(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓋部材は、前記ケーシングの上面開口の縁部に設けられた軸を中心として前記開口位置と前記閉止位置との間で回転するようになっている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の荷物受け取り装置。
前記荷物受け取り装置の識別情報および前記荷物受け取り装置の所有者に係る情報のうち少なくともいずれか一方の情報を示すコードが前記載置台の表面に付されており、荷物を配送する飛行体の撮像部により前記コードを読み取り可能となっている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の荷物受け取り装置。
上面に開口が形成されているケーシングと、前記ケーシングの上面開口に位置する上昇位置と、前記ケーシングの内部に位置する下降位置との間で昇降する載置台と、前記ケーシングの上面開口を開く開口位置と、前記ケーシングの上面開口を塞ぐ閉止位置との間で移動する蓋部材とを備えた荷物受け取り装置による荷物受け取り方法であって、
前記載置台が前記上昇位置に位置するとともに前記蓋部材が前記開口位置に位置する初期状態から、前記載置台を前記上昇位置から前記下降位置に移動させる工程と、
前記載置台が前記上昇位置から前記下降位置に移動した後に、前記蓋部材を前記開口位置から前記閉止位置に移動させる工程と、
前記ケーシングの内部に収容されている荷物を取り出そうとするユーザが正当な荷物受取人であると判断したときに、前記蓋部材を前記閉止位置から前記開口位置に移動させる工程と、
を備えた、荷物受け取り方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図9は、本実施の形態に係る荷物受け取り装置を示す図である。このうち、
図1乃至
図3は、それぞれ、本実施の形態による荷物受け取り装置の外観を概略的に示す斜視図であり、
図4乃至
図6は、それぞれ、
図1等に示す荷物受け取り装置の内部構成を示す構成図である。また、
図7は、
図1等に示す荷物受け取り装置の制御系の構成を示す構成図である。また、
図8および
図9は、それぞれ、
図1等に示す荷物受け取り装置に荷物が配送されるときの動作および荷物が取り出されるときの動作を示すフローチャートである。なお、
図1乃至
図9等において、荷物受け取り装置に配送される荷物を参照符号Wで示す。
【0011】
本実施の形態による荷物受け取り装置10は、ドローン等の飛行体90から荷物を受け取るとともに、受け取った荷物を内部に収容するようになっている。また、荷物受け取り装置10の内部に収容された荷物は、特定のユーザしか取り出すことができないようになっている。
【0012】
まず、荷物の配送を行うドローン等の飛行体90について簡単に説明する。飛行体90は荷物配送会社の倉庫等から荷物受け取り装置10に荷物を吊り下げながら配送するようになっている。また、飛行体90には、当該飛行体90の現在位置を検知するためのGPSおよび通信部がそれぞれ設けられており、GPSにより検知された飛行体90の現在位置に係る情報が通信部により荷物配送会社のコンピュータ94(
図7参照)に無線で送信されるようになっている。また、飛行体90にはカメラ等の撮像部が設けられており、当該撮像部により飛行体90の周囲(とりわけ、飛行体90の下方領域)の撮像を行うことができるようになっている。撮像部により撮像された画像データも通信部により荷物配送会社のコンピュータ94に無線で送信されるようになっている。
【0013】
次に、このような飛行体90により配送される荷物を受け取る荷物受け取り装置10の構成について
図1乃至
図7を用いて説明する。
図1乃至
図6、とりわけ
図1および
図4に示すように、本実施の形態による荷物受け取り装置10は、上面に開口12aが形成されている略直方体形状のケーシング12と、ケーシング12の上面開口12aに設けられた載置台22と、載置台22を昇降させる第1駆動部26と、ケーシング12の上面開口12aを閉止するための蓋部材32と、軸34を中心として蓋部材32を回転させる第2駆動部36とを備えている。飛行体90から荷物受け取り装置10に送られた荷物は、この荷物受け取り装置10の載置台22に載置されるようになっている。このような荷物受け取り装置10の各構成要素の詳細について以下に説明する。
【0014】
載置台22は平板状のステージから構成されており、当該載置台22は
図4に示すような上昇位置と
図5に示すような下降位置との間で昇降するようになっている。具体的には、ケーシング12の内壁には、載置台22を案内するためのガイドレール24が配置されており、ガイドレール24はケーシング12の高さ方向に沿って延びている。また、
図7に示すように、荷物受け取り装置10は、ガイドレール24に沿って載置台22を昇降させるアクチュエータ等の第1駆動部26を備えている。そして、第1駆動部26により、載置台22は
図4に示すような上昇位置と
図5に示すような下降位置との間で移動させられるようになる。なお、載置台22が
図4に示すような上昇位置に位置しているときには、当該載置台22の高さレベルはケーシング12の上面開口12aの高さレベルと略同一となる。また、載置台22が
図5に示すような下降位置に位置しているときには、当該載置台22の高さレベルはケーシング12の高さの略半分の高さレベルとなる。このことにより、上昇位置に位置している載置台22に荷物が載置された後、この載置台22が上昇位置から下降位置まで下降すると、載置台22およびこの載置台22に載置されている荷物はケーシング12の内部に収容されるようになる。
【0015】
また、
図1に示すように、載置台22の上面にはバーコードや二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))等のコード22aが付されている。コード22aは、荷物受け取り装置10の識別情報および荷物受け取り装置10の所有者に係る情報を示すようになっている。このようなコード22aがドローン等の飛行体90に設けられたカメラ等の撮像部によって読み取られると、荷物受け取り装置10の識別情報および荷物受け取り装置10の所有者に係る情報が飛行体90により取得される。なお、コード22aは荷物受け取り装置10の識別情報および荷物受け取り装置10の所有者に係る情報の両方を示すものに限定されることはない。荷物受け取り装置10の識別情報および荷物受け取り装置10の所有者に係る情報のうちいずれか一方の情報のみをコード22aが示すようになっていてもよい。
【0016】
また、
図4等に示すように、載置台22には、当該載置台22に荷物が載置されたときにこのことを検知するための重量計等の荷物検知部28が設けられている。なお、荷物検知部28は、載置台22に載置された荷物の重量を検知する重量計に限定されることはない。荷物検知部28として、載置台22に載置された荷物を検知する光学センサやカメラ等が用いられてもよい。
【0017】
蓋部材32は、ケーシング12の上面開口12aを閉止するために用いられるようになっている。より詳細には、蓋部材32は、ケーシング12の上面開口12aと略同一の大きさの板状部材から構成されている。このような蓋部材32は、ケーシング12の上面開口12aの縁部に設けられた軸34を中心として
図4に示すような開口位置と
図6に示すような閉止位置との間で回転するようになっている。また、
図7に示すように、荷物受け取り装置10は、軸34を中心として蓋部材32を回転させるモータ等の第2駆動部36を備えている。そして、第2駆動部36により、蓋部材32は
図4に示すような開口位置と
図6に示すような閉止位置との間で回転させられるようになる。なお、蓋部材32が
図4に示すような開口位置に位置しているときには、当該蓋部材32はケーシング12の外壁の側面に接触するようになる。この場合は、ケーシング12の上面開口12aは開かれるようになる。一方、蓋部材32が
図6に示すような閉止位置に位置しているときには、ケーシング12の上面開口12aが蓋部材32により閉止されるようになる。この場合、荷物が載置された載置台22が下降位置に位置しているときには、載置台22およびこの載置台22に載置されている荷物にケーシング12の外部からアクセスすることができなくなる。
【0018】
図1等に示すように、ケーシング12の前面にはボタン40、モニタ等の表示部42およびカメラ等の撮像部44が設けられている。蓋部材32が閉止位置に位置しておりケーシング12の上面開口12aが蓋部材32によって閉止されている状態において、ユーザによりボタン40が押されたときに、このユーザが正当な荷物受取人であると制御部50により判断されている場合には、蓋部材32が軸34を中心として閉止位置から開口位置に回転し、ケーシング12の上面開口12aが開かれるようになっている。また、ドローン等の飛行体90から荷物受け取り装置10に荷物が配送され、この荷物受け取り装置10の内部に荷物が収容された状態にあるときには、荷物受け取り装置10の内部に荷物が収容されているという情報が表示部42に表示されるようになる。この際に、荷物受け取り装置10から荷物を取り出すことを促す旨のメッセージが表示部42に表示されてもよい。また、荷物受け取り装置10の内部に荷物が収容された日時に係る情報や、荷物受け取り装置10の内部に収容されている荷物の種類に係る情報等が表示部42に表示されてもよい。また、撮像部44はユーザの顔を撮像することにより当該ユーザの顔画像に係る情報を取得するようになっている。
【0019】
次に、荷物受け取り装置10の制御系の構成について
図7を用いて説明する。
図7に示すように、荷物受け取り装置10は、当該荷物受け取り装置10の各構成要素を制御するためのCPU等のプロセッサからなる制御部50を備えている。具体的には、制御部50には、第1駆動部26、第2駆動部36、荷物検知部28、撮像部44、表示部42等が接続されている。載置台22に荷物が載置されたことが荷物検知部28により検知された場合には、載置台22に荷物が載置されたという情報が荷物検知部28から制御部50に送られるようになっている。また、撮像部44により撮像されたユーザの顔画像等の情報が撮像部44から制御部50に送られるようになっている。また、制御部50は第1駆動部26および第2駆動部36に指令信号を送ることによりこれらの第1駆動部26および第2駆動部36を制御するようになっている。また、制御部50は表示部42に表示情報を送ることにより表示部42に表示される内容を制御するようになっている。
【0020】
また、
図7に示すように、制御部50にはメモリ等の記憶部52が接続されている。記憶部52には、荷物受け取り装置10を所持するユーザの顔画像に係る情報を記憶するようになっている。このようなユーザの顔画像は荷物受け取り装置10の設置時等にユーザが登録することができるようになっている。また、荷物受け取り装置10の内部に収容された荷物の履歴等の情報が記憶部52に記憶されるようになっている。また、制御部50には通信部54が接続されている。制御部50は通信部54を介してドローン等の飛行体90、ユーザが所持するスマートフォン等のユーザ端末92、荷物配送会社のコンピュータ94等の外部装置と信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0021】
次に、荷物受け取り装置10を所持するユーザのユーザ端末92(例えば、スマートフォン等)について簡単に説明する。ドローン等の飛行体90により荷物が荷物受け取り装置10に配送され、この荷物が荷物受け取り装置10の内部に収容されると、荷物受け取り装置10の内部に収容されたという情報が荷物受け取り装置10の制御部50から通信部54によりユーザ端末92に送信される。このことにより、ユーザ端末92には荷物受け取り装置10の内部に荷物が収容されたという情報が画面表示または音声によりユーザに報知される。このようにして、ユーザは荷物受け取り装置10の内部に荷物が収容されたことを認識することができるようになる。また、ドローン等の飛行体90によって荷物が荷物配送会社の倉庫等から荷物受け取り装置10に配送される途中で、飛行体90に設けられたGPSにより検知された当該飛行体90の現在位置に係る情報が飛行体90の通信部によりユーザ端末92に送信されたり荷物配送会社のコンピュータ94からユーザ端末92に送信されたりするようになっていてもよい。この場合には、ユーザは荷物が現在どこに位置しているかを知ることができる。また、荷物配送会社のコンピュータ94または荷物受け取り装置10からユーザ端末92に、荷物受け取り装置10の蓋部材32を開くためのキー情報に係るバーコードや二次元コード等のコード情報が送信されるようになっていてもよい。この場合には、ユーザ端末92にバーコードや二次元コード等のコードを表示させ、このコードを荷物受け取り装置10に設けられたカメラ等の撮像部44に読み取らせることにより、ユーザが正当な荷物受取人であるか否かの判断を制御部50により行わせることができるようになる。このようなユーザ端末92の用途の詳細については後述する。
【0022】
次に、このような荷物受け取り装置10に荷物が配送されるときの動作および荷物受け取り装置10から荷物が取り出されるときの動作について
図8および
図9に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示すような動作は、荷物受け取り装置10の制御部50が当該荷物受け取り装置10の各構成要素を制御することにより行われる。
【0023】
まず、荷物受け取り装置10に荷物が配送されるときの動作について
図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、荷物受け取り装置10の初期状態では、
図1および
図4に示すように、載置台22は上昇位置に位置しているとともに蓋部材32は開口位置に位置している。荷物配送会社の倉庫等から荷物がドローン等の飛行体90により取り出されると、荷物配送会社のコンピュータ94または飛行体90からユーザ端末92に、荷物配送会社の倉庫等から荷物が取り出された旨の情報がユーザ端末92に送信される。このことにより、ユーザは荷物の配送が開始されたことを認識することができるようになる。
【0024】
そして、荷物を配送している飛行体90が荷物受け取り装置10に近づくと、この荷物受け取り装置10の載置台22に設けられたバーコードや二次元コード等のコード22aが飛行体90に設けられたカメラ等の撮像部により読み取られる。このことにより、荷物受け取り装置10の識別情報および荷物受け取り装置10の所有者に係る情報が飛行体90により取得される。そして、飛行体90がコード22aを撮像した荷物受け取り装置10が、荷物が配送されるべき荷物受け取り装置10である場合には、飛行体90は通信部により荷物配送指令に係る情報を荷物受け取り装置10に無線で送信する。このことにより、荷物受け取り装置10の制御部50は、通信部54を介して、ドローン等の飛行体90から荷物配送指令を受けとる(STEP1の「YES」)。そして、飛行体90は吊り下げている荷物を荷物受け取り装置10の載置台22に載置する。この際に、荷物が載置台22に置かれたことが重量計や光学センサ等の荷物検知部28によって検知される(STEP2の「YES」)。
【0025】
荷物受け取り装置10の制御部50がドローン等の飛行体90から荷物配送指令を受けとり、かつ荷物が載置台22に置かれたことが荷物検知部28によって検知されると、第1駆動部26により、載置台22は
図4に示すような上昇位置から
図5に示すような下降位置に下降させられる(STEP3)。このことにより、
図2および
図5に示すように、載置台22およびこの載置台22に載置されている荷物はケーシング12の内部に収容される。そして、載置台22が
図5に示すような下降位置に下降させられた後、第2駆動部36により、蓋部材32は
図5に示すような開口位置から
図6に示すような閉止位置に回転させられる。このことにより、ケーシング12の上面開口12aが蓋部材32により塞がれる(STEP4)。この場合には、載置台22およびこの載置台22に載置されている荷物にケーシング12の外部からアクセスすることができなくなる。
【0026】
ケーシング12の上面開口12aが蓋部材32により塞がれると、荷物受け取り装置10の表示部42には荷物が内部に収容されていることが表示される(STEP5)。このことにより、表示部42を見たユーザは荷物受け取り装置10の内部に荷物が収容されていることを認識することができるようになる。また、制御部50は通信部54により荷物受け取り装置10に荷物が配送されたという情報をユーザ端末92に送信する(STEP6)。このことにより、ユーザ端末92には荷物受け取り装置10に荷物が配送されたという情報が表示されるため、ユーザが荷物受け取り装置10から離れていても当該ユーザは荷物受け取り装置10に荷物が配送されたことを認識することができるようになる。なお、荷物受け取り装置10に荷物が配送されたという情報は制御部50によって通信部54により荷物配送会社のコンピュータ94にも送信される。その後、ドローン等の飛行体90は荷物受け取り装置10から荷物配送会社の倉庫等に戻る。
【0027】
次に、
図1等に示す荷物受け取り装置10から荷物が取り出されるときの動作を示すフローチャートである。荷物受け取り装置10から荷物を取り出そうとするユーザは、まず荷物受け取り装置10に近づき、当該荷物受け取り装置10に設けられているカメラ等の撮像部44により顔画像を撮像させる。上述したように、荷物受け取り装置10の記憶部52には、荷物受け取り装置10を所持するユーザの顔画像に係る情報が登録されているため、制御部50は、撮像部44により読み取られた顔画像に基づいて、正当な荷物受取人であるか否かを判断することができるようになる(STEP11)。すなわち、撮像部44により読み取られた顔画像が、記憶部52に記憶されているユーザの顔画像と略一致する場合には、制御部50は正当な荷物受取人であると判断する。
【0028】
そして、荷物受け取り装置10から荷物を取り出そうとするユーザは、ケーシング12の前面に設けられたボタン40を押す。ボタン40が押されたときに、制御部50が正当な荷物受取人であると判断している場合には(STEP11の「YES」)、第2駆動部36により、蓋部材32は
図6に示すような閉止位置から
図5に示すような開口位置に回転させられる。このことにより、ケーシング12の上面開口12aが開かれる(STEP12)。よって、載置台22に載置されている荷物にユーザはケーシング12の外部からアクセスしてこの荷物を取り出すことができるようになる。なお、ユーザがボタン40を押さなくても、ユーザの顔画像が撮像部44により撮像されたときに、この顔画像に基づいて制御部50が正当な荷物受取人であると判断した場合に、蓋部材32が
図6に示すような閉止位置から
図5に示すような開口位置に自動的に回転させられてもよい。
【0029】
ユーザにより荷物受け取り装置10の内部から荷物が取り出されると、荷物が載置台22から取り出されたことが重量計や光学センサ等の荷物検知部28によって検知される(STEP13の「YES」)。そして、荷物が載置台22から取り出されたことが荷物検知部28によって検知されると、第1駆動部26により、載置台22は
図5に示すような下降位置から
図4に示すような上昇位置に上昇させられる(STEP14)。このことにより、荷物受け取り装置10は
図1および
図4に示すような初期状態に戻る。また、荷物受け取り装置10から荷物が取り出されたという情報が制御部50によって通信部54により荷物配送会社のコンピュータ94に送信される(STEP15)。このことにより、荷物配送会社のコンピュータ94は、荷物配送のタスクが完了したと判断する。
【0030】
なお、荷物受け取り装置10に近づいたユーザが正当な荷物受取人であるか否かを制御部50が判断する方法は上述した方法に限定されることはない。他の方法について以下に説明する。まず、ユーザが荷物の配送を荷物配送会社に依頼した際に、荷物受取人のメールアドレス等を登録しておく。また、荷物配送会社のコンピュータ94は、荷物受け取り装置10の蓋部材32を開くためのキー情報を発行する。そして、ドローン等の飛行体90により荷物が荷物受け取り装置10に配送されたときに、飛行体90または荷物配送会社のコンピュータ94から登録された荷物受取人のメールアドレスに、コンピュータ94により発行されたキー情報に係るバーコードや二次元コード等のコード情報が送信される。この場合には、荷物受け取り装置10から荷物を取り出そうとするユーザは、荷物受け取り装置10に近づくとともに所持するユーザ端末92にコードを表示させ、当該荷物受け取り装置10に設けられているカメラ等の撮像部44によりこのコードを撮像させる。そして、制御部50は、撮像部44により読み取られたコードに基づくキー情報が、コンピュータにより発行されたキー情報と略一致する場合には、制御部50は正当な荷物受取人であると判断する。このような態様では、ユーザが荷物の配送を荷物配送会社に依頼した際に、荷物受取人のメールアドレス等として荷物受け取り装置10の所有者以外のユーザのメールアドレス等を登録しておくことにより、荷物受け取り装置10の所有者以外のユーザでも荷物受け取り装置10から荷物を取り出すことができるようになる。
【0031】
以上のような構成からなる、本実施の形態に係る荷物受け取り装置10および荷物受け取り方法によれば、載置台22が上昇位置に位置するとともに蓋部材32が開口位置に位置する初期状態において、ドローン等の飛行体90により配送される荷物が載置台22に載置されると、載置台22を上昇位置から下降位置に移動させ、その後に蓋部材32を開口位置から閉止位置に移動させる。このことにより、飛行体90により配送される荷物を受け取ってケーシング12の内部に収容することができる。より詳細には、載置台22が上昇位置と下降位置との間で昇降可能となっておらず、単にケーシング12の内部に載置台が位置固定で設けられている場合には、飛行体90により配送される荷物がケーシング12の内部にある載置台に載置される際に飛行体90のプロペラ等がケーシング12の上縁に接触して当該飛行体90がバランスを失ったり損傷したりするおそれがある。これに対し、本実施の形態では、ケーシング12の上面開口12aに位置する上面位置に載置台22が位置しているときに飛行体90から荷物が載置台22に載置されるため、飛行体90のプロペラ等がケーシング12に接触することを防止することができるようになる。また、荷物が載置された載置台22を上昇位置から下降位置に移動させた後に蓋部材32を開口位置から閉止位置に移動させることにより、ケーシング12の外部から荷物にアクセスすることを防止することができ、よって防盗性を向上させることができる。また、ケーシング12の上面開口12aが蓋部材32により塞がれるためケーシング12の内部に収容されている荷物が雨で濡れてしまうことを防止することができる。
【0032】
また、本実施の形態に係る荷物受け取り装置10および荷物受け取り方法によれば、上述したように、載置台22が上昇位置に位置するとともに蓋部材32が開口位置に位置する初期状態において、載置台22に荷物が載置されたことが荷物検知部28によって検知されるとともに通信部54を介して外部装置(具体的には、荷物配送会社のコンピュータ94や飛行体90)から荷物配送指令を受け取ったときに、載置台22を上昇位置から下降位置に移動させ、その後に蓋部材32を開口位置から閉止位置に移動させる。この場合には、飛行体90により荷物受け取り装置10に配送された荷物のみを確実にケーシング12の内部に収容させることができる。より詳細には、例えば猫やリス等の小動物が載置台22に乗った場合や載置台22にいたずらで物が置かれ、載置台22に小動物や物が載置されたことが荷物検知部28で検知された場合でも、それだけでは載置台22が上昇位置から下降位置に移動しないため、飛行体90により配送される荷物以外の小動物や物が誤ってケーシング12の内部に収容されてしまうことを防止することができる。また、載置台22に荷物が載置されていないにもかかわらず飛行体90から誤信号が荷物受け取り装置10の通信部54に送信されてしまいこの誤信号に基づいて載置台22が上昇位置から下降位置に移動してしまうことを防止することができる。
【0033】
なお、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。他の態様として、載置台22が上昇位置に位置するとともに蓋部材32が開口位置に位置する初期状態において、載置台22に荷物が載置されたことが荷物検知部28によって検知されたときに、載置台22を上昇位置から下降位置に移動させ、その後に蓋部材32を開口位置から閉止位置に移動させるようになっていてもよい。荷物受け取り装置10がフェンス等で覆われている等、小動物が載置台22に乗ったり載置台22にいたずらで物が置かれたりすることがない場合には、通信部54を介して外部装置(具体的には、荷物配送会社のコンピュータ94や飛行体90)から荷物配送指令を受け取らなくても、載置台22に荷物が載置されたことが荷物検知部28によって検知されるだけで載置台22を上昇位置から下降位置に移動させてもよい。
【0034】
また、更に他の態様として、載置台22が上昇位置に位置するとともに蓋部材32が開口位置に位置する初期状態において、通信部54を介して外部装置(具体的には、荷物配送会社のコンピュータ94や飛行体90)から荷物配送指令を受け取ったときに、載置台22を上昇位置から下降位置に移動させ、その後に蓋部材32を開口位置から閉止位置に移動させるようになっていてもよい。この場合には、重量計や光学センサ等の荷物検知部28の設置を省略することができるようになる。
【0035】
また、飛行体90により配送される荷物が荷物受け取り装置10の載置台22に載置された後、ユーザがスマートフォン等のユーザ端末92により指示を出すことによって載置台22が上昇位置から下降位置に移動するようになっていてもよい。
【0036】
また、本実施の形態に係る荷物受け取り装置10によれば、上述したように、蓋部材32は、ケーシング12の上面開口12aの縁部に設けられた軸34を中心として開口位置と閉止位置との間で回転するようになっている。この場合には、蓋部材32が閉止位置に位置しているときには当該蓋部材32をケーシング12の外壁の側面に接触するようになるため、荷物受け取り装置10の初期状態で蓋部材32が邪魔にならず、荷物受け取り装置10の全体構成をコンパクトなものとすることができるようになる。
【0037】
また、本実施の形態に係る荷物受け取り装置10によれば、上述したように、荷物受け取り装置10の識別情報および荷物受け取り装置10の所有者に係る情報のうち少なくともいずれか一方の情報を示すコード22aが載置台22の表面に付されており、飛行体90の撮像部によりこのコード22aを読み取り可能となっている。この場合には、飛行体90は荷物が配送されるべき荷物受け取り装置10をより確実に特定することができるため、配送している荷物を正確に所定の荷物受け取り装置10の載置台22に載置することができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る荷物受け取り装置10によれば、上述したように、制御部50は、ケーシング12の内部に収容されている荷物を取り出そうとするユーザが正当な荷物受取人であると判断したときに、蓋部材32を閉止位置から開口位置に移動させるよう第2駆動部36を制御する。この場合には、ケーシング12の内部に荷物が収容された後、第三者によりケーシング12の内部から荷物が持ち去られてしまうことを防止することができる。
【0039】
ここで、本実施の形態の荷物受け取り装置10は、撮像部44および記憶部52を更に備え、記憶部52には所定のユーザの顔画像が記憶されている。そして、制御部50は、撮像部44により撮像されたユーザの顔画像が記憶部52に記憶されている所定のユーザの顔画像に略一致したときにケーシング12の内部に収容されている荷物を取り出そうとするユーザが正当な荷物受取人であると判断する。この場合には、荷物受け取り装置10の記憶部52に予め登録されているユーザ(具体的には、例えば荷物受け取り装置10の所有者)しかケーシング12の内部に収容されている荷物を取り出すことができないため、荷物受け取り装置10の防盗性をより向上させることができる。
【0040】
また、別の方法として、本実施の形態の荷物受け取り装置10は、外部装置から少なくとも信号を受け取る通信部54と、蓋部材32を開くためのキー情報を入力するための入力手段とを更に備え、制御部50は、入力手段により入力された蓋部材32を開くためのキー情報が、通信部54により外部装置から受け取った蓋部材32を開くためのキー情報と略一致したときにケーシング12の内部に収容されている荷物を取り出そうとするユーザが正当な荷物受取人であると判断するようになっていてもよい。ここで、入力手段は例えば撮像部44であり、当該撮像部44はユーザが所持するユーザ端末92に表示されるキー情報に係るコードを撮像することにより制御部50にキー情報が入力されるようになる。なお、入力手段は撮像部44に限定されることはない。操作者がキー情報(具体的には、例えば数桁または十数桁の数字やローマ字)を入力するための入力ボタンやタッチパネル等がケーシング12の前面に設けられており、ユーザがキー情報を入力ボタンやタッチパネル等により入力するようになっていてもよい。
【0041】
なお、本発明による荷物受け取り装置や荷物受け取り方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0042】
例えば、
図1等に示す荷物受け取り装置10にビーコン(Beacon、無線信号を半径数十メートル範囲に発信する発信機)が設けられていてもよい。ドローン等の飛行体90による荷物の配送が開始されると、この荷物が配送されるべき荷物受け取り装置10の制御部50は、荷物配送会社のコンピュータ94または飛行体90から荷物配送指令に係る情報を受け取る。荷物受け取り装置10の制御部50が荷物配送指令に係る情報を受け取ると、ビーコンにより無線信号を半径数十メートル範囲に発信する。一方、荷物受け取り装置10およびドローン等の飛行体90にはそれぞれGPSが設けられている。そして、荷物を配送中のドローン等の飛行体90は、この飛行体90に設けられたGPSにより現在位置を把握するとともに、荷物受け取り装置10に設けられたGPSにより荷物の配送先となる荷物受け取り装置10の位置を把握する。そして、飛行体90は、GPSにより把握された飛行体90の現在位置および荷物受け取り装置10の位置に基づいて、荷物を配送すべき荷物受け取り装置10に近づく。荷物受け取り装置10に近づいた飛行体90は、ビーコンから発信されている無線信号を受信することにより、荷物受け取り装置10の正確な位置を知ることができるようになる。そして、飛行体90は、ビーコンから発信されている無線信号に基づいて、吊り下げている荷物を荷物受け取り装置10の載置台22に載置する。このような方法によれば、飛行体90は荷物受け取り装置10の載置台22に荷物をより精度よく配送することができる。
【0043】
また、荷物受け取り装置として
図10および
図11に示すような構成のものが用いられてもよい。
図10および
図11は、本実施の形態による他の例に係る荷物受け取り装置110の構成の外観を概略的に示す斜視図である。
【0044】
変形例に係る荷物受け取り装置110は、上面に開口112aが形成されている略直方体形状のケーシング112と、ケーシング112の上面開口112aに設けられた載置台122と、載置台122を昇降させる第1駆動部(図示せず)と、ケーシング112の上面開口112aを閉止するための蓋部材132と、ガイドレール134に沿って蓋部材132をスライドさせる第2駆動部(図示せず)とを備えている。飛行体90から荷物受け取り装置110に送られた荷物は、この荷物受け取り装置110の載置台122に載置されるようになっている。なお、
図10等に示す荷物受け取り装置110は、
図1等に示す荷物受け取り装置10と異なり、開口112aはケーシング112の上面全体に亘って形成されているのではなく、ケーシング112の上面の一部のみに形成されている。このような荷物受け取り装置110の各構成要素の詳細について以下に説明する。
【0045】
載置台122は平板状のステージから構成されており、当該載置台122は上昇位置と下降位置との間で昇降するようになっている。具体的には、ケーシング112の内壁には、載置台122を案内するためのガイドレール(図示せず)が配置されており、ガイドレールはケーシング112の高さ方向に沿って延びている。また、荷物受け取り装置110は、ガイドレールに沿って載置台122を昇降させるアクチュエータ等の第1駆動部を備えている。そして、第1駆動部により、載置台122は上昇位置と下降位置との間で移動させられるようになる。なお、載置台122が
図10に示すような上昇位置に位置しているときには、当該載置台122の高さレベルはケーシング112の上面開口112aの高さレベルと略同一となる。また、載置台122が下降位置に位置しているときには、当該載置台122の高さレベルはケーシング112の高さの略半分の高さレベルとなる。このことにより、上昇位置に位置している載置台122に荷物が載置された後、この載置台122が上昇位置から下降位置まで下降すると、載置台122およびこの載置台122に載置されている荷物はケーシング112の内部に収容されるようになる。
【0046】
また、
図10に示すように、載置台122の上面にはバーコードや二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))等のコード122aが付されている。コード122aは、荷物受け取り装置110の識別情報および荷物受け取り装置110の所有者に係る情報を示すようになっている。このようなコード122aがドローン等の飛行体90に設けられたカメラ等の撮像部によって読み取られると、荷物受け取り装置110の識別情報および荷物受け取り装置110の所有者に係る情報が飛行体90により取得される。また、載置台122には、当該載置台122に荷物が載置されたときにこのことを検知するための重量計や光学センサ等の荷物検知部(図示せず)が設けられている。
【0047】
蓋部材132は、ケーシング112の上面開口112aを閉止するために用いられるようになっている。より詳細には、蓋部材132は、ケーシング112の上面開口112aと略同一の大きさの板状部材から構成されている。このような蓋部材132は、ガイドレール134に沿って
図10に示すような開口位置と
図11に示すような閉止位置との間でスライドするようになっている。また、荷物受け取り装置110は、ガイドレール134に沿って蓋部材132をスライドさせるアクチュエータ等の第2駆動部を備えている。そして、第2駆動部により、蓋部材132は
図10に示すような開口位置と
図11に示すような閉止位置との間で移動させられるようになる。蓋部材132が
図11に示すような閉止位置に位置しているときには、ケーシング112の上面開口112aが蓋部材132により閉止されるようになる。この場合、荷物が載置された載置台122が下降位置に位置しているときには、載置台122およびこの載置台122に載置されている荷物にケーシング112の外部からアクセスすることができなくなる。
【0048】
図10等に示すように、ケーシング112の前面にはボタン140、モニタ等の表示部142およびカメラ等の撮像部144が設けられている。これらのボタン140、表示部142および撮像部144はそれぞれ
図1等に示すボタン40、表示部42および撮像部44と構成および機能が略同一であるため説明を省略する。
【0049】
また、
図10等に示す荷物受け取り装置110は、
図1等に示す荷物受け取り装置10と同様に、荷物受け取り装置110の各構成要素を制御するためのCPU等のプロセッサからなる制御部(図示せず)を備えている。荷物受け取り装置110の制御部は、荷物受け取り装置10の制御部50と構成および機能が略同一であるため説明を省略する。
【0050】
図10等に示すような荷物受け取り装置110およびこのような荷物受け取り装置110による荷物受け取り方法によれば、載置台122が上昇位置に位置するとともに蓋部材132が開口位置に位置する初期状態(具体的には、
図10に示す状態)において、ドローン等の飛行体90により配送される荷物が載置台122に載置されると、載置台122を上昇位置から下降位置に移動させ、その後に蓋部材132を
図10に示す開口位置から
図11に示す閉止位置にスライドさせる。このことにより、飛行体90により配送される荷物を受け取ってケーシング112の内部に収容することができる。より詳細には、載置台122が上昇位置と下降位置との間で昇降可能となっておらず、単にケーシング112の内部に載置台が位置固定で設けられている場合には、飛行体90により配送される荷物がケーシング112の内部にある載置台に載置される際に飛行体90のプロペラ等がケーシング112の上縁に接触して当該飛行体90がバランスを失ったり損傷したりするおそれがある。これに対し、
図10等に示す荷物受け取り装置110では、ケーシング112の上面開口112aに位置する上面位置に載置台122が位置しているときに飛行体90から荷物が載置台122に載置されるため、飛行体90のプロペラ等がケーシング112に接触することを防止することができるようになる。また、荷物が載置された載置台122を上昇位置から下降位置に移動させた後に蓋部材132を開口位置から閉止位置に移動させることにより、ケーシング112の外部から荷物にアクセスすることを防止することができ、よって防盗性を向上させることができる。また、ケーシング112の上面開口112aが蓋部材132により塞がれるためケーシング112の内部に収容されている荷物が雨で濡れてしまうことを防止することができる。なお、
図10等に示す荷物受け取り装置110では、
図1等に示す荷物受け取り装置10と比較して、蓋部材132をガイドレール134に沿ってスライドさせているため、開口位置に位置している蓋部材132の置き場が必要となり、荷物受け取り装置110を大型化させる必要がある。
【解決手段】荷物受け取り装置10は、上面に開口12aが形成されているケーシング12と、ケーシング12の上面開口12aに位置する上昇位置と、ケーシング12の内部に位置する下降位置との間で昇降する載置台22と、ケーシング12の上面開口12aを開く開口位置と、ケーシング12の上面開口12aを塞ぐ閉止位置との間で移動する蓋部材32と、載置台22が上昇位置に位置するとともに蓋部材32が開口位置に位置する初期状態から、載置台22を下降位置に移動させた後に、蓋部材32を閉止位置に移動させることによって、載置台22に載置された荷物をケーシング12の内部に収容するよう第1駆動部26および第2駆動部36を制御する制御部50とを備えている。