特許第6789942号(P6789942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6789942医療器具を追跡するためのシステム及び医療デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789942
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】医療器具を追跡するためのシステム及び医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20201116BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20201116BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   A61B1/00 552
   A61B1/018 511
   A61B1/01
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-528944(P2017-528944)
(86)(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公表番号】特表2018-500079(P2018-500079A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】IB2015058726
(87)【国際公開番号】WO2016087970
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年11月8日
(31)【優先権主張番号】62/085,685
(32)【優先日】2014年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】メヘンダーレ アーディティヤ
(72)【発明者】
【氏名】シャヒン フンダ
(72)【発明者】
【氏名】コール グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ス ハオ
(72)【発明者】
【氏名】パーシャサラシー ヴィジャイ
【審査官】 北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/140441(WO,A1)
【文献】 特開2003−019104(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/040104(WO,A1)
【文献】 特表2014−502911(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/031637(WO,A1)
【文献】 特開2009−131406(JP,A)
【文献】 特表2010−514214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
A61B 17/425
A61F 2/82 − 2/84
A61F 13/38
A61M 23/00 −27/00
A61M 35/00 −36/04
A61M 37/00 −39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスに結合された医療器具を追跡するためのシステムであって、前記システムは、
身体内に挿入するための医療デバイスであって、前記医療デバイスの開口を通過し、ツール挿入軸と整列した、医療器具の進行の仮想軸を生成するための感度が協調的な複数のコイルを含む追跡コンポーネントを備える医療デバイスと、
追跡空間における仮想軸位置を判定するために、前記複数のコイルを追跡する追跡システムと、
前記追跡空間をマッピングするセンサモジュールと
を備える、システム。
【請求項2】
前記追跡システムは、同期電圧検知器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
視覚映像撮像システムを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記追跡システムは、AC電圧計を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
医療器具を追跡するための医療デバイスであって、前記医療デバイスは、
前記医療デバイスを通じて医療器具を受け入れ、搬送するチャンネルであって、前記チャンネルは、前記医療デバイスの遠位部分まで延在し、前記医療デバイスの中心軸と整列していないがツール挿入軸と整列している前記医療デバイスの開口と連通する、チャンネルと、
前記医療器具の進行の仮想軸を生成するための感度が協調的な複数のコイルを備える追跡コンポーネントと
を備え、
前記仮想軸は、前記医療デバイスの前記開口を通過し、前記ツール挿入軸と整列している、医療デバイス。
【請求項6】
前記協調的な複数のコイルは、第1のコイルと第2のコイルとを備え、前記第1のコイルは前記医療デバイスの前記中心軸と同軸に配置され、前記第2のコイルは前記第1のコイルに対して垂直に配置される、請求項5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第1のコイル及び前記第2のコイルのうちの少なくとも一方は、円筒対称である、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、円筒対称である、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、ワイヤ巻き線のループから成り、前記第1のコイル及び前記第2のコイルのうちの少なくとも一方の前記ループは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルのうちの前記少なくとも一方を通過する長さ方向軸に対して略垂直な領域を画定する、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、ワイヤ巻き線のループから成り、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの前記ループは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの各々を通過する長さ方向軸に対して略垂直な領域を画定する、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、それぞれN及びN巻きのワイヤ巻き線のループから成り、ここでNは巻き数であり、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、それぞれA及びAの断面積を有し、それぞれのコイル感度値S及びSは、各それぞれのコイルについてN・Aの乗算した積であり、N>Nである、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記第1のコイルは前記チャンネルと同心であり、前記第2のコイルは前記チャンネルの側部に位置する、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、電気的に直列に接続される、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記協調的な複数のコイルは、並列配置された第1のコイルと第2のコイルとから成る、請求項5に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願情報
本特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2014年12月1日に出願された米国仮特許出願第62/085,685号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、医療デバイス及びシステムに関し、詳細には、侵襲性医療デバイスの操縦及び追跡に関する。更に詳細には、本開示は、医療器具、より詳細には電磁センサによってコンポーネントを電磁的に追跡するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
安全で正確な侵襲性処置を実行する際に、器具と解剖学的構造との空間的な関係及び距離を判定するための侵襲性医療デバイスの体内追跡が用いられる。内視鏡、カテーテル、ガイドワイヤなどのデバイスは、血管系、胃腸(GI)管、肺気道及び他の通路などの人間の身体通路を通って操縦する。これらの通路は操縦のための経路を提供するが、多くの場合それらの直径は小さく、器具は小さな直径/断面形を有するように設計される必要がある。加えて、血管への再進入又は肺末梢部での操縦における気管支のネガティブな病変(negative lesions)の場合など、しばしばルーメンから横向きに抜け出る必要がある。
【0004】
生体組織検査デバイスは、介入性の器具の典型例である。生体組織検査デバイスは、組織のサンプルが生体外病理分析のために取得される処置を通じて抜き出される生体組織検査サンプルを採取するために使用される。生体組織検査デバイスは、組織サンプルを獲得するための生体組織検査針と、カニューレを通って設けられるルーメンとを含む。針は、ルーメンに通されたガイドワイヤに取り付けられ得る。ガイドワイヤ及び針は、デバイスに設けられた発射ハンドルなどによる作動にともない、デバイスを通じて患者の身体内に発射され得る。
【0005】
カテーテル先端の追跡のための最先端の技術を用いた提案の中には、6自由度(6−DOF)電磁追跡センサ及び5自由度(5−DOF)電磁追跡センサがある。これらのセンサは先端に固定されるが、医療器具が展開される際に通る横向き開口を具備するデバイスの追跡に関して欠点がある。6DOFセンサは、サンプリングツールの直径に比べると大きさの大きい一対の電磁コイルであり、そのため設計上の問題がある。5DOFを有するデバイスは、ロール追跡が欠けているため、ツール挿入角度を追跡できず、従って、対象となる部位、例えば、デバイスが進行する体内通路の外側にあり、従ってデバイスの中心軸から離れた位置にある病変を効果的に狙うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
横向きに展開可能な医療デバイスのための高度な追跡精度を提供し、既存の設計制約内に収まり、製造が比較的安価である電磁センサ配置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本原理によると、本明細書において、医療デバイスであって、中心軸と、医療デバイスを通じて医療器具を受け入れ、搬送するチャンネルであって、医療デバイスの遠位部分まで延在し、中心軸と整列していないがツール挿入軸と整列している医療デバイスの開口と連通するチャンネルと、開口を通った医療器具の進行のための仮想軸を生成するための協調的な複数の電磁センサである追跡コンポーネントとを有し、仮想軸は、医療デバイスの開口を通過し、ツール挿入軸と整列している、医療デバイスが説明される。
【0008】
一実施形態において、医療デバイスは、デバイスの中心軸に対して横向きに位置する開口を備える遠位部分を有し、開口は、ツール又は器具が横向きに、例えばデバイスの中心軸に対して横向きに展開されることを可能にする。デバイスは、本明細書において説明されるような形で互いに対して位置し、器具展開の仮想軸に沿った追跡を提供する、電磁材料の複数の巻きコイルの形態の電磁センサを含む。仮想軸は、デバイスの側部に位置する開口を通過し、デバイスの中心軸、例えば、デバイスの長手方向と整列していない。一実施形態において、仮想軸とデバイス中心軸とは、斜角などの角度で互いに交差する。
【0009】
本原理によると、この医療デバイスを用いたシステム及び方法が更に説明される。
【0010】
本開示は、以下の図を参照して、好ましい実施形態の以下の説明を詳細に提示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本原理を具現化する、医療デバイスを追跡するためのシステムの図である。
図2A】本原理による、医療デバイスの遠位部分の断面図を示す。
図2B】本原理による、実施形態の態様の斜視図である。
図2C】本原理による、実施形態の態様の上部平面図である。
図3】横向き開口を具備したデバイス設計の上部平面図を示す。
図4】経時変化する磁場におけるコイルに誘起される起電力(EMF)を示す図である。
図5】デカルト座標軸に沿って分解される磁場を示す図である。
図6】組み合わせコイル及び単一のピックアップコイルを示す図である。
図7】単一のピックアップコイル及び足し合わされた複数の平行コイルを示す図である。
図8A】本原理に従った、医療デバイスの遠位部分を示す断面図である。
図8B】本原理に従った、医療デバイスの遠位部分を示す断面図である。
図9】本原理を具現化する医療デバイスを追跡するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本原理を具現化するシステム、医療デバイス及び方法が説明される。医療デバイスは、デバイスの中心軸に対して横向きに医療器具を展開するように構成される。デバイスは、デバイスの中心軸からずれて位置するデバイスの開口と整列する仮想軸を作り出す電磁センサを含む。この医療デバイスを用いたシステム及び方法が、本原理に従って更に説明される。別の実施形態において、本原理を具現化するシステムは、患者の身体内における医療デバイスの追跡、仮想軸の位置決め及び調節を提供する。別の実施形態において、方法は、医療デバイス及びシステムを用いた処置の実行を提供する。
【0013】
医療デバイスは、デバイスの中心軸に対して横向きに位置する開口を備える遠位部分を有し、開口は、ツール又は器具が横向きに、例えばデバイスの中心軸に対して横向きに展開されることを可能にする。デバイスは、本明細書において説明されるような形で互いに対して位置し、器具展開の仮想軸を追跡可能とする、電磁材料の複数の巻きコイルの形態の電磁センサを含む。仮想軸は、デバイスの側部に位置する開口を通過し、デバイスの中心軸、例えば、デバイスの長手方向によって規定される軸と整列していない。一実施形態において、仮想軸とデバイス中心軸とは、例えば斜角などの角度で互いに交差する。
【0014】
電流源、例えばAC電流源が磁場を生成するためのコイルのうちの少なくとも1つに接続される。仮想軸の生成に関与すると考えられる磁場が生成される。前述したように整列されたコイルの構成は、デバイスの側部において横向きに位置する開口を通って延在する仮想軸に対応する磁場を生成する。
【0015】
一実施形態において、電気機械的センサは、電磁的に伝導性の材料から作成される一対の巻きコイルである。一方のコイルは、デバイスの遠位部分においてデバイス内に嵌合し、長手方向に延在するデバイスの中心軸に沿って整列された第1のコイルである。一実施形態において、第1のコイルはデバイスの中心軸と同心である。第2のコイルは第1のコイルの近くに位置し、第1のコイルに対して垂直に整列する。一実施形態において、第2のコイルはデバイスの中心軸の側部、例えば中心軸に対して横向きに位置する。第2のコイルは、中心軸と整列した中央デバイスルーメンの側部に位置してもよい。
【0016】
特定の実施形態の説明に先立ち、図に図示された様々な要素の機能は、専用のハードウェア及び適切なソフトウェアと関連したソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通じて提供され得ることが理解される。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一の共有されたプロセッサによって、又は、それらのうちのいくつかが共有され得る複数の個別のプロセッサによって、提供され得る。更には、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、非限定的に、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性記憶装置等を暗示的に含み得る。
【0017】
更には、本発明の原理、態様、及び実施態様、並びにそれらの特定の例を列挙する本明細書における全ての記述は、それらの構造的な及び機能的な均等物の両方を包含することを意図される。加えて、このような均等物は、現在知られている均等物及び将来的に開発される均等物(すなわち、構造にかかわらず同じ機能を果たす、開発される任意の要素)の両方を含むことが意図される。従って、例えば、本明細書において提示されるブロック図は、本発明の原理を具現化する例示的なシステムコンポーネント及び/又は回路の概念図を表すことが当業者によって理解されよう。同様に、任意のフローチャート、フロー図などは、コンピュータ可読記憶媒体において実質的に表されてよく、コンピュータ又はプロセッサによって、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に図示されているか否かにかかわらず、実行され得る、様々なプロセスを表すことが理解されよう。
【0018】
更には、本原理の実施形態は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによる又はそれと関連した使用のためのプログラムコードを提供するコンピュータが使用可能な又はコンピュータが読み取り可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。この説明の目的のために、コンピュータが使用可能な又はコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによる又はそれと関連した使用のためのプログラムを、含み、記憶し、通信し、伝播し、又は搬送する任意の装置であり得る。媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、若しくは半導体のシステム(若しくは装置若しくはデバイス)又は伝播媒体であり得る。コンピュータが読み取り可能な媒体の例としては、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、及び光ディスクなどが含まれる。光ディスクの現在の例としては、コンパクトディスク−読出し専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)、Blu−Ray(商標)、及びDVDなどが含まれる。
【0019】
本明細書における、本原理の「一実施形態(「one embodiment」又は「an embodiment」)」及び他の変形への参照は、その実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、特性などが、本原理のうちの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通じて様々な箇所に見られる、「一実施形態において(「in one embodiment」又は「in an embodiment」)」という語句及び任意の他の変形の登場は、必ずしも全て同一の実施形態への参照ではない。
【0020】
例えば「A/B」、「A及び/又はB」及び「A及びBのうちの少なくとも一方」という場合の、「/」、「及び/又は」及び「少なくとも一方」のいずれかの使用は、1番目に記載の選択肢(A)のみの選択、2番目に記載の選択肢(B)のみの選択、又は両方の選択肢(A及びB)の選択を包含することが意図されることを理解されたい。更なる例として、「A、B及び/又はC」及び「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」という場合、そのような語句は1番目に記載の選択肢(A)のみの選択、2番目に記載の選択肢(B)のみの選択、3番目に記載の選択肢(C)のみの選択、1番目及び2番目に記載の選択肢(A及びB)のみの選択、1番目及び3番目に記載の選択肢(A及びC)のみの選択、2番目及び3番目に記載の選択肢(B及びC)のみの選択、又は3つの選択肢の全て(A、B及びC)の選択を包含することが意図される。当業者には容易に分かるように、記載されるアイテムの数だけ拡大されてよい。
【0021】
レイヤ、領域又は材料等の要素が、他の要素「の上に(on)」又は「の上方に(over)」あるといわれる時、その要素は、直接的に他の要素の上にあってよく、又は介在要素が存在してもよいことも理解されよう。これに対して、要素が他の要素「の上に直接(directly on)」又は「の上方に直接(directly over)」あるといわれる時、介在要素は存在しない。要素が他の要素に「接続される(connected)」又は「結合される(coupled)」といわれる時、その要素は、直接的に他の要素に接続又は結合されてよく、又は介在要素が存在してもよいことも理解されよう。これに対して、要素が他の要素に「直接的に接続される(directly connected)」又は「直接的に結合される(directly coupled)」といわれる時、介在要素は存在しない。
【0022】
似通った番号は同一の又は類似の要素を表す図面を参照するが、先ず図1を参照すると、仮想軸を有する医療デバイスを追跡するためのシステム100が、一実施態様に従って例示的に図示されている。システム100は、ワークステーション又はコンソール112を含んでよく、処置はワークステーション又はコンソール112から監督及び/又は管理される。ワークステーション112は、好ましくは、1つ又は複数のプロセッサ114と、プログラム及びアプリケーションを記憶するためのメモリ116とを含む。メモリ116は、センサモジュール115を格納してもよい。センサモジュール115は、メモリ116に格納されてよく、又は個別のユニットとして含まれてもよい。センサモジュールは医療デバイス200の位置及び向きを解釈し、デバイス撮像システム134及び追跡システム132の座標系を登録可能である。センサモジュール115は、センサ出力読み出し機器230を具現化するシステムと、同様に用いられ得る追加的なシステムとを含む少なくとも2つのシステムからフィードバックを受け取るように構成される。センサモジュール115は、1つの座標系を他の座標系に変換し得、局所座標系を共通的な全体座標系に変換し得、又は、場合によっては、中間的な若しくは他の座標系を用い得る。
【0023】
医療デバイス200としては、気管支鏡、カテーテル、ガイドワイヤ、プローブ、内視鏡又は他の医療コンポーネントが含まれてよい。医療デバイス200は、前立腺介入において使用されるデバイスであってよく、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)において使用されるデバイスであってよく、電磁的に追跡されるロボット工学デバイスであってよい。一実施形態において、医療デバイスは、身体通路を通過するようなサイズ及び寸法のカニューレを有し、この医療デバイスは、医療器具を通過及び搬送するための中央ルーメンを有する。
【0024】
電磁センサ220、224は、デバイスに結合され、センサ出力読み出し機器230に接続し、センサ出力読み出し機器230は配線127を介してワークステーション112に接続する。
【0025】
一実施形態において、ワークステーション112は、任意選択的な形状感知デバイス(不図示)からフィードバックを受け取り、形状感知デバイスがどこに存在したかに関して蓄積された位置データを記録するように構成された画像生成モジュール148を含む。撮像システム134によって生成された形状感知デバイスの画像は、ディスプレイデバイス118に表示され得る。ワークステーション112は、被写体(患者)160の内部画像を見るためのディスプレイ118を含み、デバイスの過去の位置の履歴の、重畳又は他の描画としての画像を含んでよい。ディスプレイ118は、ユーザがワークステーション112及びそのコンポーネント並びに機能と、又はシステム100内の任意の他の要素と情報のやり取りをすることも許容してよい。これは、ワークステーション112からのユーザフィードバック及びワークステーション112との情報のやり取りを可能にするキーボード、マウス、ジョイスティック、触覚デバイス、又は任意の他の周辺機器若しくは制御機器を含み得るインターフェース120によって、更に容易化される。
【0026】
追跡システム132としては、デバイスの空間的位置を追跡する電磁感知コイル220、224を含む電磁(EM)追跡システムが含まれる。コイルは、上に述べたようにワークステーション112に接続される。電気信号はセンサへ及びセンサから搬送される。必要があれば、システムは、センサの電気的出力信号を強化する1つ又は複数の増幅器(不図示)を含んでよい。他の追跡システムとしては、光学的追跡システム、光学的形状感知システム又は任意の他の適切な追跡システムが含まれ得る。
【0027】
一実施形態において、ワークステーション112は、患者160内においてデバイス200がどこに存在するかに関するデータを記録する。ワークステーション112は、患者160の内部画像を見るためのディスプレイ118を含んでよく、デバイス130及びその位置を示す、重畳又は他の描画としての超音波画像を含んでよい。ディスプレイ118は、ユーザがワークステーション112及びそのコンポーネント並びに機能と、又はシステム100内の任意の他の要素と情報のやり取りをすることも許容してよい。これは、インターフェース120によって、更に容易化される。
【0028】
図2Aを参照すると、医療デバイス200が、その遠位部分202において示されている。医療デバイス200は、中央ルーメン206を備える外側カニューレ204を有し、中央ルーメン206を通って医療器具、例えば生体組織検査針(不図示)がガイドされ得る。カニューレ204は、患者の身体通路、例えば人間などの哺乳類の肺の気道にデバイスが適合し、そこを通って進行できるような直径/断面形を有するように設計される。中央ルーメン206は、医療デバイス200の中心軸210に沿って同心性の部分208を有する。中央ルーメン206は、中央ルーメンを横向きに、すなわちデバイスの側壁214に向かって徐々に屈曲させる屈曲部212を含む。屈曲部は、デバイスの先端219の開口216と連通する。開口216は、デバイスの中心軸に対して横向きに位置する。ツール挿入軸218は、医療デバイス200の屈曲部212及び横向きに位置する開口216を通るように規定される。
【0029】
デバイス200は、デバイスの中心軸210に沿って位置し、そこに固定されるコイル220を更に含む。コイル220は、デバイス中心軸210と整列し、デバイス中心軸と同心である。
【0030】
第2のコイル224は、第1のコイル220の近くに位置し、第1のコイル220に対して垂直に整列され、デバイスに固定される。示されるように、第2のコイルの中心軸は、第1のコイル220の中心軸に対して直角になる。第2のコイルの中心軸は、第1のコイル220の中心軸に対して垂直である。第1及び第2のコイルの中心軸は、コイルの中空の中央部分を通過する軸であり、コイルは、一実施形態において、コアレスコイルである。
【0031】
一実施形態において、第2のコイル224は、デバイスの中心軸210の側部に位置し、デバイスの中央ルーメン206の中心軸部分208の側部に位置する。
【0032】
一実施形態において、第1のコイル220は、第2のコイル224よりも大きい。一実施形態において、これは第1及び第2のコイルのワイヤ巻き線の数の違いによるものであり、ワイヤ巻き線の数はそれぞれN及びNとして表される。ここで、Nは巻き数であり、下付き文字はそれぞれ第1及び第2のコイルを識別し、N>Nである。図2Bは、巻き数がNの第1のコイルを示す。図2Bは例示的なものと意図され、同一の構成が第2のコイル224にも適用可能である。
【0033】
第1のコイル220及び第2のコイル224は、電磁材料から巻き回され、所定の巻き数N及びNを有し、第1のコイル220はコイル断面積Aを有し、第2のコイルはコイル断面積Aを有する。図2Cは、第1のコイル断面積Aを示す。図2Cは例示的なものと意図され、同一の構成が第2のコイル224にも適用可能である。
【0034】
N・Aの乗算した積は、トラッカベクトル(tracker vector)222を、デバイスの横向きに位置する開口216を通過するツール挿入軸218と整列させるために用いられる感度値Sを提供する。この配置によって、本明細書において仮想軸とも称されるトラッカベクトル222は、デバイス開口216と整列する。仮想軸222及びツール挿入軸218は互いに対して整列しているので、この配置は、デバイス開口216を通過するツール挿入軸218に沿って進行する医療器具を効果的に追跡可能である。
【0035】
例示された配置において、電磁コイル220、224は、電気的に励起されて磁気効果を生成するときに、仮想軸に沿って整列した2つのコイルの重み付き平均である信号を提供する。仮想軸に到達するように第1のコイルの感度S及び第2のコイルの感度Sを協調させることによって、センサ配置は既存のデバイス設計によって許容される空間内に適合し得るとともに、仮想軸に沿ったツール挿入経路の直接的な追跡を提供する。
【0036】
図3は、デバイスを通って医療処置の部位に進行する医療器具、例えば針(不図示)とともに、ルーメンの断面の幾何学的形状内に第2のコイル224が適合する本発明による配置を図示し、それによって、器具がデバイスの開口を通って横向きに展開するときに器具を追跡するための配置を提供する。
【0037】
図2Aを参照すると、生成された仮想軸はデバイス開口216と整列し、デバイス開口216を通過しているため、センサ配置によって生成されるトラッカベクトル角θ222は、ツール挿入軸の角θ218と同一であることが図示されている。更には、AC電流227源を追跡配置及び測定器具230へと接続する電気配線(入力及び出力)226、228が図示されている。一実施形態において、コイルは直列に配線される。
【0038】
センサからの情報は、同期電圧(振幅+位相)検知器によって例示されるセンサ出力読み出し機器230によって分析される。励起源は、1つ又は複数のコイルに適切な周波数及び位相プロファイルが印加される電流源でよい。同期電圧検知器は、励起に対して測定された信号を分解し、それによってコイルコンポーネントの間の幾何学的関係に関する判定がなされ得る。別の実施形態において、分析においてAC電圧計が使用される。一実施形態において、電気センサ出力信号は、適切な増幅器(不図示)によって増幅される。
【0039】
本原理の一実施形態を具現化すると、第1のコイル220及び第2のコイル224のうちの少なくとも一方は、円筒対称である。他の一実施形態において、設けられた全てのコイルがこの配置である。他の一実施形態において、この少なくとも1つのコイルは、螺旋形に巻き回されたループのユニットであり、このループは円形の領域を画定し、このようにしてこの少なくとも1つのコイルは円筒対称となる。他の一実施形態において、設けられた全てのコイルがこの配置である。本原理の他の一実施形態において、この少なくとも1つのコイルのループは、コイルを通過する長さ方向軸Xに対して略垂直な領域を画定する。他の一実施形態において、設けられた全てのコイルがこの配置である。長さ方向軸Xは、図2Cにおいて、第1のコイル220を用いた例におけるコイルの中心に位置するように図示されており、この配置は第2のコイル224にも適用できる。長さ方向軸Xはコイルを貫通し、すなわち、それは図のページを貫通している。別の態様において、第1のコイル及び第2のコイルはどちらも、この段落における基準のうちの少なくとも1つを満たす。
【0040】
本出願において用いられる電磁追跡は、電磁誘導に頼っている。一次コイルにおける交流電流は、経時変化する磁場を生成する。一次コイルの影響が及ぶ場に配置された巻き数N及び断面積Aを有するピックアップコイルは、誘起された起電力(EMF)を受ける。これは図4に示されており、図4においては、経時変化する磁場内の、リード線312を具備し電気的に励起されたコイル240にEMFが誘起され、参照番号310は磁束密度Bを図示する。コイル240は、感度Sを有し、感度Sは、コイルの巻き線数Nとコイルによって取り囲まれる断面積Aとのドット積に比例する磁束線を取り囲む能力を反映する。更に、感度は、取り囲まれたコイル領域240に対して垂直に延在し、コイル巻き線を考慮すると右手方向(right−hand−sense)を指す有効方向314を有する。感度及びその有効方向(ベクトル)は、コイルの位置及び向き、並びにコイルのワイヤ巻き数N及び断面積Aに依存する。このコイルによって生成されるEMFは、感度と磁束密度の環境変化率(ambient rate of change)とのドット積である。式にすると、
【0041】
【数1】
となる。
【0042】
所与のピックアップコイルによる磁束密度の変化率当たりの生成されるEMFは、生成された磁場の一次源を基準とした特定の位置及び向きにあるピックアップコイルの感度に部分的に依存する。説明された実施形態の場合のように2つのコイルを直列に接続すると、この組み合わせから生じるEMFは、トラッカベクトル222(図2A)に対応する。結果として生じるEMFは、個々の感度のベクトル和である。2つのコイルは、第1のコイル220及び第2のコイル224に関して既に述べた方向にそれぞれ有利に巻き回され得る。
【0043】
このことから、組み合わせによる「仮想」コイルのベクトルは、デバイスの側部の開口を通過するツール挿入軸と整列し、例えば、ツール挿入軸と平行になる。図示されるように、トラッカベクトル222は角θ(図2A)に沿ったツール挿入軸218と整列する。これは、2つのコイルの感度を調節したことによる結果であり、それらは整列して仮想軸を生成するように協調する。
【0044】
図5を参照すると、磁化源(これは磁化電流を受けた一次コイル242であり得る)が経時変化する場を生成したとき、所与の座標系におけるあるポイントにおける磁束密度は、その座標成分に分解され得る。特定のポイントにおける磁束密度Bはデカルト座標系の3つの軸に分解されて図示されている。互いに対して垂直で、x、y、z軸とそれぞれ整列し、電線316、318、320にそれぞれ結合された3つのピックアップコイル242x、242y及び242zは、x、y及びz平面に空間的に配置された比較的大きなコイル242の3つのEMF方向Ux、Uy及びUzに関して、参照番号317で示される変化する磁束密度Bの成分を表す。x、y及びz成分のEMFを観察すると、そのポイントにおける磁束(ベクトル)の変化率を判定することができる。式にすると、磁束密度B=B+B+Bであり、x、y、z成分のEMF Uは、コイル242zで例示すると、
【0045】
【数2】
である。リード線316、318、320は、EMF成分Ux、Uy及びUzを分析するためのデバイスに結合される。有効感度326はx、y、及びz成分を有することに留意されたい。
【0046】
1つの配置において、(ベクトル)磁束密度の変化率は、生成されるEMFを通る垂直軸に沿って測定及び分解されてよい。逆に、重ね合わせが適用されてもよく、それによって、2つの個別の(例えば、垂直な)ピックアップコイルからの2つのEMFを追加的に使用して、2つのコイルの和に対応する単一のピックアップコイルのEMFをエミュレートしてもよい。図6を参照すると、単一のピックアップコイル245(EMF Ub)に対する組み合わせによる等価物を作り出すために、コイル244、246(EMF Ua)が重ね合わされて使用されており、ここでUa≒Ubである。電線322、324は、EMF成分Ua、Ubを分析するためのデバイスに結合される。有効感度328はx、y、及びz成分を有することに留意されたい。
【0047】
所与のポイントにおけるピックアップコイルの経時変化する磁束密度によって起こるEMFの近似は、それぞれが特定のポイントから離間して配置された2つの個別のコイル248、250(EMF Ua)を組み合わせることによって得られてよい。これは図7において示されている。単一のピックアップコイル252(EMF Ub)は、ワイヤ321によって直列に接続された複数の平行なコイル248、250(EMF Ua)の和によって近似されてよい。ここでUa≒Ubである。電線330、332は、コイルに電力供給し、EMF成分Uaを分析するためのデバイスに結合される。
【0048】
複数のコイルの組み合わせは仮想コイルとみなされ得、その感度は構成要素のコイルそれぞれの感度のベクトル和である。本原理に従って説明されたように、2つの垂直なコイルが、デバイス中心軸に対して傾いた軸上に仮想コイルを作り出すために使用され得る。図2Aにおいて説明された、生体材料サンプリング医療デバイスなどの、トラッカベクトル222が通過する側部開口216を具備するデバイスでは、仮想的な追跡軸、例えばトラッカベクトル222を作り出すために第1及び第2の電磁感知コイル220、224のベクトルを組み合わせることによって、仮想的な、傾いたコイルが実現される。本明細書において説明される他の配置も可能である。
【0049】
図8A及び図8Bを参照すると、部品番号は図2Aに関して示されているものと同様である。図8A及び図8Bは、第1のコイル220に対して垂直に配置された第2のコイル224を図示する。第2のコイル224は、デバイス中心軸210と同心の、中央デバイスルーメン206の同心性の部分208の側部に位置する。第1のコイルはデバイス中心軸210と同心である。中央デバイスルーメン206は、第1のコイル224を通過し、第1のコイルと同心性の関係にある。図8Bを参照すると、屈曲部212は、開口216と連通する、徐々に丸みを帯びる屈曲部として図示されている。
【0050】
一実施形態において、センサからの情報は、同期電圧(振幅+位相)検知器であってよい読み出し機器によって分析される。励起源は、1つ又は複数のコイルに適切な周波数及び位相プロファイルが印加される電流源でよい。同期検知器は、励起に対して測定された信号を分解し、それによってコイルコンポーネントの間の幾何学的関係に関する結論を引き出す。別の実施形態において、分析においてAC電圧計が使用される。
【0051】
図9は、医療デバイスに結合された医療器具を追跡するための方法800である本発明による別の実施形態を図示し、この方法においては、デバイス中心軸と整列していないツール挿入軸に沿って医療器具が展開される。この方法は医療デバイス200及びシステム100を用いることを意図しているが、それらに限定されるものではない。
【0052】
ブロック810において、仮想軸追跡能力、例えば協調的な複数の電磁センサ、を有する医療デバイスが、医療デバイスの中心軸と整列していない場所において医療処置を行うために患者に挿入される。例えば、医療処置の部位は、医療デバイスが通って進行する身体通路の外側にあってよい。
【0053】
医療デバイスは、身体通路を通って、医療処置が行われるべき場所まで移動される。一実施形態において、超音波などの撮像システムが、医療デバイスを所望の場所に位置決めするために用いられてよい。
【0054】
ブロック820において、電磁センサから得られた信号が、医療デバイスの側部の開口と整列したトラッカベクトル、例えば仮想軸、の場所及び位置を判定する。この情報は、仮想軸が医療処置の部位と整列しているかどうかを判定する。もしも仮想軸が整列しているなら、デバイス開口を通るツール挿入軸は、その部位と整列している。例としては、例えば例示的な3次元構成においてx、y及びz座標を有するポイントAに位置する身体部位から組織サンプルを得ることが望まれることがある。所望の場所から組織サンプルを得るために、開口、従ってツール挿入軸は、ポイントAと整列していなければならない。電磁センサから得られたトラッカベクトル位置(仮想軸)及び方向に関する情報は、システムによって変換されると、ワークステーションの医療労働者に、デバイスが適切な位置にあるか、又は調節がなされるべきであるかを知らせる。例えば、医療デバイスは、開口(及びツール挿入軸)をサンプリングの部位と整列させるために、デバイス中心軸の周りで回転されなければならないことがある。
【0055】
ブロック830において、仮想軸の場所及び位置が医療処置を行うために適切であると判定されたとき、医療器具がデバイスを通って挿入及び移動される。ブロック840において、医療器具は、仮想軸に沿ったデバイスの開口を通って誘導される。結果として、医療器具は、仮想軸と整列する。ブロック850において、横向きの部位、例えば身体通路の側部において、又は身体通路の外側の部位において、医療処置が行われる。いずれの場合も、医療デバイスは、医療処置の部位に誘導され、医療処置が行われる。医療処置が完了した後、ブロック860において、医療器具は回収され、すなわちデバイス内に引き戻され、ブロック870において、デバイスは患者の身体から取り出される。
【0056】
上述の一般的原理を用いた1つの特定の実施形態は、生体組織検査針(器具)が気管支鏡(器具)を通過する気管支鏡検査処置である。気管支鏡の遠位先端はスコープの中心軸上にない開口を備える。言葉を変えれば、開口は、デバイスの中心軸に対して横向きである。採取されるべきサンプルは、気管支鏡が進行する患者の気道の外側にある。
【0057】
添付の特許請求の範囲を解釈する際には、以下のことが理解されるべきである。
a)「備える(comprising)」という語は、与えられた請求項において記載される要素又は行為以外の他の要素又は行為の存在を排除しない。
b)ある要素に先行する「a」又は「an」という語は、そのような要素が複数存在することを排除しない。
c)請求項中のいかなる参照記号も、それらの範囲を限定しない。
d)いくつかの「手段(means)」は、同一のアイテム又はハードウェア又はソフトウェアによって実現される構造若しくは機能によって表されてよい。
e)特別に示されない限り、行為の特定の順序が要求されることは意図されない。
【0058】
「備える(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除しない。「a」又は「an」という語は、複数性を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に列挙されたいくつかの手段の機能を満たしてもよい。
【0059】
カテーテルベースの操縦のための仮想的に方向づけられた電磁追跡コイルについての好ましい実施形態が説明されたが、上記の教示に照らして、修正及び改変が当業者によってなされ得ることが明記される。従って、添付の特許請求の範囲によって概要が述べられるような、本明細書において開示された実施形態の範囲内にある開示された本開示の特定の実施形態において、変更がなされてよいことが、理解されるべきである。特許法によって要求される詳細及び特殊性がこのように説明されたが、請求され及び特許状によって保護されることが望まれるものは、添付の特許請求の範囲において述べられる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9