特許 6789811 換気口カバー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6789811

(24)【登録日】2020年11月6日

(45)【発行日】2020年11月25日

(54)【発明の名称】換気口カバー

(51)【国際特許分類】

   F24F 7/04 20060101AFI20201116BHJP

   F24F 7/00 20060101ALI20201116BHJP

【ＦＩ】

   F24F7/04 B

   F24F7/00 Z

【請求項の数】7

【全頁数】17

(21)【出願番号】特願2016-257264(P2016-257264)

(22)【出願日】2016年12月29日

(65)【公開番号】特開2018-109469(P2018-109469A)

(43)【公開日】2018年7月12日

【審査請求日】2019年11月6日

(73)【特許権者】

【識別番号】593225046

【氏名又は名称】有賀工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100104488

【弁理士】

【氏名又は名称】杉本 良夫

(72)【発明者】

【氏名】有賀 陽一

【審査官】 岩瀬 昌治

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１４−１４５５７６（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１５−０９９００４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０９−２４２７２３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０９−１５８９１７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１３−２１３６３３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００１−０９１００４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 米国特許第０４３８３４７７（ＵＳ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｆ２４Ｆ ７／０４

Ｆ２４Ｆ ７／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

建物の壁（Ｗ）に形成された給気孔（Ｗ２）内に挿入される中空の挿入部（３）と、該挿入部（３）の先端部に外周側に向けて連設され、前記給気孔（Ｗ２）の孔縁を覆う化粧縁部（４）と、を具備した本体部（２）と、
前記挿入部（３）の内部に具備されたスライダー挿入孔（９）と、
前記本体部（２）の室内側開口（２０１）を開閉する風量調整板（５）と、
前記スライダー挿入孔（９）内に挿抜自在に挿入されるとともに、弾性手段（１３）によってスライダー挿入孔（９）から抜ける方向に付勢され、先端側は前記風量調整板（５）に連結された、複数個の係止凹部（１４）が形成されたスライダー（１２）と、
前記係止凹部（１４）に係脱自在に係止される係止爪（１７）を具備して、係止爪（１７）を前記係止凹部（１４）に係止することで、前記スライダー（１２）が前記スライダー挿入孔（９）から抜ける方向へ移動することは阻止し、前記スライダー（１２）がスライダー挿入孔（９）へ挿入される方向へ移動することは許容するとともに、弾性手段（１８）によって係止爪（１７）が前記係止凹部（１４）に係止する方向へ付勢されたストッパー（１５）と、
前記ストッパー（１５）を、前記係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除される方向へ移動するためのスイッチ（１９）と、
前記係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除されているときに前記ストッパー（１５）の位置を固定して、係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除された状態を維持するための保持部材（２５）と、
前記スライダー（１２）に形成した、スライダー（１２）が前記係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除されている状態で前記スライダー挿入孔（９）から抜ける方向へ移動したときに、前記保持部材（２５）による前記ストッパー（１５）の位置の固定を解除する解除手段（３１）と、を具備し、
前記係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除されているとともに、前記保持部材（２５）によってストッパー（１５）の位置が固定されている状態のときに、スライダー（１２）がスライダー挿入孔（９）から抜ける方向へ移動することで、前記解除手段（３１）によって、前記ストッパー（１５）の位置の固定を解除し、それにより前記係止凹部（１４）に係止爪（１７）を係止させる、ことを特徴とする喚起口カバー。

【請求項2】

前記ストッパー（１５）を係止爪（１７）が前記係止凹部（１４）に係止する方向へ付勢する弾性手段（１８）が板バネであることを特徴とする請求項１に記載の喚起口カバー。

【請求項3】

前記保持部材（２５）は一対の脚部（２６）を有するＵ字状であるとともに脚部（２６）が風量調整板（５）側に向くような配置で備えられ、前記ストッパー（１５）は前記保持部材（２５）の一対の脚部（２６）が係止される鍔部（３０）を具備し、前記ストッパー（１５）を前記係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除される方向に移動することで、前記鍔部（３０）が一対の脚部（２６）に係止されてストッパー（１５）の位置が固定され、これにより、係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除された状態が維持されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の喚起口カバー。

【請求項4】

前記スライダー（１２）に形成した解除手段（３１）は、前記保持部材（２５）の一対の脚部（２６）を互いに離反する方向へ広げ、前記一対の脚部（２６）と鍔部（３０）との係止を解除可能な径を有した拡大部であることを特徴とする請求項３に記載の喚起口カバー。

【請求項5】

前記スライダー（１２）が前記風量調整板（５）に係脱自在に連結されたことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の喚起口カバー。

【請求項6】

前記ストッパー（１５）は前記スイッチ（１９）の先端が挿通する貫通孔（２３）を具備するとともに、該貫通孔（２３）内にはテーパー状の受圧壁（２４）が形成され、前記スイッチ（１９）は前記受圧壁（２４）を押圧する押圧面（２２）を具備し、押圧面（２２）で受圧壁（２４）を押圧することで、前記ストッパー（１５）を、前記係止凹部（１４）と係止爪（１７）との係止が解除される方向へ移動することとしたことを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の喚起口カバー。

【請求項7】

前記風量調整板（５）に、前記本体部（２）側に向けてフィルター（４２）を装着したことを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の喚起口カバー。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、屋外から室内に通じる換気口の室内側に取り付けられる換気口カバーに係り、より詳しくは、換気口を段階的に閉鎖自在であるとともに一度の動作で換気口を全開あるいは全閉することも自在であり、更に、意図しないにもかかわらず換気口が全開してしまうことを防止した換気口カバーに関する。

【背景技術】

【0002】

近年の住宅は高気密化が進んでいるために、十分な換気を行わないと、壁材などに用いられている揮発性有機化合物（ＶＯＣ）を原因とするシックハウス症候群になるおそれが考えられる。そのために、西暦２００３年の建築基準法改正により、シックハウス症候群対策として常時換気できる設備の設置が義務付けられ、それに従い、建物の室内側にも換気口カバーが取り付けられるようになった。

【0003】

ここで、従来から用いられている換気口カバーについて説明すると、一般的に換気口カバーは、建物の壁に形成された給気孔に挿入される円筒形状の本体部と、前記給気孔を開閉自在に閉鎖する蓋としての風量調整板とを具備しており、風量調整板は、本体部に支持されるとともに、給気孔の開閉割合を調整自在としている。

【0004】

即ち、風量調整板の裏面には、本体部側に向けて棒状のスライダーが突設されており、一方本体部には、風量調整板に突設したスライダーが挿入されるスライダー挿入孔が具備されており、スライダー挿入孔に対するスライダーの挿入割合を調整することにより、風量調整板による給気孔の開閉割合を調整可能としている。

【0005】

そして、このとき、従来の換気口カバーの中には、スライダー挿入孔に対してスライダーを段階的に伸縮自在にすることで、風量調整板による給気孔の開閉割合を段階的に調整可能とした段階的伸縮機構を採用したものが存在していた。

【0006】

即ち、この段階的に伸縮自在とした方法では、スプリング等の弾性手段によってスライダーを伸びる方向へ付勢するとともに、スライダーに長手方向に沿って複数の係止凹部を形成して、スライダー挿入孔の内部にはスライダーに形成した係止凹部に係止される係止爪を備えて、係止爪が係止するスライダーの係止凹部の位置を変化させることで、スライダー挿入孔に対してスライダーを段階的に伸縮自在としている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【特許文献1】特開２００６−１８０９７６号公報

【特許文献2】特開２００６−１８０９７７号公報

【特許文献3】特開平９−１５８９１７号公報

【特許文献4】特開平９−２４２７２３号公報

【特許文献5】特開平１１−３１５８１２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

ところで、従来の段階的な伸縮機構におけるスライダーの伸縮形態は、スライダーが段階的に伸びる場合（特開平１１−３１５８１２号公報参照）と、スライダーが段階的に縮む場合（特開平９−１５８９１７号公報、特開平９−２４２７２３号公報参照）があるが、このうち段階的に縮む機構では、完全にスライダーを縮ませて風量調整板を全閉にした状態において、更に風量調整板を押し込むことで、係止爪と係止凹部との係止が解除され、それによりスライダーが最長まで伸びて風量調整板が全開状態になる方法が採用されている。そのため、風量調整板を全閉にするために一気にスライダーを押し込んだ場合に、風量調整板を全閉にする位置を超えてスライダーを押し込んでしまうことがあり、この場合には、風量調整板を全閉にする意図に反して、スライダーが最長位置まで戻ってしまい風量調整板が全開してしまうことがあった。そしてこのことは特に、台風等の風が強いときに、室内に風が入り込んでくることを防止するために風量調整板を一気に全閉にしようとした場合に、特に起こり易かった。

【0009】

そこで、本発明は、建物の壁に形成された給気孔に挿入される円筒形状の本体部と、給気孔を開閉自在に閉鎖する蓋としての風量調整板とを具備した換気口カバーにおいて、風量調整板を段階的に閉めることができるとともに、１回の動作で風量調整板による給気孔の全開、全閉を行うことの双方を可能にし、更に、給気孔を全閉にした状態において風量調整板を押し込んだ場合でも給気孔が開くことが無い換気口カバーを提供することを課題としている。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明の換気口カバーは、
建物の壁に形成された給気孔内に挿入される中空の挿入部と、該挿入部の先端部に外周側に向けて連設され、前記給気孔の孔縁を覆う化粧縁部と、を具備した本体部と、
前記挿入部の内部に具備されたスライダー挿入孔と、
前記本体部の室内側開口を開閉する風量調整板と、
前記スライダー挿入孔内に挿抜自在に挿入されるとともに、弾性手段によってスライダー挿入孔から抜ける方向に付勢され、先端側は前記風量調整板に連結された、複数個の係止凹部が形成されたスライダーと、
前記係止凹部に係脱自在に係止される係止爪を具備して、係止爪を前記係止凹部に係止することで、前記スライダーが前記スライダー挿入孔から抜ける方向へ移動することは阻止し、前記スライダーがスライダー挿入孔へ挿入される方向へ移動することは許容するとともに、弾性手段によって係止爪が前記係止凹部に係止する方向へ付勢されたストッパーと、
前記ストッパーを、前記係止凹部と係止爪との係止が解除される方向へ移動するためのスイッチと、
前記係止凹部と係止爪との係止が解除されているときに前記ストッパーの位置を固定して、係止凹部と係止爪との係止が解除された状態を維持するための保持部材と、
前記スライダーに形成した、スライダーが前記係止凹部と係止爪との係止が解除されている状態で前記スライダー挿入孔から抜ける方向へ移動したときに、前記保持部材による前記ストッパーの位置の固定を解除する解除手段と、を具備し、
前記係止凹部と係止爪との係止が解除されているとともに、前記保持部材によってストッパーの位置が固定されている状態のときに、スライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向へ移動することで、前記解除手段によって、前記ストッパーの位置の固定を解除し、それにより前記係止凹部に係止爪を係止させる、ことを特徴としている。

【発明の効果】

【0011】

本発明の換気口カバーでは、建物の壁に形成された給気孔内に挿入された本体部の室内側開口部を風量調整板で開閉自在に閉鎖し、風量調整板に先端部が連結されたスライダーを本体部内に具備されたスライダー挿入孔内に挿抜自在に挿入している。そしてそれにより、スライダーを介して風量調整板を本体部に対して進退自在とし、スライダー挿入孔に対するスライダーの挿入割合を調整することで、風量調整板による本体部の室内側開口部の開閉割合を調整可能としている。また、スライダーは、複数個の係止凹部を具備するとともに、スライダー挿入孔から抜ける方向に付勢されており、一方、スライダーの係止凹部に係止する係止爪を有するストッパーが、スライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向に移動することを阻止している。

【0012】

従って、係止爪と係止凹部との係止を解除することで、スライダー挿入孔に対するスライダーの挿入割合を調整することができ、そのとき、複数個の係止凹部に対して順番に係止爪を係止させることで、段階的にスライダーを縮めることができるとともに、最先端あるいは最後端の係止凹部に係止爪が係止されるまで係止爪と係止凹部との係止を解除することで、一気にスライダーを伸縮し、１回の動作で風量調整板による給気孔の全閉又は全閉を行うことも可能である。

【0013】

またストッパーは、スライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向へ移動することを阻止しており、ストッパーを操作しない限りスライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向へ移動しないとともに風量調整板も移動しないが、本発明では、係止凹部と係止爪との係止が解除される方向へストッパーを移動するためのスイッチを有している。そのため、スイッチを操作することで、１回の動作で風量調整板による給気孔の全開を行うことが可能であるとともに、風量調整板が全閉状態のときに風量調整板を押し込んでも、スライダーが風量調整板に移動することがなく、意図しないにも関わらず風量調整板が全開してしまうことも無い。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】本発明の換気口カバーの実施例の構造を説明するための断面図である。

【図2】本発明の換気口カバーの実施例の構造を説明するための断面図である。

【図3】本発明の換気口カバーの実施例における本体部を説明するための図である。

【図4】図３におけるＡ−Ａ線断面構造を示す図である。

【図5】本発明の換気口カバーの実施例におけるストッパーを説明するための図である。

【図6】本発明の換気口カバーの実施例におけるストッパーを説明するための図であり、図５におけるＢ−Ｂ線断面構造を拡大して示している。

【図7】本発明の換気口カバーの実施例における保持部材を説明するための図である。

【図8】本発明の換気口カバーの実施例における保持部材を説明するための図である。

【図9】本発明の換気口カバーの実施例における保持部材を説明するための図である。

【図10】本発明の換気口カバーの実施例におけるストッパーと保持部材の関係を説明するための図である。

【図11】本発明の換気口カバーの実施例におけるストッパーと保持部材の関係を説明するための図である。

【図12】本発明の換気口カバーの実施例におけるストッパーと保持部材の関係を説明するための図である。

【図13】本発明の換気口カバーの実施例におけるカバーを示す図である。

【図14】本発明の換気口カバーの実施例におけるスライダーを説明するための図である。

【図15】本発明の換気口カバーの実施例におけるスライダーを説明するための図である。

【図16】本発明の換気口カバーの実施例におけるスイッチを説明するための図である。

【図17】本発明の換気口カバーの実施例におけるスイッチを説明するための図であり、図１６におけるＣ−Ｃ線断面構造を示している。

【図18】本発明の換気口カバーの実施例における取付部材を説明するための図である。

【図19】本発明の換気口カバーの実施例における取付部材を説明するための図である。

【図20】本発明の換気口カバーの実施例における取付部材を説明するための図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

本発明の換気口カバーでは本体部を有しており、この本体部は、建物の壁に形成された給気孔内に挿入される中空の挿入部を具備するとともに、この挿入部の先端部には、給気孔の室内側の孔縁に沿って壁面を覆う化粧縁部が、室内側の外周側に向けて連設され、更に、挿入部の内部にはスライダー挿入孔が具備されている。

【0016】

また、本発明の換気口カバーでは風量調整板を有しており、この風量調整板は、前記本体部の室内側の開口部を開閉する蓋として機能する。

【0017】

更に、スライダー挿入孔内には、挿抜自在にして、長尺状のスライダーが挿入されており、このスライダーは、長手方向に沿って複数個の係止凹部を有し、弾性手段によって、スライダー挿入孔から抜ける方向に付勢されている。そして、スライダーにおける反スライダー挿入孔側の先端側は、固定又は係脱自在にして、風量調整板に連結されており、これにより風量調整板は、スライダーを介して本体部に支持されている。

【0018】

更にまた、本発明はスライダーの移動を制御するストッパーを有している。そしてこのストッパーは、スライダーの係止凹部に係止される係止爪を有しており、係止爪を係止凹部に係止することにより、前記スライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向に移動することは阻止し、スライダーがスライダー挿入孔内に挿入される方向へ移動することは許容することとしている。そしてストッパーは、弾性手段としての板バネによって、係止爪が係止凹部に係止する方向へ付勢されている。

【0019】

また本発明では、ストッパーを、係止凹部と係止爪との係止が解除される方向へ移動するためのスイッチと、係止凹部と係止爪との係止が解除されているときにストッパーの位置を固定して、係止凹部と係止爪との係止が解除された状態を維持するための保持部材を具備している。

【0020】

そしてスライダーには、係止凹部と係止爪との係止が解除されている状態のときにスライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向へ移動したときに、保持部材によるストッパーの位置の固定を解除するための解除手段が形成されている。

【0021】

そして、係止凹部と係止爪との係止が解除されているとともに、保持部材によってストッパーの位置が固定されている状態のときに、スライダーがスライダー挿入孔から抜ける方向へ移動することで、解除手段によってストッパーの位置の固定を解除し、それにより係止凹部に係止爪を係止させることとしている。

【0022】

ここで、保持部材を、一対の脚部を有するＵ字状にして脚部が風量調整板側に向くような配置で備え、ストッパーには保持部材の一対の脚部が係止される鍔部を具備し、ストッパーを係止凹部と係止爪との係止が解除される方向に移動することで、鍔部が一対の脚部に係止されてストッパーの位置が固定されるようにするとよく、これにより、係止凹部と係止爪との係止が解除された状態を維持することが可能となる。

【0023】

そしてこのとき、スライダーに形成した解除手段は、保持部材の脚部を互いに離反する方向へ広げることで、一対の脚部と鍔部との係止を解除して、ストッパーを係止爪が係止凹部に係止する方向へ移動させることが可能な径を有する拡大部にすると良く、これにより、スライダーが係止凹部と係止爪との係止が解除されている状態でスライダー挿入孔から抜ける方向へ移動したときに、容易にストッパーの位置の固定を解除することが可能である。

【0024】

また、ストッパーに、スイッチの先端が挿通する貫通孔を形成するとともに、この貫通孔内にはテーパー状の受圧壁を形成し、一方、スイッチには受圧壁を押圧する押圧面を有し、押圧面で受圧壁を押圧することで、ストッパーを、係止凹部と係止爪との係止が解除される方向へ移動可能にするとよく、これにより、スイッチを操作することで、１回の動作で風量調整板による給気孔の全開を行うことが可能である。

【0025】

更に、風量調整板に、本体部側に向けてフィルター部を装着するとよく、これにより、外気とともに本体部に流入してくる塵埃などの異物をフィルターで捕捉することが可能である。

【実施例1】

【0026】

本発明の換気口カバーの実施例について図面を参照して説明すると、図１及び図２は本実施例の換気口カバーの構造を説明するための断面図である。そして、図において１が本実施例の換気口カバーであり、本実施例の換気口カバー１は、 建物の壁Ｗに形成された給気孔内Ｗ２に挿入される本体部２と、この本体部２の室内側の開口２０１を開閉自在に閉鎖する風量調整板５を具備し、本体部２に対して風量調整板５を移動することで、本体部２の室内側開口２０１を開閉自在としている。即ち、風量調整板５で本体部２の室内側開口２０１を閉鎖した状態が図１の状態であり、風量調整板５を移動させて本体部２の室内側開口２０１を解放した状態が図２の状態である。なお便宜上、図における上側、即ち室内側を先端側とし、下側、即ち室外側を基端側と言い、図１及び図２は縦断正面構造を示していることとする。

【0027】

まず、前記本体部２について図面を参照して説明すると、図３は本体部２の平面図、図４は図３におけるＡ−Ａ線断面図、即ち本体部２の縦断正面構造を示した図であり、本実施例における本体部２は、建物の壁Ｗに形成された給気孔Ｗ２内に挿入される挿入部３を有しており、この挿入部３は、前記給気孔Ｗ２の形状に合わせて、本実施例においては円筒状としている。

【0028】

そして、この挿入部３の先端部の外周には化粧縁部４が外周側に向けて連設されており、この化粧縁部４は、前記給気孔Ｗ２の孔縁を覆うために用いられ、角枠状としている。なお、挿入部３は必ずしも円筒状である必要はなく、給気孔Ｗ２の形状が角孔であれば角筒状にする。

【0029】

次に、図において６は挿入枠である。即ち、本実施例において前記本体部２内には、板状の支持枠８が上下方向に形成されており、この支持枠８は、前記本体部２の高さ方向の１／３程度の高さとし、本体部２の基端部分から上方に向けて十字状に連設されている。そして、前記支持板８の中央部の交差部分には、角筒状の挿入枠６が形成され、この挿入枠６は、有底として先端側は開口とし、先端側にはカバー７が装着されている。そしてカバー７は、下方が開放されており、上方には、図１３に示すように、後述する、スライダー１２、及びスイッチ１９のアーム２１の先端が貫通する貫通孔４８が形成されている。

【0030】

また、前記挿入枠６の中央部分には、基端側に向けてスライダー挿入孔９が具備されており、このスライダー挿入孔９に隣り合う配置で挿入枠６には、板バネ載置空間１０と、保持部材載置空間１１が、基端側に向けて具備されている。なを、スライダー挿入孔９の形成方法は特に限定されず、挿入枠６と一体に形成してもよく、あるいは、挿入枠６内にスライダーが挿入可能なケースを配置することで具備してもよい。

【0031】

次に、図１及び図２において１２はスライダーである。即ち、本実施例では角棒状のスライダー１２を有しており、このスライダー１２は、前記スライダー挿入孔９内に挿抜自在に挿入されている。また、スライダー１２は、弾性手段としての押しバネ１３によって、スライダー挿入孔９から抜ける出る方向（「突出方向」）に付勢されており、更に、先端側は前記風量調整板５に係脱自在に連結されている。なお、本実施例において前記押バネ１３はコイル状のスプリングとしているが、スライダー１２を突出方向へ付勢する弾性手段１３は必ずしもコイル状のバネにする必要はなく、いずれの弾性手段を用いても良い。また図においては理解を容易にするために押しバネ１３を簡易的に表示している。

【0032】

ここで、図１４は前記スライダー１２を示す斜視図、図１５は前記スライダー１２の縦断正面構造を示す図であり、図において前記スライダー１２には、長手方向に沿って間隔を置いて複数の係止凹部１４が形成されており、この係止凹部１４内に係脱自在に係止される係止爪を有したストッパーによって、突出方向への移動が規制されている。

【0033】

即ち、図１及び図２において１５がストッパーであり、本実施例において前記ストッパー１５は四角枠状としており、前記挿入枠６とカバー７間に配置され、図１及び図２における左右方向へ移動自在とされている。

【0034】

ここで前記ストッパー１５について説明すると、図５はストッパーを示す斜視図であり、図６は、ストッパー１５の縦断正面構造を示す図であり図５におけるＢ−Ｂ線断面構造を拡大して示した図としている。そして、前記ストッパー１５は、内周側に、前記スライダー１２に形成した係止凹部１４に係止される係止爪１７を有しており、弾性手段としての板バネ１８によって、図１及び図２における左方向、即ち、係止爪１７が係止凹部１４に係止する方向（「係止方向」）に付勢されており、通常の状態においては、板バネ１８の付勢力によって係止爪１７は、スライダー１２の係止凹部１４内に係止し、スライダー１２をロックした状態となっている。

【0035】

一方、板バネ１８の付勢力に対抗してストッパー１５を、図１及び図２における右方向、即ち係止凹部１４と係止爪１７の係止が解除する方向（「解除方向」）に移動させることで、係止爪１７と係止凹部１４との係止を解除し、スライダー１２をフリーにすることができ、それによりスライダー１２は、弾性手段としての押しバネ１４の付勢力により、突出方向へ移動してスライダー挿入孔９から抜けていく。

【0036】

そして、前記スライダー１２に形成した係止凹部１４は、スライダー１２の側面からスライダー１２の長手方向に直交する方向へ形成された水平面１４０２と、この水平面１４０２の最奥部から、斜め先端側方向に向けて形成されたテーパー面１４０１により形成されており、本実施例においては、スライダー１２の長手方向に沿って間隔を置いて、５個の係止凹部１４が形成されている。

【0037】

一方、前記係止爪１７は、図６に示すように、前記係止凹部１４における水平面１４０２に当接する水平面１７０１と、前記係止凹部１４におけるテーパー面１４０１に当接するテーパー面１７０２を有している。

【0038】

従って、係止凹部１４に係止爪１７が係止されている状態においては、スライダー１２にスライダー挿入孔９内に挿入する方向への圧力が加えられると、係止凹部１４のテーパー面１４０１によって係止爪１７のテーパー面１７０２にスライダー挿入孔９側の圧力が加えられ、いわゆるくさびの原理によって、係止爪１７のテーパー面１７０２には解除方向に向けて圧力が加えられる。そうすると、ストッパー１５は、板バネ１８の付勢力に対抗して解除方向に移動し、係止爪１７と係止凹部１４との係止が解除され、スライダー１２をスライダー挿入孔９内に挿入していくことが可能となる。従って、スライダー１２を段階的に縮めることができるとともに、スライダー１２を一気に押し込むことで、スライダーを最奥部まで一気に縮めることもできる。

【0039】

その一方、係止凹部１４に係止爪１７が係止されている状態においては、係止凹部１４の水平面１４０２と係止爪１７の水平面１７０１が当接しているために、押しバネ１４の付勢力によってスライダー１２に突出方向への圧力が加わった場合でも、スライダー１２が突出方向へ移動することは無い。従って、ストッパー１５は、前記スライダー３がスライダー挿入孔９から抜ける方向へ移動することは阻止し、スライダー１２がスライダー挿入孔９へ挿入される方向へ移動することは許容している。

【0040】

また、前述したように、スライダー１２は、弾性手段としての押しバネ１４によって、突出方向に付勢されているため、係止凹部１４と係止爪１７の係止が解除されると、スライダー１２は押バネ１４による付勢力が無くなる距離だけ、突出方向へ移動する。

【0041】

なお、本実施例においては、前述したように前記挿入枠６における係止方向の端部側に板バネ載置空間１０を形成するとともに、ストッパー１５における係止方向の端部側には板バネ用貫通孔１６を形成しており、先端側が板バネ用貫通孔１６内に位置するようにして、板バネ載置空間１０に板バネ１８を載置し、これにより、板バネ１８の先端側が常にストッパー１５を係止方向へ付勢する構成としている。但し、ストッパー１５を係止方向へ付勢する弾性手段は、必ずしも板バネにする必要は無く、コイルバネ等、いずれの弾性手段を用いても良い。

【0042】

次に、図１及び図２において１９はスイッチである。即ち、本実施例では、前記ストッパー１５を解除方向へ移動してスライダー１２のロックを解除するためのスイッチを有している。ここで、図１６は、前記スイッチ１９を示した斜視図であり、図１７は、スイッチ１９の縦断正面構造を示す図であり図１６におけるＣ−Ｃ線断面図としている。そして、本実施例において前記スイッチ１９は、押圧部２０と、この押圧部２０に連設されたアーム２１を有しており、アーム２１の先端部が、ストッパー１５を移動させるために作用することとしている。

【0043】

即ち、ストッパー１５には、前記スイッチ１９におけるアーム２１の先端が挿通する貫通孔２３が形成され、この貫通孔２３内における反係止爪側の内壁には、テーパー状の受圧壁２４が形成されている。一方、前記スイッチ１９におけるアーム２１の先端部には、前記受圧壁２４に当接するテーパー状の押圧面２２が形成されている。そして、押圧部２０が押下されていない初期状態においては、押圧面２２と受圧壁２４とは互いに離れており。押圧部２０を押下すると、押圧面２２が受圧壁２４を押圧する。そうすると、くさびの原理によってストッパー１５に解除方向への圧力が加わり、これによりストッパー１５が解除方向に移動し、係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除され、スライダー１２は、フリーな状態になり、前述したように、弾性手段としての押しバネ１４の付勢力によって、押バネ１４による付勢力が無くなる距離だけ、突出方向へ移動する。

【0044】

次に、図１及び図２において２５は、前記スイッチ１９における押圧部２０の押圧によって係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除されたときに、ストッパー１５の位置を固定して、係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除された状態を維持するための保持部材である。

【0045】

ここで、前記保持部材２５について説明すると、図７乃至図９は前記保持部材２５を示す図であり、本実施例において前記保持部材２５は、樹脂等の変形可能な線材を略Ｕ字状に加工した形状としており、一対の脚部２６が先端側に向く配置で、前記挿入枠６に形成された保持部材載置空間１１内に載置されている。そして、この保持部材２５は、前記脚部２６に互いに離反する方向への圧力を加えることで脚部２６間が広がり、この圧力を解除すると元の形状に復元する。

【0046】

一方、前記ストッパー１５における解除方向側の先端部にはヘッド部２９が形成され、前記一対の脚部２６は、ヘッド部２９を挟持する配置としている。また、前記ヘッド部２９には、前記一対の脚部２６により挟持される面のそれぞれに、鍔部３０が突設されている。

【0047】

そして、係止凹部１４に係止爪１７が係止されている状態においては、前記一対の脚部２６は、前記鍔部３０の解除方向側に位置しており、この状態が初期状態であり、図１１に示す状態である。一方、この初期状態において、スイッチ１９を押下してストッパー１５を解除方向に移動させて、係止凹部１４と係止爪１７との係止を解除すると、ストッパー１５の移動に伴って前記鍔部３０が前記一対の脚部２６間を押し広げて一対の脚部２６の解除方向側へ移動する。そうすると、一対の脚部２６が前記鍔部３０の係止方向側に位置するとともに鍔部３０が一対の脚部２６に係止され、これによりストッパー１５は、係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除された位置で固定され、その位置が維持される。この状態が変位状態であり、図１２に示す状態である。そして、この図１２に示す変位状態において、鍔部３０と一対の脚部２６との係止が解除されると、板バネ１８の付勢力によって、ストッパー１５が係止方向へ移動し、前記一対の脚部２６は前記鍔部３０の解除方向側に位置し、初期状態に戻ることとなる。

【0048】

次に図８及び図９において２７は、解除突起である。即ち、本実施例において前記保持部材２５における一対の脚部２６のそれぞれには、係止方向に向けて解除突起２７を突出しており、この解除突起２７を互いに離反する方向へ移動することで、前記一対の脚部２６間の距離を広げることを可能としている。

【0049】

一方、図１４において前記スライダー１２は、基端部の径を大きくして拡大部３１を形成している。そして、拡大部３１における解除方向側の先端部分は、スイッチ１９の押下によって、ストッパー１５が解除方向に移動して係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除され、それにより押しバネ１４の付勢力によってスライダー１２が完全に伸びたときに、前記解除突起２７間に位置することとしている。

【0050】

また拡大部３１における解除方向側の先端部の径は、前記解除突起２７間の距離よりも大きい寸法とし、拡大部３１が前記解除突起２７間に位置したときに、脚部２６が鍔部３０による係止から外れることが可能なだけ、脚部２６を開くことができる寸法としている。

【0051】

従って、図１２に示す変位状態において、フリーになったスライダー１２が押しバネ１４の付勢力によってスライダー挿入孔９から抜けて先端側へ伸びていき、完全に伸びると、前記拡大部３１の解除方向側の先端部が前記解除突起２７間に位置して、解除突起２７間の距離を広げるとともに一対の脚部２６間の距離が広がる。そうすると、鍔部３０と一対の脚部２６との係止が解除されてストッパー１５が係止方向へ移動し、前記一対の脚部２６は、前記鍔部３０の解除方向側に位置することとなる。

【0052】

そうすると、前記ストッパー１５は、保持部材２５による保持から解除されるとともに、板バネ１８の付勢力によって係止方向へ引っ張られ、それにより、最奥部の係止凹部１４内に係止爪１７が係止し、スライダー１２がストッパー１５によってロックされることになる。なお図１０は、ストッパー１５、保持部材２５及び板バネ１８の関係を示した斜視図である。

【0053】

次に、前記本体部２の室内側の開口２０１を開閉自在に閉鎖する風量調整板５について説明すると、図１及び図２において５が風量調整板であり、本実施例において風量調整板５は、前記化粧縁部４の内周側を十分に覆うことが可能な面積を有する角型の板状としており、前記化粧縁部４の内周側に配置されることとしている。

【0054】

そして、風量調整板５における前記本体部２に対向する面、即ち風量調整板５の下面には、前記スライダー１２が係脱自在に連結されているとともに、前記スイッチ１９が可動自在に連結されている。

【0055】

この関係を説明すると、本実施例において前記風量調整板５の下面には取付部材が備えられており、この取付部材に前記スイッチ１９とスライダー１２が連結されている。即ち、図１８乃至図２０が取付部材を説明するための図であり、図１８は取付部材の縦断正面構造を示す図、図１９は取付部材の下面図で、図２０は取付部材の下面側を示した斜視図であり、図おいて３３が取付部材である。

【0056】

そして、前記取付部材３３は、下面側に凸状とした中空のボス部３４を有しており、このボス部３４内に前記スイッチ１９の押圧部２０が収容され、スイッチ１９のアーム２１は、上下動自在にして取付部材３３を貫通して下方に延びており、押圧部２０を押下すると、押圧面２２が前記受圧壁２４を押圧可能としている。

【0057】

また、押圧部２０は、押しバネ３５によって先端側に付勢された状態でボス部３４内に収容され、一方、前記風量調整板５における押圧部２０に対向する箇所３６は切り欠かれている。従って、切り欠き３６を介して押圧部２０を押下することで、スイッチ１９のアーム２１の押圧面２２が受圧壁２４を押圧して、ストッパー１５を解除方向に移動し、係止凹部１４と係止爪１７との係止を解除することができる。なお押バネの種類は特に限定されず、スプリングバネ、板バネ等、いずれの種類の押バネでも良い。

【0058】

次に、前記ボス部３４の下面の中央部には円筒状の連結部３７が突出されており、この連結部３７には、上下方向にわたって一対の挿入用ガイド溝３８が形成され、更に連結部３７の基端部分には、対向する箇所に２か所の係止溝３９が形成されている。

【0059】

一方、前記スライダー１２の先端部には、前記連結部３７内に挿入される挿入部４０が連設されており、この挿入部４０の先端部には、スライダー１２の長手方向に直交する方向へ向けて、一対のピン状の係止突起４１が連設され、係止突起４１を挿入ガイド３８の下端まで挿入し、その後にスライダー１２又は風量調整板５を回動して係止突起４１を係止溝３９内に挿入することで、取付部材３３を介してスライダー１２を、風量調整板５に係脱自在に連結することを可能としている。そして、スライダー１２を取付部材３３に連結する際には、押圧部２０を押下したときにスイッチ１９のスイッチ用アーム２１の先端がストッパー１５の貫通孔２３内に挿入可能なような配置にしておく。

【0060】

次に、図１及び図２において４２はフィルターである。即ち、本実施例においては、前記風量調整具板５の下面にフィルター４２を備えており、これにより、外気とともに本体部２に流入してくる塵埃などの異物をフィルター４２で捕捉することとしている。

【0061】

ここで、前記フィルター４２について説明すると、本実施例において前記フィルター４２は筒状としており、円筒状の内側フィルター４４と、この内側フィルター４４の外周側に備えた蛇腹状の外側フィルター４３で構成されている。そして、いずれも通気性を有する素材により構成され、十分に外気を本体部の内部に取り込める内径としている。

【0062】

そして、前記フィルター４２の上端部は、前記風量調整板５の下面に備えた上側支持部４７に連結されており、前記フィルター４２の下側は、外周にリング状の摺動部４６が備えられたリング状の下側支持枠４５に連結されている。そして、前記風量調整板５が開いていくと、上側支持部４７が風量調整板５とともに移動し、それに伴って、摺動部４６が挿入部３の内壁と摺動しながら、フィルター４２及び下側支持枠４５も先端側に移動することとしている。

【0063】

次に、このように構成される本実施例の換気口カバー１の作用について説明すると、図１の状態は風量調整板５を全閉した状態を示している。そしてこの状態では、スライダー１２がスライダー挿入孔９の最奥部まで挿入され、ストッパー１５の係止爪１７はスライダー１２の最先端側の係止凹部１４に係止され、スライダー１２がロックされている。

【0064】

次に、図１の状態において、スイッチ１９の押圧部２０を押下すると、スイッチ１９におけるアーム２１の押圧面２２がストッパー１５の受圧壁２４を押圧し、ストッパー１５が解除方向に移動し、係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除されて、スライダー１２がフリーな状態になる。

【0065】

また、それとともに、ストッパー１５は、鍔部３０が脚部２６に係止されることで、保持部材２５によって位置が固定され、係止凹部１４と係止爪１７との係止が解除された状態が維持される。

【0066】

次に、スイッチ１９の押圧部２０の押下によってスライダー１２がフリーになった状態において、押圧部２０の押下を解除すると、スライダー１２が押しバネ１４の付勢力によって完全に伸びるまで突出方向へ移動し、それにより風量調整板５は、スライダー１２とともに突出方向へ移動して全開まで開いていく。

【0067】

また、スライダー１２が突出方向へ移動して風量調整板５が開いていくと、それとともにスイッチ１９も上昇してアーム２１が上方へ移動する。そうすると、アーム２１の先端がストッパー１５の貫通孔２３内から出るので、アーム２１の押圧面２２による受圧壁２４への押圧が無くなり、ストッパー１５に対する解除方向への圧力が無くなり、ストッパー１５は保持部材２５による保持のみで位置が固定されることになる。

【0068】

そして、スライダー１２が完全に伸びて風量調整板５が全開になると、スライダー１２の基端に形成した拡大部３１の解除方向側の先端部が前記解除突起２７間に位置して、解除突起２７間の距離を広げるとともに、前記一対の脚部２６が押し開かれ、前記脚部２６が鍔部３０による係止から外れる。そうすると、ストッパー１５が板バネ１８の付勢力によって係止方向へ移動し、最奥部の係止凹部１４内に係止爪１７が係止し、スライダー１２がストッパー１５によってロックされることになる。この状態を示した図が図２である。

【0069】

そして、この図２の状態において、風量調整板５を本体部２側へ押していくと、スライダー１２の係止凹部１４のテーパー面１４０１によって係止爪１７に解除方向への圧力が加えられ、これにより、ストッパー１５は解除方向に移動し、係止爪１７と係止凹部１４との係止が解除され、スライダー１２をスライダー挿入孔９内に挿入していくことが可能となる。従って、これにより、風量調整板５を段階的に閉めていくことができるとともに、風量調整板５を一気に押し込むことで、風量調整板５を一気に全閉することも可能である。

【0070】

また、風量調整板５を開いた状態においては、フィルター４２によって、外気とともに本体部２に流入してくる塵埃などの異物を捕捉することができる。

【0071】

このように、本実施例の換気口カバー１では、風量調整板５を本体側に押し込むことで、段階的に、あるいは一気に風量調整板５を閉めることができるとともに、スイッチを押下することで、一気に風量調整板５を全開にすることができ、更に、スイッチを押下しない限りは風量調整板を開くことができないために、風量調整板を押し込み過ぎることで風量調整板が開いてしまうことを確実に防止することが可能である。

【0072】

また、フィルターを具備しているために、外気とともに本体部に流入してくる塵埃などの異物をフィルターで捕捉することも可能である。

【産業上の利用可能性】

【0073】

本発明の換気口カバーでは、建物の壁に形成された給気孔に挿入される円筒形状の本体部と、本体部の室内側開口を開閉自在に閉鎖する風量調整板を具備して、風量調整板の位置調整を行うことで本体部の室内側開口の開閉割合を調整自在とした換気口カバーにおいて、意図しないにもかかわらず換気口が全開してしまうことを防止したことを特徴としているために、給気孔の開閉を風量調整板により行うこととした換気口カバーの全般に適用可能である。

【符号の説明】

【0074】

１ 換気口カバー
２ 本体部
２０１ 室内側開口
３ 挿入部
４ 化粧縁部
５ 風量調整板
６ 挿入枠
７ カバー
８ 支持板
９ スライダー挿入孔
１０ 板バネ載置空間
１１ 保持部材載置空間
１２ スライダー
１３ 押しバネ
１４ 係止凹部
１５ ストッパー
１６ 板バネ用貫通孔
１７ 係止爪
１８ 板バネ
１９ スイッチ
２０ 押圧部
２１ アーム
２２ 押圧面
２３ 貫通孔
２４ 受圧壁
２５ 保持部材
２６ 脚部
２７ 解除突起
２９ ヘッド部
３０ 鍔部
３１ 拡大部
３３ 取付部材
３４ ボス部
３５ 押しバネ
３６ 切欠き
３７ 連結部
３８ 挿入ガイド溝
３９ 係止溝
４０ 挿入部
４１ 係止突起
４２ フィルター
４３ 外側フィルター
４４ 内側フィルター
４５ 下側支持枠
４６ 摺動部
４７ 上側支持枠
４８ 貫通孔

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】