(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789419
(24)【登録日】2020年11月5日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】乗り物車両の動力学的回転のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A63G 21/18 20060101AFI20201116BHJP
A63G 21/04 20060101ALI20201116BHJP
A63G 21/08 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
A63G21/18
A63G21/04
A63G21/08
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-565262(P2019-565262)
(86)(22)【出願日】2018年5月21日
(65)【公表番号】特表2020-520764(P2020-520764A)
(43)【公表日】2020年7月16日
(86)【国際出願番号】US2018033737
(87)【国際公開番号】WO2018217664
(87)【国際公開日】20181129
【審査請求日】2019年11月25日
(31)【優先権主張番号】15/606,846
(32)【優先日】2017年5月26日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス エリック アラン
(72)【発明者】
【氏名】ハーバーセッツァー マイケル デイヴィーズ
【審査官】
田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0160054(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0173717(US,A1)
【文献】
米国特許第06045449(US,A)
【文献】
米国特許第05113702(US,A)
【文献】
米国特許第04805896(US,A)
【文献】
特開平07−100269(JP,A)
【文献】
特開平04−114685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00−33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を提供し、前記流路の流れの方向に直交する軸に沿って互いに離間した対向する側壁を含む水路と、
1又は2以上の乗客を収容して前記水路内で前記流路に沿って移動するように構成された、幅と、該幅よりも長い長さとを伴う1又は2以上の車両と、
前記流路内に突出する1又は2以上の物体と、
を備え、前記1又は2以上の物体は、前記1又は2以上の車両のうちの1つの車両が前記流路に沿って移動する際に、前記車両の外装上の接触位置において前記車両に接触するように構成されるように前記流路内に配置され、前記接触位置は、前記1又は2以上の物体に接触した後に前記流路に対する前記車両の方向又は配向が変化するように前記車両の質量中心から一定距離だけ離間し、前記水路は、前記1又は2以上の物体が配置された第1の部分を含み、前記1又は2以上の物体は、前記第1の部分内で前記流路に対する前記車両の方向又は配向を変化させるように構成され、前記水路は、前記流路に沿って前記車両を導くように構成された第2の部分を含み、前記第1の部分の前記対向する側壁間の第1の距離は、前記車両の前記長さよりも大きく、前記第2の部分の前記対向する側壁は、前記車両が前記第1の部分内で回転して完全に向きを変えることができ、前記第2の部分では回転して完全に向きを変えることができないように、前記車両の前記長さ未満の距離だけ互いに離間する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記水路は流体で満たされ、前記1又は2以上の物体の一部は、前記流路の流体表面の下方に沈んでいる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1又は2以上の物体は、前記流路を定める前記水路の側壁から離れて該側壁に接触せずに前記水路内に配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1又は2以上の物体の一部は、前記流路の流れ方向に対して直角に配向される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1又は2以上の物体は、シャフトから放射状に延びるスポークを有して前記車両に接触して回転するように構成された車輪を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1又は2以上の物体の一部は、ゴム材料、柔軟材料、空気充填材料、又はこれらのいずれかの組み合わせから形成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記車両は、前記外装の周囲及び前記接触位置に配置された減衰材料を含み、該減衰材料は、ゴム材料、柔軟材料、空気充填材料、又はこれらのいずれかの組み合わせから形成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記接触位置は、前記車両の端部に位置する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記接触位置は、前記外装上の接触点から3メートル以内の領域内の位置を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記接触点と前記質量中心との間の第2の距離は、前記車両の最長寸法の総距離の少なくとも30%である、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記接触位置は、前記外装上の接触点から1メートル以内の領域内の位置を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記1又は2以上の物体は、前記流路内で互いに離間した複数の物体を含み、該複数の物体の各物体は、前記車両の接触点又はその付近で前記車両に接触するように前記流路内に配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記1又は2以上の物体は、前記流路内で互いに離間した複数の物体を含み、該複数の物体の各物体は、前記車両に接触して前記車両の配向を累積的な配向の変化の結果として少なくとも180°変化させるように前記流路内に配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記180°の配向の変化は、前向きから後向きへの逆転である、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
流路を提供し、前記流路の流れの方向に直交する軸に沿って互いに離間した対向する側壁を含む水路を備えたウォーターライドアトラクションを準備するステップと、
1又は2以上の乗客を収容して前記水路内で前記流路に沿って移動するように構成された、幅と、該幅よりも長い長さとを伴う1又は2以上の車両を準備するステップと、
前記流路内に突出する1又は2以上の物体を準備するステップと、
を含み、
前記1又は2以上の物体は、前記1又は2以上の車両のうちの1つの車両が前記流路に沿って移動する際に、前記車両の外装上の接触位置において前記車両に接触するように構成されるように前記流路内に配置され、前記接触位置は、前記1又は2以上の物体に接触した後に前記流路に対する前記車両の方向又は配向が変化するように前記車両の質量中心から一定距離だけ離間し、前記水路は、前記1又は2以上の物体が配置された第1の部分を含み、前記1又は2以上の物体は、前記第1の部分内で前記流路に対する前記車両の方向又は配向を変化させるように構成され、前記水路は、前記流路に沿って前記車両を導くように構成された第2の部分を含み、前記第1の部分の前記対向する側壁間の第1の距離は、前記車両の前記長さよりも大きく、前記第2の部分の前記対向する側壁は、前記車両が前記第1の部分内で回転して完全に向きを変えることができ、前記第2の部分では回転して完全に向きを変えることができないように、前記車両の前記長さ未満の距離だけ互いに離間する、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記水路は、複数の流路の1又は2以上の交点を形成し、
前記方法は、
前記水路内に配置されて、それぞれが前記水路内で第1の構成と第2の構成との間で個別に作動するように構成された1又は2以上の可変物体を準備するステップと、
第1の車両を前記第1の構成の個々の可変物体と前記第1の車両の第1の外装上の第1の接触点で接触させて、前記第1の車両の第1の車両配向を第1の変位角だけ調整し、前記第1の車両が前記複数の流路のうちの第1の流路に入るようにするステップと、
前記個々の可変物体を前記第2の構成に作動させるステップと、
第2の車両を前記第2の構成の個々の可変物体と前記第2の車両の第2の外装上の第2の接触点で接触させて、前記第2の車両の第2の車両配向を前記第1の変位角とは異なる第2の変位角だけ調整し、前記第2の車両が前記複数の流路のうちの第2の流路に入るようにするステップと、
を含み、
前記第2の車両は、前記第1の流路には入らない、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地のゲーム又は乗り物と併せて使用される方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
遊園地又はテーマパークでは、長年にわたって様々な形態の娯楽用乗り物が使用されている。これらには、ジェットコースター、トラックライド及び水上車両ベースの乗り物などの従来の乗り物が含まれる。多くの乗り物は、乗り物の車両を再配向する技術を含むことができる。このような技術は、乗り物車両に一定程度の回転をもたらす複雑かつ高価な機構を含むことができる。これらの複雑かつ高価な機構は、故障して機構の可動部品のメンテナンスを必要とすることがある。さらに、このような機構は、改造又は交換が困難な場合もある。従って、娯楽用乗り物において単純で信頼できるコスト効率の高い方法及び装置を通じて車両配向の調整を行うことが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0004】
1つの実施形態によれば、システムが、流路を提供する水路と、1又は2以上の乗客を収容して水路内で流路に沿って移動するように構成された、幅と、幅よりも長い長さとを伴う1又は2以上の車両と、流路内に突出する1又は2以上の物体と、を含み、1又は2以上の物体は、1又は2以上の車両のうちの1つの車両が流路に沿って移動する際に、車両の外装上の接触位置において車両に接触するように構成されるように流路内に配置され、接触位置は、1又は2以上の物体に接触した後に流路に対する車両の方向又は配向が変化するように車両の質量中心から一定距離だけ離間する。
【0005】
別の実施形態では、方法が、乗り物車両のための、水に基づく流路を準備するステップと、流路内に配置された複数の再配向物体を準備するステップと、乗り物車両を複数の再配向物体に順番に接触させて、流路内で乗り物車両の配向を変化させるステップと、を含む。
【0006】
別の実施形態では、方法が、複数の流路を形成する水路を備えたウォーターライドアトラクションを準備するステップと、複数の流路に沿って移動するように構成された1又は2以上の車両を準備するステップと、水路内に配置されて、それぞれが水路内で第1の構成と第2の構成との間で個別に作動するように構成された1又は2以上の可変物体を準備するステップと、第1の車両を第1の構成の個々の可変物体と第1の車両の外装上の第1の接触点で接触させて、第1の車両の車両配向を第1の変位角だけ調整し、第1の車両が様々な流路のうちの第1の流路に入るようにするステップと、個々の可変物体を第2の構成に作動させるステップと、第2の車両を前記第2の構成の個々の可変物体と第2の車両の外装上の第2の接触点で接触させて、第2の車両に第1の角度量とは異なる第2の角度量だけ配向を変化させ、第2の車両が様々な流路のうちの第2の流路に入るようにするステップと、を含む。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本技術による、効率的な回転手段を含むウォーターライドアトラクションの斜視図である。
【
図2】本技術による、乗り物車両の実施形態の斜視図である。
【
図4】本技術による、乗り物車両の回転をもたらすために利用できる障害物の実施形態の斜視図である。
【
図5】本技術による、乗り物車両の方向を変化させるために利用できる装置の実施形態の斜視図である。
【
図6】本技術による、乗り物車両を回転させる方法のフロー図である。
【
図7】本技術による、物体との接触後の配向角の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、いくつかの実施形態では乗り物内又は乗り物車両上に組み込まれた機械部品及び/又は操縦部品を伴わずに実装できる、遊園地乗り物(例えば、ウォーターライド)の車両を回転させるシステム及び方法を提供する。いくつかのタイプのウォーターライドでは、乗り物車両内の乗客が、乗り物車両の移動経路を定める壁を提供する水路内を移動する。水路は、側壁によって可動域が制限されるように、車両よりもわずかだけ大きくなるように構築することができる。乗り物車両は、重力及び/又は流れの力を受けて移動し、モータ又は操縦能力を含まないことができる。従って、このような車両を操縦することは困難となり得る。いくつかの乗り物は、車両を旋回させる屈曲部(bend)をもたらす水路を提供することができる。しかしながら、水路を使用して旋回を行うには固定構造が必要であり、遊園地内の貴重な空間が占められる恐れがある。さらに、水路が乗り物車両よりも大幅に大きな開放性の高いウォーターライドには、このような旋回を組み込むことができない。他のタイプの乗り物は、乗り物車両のための軌道又は操縦装置を組み込むこともできるが、これには費用が掛かるとともに多くのメンテナンスを伴う恐れがある。この結果、乗り物の修理にコストが掛かり、稼働停止時間が長くなってしまうことがある。従って、単純な(例えば、非機械的な)車両回転技術を有するウォーターライドを提供することによって、諸経費(例えば、動力費、補修費など)を大幅に増やすことなく乗り物のスリル要素を高めることができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、流路沿いに配置されて車両との接触を通じて車両の回転を引き起こす1又は2以上の再配向物体を含むウォーターライドなどの遊園地乗り物を提供する。車両が流路に沿って移動する際の推進力が、車両を1又は複数の再配向物体に接触するように運ぶことができる。1又は複数の再配向物体又は物体に接触すると、操縦を伴わずに、いくつかの実施形態では機械装置又は作動装置を使用することなく、車両が動力学的に再配向される。車両は、車両の質量中心から特定の距離だけ離れた位置で1又は2以上の物体に接触することができる。従って、車両が1又は2以上の物体に接触すると、流路に沿って移動する際の車両の線形運動が回転運動に移行することができる。乗り物車両は、所望の回転度に達するまで1又は2以上の物体に接触し続けることができる。従って、車両も、複雑な操縦機構を含まない単純な構造とすることができる。
【0011】
機械式アクチュエータを使用せずに所望の量の旋回又は再配向を引き起こす1又は2以上の再配向物体を遊園地乗り物内に設けることにより、乗り物車両を所望の経路の方に向かわせることができる。さらに、このような物体は、動力を受けない機械的に単純なものとすることができるので、乗り物を再構成するには、望ましい最新の構成に従って再配向物体を単純に動かし又は再配置すればよい。
【0012】
これらを踏まえて、
図1に、乗り物車両の動力学的再配向を誘発できるウォーターライドアトラクション10の斜視図を示す。ウォーターライドアトラクション10は、流路14に沿って水路13(例えば、水上輸送路)内を移動する車両12を含むことができる。実際には、水路13によって流路14を定めることができる。車両12は、流路14に沿って移動すると、流路14沿いの1又は2以上の物体16(例えば、パイロン)に接触(例えば、衝突)することができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上の物体16を透過性とすることにより、1又は2以上の物体16の本体を流体(例えば、水)が通過することができる。いくつかの実施形態では、流路14の流れ(例えば、力)を水流の結果とすることができる。水流は、機械システム(例えば、ポンプ)を通じて生成することも、及び/又は水路13が傾斜している結果、重力によって水が流れるものとすることもできる。いくつかの実施形態では、流路14を、車両12が滑動又は揺動できる乾いた傾斜路とすることができる。概して、車両12は、動きを生じるために内部動力系(例えば、モータ、エンジンなど)を利用しないことができる。さらに、車両12は、車載型操縦機構又は非車載型機構を使用せずに方向を変化させる(例えば、回転する)ことができる。
【0013】
車両12は、流路14の流路入口18では、車両12の前側19が概ね下流21に向いた状態で実質的に流路14と平行に位置することができる。いくつかの実施形態では、入口18において、車両12を流路14に対して一定程度まで斜めにする(例えば、傾斜させる)ことができる。車両12は、流路入口18において配置される角度にかかわらず、流路入口18に隣接して配置された傾斜物体20と相互作用することができる。傾斜物体20は、流路24に対して第1の角度24にある角度付き縁部22を含むことができる。車両12は、車両12の回転をもたらすことができる角度付き縁部22に沿って滑動することができる。従って、角度付き縁部22は、車両12が傾斜物体20と相互作用している間に車両12の速度を維持する摩擦減少機構(例えば、車輪、滑らか仕上げ、潤滑仕上げ、軸受など)を含むことができる。車両12は、傾斜物体20と相互作用し、傾斜物体20を越えて下流21に移動した後にも、流路14に対して第2の角度26に配置された状態で流路14に沿って移動することができる。実際には、ウォーターライドアトラクション10の各連続する車両12が、傾斜物体20との相互作用に起因して第2の角度26で配置された状態になることができる。換言すれば、傾斜物体20は、各連続車両12を一貫して正確に第2の角度26に回転させることができる。傾斜物体20と、傾斜物体20の下流21に配置された第1の物体32との間には、間隙30が存在することができる。間隙30は、車両の長さ(例えば、車体長34)以上の距離とすることができる。従って、車両12は、間隙30を与えられて傾斜物体20と第1の物体32との間を容易に流れることができる。
【0014】
上述したように、車両12は、傾斜物体20と相互作用した後に第1の物体32に向かって下流21に移動する際に、第2の角度26で配置された状態になることができる。車両12は、第1の物体32に近付いた時の車両12の予測可能な角度(例えば、第2の角度26)を所与として、車両12の外周沿いの予測可能な位置が第1の物体32に接触することができる。特定の実施形態では、接触の結果として車両12は移動するが第1の物体32(又は他の物体16)は移動しないように、本明細書に示す第1の物体32又はその他の物体16を固定又は不動とすることができる。
【0015】
例えば、
図2と同時に説明するように、車両12は、車両12の質量中心38から離れた距離37に位置する車両12の接触点39で第1の物体32に接触することができる。距離37は、車両12が流路14に沿って移動する際の車両12の推進力41(例えば、移動軸)の方向に対する、質量中心38から離れた接触点39の垂直距離として定義することができる。いくつかの実施形態では、質量中心38が、車両12の中心に、及び/又は車両12の中心に隣接して位置することができる。具体的に言えば、車両12の質量中心38の位置は、車両12の負荷に関連して変化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、車両12の乗客の全体的な質量中心が車両12の中心から離れて存在する場合、これに応じて車両12の質量中心12も変化することができる。従って、本明細書で説明する質量中心38は、いくつかの状況(例えば、負荷)に基づいてわずかに変化することがある車両12に対するおおよその位置に関連することができると理解されたい。いくつかの例では、推進力41の方向が、流路14と平行であることができる。さらに、接触点39は、例えば車両12上の領域などの点の範囲を示すことができる。
【0016】
概して、車両12は、その推進力41の少なくとも一部が流路14と平行になった状態で第1の物体32に近付くことができる。車両12が第1の物体32に接触すると、車両12と第1の物体32との衝突によって車両12の接触点39が反動力40を受けることができる。このように、車両12の推進力41と反動力40とが相まって車両12にモーメント50を引き起こし、この結果、質量中心38に対する回転運動が生じる。具体的に言えば、接触点39における反動力40(例えば、トルク)のモーメント50は、車両12を質量中心38に対して反動力40の方向に回転させることができる。例えば、本実施形態では、反動力40が、車両12を反時計回り方向に回転させることができる。しかしながら、回転方向は設計事項であると理解されたい。従って、車両12の質量中心38の反対側に接触が起きれば、車両12は逆方向(例えば、時計回り方向)に回転することができる。また、第1の物体32及び連続物体70は流路14に対して垂直に配置されているが、これらは、車両12の所望の配向変化を生じるように流路に対してあらゆる好適な角度で配置され得る。さらに、傾斜物体20、第1の物体32、連続物体70、又はこれらのいずれかの組み合わせは、ウォーターライドアトラクション10に不可欠な固定物とすることができる。さらに、傾斜物体20、第1の物体32及び/又は連続物体70は、水路13から延びることも、或いは水路13から離れた距離に配置された単独物とすることもできる。
【0017】
さらに、車両12は、長さ52及び幅54を伴う。長さ52は、幅54よりも大きいものとすることができる。いくつかの実施形態では、車両12が、中間部56及び端部58を含むことができる。いくつかの実施形態では、端部58を実質的に三角形とすることができ、端部58の頂点を、質量中心38と頂点とを通る線によって二等分することができる。二等分された頂点は、二等分された頂点角60を定めることができる。実際には、接触点39は、二等分された頂点角60間で車両12が一定程度まで(傾斜物体20との相互作用の結果として)反時計回りに回転して流路14に対して平行である間、端部58の1次接触部分62に位置することができる。車両12が頂点角60以上の角度まで反時計回りに回転した場合、接触点39は、2次接触部分64又は3次接触部分66にそれぞれ位置することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、車両12を、車両の幅54の方が車両の長さ52よりも短いあらゆる好適な形状とすることができる。例えば、車両12は、中間部56及び端部58が明確に定められた(例えば、直線的な湾曲した)概ね長円形とすることができる。従って、接触点39は、車両12の端部58の形状にかかわらず、車両12の長さ52に沿ったあらゆる好適な位置に存在して所望の回転量を生じることができる。
【0018】
図3を参照すると、車両12及び流路14は、少なくとも車両12の最長寸法59の一定割合である距離37だけ接触点39が質量中心38から離れるように構成することができる。例えば、距離37は、最長寸法59の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%とすることができる。このような構成は、十分な配向の変化を容易にするとともに、接触の結果としての揺れ(bumping)又は推進力の喪失を低減することもできる。
【0019】
再び
図2を参照すると、車両12は、上述したように第1の物体32に接触して一定程度回転した後に、1又は2以上の連続物体70に接触してさらにトルクを増す(例えば、回転する)ことができる。具体的に言えば、車両12は、第1の物体32と相互作用(例えば、接触)した後に、連続物体70のうちの1つに接近する際に第3の角度又は配向で配置された状態になることができる。車両12の配向は、流路14に対する配向72などの配向の相対的変化として評価することができ、これは角変化として表すことができる。例えば、この変化は、いずれも質量中心又は車両12上の地点から延びる配向72と流路14に平行な線との間に形成される角度の変化とすることができる。実際には、車両12の第3の角度72は、各連続車両12がウォーターライドアトラクション10に沿って移動する際にウォーターライドアトラクション10のサイクル間で一貫することができる。いくつかの実施形態では、車両12が、完全に回転して車両12の前側19が上流74に向くようになるまで連続物体70に接触し続けることができる。いくつかの実施形態では、上述したように、車両12の質量中心38が、乗客負荷に基づいてわずかに変化することがある。従って、物体16に接触した後の配向変化の度合いも、ウォーターライドアトラクション10のサイクル間でわずかに変化することがある。それにもかかわらず、流路14には、車両12の所望の全体的配向変化をもたらすために、車両12を回転させるのに十分な連続物体70を設けることができる。
【0020】
このように、車両12は、ウォーターライドアトラクション10を進む際に、物体16(例えば、第1の物体32及び連続物体70)との相互作用を通じて運動エネルギーの転換を利用することによって向きを変える(例えば、回転する)ことができる。換言すれば、車両12がウォーターライドアトラクション10に沿って移動する際の車両12の線形運動(例えば、推進力41の方向)を、1又は2以上の物体16によって(例えば、接触を通じて)遮ることができる。1又は2以上の物体16は、車両12の質量中心38からオフセットされた位置に接触することができる。このようにして車両12の線形運動を遮ることにより、車両12の線形運動エネルギーを車両12の回転運動エネルギーに転換させることができる。
【0021】
車両12は、第1の物体32に接触した結果として車両12の前側19が上流74に向くことができるという点で、(例えば、流路入口18における車両12の配置に対して)完全に向きを変えることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、抵抗力(例えば、摩擦)が車両12の完全な再配向を妨げる場合もある。従って、車両12の完全な再配向が達成されるまで、1又は2以上の連続物体70を設けて車両12をさらに再配向させることができる。また、上述したように、車両12は、流路14に沿って移動するにつれて高度を下げることができる。具体的に言えば、車両12は、様々な位置に配置されて互いに様々な間隔を空けることができる1又は2以上の物体16に接触しながら(例えば、乾いた表面上で又は水に浮かんで)斜面を下って、本明細書で説明したように(例えば、車両12の1又は2以上の回転を通じて)向きを変えることができる。
【0022】
さらに、車両12は、ウォーターライドアトラクション10を進む際に他の様々な装置(例えば、物体16)と相互作用することもできる。例えば、車両12は、1又は2以上の可変バンパー80、1又は2以上のスポーク付き物体(spoked objects)82、1又は2以上の加速装置84、1又は2以上の傾斜部分86、1又は2以上の水中物体88、1又は2以上のコンベア90、又はこれらのいずれかの組み合わせと相互作用することができる。
【0023】
次に、
図4も同時に参照すると、ウォーターライドアトラクション10は、可変バンパー80を通じて車両12の方向及び/又は配向を変化させることができる。いくつかの実施形態では、可変バンパー80をコントローラ100によって作動させることができる。具体的には、コントローラ100を通じて可変バンパー80の位置を制御することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、車両12と可変バンパー80などの物体26との直接的な相互作用が、各接触中に作動する移動部分を伴わないことができる。しかしながら、可変バンパー80は、乗り物車両12との特定の接触の開始前に、所望の乗り物構成に従ってコントローラ100による決定通りに再構成又は再配置することができる。このようにして、乗り物車両12との各接触時に動力を受けて作動する再配向装置に比べて全体的な機械的作動の発生を低下させ、これによって乗り物要素の寿命を延ばすこともできる。1つの実施形態では、バンパー80が第1の構成又は第2の構成を取り、第1の構成のバンパー80に遭遇した車両12が第1の経路を下って導かれ、第2の構成のバンパー80に遭遇した車両が第2の経路を下って導かれるようにこれらの構成間で作動することができる。1つの実施形態では、第2の構成が、車両12がバンパー80に接触しないようにする非接触構成である。
【0024】
コントローラ100は、特定用途向けプロセッサなどの(1又は2以上のプロセッサを表すことができる)プロセッサ102を使用するいずれかの装置とすることができる。コントローラ100は、本明細書で説明する可変バンパー80のための方法及び制御動作を実行するためにプロセッサ102が実行できる命令を記憶するメモリデバイス104を含むこともできる。プロセッサ102は、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリ104は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用でき、プロセッサ102、又はプロセッサを有するいずれかの汎用又は専用コンピュータ又はその他の機械がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、可変バンパー80を使用して車両12を1又は2以上の流路の方に導くことができる。このようにして、可変バンパー80は、車両12の第1の集団を第1の流路を下るように、車両12の第2の集団を第2の流路を下るように導くことができる。いくつかの実施形態では、可変バンパー80を、特定の角度に配置されて傾斜物体20と同様に車両12と相互作用するように作動させることができる。具体的に言えば、可変バンパー80は、車両12と相互作用して車両12を流路に対して特定の角度に配置することができる。この実施形態では、車両12が流路に対して特定の角度に配置されるので、車両12の質量中心38から予測可能な距離だけ離れた位置が物体(例えば、物体16、別の可変バンパー80など)に接触して、何らかの並進運動エネルギーが回転運動エネルギーに移行することによって質量中心38を中心に一定程度回転することができる。
【0026】
車両12は、1又は2以上のスポーク付き物体82と相互作用することもできる。1又は2以上のスポーク付き物体82は、シャフト106と、スポーク108と、接触部分110とを含むことができる。いくつかの実施形態では、スポーク付き物体82が、シャフト106の軸111を中心に回転することができる。従って、車両12がスポーク付き物体82に接触した場合、スポーク付き物体82は、車両12の移動方向に回転して車両12の速度を維持することができる。これに加えて、又はこれとは別に、スポーク付き物体82は、シャフト106の軸111に対して堅く固定することもできる。スポーク108は、シャフト106から放射状に延びて接触部分110に結合することができる。いくつかの実施形態では、スポーク108が、接触部分110を越えて放射状に延びて車両12と相互作用することができる。いくつかの実施形態では、スポーク108を、軽量の耐水材料で形成することができる。例えば、スポーク108は、プラスチック、金属、木、ゴムなどで形成することができる。さらに、この実施形態では、接触部分110が、円形断面を有するシャフト106の周囲で円周方向に延びる。しかしながら、いくつかの実施形態では、接触部分をあらゆる好適な断面(例えば、円形、三角形、直線、曲線など)を有するあらゆる好適な形状(例えば、円、三角形、正方形、五角形、六角形など)とすることができる。スポーク付き物体82は、第1の物体32及び連続物体70と同様に、車両12の質量中心38から特定の距離だけ離れた位置に接触することができる。従って、車両12は、スポーク付き物体82に(例えば、接触部分110の外周沿いの位置に)接触すると、車両12の線形運動動作の一部が回転運動エネルギーに変換されることによって質量中心38を中心に回転することができる。
【0027】
さらに、上述したように、車両12は、1又は2以上の加速装置84、1又は2以上の傾斜部分86、1又は2以上の水中物体88及び/又は1又は2以上のコンベア90と相互作用することもできる。
図1に示すように、1又は2以上の加速装置84、傾斜部分86、水中物体88及び/又はコンベア90は、ウォーターライドアトラクション10のスリル要素をさらに高めるようにウォーターライドアトラクション10に沿って配置することができる。例えば、車両12は、加速装置84と相互作用した結果として速度を増すことができる。具体的に言えば、加速装置84は、車両12の側面に係合できる複数の回転ディスクを含むことができる。いくつかの実施形態では、回転ディスクが車両12の線形速度よりも速く回転することによって車両12の速度を増加させることができる。他の実施形態では、回転ディスクが車両12の線形速度よりもゆっくりと回転することによって車両12の速度を減少させることができる。
【0028】
1又は2以上の傾斜部分86も、ウォーターライドアトラクション10のスリル要素10を高める役割を果たすことができる。例えば、車両12が傾斜部分86と相互作用している時には、車両12の上下動及び/又は高さを増大させることができる。同様に、1又は2以上のコンベア90も、ウォーターライドアトラクション10のスリル要素を高めるように車両12と相互作用することができる。例えば、車両12は、ウォーターライドアトラクション10に沿って移動する際に、ウォーターライドアトラクション10内のある位置でコンベア90上に滑り込み、又はコンベア90に接触することができる。すると、コンベア90は、車両12をウォーターライドアトラクション10内の異なる位置に運ぶことができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上のコンベア90をウォーターライドアトラクション10の表面(例えば、水面)下に沈め、又は部分的に沈めることができる。
【0029】
さらに、いくつかの実施形態では、物体16のうちの1つ又は2つ以上をウォーターライドアトラクション10の表面(例えば、水面)下に沈め、又は部分的に沈めることもできる。1つのこのような実施形態を、水中物体88において見ることができる。実際には、物体16(例えば、第1の物体32、連続物体70など)のうちの1つ又は2つ以上は、一部が表面よりも上方に存在するように示しているが、水中物体88と同様に沈めることもできる。従って、水中物体88のうちの1つが車両12の乗客に見えないことによって、乗客の視点に対して予測できない車両12の動きの変化をもたらすことができる。さらに、いくつかの実施形態では、物体16のうちの1つ又は2つ以上を沈んだ位置に、及び/又は沈んだ位置から作動させることもできる。さらに、1又は2以上の水中物体88は、第1の物体32及び連続物体70に関して上述したように機能することもできる。具体的に言えば、車両12は、その質量中心38から特定の距離だけ離れた位置が水中物体88に接触することができる。従って、車両12は、水中物体88に接触すると、車両12の線形運動動作の一部が回転運動エネルギーに変換されることによってその質量中心38を中心に回転することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、車両12が、ウォーターライドアトラクション10を進む際に効率的に移動して速度を維持することが望ましいと考えられる。従って、ウォーターライドアトラクション10の車両12と要素(例えば、物体16、水路13など)との間の摩擦を低減することが有益となり得る。従って、物体16及び/又は水路13の一部又は全部は、物体16及び/又は水路13の縁部に配置されたローラ112を含むことができる。従って、車両12は、物体16及び/又は水路13のうちの1つ又は2つ以上に接触する時に、1又は2以上のローラ112に接触することができる。従って、いくつかの実施形態では、車両12が、ローラ112を介して1又は2以上の物体16及び/又は水路13に接触した後に、より高い推進力及び/又は速度を維持することができる。さらに、推進力/速度を保持するために、車両12の外周上にも1又は2以上のローラ122を配置することができる。
【0031】
さらに、物体16及び/又は水路13に対する車両12の衝撃を緩和することもできる。例えば、車両12及び/又は物体16は、減衰材料76を備えることができる。いくつかの実施形態では、減衰材料76を、軟質ゴム材料、発泡材、パッケージ化された空気(packaged air)などとすることができる。基本的に、減衰材料76は、ウォーターライドアトラクション10のいずれかの要素(例えば、物体16、ローラ112、水路13など)に対する車両12の衝撃を和らげることができるあらゆる構造及び/又は材料とすることができる。
【0032】
ウォーターライドアトラクション10は、そのスリル要素をさらに高めるために1又は2以上のキャラクタ114を含むこともできる。いくつかの実施形態では、キャラクタ114のうちの1つ又は2つ以上を物体16として実装することができる。これらのキャラクタは、ウォーターライドアトラクション10の物語(例えば、テーマ)に従ういずれかの好適なキャラクタとすることができる。
【0033】
本明細書に示すように、車両12は、動きを生じる動力系を含まないことができる。さらに、車両12は、無軌道式とすることもできる。実際には、いくつかの実施形態では、車両12の船体(例えば、底部)が平坦、円形であり、及び/又は1又は2以上のフィンを含むことができる。さらに、車両12がウォーターライドアトラクション10を進むようないくつかの例では、車両12を流路(例えば、流路14)に対して垂直に配置することもできる。従って、いくつかの実施形態では、車両12の安定性を高めるために、ウォーターライドアトラクション10(例えば、水路13)が二重床118を備えることができる。例えば、二重床118は、水路13の床面に結合されて実質的に流路14と平行に配置できる一連の梁を含むことができる。いくつかの実施形態では、車両12が、流路14に対して水平に(例えば、垂直に)配置された場合に横向きに傾斜(例えば、縦揺れ、長手方向軸を中心に回転、横揺れ)することがある。車両12が横向きに傾斜すると、車両12の底縁が二重床118の1又は2以上の梁に接触し、従って車両12が傾斜中にひっくり返るのを防ぐことができる。
【0034】
図6は、ある実施形態による車両回転方法120のフローチャートである。方法120の最初に、ウォーターライドアトラクション10は、実質的に流路(例えば、流路14)と平行な第1の配向で車両12を受け取る(ブロック122)ことができる。一方で、いくつかの実施形態では、車両12を流路方向に対してオフセットされた配向で配置することもできる。
【0035】
車両12は、流路に対する車両12の角度にかかわらず、流路方向に対して第1の角度で配向された接触面又は相互作用面を有する角度付き物体(例えば、角度付き物体20)と相互作用することができる。例えば、流路及び角度付き表面の方向に沿った仮想線が第1の角度を形成することができる。車両12は、角度付き物体と相互作用した後に、流路に対して第2の角度(例えば、第2の角度26)で配置された状態になる(例えば、回転する)ことができる(ブロック124)。実際には、角度付き物体と相互作用する各車両12(例えば、ウォーターライドアトラクション10が受け取ることができる各連続車両12)は、角度付き物体と相互作用した後に確実かつ予測可能に第2の角度で配置された状態になることができる。
【0036】
さらに、流路沿い及び/又はその近傍には、車両12が流路に沿って移動する際に車両12に順番に接触するように1又は2以上の連続物体(例えば、第1の物体32、連続物体70)を配置する(ブロック126)ことができる。実際には、各連続車両12は、角度付き物体との相互作用の結果として、1又は2以上の連続物体(例えば、第1の物体32、連続物体70)に第2の角度で近付くことができる。従って、車両12は、第2の角度で配置されている間に1又は2以上の連続物体のうちの第1の物体に接触することができる。このようにして、各車両12は、車両12の長さに沿った一定の(例えば、予測可能な)位置(例えば、接触点39)で第1の物体に接触することができる。車両12の一定の位置が第1の物体に接触すると、車両12は反動力(例えば、反動力40)を受けることができる。車両12に加わる反動力は、予測可能な第2の角度及び一定の位置に少なくとも部分的に起因して、(例えば、車両の推進力方向に対して垂直な反動力の距離として定められる)車両の質量中心から離れた一定の予測可能な距離に作用することができる。各車両は、一定の予測可能な反動力の距離に少なくとも部分的に起因して、第1の物体に接触した後に一定量だけ回転することができる。実際には、1又は2以上の連続物体に接触する各車両12の反動力は、各車両12の予測可能な一定の大きさの反動力を含むこともできる。具体的には、車両12が1又は2以上の連続物体に接触すると、車両の線形運動(例えば、推進力)が遮られることにより、線形運動が回転運動(例えば、推進力)に変換されることによって車両12が回転することができる。
【0037】
その後、車両12は、第1の物体との接触に関して上述したように他の各連続物体にも接触することができる。車両は、連続物体と相互作用した後に、いくつかの実施形態ではウォーターライドアトラクション10が車両12を受け取った(ブロック122)時の配向に対して完全な逆向きの配向(例えば、前向きから後向きへの、及び/又は後向きから前向きへの逆転)とすることができる所望の配向に回転することができる。その後、車両12は、所望の配向で流路から出ることができる(ブロック128)。
【0038】
図7を参照すると、流路14に対する車両12の配向角は、車両12上の点(例えば、車両の中間点又は最後部点)から流路14の方向に仮想線130を延ばし、この流路仮想線130と乗り物車両を通る第2の仮想線132との間の角度を求めることによって決定することができる。例えば、第2の仮想線132は、乗り物車両12の最長寸法を通じて形成することができる。配向の変化は、乗り物車両12が流路仮想線130(例えば、流路14、又は推進力41の方向、
図2を参照)に対して形成する角度(例えば、角度134)の変化とすることができる。
図7に示すように、第1の配置では、第1の仮想線130aと第2の仮想線132aとがほぼ平行であり、車両12が大まかに流路14の方向に沿って配向されていることを示す。このような配向では、第1の仮想線130a及び第2の仮想線132aによって形成される角度はゼロである。車両12は、物体16に遭遇して接触位置又は接触点39が接触した後には、流路14を横切って並進するとともに、仮想線130(例えば、流路14の方向)に対して角度134だけ角度的に変位する。絶対的な流路14の方向又は初期車両配置に対する連続的な角変位を測定することができる。すなわち、配向の変化は、各物体16と接触する前の初期角度をゼロに設定し、接触後の角変位を測定することによって測定することができる。角変位は、少なくとも15°、少なくとも30°、少なくとも45°又は少なくとも60°とすることができる。さらに、流路14に沿って進む連続車両12では、この角変位を大まかに予測することができ、15°〜45°、30°〜60°、30°〜45°、45°〜60°、45°〜90°、60°〜90°、90°〜120°などの限られた範囲とすることができる。
【0039】
本明細書では、本発明のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、このような全ての修正及び変更を本発明の実際の趣旨に含まれるものとして対象にしていると理解されたい。
【0040】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善し、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例に参照及び適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。