特許第6789648号(P6789648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789648
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】電力ケーブル中間接続箱の支持構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/10 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   H02G9/10
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-57222(P2016-57222)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-60377(P2017-60377A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2019年2月19日
(31)【優先権主張番号】特願2015-183817(P2015-183817)
(32)【優先日】2015年9月17日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】矢木橋 清智
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−002696(JP,U)
【文献】 実開平02−060430(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/10
H02G 1/06
E02D 29/12−29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブル中間接続箱の支持構造であって、
前記電力ケーブル中間接続箱が固定される固定架台と、
前記電力ケーブル中間接続箱の両側に接続されるそれぞれの電力ケーブルからの力を受けた際、前記固定架台を電力ケーブルの軸方向に移動させることが可能である移動機構と、
を具備し、
前記移動機構は、
壁面に固定される支持部材と、
前記支持部材および前記固定架台に対して回転可能に取り付けられ、前記支持部材および前記固定架台を連結する懸垂板と、
を具備し、
前記固定架台は、前記懸垂板によって前記支持部材に吊り下げられ、
前記固定架台を支持する前記懸垂板が回動可能であることを特徴とする電力ケーブル中間接続箱の支持構造。
【請求項2】
前記支持部材および前記固定架台に対して、前記懸垂板がシールドベアリングを介して接続されることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブル中間接続箱の支持構造。
【請求項3】
前記電力ケーブル中間接続箱は、ゴムブロック型接続箱であることを特徴とする請求項1または請求項記載の電力ケーブル中間接続箱の支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にマンホール内における、電力ケーブル中間接続箱の支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地中の管路などに敷設される電力ケーブルは、所定の間隔で配置されるマンホール内で接続されて使用される。このような電力ケーブルは、通電による発熱などによって伸び出す場合がある。このため、マンホール内では、電力ケーブルの伸び出しを吸収するため、電力ケーブルをS字状に屈曲させたオフセット部が形成される(例えば特許文献1)。
【0003】
例えば、CVケーブル(cross−linked polyethylene insulated vinyl sheath cable)の場合には、電力ケーブルの中間接続箱がマンホール内に固定され、前述したオフセット部の曲率変化によって、電力ケーブルの伸び出しを吸収する。このように、電力ケーブルの伸び出しを吸収することで、電力ケーブルに付与される熱応力を緩和することができる。
【0004】
このような方法においては、オフセット部の電力ケーブルを補強することで、反抗力を高めることで、管路部からの電力ケーブルの伸び出しを低減させたり、または、オフセット部にばねを設け、ばねの反力を用いる方法などが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−106314号公報
【特許文献2】特開昭61−9114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のオフセット部による電力ケーブルの伸び出しの吸収では、左右の電力ケーブルの伸び出し条件の違いなどによって、中間接続箱の左右から異なる軸力を受ける場合がある。例えば、中間接続箱の左右に接続された電力ケーブルの長さが異なる場合や、マンホール内におけるオフセット部の形状が異なる場合などには、電力ケーブルの伸び出し量が、左右で異なる場合がある。
【0007】
このように、電力ケーブルの伸び出し量が、左右で異なる場合には、中間接続箱には、伸び出し量の差に伴う軸力が付与された状態となる。すなわち、中間接続箱の補強絶縁体に対して、軸方向に力が付与された状態となる。
【0008】
特に、前述したように、オフセット部の反抗力を高めると、反抗力が増大する分、中間接続箱に作用する軸力も大きくなる。このため、固定された中間接続箱に対して、過大な軸力が付与されるおそれがある。
【0009】
例えば、ゴムブロック型接続箱(RBJ:Rubber Block Joint)では、内部の導体接続部と、外部の補強絶縁体とが軸方向に固定されるような構造ではないため、補強絶縁体を固定した状態で、導体接続部に対して、一方の側から過剰な軸力が付与されると、補強絶縁体と導体との界面ずれが生じるおそれがある。このような界面ずれが生じると、電気性能上問題となる。
【0010】
しかし、中間接続箱の左右において、マンホール内のレイアウト上、中間接続箱の左右のオフセット部の形状を完全に一致させることは困難である。また、電力ケーブルの伸び出し量を中間接続箱の左右で完全に一致させることは困難である。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、電力ケーブルの伸び出しを吸収するとともに、左右の軸力差を小さくすることが可能な電力ケーブル中間接続箱の支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達するために発明は、電力ケーブル中間接続箱の支持構造であって、前記電力ケーブル中間接続箱が固定される固定架台と、前記電力ケーブル中間接続箱の両側に接続されるそれぞれの電力ケーブルからの力を受けた際、前記固定架台を電力ケーブルの軸方向に移動させることが可能である移動機構と、を具備し、前記移動機構は、壁面に固定される支持部材と、前記支持部材および前記固定架台に対して回転可能に取り付けられ、前記支持部材および前記固定架台を連結する懸垂板と、を具備し、前記固定架台は、前記懸垂板によって前記支持部材に吊り下げられ、前記固定架台を支持する前記懸垂板が回動可能であることを特徴とする電力ケーブル中間接続箱の支持構造である。
【0014】
この場合、前記支持部材および前記固定架台に対して、前記懸垂板がシールドベアリングを介して接続されることが望ましい。
【0017】
前記電力ケーブル中間接続箱は、ゴムブロック型接続箱であってもよい。
【0018】
発明によれば、固定架台を電力ケーブルの軸方向に移動させる移動機構を有するため、それぞれの電力ケーブルからの力が釣り合う位置に固定架台を移動させることができる。このため、中間接続箱の左右からの軸力に差が生じることを防止することができる。
【0019】
なお、支持部材によって固定架台を吊り下げ、固定架台を支持するそれぞれの懸垂板を互いに平行に回動して、固定架台を移動可能とすることで、レールなどを用いる場合と比較して、レール上への異物などの堆積がなく、また、レールからの脱線などの問題が生じない。
【0020】
この際、支持部材および固定架台に対して、懸垂板がシールドベアリングを介して接続されれば、ベアリングへの異物侵入などが防止され、長期にわたって安定して動作させることができる。
【0023】
このようにすることで、左右の軸力が平均化され、過大な軸力を低減することができるとともに、ゴムブロック型接続箱用いた場合でも、補強絶縁体と導体との界面ずれの発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電力ケーブルの伸び出しを吸収するとともに、左右の軸力差を小さくすることが可能な電力ケーブル中間接続箱の支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】電力ケーブル中間接続箱支持構造1を示す概略図。
図2】電力ケーブル中間接続箱支持構造1の側面図。
図3】電力ケーブル中間接続箱支持構造1の正面図(電力ケーブル19の断面図)。
図4】動作状態の電力ケーブル中間接続箱支持構造1の側面図。
図5】電力ケーブル中間接続箱支持構造1aの正面図(電力ケーブル19の断面図)。
図6】電力ケーブル中間接続箱支持構造1bの正面図(電力ケーブル19の断面図)。
図7図6のA−A線断面図であって、接続箱固定架台15の底面図。
図8】電力ケーブル中間接続箱支持構造1bの動作状態における接続箱固定架台15の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、第1の実施形態について説明する。図1は、電力ケーブル中間接続箱支持構造1の全体を示す図、図2は、電力ケーブル中間接続箱支持構造1を示す側面図、図3は、電力ケーブル中間接続箱支持構造1の正面図(電力ケーブル19の断面図)である。なお、実際には、一つのマンホールの内部に、複数の電力ケーブル中間接続箱支持構造1が設置されが、簡単のため、一つの電力ケーブル中間接続箱支持構造1のみを図示する。
【0027】
電力ケーブル中間接続箱支持構造1は、例えばマンホール内に設置される。マンホールの内部では、図中の左右のそれぞれの管路4から導出される電力ケーブル19同士が接続される。電力ケーブル19の接続には、電力ケーブルの中間接続箱である、接続箱3が用いられる。
【0028】
接続箱3の内部において、電力ケーブル19同士が接続される。電力ケーブル同士の接続部の外周には、補強絶縁体などが形成される。
【0029】
管路4と接続箱3との間には、電力ケーブル19がS字状に屈曲されるオフセット部が形成される。なお、オフセット部の形状は図示した例には限られない。また、接続箱3の左右のオフセット部の形状や管路4から接続箱3までの長さは、左右で同じであってもよく、異なる形態であってもよい。
【0030】
例えば、オフセット部は、水平方向から見た際にS字状になるのみではなく、平面視においてもS字状とすることができ、これらを組み合わせることもできる。オフセット部の形状やサイズは、想定される電力ケーブル19の伸び出し量や、他の構成とのレイアウトなどを考慮して決定される。
【0031】
マンホール壁面7には、立金物5が設置される。なお、図1においては、一対の立金物5を図示するが、マンホール壁面7には、所定の間隔で複数の立金物5が設置される。立金物5は、マンホール壁面7の高さ方向に形成される。
【0032】
図2図3に示すように、立金物5には、所定の間隔で一対の支持部材9が接合される。すなわち、支持部材9は、マンホール壁面7に固定される。それぞれの支持部材9には、一対の懸垂板11の上端部近傍が接続される。支持部材9と懸垂板11とは、シールドベアリング13を介して回動可能に接続される。
【0033】
懸垂板11の下端部近傍には、シールドベアリング13および軸17を介して接続箱固定架台15が回動可能に接続される。すなわち、接続箱固定架台15は、懸垂板11によって支持部材9に吊り下げられ、懸垂板11は、支持部材9および接続箱固定架台15に対して回動可能に取り付けられ、支持部材9と接続箱固定架台15とを連結する。
【0034】
接続箱固定架台15には、接続箱3が固定される。したがって、接続箱3は、接続箱固定架台15に対して移動したり回転したりすることがない。
【0035】
次に、電力ケーブル中間接続箱支持構造1の動作について説明する。図1の状態から、電力ケーブル19へ通電すると、それぞれの電力ケーブル19には、発熱によって伸び出しが生じる。この際、接続箱3の両側の電力ケーブル19の長さが異なる場合や、オフセット部の形態が異なるような場合には、接続箱3の両側で、電力ケーブル19の伸び出し量が異なる場合がある。
【0036】
電力ケーブル19の伸び出し量が、接続箱3の左右で異なる場合には、接続箱3に対して、伸び出し量によって生じる熱応力の差が生じる。この場合には、接続箱3の内部の導体接続部に対して、熱応力差に応じた軸力が付与される。この結果、電力ケーブル19および導体接続部が、外周の補強絶縁体に対して界面ずれを起こす恐れがある。
【0037】
これに対し、本実施形態では、図4に示すように、左右の伸び出し量(熱応力)に応じて、懸垂板11が互いに平行に回動し、接続箱固定架台15が左右に揺動可能である。したがって、左右の電力ケーブル19からの力が釣り合う位置に接続箱固定架台15が移動する。この結果、接続箱3に付与される熱応力は、左右で均一となる。
【0038】
また、この際、接続箱固定架台15は、水平を維持した状態で、電力ケーブル19の軸方向(図中矢印X方向)に移動する。すなわち、電力ケーブル中間接続箱支持構造1は、接続箱3の両側に接続されるそれぞれの電力ケーブル19から力を受けた際、接続箱3を水平に維持した状態で、それぞれの電力ケーブル19からの力が釣り合う位置に接続箱固定架台15が移動する。なお、このように、電力ケーブル19の軸方向に接続箱固定架台15を移動させる構造を移動機構と称する。
【0039】
接続箱3は、接続箱固定架台15に固定されているため、接続箱固定架台15の移動時には、水平を維持し、かつ、電力ケーブル19の軸を回転軸とする回転を行うこともない。接続箱3が傾いたり、回転すると、接続箱3に接続される電力ケーブル19には、過剰な曲げ力が生じたり、キンクが発生する恐れがある。
【0040】
これに対し、本実施形態にかかる電力ケーブル中間接続箱支持構造1では、接続箱3が電力ケーブル19の軸方向に対して傾くことがなく、また、回転することもない。このため、電力ケーブル19に過剰な曲げ力やキンクの発生を防止することができる。
【0041】
なお、接続箱固定架台15の可動範囲を規制してもよい。例えば、懸垂板11の長さが300mmの場合には、シールドベアリング13の回動範囲を±30°に規制することで、接続箱固定架台15を±150mm程度の可動範囲に規制することができる。この程度の可動範囲を設定すれば、軸力低減対策としては十分実用可能な範囲となる。
【0042】
なお、接続箱固定架台15の可動範囲を規制する際には、接続箱固定架台15の可動範囲において、接続箱3が、上方の支持部材9と干渉しない範囲で設定される。このようにすることで、接続箱固定架台15が移動した際に、支持部材9と接続箱3とが接触することを防止することができる。
【0043】
以上、第1の実施の形態によれば、移動機構によって、接続箱3を軸方向へ移動させることができるため、接続箱3の左右からの軸力が異なる場合には、接続箱3が移動して、軸力が釣り合う位置で保持することができる。このため、左右からの軸力の不釣り合いによって、接続箱3の内部における導体接続部に軸力がかかることを防止することができる。
【0044】
特に、接続箱3が、導体と補強絶縁体とのずれ止め機構を有さない、ゴムブロック型接続箱である場合においても、導体と補強絶縁体とのずれが生じにくいため、導体部の位置ずれによる電気性能の悪化を抑制することができる。
【0045】
このように、本発明は、接続箱3がゴムブロック型接続箱である場合に、特に効果が大きいが、プレハブ型(Prefabricated Joint:PJ)など、他の形式にも適用可能である。また、本発明は、CVケーブルだけでなく、OFケーブル(Oil Filled Cable)にも適用可能である。
【0046】
また、本実施形態では、接続箱3が軸方向へ移動する際に、接続箱3の水平が維持される。このため、接続箱3に対して、過剰な曲げ応力や電力ケーブル19のキンク等の発生を抑制することができる。
【0047】
特に、シールドベアリング13を用いれば、ベアリングへの埃などの浸入を防止することができ、マンホールが水没するような場合でも、安定して動作させることができる。このため、メンテナンスが不要であり、長期にわたって安定して機能させることができる。
【0048】
また、電力ケーブル中間接続箱支持構造1は、構造が簡易であり、設置スペースを小さくすることができる。このため、通常、接続箱3は、3相分をマンホール壁面7に縦配列で支持するケースが多いが、このとき、接続箱同士の間隔は450mm程度(275kV線路の例)である。本実施形態の電力ケーブル中間接続箱支持構造1であれば、従来の収納スペースに収めることができ、従来通りのマンホール設計にて対応可能である。
【0049】
なお、本実施形態は、図1図4に示す形状には限られない。例えば、図5に示すように、棒状の支持部材9に代えて、板状の支持部材9aを用いた電力ケーブル中間接続箱支持構造1aでもよい。
【0050】
支持部材9aは、略台形の形状であり、立金物5との接合側の幅が広く、マンホール壁面7から先端側に行くにつれて斜めに幅狭となる。支持部材9aには、懸垂板11との干渉を避けるための切欠きが形成され、当該切欠き部に懸垂板11がシールドベアリング13を介して接続される。支持部材9aによれば、より高い剛性を確保することができる。
【0051】
このように、本実施形態では、各部の形状や個数などは特に限定されず、必要な強度や際に応じて、適宜変更することができる。例えば、マンホールの防塵や防水が確保できれば、シールドベアリング13に代えて、汎用のベアリングを用いてもよい。
【0052】
次に、第2の実施形態について説明する。図6は、電力ケーブル中間接続箱支持構造1bの正面図(電力ケーブル19の断面図)であり、図7は、図6のA−A線断面図であって、接続箱固定架台15の底面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一の機能を奏する構成には、図1図5と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0053】
電力ケーブル中間接続箱支持構造1bは、電力ケーブル中間接続箱支持構造1等とほぼ同様の構造であるが、接続箱固定架台15の支持方法が異なる。マンホール壁面7の立金物5には、固定部材21が固定される。固定部材21は、所定の間隔をあけて、例えば、一対設けられる。
【0054】
固定部材21には、それぞれ支持部材23が取り付けられる。支持部材23と固定部材21とは、シールドベアリング13を介して回動可能に接続される。すなわち、支持部材23は、固定部材21を支点として、固定部材21に回転可能に取り付けられる。
【0055】
一対の支持部材23の先端近傍には、シールドベアリング13を介して接続箱固定架台15が回転可能に接続される。すなわち、接続箱固定架台15は、支持部材9によって下方から支持され、支持部材23は、固定部材21および接続箱固定架台15に対して回動可能に取り付けられ、固定部材21と接続箱固定架台15とを連結する。
【0056】
次に、電力ケーブル中間接続箱支持構造1bの動作について説明する。本実施形態では、図8に示すように、電力ケーブル19の左右の伸び出し量(熱応力)に応じて、一対の支持部材23が互いに平行に回動し、接続箱固定架台15が左右に揺動可能である。したがって、左右の電力ケーブル19からの力が釣り合位置に接続箱固定架台15が移動する。この結果、接続箱3に付与される熱応力は、左右で均一となる。
【0057】
また、この際、接続箱固定架台15は、水平を維持した状態で、電力ケーブル19の軸方向(図中矢印X方向)に移動する。すなわち、電力ケーブル中間接続箱支持構造1は、接続箱3の両側に接続されるそれぞれの電力ケーブル19から力を受けた際、接続箱3を水平に維持した状態で、それぞれの電力ケーブル19からの力が釣り合う位置に接続箱固定架台15が移動する。なお、このように、電力ケーブル19の軸方向に接続箱固定架台15を移動させる構造を移動機構と称する。
【0058】
接続箱3は、接続箱固定架台15に固定されているため、接続箱固定架台15の移動時には、水平を維持し、かつ、電力ケーブル19の軸を回転軸とする回転を行うこともない。このため、電力ケーブル19に過剰な曲げ力やキンクの発生を防止することができる。
【0059】
以上、第2の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、左右からの軸力の不釣り合いによって、接続箱3の内部における導体接続部に軸力がかかることを防止することができる。
【0060】
また、電力ケーブル中間接続箱支持構造1等と比較して、同じ収納スペースであれば、支持部材23の長さを長くすることができる。支持部材23を長くすることで、電力ケーブル19の軸方向に垂直な移動幅を小さくすることができるため、軸方向への移動の限定に効果的である。
【0061】
なお、このように、接続箱を軸方向を移動させる移動機構としては、第1の実施形態や第2の実施形態によるものではなくてもよい。例えば、電力ケーブル19の軸方向にレールを敷設し、レール上を、接続箱固定架台15が移動可能に設置してもよい。このようにしても、移動機構は、接続箱固定架台15を水平に維持した状態で、接続箱固定架台15を電力ケーブル19の軸方向に移動させることができる。
【0062】
しかし、このようにレールを用いた方法は、レール上に異物が堆積するなどして、接続箱の移動が妨げられるなど、長期安定性の問題がある。また、前述した様に、接続箱3に曲げ力が付与された際、接続箱固定架台15がレールから脱線するおそれがある。このため、本実施形態のように、レールを用いず、上方から接続箱固定架台15を吊り下げる懸垂支持方式や、側方から延びる支持部材23で下方から接続箱固定架台15を支持する方式であることが望ましい。
【0063】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0064】
例えば、懸垂板11や支持部材23が一対設けられる例について示したが、複数の懸垂板11または支持部材23が互いに平行に回動可能であれば、その数は問わない。
【0065】
また、本発明の移動機構としては、接続箱固定架台を、水平方向を維持した状態で電力ケーブルの軸方向に移動するものには限られず、接続箱固定架台が傾いたり回転するなど、角度を形成して電力ケーブルの軸方向に移動するものであってもよい。
【符号の説明】
【0066】
1、1a、1b………電力ケーブル中間接続箱支持構造
3………接続箱
4………管路
5………立金物
7………マンホール壁面
9、9a………支持部材
11………懸垂板
13………シールドベアリング
15………接続箱固定架台
17………軸
19………電力ケーブル
21………固定部材
23………支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8