特許第6789504号(P6789504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6789504処理システム,処理方法及び処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6789504
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】処理システム,処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20201116BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20201116BHJP
【FI】
   G06Q10/10 310
   G06Q10/06 302
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-208256(P2019-208256)
(22)【出願日】2019年11月18日
【審査請求日】2019年12月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596166623
【氏名又は名称】株式会社OSK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公子
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−091235(JP,A)
【文献】 特開平09−171529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内手段と、報告手段と、更新手段と、を備える処理システムであって、
前記案内手段が、複数の工程から成る対象業務の進捗が対象工程に進んだ後に、該対象工程を分担する対象ユーザに、該対象工程の作業に用いる作業画面を起動させる起動情報と該対象工程を完了させる第1操作に用いる第1操作要素とを少なくとも含む案内画面を提示し、
前記報告手段が、前記作業を完了させる第2操作に用いる第2操作要素を含む前記作業画面が前記起動情報を用いて起動され、かつ、該作業画面を介して該第2操作要素を用いる該第2操作を受けた後に、所定の報告データを前記更新手段に提供し、
前記更新手段が、前記報告データを受けた後に、前記第1操作要素を用いる前記第1操作を待たずに、前記対象業務の進捗を該対象工程の次の工程に進むように更新する、
処理システム。
【請求項2】
前記報告手段が、第1報告手段と、第2報告手段と、を含み、
前記第1報告手段が、前記第2操作を受けた後に、前記作業の完了を示す作業報告データを前記第2報告手段に提供し、
前記第2報告手段が、前記作業報告データを受けた後に、前記第1操作を待たずに、前記対象工程の完了を示す前記報告データを前記更新手段に提供する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記報告手段が、前記第2操作を受けた後に、前記作業の完了を示す前記報告データを前記更新手段に提供する、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
前記案内手段が、複数種類の作業にそれぞれ対応する複数の工程から成る前記対象業務の進捗が前記対象工程に進んだ後に、前記対象ユーザに前記案内画面を提示する、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の処理システム。
【請求項5】
案内手段と、報告手段と、更新手段と、を備える処理システムによる処理方法であって、
前記案内手段が、複数の工程から成る対象業務の進捗が対象工程に進んだ後に、該対象工程を分担する対象ユーザに、該対象工程の作業に用いる作業画面を起動させる起動情報と該対象工程を完了させる第1操作に用いる第1操作要素とを少なくとも含む案内画面を提示し、
前記報告手段が、前記作業を完了させる第2操作に用いる第2操作要素を含む前記作業画面が前記起動情報を用いて起動され、かつ、該作業画面を介して該第2操作要素を用いる該第2操作を受けた後に、所定の報告データを前記更新手段に提供し、
前記更新手段が、前記報告データを受けた後に、前記第1操作要素を用いる前記第1操作を待たずに、前記対象業務の進捗を該対象工程の次の工程に進むように更新する、
処理方法。
【請求項6】
案内手段と、報告手段と、更新手段と、を処理システムに機能として実現させる処理プログラムであって、
前記案内手段が、複数の工程から成る対象業務の進捗が対象工程に進んだ後に、該対象工程を分担する対象ユーザに、該対象工程の作業に用いる作業画面を起動させる起動情報と該対象工程を完了させる第1操作に用いる第1操作要素とを少なくとも含む案内画面を提示し、
前記報告手段が、前記作業を完了させる第2操作に用いる第2操作要素を含む前記作業画面が前記起動情報を用いて起動され、かつ、該作業画面を介して該第2操作要素を用いる該第2操作を受けた後に、所定の報告データを前記更新手段に提供し、
前記更新手段が、前記報告データを受けた後に、前記第1操作要素を用いる前記第1操作を待たずに、前記対象業務の進捗を該対象工程の次の工程に進むように更新する、
処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システム,処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
事務処理の実行を支援する情報処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のシステムでは、手順通りに事務処理を実行させるため、事前に定義した事務フローの順序どおりに操作を誘導したり、事務フローの説明画面を利用して注意を喚起したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−293329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のシステムは、決裁申請向けに開発されたワークフロー機能を活用して、複数のタスクから成る個人事務を支援する手法である。支援対象の個人事務は複数の者により分担されるものではない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の工程から成る業務の分業を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、案内手段が、複数の工程から成る対象業務の進捗が対象工程に進んだ後に、該対象工程を分担する対象ユーザに、該対象工程の作業に用いる作業画面を起動させる起動情報と該対象工程を完了させる第1操作に用いる第1操作要素とを少なくとも含む案内画面を提示し、報告手段が、前記作業を完了させる第2操作に用いる第2操作要素を含む前記作業画面が前記起動情報を用いて起動され、かつ、該作業画面を介して該第2操作要素を用いる該第2操作を受けた後に、所定の報告データを更新手段に提供し、更新手段が、前記報告データを受けた後に、前記第1操作要素を用いる前記第1操作を待たずに、前記対象業務の進捗を該対象工程の次の工程に進むように更新する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の工程から成る業務の分業が円滑に進行し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システムの主要な特徴の説明図である。(実施形態)
図2】案内画面の主要な特徴の説明図である。(実施形態)
図3】作業画面の主要な特徴の説明図である。(実施形態)
図4】作業画面の主要な特徴の説明図である。(実施形態)
図5】システムのネットワーク構成を例示する。(実施形態)
図6】サーバ装置の電気的構成を例示する。(実施形態)
図7】サーバの機能的構成を例示する。(実施形態)
図8】業務管理情報のデータ構成を例示する。(実施形態)
図9】業務フローの開始手順を例示する。(実施形態)
図10】業務フローの進捗の更新手順を例示する。(実施形態)
図11】自動入力手順を例示する。(実施形態)
図12】データ更新手順を例示する。(実施形態)
図13】データ更新手順を例示する。(変形例1)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.実施形態]
[1−1.概要]
(1)実施形態のシステムの主要な特徴
図1は、実施形態のシステムの主要な特徴を示す。本実施形態は、複数の工程(第1工程110,第2工程120,…,第n工程130)から成る複合的な業務(対象業務)の分業を支援する情報処理システム(実施形態のシステム)に関する。
【0010】
図1に示すように、実施形態のシステムのサーバ(情報処理装置)は、進行中の対象業務において直近に完了した工程の次の工程(対象工程)を担当するユーザ(対象ユーザ)に対象工程を案内し、案内された対象工程が完了した後に対象業務の進捗を更新する、という一連の手順を全ての工程が完了するまで繰り返す。これにより、対象業務の分業が円滑に進行し得る。
【0011】
(2)業務,工程,作業
一の対象業務を構成する複数の工程は、複数種類の要素的な作業にそれぞれ対応していてもよい。換言すれば、対象業務は、同一種類の作業にそれぞれ対応する複数の工程から成る業務を含まなくてもよい。対象業務は、例えば、申請の内容を確認しこれを承認する作業を複数のユーザがそれぞれ行う複数の工程から成る承認系業務を除く、非承認系業務に限定されてもよい。作業の種類は、作業の内容や性質により区分され得る。以下の説明において、一の対象業務を構成する複数の工程(第1工程110,第2工程120,…,第n工程130)は、相互に種類の異なる複数の要素的な作業にそれぞれ対応している。
【0012】
一の対象業務を構成する複数の工程は、全て直列的に連結していてもよいし、並列的に連結する部分を含んでいてもよい。したがって、最初の工程は単数又は複数の後工程のみを有し、最後の工程は単数又は複数の前工程のみを有する。一方、中間の各工程は、単数又は複数の前工程と単数又は複数の後工程との双方をそれぞれ有する。以下の説明では、一の対象業務を構成する複数の工程(第1工程110,第2工程120,…,第n工程130)が直列的に連結している例を示す。
【0013】
なお、ある工程の後工程が複数の場合、複数の後工程(対象工程)をそれぞれ担当する複数の対象ユーザに、各対象ユーザが担当する対象工程をそれぞれ案内するとよい。また、ある工程の前工程が複数の場合、複数の前工程の全てが完了した後に対象業務の進捗を次の工程(対象工程)に更新するとよい。
【0014】
(3)作業,画面,ツール
図2は、案内画面の主要な特徴を示す。一の対象業務を構成する各工程は、当該工程を案内する画面(案内画面200)を介して所定の作業が実施された後に完了するように構成されるとよい。案内画面200は、例えば、対象業務の流れ,各工程の作業の内容等を表示するウィンドウである。
【0015】
所定の作業は、例えば、案内画面200に形成される所定の入力欄(入力欄210,入力欄220)に必要なデータを入力する作業,案内画面に形成される所定の領域(領域241,領域242,領域243)を指定する作業である。領域を指定する作業は、例えば、当該領域にポインタを合わせてクリックする操作又は当該領域をタップする操作である。
【0016】
対象ユーザに案内画面200が提示される場合、当該対象ユーザが担当する対象工程に対応する部分だけが操作可能となるように構成するのが好ましい。また、対象工程より前の工程に対応する領域に、当該工程を担当した他のユーザにより入力されたデータや作業の状況が表示されるように構成するのが好ましい。
【0017】
図3及び図4は、作業画面の主要な特徴を示す。所定の作業は、所定のツール(対象ツール)を用いて実施可能な場合がある。所定のツールは、例えば、案内画面200と異なる画面(作業画面300,作業画面400)を起動させる所定のアプリケーションプログラムである。作業画面300や作業画面400は、例えば、データ入出力のためのウィンドウである。所定のツールは、例えば、案内画面200(図2)に当該ツールを起動させるためのランチャー(ボタン221,ボタン230)を配置することで対象ユーザに案内される。
【0018】
所定のツールは、作業画面を介して入力されたデータを所定の出力先に出力して当該出力先に所定の処理を実行させる。所定の出力先は、例えば、作業画面300や作業画面400を表示させている装置の内外の機能手段(以下「WF外機能」という。)である。所定の処理は、例えば、データ検索処理,データ更新処理である。所定のツールは、案内画面200を介してなされる所定の作業を代行し又は代替することができる。
【0019】
作業画面300(図3)は、検索条件が入力される領域310と検索結果が表示される領域320を含む。領域310に検索条件が入力され、ボタン311が指定されると、検索条件がデータ検索手段(所定の出力先)に出力され、データ検索処理(所定の処理)の実行が依頼される。データ検索処理が完了すると、検索手段から返答された検索結果が領域320に表示される。検索結果に含まれるいずれかの項目が選択された状態で、領域330が指定されると、領域320における選択項目が戻り値として出力される。出力された戻り値は、例えば、案内画面200(図2)の入力欄222に自動的に入力される。自動入力が正常に完了すると、画面300が消去される。
【0020】
作業画面400(図4)は、データが入力される領域410を含む。領域410にデータが入力され、ボタン420が指定されると、領域410に入力されたデータがデータ更新手段(所定の出力先)に出力され、データ更新処理(所定の処理)の実行が依頼される。データ更新処理が完了すると、処理結果が戻り値として出力される。出力された戻り値に応じ、例えば、案内画面200(図2)の領域243が指定可能に活性化される。活性化が正常に完了すると、画面400が消去される。
【0021】
[1−2.ネットワーク構成]
図5は、実施形態のシステムのネットワーク構成を例示する。図5に例示されるように、実施形態のシステムは、ユーザが使用するユーザ端末10と、業務システムのサーバ20と、外部システムのサーバ30と、を含む。サーバ20はデータベース21にアクセス可能である。サーバ30はデータベース31にアクセス可能である。
【0022】
ユーザ端末10とサーバ20及びサーバ30とは、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。サーバ20とサーバ30とは、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。通信ネットワーク40は、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)等の既存のネットワークのうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0023】
[1−2−1.ユーザ端末]
ユーザ端末10は、所定プログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。本実施形態のシステムでは、ユーザ装置として、汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)や汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)を用いることができる。
【0024】
[1−2−2.業務システム]
業務システムは、サーバ20とデータベース21を含む。サーバ20は、所定プログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データベース21は、所定データを記憶する記憶装置を含む。サーバ20は、要求元から取得したデータをデータベース21に記憶させる。また、サーバ20は、要求(リクエスト)に応じてデータベース21に記憶されるデータを検索し、処理結果を要求元に提供(レスポンス)する。
【0025】
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、サーバ20の機能を分担させ又はサーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。また、複数の記憶装置を用意し、データベース21が記憶するデータの種類ごとに別々に記憶させてもよい。またデータベース21が記憶するデータを複数の記憶装置に分散配置することも可能である。
【0026】
[1−2−3.外部システム]
外部システムは、サーバ30とデータベース31を含む。サーバ30は、所定プログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データベース31は、所定データを記憶する記憶装置を含む。サーバ30は、要求元から取得したデータをデータベース31に記憶させる。また、サーバ30は、要求(リクエスト)に応じてデータベース31に記憶されるデータを検索し、処理結果を要求元に提供(レスポンス)する。
【0027】
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、サーバ30の機能を分担させ又はサーバ30にかかる負荷を分散させてもよい。また、複数の記憶装置を用意し、データベース31が記憶するデータの種類ごとに別々に記憶させてもよい。またデータベース31が記憶するデータを複数の記憶装置に分散配置することも可能である。
【0028】
[1−3.業務システムの構成]
[1−3−1.電気的構成]
図6は、サーバ装置の電気的構成を例示する。典型的なサーバ装置は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置610と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置620と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置630と、マウスやキーボードを含む入力装置640と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置650と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置660と、を有する。
【0029】
主記憶装置620、補助記憶装置630、入力装置640、出力装置650及び通信制御装置660は、バスラインを介して制御処理装置610とそれぞれ接続される。制御処理装置610は、(1)補助記憶装置630に記憶されたプログラムを主記憶装置620上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置640と補助記憶装置630と通信制御装置660との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置630と出力装置650と通信制御装置660との少なくともいずれかに提供する。
【0030】
[1−3−2.機能的構成]
図7は、サーバの機能的構成を例示する。図7に例示されるように、サーバ30は、設定部710と、案内部720と、更新部730と、を有する。サーバ30の機能は、サーバ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作する所定プログラムがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。設定部710,案内部720,更新部730はそれぞれ、制御処理装置610と通信制御装置660を含んで構成される。
【0031】
サーバ装置向けOS及びサーバ装置にインストールされるべき所定プログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給されてもよいし、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)等の記録媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に読み込まれてもよい。
【0032】
設定部710は、ユーザ端末10からの求めに応じて、対象業務の業務フローを開始する。対象業務の業務フローは、相互に種類の異なる複数の要素的な作業にそれぞれ対応する複数の工程から成る業務を定義し、当該各工程をそれぞれユーザに割り当てる処理(開始処理)を経て開始される。業務の定義は、個別に実施されてもよいし、事前に定義されているフォームを利用して実施されてもよい。担当の割当ては、事前に定義されているルート情報を適用して割り当てることができる。ルート情報は、予めフォームに関連付けられていてもよい。
【0033】
ルート情報では、各工程を担当する個人が指定されていてもよいし、各工程を担当する部署や役職が指定されていてもよいし、これらが混在していてもよい。特定の工程に部署や役職が指定されている場合、開始処理時に当該部署に在籍し又は当該役職に就いている単数のユーザが当該工程に確定的に割り当てられてもよいし、当該部署に在籍し又は当該役職に就いている複数のユーザが当該工程に選択的に割り当てられてもよい。
【0034】
案内部720は、対象業務の進捗に応じ、対象業務を分担する対象ユーザに当該対象ユーザが担当する対象工程と対象ツールを案内する。例えば、案内部720は、対象業務の進捗がある工程に進んだ後に、当該工程を担当する対象ユーザに当該工程を案内する。
【0035】
更新部730は、対象ユーザに案内された対象工程が完了した後(例えば、対象ユーザによる案内画面200(図2)に対する操作(例えば、領域243を指定する操作)に基づく対象工程の完了報告を受領した後)に対象業務の進捗を更新する。更新部730は、特に、対象ユーザに案内された対象ツールを用いた作業が実施された後に対象業務の進捗を更新するように構成してもよい。
【0036】
[1−3−3.データ構成]
図8は、業務管理情報のデータ構成を例示する。図8(a)に例示するように、業務管理情報は、対象業務を特定可能な「業務ID」(キー項目)と、当該対象業務の開始処理時に利用されたフォームを特定可能な「フォームID」と、当該対象業務の開始処理時に適用されたルート情報を特定可能な「ルートID」と、当該対象業務を構成する工程の数を示す「工程数」と、未完了の工程のうち最先の工程を示す「進捗」と、有意である場合に当該対象業務が完了したことを示す「業務完了フラグ」と、を含む。
【0037】
図8(b)に例示するように、工程管理情報は、対象業務の工程を特定可能な「業務ID」及び「工程ID」(キー項目)と、当該工程の担当者を特定可能な「担当者ID」と、有意である場合に当該工程の担当者への案内が完了したことを示す「案内完了フラグ」と、有意である場合に当該工程の作業が完了したことを示す「作業完了フラグ」と、を含む。
【0038】
[1−4.情報処理手順]
[1−4−1.業務フローの開始手順]
図9は、業務フローの開始手順を例示する。ステップS905では、ユーザ端末10が、フォームの選択情報をサーバ20に送信する。フォームの選択肢は、例えば、業務手順の一覧画面,業務手順の検索結果の表示画面等の形式でユーザに提示され得る。
【0039】
ステップS910では、サーバ20が、選択されたフォームを読み出す。ステップS915では、サーバ20が、フォーム情報をユーザ端末10に提供する。ステップS920では、ユーザ端末10が、フォームを表示する。ステップS925では、ユーザ端末10が、業務フローを開始させるユーザの作業に基づく作業情報をサーバ20に送信する。
【0040】
ステップS930では、サーバ20が、業務フローを開始する。サーバ20は、例えば、業務管理情報(図8(a))を生成し、データベース31に登録する。このとき、「フォームID」は選択されたフォームに対応する値、「ルートID」は当該フォームに予め対応付けられているルート情報に対応する値、「工程数」は当該フォームにおいて定義されている工程の数、「進捗」は最初の工程に対応する値である。
【0041】
また、サーバ20は、例えば、「工程数」に対応する分だけ工程管理情報(図8(b))を生成し、データベース31に登録する。このとき、「担当者ID」はルート情報により割り当てられるユーザに対応する値である。ステップS935では、サーバ20が、業務フローが開始され、第1工程の作業が完了した旨をユーザ端末10に通知する。
【0042】
[1−4−2.業務フローの進捗の更新手順]
(1)手動で入力し、対象工程を手動で完了させる
図10は、業務フローの進捗の更新手順を例示する。ステップS1005では、サーバ20が、業務フローの進捗が更新された旨をユーザ端末10に通知する。通知の態様は任意である。通知は、例えば、電子メールで送信されるとよい。通知は、例えば、案内画面をリクエストさせるリンク情報を含むとよい。
【0043】
ステップS1010では、ユーザ端末10が、通知に含まれるリンク情報を用いて案内画面の表示要求をサーバ20に送信する。ステップS1015では、サーバ20が、表示要求に係る案内画面を表示するための案内画面情報をユーザ端末10に提供する。このとき、工程管理情報(図8(b))の「案内完了フラグ」が案内済を示すように更新される。ステップS1020では、ユーザ端末10が、案内画面を表示させる。案内画面は、例えば、案内画面200(図2)である。
【0044】
ステップS1025では、ユーザ端末10が、案内画面を介して入力を受け付ける。例えば、案内画面200(図2)に対応する対象業務の第1工程が対象ユーザに案内された場合、入力欄210への入力が受け付けられる。ステップS1030では、ユーザ端末10が、案内画面を介して完了操作を受け付ける。例えば、案内画面200(図2)に対応する対象業務の第1工程が対象ユーザに案内された場合、領域243の指定操作が受け付けられる。ステップS1035では、ユーザ端末10が、作業情報をサーバ20に送信する。作業情報は、作業が完了したことを示すデータを含む。作業情報は、さらに、入力を受け付けたデータを含んでいてもよい。
【0045】
ステップS1040では、サーバ20が、対象業務の進捗を更新する。サーバ20は、例えば、工程管理情報(図8(b))の「作業完了フラグ」が作業完了を示すように更新する。また、サーバ20は、例えば、業務管理情報(図8(a))の「進捗」を更新する。具体的には、当該工程が最後の工程でない場合は、「進捗」が次の工程に対応する値になるように更新するとよい。一方、当該工程が最後の工程である場合は、「業務完了フラグ」が業務完了を示すように更新するとよい。
【0046】
ステップS1045では、サーバ20が、対象工程の作業が完了した旨をユーザ端末10に通知する。ステップS1050では、ユーザ端末10が、ステップS1020で表示させた案内画面を消去する。
【0047】
(2)対象ツールで自動的に入力し、対象工程を手動で完了させる
図11は、自動入力手順を例示する。図11の手順は、戻り値による自動入力が可能な対象ツールが案内された場合の作業手順である。図11の手順は、図10のステップS1020とステップS1025の間で進行し得る。
【0048】
ステップS1105では、ユーザ端末10が、案内画面に含まれるリンク情報(ランチャー)を用いて作業画面の表示要求をWF外機能に送信する。ステップS1110では、WF外機能が、表示要求に係る作業画面を表示するための作業画面情報をユーザ端末10に送信する。ステップS1115では、ユーザ端末10が、作業画面を表示させる。作業画面は、例えば、作業画面300(図3)である。
【0049】
ステップS1120では、ユーザ端末10が、作業画面300の領域310に入力された検索条件を含む検索要求をWF外機能に送信する。ステップS1125では、WF外機能が、検索条件を満たすデータを検索する。ステップS1130では、WF外機能が、検索結果をユーザ端末10に提供する。検索結果は作業画面300の領域320に表示される。
【0050】
ステップS1135では、ユーザ端末10が、作業画面を介して入力を受け付ける。例えば、作業画面300の領域320に表示される検索結果の項目からいずれかを選択する操作の入力が受け付けられる。ステップS1140では、ユーザ端末10が、作業画面を介して完了操作を受け付ける。例えば、作業画面300の領域320においていずれかが選択されている状態で、領域330を指定する操作が受け付けられる。
【0051】
ステップS1145では、ユーザ端末10が、作業画面を介して実施された処理の戻り値を案内画面に受け渡す。例えば、案内画面200(図2)に対応する対象業務の第2工程が対象ユーザに案内され、ボタン221の指定操作により対象ツールが起動され作業画面300(図3)が表示された場合において、領域330の指定操作が受け付けられたとき、領域320において選択された項目を示すデータが戻り値として返戻される。返戻された戻り値は、案内画面200(図2)の入力欄222に自動的に入力される。ステップS1150では、ユーザ端末10が、ステップS1115で表示させた作業画面を消去する。
【0052】
(3)対象ツールでデータを更新させ、対象工程を手動で完了させる
図12は、データ更新手順を例示する。図12の手順は、データ更新が可能な対象ツールが案内された場合の作業手順である。図12の手順は、図10のステップS1020とステップS1030の間で進行し得る。この場合、ステップS1025は、省略され得る。
【0053】
ステップS1205では、ユーザ端末10が、案内画面に含まれるリンク情報(ランチャー)を用いて作業画面の表示要求をWF外機能に送信する。ステップS1210では、WF外機能が、表示要求に係る作業画面を表示するための作業画面情報をユーザ端末10に提供する。ステップS1215では、ユーザ端末10が、作業画面を表示させる。作業画面は、例えば、作業画面400(図4)である。
【0054】
ステップS1220では、ユーザ端末10が、作業画面を介してデータ入力を受け付ける。例えば、作業画面400の領域410へのデータ入力が受け付けられる。ステップS1225では、ユーザ端末10が、領域410に入力されたデータを含むデータ更新要求をWF外機能に送信する。例えば、領域420を指定する操作に応じてデータ更新要求が送信される。ステップS1230では、WF外機能が、データ更新要求に応じてデータを更新する。ステップS1235では、WF外機能が、データ更新が完了した旨をユーザ端末10に通知する。ステップS1240では、ユーザ端末10が、ステップS1215で表示させた作業画面を消去する。
【0055】
[2.変形例:対象ツールでデータを更新させ、対象工程を自動で完了させる]
上記実施形態では、対象ツールが起動され案内画面(例えば、案内画面200(図2))が表示されるウィンドウと別のウィンドウに表示される作業画面(例えば、作業画面400(図4))を介して作業が実施されるだけでは、対象工程が完了にならない。すなわち、対象工程を完了させるには、作業画面が消去された後に、案内画面に対する完了操作が実施される必要がある。そのため、操作漏れ等に起因して、対象業務の進捗が更新されない事態が発生し得る。変形例1,2では、対象ツールでデータが更新された後に、対象工程を自動で完了させるように構成される。
【0056】
[2−1.変形例1:対象ツールに仕込む]
(1)機能
案内部720は、作業完了時に対象工程の完了を直接的に又は間接的に報告させる機能を有する対象ツールを案内してもよい。この場合、更新部730は、対象ユーザによる作業画面400(図4)に対する操作に基づく対象工程の完了報告を受領した後に対象業務の進捗を更新するとよい。以下では、間接的に報告させる例を説明する。
【0057】
(2)業務フローの進捗の更新手順
図13は、データ更新手順の変形例を例示する。図13の手順は、データ更新が可能な対象ツールが案内された場合の作業手順である。図13の手順は、図10のステップS1020とステップS1035の間で進行し得る。この場合、ステップS1025からステップS1030までは、省略され得る。ステップS1305からステップS1335までは、図12の更新手順におけるステップS1205からステップS1235までとそれぞれ同様である。
【0058】
ステップS1340では、ユーザ端末10が、作業画面を介して実施された処理の結果を案内画面側の処理に受け渡す。例えば、案内画面200(図2)に対応する対象業務の第3工程が対象ユーザに案内され、ボタン230の指定操作により対象ツールが起動され作業画面400(図4)が表示された場合において、領域420の指定操作が受け付けられ、データ更新処理が完了した旨の通知をWF外機能から受けたとき、対象ツールを用いた作業が完了したことを示す戻り値が返戻される。
【0059】
このとき、案内画面側の処理は、返戻された戻り値に応じて、対象工程を完了させる。具体的には、案内画面200(図2)において領域243が指定された場合と同様のイベントを発生させ、作業情報がサーバ20に送信される(ステップS1035)。なお、ステップS1345では、ユーザ端末10が、ステップS1315で表示させた作業画面を消去する。
【0060】
以上により、対象工程の作業を完了させる操作が対象工程を完了させる操作を兼ねることになり、対象業務の進捗が更新されずに停滞する事態の発生を抑制することができる。
【0061】
[2−2.変形例2:WF外機能と連携する]
更新部730は、対象ツールを用いた作業の情報を受領した装置から対象工程の完了報告を受領した後に対象業務の進捗を更新してもよい。例えば、対象業務がWF外機能にデータを更新させる作業を含む場合、サーバ20がユーザ端末10に案内画面情報を提供するステップ(図10のS1015)の前後に、当該作業の情報をWF外機能に提供する。これを受けて、WF外機能は、当該作業が完了した後に、当該作業が完了した旨をサーバ20に通知するとよい。
【0062】
以上により、対象工程の作業を完了させる操作がなされると対象工程が自動的に完了し対象業務の進捗が自動的に更新されるようになる。したがって、対象業務の進捗が更新されずに停滞する事態の発生を確実に抑制することができる。例えば、サーバ20がWF機能とWF外機能を有する場合に、これらを裏側で連携させることで、複数の工程から成る業務の分業をより円滑に進行させることが可能になる。
【0063】
[3.付記]
[3−1.概要]
本発明は、複数の工程から成る業務の進捗に応じ当該業務を分担するユーザに当該ユーザが担当する工程を案内し、案内された当該工程が完了した後に当該業務の進捗を更新する。これにより、複数の工程から成る業務の分業が円滑に進行し得る。
【0064】
[3−2.主要な形態]
本発明は、少なくとも下記の形態を包含する。
〔A〕複数の工程から成る対象業務の進捗に応じ、該対象業務を分担する対象ユーザに該対象ユーザが担当する対象工程を案内する案内手段と、前記対象ユーザに案内された前記対象工程が完了した後に前記対象業務の進捗を更新する更新手段と、を備える情報処理装置。
〔B〕複数の工程から成る対象業務の進捗に応じ、該対象業務を分担する対象ユーザに該対象ユーザが担当する対象工程を案内する案内段階と、前記対象ユーザに案内された前記対象工程が完了した後に前記対象業務の進捗を更新する更新段階と、を含む、コンピュータの制御方法。
〔C〕複数の工程から成る対象業務の進捗に応じ、該対象業務を分担する対象ユーザに該対象ユーザが担当する対象工程を案内する案内機能と、前記対象ユーザに案内された前記対象工程が完了した後に前記対象業務の進捗を更新する更新機能と、をコンピュータに実現させる制御プログラム。
〔D〕複数の工程から成る対象業務の進捗に応じ、該対象業務を分担する対象ユーザに該対象ユーザが担当する対象工程を案内する案内機能と、前記対象ユーザに案内された前記対象工程が完了した後に前記対象業務の進捗を更新する更新機能と、をコンピュータに実現させる制御プログラムを記録する記録媒体。
【0065】
[3−3.主要な限定]
上記〔A〕の「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御方法」,上記〔C〕の「制御プログラム」及び上記〔D〕の「記録媒体」にそれぞれ加えてもよい。
(1)前記案内手段が、複数種類の作業にそれぞれ対応する複数の工程から成る前記対象業務の進捗が前記対象工程に進んだ後に、前記対象ユーザに前記対象工程を案内する。これにより、複数種類の一連の作業が円滑に進行し得る。
(2)前記案内手段が、前記対象工程に対応する作業に用いる対象ツールをさらに案内し、前記更新手段が、前記対象ユーザに案内された前記対象ツールを用いた作業が実施された後に前記対象業務の進捗を更新する。これにより、ツールを用いる作業が迅速に開始され得る。
(3)前記案内手段が、前記対象工程の案内画面と異なる作業画面を起動させる前記対象ツールを案内する。これにより、別画面での作業が円滑に開始され得る。
(4)前記更新手段が、前記対象ユーザによる前記案内画面に対する操作に基づく前記対象工程の完了報告を受領した後に前記対象業務の進捗を更新する。これにより、ツールを用いる作業の完了が確実に把握され得る。
(5)前記案内手段が、作業完了時に前記対象工程の完了を報告させる機能を有する前記対象ツールを案内し、前記更新手段が、前記対象ユーザによる前記作業画面に対する操作に基づく前記対象工程の完了報告を受領した後に前記対象業務の進捗を更新する。これにより、ツールを用いる作業の完了が迅速に把握され得る。
(6)前記更新手段が、前記対象ツールを用いた作業の情報を受領した装置から前記対象工程の完了報告を受領した後に前記対象業務の進捗を更新する。これにより、ツールを用いる作業の完了が確実に把握され得る。
【符号の説明】
【0066】
10 ユーザ端末
20 サーバ(情報処理装置の一例)
21 データベース
30 サーバ
31 データベース
40 通信ネットワーク
200 案内画面
300 作業画面
400 作業画面

【要約】
【課題】複数の工程から成る業務の分業を支援する。
【解決手段】本発明の一形態である情報処理装置(例えば、サーバ20)は、複数の工程から成る対象業務の進捗に応じ、該対象業務を分担する対象ユーザに該対象ユーザが担当する対象工程を案内する案内手段(例えば、案内部720)と、前記対象ユーザに案内された前記対象工程が完了した後に前記対象業務の進捗を更新する更新手段(例えば、更新部730)と、を備える。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13