特許第6789836号(P6789836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789836
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】重量物運搬装置、及び重量物運搬方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 7/06 20060101AFI20201116BHJP
   B66F 11/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B66C7/06
   B66F11/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-17703(P2017-17703)
(22)【出願日】2017年2月2日
(65)【公開番号】特開2018-122981(P2018-122981A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】浅野 智寛
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−083511(JP,A)
【文献】 特開2016−088709(JP,A)
【文献】 特開2000−143145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 5/00 − 7/16
B66F 9/00 − 11/04
B66C 9/00 − 11/26
B66C 17/00 − 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の支持装置、
第2の支持装置、
前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置に支持されるレール、及び
前記レールに移動可能に支持される揚重機
を備え、
前記レールは、前記第1の支持装置に設けられ上下動可能な第1のレール部材と、前記第2の支持装置に設けられ上下動可能な第2のレール部材と、前記第1のレール部材及び前記第2のレール部材間に配置され、前記第1のレール部材及び前記第2のレール部材のそれぞれに回動可能に連結される連結レール部材とを有し、
前記揚重機は、前記レールに支持された状態で前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置のそれぞれの位置を通過可能になっている重量物運搬装置。
【請求項2】
前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置のそれぞれは、ジャッキ装置と、前記ジャッキ装置に支持された梁とを有し、
前記第1のレール部材は、前記第1の支持装置の前記梁に取り付けられ、
前記第2のレール部材は、前記第2の支持装置の前記梁に取り付けられ、
前記第1のレール部材、前記連結レール部材及び前記第2のレール部材のそれぞれは、前記レールの長手方向へ前記揚重機を案内するガイド部を有し、
前記第1のレール部材の前記ガイド部は、前記第1の支持装置の前記梁の下方に配置され、
前記第2のレール部材の前記ガイド部は、前記第2の支持装置の前記梁の下方に配置される請求項1に記載の重量物運搬装置。
【請求項3】
前記第1のレール部材及び前記第2のレール部材のそれぞれは、上から見たとき、曲がっており、
上から見たときの前記レールの形状は、前記第1のレール部材、前記連結レール部材及び前記第2のレール部材によってS字状になっている請求項1又は請求項2に記載の重量物運搬装置。
【請求項4】
前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置には、前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置間を連結するリンク部材が着脱可能になっている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の重量物運搬装置。
【請求項5】
階段の互いに異なる踏み面に第1の支持装置及び第2の支持装置を設置する支持装置設置工程、
前記第1の支持装置に第1のレール部材を設け、前記第2の支持装置に第2のレール部材を設けるレール部材工程、
前記支持装置設置工程及び前記レール部材工程の後、前記第1のレール部材及び前記第2のレール部材に連結レール部材を連結するレール連結工程、
前記第1のレール部材及び前記第2のレール部材のいずれかに揚重機を設ける揚重機設置工程、
前記レール連結工程の後、前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置のいずれかを操作して前記第1のレール部材及び前記第2のレール部材のそれぞれの位置を同じ高さに合わせる上下動工程、
前記レール連結工程及び前記揚重機設置工程の後、重量物を前記揚重機で吊る揚重工程、
前記上下動工程及び前記揚重工程の後、前記第1のレール部材、前記連結レール部材及び前記第2のレール部材を含むレールに沿って前記揚重機を移動させて、前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置の少なくともいずれかの位置を前記揚重機に通過させる運搬工程
を備えている重量物運搬方法。
【請求項6】
前記支持装置設置工程の後、前記運搬工程の前に、前記第1の支持装置及び前記第2の支持装置間にリンク部材を連結するリンク部材取付工程
を備えている請求項5に記載の重量物運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重量物を運搬する重量物運搬装置、及び重量物運搬方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばエレベーターのリニューアルを行う場合、巻上機及び制御盤等の重量物を機械室に運び入れる作業がしばしば生じる。古い建物では、かごの到達可能な最上階よりもさらに上に機械室が設けられていることが多く、機械室に重量物を運び入れるために、最上階から機械室に通じる階段を使うしかない場合が多い。
【0003】
従来、重量物を運搬するために、階段に設置した上段側のやぐら及び下段側のやぐらの梁のそれぞれにチェーンブロックを移動可能に取り付けた後、重量物を下段側のチェーンブロックに吊り下げ、重量物を吊ったまま、下段側のチェーンブロックから上段側のチェーンブロックに重量物を移す重量物運搬方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−83511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来の重量物運搬方法では、下段側のチェーンブロックから上段側のチェーンブロックに重量物を繋ぎ替える作業が発生するので、重量物の運搬作業に手間がかかってしまう。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、重量物の運搬作業の手間を軽減することができる重量物運搬装置、及び重量物運搬方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る重量物運搬装置は、第1の支持装置、第2の支持装置、第1の支持装置及び第2の支持装置に支持されるレール、及びレールに移動可能に支持される揚重機を備え、レールは、第1の支持装置に設けられ上下動可能な第1のレール部材と、第2の支持装置に設けられ上下動可能な第2のレール部材と、第1のレール部材及び第2のレール部材間に配置され、第1のレール部材及び第2のレール部材のそれぞれに回動可能に連結される連結レール部材とを有し、揚重機は、レールに支持された状態で第1の支持装置及び第2の支持装置のそれぞれの位置を通過可能になっている。
【0008】
この発明に係る重量物運搬方法は、階段の互いに異なる踏み面に第1の支持装置及び第2の支持装置を設置する支持装置設置工程、第1の支持装置に第1のレール部材を設け、第2の支持装置に第2のレール部材を設けるレール部材工程、支持装置設置工程及びレール部材工程の後、第1のレール部材及び第2のレール部材に連結レール部材を連結するレール連結工程、第1のレール部材及び第2のレール部材のいずれかに揚重機を設ける揚重機設置工程、レール連結工程の後、第1の支持装置及び第2の支持装置のいずれかを操作して第1のレール部材及び第2のレール部材のそれぞれの位置を同じ高さに合わせる上下動工程、レール連結工程及び揚重機設置工程の後、重量物を揚重機で吊る揚重工程、上下動工程及び揚重工程の後、第1のレール部材、連結レール部材及び第2のレール部材を含むレールに沿って揚重機を移動させて、第1の支持装置及び第2の支持装置の少なくともいずれかの位置を揚重機に通過させる運搬工程を備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る重量物運搬装置、及び重量物運搬方法によれば、揚重機に対して重量物を繋ぎ替える作業をなくすことができるので、重量物の運搬作業の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施の形態1による重量物運搬装置が階段に設置されている状態を示す斜視図である。
図2図1の重量物運搬装置を示す側面図である。
図3図1の重量物運搬装置を示す正面図である。
図4図2の下段支持装置の梁の位置が高くなっている状態を示す側面図である。
図5】この発明の実施の形態2による重量物運搬装置を示す上面図である。
図6図5のVI−VI線に沿った断面図である。
図7】実施の形態3による重量物運搬装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による重量物運搬装置が階段に設置されている状態を示す斜視図である。また、図2図1の重量物運搬装置を示す側面図、図3図1の重量物運搬装置を示す正面図である。図において、階段1は、互いに異なる高さに存在する複数の踏み面2を有している。各踏み面2の位置は、階段1の下部から上部に向かって水平方向へシフトしながら順次高くなる位置にそれぞれ設定されている。重量物運搬装置は、階段1の上部及び下部の一方から他方に向かって重量物3を運搬するときに階段1に設置される。重量物3としては、例えばエレベーターの巻上機又は制御盤が挙げられる。
【0012】
重量物運搬装置は、第1の支持装置である下段支持装置4と、第2の支持装置である上段支持装置5と、下段支持装置4及び上段支持装置5に支持されるレール6と、レール6に移動可能に支持される揚重機であるチェーンブロック7とを有している。
【0013】
下段支持装置4及び上段支持装置5は、互いに異なる高さに存在する踏み面2に配置される。上段支持装置5が配置される踏み面2は、下段支持装置4が配置される踏み面2よりも高い位置に存在している。
【0014】
下段支持装置4及び上段支持装置5(以下、単に「支持装置4,5」ともいう)のそれぞれは、柱状の一対のジャッキ装置11と、一対のジャッキ装置11のそれぞれの上端部間に連結されている梁12と、一対のジャッキ装置11のそれぞれの下端部に設けられている複数のジャッキ台13とを有している。これにより、支持装置4,5のそれぞれは、門型の支持装置になっている。
【0015】
支持装置4,5のそれぞれのジャッキ装置11は、ジャッキ台13を介して踏み面2に設置される。支持装置4,5のそれぞれの梁12は、一対のジャッキ装置11間に水平に配置される。
【0016】
支持装置4,5のそれぞれでは、一対のジャッキ装置11によって梁12が上下動可能になっている。即ち、支持装置4,5のそれぞれでは、梁12の位置の高さが一対のジャッキ装置11の操作によって調整可能になっている。
【0017】
図4は、図2の下段支持装置4の梁12の位置が高くなっている状態を示す側面図である。各ジャッキ装置11は、ジャッキ台13に固定されている固定部14と、固定部14の上方に配置されている可動部15と、固定部14と可動部15との間に配置されている操作部16とを有している。固定部14、可動部15及び操作部16は、ジャッキ装置11の高さ方向に沿った共通の軸線を有している。
【0018】
固定部14は、ジャッキ台13に立てて固定された筒状部材である。可動部15は、操作部16を介して固定部14に連結されている。可動部15の上端部には、梁12が固定されている。可動部15の下端部には、図示しないねじ穴が可動部15の長手方向に沿って設けられている。操作部16は、固定部14の上端部に回転自在に取り付けられている。また、操作部16は、図4に示すように、可動部15のねじ穴に嵌るねじ部16aを有している。可動部15は、操作部16を回す操作によって固定部14に対して上下動する。梁12は、固定部14に対する可動部15の上下動により踏み面2に対して上下動する。
【0019】
レール6は、下段支持装置4に設けれれる第1のレール部材である下段レール部材21と、上段支持装置5に設けられる第2のレール部材である上段レール部材22と、下段レール部材21及び上段レール部材22間に配置され、下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれにヒンジ24によって上下方向へ回動可能に連結される連結レール部材23とを有している。
【0020】
下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22は、レール6の長手方向へ順次連結される。連結レール部材23は、例えばヒンジ24の着脱によって下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれに対して着脱可能になっている。
【0021】
下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22のそれぞれは、図1に示すように、縦壁部25と、縦壁部25の下端部から幅方向両側へ突出する一対のガイド部26と、縦壁部25の上端部から幅方向両側へ突出する一対の取付部27とを有している。これにより、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22のそれぞれの断面形状は、I字状になっている。縦壁部25、一対のガイド部26及び一対の取付部27のそれぞれは、レール6の長手方向に沿って配置されている。
【0022】
下段レール部材21と連結レール部材23とを連結するヒンジ24は、図2に示すように、下段レール部材21及び連結レール部材23のそれぞれのガイド部26の下面に取り付けられている。上段レール部材22と連結レール部材23とを連結するヒンジ24は、上段レール部材22及び連結レール部材23のそれぞれのガイド部26の下面に取り付けられている。連結レール部材23は、レール6の幅方向に沿ったヒンジ24の軸を中心として下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれに対して回動可能になっている。
【0023】
連結レール部材23の下段レール部材21側の端面は、連結レール部材23の下面に対して傾斜している。これにより、連結レール部材23は、下段レール部材21側よりも上段レール部材22側で高くなる方向へ水平面に対して傾斜可能になっている。
【0024】
下段レール部材21は、下段支持装置4の梁12に水平に取り付けられている。また、下段レール部材21は、下段支持装置4の梁12の下方に配置されている。従って、下段レール部材21は、下段支持装置4の梁12の上下動により上下動可能になっている。
【0025】
下段支持装置4の梁12の下面には、図3に示すように、下段レール部材21の一対の取付部27がそれぞれ掛かる一対のレール掛け部材17が固定されている。一対のレール掛け部材17は、下段レール部材21の幅方向両側に配置されている。下段レール部材21は、一対の取付部27が一対のレール掛け部材17に掛かった状態を保ちながら、下段レール部材21の長手方向へ下段支持装置4の梁12に対してスライド可能になっている。
【0026】
上段レール部材22は、上段支持装置5の梁12に水平に取り付けられている。また、上段レール部材22は、上段支持装置5の梁12の下方に配置されている。従って、上段レール部材22は、上段支持装置5の梁12の上下動により上下動可能になっている。
【0027】
上段支持装置5の梁12の下面には、上段レール部材22の一対の取付部27がそれぞれ掛かる一対のレール掛け部材18が固定されている。一対のレール掛け部材18は、上段レール部材22の幅方向両側に配置されている。上段レール部材22は、一対の取付部27が一対のレール掛け部材18に掛かった状態を保ちながら、上段レール部材22の長手方向へ上段支持装置5の梁12に対してスライド可能になっている。
【0028】
チェーンブロック7は、揚重機本体であるチェーンブロック本体31と、レール6に取り付けられ、チェーンブロック本体31が吊られているレール移動装置32とを有している。
【0029】
チェーンブロック本体31は、チェーンブロック本体31による巻き取り及び繰り出しが可能なチェーン33を有している。チェーン33は、チェーンブロック本体31から下方へ出ている。チェーン33の下端部には、フック34が取り付けられている。フック34は、チェーンブロック本体31によるチェーン33の巻き取り及び繰り出しにより、チェーンブロック本体31に対して上下に移動する。チェーンブロック7は、重量物3をフック34で吊ることが可能になっている。
【0030】
レール移動装置32は、レール6の一対のガイド部26に移動可能に掛かっている。下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22が同じ高さの位置で水平に配置されている状態では、レール移動装置32が、一対のガイド部26に案内されながら、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22をレール6の長手方向に沿って順次移動可能になっている。
【0031】
レール移動装置32は、一対のガイド部26のそれぞれに載る複数のローラを有している。レール移動装置32がレール6に沿って移動するときには、レール移動装置32の各ローラが一対のガイド部26の上面を転動する。
【0032】
チェーンブロック本体31は、レール移動装置32とともに移動可能になっている。チェーンブロック7は、下段レール部材21を移動するときに下段支持装置4の梁12の下方を通り、上段レール部材22を移動するときに上段支持装置5の梁12の下方を通る。これにより、チェーンブロック7は、レール6に支持された状態で、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの位置を通過可能になっている。
【0033】
次に、階段1の下部から階段1の上部に向かって重量物3を運搬するときの重量物運搬方法について説明する。階段1の下部から階段1の上部に向かって重量物3を運搬するときには、まず下段支持装置4を階段1の下部の踏み面2に設置するとともに、階段1の下部の踏み面2よりも高い位置に存在する踏み面2に上段支持装置5を設置する。即ち、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれを互いに異なる踏み面2に設置する(支持装置設置工程)。
【0034】
また、下段支持装置4の梁12に下段レール部材21を設け、上段支持装置5の梁12に上段レール部材22を設ける(レール部材工程)。この場合、支持装置設置工程をレール部材工程よりも前に行ってもよいし、支持装置設置工程をレール部材工程よりも後に行ってもよい。
【0035】
支持装置設置工程及びレール部材工程の後、下段レール部材21と上段レール部材22との間に連結レール部材23を配置し、下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれに連結レール部材23をヒンジ24で回動可能に連結する(レール連結工程)。
【0036】
この後、下段レール部材21にチェーンブロック7のレール移動装置32を取り付ける。これにより、チェーンブロック7が一対のガイド部26に沿って下段レール部材21に移動可能に掛けられる(揚重機設置工程)。
【0037】
この後、下段支持装置4において一対のジャッキ装置11のそれぞれの操作部16を操作して下段支持装置4の梁12を上昇させ、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの梁12の位置を同じ高さに合わせる。これにより、図4に示すように、連結レール部材23が下段レール部材21と上段レール部材22との間で水平になる。このとき、連結レール部材23が水平に近づくにつれて、下段レール部材21と上段レール部材22との間の水平距離が広がることから、上段支持装置5の梁12に対して上段レール部材22を水平にスライドさせたり、下段支持装置4の梁12に対して下段レール部材21を水平にスライドさせたりしながら、下段支持装置4の梁12を上昇させる。なお、このとき、上段支持装置5の一対のジャッキ装置11のそれぞれの操作部16を操作して上段支持装置5の梁12の位置の高さを調整してもよい(上下動工程)。
【0038】
この後、チェーンブロック本体31を操作してチェーンブロック本体31からのチェーン33の長さを調整し、チェーンブロック7のフック34で重量物3を吊る(揚重工程)。
【0039】
この後、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22の順にレール6の長手方向に沿ってレール移動装置32を移動させる。下段支持装置4及び上段支持装置5の少なくともいずれかの位置にチェーンブロック7が差し掛かるときには、下段支持装置4及び上段支持装置5の少なくともいずれかの位置でチェーンブロック7を通過させる。これにより、チェーンブロック7が上段レール部材22に達し、上段支持装置5の位置にまで重量物3が運搬される(運搬工程)。
【0040】
上記の作業によっても重量物3が階段1の上部に到達しない場合には、上段支持装置5が設置されている踏み面2よりも高い位置に存在する踏み面2に追加の支持装置を設置するとともに、追加のレール部材を追加の支持装置の梁に水平に取り付けた後、上段レール部材22と追加のレール部材との間に追加の連結レール部材を回動可能に連結する。この場合、前の工程で用いた下段支持装置4を追加の支持装置として再利用し、前の工程で用いた下段レール部材21を追加のレール部材として再利用し、前の工程で用いた連結レール部材23を追加の連結レール部材として再利用してもよい。この後、上記と同様の上下動工程及び上記と同様の運搬工程を、上段支持装置5と追加の支持装置との間で順次行う。これにより、追加の支持装置の位置にまで重量物3が運搬される。このような作業は、重量物3が階段1の上部に到達するまで繰り返す。このようにして、重量物3を階段1の上部に運搬する。
【0041】
階段1の上部から階段1の下部に向かって重量物3を運搬するときには、上記と逆の手順で重量物3を運搬する。これにより、重量物3が階段1の上部から階段1の下部に運搬される。
【0042】
このような重量物運搬装置では、チェーンブロック7が、レール6に支持された状態で下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの位置を通過可能になっているので、チェーンブロック7の移動が支持装置4,5によって妨げられることを防止することができる。これにより、2つのチェーンブロックの間で重量物3を繋ぎ替える作業をなくすことができ、重量物3の運搬作業の手間を軽減することができる。また、複数のチェーンブロックを準備する必要がなくなるので、部品点数を減少させることができ、コストの低減化を図ることもできる。
【0043】
また、下段レール部材21の一対のガイド部26が下段支持装置4の梁12の下方に配置され、上段レール部材22の一対のガイド部26が上段支持装置5の梁12の下方に配置されているので、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの梁12と干渉することなくチェーンブロック7をレール6に沿って移動させることができ、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの位置をチェーンブロック7が通過可能な構成を簡単な構成で実現することができる。
【0044】
また、このような重量物運搬方法では、下段支持装置4及び上段支持装置5のいずれかを操作して下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれの位置を同じ高さに合わせた後、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの位置を通過させながら、レール6に沿ってチェーンブロック7を移動させるので、チェーンブロック7の移動が支持装置4,5によって妨げられることを防止することができる。これにより、2つのチェーンブロックの間で重量物3を繋ぎ替える作業をなくすことができ、重量物3の運搬作業の手間を軽減することができる。
【0045】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による重量物運搬装置を示す上面図である。また、図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれは、上から見たとき、図5に示すように、U字状に曲がっている。連結レール部材23の形状は、上から見たとき、直線状になっている。これにより、上から見たときのレール6の形状は、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22によってS字状になっている。
【0046】
下段支持装置4の梁12の下面に固定されている一対のレール掛け部材17間の隙間は、図6に示すように、下段レール部材21の縦壁部25の厚さよりも大きくなっている。これにより、下段レール部材21は、下段支持装置4の梁12の幅方向だけでなく、一対のレール掛け部材17間の隙間の範囲で、下段支持装置4の梁12の長手方向へも下段支持装置4に対してスライド可能になっている。
【0047】
上段支持装置5の梁12の下面に固定されている一対のレール掛け部材17間の隙間も、上段レール部材22の縦壁部25の厚さよりも大きくなっている。これにより、上段レール部材22は、下段レール部材21と同様に、上段支持装置5の梁12の幅方向だけでなく、一対のレール掛け部材17間の隙間の範囲で、上段支持装置5の梁12の長手方向へ上段支持装置5に対してスライド可能になっている。他の構成は実施の形態1と同様である。また、重量物運搬方法の手順も、実施の形態1と同様である。
【0048】
このような重量物運搬装置では、下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれが、上から見たときに曲がっており、上から見たときのレール6の形状が、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22によってS字状になっているので、チェーンブロック7をレール6に沿って移動させるときに、下段レール部材21及び上段レール部材22のそれぞれの位置でチェーンブロック7を停止させやすくすることができる。これにより、下段レール部材21の位置又は上段レール部材22の位置からチェーンブロック7が行き過ぎてチェーンブロック7がレール6から外れることをより確実に防止することができる。
【0049】
実施の形態3.
図7は、実施の形態3による重量物運搬装置を示す側面図である。下段支持装置4及び上段支持装置5には、下段支持装置4及び上段支持装置5間を連結する一対のリンク部材41が着脱可能になっている。この例では、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの幅方向一端部間に一方のリンク部材41が連結され、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの幅方向他端部間に他方のリンク部材41が連結される。また、この例では、ジャッキ装置11の固定部14にリンク部材41がボルト42によって取り付けられる。さらに、この例では、リンク部材41の下段支持装置4側の端部が二股に分かれた分岐部になっている。これにより、下段支持装置4の固定部14にはリンク部材41が2箇所で固定され、上段支持装置5の固定部14にはリンク部材41が1箇所で固定される。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0050】
重量物3を運搬するときの重量物運搬方法では、下段支持装置4及び上段支持装置5を階段1に設置する支持装置設置工程の後、重量物3をチェーンブロック7で吊った状態でチェーンブロック7をレール6に沿って移動させる運搬工程の前に、下段支持装置4及び上段支持装置5間に各リンク部材41を連結する。例えば、支持装置設置工程の後、レール連結工程の前に、下段支持装置4及び上段支持装置5間に各リンク部材41を連結する。これにより、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの設置の状態が安定する(リンク部材取付工程)。他の手順は実施の形態1と同様である。
【0051】
このような重量物運搬装置では、下段支持装置4及び上段支持装置5間を連結するリンク部材41が下段支持装置4及び上段支持装置5に着脱可能になっているので、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの設置の状態をリンク部材41によって安定化させることができる。これにより、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれを倒れにくくすることができる。
【0052】
また、このような重量物運搬方法では、支持装置設置工程の後、運搬工程の前に、下段支持装置4及び上段支持装置5間にリンク部材41を連結するので、下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれの設置の状態をリンク部材41によって安定化させることができる。これにより、重量物3を運搬するときに下段支持装置4及び上段支持装置5のそれぞれを倒れにくくすることができ、重量物3の運搬作業をより確実に行うことができる。
【0053】
なお、各上記実施の形態では、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22のそれぞれが、縦壁部25の下端部から幅方向両側へ突出する一対のガイド部26を有しているが、下段レール部材21、連結レール部材23及び上段レール部材22のそれぞれのガイド部が縦壁部25の下端部から幅方向の一方のみに突出していてもよい。この場合、ガイド部は、縦壁部25の下端部から幅方向へ突出する突出部と、突出部の端部から上方へ突出する外れ止め部とを有し、ガイド部の断面形状は突出部及び外れ止め部によってL字状になる。また、この場合、チェーンブロック7のレール移動装置32は、縦壁部25及びガイド部によって形成された溝にローラを挿入した状態で、ガイド部に掛けられる。
【0054】
また、各上記実施の形態では、各ジャッキ装置11がねじ式のジャッキ装置になっているが、各ジャッキ装置11を例えば油圧式のジャッキ装置にしてもよい。
【0055】
また、各上記実施の形態では、揚重機設置工程がレール連結工程の後に行われているが、レール連結工程の前に揚重機設置工程を行ってもよい。この場合、支持装置設置工程の前に揚重機設置工程を行ってもよいし、レール部材工程の前に揚重機設置工程を行ってもよい。
【0056】
また、各上記実施の形態では、揚重工程が上下動工程の後に行われているが、揚重機設置工程の後、上下動工程の前に揚重工程を行ってもよい。この場合、揚重機設置工程がレール連結工程の前に行われるときには、レール連結工程の後に揚重工程が行われる。
【符号の説明】
【0057】
1 階段、2 踏み面、3 重量物、4 下段支持装置(第1の支持装置)、5 上段支持装置(第2の支持装置)、6 レール、7 チェーンブロック(揚重機)、21 下段レール部材(第1のレール部材)、22 上段レール部材(第2のレール部材)、23 連結レール部材、11 ジャッキ装置、12 梁、26 ガイド部、41 リンク部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7