(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、冷媒回収の対象となる空調装置20として、いわゆるビル用マルチエアコンを示すが、これは説明のための例示である。例えば、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)により冷媒の回収が義務付けられている、第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)に該当する空調機器であれば、本発明が適用できる。例えば、冷媒回収の対象となる空調装置は、パッケージ型の空調装置、業務用の冷凍ショーケース、チラー、ターボ冷凍機等であってもよい。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また以下の説明では、冷房運転時の空調機器の動作例が示される。
【0026】
図1は、冷媒回収システム10の構成図である。冷媒回収システム10は、空調装置20、加熱装置70、冷媒回収装置100、冷媒回収容器102、これらの間を接続する複数の管路とで構成される。冷媒回収システム10は、空調装置20に用いられている冷媒を、冷媒回収装置100を用いて、冷媒回収容器102に回収する。
【0027】
空調装置20は、冷媒の圧縮と凝縮と蒸発の循環によって、ビルの室内環境を良好な状態に保つ空気調和装置である。空調装置20は、室外機22と室内機24を備える。室外機22と室内機24は液管26およびガス管28で接続される。
【0028】
室内機24は、蒸発器30、膨張弁32、及びファン34を備える。室外機22の凝縮器36を通過した高温・高圧の冷媒液は液管26から膨張弁32に至る。膨張弁32の絞りによって冷媒液圧が低下し、低温、低圧の冷媒液となって蒸発器30に送られる。蒸発器30では、ファン34によって送り込まれた室温空気と冷媒液とが熱交換する。
【0029】
熱交換後の冷媒は低温・低圧の冷媒蒸気となってガス管28を経由して室外機22に送られる。室外機22は、凝縮器36、圧縮器38、アキュムレータ40及びファン44を備える。ガス管28から室外機22に送り込まれた冷媒蒸気は、アキュムレータ40を通過する。
【0030】
アキュムレータ40は冷媒回路に設けられ、冷媒蒸気から液体を分離させる液分離器である。圧縮器38の前段でアキュムレータ40によって冷媒蒸気から液体が除去されることで、圧縮器38において冷媒液が圧縮される液圧縮が防止される。
【0031】
図2には、室外機22の斜視図が例示される。この図では、室外機22の外表面を覆うサービスパネルが一部外され、内部の構造が視認できる状態が図示されている。アキュムレータ40のケーシング41は耐圧容器であって、例えば縦長の繭玉形状に形成される。つまりケーシング41の上端部はドーム上の半球形状であって、下端部はこれを反転させ下方にアーチを描く半球形状となっている。またこれらの半球を繋ぐように中間部分は円筒形状となっている。ケーシング41は例えば鉄等の、磁性材料(磁性部材)から構成される。
【0032】
アキュムレータ40のケーシング41の内部には冷媒液が貯留される。後述するように、冷媒回収の際には、アキュムレータ40に貯留された冷媒液を加熱するために、本実施形態に係る加熱装置70(
図3参照)がケーシング41の外表面に取り付けられる。
【0033】
図1に戻り、圧縮器38により圧縮された冷媒は高温・高圧の冷媒蒸気となって凝縮器36に至る。凝縮器36では、ファン44によって送り込まれた外気と冷媒蒸気とが熱交換する。熱交換後の冷媒は高温・高圧の冷媒液となって液管26及び室内機24に送り込まれる。
【0034】
また、室外機22は液管止弁46及びガス管止弁48を備える。液管止弁46は、一方のポートに室外器液管54が接続され、他方のポートに液管26が接続される。液管止弁46に隣接して液管サービスポート50が設けられる。液管サービスポート50は、冷媒回路から冷媒液を回収したり、または冷媒液を充填したりするときに、外部の回収装置または充填装置と冷媒回路とを繋ぐ接続口である。冷媒回収の際に、この液管サービスポート50に冷媒液回収のための液管用チャージホース58が接続される。
【0035】
ガス管止弁48は、一方のポートに室外器ガス管56が接続され、他方のポートにガス管28が接続される。ガス管止弁48に隣接してガス管サービスポート52が設けられる。ガス管サービスポート52は、冷媒回路から冷媒ガスを回収したり、または冷媒ガスを充填したりするときに、外部の回収装置または充填装置と冷媒回路とを繋ぐ接続口である。冷媒回収の際に、このガス管サービスポート52に冷媒ガス回収のためのガス管用チャージホース60が接続される。
【0036】
ガス管止弁48は、室外器ガス管56を挟んで、アキュムレータ40の前段に設けられる。このような配置により、冷媒回収の際に、アキュムレータ40が減圧される。
【0037】
空調装置20の冷媒回収に当たり、冷媒回収装置100、冷媒回収容器102、及びゲージマニホールド104が用いられる。ゲージマニホールド104は、液管サービスポート50及びガス管サービスポート52と冷媒回収装置100とを結ぶ管路の途中に設けられる冷媒マニホールドで、高圧側の圧力計と低圧側の圧力計が設けられる。回収作業者は、圧力計の指示値を見ながら、液管サービスポート50及びガス管サービスポート52と冷媒回収装置100との間の遮断または接続を行う。
【0038】
空調装置20にはガス状の冷媒と液状の冷媒が存在し、大量の液状の冷媒の回収には、周知のプッシュプル回収方法を用いて、液状の冷媒を直接的に冷媒回収容器102に送ることができる。
【0039】
また、冷媒ガスの回収に当たり、冷媒回収装置100は、ゲージマニホールド104を介して、空調装置20から冷媒ガスを受け取る。さらに冷媒回収装置100は受け取った冷媒ガスを圧縮して冷媒回収容器102に送り込む。
【0040】
<加熱装置の構成>
図3、
図4に、本実施形態に係る加熱装置70の斜視図が例示される。
図3では、アキュムレータ40のケーシング41の外表面に接触する接触面が上側となるようなアングルの加熱装置70が図示され、
図4では、これを裏返したアングルの加熱装置70が例示される。
【0041】
加熱装置70は、一軸方向に延設される細長い、略短冊状の形状であって、その延設方向に沿った長軸(図示A軸方向)の一端(後端)に配線71が接続される。配線71が接続された一端(後端)に対向する他端(前端)は、室外機22に加熱装置70を挿入する際の先端部72となる。
【0042】
加熱装置70は、後述するように、アキュムレータ40の下端部に張り付けられる。例えばアキュムレータ40の最下端と室外機22のハウジングの床面との離間距離は10mm以下程度であり、この隙間に加熱装置70が差し込まれる。このことから、加熱装置70の厚さは、例えば10mm以下、望ましくは5mm以下となるように形成される。
【0043】
先端部72は平面視で三角状となっており、長軸(A軸)に対して、これと直交する短軸(B軸)方向(幅方向)の中心に向かって傾斜し、その前端で交わるように形成される。先端部72がこのような形状(尖端形状)を備えることで、後述するように、加熱装置70の、アキュムレータ40への取り付けを容易に行うことができる。
【0044】
また、先端部72が三角形状を備えることで、
図5左側に例示するように、後述する導電膜ヒータ80の前端よりさらに前方に、後述する磁石層73が延長される。
図5右側のように、比較例として示す加熱装置70Aの前端が矩形状であり、その先端部が、導電膜ヒータ80の前端から僅か前方にて終端する場合と比較して、本実施形態に係る加熱装置70は、特に短軸(B軸)方向中央の磁力が強くなる。したがって後述するように、アキュムレータ40に加熱装置70を取り付けたときに、万が一先端部72の前方部分が剥がれても、先端部72の、剥がれた前方部分より後方部分がアキュムレータ40に吸着されていれば、さらにその後方の導電膜ヒータ80の先端部分は、アキュムレータ40から剥がれることが免れる。このように、導電膜ヒータ80の先端部分の確実な吸着を図るために、先端部72には、一対の電極81A,81Bが配置されないことが望ましい。
【0045】
図6には、
図4のアングルの加熱装置70の分解斜視図が例示される。加熱装置70は積層構造であって、導電膜ヒータ80、磁石層73、保護層74、及び滑面層75を備える。
【0046】
加熱装置70は全体として可撓性を備えており、取り付け先のアキュムレータ40の形状に沿って変形可能となっている。例えば加熱装置70を構成する各層が可撓性を備えており、その積層体である加熱装置70も可撓性を備える。
【0047】
導電膜ヒータ80は層状のヒータであって、一対の電極81A,81B、導電膜82、サーモスタット83、電流センサ84(
図7参照)、遮断器85、制御部86、及び差込プラグ87を備える。差込プラグ87をソケット89に差し込むことで、商用電源90から導電膜ヒータ80に電力が供給される供給回路が形成される。
【0048】
なお、
図6では単一の導電膜ヒータ80が図示されているが、一個の加熱装置70に、複数の導電膜ヒータ80(導電膜ヒータユニット)を設けてもよい。このようにすることで、仮に一個の導電膜ヒータユニットの導電膜82が破損して導通が遮断されたときでも、他の導電膜ヒータユニットにより加熱が維持される。
【0049】
一対の電極81A,81Bは、軸短方向(B軸方向)に隔離するとともに軸長方向(A軸方向)に延在する。この一対の電極81A,81Bの間に導電膜82が設けられる。つまり一対の電極81A,81Bは導電膜82によって電気的に接続される。
【0050】
導電膜82は、例えば酸化インジウム(In
2O
3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO
2)等の金属酸化物から構成される。この導電膜82に、商用電源90を含む供給回路から電流を供給すると、導電膜82が有する抵抗に伴って導電膜82が発熱(加熱)される。
【0051】
導電膜82は、その全面に亘って導電性を有しており、例えば
図8に例示するように、導電膜82の一部に亀裂88が生じても、残りの部分により、電極81A,81B間の導通が維持される。導電膜82は、従来の電線と比較して導電膜82の幅が広いため、アキュムレータ40の形状に追従するよう変形した場合においても導通が遮断されるような破損には至り難い構造となっており、適切な加熱を確保することが可能となる。このように本実施形態では、ヒータの導電体を導電膜82から構成することで、加熱装置70の導電体の一部が損傷しても、加熱効果が持続可能となる。
【0052】
図7を参照して、サーモスタット83は、導電膜82の任意の領域上に配置される。サーモスタット83は、導電膜ヒータ80の温度を検出する検出部であるとともに、当該温度が所定値を超えた場合に、供給回路による電力供給を抑制、遮断する遮断器としても機能する。
【0053】
サーモスタット83は、熱検出面が導電膜82に接触するように配置される。またサーモスタット83は、導電膜82の、アキュムレータ40のケーシング41に面する表面とは対向する裏面に配置される。裏面にサーモスタット83が配置されることで、加熱装置70の表面に、サーモスタット83による凹凸が形成されなくて済む。つまり加熱装置70の表面をフラットに(平坦面に)構成できる。そのため、サーモスタット83が配置された領域を含む全表面を、アキュムレータ40のケーシング41に接触させることができる。
【0054】
サーモスタット83は、導電膜ヒータ80の一対の電極81A,81Bに電力を供給する供給回路上に設けられる。例えばサーモスタット83の、軸短方向(B軸方向)の幅は、一対の電極81A,81B間の離間距離より短いことが望ましい。また、サーモスタット83の軸端方向(B軸方向)の幅は、軸長方向(A軸方向)の幅よりも短くなるように配置することが望ましい。後述するように、磁石層73の、サーモスタット83と重なる領域はくり貫かれ、磁力が及ばない領域となる。当該領域を小さく、つまり一対の電極81A,81B間の離間距離より短くすることで、磁石層73による吸着力の低下を抑制できる。また、磁石がくり貫かれることによるサーモスタット83周辺部の磁石層73の強度低下による導電膜82の割れ、亀裂発生を抑制できる。
【0055】
サーモスタット83は、所定の温度以上に加熱されると内部の導通が遮断される。例えばサーモスタット83はバイメタル構造を備えており、当該バイメタル構造が所定の温度(例えば40℃以上)に加熱されると導通状態から遮断状態に切り替わる。このようにして、サーモスタット83を備えることで、導電膜82の過熱が防止される。
【0056】
また、導電膜ヒータ80に電力を供給する供給回路には、供給電流に応じて回路を遮断する機構が設けられる。具体的には、電流センサ84は、供給回路を流れる電流値を計測する。計測された電流値は制御部86に送信される。
【0057】
制御部86は例えばCPUやメモリを備えた回路基板等から構成される。制御部86は、電流センサ84から送られた電流値が所定の閾値未満であるか否かを判定する。電流値が閾値未満である場合、導電膜82の破損が進行している可能性があることから、制御部86は遮断器85を作動させて導通状態から遮断状態に切り替える。これにより供給回路が遮断される。
【0058】
また、上記の電流値判定とサーモスタット83の動作とが干渉しないように、制御フローが構築されていることが望ましい。例えばサーモスタット83が導通状態から遮断状態に切り替わると、供給回路の電流値がゼロになることから、これが電流値判定に反映され、導電膜82が破損したと誤判定されるおそれがある。そこで、サーモスタット83が導通状態である(電流が流れている)ときのみ、電流値判定を行うように、制御部86の制御フローが構築されていることが望ましい。
【0059】
図6を参照し、一対の電極81A,81B、及び導電膜82は、樹脂基板91内に封入されていることが望ましい。樹脂基板91は、例えば一対の電極81A,81B、及び導電膜82を挟むとともにその縁部同士を接合(接着)させたポリイミドシートから構成されてよい。一対の電極81A,81B、及び導電膜82を樹脂基板91内に封入することで、導電膜82の耐候性が向上し、また一対の電極81A,81B、及び導電膜82の耐衝撃性が向上する。
【0060】
導電膜ヒータ80には、磁石層73が積層される。具体的には、導電膜ヒータ80の面のうち、アキュムレータ40のケーシング41に面する表面とは対向する裏面に、磁石層73が積層される。磁石層73は、導電膜ヒータ80、保護層74、及び滑面層75を介して、アキュムレータ40のケーシング41に付着(吸着)する。
【0061】
磁石層73は可撓性を備えており、例えばフェライトを含有させた樹脂バインダーから構成されるマグネットシートや、ネオジム磁石平板シートから構成される。磁石層73の厚みは、例えば1mm程度であってよい。
【0062】
磁石層73の、サーモスタット83と重なる領域は開口されており、ここから、サーモスタット83及びこれに接続された電線等が取り出されて配線71に接続される。
【0063】
磁石層73は、単一部材(いわゆる一枚もの)から構成される。例えば、磁石層73は、サーモスタット83用の開口部を除いた全域(
図6に示す)や、サーモスタット83及びその後方の配線付近を除いた全域に亘って設けられる。言い換えると、サーモスタット83から先端部72までの導電膜ヒータ領域に磁石層73が配置される。このような構成とすることで、例えば磁石を点在させた場合と比較して、加熱装置70の、特に、サーモスタット83と導電膜ヒータ80の、ケーシング41への密着性が高まり、加熱効果が向上する。
【0064】
保護層74は、磁石層73とともに導電膜ヒータ80を狭持するように積層される。つまり保護層74は、導電膜ヒータ80の面のうち、アキュムレータ40のケーシング41に面する表面上に積層される。
【0065】
保護層74は、例えばシリコンシートであることが望ましい。シリコンシートは可撓性であって、導電膜ヒータ80をコーティングする樹脂基板91よりも柔軟性に富む。つまりアキュムレータ40のケーシング41への形状追従性が、シリコンシートによって向上される。
【0066】
また、導電膜ヒータ80には、アキュムレータ40のケーシング41に接する滑面層75が積層される。滑面層75は例えば保護層74上に積層される。滑面層75は例えばポリイミドシートから構成されるシート部材であって、保護層74と比較して表面の摩擦係数が低い材料が用いられる。滑面層75を備えることで、アキュムレータ40のケーシング41上に加熱装置70をスムーズに滑らせ、移動させることができる。
【0067】
なお、導電膜ヒータ80とアキュムレータ40のケーシング41との導通(漏電)を避けるために、保護層74及び滑面層75を異なる色に着色することが望ましい。例えば滑面層75及び保護層74の一部が破損して導電膜ヒータ80がケーシング41に対して露出すると、漏電のおそれがある。保護層74及び滑面層75を異なる色に着色すると、導電膜ヒータ80が露出する前に、滑面層75の破れ箇所から、異なる色の保護層74が露出することとなり、作業者が破れの発生を視認可能となる。したがって、これ以上の破れが進行する前に加熱装置70を補修するなどの対策を採ることができる。
【0068】
<加熱装置を用いた冷媒回収プロセス>
図9、
図10を用いて、本実施形態に係る加熱装置70を用いた、冷媒回収プロセスについて説明する。当該冷媒回収プロセスおいて、加熱装置70を用いた加熱プロセスが実行される。
【0069】
上述したように、冷媒回収中には、ガス管サービスポート52(
図1参照)から冷媒ガスが吸引される。また、液管サービスポート50から冷媒液が吸引される。冷媒ガスの回収に伴い、冷媒回路が減圧される。したがって、冷媒回路内に設けられガス管サービスポート52に隣接するアキュムレータ40が減圧される。この減圧によってケーシング41内に貯留された冷媒液が気化されるが、冷媒液から冷媒ガスに気化する過程でケーシング41内の熱が気化熱として冷媒ガスに奪われる。その結果ケーシング41内の温度が低下して、冷媒液の気化が滞る。そこで本実施形態に係る加熱装置70を用いてケーシング41を加熱することで、冷媒液の気化の停滞を抑制する。
【0070】
図9には、本実施形態に係る冷媒回収プロセスのフローチャートが例示される。当該フローチャートは、例えば冷媒の回収作業者によって実行される。なお、
図9のフローチャートにおいて、ステップS16、S18が、本実施形態に係る加熱プロセスに相当する。
【0071】
冷媒回収に当たり、まず、空調装置20が停止される(S10)。所定時間経過後に、液管サービスポート50に液管用チャージホース58が接続される(S12)。また、ガス管サービスポート52にガス管用チャージホース60が接続される(S14)。
【0072】
さらにケーシング41に加熱装置70が取り付けられる(S16)。冷媒液が貯留するのはケーシング41内部の底部であることから、ケーシング41の半球状の下端部に加熱装置70が取り付けられる。上述したようにケーシング41は例えば鉄等の磁性材料から構成されるため、加熱装置70に積層された(裏張りされた)磁石層73によって、加熱装置70がケーシング41の下端部に張り付く(吸着する)。
【0073】
図2に例示するように、アキュムレータ40は室外機22のやや奥まった位置に設置されており、周辺には図示しない配管や配線等が引き回されている。これらの配管や配線を潜り抜けるようにして加熱装置70をアキュムレータ40のケーシング41の下端部外表面に張り付ける。一旦ケーシング41に加熱装置70を張り付けた後、加熱装置70を前進(
図10のY軸方向に沿って移動)させる。ここで、加熱装置70のケーシング41との接触面には滑面層75が設けられていることから、ケーシング41の外表面上に加熱装置70をスムーズに滑らせることができる。
【0074】
加えて、加熱装置70の前端が先端部72となっていることから、進行方向の先に配管、配線等の障害物が存在するときには、一旦当該障害物に先端部72が当接した後に、これを回避するように進行方向が変更される。例えば
図2に示すように、室外機22のアクセス側から視認できる側から、これに対向して当該アクセス側からは視認できない裏側まで、加熱装置70がケーシング41の外表面に差し入れられる。この際に、先端部72が適宜障害物を避けるようにして進行方向を変更することで、差し入れ(差し込み)がスムーズに行われる。
【0075】
このようにして、加熱装置70をケーシング41の所定の位置(深さ)まで差し入れたのちに、配線71の端部の差込プラグ87(
図7参照)をソケット89に差し込むことで、導電膜ヒータ80が加熱され(S18)、これに伴いケーシング41が加熱される。さらに空調装置20が運転停止状態であることが確認されると、冷媒回収装置100が起動され(S20)、空調装置20から冷媒が引き抜かれる。
【0076】
さらに回収作業者は、ゲージマニホールド104(
図1参照)やその他の計器類を参照して、冷媒回収容器102に回収された冷媒の回収量が、所定の設定値異常となったか否かを判定する(S22)。回収量が設定値未満の場合は、回収作業が継続される(S24)。回収量が設定値以上である場合は、冷媒回収装置100が停止される(S26)。さらに液管サービスポート50から液管用チャージホース58が取り外され(S28)。また、ガス管サービスポート52からガス管用チャージホース60が取り外される(S30)。
【0077】
<本実施形態の別例に係る加熱装置>
図11〜
図13には、本実施形態の別例に係る加熱装置70が例示される。当該加熱装置70は、上記の実施形態と同様に、
図9に示す冷媒回収プロセス及び加熱プロセスにて使用できる。なお、
図11〜
図13において、
図1〜
図10と同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0078】
図11には、
図4と同アングルの、すなわち磁石層73側を上向きとした加熱装置70が例示される。また
図12には、
図5と同様の、つまり、
図11のアングルで加熱装置70の各構成を分解した分解斜視図が例示される。
【0079】
これらの図に示されているように、磁石層73は、複数の磁石層セグメント73A〜73Hから構成される。磁石層セグメント73A〜73Hは、マグネットシートを分割した(小分けにした)ものであって、軸長方向(
図11のA軸方向)に並置される。また、隣り合う磁石層セグメントは、所定の間隔を空けて配置されることが望ましい。
【0080】
このように、磁石層73を、複数の磁石層セグメント73A〜73Hから構成することで、後述するように、アキュムレータ40に加熱装置70を取り付ける際に、加熱装置のアキュムレータ40からの離脱を抑制可能となる。
【0081】
また、磁石層セグメント73A〜73Hは軸長方向に沿って、互いに離間されていることが望ましい。このような離間配置により、隣り合う磁石層セグメント間の熱移動が抑制される。つまり磁石層セグメント73A〜73Hの任意の一つが過熱状態となっても、隣接する他の磁石層セグメントへの熱伝達が抑制される。その結果、当該他の磁石層セグメントの、温度上昇に伴う磁力低下が抑制される。
【0082】
図13には、
図11、
図12で示す加熱装置70が、
図9に示す冷媒回収プロセス及び加熱プロセスにて使用されているときの例が示されている。まず、アキュムレータ40のケーシング41に加熱装置70が取り付けられる。その後、加熱装置70の前進の過程で、先端部72やその他の部位がケーシング41の外表面から離脱するおそれがある。
【0083】
例えば、加熱装置70の前進の過程で、他の部分と比較してケーシング41への密着性が低くなる部分が生じる。このような密着性の低下した部分は、ケーシング41への熱伝達が滞り、当該部分に熱がこもる。その結果、自身の温度が上昇する。温度上昇に伴って上記部分に裏張りされていた磁石層73の磁力が低下し、その結果ケーシング41から離脱する。例えば磁石層73がいわゆる一枚ものである場合には、離脱した部分をきっかけに、その離脱部分の重みによってその周辺部分が引きずられるようにして連続的にケーシング41から離脱する(剥がされる)おそれがある。
【0084】
このような場合に、本実施形態に係る加熱装置70は、
図9に例示するように、磁石層73を、複数の磁石層セグメント73A〜73Hから構成している。したがって、例えば仮に先端部72がケーシング41の外表面から離脱しても、これとは離間され後方にある磁石層セグメント73Gがケーシング41と吸着しているために、離脱の進行が食い止められる。
【0085】
<本実施形態の第一別例に係る導電膜ヒータ>
図14〜
図18には、本実施形態の第一別例に係る導電膜ヒータ80が例示される。当該導電膜ヒータ80は、上記の実施形態と同様に、
図9に示す冷媒回収プロセス及び加熱プロセスにて使用できる。なお、
図14において、
図7と同様の要素には同一の符号が付され、重複する説明が適宜省略される。
【0086】
図14に例示される導電膜ヒータ80には、導電膜82の異常検出を行う回路が設けられる。この異常検出は、導電膜82に電力を供給する回路(つまり供給回路)を流れる電流値Iに応じて行われる。
【0087】
上記供給回路は、商用電源90と導電膜82とを繋ぐ回路であり、商用電源90、電力線96,98、電極81A,81B、及び導電膜82を含む。この供給回路に、遮断器85、変換器94、電流センサ84、制御部86、サーモスタット83が接続される。
【0088】
図14を参照して、差込プラグ87と電極81Aとを繋ぐ電力線96に遮断器85が設けられる。この遮断器85を跨ぐようにして、電力線96に、変換器94、電流センサ84、制御部86が接続される。
【0089】
遮断器85はサーモスタット83とは異なる遮断器であって、通常は接続状態が維持されるが、制御部86の指令に応じて遮断状態に切り替わることが可能となっている。
【0090】
変換器94はいわゆる交流/直流変換器であって、商用電源90から供給される交流電流を直流電流に変換する。変換器94は例えばトランス方式やスイッチング方式の変換器であってよい。
【0091】
電流センサ84は、変換器94によって変換された直流電流の値を検出する。電流センサ84によって検出された電流値Iは制御部86に送信される。
【0092】
制御部86は、供給回路を流れる電流に基づいて導電膜82の異常有無を判定し、異常と判定されたときには供給回路による電力供給を抑制または遮断させる。
【0093】
また、制御部86は、供給回路、つまり、商用電源90と導電膜82とを繋ぐ回路に接続され、当該供給回路から電力が供給される。したがって仮に供給回路の電力供給が遮断されると制御部86が停止される。後述するように、制御部86のこのような特性に基づいて、サーモスタット83による電力遮断時における、制御部86の誤判定が回避可能となる。
【0094】
図15には制御部86のハードウェア構成が例示される。制御部86は例えば従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現可能であって、例えばコンピュータから構成される。当該コンピュータは、
図15に示されるように、CPU86A、RAM86B、ROM86C、ハードディスクドライブ(HDD)86Eを接続したHDDコントローラ86D、及び、通信手段として設けられたネットワークコントローラ86Fを、内部バス86Gに接続して構成される。
【0095】
記憶手段であるROM86Cまたはハードディスクドライブ86Eには、後述する閾値電流値Ith1,Ith2や、
図18にて例示される導電膜異常検出フローを実行可能なプログラムが記憶される。当該プログラムが実行されることで、制御部86には
図16に例示されるような機能ブロックが構築される。
【0096】
図16を参照し、制御部86は、電流比較部86H、指令部86I、及び閾値記憶部86Jを備える。これらの機能部の作用が、
図17、
図18を用いて説明される。
【0097】
図17には、制御部86による、導電膜82の異常検出過程を例示するタイムチャートが例示され、
図18には、同異常検出過程を例示するフローチャートが例示される。この過程では、供給回路の電流値Iに基づいて、導電膜82の異常有無が判定される。例えば導電膜ヒータ80において、導電膜82の一部に亀裂が生じると、導電膜82全体で見て抵抗が上がり、電流値Iが低下する。したがって、この電流値Iの低下に基づいて、導電膜82の異常有無が判定される。
【0098】
図17上段には、サーモスタット83の温度変化グラフが例示される。サーモスタット83は上述したように、導電膜ヒータ80の温度を検出する検出器と、供給回路による電力供給を抑制または遮断する遮断器の機能を備える。
図17上段について、横軸は時間、縦軸は導電膜ヒータ80の温度の代表値である、サーモスタット83の温度が示される。ここで縦軸(温度軸)について、温度Toffはサーモスタット83が接続状態から遮断状態に切り替わるオフ温度値であり、温度Tonはサーモスタット83が遮断状態から接続状態に切り替わるオン温度値である。
【0099】
図17中段には、電流センサ84が計測した電流値Iの時間変化グラフが例示される。同グラフについて、横軸は時間、縦軸は電流値[A]が示される。横軸(時間軸)は
図17上段の横軸と同期される。ここで縦軸(電流軸)について、電流値Ith1は、導電膜82に異常有りと判定される第一の閾値である。
【0100】
また
図17下段には、制御部86のオン/オフの時間変化グラフが例示される。同グラフについて、横軸は時間、縦軸は制御部86のオン/オフが示される。横軸(時間軸)は
図17上段及び中段の横軸と同期される。
【0101】
時刻t0からt1に掛けて、供給回路に電力が供給される。電流値は正常値である一定値が維持される。また、サーモスタット83の温度が徐々に上昇する。時刻t1にてサーモスタット83の温度がオフ温度値Toffに達すると、サーモスタット83が接続状態から遮断状態に切り替わる。これに応じて供給回路の電力供給が遮断される。これに伴い制御部86への電力供給が絶たれて、導電膜82の異常検出判定が中断される。
【0102】
時刻t1からt2に掛けて、サーモスタット83の温度が低下し、時刻t2にてオン温度値Tonに到達すると、サーモスタット83は遮断状態から接続状態に切り替わる。これに伴い制御部86に電力が供給され、導電膜82の異常検出判定が再開される。
【0103】
さらに時刻t3からt4に掛けて、制御部86への電力供給が遮断され、時刻t4には電力供給が再開される。この時刻t4において、つまり制御部86への電力供給の再開時点において、電流センサ84から得られる電流値Iが第一の閾値Ith未満であると、制御部86は導電膜82に異常有りと判定する。さらに制御部86は遮断器85に対して遮断指令を出力し、供給回路の電力供給を抑制または遮断させる(時刻t5)。
【0104】
このように本実施形態では、サーモスタット83の遮断と同時に制御部86への電力供給も遮断されるので、制御部86は、サーモスタット83の接続時、つまり、供給回路から電力が供給されている期間に限り、導電膜82の異常有無判定を行う。言い換えると、サーモスタット83が遮断状態となって供給回路に電力が供給されなくなったときには、制御部86による異常有無判定が中断される。その結果、サーモスタット83の遮断により電流値Iが落ち込んだ際に、(電力供給されない)制御部86は、導電膜82に異常が生じたと判定することが無くなり、誤判定が防止される。
【0105】
図18には、上記異常検出のフローが例示される。なおこのフローは、供給回路から電力が供給されている際に実行され、電力供給が遮断される度に中断される。さらに電力供給が再開されると始点(Start)からフローが実行される。
【0106】
制御部86の電流比較部86Hは、電流センサ84から送られる電流値Iを取得するとともに、閾値記憶部86Jから第一の閾値Ith1を取得し、両者を比較する(S40)。
【0107】
この比較の結果、電流値Iが第一の閾値Ith1以上である場合に、電流比較部86Hは、指令部86Iには信号を送信せずに、電流値Iの監視を継続する(S42)。一方、電流値Iが第一の閾値Ith1未満である場合に、電流比較部86Hは、指令部86Iにその旨の信号を送信する。
【0108】
指令部86Iは、電流比較部86Hからの信号を受けると、遮断器85に対して接続状態から遮断状態に切り替える旨の作動信号を出力する(S44)。
【0109】
<本実施形態の第二別例に係る導電膜ヒータ>
図19、
図20には、本実施形態の第二別例に係る導電膜ヒータ80が例示される。
図19に例示される導電膜ヒータ80は、
図14との差異点として、サーモスタット83が省略される。なお、
図19において、
図14と同様の要素には同一の符号が付され、重複する説明が適宜省略される。
【0110】
図19に示される例では、供給回路にサーモスタット83が接続されていないため、サーモスタット83による電力遮断は生じない。つまり回路上、差込プラグ87がソケット89に差し込まれてから引き抜かれるまで、または、その中途で遮断器85を遮断駆動させるまで、制御部86は電流センサ84が検出する電流値Iを常時監視可能となっている。
【0111】
図20には、第二別例に係る、制御部86による導電膜82の異常検出過程におけるタイムチャートが例示される。なお、この過程におけるフローチャートは、
図18におけるフローチャートが用いられる。上述したように
図18に係るフローチャートは、供給回路から電力が供給されている際に実行される。またこれも上述したように、差込プラグ87がソケット89に差し込まれてから引き抜かれるまで、または、その中途で遮断器85を遮断駆動させる(S44)まで、制御部86は
図18に係るフロー、具体的にはステップS40及びステップS42間のループを、継続的に実行可能となっている。
【0112】
図20を参照して、時刻t10からt11まで、導電膜82が正常状態、つまり亀裂が生じていない状態が示される。さらに時刻t11以降、導電膜82に亀裂が生じ徐々にこれが拡大されることで、電流センサ84が検出する電流値Iが徐々に降下する。例えば、最初に生じた亀裂の周りに電力集中が生じることで劣化が進み、亀裂が拡大される。さらに時刻t12にて、電流比較部86H(
図16参照)により、電流値Iが第一の閾値Ith1未満であると判定される(
図18のS40)と、指令部86Iは、遮断器85に対して接続状態から遮断状態に切り替える旨の作動信号を出力する(S44)。これにより、商用電源90と導電膜82とを繋ぐ供給回路による電力供給が抑制または遮断される。
【0113】
<本実施形態の第三別例に係る導電膜ヒータ>
図21〜
図23には、本実施形態の第三別例に係る導電膜ヒータ80が例示される。
図21に例示される導電膜ヒータ80では、
図14との差異点として、制御部86が、供給回路、すなわち商用電源90と導電膜82を繋ぎ、サーモスタット83及び遮断器85を含む回路とは異なる回路から電力が供給される。なお、
図21において、
図14と同様の要素には同一の符号が付され、重複する説明が適宜省略される。
【0114】
制御部86は、電力線96から分岐され電力線98に接続される電力線97に接続される。
図21に示されるように、電力線97には制御部86以外の機器は接続されておらず、遮断器85、サーモスタット83とは異なる回路に制御部86が設けられる。
【0115】
したがって制御部86は、サーモスタット83が遮断状態であっても、遮断器85が遮断状態であっても、供給回路の電流を監視することが可能となっている。そこで、特にサーモスタット83の遮断による電流降下と、導電膜82の異常発生に伴う電流降下とを切り分けるために、
図22に例示されるような、第二の閾値Ith2が用いられる。
【0116】
図22の上段には、サーモスタットの温度変化グラフが例示される。当該グラフは、
図17上段と同様であるため、説明は省略される。
図22の下段には、電流センサ84が計測し制御部86が受信した電流値Iの時間変化グラフが例示される。同グラフについて、横軸は時間、縦軸は電流値[A]が示される。横軸(時間軸)は
図22上段の横軸と同期される。ここで縦軸(電流軸)について、第一の閾値Ith1に加えて、第二の閾値Ith2が定められる。
【0117】
第二の閾値Ith2は、サーモスタット83の遮断による電流降下と、導電膜82の異常発生に伴う電流降下とを切り分ける閾値であって、第一の閾値Ith1未満であり、かつ、0Aを超過する値が設定される。
【0118】
また
図23には、本実施形態に係る導電膜82の異常検出過程におけるフローチャートが例示される。
図18との差異点として、ステップS40とステップS44の間に、第二の閾値Ith2を用いるステップS46が挿入される。
【0119】
図22の時刻t20からt21に掛けて、制御部86の電流比較部86Hは、電流センサ84から送られる電流値Iを取得するとともに、閾値記憶部86Jから第一の閾値Ith1を取得し、両者を比較する(S40)。この比較の結果、電流値Iが第一の閾値Ith1以上である場合に、電流比較部86Hは、指令部86Iには信号を送信せずに、電流値Iの監視を継続する(S42)。
【0120】
時刻t21において、電流値Iが第一の閾値Ith1未満である場合に、電流比較部86Hは、さらに電流値Iが第二の閾値Ith2を超過するか否かを判定する(S46)。電流値Iが第二の閾値Ith2以下であると、電流比較部86Hは、指令部86Iには信号を送信せずに、電流値Iの監視を継続させる(S42)。
【0121】
時刻t24に至るまで、ステップS40,S42からなるループ(時刻t20〜t21,時刻t22〜t23)と、ステップS40、S46、S42からなるループ(時刻t21〜t22、時刻t23〜t24)が繰り返される。時刻t24において、電流値Iが第一の閾値Ith1未満であり(S40)、かつ、電流値Iが第二の閾値Ith2を超過する場合(S46)、指令部86Iは、遮断器85に対して接続状態から遮断状態に切り替える旨の作動信号を出力する(S44)。これにより、商用電源90と導電膜82とを繋ぐ供給回路による電力供給が抑制または遮断される。
【0122】
なお、
図21〜
図23の例では、第一の閾値Ith1及び第二の閾値Ith2を用いて、導電膜82の異常有無が判定されていたが、第二の閾値Ith2の代わりに、サーモスタット83のリレー信号が用いられてもよい。
【0123】
すなわち、制御部86は、サーモスタット83からリレー信号を受信する。リレー信号とは、例えばサーモスタット83が接続状態(オン状態)のときに所定の正の電圧値となり、遮断状態(オフ状態)のときに0[V]になるような信号を指す。
【0124】
図21〜
図23の例では、電流値Iの低下の原因が、導電膜82の異常発生によるものか、サーモスタット83の遮断によるものかを切り分けるために、第二の閾値Ith2が用いられていたが、これをサーモスタット83から制御部86に送られるリレー信号に代えてもよい。例えば、
図23のステップS46において、制御部86はリレー信号Srを参照して、これが0[V]であれば(Sr=0[V])電流値Iの監視を継続する(S42)。一方、リレー信号Srが0[V]を超過していれば(Sr>0[V])、制御部86は、導電膜82に亀裂等の異常が発生したと判定し、遮断器85を作動させる(S44)。