(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
顔料が、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4及びC.I.ピグメントブルー15:6からなる群から選ばれる一種以上である請求項5に記載の着色組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のカラーフィルター用着色組成物(以下、単に「着色組成物」ともいう)は、前記式(1)で表されるキサンテン化合物及び前記式(2)で表されるトリアリールメタン化合物を含有する。
【0017】
式(1)中、R
1及びR
2は、水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基又は炭素数6乃至10の芳香族炭化水素基を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基及び炭素数6乃至10の芳香族炭化水素基がそれらの構造中に有する水素原子は置換基で置換されていてもよい。
尚、本明細書では、構造中に有する水素原子が置換されていない「アルキル基」及び「芳香族炭化水素基」を、それぞれ「無置換のアルキル基」及び「無置換の芳香族炭化水素基」と記載する。
【0018】
式(1)のR
1及びR
2が表す炭素数1乃至10のアルキル基は、炭素数1乃至10のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso―プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、シクロへプチル基及びシクロオクチル基等が挙げられる。
【0019】
式(1)のR
1及びR
2が表す炭素数1乃至10のアルキル基が有してもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等)、シアノ基、アミド基(例えば、アセトアミド基、エチルカルボキサミド基、n−プロピルカルボキサミド基及びi−プロピルカルボキサミド基等)及びフェニル基(例えば、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2,6−ジプロピルフェニル基等)等が挙げられる。
【0020】
式(1)のR
1及びR
2が表す炭素数1乃至10のアルキル基としては、フェニル基を有する炭素数1乃至10のアルキル基又は無置換の炭素数1乃至10のアルキル基であることが好ましく、フェニル基を有する炭素数1乃至4のアルキル基又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることがより好ましく、R
1及びR
2の両者が同一のフェニル基を有する炭素数1乃至4のアルキル基又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基あることが更に好ましく、R
1及びR
2の両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましい。
【0021】
式(1)R
1及びR
2が表す炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基は、炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基であればその縮環数は何れにも限定されず、その具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基及びアズレニル基等が挙げられる。
【0022】
式(1)のR
1及びR
2が表す炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、例えば無置換の炭素数1乃至4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等)、シアノ基及びアミド基(例えば、アセトアミド基、エチルカルボキサミド基、n−プロピルカルボキサミド基及びi−プロピルカルボキサミド基等)等が挙げられる。
【0023】
式(1)のR
1及びR
2が表す炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基としては、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることが好ましく、R
1及びR
2の両者が無置換の炭素数1乃至4にアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることがより好ましく、R
1及びR
2の両者が無置換の炭素数1乃至4にアルキル基を有するフェニル基又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基とアミド基を有するフェニル基であることが更に好ましく、R
1及びR
2の両者が無置換の炭素数1乃至4にアルキル基を有するフェニル基であることが特に好ましい。
【0024】
式(1)におけるR
1及びR
2としては、炭素数1乃至10のアルキル基又は炭素数6乃至10の一価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェニル基を有する炭素数1乃至4のアルキル基、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることがより好ましく、R
1及びR
2の両者が同一のフェニル基を有する炭素数1乃至4のアルキル基、無置換の炭素数1乃至4のアルキル基、又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることが更に好ましく、R
1及びR
2の両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基及びアミド基からなる群より選択される一種又は二種以上の置換基を有するフェニル基であることが特に好ましく、R
1及びR
2の両者が同一の無置換の炭素数1乃至4のアルキル基を有するフェニル基又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基とアミド基を有するフェニル基であることが最も好ましい。
【0025】
式(1)中、R
3及びR
4は、水素原子又は炭素数1乃至6のアルキル基を表し、該炭素数1乃至6のアルキル基がそれらの構造中に有する水素原子は置換基で置換されていてもよい。
【0026】
式(1)のR
3及びR
4が表す炭素数1乃至6のアルキル基は、炭素数1乃至6のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0027】
式(1)のR
3及びR
4が表す炭素数1乃至6のアルキル基が有しても良い置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等)、シアノ基、アミド基(例えば、アセトアミド基、エチルカルボキサミド基、n−プロピルカルボキサミド基及びi−プロピルカルボキサミド基等)及びフェニル基(例えば、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2,6−ジプロピルフェニル基等)等が挙げられる。
【0028】
式(1)におけるR
3及びR
4としては、水素原子又は炭素数1乃至6のアルキル基であることが好ましく、R
3及びR
4の両者が同一の水素原子又は無置換の炭素数1乃至6のアルキル基であることがより好ましく、R
3及びR
4の両者が同一の水素原子又は無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが更に好ましい。
【0029】
式(1)中、R
5及びR
6は、炭素数1乃至4のアルキル基又はフェニル基を表し、該炭素数1乃至4のアルキル基がそれらの構造中に有する水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、また該フェニル基がその構造中に有する水素原子は炭素数1乃至3のアルキル基で弛緩されていてもよい。
【0030】
式(1)のR
5及びR
6が表す炭素数1乃至4のアルキル基は、炭素数1乃至4のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基及びシクロブチル基等が挙げられる。
【0031】
式(1)のR
5及びR
6が表す炭素数1乃至4のアルキル基が有しても良い置換基としてのハロゲン原子としては、式(1)のR
1及びR
2が表す炭素数1乃至10のアルキル基が有しても良い置換基としてのハロゲン原子と同じものが挙げられる。
【0032】
式(1)のR
5及びR
6が表すフェニル基が有しても良い置換基としての炭素数1乃至3のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びiso−プロピル基が挙げられる。
【0033】
式(1)におけるR
5及びR
6としては、メチル基、トリフルオロメチル基、無置換のフェニル基又はメチル基を置換基として有するフェニル基であることが好ましく、R
5及びR
6の両者が同一のメチル基、トリフルオロメチル基、無置換のフェニル基又はメチル基を置換基として有するフェニル基であることがより好ましく、R
5及びR
6の両者が同一のメチル基を置換基として有するフェニル基であることが更に好ましい。
【0034】
式(1)中、Qは無置換のアルキレン基を表す。
式(1)のQが表す無置換のアルキレン基とは、炭素原子と水素原子のみからなる直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基から水素原子1個を除いた2価の連結基を意味し、無置換の炭素数2乃至4のアルキレン基であることが好ましい。
【0035】
式(1)のQが表す炭素数2乃至4のアルキレン基の具体例としては、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基、sec−ブチレン基及びt−ブチレン基が挙げられ、エチレン基又はn−プロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
【0036】
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物としては、上記R
1乃至R
6及びQそれぞれの好ましいものの組み合わせのものがより好ましく、より好ましいものの組み合わせのものが更に好ましい。
【0037】
式(2)中、R
7乃至R
12は水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基がそれらの構造中に有する水素原子は置換基で置換されていてもよい。
【0038】
式(2)のR
7乃至R
12が表す炭素数1乃至10のアルキル基は、炭素数1乃至10のアルキル基であれば直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されず、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso―プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルー1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、シクロへプチル基及びシクロオクチル基等が挙げられる。
【0039】
式(2)のR
7乃至R
12が表す炭素数1乃至10のアルキル基が有してもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等)、シアノ器、アミド基(例えば、アセトアミド基、エチルカルボキサミド基、n−プロピルカルボキサミド基及びi−プロピルカルボキサミド基等)及びフェニル基(例えば、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2,6−ジプロピルフェニル基等)等が挙げられる。
【0040】
式(2)のR
7及びR
12としては、水素原子又は無置換の炭素数1乃至10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は無置換の炭素数1乃至7のアルキル基であることがより好ましく、R
7及びR
8が水素原子又は無置換の炭素数1乃至7のアルキル基であって、且つR
9乃至R
12が無置換の炭素数1乃至4のアルキル基であることが更に好ましい。
【0041】
式(2)中、X
―は炭素数1乃至10のハロゲン化アルキルスルホニルメチドアニオン、炭素数1乃至10のハロゲン化アルキルスルホニルイミドアニオン、又は炭素数1乃至10のハロゲン化アルキルスルホネートを表し、その具体例としては、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオン、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、トリフルオロメチルスルホネート、ノナフルオロブチルスルホネート等が挙げられる。
【0042】
式(2)のX
―としては、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオン、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン又はトリフルオロメチルスルホネートが好ましく、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドアニオン又はビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオンがより好ましい。
【0043】
本発明の着色組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン化合物は、例えば、非特許文献1に記載された方法に準じて合成した縮合物3,6−ジクロロスピロ[9H−キサンテン−9,3’−[3H][2,1]ベンゾオキサチオール]1’,1’−ジオキシドと対応するアミン類を縮合して中間体化合物を得た後、該中間体化合物と対応するスルホニルアミノ基等を有する化合物とを縮合することにより合成することができる。その合成スキームの一例を下記に示した。
合成スキームにおける式(3)乃至(10)中のR
1乃至R
6及びQは、前記式(1)におけるR
1乃至R
6及びQと同義である。式(8)及び(10)中のA及びBは、一般的な脱離基(例えば、ハロゲン原子(ヨウ素原子、臭素原子及び塩素原子)、トシラート基又はメシラート基等)である。
【0045】
即ち、3,6−ジクロロスピロ[9H−キサンテン−9,3’−[3H][2,1]ベンゾオキサチオール]1’,1’−ジオキシド(上記合成スキーム例において式(3)で表される化合物)と対応するアミン類(上記合成スキーム例において式(4)で表される化合物)とを所定温度(例えば20乃至120℃)で縮合して得られる化合物(上記合成スキーム例(5)で表される化合物)に、更に対応するアミン類(上記合成スキーム例において式(6)で表される化合物)を所定の温度(例えば30乃至170℃)で縮合させた化合物(上記合成スキーム例において式(7)で表される化合物)を得る。
得られた式(7)で表される化合物のNH基に、脱離基Aを有する化合物(上記合成スキーム例において式(8)で表される化合物)を所定温度(例えば20乃至100℃)で縮合させ得た化合物(上記合成スキーム例において式(9)で表される化合物)に、更に対応する脱離基Bを有する化合物(上記合成スキーム例において式(10)で表される化合物)を所定温度(例えば30乃至150)で縮合させることにより式(1)で表される化合物を得ることができる。
【0046】
また、本発明の着色組成物が含有する式(2)で表されるトリアリールメタン化合物は、例えば、株式会社技報堂発行の細田豊著「理論製造染料化学」(781〜787頁)に記載された公知の合成法で得られる。
【0047】
式(2)で表されるトリアリールメタン化合物を塩交換で合成する場合は、X
-が塩素アニオン等である化合物を反応溶媒(例えば、水、またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、N,N−ジメチルホルアミド(以下DMFと略記)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)等の水溶性極性溶媒が挙げられ、これらの溶媒は単独、または混合してもよい。)に溶解し、対応する塩または酸を0.5乃至3当量程度加え、所定温度(例えば0乃至100℃)で攪拌すればよく、析出した結晶をろ取することにより目的とする化合物が得られる。
【0048】
本発明の着色組成物が含有する式(1)で表されるキサンテン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0051】
本発明の着色組成物が含有する式(2)で表されるトリアリールメタン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0054】
本発明の着色組成物における式(1)で表されるキサンテン化合物と式(2)で表されるトリアリールメタン化合物との合計の含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して、通常0.01乃至50質量部、好ましくは0.5乃至50質量部、より好ましくは1乃至10質量部である。
また、本発明の着色樹脂組成物における式(1)で表されるキサンテン化合物と式(2)で表されるトリアリールメタン化合物との含有比率は、式(1)で表されるキサンテン化合物と式(2)で表されるトリアリールメタン化合物の質量比が通常40:60乃至90:10、好ましくは50:50乃至85:15、より好ましくは、60:40乃至80:20である。
【0055】
本発明の着色組成物はバインダー樹脂を含有する。着色組成物が含有するバインダー樹脂は特に限定されず、従来公知のものが挙げられるが、本発明の着色組成物をフォトリソグラフィーの手法に用いる場合は、以下に挙げられる1個以上のカルボキシル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーあるいは他の共重合可能な芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマー等の共重合体であることが望ましい。また、これらの側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したもの、さらにアクリレートを付加させたエポキシアクリレート樹脂も使用できる。これらのモノマー等は単独でも2種以上組み合わせても良い。
【0056】
本発明で使用できる前記のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
本発明で使用できる前記の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチ(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0058】
また、前記の他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートヒドロキシエチル化物、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボルニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ−8−イル=(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ−4−メチル=(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環骨格類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(メタ)アクリロイルフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、マレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0059】
また、共重合体の側鎖に更に不飽和二重結合を導入した重合体も有用である。例えば、無水マレイン酸と共重合可能なスチレン、ビニルフェノール、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド等との共重合物の無水マレイン酸部に、ヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートやグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有するアクリレートを反応させハーフエステル化した化合物、及びアクリル酸、アクリル酸エステルとヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキシル基を有するアクリレートとの共重合体の水酸基にアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。また、ウレタン樹脂やポリアミド、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、市販のACA−200M(ダイセル製)、ORGA−3060(大阪有機化学製)、AX3−BNX02(日本触媒製)、UXE−3024(日本化薬製)、UXE−3000(日本化薬製)、ZGA−287H(日本化薬製)、TCR−1338H(日本化薬製)、ZXR−1722H(日本化薬製)、ZFR−1401H(日本化薬製)、ZCR−1642(日本化薬製)も使用することができる。
【0060】
本発明の着色組成物が含有するバインダー樹脂(共重合体)を製造する場合は、重合開始剤を使用する。ここで共重合体を合成するときに使用される重合開始剤の具体例としては、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド過酸化ベンゾイルメチルエチルケトンパーオキシド等を挙げることができる。重合開始剤の使用割合は、共重合体の合成に使用する全ての単量体の合計に対して、0.01乃至25質量部である。また、共重合体を合成する場合は、下記で説明する有機溶剤を使用するのが好ましいが、使用する単官能のモノマーや重合開始剤等に対して十分な溶解力を有するものを使用する。共重合体を合成するときの反応温度は50乃至120℃であることが好ましく、特に好ましくは80乃至100℃である。また、反応時間は1乃至60時間であることが好ましく、より好ましくは3乃至20時間である。共重合体の好ましい酸価は10乃至300(mgKOH/g)であり、好ましい水酸基価は10乃至200(mgKOH/g)である。酸価もしくは水酸基価が10以下の場合は現像性が低下する。共重合体の重量平均分子量(Mw)は2000乃至400000が好ましく、3000乃至100000がより好ましい。この重量平均分子量が2000以下、あるいは400000以上では、感度及び現像性等が低下する。
【0061】
前記のバインダー樹脂は、本発明の着色組成物に単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して、通常1乃至99質量部、好ましくは5乃至50質量部である。
【0062】
本発明の着色組成物は、式(1)及び式(2)で表される化合物とバインダー樹脂以外の成分(以下、「その他の成分」と記載する)を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば油溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒並びに水等の溶媒類や樹脂類、更にはこれらの溶媒類や樹脂類と組み合わせて用い得る各種の添加剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を着色組成物の用途や用法に合せて特に制限なく用いることが出来る。
【0063】
油溶性有機溶媒の具体例としては、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、DMF、ジメチルスルホキシド、スルホラン、NMP、2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられる。
【0064】
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール及び1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、NMP、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0065】
これらの溶媒類は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。溶剤類を含有する場合の使用量は、着色組成物の全固形分(本発明の着色組成物が含有する溶媒類以外の全成分)100質量部に対して好ましくは40乃至10000質量部であり、100乃至1000質量部であることがより好ましい。
【0066】
本発明の着色組成物が含有し得る溶媒類以外のその他の成分としては、例えば、分散剤、樹脂類、硬化剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤及び式(1)及び式(2)で表される化合物以外の色素等が挙げられる。
【0067】
本発明の着色組成物が溶媒類を含有する場合は、各種の分散剤を併用することが出来る。
油溶性有機溶媒と併用し得る分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、又はこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられる。
【0068】
水溶性有機溶媒や水と併用し得る分散剤としては、界面活性剤の他、高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
【0069】
また、その他の樹脂系分散剤としては、ポリウレタン樹脂系、ポリカルボン酸系、ポリアミド樹脂系及びポリエステル樹脂系等の分散剤が挙げられる。樹脂系分散剤の具体例としては、例えば、ED211(楠本化成製)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製)ソルスパース71000(アビシア製)等である。
【0070】
これらの分散剤類は、本発明の着色組成物が含有する式(1)及び式(2)で表される化合物及び任意に含有し得る式(1)及び式(2)で表される化合物以外の色素に対して、通常500質量%以下、好ましくは10乃至450質量%、より好ましくは100乃至400質量%用いられる。
【0071】
本発明の着色組成物が含有し得る樹脂類としては、例えばポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系及びポリアクリル系の樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物が含有し得るポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル樹脂としては、特に限定されず従来公知のものが挙げられる。
【0072】
本発明の着色組成物が含有し得る硬化剤としては、ラジカル重合の場合は光重合モノマー、イオン硬化の場合はエポキシ樹脂、その他にメラミン硬化剤等が挙げられる。これらの具体例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレン、カヤラッドRP−1040(日本化薬製)、カヤラッドDPCA−30(日本化薬製)、UA−33H(新中村化学製)、UA−53H(新中村化学製)、M−8060(東亞合成製);チオール系重合モノマーとして、TEMPIC(堺化学製)、TMMP(堺化学製)、PEMP(堺化学製)、DPMP(堺化学製);エポキシ樹脂としては、日本化薬製品のNC―6000、NC−3000、EOCN−1020、XD−1000、EPPN−501H、BREN−S、NC−7300L、ダイセル化学製品のセロキサイト2021P、EHPE3150、サイクロマーM100、エポリードPB3600、ジャパンエポキシレジン製品のエピコート828、エピコートYX8000、エピコートYX4000、サイラエースS510(チッソ製)、TEPIC(日産化学工業製)等;メラミン硬化剤としてはメチロール化メラミンやMw−30(三和ケミカル製)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの含有量は、着色組成物の全固形分100質量部に対して通常80質量部以下、好ましくは5乃至30質量部である。
【0073】
本発明の着色組成物が含有し得る光重合開始剤としては、露光光源として一般的に用いられる超高圧水銀灯から射出される紫外線に充分感度を有するものが好ましく、ラジカル重合性の光ラジカル開始剤、イオン硬化性の光酸発生剤もしくは光塩基発生剤等が挙げられる。光重合では、より少ない露光エネルギーで硬化をさせるような増感剤と呼ばれる重合促進剤の成分を組み合わせて使用することができる。使用できる光重合開始剤は特に制限は無いが、具体例としては、ベンジル、ベンゾインエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸のエステル化物、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンジルジメチルケタール、2−ブトキシエチル−4−メチルアミノベンゾエート、クロロチオキサントン、メチルチオキサントン、エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、メチルアミノメチルベンゾエート、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1,3−ベンゾジオキソラン−5−イル)−1,3,5−s−トリアジン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−ベンゾアート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−o−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−o−アセタート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、ジアゾナフトキノン系開始剤、また市販のカヤキュアーDMBI、カヤキュアーBDMK、カヤキュアーBP−100、カヤキュアーBMBI、カヤキュアーDETX−S、カヤキュアーEPA(いずれも日本化薬製)、ダロキュアー1173、ダロキュアー1116(いずれもメルクジャパン製)、イルガキュアー907(BASFジャパン製)、イルガキュアー369(BASFジャパン製)、イルガキュアー379EG(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−01(BASFジャパン製)、イルガキュアーOXE−02(BASFジャパン製)、イルガキュアーPAG103(BASFジャパン製)、TME−トリアジン(三和ケミカル製)、ビイミダゾール(黒金化成製)、STR−110、STR−1(いずれもレスペケミカル製)等が挙げられる。
【0074】
本発明の着色組成物が含有し得る熱重合開始剤としては、アゾ系化合物や有機過酸化物系のものがあるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ジ−t−ブチル、ジベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
【0075】
これらの光重合開始剤や熱重合開始剤は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これら開始剤の含有量は、着色性組成物の固形分を100質量部に対して通常50質量部以下、好ましくは1乃至25質量部である。
【0076】
本発明の着色組成物が含有し得る表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤が挙げられる。
防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤が挙げられる。
pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられる。
【0077】
本発明の着色組成物が含有し得る式(1)及び式(2)で表される化合物以外の色素としては、有機顔料、無機顔料及び染料等が挙げられる。
【0078】
本発明の着色組成物が含有し得る有機顔料に特に制限はないが、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、キサンテン系等の顔料;酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料等が挙げられる。より具体的にはカラーインデックスで、例えば、ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79;ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50;ピグメントバイオレット3、4、27,39;ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、122、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264270、272、279;ピグメントオレンジ43、71、73;ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、ピグメントグリーン7、36、58、等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、好ましくは青色カラーフィルターの作成に用いられることから、本発明の着色組成物に併用する顔料としては、青色顔料が好ましく、C.Iピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4及びC.I.ピグメントブルー15:6からなる群から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
【0079】
本発明の着色組成物が含有し得る無機顔料に特に制限はないが、例えば、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドミウムエロー、カドミウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。
【0080】
本発明の着色組成物が含有し得る染料に特に制限はなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。有機溶媒を併用する場合は、有機溶媒に可溶なものが好ましいが、有機溶媒に不溶な染料でも分散体とする事で適宜使用することができる。有機溶媒に不溶な染料はよく知られた処方として、例えば酸性染料の場合は、有機アミン化合物(例えばn−プロピルアミン、エチルヘキシルプロピオン酸アミン等)を反応させアミン塩染料に変性するか、又はそのスルホン酸基に同有機アミン化合物を反応させてスルホンアミド基を有する染料等に変性することが知られている。それらアミン変性した染料も本発明の着色組成物に使用可能である。その具体的な染料としては、カラーインデックスで、例えばC.I.ナンバーのベーシックブルー7、アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、249、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324、335、340;ベーシックブルー7、11、15、26;ソルベントブルー2、3、4、5、6、23、25、35、37、38、43、55、59、67、72、124;ベーシックバイオレット10;アシッドバイオレット17、49;ソルベントバイオレット4、5、14;ベーシックレッド1、10、29;アシッドレッド91、92、97、114、138、151、289;ソルベントレッド45、49、127;アシッドイエロー17、23、25、29、38、40、42、76;ソルベントイエロー4、14、15、24、76、81、82、94、98、162;ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;アシッドグリーン9、16、等が挙げられる。
【0081】
本発明の着色組成物は、式(1)及び式(2)で表される化合物及びバインダー樹脂とその他の成分を、ディゾルバーやホモミキサー等により混合撹拌して製造される。顔料や溶解性の低い染料を併用する場合は、適当な分散剤を用いてペイントシェーカー等の分散機により分散体を得て、着色組成物に加えて混合してもよく、調製した着色組成物から異物等を取り除くためにフィルター等で精密濾過をすることも出来る。
【0082】
本発明の着色組成物は、各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用着色組成物に用いられ、カラーフィルター用着色組成物の具体的な用途としては、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、あるいはデジタルカメラ等に使用される固体撮像素子等のカラーフィルターが挙げられる。
本発明の着色組成物を用いる被着色材料としては、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の着色組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
【実施例】
【0083】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準であり、また反応温度は内温である。合成したキサンテン化合物及びトリアリールメタン化合物のうち、λmax(最大吸収波長)を測定したものについては、特に断りのない限りメタノール中、紫外可視分光光度計UV−3150(島津製作所社製)での測定値を記載した。
【0084】
合成例1(上記具体例のNo.1で表されるキサンテン化合物の合成)
(工程1−1)
300mlの四つ口フラスコに、上記式(3)で表される化合物40.5部、NMP120部及び2,6−ジメチルアニリン(東京化成工業社製)48.4部を入れ、160℃で5時間攪拌した。反応液を30℃まで冷却した後、反応液を2N塩酸水に注ぎ込み1時間攪拌した。析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、下記式(100)で表される染料中間体53.1部を得た。
【0085】
【化8】
【0086】
(工程1−2)
500mlの四つ口フラスコに、ジメチルホルムアミド343部、トリエチルアミン31.6部及び2−クロロエチルアミン塩酸塩(東京化成工業社製)33.2部を入れ、10分間攪拌した。これにp−トルエンスルホニルクロリド(東京化成工業社製)49.6部を、液温が20℃を超えないように少しずつ添加し、室温で3時間攪拌した。反応液を冷却した後、5%塩酸水に注ぎ込み、15分間攪拌して析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、下記式(101)で表される染料中間体33.8部を得た。
【0087】
【化9】
【0088】
(工程1−3)
300mlの四つ口フラスコに、工程1−1で得られた式(100)で表される染料中間体9部、N−メチル−2−ピロリドン80部、炭酸カリウム4.3部、ヨウ化カリウム(純正化学工業社製)6.5部及び工程1−2で得られた式(101)で表される染料中間体9.1部を入れ、90℃で3時間攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.1で表されるキサンテン化合物13.4部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は544nm(メタノール)であった。
【0089】
合成例2(上記具体例のNo.14で表されるキサンテン化合物の合成)
(工程2−1)
300mlの四つ口フラスコに、上記式(3)で表される化合物40.5部、N−メチル−2−ピロリドン120部及び下記式(102)で表される化合物88.1部を入れ、160℃で6時間攪拌した。反応液を30℃まで冷却した後、反応液を2N塩酸水に注ぎ込み1時間攪拌した。析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、下記式(103)で表される染料中間体71.9部を得た。
【0090】
【化10】
【0091】
【化11】
【0092】
(工程2−2)
300mlの四つ口フラスコに、工程2−1で得られた式(103)で表される染料中間体7.0部、N−メチル−2−ピロリドン45部、炭酸カリウム3.7部、ヨウ化カリウム3部及び合成例1の工程1−2で得られた式(101)で表される染料中間体7.5部を入れ、80℃で1時間半攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.14で表されるキサンテン化合物24.7部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は545nm(メタノール)であった。
【0093】
合成例3(上記具体例のNo.15で表されるキサンテン化合物の合成)
(工程3−1)
500mlの四つ口フラスコに、ジクロロメタン473部、トリエチルアミン82.7部及び2−(メチルアミノ)エタノール(東京化成工業社製)28.5部を入れ、10分間攪拌した。これにp−トルエンスルホニルクロリド148.5部を、液温が20℃を超えないように少しずつ添加し、室温で20時間攪拌した。反応液に水を注ぎ、有機層を希塩酸水、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。更に減圧下で濃縮することにより、下記式(104)で表される染料中間体140部を得た。
【0094】
【化12】
【0095】
(工程3−2)
200mlの四つ口フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン75部、臭化カリウム(純正化学工業社製)17.9部及び工程3−1で得られた式(104)で表される染料中間体19.2部を入れ、80℃で2時間攪拌した。反応液に水を注ぎ、有機層を希塩酸水、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。更に減圧下で濃縮することにより、下記式(105)で表される染料中間体10.2部を得た。
【0096】
【化13】
【0097】
(工程3−3)
100mlの四つ口フラスコに、合成例2の工程2−1で得られた式(103)で表される染料中間体3.5部、N−メチル−2−ピロリドン32部、炭酸カリウム1.9部、ヨウ化カリウム2.2部及び工程3−2で得られた式(105)で表される染料中間体3.9部を入れ、90乃至100℃で14時間半攪拌した。反応液を40℃まで冷却した後、反応液を水に注ぎ込み、析出した結晶をろ取、洗浄、乾燥させることにより、No.15で表されるキサンテン化合物7部を得た。該キサンテン化合物の最大吸収波長は545nm(メタノール)であった。
【0098】
合成例4(上記具体例のNo.17で表されるトリアリールメタン化合物の合成)
(工程4−1)
1−ブロモナフタレン10.0部と2−メチルシクロへキシルアミン6.0部、ナトリウムt−ブトキシド6.5部、Pd
2(dba)
3(東京化成工業株式会社製)0.003当量(対1−ブロモナフタレン)、BINAP(東京化成工業株式会社製)0.008当量(対1−ブロモナフタレン)をトルエン120mlに溶解し、80℃で3時間撹拌した。その後、室温に戻して反応液をカラムろ過し、濾液を減圧留去することにより式(106)で表される染料中間体10.5部を得た。
【0099】
【化14】
【0100】
(工程4−2)
工程4−1で得られた式(106)で表される染料中間体9.3部、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン11.50部及びオキシ塩化リン6.0部をトルエン50mlに溶解させて60℃で3時間反応させた。反応液を室温に戻した後、水を加え分液し、有機層を減圧濃縮することにより式(107)で表される化合物22.8部を得た。
【0101】
【化15】
【0102】
(工程4−3)
工程4−2で得られた式(107)で表される化合物3.0部を水10mlとメタノール40mlの混合溶液に溶解し、攪拌しながら、DMF3mlとメタノール20mlの混合溶液にトリストリフルオロメタンスルホニウムメチドのセシウム塩2.8部を溶解させた溶液を加えた。60℃で3時間加熱撹拌した後、析出した結晶をろ取、水洗、乾燥して、No.17で表されるトリアリールメタン化合物3.2部を得た。該トリアリールメタン化合物の最大吸収波長は585nm(メタノール)であった。
【0103】
合成例A(バインダー樹脂の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80乃至85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、バインダー樹脂を得た。得られたバインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/g)であった。
【0104】
実施例1(着色組成物1及び染料着色体1の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6/合成例1で得られた化合物No.1で表されるキサンテン化合物/合成例4で得られた化合物No.17で表されるトリアリールメタン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.11部/0.06部/0.02部/0.62部/19.03部/1.23部/3.93部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物1をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体1を作製した。
【0105】
実施例2(着色組成物2及び染料着色体2の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6/合成例1で得られた化合物No.1で表されるキサンテン化合物/合成例4で得られた化合物No.17で表されるトリアリールメタン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.09部/0.06部/0.04部/0.62部/19.03部/1.23部/3.93部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物2をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体2を作製した。
【0106】
実施例3(着色組成物3及び染料着色体3の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6/合成例2で得られた化合物No.14で表されるキサンテン化合物/合成例4で得られた化合物No.17で表されるトリアリールメタン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.09部/0.07部/0.02部/0.62部/19.03部/1.23部/3.93部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物3をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体3を作製した。
【0107】
実施例4(着色組成物4及び染料着色体4の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6/合成例2で得られた化合物No.14で表されるキサンテン化合物/合成例4で得られた化合物No.17で表されるトリアリールメタン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.08部/0.08部/0.03部/0.62部/19.03部/1.23部/3.93部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物4をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体4を作製した。
【0108】
実施例5(着色組成物5及び染料着色体5の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6/合成例3で得られた化合物No.15で表されるキサンテン化合物/合成例4で得られた化合物No.17で表されるトリアリールメタン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.09部/0.07部/0.02部/0.62部/19.03部/1.23部/3.93部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物5をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体5を作製した。
【0109】
実施例6(着色組成物6及び染料着色体6の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6/合成例3で得られた化合物No.15で表されるキサンテン化合物/合成例4で得られた化合物No.17で表されるトリアリールメタン化合物/Disperbyk−2001(ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例Aで得られたバインダー樹脂=0.07部/0.07部/0.04部/0.62部/19.03部/1.23部/3.93部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで3時間処理を行った。ビーズをろ過して除き、得られた着色組成物6をガラス基板にスピンコートし、80℃で10分間乾燥し、染料着色体6を作製した。
【0110】
比較例1(比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1の作製)
No.17で表されるトリアリールメタン化合物を添加していないこと以外は実施例1と同様にして、比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1を得た。
【0111】
比較例2(比較用の着色組成物2及び比較用の染料着色体2の作製)
No.17で表されるトリアリールメタン化合物を添加していないこと以外は実施例3と同様にして、比較用の着色組成物1及び比較用の染料着色体1を得た。
【0112】
比較例3(比較用の着色組成物3及び比較用の染料着色体3の作製)
No.17で表されるトリアリールメタン化合物を添加していないこと以外は実施例5と同様にして、比較用の着色組成物3及び比較用の染料着色体3を得た。
【0113】
(明度評価)
実施例1乃至6及び比較例1乃至3で得られた、染料着色体1乃至6及び比較用の染料着色体1乃至3を、分光光度計により分光透過率を測定し、C光源のCIEのXYZ表色系におけるx、yの色度座標と明度Yを評価した。尚、明度Yが大きい程、明度が高く、優れていることを示す。結果を表1に示した。
【0114】
【表1】
【0115】
表1の結果から、本発明の着色組成物1乃至6を用いて作製した染料着色体1乃至6は、比較用の着色組成物1乃至3を用いて作製した比較用の染料着色体1乃至3に比べて良好な明度を示した。
【0116】
以上より、本願発明のカラーフィルター用着色組成物を用いて得られたカラーフィルターは、発色性が良く、高い明度を有することから、高透過性の必要なカラーフィルターの製造プロセスに耐えうる信頼性の高いカラーフィルターとして有用である。