特許第6789869号(P6789869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789869
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】取引情報照合システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20201116BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   G06Q40/00 420
   G06F13/00 520D
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-66642(P2017-66642)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-169794(P2018-169794A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】辻野 幹実
(72)【発明者】
【氏名】草野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 甲
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−062378(JP,A)
【文献】 特開2003−140934(JP,A)
【文献】 特開2011−243046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引情報間を照合する取引情報照合システムであって、
発注者のサーバと接続し、前記発注者からの商取引情報を受け取る第1のサーバと、
複数種別の商取引情報を記憶する第2のサーバとを備え、
前記第1のサーバは、
前記発注者の情報および前記発注者から第1の商取引情報を受信すると、受信した前記発注者の情報に基づき、実行する照合タスクを特定し、
前記特定した照合タスクに基づき、前記第1の商取引情報が照合対象となっているか否かを判定し、
前記第1の商取引情報が照合対象である場合、前記第1の商取引情報と照合される第2の商取引情報の特定と、前記第1の商取引情報と前記第2の商取引情報のうち前記照合対象となる情報項目と、前記情報項目の登録パターンを前記第2のサーバに抽出させ、
抽出した情報に基づき照合結果を作成し、前記第2のサーバに記憶させることを特徴とする取引情報照合システム。
【請求項2】
請求項1に記載の取引情報照合システムであって、
前記複数の商取引情報のうち受注者からの情報の入力を受け付ける第3のサーバをさらに備え、
前記第3のサーバは、前記受注者からの入力に基づき、前記第2のサーバに記憶した前記照合結果を検索し、前記受注者へ画面を出力することを特徴とする取引情報照合システム。
【請求項3】
請求項2に記載の取引情報照合システムであって、
前記第1のサーバ、前記第2のサーバおよび前記第3のサーバを管理する管理装置をさらに備え、
前記管理装置は、前記第2のサーバが記憶する前記照合タスクと、前記照合される第2の商取引情報と、前記情報項目と、前記登録パターンの少なくとも1つ含む登録情報または修正情報を第2のサーバへ送信することを特徴とする取引情報照合システム。
【請求項4】
請求項1に記載の取引情報照合システムであって、
前記登録パターンは、前記情報項目の値をそのまま登録する通常登録と、前記情報項目の値を差分を登録する差分登録とを少なくとも含むことを特徴とする取引情報照合システム。
【請求項5】
請求項2に記載の取引情報照合システムであって、
前記受注者からの入力は、検索対象を特定する予め定められた項目から選択させる入力と、前記情報項目に差異があるか否かを選択させる入力と、前記第1の商取引情報または前記第2の商取引情報のいずれか一方を選択させる入力と、のうち少なくとも1つを有することを特徴とする取引情報照合システム。
【請求項6】
請求項1に記載の取引情報照合システムであって、
前記照合タスクは、照合元である第1の情報と、照合先である第2の情報とを特定するための情報区分キー項目を1つ以上備えていることを特徴とする取引情報照合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引データ間の照合をするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業間におけるモノ・サービスの受発注者間の商取引を電子的に処理するEDI(Electronic Data Interchange)の仕組みとしてセキュアなネットワークインフラの下で実現する、企業間の情報交換・共有システムが存在している。
【0003】
商取引の情報は見積、注文、支払等の情報区分と呼ばれる区分に分かれており、発注者および受注者の業務プロセス毎に交換される情報区分が異なる。
【0004】
企業間の情報交換・共有システムの会員企業らは、情報交換・共有システムに情報区分毎に取り込み可能なフォーマットでデータを生成し、当該情報交換・共有システムにおけるプロトコルに沿った企業間取引を行う。
【0005】
生成されたフォーマットをDBに登録し、Webサーバを介することで受発注者は商取引情報を情報区分別にWeb画面上で参照することが可能である。
【0006】
一方、商取引データの内、売掛または買掛に関する明細データから構成される掛金明細データと売掛に対する検収明細データまたは買掛に対する請求明細データ等の取引明細データを自動照合する掛金照合システムが存在する。
【0007】
掛金照合システムでは照合のためのキーとなる売上属性項目を定義し、属性項目同士でマッチングした明細データを照合し、予め定義した照合対象項目を自動照合する。その結果、情報種間における差異情報を参照することを可能とし、受発注者間における認識の祖語を防ぐ等の効果をあげている。
【0008】
発注者または受注者から生成された商取引情報について異なる業務プロセスで発生した情報の間で明細単位に照合を行うことにより、個々の商取引情報のみでは得られない知見を得ることが可能である。
【0009】
例として受注者から発注者へデータ生成する出荷情報と発注者から受注者へデータ生成する買掛明細情報で説明する。出荷情報にはモノ・サービスにおける出荷時の出荷日や数量、金額などの情報が含まれる。買掛明細情報には発注したモノ・サービスにおける検収日や検収数量、金額などの情報が含まれる。これらの情報における出荷数量と検収数量を明細単位で注文番号等キーとなる項目で引当、照合した結果、もし差異がある場合、受発注者どちらかにおいて何らかの認識の祖語が発生している、または、発注したモノ・サービスにおいて何らかの不良が発生していたために検収数量が出荷数量に比べて少なくなり、差異があるなどの可能性がある。このように情報区分間でのデータ照合により情報単体での情報では得られない知見を得ることが可能となる。
【0010】
本発明の背景技術として、例えば、特開2004−62378号公報(特許文献1)がある。特許文献1は「売者が注文を受けた商品等を購入者に分納した場合においても、売掛明細データと検収明細データ等の取引データの照合をコンピュータシステムにより確実に照合できる掛金照合システム」について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−62378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
Webにおける商取引情報の画面は各情報区分別で独立しており、情報区分間でデータを比較することは各情報種の画面を何度も遷移するなど操作性に難があった。また特許文献1に記載の総合システムでは、照合可能な商取引の情報は売掛情報と検収情報、買掛明細情報と請求明細情報の2パターンのみであった。
【0013】
そのため、特許文献1に記載の総合システムではその他の情報を照合対象とするためにはシステムのプログラム改修が必須となる。商取引の情報は複数存在し、組み合わせ可能な情報種も多数存在するが、照合の組み合わせを追加する度に改修が必須となるためコストや手間が増大する。また、照合対象項目の値は同じキーの過去の情報が考慮されず最新のデータのみの照合しかできないが、商取引の情報の中には過去の情報も考慮した項目値で照合を行わないと正しい照合結果とならないケースが存在する。
【0014】
そこで本発明は、複数の企業間で商取引情報を交換するためのシステムにおいて、照合マスタDBを利用することにより、商取引データ間の照合をするためのシステムおよび情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための代表的な本発明の取引情報照合システムの一つは、商取引情報間を照合する取引情報照合システムであって、発注者からの商取引情報を受け取る第1のサーバと、複数種別の商取引情報を記憶する第2のサーバとを備え、第1のサーバは、発注者の情報および発注者から第1の商取引情報を受信すると、発注者の情報に基づき、実行する照合タスクを特定し、特定した照合タスクに基づき、第1の商取引情報が照合対象となっているか否かを判定し、第1の商取引情報が照合対象である場合、第1の商取引情報と照合される第2の商取引情報の特定と、第1の商取引情報と第2の商取引情報のうち照合対象となる情報項目と、情報項目の登録パターンを前記第2のサーバに抽出させ、抽出した情報に基づき照合結果を作成し、第2のサーバに記憶させる取引情報照合システムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、商取引の情報のうち、異なる2つの情報種間で、キーとなる情報に紐づいた情報に差異が生じていないかを照合情報マスタテーブルを管理者が更新をすることで、入力される情報を変更することなく比較ができるため、比較のための作業工数を削減することができる。
【0017】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】企業間情報交換・共有システムのシステム構成全体図である。
図2】企業間情報交換・共有システムのEDIサーバにおけるハードウェア構成例を示す図である。
図3】企業間情報交換・共有システムのWebサーバにおけるハードウェア構成例を示す図である。
図4】企業間情報交換・共有システムのDBサーバにおけるハードウェア構成例を示す図である。
図5】照合情報のマスタテーブルの一覧である。
図6】照合情報の画面表示内容及び照合結果を登録するテーブルの一覧である。
図7】商取引データ登録から照合結果の画面表示までの全体処理シーケンス図である。
図8】登録された商取引データの照合対象判定処理のフロー図である。
図9】照合登録パターンが差分登録時の商取引データと照合画面結果情報のデータ登録内容を示した図である。
図10】登録された商取引データの照合結果判定処理のフロー図である。
図11】照合結果のWeb画面表示における検索画面のイメージ図である。
図12】照合結果のWeb画面表示における一覧表示画面のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施例に係る企業間情報交換・共有システム1の全体構成例を示す図である。
企業間情報交換・共有システム1は発注者側の情報を管理する基幹サーバ11と、受発注者間の商取引を電子的に処理するEDIサーバ12と、取引先である受注者からの商取引に関する入力情報を受け付けるWebサーバ13と各種情報を記憶するDBサーバ14と、各サーバのメンテナンス、マスタの登録を実施する運用端末15と、受注者の入力を受け付けるユーザ端末16から構成される。
【0021】
基幹サーバ11とEDIサーバ12はネットワークを介して接続され、ユーザ端末16とWebサーバ13もネットワーク(例えばインターネットなど)を介して接続されている。また、EDIサーバ12、Webサーバ13、DBサーバ14と運用端末15は別のネットワーク(例えば、LANやWANなど)により接続されている。
【0022】
DBサーバ14は、取引データ情報DB141と、照合マスタ情報DB142と、照合画面情報DB143から構成される。各DBの詳細については後述する。なお、DBサーバ14は上記する以外の情報を記憶してもよい。また、具体的な構成は図示はしていないが、運用端末15、取引先1にあるユーザ端末16、は一般的なPCと同等のものであればよい。また、基幹サーバ11は、公知の基幹サーバであればよいため説明を省略する。
【0023】
図2は、EDIサーバ12のハードウェア構成例を示す図である。EDIサーバ12は、記憶部21と、入力部22と、制御部23と、ネットワークインターフェース部24を具備する。各部は、バス(BUS)によって接続されている。記憶部21には、認証機能211とデータ受付機能212とデータ登録機能213と照合対象判定機能214と照合引当機能215と照合結果判定機能216と照合データ登録機能217とから構成されるプログラムが記憶されている。
【0024】
入力部22は、キーボード、マウス、タッチパネルのような入力装置である。制御部23は、CPU(Central Processing Unit)とメモリを備え、記憶部21に記憶したプログラムをメモリにロードし、実行する。ネットワークインターフェース部24は、上記したネットワークを介し、基幹サーバ11とWebサーバ13などと接続する。
【0025】
図3は、Webサーバ13のハードウェア構成例を示す図である。Webサーバ13は、記憶部31と、表示部32と、入力部33と、制御部34と、ネットワークインターフェース部35を具備する。各部は、バス(BUS)によって接続されている。記憶部31には、認証機能311とメニュー表示機能312と照合結果検索機能313と照合結果表示機能314からなるプログラムが記憶されている。
【0026】
入力部33は、キーボード、マウス、タッチパネルのような入力装置である。表示部32は、例えば液晶ディスプレイのような表示装置である。なお、入力装置と表示装置を兼用するタッチパネルであってもよい。制御部34は、CPUとメモリを備え、記憶部31に記憶したプログラムをメモリにロードし、実行する。ネットワークインターフェース部35は、上記したネットワークを介し、ユーザ端末16とEDIサーバ13などと接続する。
【0027】
図4は、DBサーバ14のハードウェア構成例を示す図である。DBサーバ14は、記憶部41と、入力部42と、制御部43と、ネットワークインターフェース部44を具備する。各部は、バス(BUS)によって接続されている。記憶部41には、ユーザ認証情報411と取引関係情報412と商取引データ情報413と照合発注者マスタ情報414と照合キーマスタ情報415と照合項目マスタ情報416と照合画面表示項目情報417と照合結果情報418からなるデータから構成される。各種情報の詳細については後述うする。
【0028】
入力部42は、キーボード、マウス、タッチパネルのような入力装置である。記憶部41に記憶された各種情報は、ネットワークインターフェース部44を介してEDIサーバ12やWebサーバ13により参照される。制御部43は、図示しないCPUとメモリを備えている。
【0029】
図5は、照合を行うための照合マスタ情報142を定義した照合情報マスタテーブルのデータ構成例を示す図である。照合情報マスタテーブルは、照合を行う発注者コードと、どの情報区分間でどのような照合を行うかという情報を含めた発注者の要望を受け、運用管理者により運用端末16を操作して予め作成し、DBサーバ14に照合マスタ情報142として格納される。
【0030】
本実施例にて説明をする照合情報マスタテーブルは照合発注者マスタ情報414、照合キーマスタ415、照合項目マスタ416とから構成される。
【0031】
照合発注者マスタ情報414は、発注者と対応する発注者コードと、その発注者コードに対して実行される照合タスクが紐づいて記憶されている。例えば、商取引データを登録する際、その商取引データ中の発注者コードの値を参照し、それが照合発注者マスタ情報414にあれば、その発注者コードに対応する1つ以上の照合タスクを実行する。具体的には、HATTYUSYA1という発注者コードの場合、SYOUGOU1という照合タスクがヒットする。
【0032】
照合キーマスタ情報415は、各商取引データの明細をどの項目で引き当てるかを照合キーデータとして定義し、キーデータとして登録されている項目が一致する明細同士で照合を行うために用いられる。本実施例では、照合キーマスタ情報415として、照合タスク、照合元情報区分、照合先情報区分、情報区分キー項目1、情報区分キー項目2が設定されている。なお、情報区分キー項目は本実施例は2つに設定可能としているが、3つ以上を設定できるとしてもよい。
【0033】
従って、照合キーマスタ情報415は、照合タスクは照合キーマスタ情報415内の実行される照合タスクに対応する照合元情報区分または照合先情報区分に登録する商取引データの情報区分が含まれていた場合、定義された情報区分キー項目を用いて照合を行う。より具体的には、照合タスクがSYOUGOU1であった場合、照合キーマスタ情報415には、SYOUGOU1に対応したエントリに基づき、照合元情報区分である出荷情報と照合先情報区分である買掛明細情報が、情報区分キー項目1である注文番号と情報区分キー項目2である納品キー番号を用いて一致する項目を検索する。
【0034】
照合項目マスタ情報416は、キーデータが一致した明細において、どの項目を照合するかを具体的に定義したものである。照合元項目と照合先項目をそれぞれ定義し、その項目同士の照合を行う。本実施例では、照合項目マスタ情報416を、照合タスク、照合項目ID,照合元情報区分、照合先情報区分、照合元項目、照合元項目値登録パターン、照合先項目、照合先項目値登録パターン、というエントリから構成されているとする。
【0035】
なお、上記する以外の情報を用いてもよいことは言うまでもない。また、照合登録パターンは通常登録か差分登録の2パターンを選択できる。通常登録は最新の情報同士で照合を行う。差分登録は過去の登録された同じキー項目の情報も考慮した登録を行う。各処理の詳細は後述する。
【0036】
図6は照合した結果を格納し、画面表示時に使用する照合情報表示テーブルのデータ構成例を示す図である。照合画面表示項目情報417には、照合を行った際の照合タスクとその情報区分、キー項目等と結果がどうであったかを紐付ける照合IDが格納される。照合結果情報418は照合IDに対し、照合結果とその照合元の値と照合先の値が格納される。
【0037】
図5図6の例では、発注者コード「HATTYUSYA1」、受注者コード「JUTYUSYA1」、注文番号「CHUBAN1」、納品キー番号「NOUHIN1」という出荷情報と買掛明細情報のデータに対し、出荷情報の出荷数量「100」と買掛明細情報の検収数量「100」を比較した結果は照合結果「差異なし」として登録されている。
【0038】
図7は、本実施例における企業間情報交換・共有システム1の処理動作の一例について説明する。図7は、基幹サーバ11が企業間情報交換・共有システム1のEDIサーバ12にアップロードした商取引データを、Webサーバ13と、DBサーバ14を介して受注者側ユーザ端末31で情報区分間の照合情報が参照可能となる画面表示までの処理シーケンス図を説明する図である。
【0039】
初めに、基幹サーバ11によって実行されたアップロードコマンドにより送信されてきた認証要求5111をEDIサーバ12は受信する。
【0040】
EDIサーバ12の認証機能211は認証要求5111のユーザIDとパスワードがDBサーバ14におけるユーザ認証情報411に存在することを確認し、かつ、そのユーザが企業間情報交換・共有システム1の利用権限があるかをチェックする認証処理5121を実行する。
【0041】
次に、認証処理5121において、DBサーバ14へ認証情報抽出5141を支持し、DBサーバから受信した認証に必要な情報を用いて認証処理5121行う。その後、認証結果5122を基幹サーバへ返す。
【0042】
具体的には、ユーザIDとパスワードがDBサーバ14のユーザ認証情報411に存在しない場合(認証NGの場合)、EDIサーバ12の認証機能211はエラー終了し、リターン値を発注者の基幹サーバ11に送信する。この場合、処理が基幹サーバ11へ送信された段階で終了してもよし、認証OKとなるまで処理が継続してもよい。
【0043】
ユーザIDとパスワードがDBサーバ14のユーザ認証情報411に存在する場合(即ち認証OKの場合)、基幹サーバ11は商取引データ送信5112を実行する。商取引データを受信したEDIサーバ12のメッセージ受付機能212は、商取引データの受付処理5123を実行する。
【0044】
商取引情報を受付けた後、EDIサーバ12のデータ登録機能213によりDBサーバ14の商取引データ情報413へデータを登録5124を指示する。なお、商取引データは各情報区分により明細内容は異なるため、情報区分単位でDBサーバ14内の商取引データ情報413は分かれて格納されている。
【0045】
商取引データ情報の登録後、その商取引データが照合機能を利用するデータか判定処理5125を実施する。図8は照合機能を利用するデータか否かを判定する判定処理のフローチャートである。
【0046】
判定処理のフローチャートでは、主に、判定処理を利用するユーザであるかどうか、および、判定処理が必要な情報区分かどうかを判定する。
【0047】
どの情報区分においても商取引データ内にはユーザの情報が含まれている。発注者は発注者コード、受注者は受注者コードという項目でそれぞれ商取引データ内に含まれている。EDIサーバ12の照合対象判定機能214により、DBサーバ14内に照合発注者マスタ情報414を抽出させ送信させる。また、受信した照合発注者マスタ情報414に基づき、EDIサーバ12は、商取引データ内の発注者コードと一致するマスタ情報があるか検索する。一致しない場合は照合機能を利用しないユーザのため、図8のフローチャートの処理は終了となるとともに、図7のシーケンス図の処理も終了する。
【0048】
発注者コードが一致する場合、次に情報区分がDBサーバ14内の照合キーマスタ情報415に存在するか判定する。照合発注者マスタ情報414と同様に、EDIサーバ12の照合対象判定機能214により、DBサーバ14内にある照合キーマスタ情報415から情報区分を抽出させ、送信させる。EDIサーバ12は、受信した照合キーマスタ情報415に登録されている情報区分と商取引データの情報区分が一致するか否かを判定し、一致しない場合は対象外の情報区分のため処理は終了する。情報区分が一致する場合、ユーザおよび情報区分の両方が一致するため照合機能対象データとみなし、次の処理へ進む。
【0049】
図7のフローチャートに戻り、次に実行される処理について説明をする。判定処理の実施後、EDIサーバ12の照合データマスタ引当処理5126により、DBサーバ14へ照合情報の抽出を指示する。本実施例で抽出する情報は照合キーデータ5143、照合項目データ5144、照合登録パターン5145の3種類であるが、上記する以外の情報を抽出するとしてもよい。
【0050】
照合キーデータは照合キーマスタ情報415から抽出し、各商取引データの明細をどの項目で引き当てるかを定義し、キーデータとして登録されている項目が一致する明細同士で照合を行う。
【0051】
照合項目データと照合登録パターンは照合項目マスタ情報416から抽出する。照合項目データはキーが一致した明細において、どの項目を照合するかを定義したものである。照合元項目と照合先項目をそれぞれ定義し、その項目同士の照合を行う。照合登録パターンは通常登録か差分登録の2パターンを選択できる。通常登録は最新の情報同士で照合を行う。差分登録は過去の登録された同じキー項目の情報も考慮した登録を行う。
【0052】
より具体的な例を挙げて説明する。図9は、買掛明細情報における照合登録パターンが差分登録時の商取引データと照合画面結果情報のデータ登録内容に示す図である。
【0053】
買掛明細情報発注者から受注者へ生成される情報区分であるが、同じ受注者に対し、同じキーのデータが発生することがある情報である。本実施例は、既にキー項目の値がA、検収金額が「100」、訂正区分が新規というデータが登録されており、その後、モノ・サービスの返品等でマイナスが発生した場合を例に挙げて説明をする。
【0054】
この場合、例えば、キー項目の値がA、検収金額が「20」、訂正区分が取消というデータが発生するとする。このとき、通常登録のパターンの場合は最新の情報同士で照合を行うため、検収金額が「20」という値で照合を行う。しかし、実際はこの検収金額の「20」という値はマイナス分であり、本来のキー項目Aにおける検収金額は「100」から「20」を引いた「80」となる。このように過去に登録されている同じキーの情報を考慮し、照合対象項目データを登録する必要がある場合は登録パターンを差分登録としてマスタに定義し、照合データを登録する。なお、図9では既に照合結果が登録されているが、本来であれば、次に説明を図10の処理が完了した段階で照合結果が入力される。
【0055】
照合データマスタ引当処理5126により、抽出された照合データのキー情報、項目情報、登録パターンをDBサーバ14から受信した後、照合結果の判定処理5127を行う。照合結果の判定を、図10に示す。
【0056】
初めに、既に同じキー情報の照合先または照合元の商取引データが登録されているかを判定する。例えば、出荷情報と買掛明細情報の場合、買掛明細情報が登録された時点で同じキー情報の出荷情報があるかどうかを検索する。
【0057】
照合先または照合元の商取引データが存在しない場合、照合結果として照合情報無しとし、図7の照合画面表示項目データ・照合結果データDB登録処理5128(以後、DB登録処理5128とする)へと遷移する。照合先または照合元の商取引データが存在する場合、照合対象項目同士で値を比較し、一致する場合は差異なし、一致しない場合は差異ありとし、DB登録処理5128へと遷移する。
【0058】
図7に戻り、続きのフローについて説明をする。照合結果の判定処理5127後、DBサーバ14の照合画面表示項目情報417および照合結果情報418に値をDB登録処理5128を実行する。このDB登録処理5128では、照合画面表示項目情報417にはEDIサーバ12の照合データマスタ引当処理5126で抽出した値を登録し、照合結果情報418にはEDIサーバ12の照合結果判定処理5127の結果を登録する。なお、図7では、DB登録処理5128以降も照合結果表示のフローが記載されているが、必ずしも連続した処理である必要はなく、DB登録処理5128で処理が一旦終了するとしてもよい。
【0059】
次に、照合情報を表示する際の処理について説明をする。登録された情報はWebサーバ13の照合結果表示機能314により、ユーザ端末16が備える図示しない表示装置にWeb画面としてに表示され、ユーザが入力装置を操作することによりブラウザ上で参照することが可能である。
【0060】
ユーザ端末16に表示されるWeb画面で参照する場合は、ユーザがユーザ端末16の入力装置によりユーザIDとパスワードをブラウザ上で入力する。この入力が認証要求5161としてをWebサーバ13へと送信され、Webサーバ13が有する認証機能311により、認証処理5131が実行される。
【0061】
DBサーバ14が認証情報抽出5147を行い、認証結果5132をユーザ端末16に返信した後、ユーザはログインが可能となる。ログイン後、ユーザは、Web画面を介してメニュー表示機能312により表示された照合機能メニューを選択することで照合結果の検索画面へ遷移する。本実施例では、Webサーバ13の照合結果検索機能313が検索画面に入力された情報に基づき照合データ結果検索処理5133を実行することにより画面表示させるべき照合結果を検索する。また、情報区分Aと情報区分B、情報区分Cと情報区分Dのように、1ユーザ内で複数の照合パターンがある場合も検索画面から選択することができる。
【0062】
検索結果に基づく照合データ・結果を取得5134し、DBサーバ14の照合画面表示項目情報417および照合結果情報418を照合検索された結果に基づいて表示すべき照合データ・結果を抽出5148する。Webサーバでは抽出した情報を画面表示5135する。これによりユーザはブラウザ上で各情報区分間の明細単位における照合結果を参照することが可能となる。
【0063】
図11は、ユーザ端末16の表示装置にWeb画面として表示される照合情報検索画面を示す図である。なお、図11の説明を簡単にするために主語がユーザとして説明をするが、実際は上記するようにユーザの操作を受け付けたユーザ端末16、Webサーバ13、DBサーバ14が連携をして行う処理である。
【0064】
照合情報検索画面の画面名はメッセージ照合検索である。検索画面ではまず、照合マスタの設定内容に従い検索対象プルダウンを表示されるため、ユーザは検索対象を選択する。なお、2つ以上の照合パターンがあるユーザの場合はこのプルダウンから照合を希望する照合パターンを選択する。
【0065】
ユーザが検索対象を選択した場合、検索画面には検索項目、条件、検索値が表示される。図11では出荷情報と買掛明細情報を照合対象とし、照合対象項目を出荷数量と検収数量、出荷単価と検収単価、出荷日と検収日とした場合の例として説明をする。検索画面では各明細の項目を入力することが可能である。例えば、検索項目は、発注者コードや受注者コードなどであり、入力した値と等しいものを検索するかなどの条件を設定することができる。また照合結果の検索について、以下(a)〜(c)の条件を設定することもできる。(a)出荷情報・買掛明細情報両方あり、(b)出荷情報のみのメッセージを対象とする、(c)買掛明細情報のみのメッセージを対象とする、という条件である。
【0066】
上記する(a)〜(c)の条件を備えることにより、照合元情報と照合先情報が両方とも存在する明細を表示するか、またはどちらか一方のみ明細として登録されている情報を表示するか選択可能とすることができる。
【0067】
また、照合元情報と照合先情報が両方とも存在する明細を表示する場合は更に検索値として以下(a1)〜(a4)の4つを選択可能である。(a1)数量照合差異あり、(a2)単価照合差異あり、(a3)出荷・検収日照合差異あり、(a4)差異なし、という条件である。。
【0068】
本実施例では数量、単価、出荷・検収日の項目が照合対象項目とするため、図11では上記のうち(a1)〜(a3)にチェックを入れる。これにより照合結果から差異がある情報のみを検索することが可能である。
【0069】
図12は、照合情報結果一覧画面を示す図である。図11で示した検索画面においてユーザが各検索項目に対し、条件、検索値を設定し検索ボタンを押下すると、図12の出荷情報と買掛明細情報を対象とした照合一覧がユーザ端末16のweb画面に表示される。
【0070】
本実施例では図12に示す検索結果画面では以下の表示項目を有しているとする。表示項目は、(1)No.、(2)発注者コード、(3)受注者コード、(4)注文番号、(5)納品キー番号、(6)数量照合、(6−1)照合結果、(6−2)出荷数量、(6−3)検収数量、(7)単価照合、(7−1)照合結果、(7−2)出荷数量、(7−3)検収数量、(8)出荷・検収日照合、(8−1)照合結果、(8−2)出荷日、(8−3)検収日、である。
【0071】
(1)は表示明細単位に振られる番号である。照合結果は商取引情報の明細単位に判定されるため、明細数と等しくなる。(2)は検索結果の発注者コードを表示する。(3)は検索結果の受注者コードを表示する。(4)は検索結果の注文番号を表示する。(5)は検索結果の納品キー番号を表示する。(4)と(5)は照合情報マスタのキーが対象となる。
【0072】
(6)は照合元の出荷数量と照合先の検収数量、それらを照合した際の照合結果を表示する。出荷数量、検収数量、照合結果は照合結果テーブルの値に従い表示する。(7)は照合元の出荷単価と照合先の検収単価、それらを照合した際の照合結果を表示する。出荷単価、検収単価、照合結果は照合結果テーブルの値に従い表示する。(8)は照合元の出荷日と照合先の検収日、それらを照合した際の照合結果を表示する。出荷日、検収日、照合結果は照合結果テーブルの値に従い表示する。(6)〜(8)は照合対象項目によって値が異なる。
【0073】
以上のように、本実施例の照合情報マスタテーブルと、照合情報マスタテーブルを使用して各種情報を照合することで作成される照合情報表示テーブルとを有することで、商取引の情報のうち、異なる2つの情報種間で、キーとなる情報に紐づいた情報に差異が生じていないかをより簡易に確認することができる。具体的には、照合情報マスタテーブルを管理者が更新をすることで、入力される情報を変更することなく比較ができるため、比較のための作業工数を削減することができる。また、ユーザは検索画面を操作することで従来はそれぞれの情報にアクセスをして画面同士の比較からより簡易に情報に差異がないかを確認することができる。
【0074】
さらに、照合させるパターンを追加する場合は照合処理プログラムを改修すること無く、マスタ情報の定義追加でまた、キー項目および照合対象の項目、登録パターンも自由に変更することを可能とし、ユーザの要件に沿った照合結果の判定処理を実施することが可能となる。
【0075】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0076】
1・・・企業間情報交換・共有システム、11・・・基幹サーバ、12・・・EDIサーバ、13・・・Webサーバ、14・・・DBサーバ、15・・・運用端末、16・・・ユーザ端末、21・・・記憶部、22・・・入力部、23・・・制御部、24・・・ネットワークインタフェース部、31・・・記憶部、32・・・表示部、33・・・入力部、34・・・制御部、35・・・ネットワークインタフェース部、41・・・記憶部、42・・・入力部、43・・・制御部、44・・・ネットワークインタフェース部、211・・・認証機能、212・・・データ受付機能、213・・・データ登録機能、214・・・照合対象判定機能、215・・・照合引当機能、216・・・照合結果判定機能、217・・・照合データ登録機能、311・・・認証機能、312・・・メニュー表示機能、313・・・照合結果検索機能、314・・・照合結果表示機能、411・・・ユーザ認証情報、412・・・取引関係情報、413・・・商取引データ情報、414・・・照合発注者マスタ情報、415・・・照合キーマスタ情報、416・・・照合項目情報、417・・・照合画面表示項目情報、418・・・照合結果情報
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