的に囲んでおり、同心であり、実質的にリング状の周囲の第2の検出面44とを有する実現例を示しており、両検出面とも1つの干渉波長フィルタ21の下方に位置している。両方の検出面43および44は互いに離れて配置され、電気的に分離されている。2つの検出面43と44との間の隙間は、電気コンタクトを引回すために用いられる。これによってさらに、検出面43および44によって検出可能な放射波長帯域のよりよい分離がもたらされる。
【0249】
図18bは、第1の検出面43が円形ではなく正方形である以外は、図18aのすべての特徴を示す。
【0250】
図18cは、第2の検出面44が、第1の検出面43の各側に位置するリングの2つの部分のみからなる以外は、図18aと同じ特徴を基本的に示している。第2の検出面44は、たとえば、それらの信号が平均されるように平行に接続されてもよく、これは、2つの第2の検出面44が同じ波長帯域の波長に対して高感度であるように検出器5が配置される場合に特に有利である。図18aのリング状の第2の検出面44は、図18cの2つの第2の検出面44よりも多くの放射を収集できる可能性があるが、これにはより大きい空間が必要であるため、小型化がより困難である。
【0251】
図18dは、第1の検出面43が円形ではなく正方形であり、第2の検出面44も矩形である以外は、図18cのすべての特徴を示す。そのような形状は、電気コンタクトにより容易に接続することができる。
【0252】
図18eは、2つの第2の検出面44の一方が省略されている以外は、図18dの特徴を示す。第1および第2の検出面43および44はこの実施形態ではもはや同心ではないが、検出器5はやはり、図18a〜図18dに示される他の実施形態と同様に、第1および第2の入射角範囲の、かつ第1および第2の波長帯域内の放射が第1および第2の検出面43および44にそれぞれ達するように配置されている。この結果、放射ビームに対して、第1の検出面43は中心に位置しているが、第2の検出面44は周辺に位置している。したがって、図18dと比較して、図18eの設計では、第2の検出面44によって検出可能な第2の波長帯域内の放射が減少するが、代わりに検出器をさらにコンパクトにすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図15a
図15b
図15c
図16
図17a
図17b
図17c
図17d
図17e
図17f
図18a
図18b
図18c
図18d
図18e