(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789947
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】多種類のデータを使用して輸液反応性を評価する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/172 20060101AFI20201116BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20201116BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
A61M5/172 500
A61B5/00 G
A61B5/00 102A
A61M5/168 550
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-532179(P2017-532179)
(86)(22)【出願日】2015年12月9日
(65)【公表番号】特表2018-504952(P2018-504952A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】IB2015059456
(87)【国際公開番号】WO2016097935
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年12月5日
(31)【優先権主張番号】62/092,858
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ポテス クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】コンロイ ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】セイヴェル アダム ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ミンナン
(72)【発明者】
【氏名】エシェルマン ラリー ジェームス
【審査官】
今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0073890(US,A1)
【文献】
特表2014−511719(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0270097(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/02
A61M 5/172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信する注入ポンプと、
関連する患者から生理的信号を受信するように動作可能な複数の生理的モニタと
を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記注入ポンプによる輸液の注入を示すタイミング信号を受信する前に前記患者から取得された基準生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、
前記関連する患者への輸液負荷試験のための輸液を注入する前記注入ポンプから、前記注入ポンプによる前記輸液の注入を示すタイミング信号を受信し、
前記関連する患者から取得された生理的信号を、前記注入ポンプの前記タイミング信号と同期させ、
同期された前記生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、
同期された前記生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴と、前記基準生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴とに基づいて、前記患者の前記輸液反応性確率値を算出するようにプログラムされる、
輸液反応性を評価するためのシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、前記患者が輸液蘇生に反応しないことを示す前記輸液反応性確率値に応じて、前記注入ポンプの動作を終了するようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記輸液反応性確率値を算出することは、同期された前記生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴と、前記基準生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴とを、分類アルゴリズムに入力することをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記輸液反応性確率値は、無反応性を示す0と、反応することを示す1との間である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、算出された前記輸液反応性確率値を、事前に選択された閾値と比較するようにプログラムされ、前記輸液反応性確率値が前記閾値以上であるとき、前記関連する患者は輸液蘇生に反応すると判定する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の生理的モニタはカプノグラフィーモニタを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記カプノグラフィーモニタからの生理的信号に基づいて呼吸サイクルを判定し、同期された前記生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴と、前記基準生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴とを、前記関連する患者の呼吸サイクルの呼息部分の間に計算するようにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、算出された前記輸液反応性確率値が前記関連する患者が輸液蘇生に反応しないことを示すのに応答して、警告を生成するようにプログラムされる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記注入ポンプは、前記生理的信号と同期され前記関連する患者の呼吸サイクルの呼息部分の間だけに輸液を注入する急速注入ポンプである、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の生理的モニタが、カプノグラフィーモニタ、動脈血圧(ABP)モニタ、心電図(ECG)モニタ、プレチスモグラフ(PPG)モニタ、の1つ又は複数を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記動的指標が、脈圧変動(PPV)、一回拍出量変動(SVV)、収縮期圧変動(SPV)、RR変動(RRV)、及び脈波変動指標(PVI)、の少なくとも1つを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記特徴が、ボリューム測定カプノグラフィー、カプノグラフィーから導出される呼吸終末CO2、及びABPから導出される心拍出量、の少なくとも1つを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記輸液負荷試験が100mlの膠質を1分以上注入する少量輸液負荷試験である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
コンピュータ及びディスプレイを制御して、
注入ポンプによる輸液の注入を示すタイミング信号を受信する前に関連する患者から取得された基準生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、
前記関連する患者の複数の生理的モニタから複数の生理的信号を受信し、
前記関連する患者への輸液負荷試験のための前記輸液を注入する前記注入ポンプから、前記注入ポンプによる前記輸液の注入を示すタイミング信号を受信し、
前記タイミング信号を受信された前記生理的信号と同期させて、同期された生理的信号を生成し、
同期された前記生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、
同期された前記生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴と、前記基準生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴とに基づいて、前記患者の前記輸液反応性確率値を算出するために実行可能な命令を記憶した、
コンピュータ媒体。
【請求項14】
注入ポンプによる輸液の注入を示すタイミング信号を受信する前に関連する患者から取得された基準生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、
前記関連する患者の複数の生理的モニタから複数の生理的信号を受信し、
前記関連する患者への輸液負荷試験のための輸液を注入する注入ポンプから、前記注入ポンプによる前記輸液の注入を示すタイミング信号を受信し、
前記タイミング信号を受信された前記生理的信号と同期させて、同期された生理的信号を生成し、
同期された前記生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、
同期された前記生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴と、前記基準生理的信号からの前記1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴とに基づいて、前記患者の前記輸液反応性確率値を算出するようにプログラムされたプロセッサを備える、
輸液蘇生に対する関連する患者の反応性を評価するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して医療技術に関する。本願は、病院、救急センター、救急治療及び/又は外傷治療、輸液蘇生等で使用するための医療的な監視、患者の治療等に関連して特定の用途を見出せる。ただし、本願は他の使用事例においても用途をもち、必ずしも上記の用途に限定されないことを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
輸液蘇生は、血流力学的に不安定であると認識された重篤患者を治療する最初の段階である。不幸なことに、手術室(OR)、集中治療室(ICU)、又は救急部門(ED)にある重篤患者のうち、輸液蘇生に良好に反応するのは50%に過ぎない。さらに、良好に反応しない患者は治療自体によって害を受けることがあり、その結果、肺浮腫や組織浮腫などの他の臨床問題を生ずることもある。患者が輸液蘇生に反応するかどうかを確かめる予測手段の一つは、輸液負荷試験又は少量輸液負荷試験の前後の心拍出量の変化を測定することによる。そのような輸液負荷試験は、少量の静脈内輸液を短時間与えることからなる技術である(輸液ボーラスとしても知られる)。それにより、臨床医は、さらに多くの輸液で一回拍出量を増大させるために使用できる前負荷予備能が患者にあるかどうかを評価することができる。
【0003】
自発呼吸している正常な人では、動脈血圧(ABP:arterial blood pressure)、心電図記録(ECG:electrocardiography)のRピーク、又はプレチスモグラフィー(PPG:plethysmography)の振幅は、吸息中に低下し、呼息中に増大する。収縮期血圧の正常な低下は10mmHg未満である。吸息中の血圧の低下が10mmHgを超えるとき、その現象は奇脈と呼ばれる。この現象の逆、すなわち、収縮期血圧、Rピーク、又はPPG振幅が吸息中に増大し、呼息中に低下することは、陽圧呼吸の間(例えば機械的に換気している患者)に報告されている。
【0004】
呼吸サイクルに伴うABP、ECG、又はPPGの変動から導出される動的指標、すなわち、脈圧変動(PPV:pulse pressure variability)、一回拍出量変動(SVV:stroke volume variability)、収縮期圧変動(SPV:systolic pressure variability)、RR変動(RRV)、及び脈波変動(PVI:pleth variability)(http://www.masimo.com/pvi/)は、機械的に換気している患者の輸液反応性の非常に良好な予測となることが示されている(すなわち輸液投与後に一回拍出量が10〜15%増大することを予測する)。不都合なことに、これらの動的指標は、自発呼吸している患者の輸液反応性の予測においては正確でなく、この理由は主として、呼吸サイクルに伴うABP、ECG、又はPPGの変動がそれほど顕著でないためである(すなわち信号対ノイズ比が非常に低い)。そのような動的指標を使用して、機械的に換気されている患者の輸液反応性を評価する場合、患者は輸液負荷試験を受ける必要がないことは言及に値する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、上記で参照した課題を克服する、新しく、改良された方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によると、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信する注入ポンプと、関連する患者から生理的信号を受信するように動作可能な複数の生理的モニタとを備えた、輸液反応性を評価するためのシステムが開示される。少なくとも1つのプロセッサは、輸液負荷試験中に関連する患者から取得された生理的信号を、輸液負荷試験を投与している注入ポンプのタイミング信号と同期させ、同期された生理的信号から1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を計算し、同期された生理的信号からの1つ又は複数の動的指標及び/又は特徴を使用して患者の輸液反応性確率値を判定する、ようにプログラムされる。
【0007】
別の態様によると、輸液反応性の評価方法が開示され、この方法は、関連する患者の複数の生理的モニタから複数の生理的信号を受信するステップと、関連する患者に投与される輸液負荷試験との関連で、関連する注入ポンプによる輸液の注入に対応する注入ポンプタイミング信号を受信するステップと、タイミング信号を受信された生理的信号と同期させて、同期された生理的信号を生成するステップと、同期された輸液負荷試験生理的信号から複数の動的指標及び/又は特徴の少なくとも1つを計算するステップと、関連する患者の輸液蘇生に対する反応性を示す輸液反応性確率値を計算するステップとを含む。
【0008】
開示される他の特定の態様によると、すぐ上の段落の方法を行うようにコンピュータ及びディスプレイを制御するために実行可能な命令を記憶したコンピュータ媒体と、すぐ上の段落の方法を行うようにプログラムされたプロセッサを備える、輸液蘇生に対する関連する患者の反応性を評価するためのシステムとが開示される。
【0009】
利点の1つは、患者に投与される輸液のボリューム及び速度の関数として一回拍出量の変動を追跡するための計画的な手段をもたらすことにある。
【0010】
別の利点は、機械的に換気されていない患者の輸液反応性を評価することにある。
【0011】
別の利点は、反応しない患者に対する輸液の投入量を最小にすることにある。
【0012】
ここに開示される実施形態のさらに他の利点は、以下の詳細な説明を読み、理解すると、当業者によって認識されよう。
【0013】
ここに開示される実施形態は、様々なコンポーネント及びコンポーネントの構成、並びに様々なステップ及びステップの構成の形態を取る。図面は、好ましい実施形態を説明することのみを目的とし、ここに開示される実施形態を制限すると解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】輸液蘇生に対する患者の反応を評価するように構成された監視機器を備えた患者モニタを含む医療環境を図式的に示す図である。
【
図2】輸液反応性を評価する際に使用する、患者から取得された基準生理的信号及び輸液負荷試験生理的信号を示す図である。
【
図3】輸液反応性を評価する際に使用する、患者から取得された輸液負荷試験生理的信号の動的指標及び/又は特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、ベッド12に横たわっている患者10を描いた輸液反応評価システム100が示されており、これは、病院、緊急治療室、集中治療室(ICU)、心疾患集中治療室(CCU)等で典型的な状況である。患者の状態によっては、患者10が歩行可能である、車椅子に乗っている、椅子に座っている等の可能性も想定される。患者は、種々の医療監視装置によって監視されており、図示する実施形態では、それらの装置には、ECG電極を備えた心電図(ECG)機器14、例えば完全に非侵襲的な脈拍計や最小侵襲動脈ラインである血圧モニタ16、プレチスモグラフ(PPG)18、及びカプノグラフ(capnograph)20が含まれる。図の血圧モニタ16は手首を利用するものであるが、上腕又は患者10のその他の部位に置かれる血圧モニタも想定される。動脈ラインを使用して血圧を測定する場合は、任意で、動脈ラインを静脈内輸液送達ライン等に組み込むこともある。ECG14、動脈血圧(ABP)モニタ16、PPG18、及びカプノグラフ20はさらに、ECG、血圧信号、臓器又は身体内のボリュームの変化(血液又は空気)、及び呼吸ガス中のCO
2圧を生成し、任意でそれらに信号処理を行うための関連する電子機器を備える。
【0016】
輸液反応評価システム100は、
図1に示すように静注(IV)コンポーネントを含み、これは、輸液26、注入ポンプ24、及び患者10の体内に輸液26を移動するためのライン22を備える。注入ポンプ24は、コンピュータシステム28を介してプログラム可能、遠隔からプログラム可能、ユーザ入力コンポーネント25(タッチ画面/キーパッド/タッチパッド等)を介してプログラム可能等である急速注入ポンプとして実施される。実施形態によっては、注入ポンプ24は、あらかじめ決められた時間間隔中に、選択された量の輸液26を患者10に投与するようにプログラムされ、これは、例えば、少量輸液負荷試験とも呼ばれる輸液負荷試験である。このような状況で使用される輸液負荷試験は、患者10が輸液蘇生に反応するか否かを評価することを可能にする。本明細書で言及される輸液負荷試験は、輸液の一般的な供給とは対照的に、限られた時間間隔中に患者10に注入される限られた量の輸液26に相当する。システム100はさらに、I/Oインターフェース38を介して注入ポンプ24、各種電極14、モニタ16、プレチスモグラフ18、及びカプノグラフ20と通信するコンピュータシステム28を含む。一実施形態によると、I/Oインターフェース38は、適切な通信リンクを介して、各種の患者監視コンポーネント14、16、18、20、コンピュータネットワーク(図示せず)、外部の表示装置(図示せず)、又は他の適切な入力若しくは出力電子装置、の1つ又は複数と通信する。システム100はさらに、例えば酸素濃度計、体温計、グルコースモニタ等の追加的な生理的監視装置を含む場合もある。
【0017】
コンピュータシステム28は、システム100の動作を統括し、システム100から遠隔に位置することもある。コンピュータシステム28は、少なくとも1つのプロセッサ32及び少なくとも1つのプログラムメモリ30を備える。プログラムメモリ30は、プロセッサ実行可能命令を含み、この命令は、プロセッサ32によって実行されると、生理的信号の解析及び処理、輸液反応の分類、警告の生成等を含むコンピュータシステム28の動作を統括する。プロセッサ32は、プログラムメモリ30に記憶されたプロセッサ実行可能命令を実行する。
【0018】
コンピュータシステム28はさらに、カプノグラフィーの監視40、ABPの監視42、ECGの監視44、及びPPGの監視46を提供する電子機器を備える。
図1には示さないが、コンピュータシステム28は、任意で、適切な生理的入力信号に基づく呼吸数など、選択された他の生理的パラメータを監視する電子機器を提供してもよい。コンピュータシステム28はプロセッサ32を含み、プロセッサ32は、コンピュータシステム28の動作を制御し、生理的信号の処理を容易にし、命令を実行し、計算を行い、様々な入力の比較及び記憶を容易にする等の動作を行うことができる。
【0019】
コンピュータシステム28はさらに、生理的信号、検査結果、患者情報、生命兆候、グラフィックユーザインターフェース、通知等の1つ又は複数の表示情報を表示するように構成され、プロセッサ32と通信する表示装置34と、ユーザ入力情報及びコマンドの選択をプロセッサ32に通信するための、テキスト入力用のキーボード又はタッチ画面若しくは書き込み可能画面、及び/又はマウス、トラックボール等のカーソル制御装置等のユーザ入力装置36とを含む。一実施形態では、表示装置34は、統合された多機能患者モニタとして実施され、それらの電子機器は、単体の多機能患者モニタ(図示せず)の中に具現化され、結果として得られる処理後のECG、ABP、PPG、及び/又はカプノグラフィー信号の総合的な表示を行う。表示装置34は、ECGトレース、血圧(BP)データ、呼吸データ等の測定された生理的パラメータを表示する。ディスプレイは、それらのパラメータを、現在の数値や、時間の関数としてパラメータ値を示すトレースによるなど、様々な形で表示することができる。
【0020】
メモリ30に記憶されたプロセッサ実行可能命令の基準信号モジュール48は、輸液負荷試験中に輸液26を投与する前に、患者10のモニタ40、42、44、及び46からの生理的信号の受信を制御する。下記でより詳細に説明するように、
図2は、モニタ40、42、44、46を介して受信される基準生理的信号39、41、43、45の図示を提供する。プロセッサ実行可能命令の基準特徴計算部52は、
呼吸サイクルに伴うABP、ECG、又はPPGの変動から、動的指標、すなわち脈圧変動(PPV)、一回拍出量変動(SVV)及び収縮期圧変動(SPV)の、基準生理的信号48からの導出、すなわち計算を容易にする。一実施形態によると、動的指標は以下のように計算される。
【0024】
追加的な動的指標及び/又は特徴としては、RR変動(RRV)、及び脈波変動指標(PVI)が挙げられる。RRVは、心拍間の時間間隔の変動に対応し、すなわち拍動から拍動までの間隔の変動によって測定される。R−R変動(RRV)は、連続したRの間隔を利用するものであり、ここでRはQRS群のピークであり、RRVは、ECG波の連続したQRS群のピークからピークまでに相当する。脈波変動指標(PVI)は、輸液反応性を予測するための脈波酸素測定プレチスモグラフ波形振幅の呼吸変動に関連する測定値である。
【0025】
基準特徴計算部52はさらに、基準生理的信号48から、様々な特徴、例えば、ボリューム測定カプノグラフィー、カプノグラフィーから導出される呼吸終末CO2、ABPから導出される心拍出量等を計算する。生理的信号は、呼吸サイクルである吸気(吸息)82及び呼気(呼息)80中に変動する。例えば、自発呼吸している患者では、呼吸サイクルの呼気(呼息)80中に血圧が上がるのに対し、呼吸サイクルの吸気(吸息)82中には血圧が下がる。したがって、基準特徴計算部52は、呼吸サイクルの吸息部分82の間及び呼吸サイクルの呼息部分80の間の動的指標及び/又は特徴を計算するように適切に構成される。一実施形態では、利用される動的指標及び/又は特徴は、サイクルの吸息部分82又は呼吸サイクルの呼息部分80だけに関係する。
【0026】
メモリ30に記憶されたプロセッサ実行可能命令の輸液負荷試験生理的信号モジュール50は、患者10が輸液蘇生に反応するかどうかを評価するための輸液負荷試験中に、IVコンポーネントから輸液26の投与が開始された後に取られる、モニタ40、42、44、46からの生理的信号の受信を制御する。プロセッサ実行可能命令の注入ポンプタイミング信号モジュール54は、ポンプ24による患者10への自動化された輸液投与に相当する輸液負荷試験中に、注入ポンプ24からの出力を受信する。プロセッサ実行可能命令の同期ユニット56は、患者10に提供される輸液26の量を所与の時間における対応する生理的信号と相関させて示すために、注入ポンプ24のタイミング信号54を輸液負荷試験生理的信号50と同期させる。
【0027】
プロセッサ実行可能命令の輸液負荷試験特徴計算部58は、
呼吸サイクルに伴うABP、ECG、又はPPGの変動から、動的指標、例えばPPV、SVV、SPV、RRV及びPVIの、同期された輸液負荷試験生理的信号50からの導出、すなわち計算を容易にする。輸液負荷試験特徴計算部58はさらに、同期ユニット56を介して出力される同期された生理的信号50から、様々な特徴、例えば、ボリューム測定カプノグラフィー、カプノグラフィーから導出される呼吸終末CO2、ABPから導出される心拍出量等を計算することができる。輸液負荷試験特徴計算部58は、輸液負荷試験の投与中に発生する呼吸サイクルの吸息部分82の間及び呼吸サイクルの呼息部分80の間の動的指標及び/又は特徴を計算するように適切に構成される。一実施形態では、利用される動的指標及び/又は特徴は、輸液負荷試験の投与中のサイクルの吸息部分82又は呼吸サイクルの呼息部分80のみに関係する。すなわち、動的指標及び/又は特徴52及び58は、関係する患者10の呼吸サイクルの吸息部分82を反映したそれぞれの生理的信号48及び50を使用して計算される。患者10の呼吸サイクルは、カプノグラフィーモニタ40の動作に従って判定される。
【0028】
プロセッサ実行可能命令の分類ユニット60は、分類アルゴリズム64、例えば確率的分類モデルを用い、そのアルゴリズムに、輸液負荷試験特徴及び/又は指標58並びに基準特徴及び/又は指標52が入力されて、輸液反応性確率値66を生成する。一実施形態によると、分類アルゴリズム64の適用は、基準52及び輸液負荷試験58から得られた特徴及び/又は指標を、ロジスティック回帰アルゴリズムへの入力として使用することに相当する。分類アルゴリズム64は、以前の輸液負荷試験中に開発若しくは訓練されたものであるか、又は年齢、体重、身長、性別、人種、又は他の医学的に関連するデータに基づく、事前に選択された医学的入力である。上述したように、特徴には、動的指標(SVV、SPV、PPV、RRV、PVI)、ボリューム測定カプノグラフィー、呼吸終末CO
2、心拍出量等が含まれる。先に述べたように、動的指標及び/又は他の特徴は、輸液負荷試験が投与されている患者10の呼吸サイクルの吸息部分又は呼息部分のみの間に収集された生理的信号に対応する場合もある。輸液反応性確率値64は、患者10が輸液蘇生に良好に反応する見込みを示すスコアを表す。一実施形態によると、確率値64は、0(すなわち患者10が反応しない)から、1(すなわち患者10が輸液に反応する)までの幅を取る。
【0029】
プロセッサ実行可能命令の比較ユニット66は、輸液反応性確率値64と閾値反応値68の比較を容易にする。閾値反応値68は、それ以上であると患者10が輸液蘇生に反応し、それより低いと患者10が輸液蘇生に反応しない閾値に相当する。
図1の輸液蘇生評価システム100は、比較ユニット66の結果に関するいくつかの例示的な出力を提供する。
図1に示すように、輸液反応性確率値64が所定の閾値68を下回ると判定されると、プロセッサ実行可能命令は、音声警告信号70、視覚警告信号72、注入ポンプ24への制御信号74(輸液負荷試験の停止)等を含んでいる。警告信号70は、例えばスピーカ78などの適切な聴覚装置を利用するのに対し、警告信号72は、表示装置34を利用して、輸液蘇生に対する患者10の無効性又は無反応性の視覚的表現、例えば、明滅する図像、点滅する光、又は多数の他の適切な視覚的に記述する装置又は標識を提供する。注入ポンプ24に出力される制御信号74は、患者10への輸液26の注入を直ちに中断するようにポンプ24に指示する。これは、上述のように、そのような輸液注入は、反応しない患者10にとって害になる可能性があるためである。或いは、そのような信号74は、患者10の無反応性に関する適切な聴覚的及び/又は視覚的合図を医師、看護師等に対して発するのを開始するものとポンプ24によって解釈されてもよい。患者10の輸液反応性確率値64が閾値66を満たすか又は超える場合、システム100のプロセッサ実行可能命令は、輸液蘇生に対する患者10の反応性の視覚的通知76を含んでいる。非制限的な例として、表示装置34は、患者が輸液蘇生に肯定的に反応することを反映した図像又は他の標識を生成する。
【0030】
コンピュータシステム28は、コンピュータサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットコンピュータ、ページャ、それらの組み合わせ、又は例示的方法を行うための命令を実行することが可能な他のコンピューティング装置を含む。
【0031】
例示的な一実施形態によると、コンピュータシステム28は、関連するユーザ、ネットワーク接続された装置、ネットワーク接続された記憶装置、遠隔装置等と対話するように構成された、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの任意の適切な組み合わせを備える。
【0032】
メモリ30は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスク若しくはテープ、光ディスク、フラッシュメモリ、又はホログラフィックメモリなど、任意種類の非一時的なコンピュータ可読媒体を表す。一実施形態では、メモリ30は、ランダムアクセスメモリと読出し専用メモリとの組み合わせからなる。実施形態によっては、プロセッサ32とメモリ30とが1つのチップ内で組み合わせられる。I/Oインターフェース38は、コンピュータシステム28がコンピュータネットワークを介して他の装置と通信することを可能にし、変調器/復調器(モデム)を備える。メモリ30は、本方法で処理されたデータ並びに例示的方法を行うための命令を記憶する。
【0033】
プロセッサ32は、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ(又はより一般的には複数コアプロセッサ)、デジタルプロセッサなどにより様々に具現化することができ、数学コプロセッサ及び/又はグラフィックコプロセッサ、デジタルコントローラ等と協働することができる。プロセッサ32は、コンピュータシステム28の動作を制御することに加えて、
図4に概説される方法を行うためのメモリ30に記憶された命令及びユニットを実行する。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「ソフトウェア」は、そのソフトウェアの目的である作業を行うようにコンピュータ又は他のデジタルシステムを構成するために、コンピュータ又は他のデジタルシステムによって実行可能なあらゆる命令の集合又はセットを包含することが意図される。本明細書でさらに使用される場合、用語「ソフトウェア」は、RAM、ハードディスク、光ディスク等の記憶媒体に記憶されたそのような命令も包含することが意図され、また、ROM等に記憶されたソフトウェアである、いわゆる「ファームウェア」を包含することが意図される。そのようなソフトウェアは、様々なやり方で編成され、ライブラリとして編成されたソフトウェアコンポーネント、遠隔サーバ等に記憶されたインターネットベースのプログラム、ソースコード、解釈コード、オブジェクトコード、直接実行可能コード等を含む。そのソフトウェアが、システムレベルのコード、又はサーバ若しくは他の場所に存在する他のソフトウェアに対するコールを呼び出して、特定の機能を行わせることが想定される。
【0035】
次いで
図2に移ると、一例示的実施形態による、システム100の機能の説明例200が示されている。
図2に示すように、患者10への輸液負荷試験を開始する前には、基準生理的信号50が左側に示されている。説明例200で使用される基準生理的信号48には、カプノグラフィー信号39(カプノグラフィーモニタ40を介する)、ABP信号40(ABPモニタ42を介する)、ECG信号43(ECGモニタ44を介する)、及びPPG信号45(PPGモニタ46を介する)が含まれる。これらの信号48は、メモリ30に記憶され、上述のような動的指標及び/又は特徴52を生成するために使用される。注入ポンプ24が輸液の計画的な投与、すなわち輸液負荷試験を開始すると、患者10に関して生理的信号50が収集され、その生理的信号50がポンプ24の動作と時間同期される。図示されるように、呼息期80と吸息期82(網掛け部分)とは互いから区別することができ、患者から収集される信号48、50に影響する。呼吸サイクルの呼息80及び吸息82期は、カプノグラフィー信号37から識別されるか、又はABP信号39、ECG信号41、若しくはPPG信号43から推定される。
【0036】
図3は、収集された生理的信号(48、50)と、それらの信号から導出された対応する動的指標302を示す。図示されるように、SVV、SPV、及びPPVはABP信号39から導出される。RRVは、上述したように、受信されたECG信号41から導出される。PVIは、上述したように、PPG信号43から導出される。動的指標302は、ABP信号39、ECG信号41、又はPPG信号43の呼吸変動を利用して輸液反応性を評価する。これらの動的指標302を、特徴52、58と共に、分類ユニット60を介して利用して輸液反応性確率値64を計算する。
【0037】
次いで
図4に移ると、一実施形態による輸液反応性を評価する方法の実施の一例を説明するフローチャートが示されている。この方法論は400で開始し、ここで、基準生理的信号48が、各種電極14、モニタ16、プレチスモグラフ18、及びカプノグラフ20からI/Oインターフェース38を介して、カプノグラフィーモニタ40、ABPモニタ42、ECGモニタ44、及びPPGモニタ46によって受信される。次いで、402で、基準特徴及び指標52、例えば、SVV、SPV、PPV、RRV、PVI、ボリューム測定カプノグラフィー、カプノグラフィーから導出される呼吸終末CO2、ABPから導出される心拍出量が、プロセッサ32又はコンピュータシステム28に関連付けられた他の適切なコンポーネントを介して計算される。
【0038】
404で、輸液26の投与の事前に設定された量、速度、及び持続時間に従って、輸液負荷試験が、注入ポンプ24により、輸液26の注入を介して患者10に開始される。一実施形態によると、輸液負荷試験の一例は、100mlの膠質を1分以上注入することに相当する「少量輸液負荷試験」である。使用される輸液の種類、患者10の見かけの状態、医師の経験、又は他の要因に応じて、本明細書に述べられるシステム及び方法に従って、他の少量負荷試験又は輸液負荷試験を利用することも可能である。一般的な輸液負荷試験の一例は、500mLの輸液を10〜30分にわたって投与する。
【0039】
406で、輸液負荷試験中の患者10の生理的信号50が、モニタ40、42、44、及び46により、上述の入力装置14、16、18、20から受信される。408で、輸液負荷試験中にタイミング信号54が注入ポンプ24から受信される。410で、輸液負荷試験生理的信号50が、同期ユニット56又はコンピュータシステム28の他の適切なコンポーネントを介して、注入ポンプタイミング信号54と同期される。次いで、412で、輸液負荷試験特徴及び指標52、例えば、SVV、SPV、PPV、RRV、PVI、ボリューム測定カプノグラフィー、カプノグラフィーから導出される呼吸終末CO2、ABPから導出される心拍出量が、プロセッサ32又はコンピュータシステム28に関連付けられた他の適切なコンポーネントを介して計算される。一実施形態によれば、各種の動的指標及び/又は特徴52及び58は、患者の呼吸サイクルの呼息期又は呼息部分80の間に計算される。そのような実施形態では、呼吸サイクルの呼息部分80は、
図2〜
図3に示すように、ABPモニタ42、ECGモニタ44、PPGモニタ46による解析並びに上記で説明した計算のための変動をより多く提供する。
【0040】
次いで、414で、分類アルゴリズム62が、分類ユニット60又はコンピュータシステム28に関連付けられた他の適切なコンポーネントにより、基準特徴及び/又は動的指標52、並びに輸液負荷試験特徴及び/又は動的指標58を入力として利用される。上記で述べたように、分類アルゴリズム62は、呼吸サイクルの呼息80又は吸息82部分の間の患者10の様々な特徴及び/又は動的指標52、58を利用する論理回帰アルゴリズムである。次いで、416で、患者10が輸液蘇生に反応している又は反応していない確率を表す輸液反応性確率値64が計算される。輸液反応性確率値64は0と1との間の値を表し、ここで、0に近い値は、患者10が輸液蘇生に反応しない見込みが高い、又は輸液蘇生に否定的に反応するであろうことを意味し、一方、1に近い値は、患者10が輸液蘇生に良好に反応している、又は反応するであろうことを意味する。
【0041】
次いで、418で、輸液負荷試験を受けている患者10に対して計算された輸液反応性確率値64が、所定の閾値反応値68と比較される。上記で述べたように、閾値反応値68は0と1との間で選択され、閾値68以上の輸液反応性確率値64は、輸液蘇生に良好に反応するであろう患者10を意味し、閾値68未満の確率値64は、輸液蘇生に否定的に反応するであろう患者10、又は反応しない患者10を意味する。閾値68は、投与される輸液26、傷害又は患者状態の見かけの種類、負荷試験のために割り当てられた時間量、主治医の判断、又は患者10のIV維持に関する多数の他の医学的考慮事項に応じて選択される。
【0042】
したがって、420で、輸液反応性確率値64が事前に選択された閾値68より大きいか、又は小さいかが判定される。420で肯定の判定がなされると、動作は426に進み、ここで、患者10の輸液蘇生に対する良好な反応の見込みに関して、表示装置34又は他の適切な通知機構を介して視覚的通知76が生成される。420で輸液反応性確率値64が閾値68未満であると判定されると、動作は422に進む。422で、警告、例えば音声警告信号70、視覚的警告信号72が生成されて、患者10が輸液蘇生に反応しない見込みが高い、又は輸液負荷試験に否定的に反応していることを、担当者に通知する。次いで、輸液負荷試験がまだ投与されている場合には、424で、注入ポンプ24に通信される制御信号74を介して終了される。一実施形態によると、主治医又は他の看護者は、輸液負荷試験を終了する代わりに、警告70、72に応答して注入ポンプ24の注入速度を調整する。
【0043】
本明細書で使用される場合、メモリは、非一時的コンピュータ可読媒体、磁気ディスク又は他の磁気記憶媒体、光ディスク又は他の光学記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、他の電子メモリ装置若しくはチップ又は動作的に相互接続されたチップのセット、記憶された命令がインターネット/イントラネット又はローカルエリアネットワークを介してそこから取り出されるインターネット/イントラネットサーバ等、の1つ又は複数を含む。さらに、本明細書で使用される場合、プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(GPU)、特定用途集積回路(ASIC)、FPGA等、の1つ又は複数を含み、コントローラは、(1)プロセッサ及びメモリであって、プロセッサは、コントローラの機能を実現するメモリ上のコンピュータ実行可能命令を実行する、プロセッサ及びメモリ、又は(2)アナログ及び/若しくはデジタルハードウェアを含み、ユーザ入力装置は、マウス、キーボード、タッチ画面ディスプレイ、1つ又は複数のボタン、1つ又は複数のスイッチ、1つ又は複数のトグルスイッチ、音声認識エンジン等、の1つ又は複数を含み、データベースは、1つ又は複数のメモリを含み、表示装置は、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、投影ディスプレイ、タッチ画面ディスプレイ等、の1つ又は複数を含む。
【0044】
本発明について好ましい実施形態を参照して説明した。上述の詳細な説明を読み、理解すると、変更及び改変が他者に想到され得る。本発明は、添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、すべてのそのような変更及び改変を包含すると解釈されることが意図される。