(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の学習データ作成装置、学習データ作成方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、実施形態の学習データ作成システム100のシステム構成を示す図である。学習データ作成システム100は、端末装置10、測位装置20及び学習データ作成装置30を備える。端末装置10、測位装置20及び学習データ作成装置30のそれぞれは、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。ネットワーク40は、どのように構成されたネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク40は、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、3G(3rd Generation)及びWiMAX(登録商標)を用いて構成される。
【0008】
端末装置10は、フロア1内を移動する歩行者2が携行する装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話及びウェアラブル端末等である。端末装置10は、歩行者2の歩行運動に関する歩行データを取得する。歩行データは、例えば3軸の加速度データ、3軸の角速度データ、3軸の地磁気データ及び方位等である。端末装置10は、例えば歩行者2が点線3で示される方向に移動した場合に、移動により生じた歩行データを取得する。
【0009】
測位装置20は、フロア1内に備えられる。測位装置20は、端末装置10の位置を推定(測位)する。例えば、測位装置20は、PDR(Pedestrian Dead-Reckoning)以外の方法で端末装置10の位置を推定(測位)する。PDR以外の方法としては、GPS、画像センサ、無線装置等を用いる方法が挙げられる。
学習データ作成装置30は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。学習データ作成装置30は、端末装置10が取得した歩行データと、測位装置20の測位結果である位置情報とに基づいて、歩行データと位置情報との関係を表す学習データを作成する。
【0010】
図2は、学習データ作成システム100における各装置の構成を表す概略ブロック図である。まず、端末装置10の機能構成について説明する。端末装置10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、端末装置プログラムを実行する。端末装置プログラムの実行によって、端末装置10は、通信部101、制御部102、端末時刻記憶部103、歩行センサ104、端末送信データ作成部105を備える装置として機能する。なお、端末装置10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、端末装置プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、端末装置プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0011】
通信部101は、ネットワーク40を介して、学習データ作成装置30と通信を行う。例えば、通信部101は、計測開始信号、計測終了信号及び基準時刻情報を学習データ作成装置30から受信する。計測開始信号は、歩行データの計測開始を指示する信号である。計測終了信号は、歩行データの計測終了を指示する信号である。基準時刻情報は、学習データ作成の際に、基準となる時刻に関する情報である。また、通信部101は、歩行データを学習データ作成装置30に送信する。
制御部102は、各機能部を制御する。
【0012】
端末時刻記憶部103は、端末装置10の時刻を記憶し、時間経過と共に時刻を刻む。通信部101によって、基準時刻情報が受信された場合には、受信された基準時刻情報で示される時刻が端末装置10の時刻情報として記憶される。端末時刻記憶部103が記憶する時刻は、絶対時刻であってもよいし、予め指定した時刻からの相対時刻であってもよい。
歩行センサ104は、加速度センサ、ジャイロセンサ及び地磁気センサ等である。歩行センサ104は、3軸の加速度データ、3軸の角速度データ、3軸の地磁気データ及び方位等の歩行データを計測する。
端末送信データ作成部105は、端末時刻記憶部103に記憶されている時刻情報と、歩行センサ104によって測定された歩行データとに基づいて送信データを作成する。
【0013】
次に、測位装置20の機能構成について説明する。測位装置20は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、測位プログラムを実行する。測位プログラムの実行によって、測位装置20は、通信部201、制御部202、測位装置時刻記憶部203、測位部204、測位装置送信データ作成部205を備える装置として機能する。なお、測位装置20の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、測位プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、測位プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0014】
通信部201は、ネットワーク40を介して、学習データ作成装置30と通信を行う。例えば、通信部201は、計測開始信号、計測終了信号及び基準時刻情報を学習データ作成装置30から受信する。また、通信部201は、端末装置10の位置情報を学習データ作成装置30に送信する。
制御部202は、各機能部を制御する。
測位装置時刻記憶部203は、測位装置20の時刻を記憶し、時間経過と共に時刻を刻む。通信部201によって、基準時刻情報が受信された場合には、受信された基準時刻情報で示される時刻が測位装置20の時刻情報として記憶される。測位装置時刻記憶部203が記憶する時刻は、絶対時刻であってもよいし、予め指定した時刻からの相対時刻であってもよい。
【0015】
測位部204は、GPS、カメラ等から端末装置10の測位に必要となる情報を取得し、端末装置10の位置を測位する。端末装置10が歩行者2に装着されているとして、測位部204は歩行者2の位置を端末装置10の位置情報としてもよい。また、測位部204は、測位方法として、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、音波、可視光通信及び赤外線通信等を使用してもよい。
測位装置送信データ作成部205は、測位装置時刻記憶部203に記憶されている時刻情報と、測位部204によって測位された位置情報とに基づいて送信データを作成する。
【0016】
次に、学習データ作成装置30の機能構成について説明する。学習データ作成装置30は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、学習データ作成プログラムを実行する。学習データ作成プログラムの実行によって、学習データ作成装置30は、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305、学習データ記憶部306を備える装置として機能する。なお、学習データ作成装置30の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、学習データ作成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、学習データ作成プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0017】
情報入力部301は、キーボード、タッチパネル、タッチパッド及びボタン(例えば、テンキー)等の既存の入力装置を用いて構成される。情報入力部301は、ユーザの指示を学習データ作成装置30に入力する際にユーザによって操作される。情報入力部301は、基準時刻情報、計測開始命令及び計測終了命令の入力を受け付ける。また、情報入力部301は、入力装置を学習データ作成装置30に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、情報入力部301は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を学習データ作成装置30に入力する。
【0018】
通信部302は、ネットワーク40を介して、端末装置10及び測位装置20と通信する。通信部302は、基準時刻情報、計測開始命令及び計測終了命令を端末装置10及び測位装置20に送信する。また、通信部302は、端末装置10から歩行データ、測位装置20から位置情報を受信する。なお、通信部302は、時刻情報が存在しない歩行データ・位置情報には受信時の時刻を時刻情報としてもよい。
制御部303は、各機能部を制御する。
【0019】
基準時刻記憶部304は、学習データ作成の基準となる時刻(以下「基準時刻」という)を記憶し、時間経過と共に時刻を刻む。
学習データ作成部305は、通信部201によって受信された歩行データ及び位置情報に基づいて学習データを作成する。
学習データ記憶部306は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。学習データ記憶部306は、学習データ作成部305によって作成された学習データを記憶する。
【0020】
図3は、端末装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
図3の処理は、学習データ作成装置30から送信された計測開始命令が受信された場合に実行される。
通信部101は、基準時刻情報を学習データ作成装置30に要求し(ステップS101)、学習データ作成装置30から基準時刻情報を受信する(ステップS102)。制御部102は、通信部101によって受信された基準時刻情報で示される時刻を端末時刻記憶部103に記憶する(ステップS103)。
【0021】
その後、制御部102は、歩行センサ104に対して計測開始を指示する。歩行センサ104は、制御部102の指示に従って歩行データを計測する(ステップS104)。歩行センサ104は、計測した歩行データを端末送信データ作成部105に出力する。端末送信データ作成部105は、歩行センサ104から出力された歩行データと、端末時刻記憶部103で示される時刻情報とを対応付けて送信データを作成する(ステップS105)。端末送信データ作成部105が作成する送信データの一例を
図4に示す。
【0022】
図4に示すように、送信データには、時刻情報(Time)、3軸の加速度データ(AccX,AccY,AccZ)及び3軸の角速度データ(GyX,GyY,GyZ)が含まれる。なお、
図4では、送信データとして、所定時間分の歩行データと、時刻情報とが対応付けられている。端末送信データ作成部105は、歩行センサ104から歩行データが出力される度にその時点の時刻情報と歩行データとを対応付けて送信データを作成してもよい。端末送信データ作成部105は、作成した送信データを制御部102を介して通信部101に出力する。
【0023】
通信部101は、端末送信データ作成部105から出力された送信データを、ネットワーク40を介して学習データ作成装置30に送信する(ステップS106)。なお、端末装置10が複数存在する場合、各端末装置10は識別情報を送信データに付与して送信してもよい。通信部101は、学習データ作成装置30から計測終了命令が受信されたか否か判定する(ステップS107)。計測終了命令が受信された場合(ステップS107−YES)、端末装置10は
図3の処理を終了する。この場合、制御部102は歩行センサ104に対して計測終了を指示する。歩行センサ104は、制御部102の指示に従って歩行データの計測を終了する。
一方、計測終了命令が受信されていない場合(ステップS107−NO)、端末装置10はステップS104以降の処理を繰り返し実行する。
【0024】
図5は、測位装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
図5の処理は、学習データ作成装置30から送信された計測開始命令が受信された場合に実行される。
通信部201は、基準時刻情報を学習データ作成装置30に要求し(ステップS201)、学習データ作成装置30から基準時刻情報を受信する(ステップS202)。制御部102は、通信部201によって受信された基準時刻情報で示される時刻を測位装置時刻記憶部203に記憶する(ステップS203)。
その後、制御部202は、測位部204に対して端末装置10の測位の開始を指示する。測位部204は、制御部202の指示に従って端末装置10の測位を開始することによって端末装置10の位置情報を取得する(ステップS204)。測位部204は、取得した位置情報を測位装置送信データ作成部205に出力する。測位装置送信データ作成部205は、測位部204から出力された位置情報と、測位装置時刻記憶部203で示される時刻情報とを対応付けて送信データを作成する(ステップS205)。測位装置送信データ作成部205が作成する送信データの一例を
図6に示す。
【0025】
図6に示すように、送信データには、時刻情報(Time)及び位置情報(LocX,LocY,LocZ)が含まれる。なお、
図6では、送信データとして、所定時間分の位置情報と、時刻情報とが対応付けられている。測位装置送信データ作成部205は、測位部204から位置情報が出力される度にその時点の時刻情報と位置情報とを対応付けて送信データを作成してもよい。測位装置送信データ作成部205は、作成した送信データを制御部202を介して通信部201に出力する。
【0026】
通信部201は、測位装置送信データ作成部205から出力された送信データを、ネットワーク40を介して学習データ作成装置30に送信する(ステップS206)。通信部201は、学習データ作成装置30から計測終了命令が受信されたか否か判定する(ステップS207)。計測終了命令が受信された場合(ステップS207−YES)、測位装置20は
図5の処理を終了する。この場合、制御部202は測位部204に対して計測終了を指示する。測位部204は、制御部202の指示に従って端末装置10の測位を終了する。
一方、計測終了命令が受信されていない場合(ステップS207−NO)、測位装置20はステップS204以降の処理を繰り返し実行する。
【0027】
図7は、学習データ作成装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
図7の処理は、学習データ作成装置30に情報の受信、又は、情報の入力がなされた場合に実行される。
制御部303は、通信部302を介して情報が受信されたか、情報入力部301を介して情報が入力されたのかを判定する(ステップS301)。情報の入力がなされたと判定した場合(ステップS301−情報の入力)、制御部303は入力された情報を判定する(ステップS302)。具体的には、制御部303は、入力された情報が、基準時刻情報であるのか、計測開始命令であるのか、その他であるのかを判定する。ここで、その他としては、例えば計測終了命令が挙げられる。入力された情報がその他であると判定した場合(ステップS302−その他)、制御部303は入力された情報に応じた処理を行う(ステップS303)。例えば、その他として計測終了命令が入力された場合、制御部303は通信部302を制御して、計測終了命令を端末装置10及び測位装置20に送信させる。その後、学習データ作成装置30は
図7の処理を終了する。
【0028】
また、入力された情報が計測開始命令であると判定した場合(ステップS302−計測開始命令)、制御部303は通信部302を制御して、計測開始命令を端末装置10及び測位装置20に送信させる。通信部302は、制御部303の制御に応じて計測開始命令を端末装置10及び測位装置20に送信する(ステップS304)。その後、学習データ作成装置30は
図7の処理を終了する。
また、入力された情報が基準時刻情報であると判定した場合(ステップS302−基準時刻情報)、制御部303は入力された基準時刻情報で示される時刻を基準時刻記憶部304に記憶する(ステップS305)。その後、学習データ作成装置30は
図7の処理を終了する。
【0029】
ステップS301の処理において、情報の受信がなされたと判定した場合(ステップS301−情報の受信)、制御部303は受信された情報の種類を判定する(ステップS306)。具体的には、制御部303は、受信された情報が位置情報であるのか、歩行データであるのか、基準時刻の要求であるのかを判定する。受信された情報が基準時刻の要求である場合(ステップS306−基準時刻の要求)、制御部303は基準時刻記憶部304に記憶されている基準時刻を取得する。制御部303は、通信部302を制御して、取得した基準時刻を要求元に送信する(ステップS307)。
また、受信された情報が歩行データである場合(ステップS306−歩行データ)、制御部303は受信された歩行データを学習データ記憶部306に保存する(ステップS308)。
【0030】
また、受信された情報が位置情報である場合(ステップS306−位置情報)、制御部303は受信された位置情報を学習データ作成部305に出力する。学習データ作成部305は、制御部303から出力された位置情報の時刻情報と、学習データ記憶部306に保存されている歩行データの時刻情報とを比較する。そして、学習データ作成部305は、比較の結果、学習データ記憶部306に保存されている歩行データの中から最も時刻情報が近い歩行データに位置情報を対応づけて学習データ記憶部306に保存する(ステップS309)。なお、位置情報が受信された際に、学習データ記憶部306に歩行データが保存されていない場合には、制御部303は受信された位置情報を破棄する。学習データ作成部305は、以上のように位置情報と、歩行データとを対応付けることによって学習データを作成する。以下、
図8を用いて、学習データ作成の概要について説明する。
【0031】
図8(A)に示すように、学習データ記憶部306には複数の歩行データ51〜54が保存されているとする。学習データ作成部305は、
図8(B)に示すように、位置情報55及び56が受信されると、保存されている歩行データ51〜54の時刻情報と、受信された位置情報55及び56の時刻情報とを比較する。学習データ作成部305は、比較の結果、保存されている歩行データの時刻情報の中から最も時刻情報が近い歩行データに位置情報を対応付ける。
【0032】
図8に示す例では、歩行データ51〜54の中で、位置情報55の時刻情報は歩行データ53の時刻情報に最も近い。そこで、学習データ作成部305は、歩行データ53に対応付けて位置情報55を保存する。同様に、歩行データ51〜54の中で、位置情報56の時刻情報は歩行データ54の時刻情報に最も近い。そこで、学習データ作成部305は、歩行データ54に対応付けて位置情報56を保存する。受信された位置情報をそれぞれ対応付けた結果を
図8(C)に示す。
【0033】
ステップS307〜309のいずれかの処理が終了すると、制御部303は計測終了命令が入力されたか否か判定する(ステップS310)。計測終了命令が入力されていない場合(ステップS310−NO)、学習データ作成装置30は
図7の処理を終了する。
一方、計測終了命令が入力された場合(ステップS310−YES)、制御部303は通信部302を制御して計測終了命令を端末装置10及び測位装置20に送信する(ステップS311)。その後、学習データ作成装置30は
図7の処理を終了する。
【0034】
以上のように構成された学習データ作成装置30によれば、学習データ作成に要する時間を抑えつつ、精度の高い学習データを作成することが可能になる。具体的には、学習データ作成装置30は、端末装置10で計測した歩行データと、測位装置20で取得した位置情報とを、時刻情報に基づいて対応付ける。これにより、学習データ作成時に必要となる目視による位置情報の計測手間を削減し、作業時間の低減と計測誤差を低減することできる。そのため、学習データ作成に要する時間を抑えつつ、精度の高い学習データを作成することが可能になる。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図9は、学習データ作成装置30aの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30aは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305a、学習データ記憶部306及び位置情報保持部307を備える。学習データ作成装置30aは、学習データ作成部305に代えて学習データ作成部305aを備える点、位置情報保持部307を新たに備える点で学習データ作成装置30と構成が異なる。学習データ作成装置30aは、その他の構成については学習データ作成装置30と同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30a全体の説明は省略し、学習データ作成部305a及び位置情報保持部307について説明する。
【0036】
位置情報保持部307は、通信部302によって受信された位置情報を保持する。
学習データ作成部305aは、位置情報保持部307に位置情報が閾値以上保存された場合に、位置情報保持部307に保存されている位置情報と、位置情報保持部307に保存されている歩行データとを対応付けることによって学習データを作成する。
【0037】
図10は、学習データ作成装置30aの処理の流れを示すフローチャートである。
図10において、
図7と同様の処理については
図7と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS306の処理において、受信された情報が位置情報である場合(ステップS306−位置情報)、制御部303は受信された位置情報を位置情報保持部307に保存する(ステップS401)。学習データ作成部305aは、位置情報保持部307に位置情報が閾値以上保存されているか否か判定する(ステップS402)。位置情報保持部307に位置情報が閾値以上保存されていない場合(ステップS402−NO)、学習データ作成装置30aは学習データの作成を行わず、
図10の処理を終了する。
【0038】
一方、位置情報保持部307に位置情報が閾値以上保存されている場合(ステップS402−YES)、学習データ作成部305aは位置情報保持部307に保存されている全ての位置情報それぞれを、学習データ記憶部306に保存されている歩行データの中から最も時刻情報が近い歩行データに対応付けて学習データ記憶部306に保存する(ステップS403)。その後、学習データ作成装置30aはステップS310以降の処理を行う。
【0039】
以上のように構成された学習データ作成装置30aによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30aは、予め設定した容量の位置情報を取得してから学習データを作成する。このように構成されることによって、歩行データの送信に遅延が発生した場合であっても、精度を落とすことなく学習データを作成することができる。
【0040】
以下、学習データ作成装置30aの変形例について説明する。
制御部303は、所定の期間以上経過した場合には、位置情報保持部307に保存されている位置情報を削除するように構成されてもよい。このように構成されることによって、学習データ作成装置30aは、歩行データの送信に遅延が発生してから時間が経過しすぎた位置情報を用いて学習データを作成することがない。そのため、精度を落とすことなく学習データを作成することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図11は、学習データ作成装置30bの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30bは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305b、学習データ記憶部306及び判断部308を備える。学習データ作成装置30bは、学習データ作成部305に代えて学習データ作成部305bを備える点、判断部308を新たに備える点で学習データ作成装置30と構成が異なる。学習データ作成装置30bは、その他の構成については学習データ作成装置30と同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30b全体の説明は省略し、学習データ作成部305b及び判断部308について説明する。
【0042】
判断部308は、位置情報を歩行データに対応付けるか否かを判断する。
学習データ作成部305bは、判断部308の判断結果に応じて、位置情報の対応付けを行うことによって学習データを作成する。
【0043】
図12は、学習データ作成装置30bの処理の流れを示すフローチャートである。
図12において、
図7と同様の処理については
図7と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS306の処理において、受信された情報が位置情報である場合(ステップS306−位置情報)、判断部308は学習データ記憶部306を参照し、受信された位置情報の時刻情報と最も近い歩行データの時刻情報との時間差を算出する(ステップS501)。判断部308は、算出した時間差が閾値以下であるか否か判定する(ステップS502)。時間差が閾値以下ではない場合(ステップS502−NO)、判断部308は受信された位置情報の対応付けを行わないと判断する(ステップS503)。この場合、判断部308は、受信された位置情報を破棄する。その後、学習データ作成装置30bは
図12の処理を終了する。
【0044】
一方、時間差が閾値以下である場合(ステップS502−YES)、判断部308は受信された位置情報の対応付けを行うと判断する。この場合、学習データ作成部305bは、学習データ記憶部306に保存されている歩行データの中から時刻情報が最も近い歩行データに、受信された位置情報を対応づけて学習データ記憶部306に保存する(ステップS504)。
【0045】
以上のように構成された学習データ作成装置30bによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30bは、受信された位置情報の時刻情報と、保存されている歩行データの時間情報との時間差に基づいて、歩行データと位置情報とを対応付けるか否か判断する。これにより、時刻が離れた位置情報を対応付けることを防ぎ、精度良く学習データを作成することができる。
【0046】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図13は、学習データ作成装置30cの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30cは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305、学習データ記憶部306及び情報補間部309を備える。学習データ作成装置30cは、情報補間部309を新たに備える点で学習データ作成装置30と構成が異なる。学習データ作成装置30cは、その他の構成については学習データ作成装置30と同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30c全体の説明は省略し、情報補間部309について説明する。
情報補間部309は、学習データ記憶部306に保存されている学習データにおいて位置情報を補間する。
【0047】
図14は、学習データ作成装置30cの処理の流れを示すフローチャートである。
図14において、
図7と同様の処理については
図7と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS309の処理が終了すると、情報補間部309は学習データ記憶部306に保存されている学習データを参照し、保存されている位置情報の数が歩行データの数より少ないか否か判定する(ステップS601)。位置情報の数が歩行データの数より少なくない場合(ステップS602−NO)、学習データ作成装置30cはステップS310以降の処理を実行する。
【0048】
一方、位置情報の数が歩行データの数より少ない場合(ステップS601−YES)、情報補間部309は受信された位置情報と、学習データに保存されている直近の位置情報と比較して移動量を算出する(ステップS602)。その後、情報補間部309は、直近の位置情報で示される位置から、受信された位置情報で示される位置までを等速で移動すると仮定して、算出した移動量と経過時間からその間の移動速度を推定し、歩行データの時刻情報と対応づけて位置情報を補間する(ステップS603)。情報補間部309による補間処理について
図15を用いて具体的に説明する。
【0049】
図15(A)に示すように、学習データとして保存されている位置情報の数が歩行データの数より少ない。具体的には、
図15(A)に示す学習データには、時刻(Time)0.2から0.8までの間の位置情報がない。そこで、情報補間部309は、時刻1.0に受信された位置情報と、直近の時刻0に受信された位置情報とに基づいて、時刻0.2から0.8までの間の位置情報を補間する。情報補間部309は、
図15(B)に示すように、取得されている2点の位置情報から線形に位置情報を補間する。このように補間された結果が
図15(B)下図の点線枠の中に示されている。
【0050】
以上のように構成された学習データ作成装置30cによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30cは、位置情報を補間することによって、精度の良い学習データを作成することができる。
【0051】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図16は、学習データ作成装置30dの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30dは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305、学習データ記憶部306、情報補間部309d及び端末速度算出部310を備える。学習データ作成装置30dは、情報補間部309に代えて情報補間部309dを備える点、端末速度算出部310を新たに備える点で学習データ作成装置30cと構成が異なる。学習データ作成装置30dは、その他の構成については学習データ作成装置30cと同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30d全体の説明は省略し、情報補間部309d及び端末速度算出部310について説明する。
【0052】
端末速度算出部310は、歩行データに含まれる加速度データから端末装置10の移動速度を算出する。
情報補間部309dは、測位装置20からの位置情報が存在しない区間に関して、端末速度算出部310によって算出された移動速度で移動するとして、各時刻の位置情報を算出して補間する。
【0053】
図17は、学習データ作成装置30dの処理の流れを示すフローチャートである。
図17において、
図14と同様の処理については
図14と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS309の処理が終了すると、端末速度算出部310は、歩行データに含まれる加速度データから端末装置10の移動速度を算出する(ステップS701)。情報補間部309dは、学習データ記憶部306に保存されている学習データを参照し、位置情報の数が歩行データの数より少ないか否か判定する(ステップS702)。位置情報の数が歩行データの数より少なくない場合(ステップS702−NO)、学習データ作成装置30dはステップS310以降の処理を実行する。
一方、位置情報の数が歩行データの数より少ない場合(ステップS703−YES)、情報補間部309dは位置情報を補間する(ステップS704)。具体的には、情報補間部309dは、端末速度算出部310によって算出された移動速度で移動するとして、各時刻の位置情報を算出して補間する。
【0054】
以上のように構成された学習データ作成装置30dによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30dは、歩行データから算出した10の移動速度を用いることで、精度良く位置情報を補間し、学習データを作成することができる。
【0055】
以下、学習データ作成装置30dの変形例について説明する。
精度向上のために、測位装置20から位置情報を取得できた時刻において、端末装置10の移動速度により算出した位置情報と比較し、2つの位置情報の誤差が最少となるように移動速度に係数をかけて調整してもよい。
【0056】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図18は、学習データ作成装置30eの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30eは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305、学習データ記憶部306、情報補間部309e及び対応情報記憶部311を備える。学習データ作成装置30eは、情報補間部309に代えて情報補間部309eを備える点、対応情報記憶部311を新たに備える点で学習データ作成装置30cと構成が異なる。学習データ作成装置30eは、その他の構成については学習データ作成装置30cと同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30e全体の説明は省略し、情報補間部309e及び対応情報記憶部311について説明する。
【0057】
対応情報記憶部311は、過去の歩行データと位置情報の対応情報を記憶する。
情報補間部309eは、測位装置20からの位置情報が存在しない区間の歩行データと、対応情報記憶部311に記憶されている歩行データとの相関を算出し、相関が最も高い区間の位置情報を使用して補間する。
【0058】
図19は、学習データ作成装置30eの処理の流れを示すフローチャートである。
図19において、
図14と同様の処理については
図14と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS309の処理が終了すると、対応情報記憶部311は歩行データと位置情報の対応情報を記憶する(ステップS801)。情報補間部309eは、学習データ記憶部306に保存されている学習データを参照し、位置情報の数が歩行データの数より少ないか否か判定する(ステップS802)。位置情報の数が歩行データの数より少なくない場合(ステップS802−NO)、学習データ作成装置30eはステップS310以降の処理を実行する。
一方、位置情報の数が歩行データの数より少ない場合(ステップS802−YES)、情報補間部309eは対応情報記憶部311に記憶されている対応情報に基づいて位置情報を補間する(ステップS803)。具体的には、情報補間部309eは、測位装置20からの位置情報が存在しない区間の歩行データと、対応情報記憶部311に記憶されている歩行データとの相関を算出し、相関が最も高い区間の位置情報を使用して、測位装置20からの位置情報が存在しない区間の位置情報を補間する。例えば、情報補間部309eは、相関が最も高い区間の位置情報を、位置情報が存在しない区間の位置情報として補間してもよい。
【0059】
以上のように構成された学習データ作成装置30eによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30eは、歩行データと位置情報を対応づけた情報を用いることで、精度良く位置情報を補間し、学習データを作成することができる。
【0060】
以下、学習データ作成装置30eの変形例について説明する。
学習データ作成装置30eは、事前に多数の歩行データと位置情報の対応を取得してデータベースを作成し、作成したデータベースを対応情報記憶部311に記憶しておいてもよい。また、歩行データと位置情報の他に身長や体重などの身体情報を関連づけて保存し、補間のために使用してもよい。
【0061】
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図20は、学習データ作成装置30fの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30fは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305、学習データ記憶部306、情報補間部309f及び補間切替部312を備える。学習データ作成装置30eは、情報補間部309に代えて情報補間部309fを備える点、補間切替部312を新たに備える点で学習データ作成装置30cと構成が異なる。学習データ作成装置30fは、その他の構成については学習データ作成装置30cと同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30f全体の説明は省略し、情報補間部309f及び補間切替部312について説明する。
【0062】
補間切替部312は、補間を行うか否かの切り替えを行う。補間を行うか否かは、ユーザによって設定されてもよいし、予め時間帯で設定されていてもよい。
情報補間部309fは、補間切替部312において補間を行うことが示されている場合に補間を行う。なお、情報補間部309fが行う補間方法は、上記のいずれの方法であってもよい。
【0063】
図21は、学習データ作成装置30fの処理の流れを示すフローチャートである。
図21において、
図14と同様の処理については
図14と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS302の処理において、入力された情報がその他の情報である場合(ステップS302−その他)、補間切替部312は入力された情報が補間実施の切替情報であるか否か判定する(ステップS901)。補間実施の切替情報である場合(ステップS901−YES)、補間切替部312は補間実施に切り替える(ステップS902)。具体的には、補間切替部312は、補間の実施を有効にする。その後、学習データ作成装置30fは
図21の処理を終了する。
【0064】
また、ステップS309の処理が終了すると、情報補間部309fは、補間切替部312補間実施が有効であるか否か判定する(ステップS903)。補間実施が有効ではない場合(ステップS903−NO)、学習データ作成装置30fはステップS310以降の処理を実行する。
一方、補間実施が有効である場合(ステップS903−YES)、情報補間部309fは、学習データ記憶部306に保存されている学習データを参照し、位置情報の数が歩行データの数より少ないか否か判定する(ステップS904)。位置情報の数が歩行データの数より少なくない場合(ステップS904−NO)、学習データ作成装置30fはステップS310以降の処理を実行する。
【0065】
一方、位置情報のサンプル数が歩行データのサンプル数より少ない場合(ステップS904−YES)、情報補間部309fは受信された位置情報と、直近の位置情報とを比較して移動量を算出する(ステップS905)。情報補間部309fは、算出した移動量に応じて位置情報を補間する(ステップS906)。
【0066】
以上のように構成された学習データ作成装置30fによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30fは、補間するかどうかを切替可能とすることで、使用者の要求に応じて補間にかかる時間を削減し、学習データの作成時間を低減することができる。
【0067】
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、端末装置及び測位装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図22は、学習データ作成装置30gの構成を表す概略ブロック図である。学習データ作成装置30gは、情報入力部301、通信部302、制御部303、基準時刻記憶部304、学習データ作成部305、学習データ記憶部306、測位部313及び情報出力部314を備える。学習データ作成装置30gは、測位部313及び情報出力部314を新たに備える点で学習データ作成装置30と構成が異なる。学習データ作成装置30gは、その他の構成については学習データ作成装置30と同様の構成を備える。そのため、学習データ作成装置30g全体の説明は省略し、測位部313及び情報出力部314について説明する。
【0068】
測位部313は、受信された歩行データを、予め構築した相関モデル式に適用して端末装置10を測位する。
情報出力部314は、ディスプレイなどの出力装置を用いて構成される。情報出力部314は、測位部313から出力された測位結果を表示する。例えば、情報出力部314は、PDR等の方法を用いて測位結果を表示する。
【0069】
図23は、学習データ作成装置30gの処理の流れを示すフローチャートである。
図23において、
図7と同様の処理については
図7と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS308の処理が終了すると、測位部313は歩行データから端末装置10を測位する(ステップS1001)。測位部313は、測位結果を情報出力部314に出力する。情報出力部314は、測位部313から出力された測位結果を出力する(ステップS1002)。例えば、情報出力部314は、測位結果を表示する。
【0070】
以上のように構成された学習データ作成装置30gによれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、学習データ作成装置30gは、学習データの作成と歩行データからの位置情報の表示を同時に実施できることで、学習データの計測と構築した相関モデル式の検証を並行して実施でき、作業時間を低減することができる。
【0071】
作成した学習データを用いて、相関モデル式を定期的に更新してもよい。また測位結果の出力時に、測位装置20から受信した位置情報も同時に描画してもよい。
結果の出力方法としては、テキストで座標情報を時系列順に表示してもよいし、地図上に点と線で移動経路を描画してもよい。
【0072】
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、測位装置及び学習データ作成装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図24は、端末装置10aの構成を表す概略ブロック図である。端末装置10aは、通信部101、制御部102、端末時刻記憶部103、歩行センサ104、端末送信データ作成部105及び入力部106を備える。端末装置10aは、入力部106を新たに備える点で端末装置10と構成が異なる。端末装置10aは、その他の構成については端末装置10と同様の構成を備える。そのため、端末装置10a全体の説明は省略し、入力部106について説明する。
入力部106は、キーボード、マウス、スイッチ及びマイク等の入力装置を用いて構成される。入力部106は、計測開始命令及び計測終了命令の入力を受け付ける。
【0073】
図25は、端末装置10aの処理の流れを示すフローチャートである。
図25において、
図3と同様の処理については
図3と同様の符号を付して説明を省略する。
制御部102は、入力部106を介して計測開始命令の入力があったか否か判定する(ステップS1101)。入力部106を介して計測開始命令の入力があった場合(ステップS1101−YES)、制御部102は通信部101を制御して計測開始命令を測位装置20に送信する(ステップS1102)。また、制御部102は、通信部101を制御して計測開始を学習データ作成装置30に通知する(ステップS1103)。ステップS1103の処理終了後、又は、入力部106を介して計測開始命令の入力がなかった場合(ステップS1101−NO)、端末装置10aはステップS101からステップS106までの処理を実行する。
【0074】
その後、制御部102は、入力部106を介して計測終了命令の入力があったか否か判定する(ステップS1104)。入力部106を介して計測終了命令の入力がなかった場合(ステップS1104−NO)、端末装置10aは計測終了命令の入力がなされるまでステップS104からステップS106までの処理を繰り返し実行する。
一方、入力部106を介して計測終了命令の入力があった場合(ステップS1104−YES)、制御部102は通信部101を制御して計測終了命令を測位装置20に送信する(ステップS1105)。また、制御部102は、通信部101を制御して計測終了を学習データ作成装置30に通知する(ステップS1106)。
【0075】
以上のように構成された端末装置10aによれば、計測の開始と終了を自装置で制御することで、学習データ作成装置30への情報入力の手間を削減し、学習データ作成のための作業時間を低減することができる。
【0076】
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、測位装置及び学習データ作成装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図26は、端末装置10bの構成を表す概略ブロック図である。端末装置10bは、通信部101、制御部102、端末時刻記憶部103、歩行センサ104、端末送信データ作成部105及び計測判断部107を備える。端末装置10bは、計測判断部107を新たに備える点で端末装置10と構成が異なる。端末装置10bは、その他の構成については端末装置10と同様の構成を備える。そのため、端末装置10b全体の説明は省略し、計測判断部107について説明する。
計測判断部107は、計測を開始及び終了するか否かを判断する。
【0077】
図27は、端末装置10bの処理の流れを示すフローチャートである。
図27において、
図3と同様の処理については
図3と同様の符号を付して説明を省略する。
歩行センサ104は、歩行データを計測する(ステップS1201)。計測判断部107は、歩行センサ104によって計測された歩行データを入力とする。計測判断部107は、入力した歩行データと、ジャンプ動作や急回転動作等の計測開始用の動作パターンの歩行データとが類似するか否か判定する(ステップS1202)。
【0078】
具体的には、まず計測判断部107は、入力した歩行データと、計測開始用の動作パターンの歩行データとの類似度を算出する。次に、計測判断部107は、算出した類似度が閾値以上である場合、入力した歩行データと、計測開始用の動作パターンの歩行データとが類似すると判断する。一方、計測判断部107は、算出した類似度が閾値未満である場合、入力した歩行データと、計測命令用の動作パターンの歩行データとが類似しないと判断する。
【0079】
歩行データと、計測命令用の動作パターンの歩行データとが類似する場合(ステップS1202−YES)、計測判断部107は、計測を開始すると判断し、計測を開始する旨を制御部102に通知する。計測判断部107から計測を開始する旨の通知がなされると、制御部102は通信部101を制御して、計測開始命令を測位装置20に送信する(ステップS1203)。また、制御部102は、通信部101を制御して、計測開始を学習データ作成装置30に通知する(ステップS1204)。その後、ステップS101からステップS107までの処理が実行される。
【0080】
また、ステップS1202の処理において、入力した歩行データと、計測命令用の動作パターンの歩行データとが類似しない場合(ステップS1202−NO)、計測判断部107は計測を開始しないと判断し、計測を開始しない旨を制御部102に通知する。その後、制御部102は、計測開始命令を学習データ作成装置30から受信したか否か判定する(ステップS1205)。計測開始命令を学習データ作成装置30から受信していない場合(ステップS1205−NO)、端末装置10bは
図27の処理を終了する。
一方、計測開始命令を学習データ作成装置30から受信した場合(ステップS1205−YES)、端末装置10bはステップS101からステップS107までの処理を実行する。
【0081】
また、ステップS107の処理において、計測終了命令が受信されなかった場合(ステップS107−NO)、計測判断部107はステップS104の処理で取得された歩行データが、計測終了用の動作パターンの歩行データと類似するか否か判定する(ステップS1205)。計測終了用の動作パターンの歩行データと類似しない場合(ステップS1205−NO)、端末装置10bはステップS104からステップS107までの処理を繰り返し実行する。
一方、計測終了用の動作パターンの歩行データと類似する場合(ステップS1205−YES)、計測判断部107は計測を終了すると判断し、計測を終了する旨を制御部102に通知する。計測判断部107から計測を終了する旨の通知がなされると、制御部102は通信部101を制御して、計測終了命令を測位装置20に送信する(ステップS1207)。また、制御部102は、通信部101を制御して、計測終了を学習データ作成装置30に通知する(ステップS1208)。
【0082】
以上のように構成された端末装置10bによれば、端末装置10bの歩行センサ104の歩行データから計測命令を判断し、計測の開始と終了を制御する。これにより、学習データ作成装置30への情報入力の手間を減らし、学習データ作成のための作業時間を低減することができる。
【0083】
端末装置10bの変形例について説明する。
計測判断部107は、計測開始又は終了を閾値で判断する以外に、歩行動作、停止動作、ジャンプ動作などの動作を識別可能な構成として、予め設定した計測命令用の動作と識別された場合に計測開始又は計測終了を判断してもよい。
【0084】
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、測位装置及び学習データ作成装置については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
図28は、端末装置10cの構成を表す概略ブロック図である。端末装置10cは、通信部101、制御部102、端末時刻記憶部103、歩行センサ104、端末送信データ作成部105、計測判断部107c及び計測判断切替部108を備える。端末装置10cは、計測判断部107に代えて計測判断部107cを備える点、計測判断切替部108を新たに備える点で端末装置10bと構成が異なる。端末装置10cは、その他の構成については端末装置10bと同様の構成を備える。そのため、端末装置10c全体の説明は省略し、計測判断部107c及び計測判断切替部108について説明する。
【0085】
計測判断切替部108は、計測判断を有効にするか否かの切り替えを行う。計測判断を有効にするか否かは、ユーザによって設定されてもよいし、予め時間帯で設定されていてもよい。
計測判断部107cは、計測判断切替部108において計測判断を有効にすることが示されている場合に計測を開始するか否かの判断を行う。計測判断部107cによる計測開始又は終了の判断方法は、計測判断部107と同様である。
【0086】
図29は、端末装置10cの処理の流れを示すフローチャートである。
図29において、
図27と同様の処理については
図27と同様の符号を付して説明を省略する。
計測判断部107cは、計測判断が有効であるか否か判定する(ステップS1301)。具体的には、計測判断部107cは、計測判断切替部108が計測判断が有効であることを示しているか否か判定する。計測判断切替部108が計測判断が有効であることを示している場合、計測判断部107cは計測判断が有効であると判断する。一方、計測判断切替部108が計測判断が有効ではないことを示している場合、計測判断部107cは計測判断が有効ではないと判断する。計測判断が有効である場合(ステップS1301−YES)、制御部102は歩行センサ104に対して歩行データの計測開始を指示する。その後、ステップS1201以降の処理が実行される。
一方、計測判断が有効ではない場合(ステップS1301−NO)、端末装置10cはステップS1205以降の処理を実行する。
【0087】
以上のように構成された端末装置10cによれば、計測判断を切り替え可能とすることで、ジャンプ動作などを含む歩行経路の学習データ計測においては計測判断部を使用しないなど、経路に応じて計測判断を切り替えて効率的に学習データを作成できるようになり、作業時間を低減することができる。
【0088】
以下、端末装置10cの変形例について説明する。
計測判断の切り替えは、学習データ作成装置30の情報入力部301にて実施しても良いし、端末装置10cにスイッチやマイクなどを取り付けて、スイッチ操作や音声入力など端末へ直接入力して実施してもよい。
【0089】
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、学習データ作成システムが測位装置を備えない場合について説明する。
図30は、実施形態の学習データ作成システム200のシステム構成を示す図である。学習データ作成システム200は、屋外等のGPSが受信可能な環境において適用される。学習データ作成システム200は、端末装置12及び学習データ作成装置32を備える。端末装置12及び学習データ作成装置32のそれぞれは、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。
【0090】
端末装置12は、屋外を移動する歩行者2が携行する装置である。端末装置12は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話及びウェアラブル端末等である。端末装置12は、歩行データ及び位置情報を取得する。端末装置12は、例えば歩行者2が点線3で示される方向に移動した場合に、移動により生じた歩行データ及び位置情報を取得する。
学習データ作成装置32は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。学習データ作成装置32は、端末装置12が取得した歩行データ及び位置情報に基づいて、学習データを作成する。
【0091】
図31は、学習データ作成システム200における各装置の構成を表す概略ブロック図である。まず、端末装置12の機能構成について説明する。端末装置12は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、端末装置プログラムを実行する。端末装置プログラムの実行によって、端末装置12は、通信部121、制御部122、端末時刻記憶部123、歩行センサ124、端末測位部125、端末送信データ作成部126を備える装置として機能する。なお、端末装置12の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、端末装置プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、端末装置プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0092】
通信部121は、ネットワーク40を介して、学習データ作成装置32と通信を行う。例えば、通信部121は、計測開始信号、計測終了信号及び基準時刻情報を学習データ作成装置32から受信する。また、通信部121は、歩行データ及び位置情報を学習データ作成装置32に送信する。
制御部122は、各機能部を制御する。
【0093】
端末時刻記憶部123は、端末装置12の時刻を記憶し、時間経過と共に時刻を刻む。通信部121によって、基準時刻情報が受信された場合には、受信された基準時刻情報で示される時刻が端末装置12の時刻情報として記憶される。端末時刻記憶部123が記憶する時刻は、絶対時刻であってもよいし、予め指定した時刻からの相対時刻であってもよい。
歩行センサ124は、加速度センサ、ジャイロセンサ及び地磁気センサ等である。歩行センサ124は、3軸の加速度データ、3軸の角速度データ、3軸の地磁気データ及び方位等の歩行データを計測する。
【0094】
端末測位部125は、GPS、カメラ等から端末装置12の測位に必要となる情報を取得し、端末装置12の位置を測位する。端末装置12が歩行者2に装着されているとして、端末測位部125は歩行者2の位置を端末装置12の位置情報としてもよい。また、端末測位部125は、測位方法として、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、音波、可視光通信及び赤外線通信等を使用してもよい。
端末送信データ作成部126は、端末時刻記憶部123に記憶されている時刻情報と、歩行センサ124によって測定された歩行データと、端末測位部125によって取得された位置情報とに基づいて送信データを作成する。
【0095】
次に、学習データ作成装置32の機能構成について説明する。学習データ作成装置32は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、学習データ作成プログラムを実行する。学習データ作成プログラムの実行によって、学習データ作成装置32は、情報入力部321、通信部322、制御部323、基準時刻記憶部324、学習データ作成部325、学習データ記憶部326を備える装置として機能する。なお、学習データ作成装置32の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、学習データ作成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、学習データ作成プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0096】
情報入力部321は、キーボード、タッチパネル、タッチパッド及びボタン(例えば、テンキー)等の既存の入力装置を用いて構成される。情報入力部321は、ユーザの指示を学習データ作成装置32に入力する際にユーザによって操作される。情報入力部321は、基準時刻情報、計測開始命令及び計測終了命令の入力を受け付ける。また、情報入力部321は、入力装置を学習データ作成装置32に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、情報入力部321は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を学習データ作成装置32に入力する。
【0097】
通信部322は、ネットワーク40を介して、端末装置12と通信する。通信部322は、基準時刻情報、計測開始命令及び計測終了命令を端末装置12に送信する。また、通信部322は、端末装置12から歩行データ及び位置情報を含む送信データを受信する。なお、通信部322は、時刻情報が存在しない歩行データ・位置情報には受信時の時刻を時刻情報としてもよい。
制御部323は、各機能部を制御する。
【0098】
基準時刻記憶部324は、基準時刻を記憶し、時間経過と共に時刻を刻む。
学習データ作成部325は、通信部221によって受信された歩行データ及び位置情報に基づいて学習データを作成する。なお、学習データの作成方法は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
学習データ記憶部326は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。学習データ記憶部326は、学習データ作成部325によって作成された学習データを記憶する。
【0099】
図32は、端末装置12の処理の流れを示すフローチャートである。
図32の処理は、学習データ作成装置32から送信された計測開始命令が受信された場合に実行される。
通信部121は、基準時刻情報を学習データ作成装置32に要求し(ステップS1301)、学習データ作成装置32から基準時刻情報を受信する(ステップS1302)。制御部122は、通信部121によって受信された基準時刻情報で示される時刻を端末時刻記憶部123に記憶する(ステップS1303)。
【0100】
その後、制御部122は、歩行センサ124及び端末測位部125に対して計測開始を指示する。歩行センサ124は、制御部122の指示に従って歩行データを計測する(ステップS1304)。歩行センサ124は、計測した歩行データを端末送信データ作成部126に出力する。また、端末測位部125は、制御部122の指示に従って自装置の位置を計測する(ステップS1305)。端末測位部125は、計測した位置情報を端末送信データ作成部126に出力する。端末送信データ作成部126は、歩行センサ124から出力された歩行データと、端末測位部125から出力された位置情報と、端末時刻記憶部103で示される時刻情報とを対応付けて送信データを作成する(ステップS1306)。通信部121は、端末送信データ作成部126から出力された送信データを、ネットワーク40を介して学習データ作成装置32に送信する(ステップS1307)。
【0101】
なお、端末装置12が複数存在する場合、各端末装置12は識別情報を送信データに付与して送信してもよい。通信部121は、学習データ作成装置32から計測終了命令が受信されたか否か判定する(ステップS1308)。計測終了命令が受信された場合(ステップS1308−YES)、端末装置12は
図32の処理を終了する。この場合、制御部122は歩行センサ124及び端末測位部125に対して計測終了を指示する。歩行センサ124及び端末測位部125は、制御部122の指示に従って歩行データ及び位置の計測を終了する。
一方、計測終了命令が受信されていない場合(ステップS1308−NO)、端末装置12はステップS1304以降の処理を繰り返し実行する。
【0102】
以上のように構成された学習データ作成装置32によれば、GPSが受信可能な環境において、GPSを用いて位置情報を取得すること、測位装置の設置の手間をなくして、作業時間を低減することができる。
【0103】
上記の第1の実施形態から第8の実施形態に示した学習データ作成装置30〜30gと、上記の第9の実施形態から第11の実施形態に示した端末装置10a〜10cとは、適宜組み合わされてもよい。
上記各実施形態における学習データ作成装置30〜30g及び32は、自装置においてユーザの歩行データと、ユーザの位置情報とを取得し、取得した歩行データと、位置情報とに基づいて学習データを作成するように構成されてもよい。
【0104】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、ユーザの歩行データと、ユーザの位置情報とを取得する取得部(実施形態の「通信部302」に相当)と、取得された歩行データと、位置情報とを時刻情報に基づいて対応付けることによって学習データを作成する学習データ作成部305とを持つことにより、学習データ作成に要する時間を抑えつつ、精度の高い学習データを作成することができる。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。