(54)【発明の名称】親油性クレイ、1質量%〜10質量%のマイカ、及び少なくとも1種の非環状シリコーンオイルを含む組成物、具体的には化粧用メークアップ及び/又はケア組成物
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非環状シリコーンオイルが、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、又は5cStに等しい粘度を有するジメチコーンから選択される、請求項3に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0017】
化粧用組成物
本発明による組成物は、油中水型エマルジョンである。
【0018】
エマルジョンは概して、この場合は連続相である油性液体相と、この場合は分散相である水性液体相とから形成される。
【0019】
エマルジョンは、油性相中の水性相の液滴の分散体である。エマルジョンの分散された水性相を形成する液滴のサイズは、典型的には約1マイクロメートル(0.1〜100μm)である。
【0020】
更に、エマルジョンは、その経時的安定性を確保するために、界面活性剤又は乳化剤の存在を必要とする。
【0021】
本発明によれば、本発明による組成物を形成する水性相及び油性相は、5/50〜95/50の範囲の質量比で組成物中に存在する。より優先的には、水性相及び油性相は、20/80〜45/55、好ましくは35/65〜40/60の範囲の質量比で存在する。これら2つの相の間の比は、所望される化粧特性に従って調整される。
【0022】
多相配合物もまた、開発されてもよい。
【0023】
有利には、本発明による組成物は、25℃、200min
-1(200rpm、即ち50Hzの周波数)の剪断速度で測定した場合、0.12〜0.6Pa・s(1.2〜6ポアズ)の範囲、特に0.25〜0.49Pa・s(2.5〜4.9ポアズ)の範囲の粘度を有する。このような粘度によって、エマルジョンの適用が容易となり、跡のない均質で均一なメークアップ結果が生み出される。粘度は、第2スピンドルを装備したContraves TV粘度計を用いて25℃で測定する。この測定は、剪断速度200min
-1でスピンドルを回転させてから10分後に実施される(この時間の後に、粘度の安定化及びスピンドルのスピン速度の安定化が観察される)。
【0024】
マイカ
本発明による組成物において使用されるマイカは、純粋なマイカの形態、即ちフィラーの形態、真珠層の形態、即ち少なくとも1種の金属酸化物で被覆された形態、又はフィラー及び真珠層の混合物の形態である。
【0025】
フィラーは、任意の形態の無色又は白色固体粒子であり、組成物の媒体中に不溶であり、且つその媒体中に分散されている形態である。
【0026】
無機又は有機の、天然又は合成の性質のこれらのフィラーは、それらを含有する組成物に柔性を提供し、メークアップ結果にマット効果及び均一性を提供する。加えて、これらのフィラーは、有利には、皮脂又は汗等の様々な攻撃因子に抵抗することを可能にする。
【0027】
使用されるのが好ましいフィラー形態のマイカは、フルオロフロゴパイトである。
【0028】
真珠層は、酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスで被覆されたチタンマイカ、酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、又は有機染料で被覆されたチタンマイカ等の真珠光沢顔料から選択することができる。
【0029】
これらはまた、金属酸化物及び/又は有機染料の少なくとも2つの連続した層が表面に重ねられたマイカ粒子であってもよい。
【0030】
更に挙げることができる真珠層の例には、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料、又はオキシ塩化ビスマスで被覆された天然マイカが含まれる。
【0031】
挙げることができる市販の真珠層の中には、Engelhard社によって販売されている(マイカベースの)真珠層Timica、Flamenco、及びDuochrome、Merck社によって販売されているTimiron真珠層、Eckart社によって販売されているマイカベースのPrestige真珠層、並びにSun Chemical社によって販売されている合成マイカベースのSunshine真珠層がある。
【0032】
真珠層は、より具体的には、黄、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、茶、金、及び/又は銅の色彩又は色合いを有してもよい。
【0033】
有利には、本発明による真珠層は、二酸化チタン又は酸化鉄、及びまたオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカである。
【0034】
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して1質量%〜10質量%、好ましくは1.2質量%〜5質量%、有利には1.5質量%〜3質量%のマイカを含む。
【0035】
親油性クレイ
本発明による組成物は、少なくとも1種の親油性クレイをゲル化剤として含む。
【0036】
これらのクレイは、天然であっても合成であってもよく、C
10〜C
22アンモニウムクロリド、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等のアルキルアンモニウム塩を用いた処理によって親油性にされている。
【0037】
これらのクレイは、ベントナイト、具体的にはヘクトライト及びモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、セピオライト、黒雲母、アタパルジャイト、バーミキュライト、並びにゼオライトから選択することができる。
【0038】
これらのクレイは、好ましくはヘクトライトから選択される。
【0039】
好ましくは、使用される親油性クレイは、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで修飾されたヘクトライト等の、C
10〜C
22アンモニウムクロリドで修飾されたヘクトライト、例えばElementis社によってBentone 38V(登録商標)の名称で販売されている製品、又はElementis社によってBentone Gel ISD V(登録商標)の名称で販売されているイソドデカン中のベントンゲル(87%のイソドデカン/10%のジステアルジモニウムヘクトライト/3%の炭酸プロピレン)である。
【0040】
親油性クレイは、特に、油性相の総質量に対して0.1〜15質量%、具体的には0.5〜10質量%、より具体的には0.7〜2質量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0041】
油性相
本発明の目的では、油性相は、少なくとも1種のオイルを含む。
【0042】
「オイル」という用語は、室温及び大気圧において液体形態の任意の脂肪物質を意味する。
【0043】
本発明による化粧用組成物の調製にとって好適な油性相は、炭化水素系オイル、シリコーンオイル、フルオロオイル若しくは非フルオロオイル、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0044】
これらのオイルは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0045】
これらのオイルは、動物、植物、無機又は合成由来のものであってもよい。
【0046】
本発明の目的では、「不揮発性オイル」という用語は、0.13Pa未満の蒸気圧を有するオイルを意味する。
【0047】
本発明の目的では、「シリコーンオイル」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子、具体的には少なくとも1個のSi-O基を含むオイルを意味する。
【0048】
「フルオロオイル」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子を含むオイルを意味する。
【0049】
「炭化水素系オイル」という用語は、水素原子及び炭素原子を主に含有するオイルを意味する。
【0050】
これらのオイルは、任意に、酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を、例えばヒドロキシル又は酸基の形態で含んでもよい。
【0051】
本発明の目的では、「揮発性オイル」という用語は、室温及び大気圧において皮膚との接触時に1時間未満で蒸発し得る任意のオイルを意味する。揮発性オイルは、揮発性化粧用化合物(volatile cosmetic compound)であり、この化合物は、室温で液体であり、特に室温及び大気圧においてゼロでない蒸気圧を有し、特に0.13Pa〜40000Pa(10
-3〜300mmHg)の範囲、具体的には1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲、より具体的には1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する。
【0052】
揮発性炭化水素系オイル
本発明による組成物は、好ましくは8〜16個の炭素原子を含む、少なくとも1種の揮発性炭化水素系オイルを含む。
【0053】
C
8〜C
16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、特にイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン等の分岐鎖状C
8〜C
16アルカン、及び例えば商品名Isopar又はPermethylで販売されているオイル、ネオペンタン酸イソヘキシル等の分岐鎖状C
8〜C
16エステル、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0054】
好ましくは、揮発性炭化水素系オイルは、8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素系オイル及びこれらの混合物から選択され、具体的にはイソドデカン、イソデカン、及びイソヘキサデカンから選択され、特にイソドデカンである。
【0055】
8〜16個の炭素原子、具体的には10〜15個の炭素原子、より具体的には11〜13個の炭素原子を含む揮発性直鎖状アルカン、例えば、Sasol社によってParafol 12-97及びParafol 14-97の参照名でそれぞれ販売されているn-ドデカン(C
12)及びn-テトラデカン(C
14)、並びにこれらの混合物、ウンデカン-トリデカン混合物、Cognis社からの特許出願WO2008/155059の実施例1及び2において得られたもの等のn-ウンデカン(C
11)及びn-トリデカン(C
13)の混合物、並びにこれらの混合物も挙げることができる。
【0056】
好ましくは、揮発性炭化水素系オイルは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して5質量%〜20質量%又は更には10質量%〜18質量%の範囲の含有量で存在する。
【0057】
非環状シリコーンオイル
本発明は、少なくとも1種の非環状シリコーンオイルを含む。
【0058】
「シリコーンオイル」という用語は、オルガノポリシロキサンを意味する。
【0059】
「非環状オイル」という用語は、いかなる環も含まない、直鎖状又は分岐鎖状オイルを表す。換言すれば、本発明によるオイルは、(ヘテロ)アリール基及び/又は(ヘテロ)シクロアルキル基を含まない。
【0060】
非環状シリコーンオイルは揮発性であっても、不揮発性であってもよい。
【0061】
「不揮発性オイル」という用語は、室温及び大気圧においてケラチン繊維上に少なくとも数時間残り、特に10
-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有するオイルを意味する。不揮発性オイルはまた、先に規定した条件下において30分後に蒸発する量が0.07mg/cm
2未満であるような蒸発速度を有すると規定することもできる。
【0062】
好ましくは、非環状シリコーンオイルの分子量は、500から100000g/molの間である。
【0063】
本発明によれば、25℃において1から20cStの間(1から20mm
2/sの間)の粘度を有する非環状シリコーンオイルが、使用に特に好適である。
【0064】
本発明によるシリコーンオイルの特性評価を行うために本発明において使用される粘度測定方法は、「25℃の原料での動粘度CID-012-01」又は「25℃でのウベローデ粘度DIN 51562-1 PV04001」とすることができる。
【0065】
本発明によるメークアップ組成物において使用することができる非環状シリコーンオイルは、以下の一般式(I)によって表される。
【0067】
式中、
○ R
1は、同一であっても異なっていてもよく、
- i)直鎖状又は分岐鎖状(C
1〜C
20)アルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル若しくはブチル等のC
1〜C
6アルキル基、又は
- ii)ヒドロキシル基を表し、
○ R
2は、
- i)O、S若しくはN等のヘテロ原子によって任意に中断及び/又は終結された、直鎖状又は分岐鎖状(C
1〜C
20)アルキル基、具体的には、i)はメチル、エチル、プロピル若しくはブチル等の直鎖状又は分岐鎖状C
1〜C
6アルキル基、
- ii)1〜9個のハロゲン原子、特にフッ素を含む、(C
1〜C
9)(ポリ)ハロアルキル基、特にトリフルオロメチル等のパーフルオロアルキル基、及び
- iii)ポリシロキサン基-O-[Si(R
1)
2-O]
n'-Si(R
1)
3(式中、R
1は先に定義した通りである)を表し、
○ R'
1は、先に定義されたR
1又はR
2基を表し、
○ mは、両端を含む0から150の間、好ましくは20から100の間の整数であり、
○ n及びn'は、同一であっても異なっていてもよく、両端を含む1から300の間、好ましくは1から100の間の整数である。
【0068】
好ましいある実施形態によれば、R'
1は、R
1基を表し、より具体的にはメチル等の(C
1〜C
6)アルキル基を表す。
【0069】
特定の一実施形態によれば、mは0である。
【0070】
本発明の特定の別の実施形態によれば、R
1はメチルであり、より具体的には、mは0であり且つR
1はメチルである。
【0071】
本発明の特定の実施例によれば、非環状シリコーンオイルは、フルオロシリコーン化合物から選択されてもよい。
【0072】
特に挙げることができるフルオロシリコーン化合物には、Shin-Etsu社によってX22-819、X22-820、X22-821及びX22-822、又はFL-100の名称で販売されているものが含まれる。
【0073】
好ましいある実施形態によれば、非環状シリコーンオイルは、以下の式(II)に対応するジメチコーンである。
【0075】
この式(II)において、xは1〜50、より好ましくは1〜20、より特定には1〜10の範囲の整数である。このような化合物の分子量は、例えば、およそ770g/molであり得る。好ましくは、xは1から7の間、有利には1から5の間である。
【0076】
特定の実施形態によれば、25℃において1から20cStの間の粘度を有する、一般式(I)又は(II)の非環状シリコーンオイルは、有利には以下のオイルから選択される:オクタメチルトリシロキサン(1cSt)、デカメチルテトラシロキサン(1.5cSt)、及びドデカメチルペンタシロキサン(2cSt)、又は代替的に5cStに等しい粘度を有するジメチコーン、即ちINCI名、ジメチコーン5cStのオイル、例えばDow Corning社によって200R Fluid 5cSt(登録商標)又はXiameter(登録商標) PMX-200 Silicone Fluid 5CS(登録商標)の参照名で販売されている製品。
【0077】
非環状シリコーンオイルは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して10質量%〜25質量%の範囲の含有量で存在する。
【0078】
不揮発性オイル
本発明による組成物は、不揮発性オイルを含んでもよい。
【0079】
組成物の性質を損なうことなく組成物中に導入することができる不揮発性オイルの性質及び量の選択は、当業者の権限の範囲内に包含される。
【0080】
有利には、本発明による組成物は、5質量%未満、好ましくは3質量%未満の揮発性環状シリコーンオイル、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンを含み、好ましくはこれらを含まない。
【0081】
不揮発性オイルが存在する場合、それらは、特に不揮発性炭化水素系の、フルオロオイル及び/又はシリコーンオイルから選択され得る。
【0082】
特に挙げることができる不揮発性炭化水素系オイルには、以下が含まれる。
- 動物由来の炭化水素系オイル、
- 植物由来の炭化水素系オイル、ジカプリルエーテル等の、10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 合成エステル、例えば式R
1COOR
2のオイル(式中、R
1は1〜40個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐鎖状脂肪酸残基を表し、R
2は1〜40個の炭素原子を含有する、特に分岐鎖状の炭化水素系の鎖を表すが、但しR
1+R
2≧10であることを条件とする。これらのエステルは、特に脂肪酸アルコールエステル、例えばオクタン酸セトステアリル、ミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル等のイソプロピルアルコールエステル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、乳酸イソステアリル又はヒドロキシステアリン酸オクチル等のヒドロキシル化エステル、リシノール酸アルキル又はポリアルキル、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル又はネオペンタン酸イソトリデシル等のネオペンタン酸エステル、及びイソノナン酸イソノニル又はイソノナン酸イソトリデシル等のイソノナン酸エステルから選択できる)、
- テトラヒドロキシステアリン酸/テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル等のポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、
- 12〜26個の炭素原子を含有する分岐鎖状であり且つ/又は不飽和の炭素系鎖を有する、室温において液体である脂肪アルコール、例えば2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、及びオレイルアルコール、
- オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、並びにこれらの混合物等のC
12〜C
22高級脂肪酸、
- 非フェニルシリコーンオイル、例えばカプリリルメチコーン、並びに
- フェニルシリコーンオイル、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、100cSt以下の粘度を有するジメチコーン又はフェニルトリメチコーン、及びトリメチル-ペンタフェニル-トリシロキサン、並びにこれらの混合物、並びにまたこれらの様々なオイルの混合物。
【0083】
本発明による組成物は、前記組成物の総質量に対して1質量%〜95質量%、より良好には1.5質量%〜40質量%、好ましくは2質量%〜35質量%のオイルを含むことができる。
【0084】
水性相
本発明による組成物の水性相は、水及び任意に水溶性溶媒を含む。
【0085】
本発明において、「水溶性溶媒」という用語は、室温において液体であり、且つ水混和性(25℃及び大気圧において50質量%を上回る水との混和性)である化合物を表す。
【0086】
本発明の組成物において使用することができる水溶性溶媒はまた、揮発性であってもよい。
【0087】
本発明による組成物において使用することができる水溶性溶媒の中でも、エタノール及びイソプロパノール等の、1〜5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びジプロピレングリコール等の、2〜8個の炭素原子を含有するグリコール、C
3及びC
4ケトン、並びにC
2〜C
4アルデヒドを特に挙げることができる。
【0088】
水性相(水及び任意に水混和性溶媒)は、組成物中に、前記組成物の総質量に対して5質量%〜95質量%、より良好には30質量%〜80質量%、好ましくは40質量%〜75質量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0089】
別の実施形態の変化形態によれば、本発明による組成物の水性相は、少なくとも1種のC
2〜C
32ポリオールを含んでもよい。
【0090】
本発明の目的では、「ポリオール」という用語は、少なくとも2個の遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味するものとして理解されるべきである。
【0091】
好ましくは、本発明によるポリオールは、室温においては液体の形態で存在する。
【0092】
本発明における使用に好適であるポリオールは、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、飽和又は不飽和のアルキル型化合物であって、アルキル鎖に少なくとも2個の-OH官能基、具体的には少なくとも3個の-OH官能基、より具体的には少なくとも4個の-OH官能基を有する化合物であり得る。
【0093】
本発明による組成物の配合にとって有利に好適であるポリオールは、特に2〜32個の炭素原子、好ましくは3〜16個の炭素原子を含有するものである。
【0094】
有利には、ポリオールは、例えばエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、グリセロールオリゴマー等のポリグリセロール、例えばジグリセロール、及びポリエチレングリコール、並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0095】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ポリオールは、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物から選択される。
【0096】
特定の形態によれば、本発明の組成物は、少なくともプロピレングリコールを含み得る。
【0097】
別の特定の形態によれば、本発明の組成物は、少なくともグリセロールを含み得る。
【0098】
顔料
本発明による組成物は、少なくとも1種の顔料を含む。
【0099】
「顔料」という用語は、水性媒体に不溶性であり、且つ結果として得られる組成物及び/又は薄膜を着色及び/又は不透明化することを意図した、白色又は有色の、無機又は有機粒子を意味する。これらの顔料は、白色であっても有色であってもよく、無機及び/又は有機であり得る。
【0100】
好ましくは、組成物は、前記組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に0.1質量%〜25質量%、具体的には1質量%〜25質量%、好ましくは5質量%〜15質量%の顔料を含む。
【0101】
疎水性コーティング顔料
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種の親油性又は疎水性化合物でコーティングされ、且つ特に以下に詳述されるような少なくとも1種の顔料を含む。
【0102】
この種の顔料は、多量の水を伴うことで多量であると見なされ得る限り、特に有利である。加えて、それらの顔料が疎水性化合物で処理される場合には、油性のゲル化相に対して顕著な親和性を示し、その後、この油性のゲル化相がそれらの顔料を担持し得る。
【0103】
言うまでもなく、本発明による組成物は、コーティングされていない顔料を同時に含有してもよい。
【0104】
これらの顔料については、以下でより具体的に詳述する。
【0105】
特定の実施形態によれば、本発明に従って使用されるコーティングされた顔料は、無機顔料から選択される。
【0106】
「無機顔料」という用語は、Ullmannの百科事典の無機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。本発明において有用である無機顔料の中でも、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及びまた酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色若しくは赤色)又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルー、二酸化チタン、並びに金属粉末、例えばアルミニウム粉末又は銅粉末を挙げることができる。以下の無機顔料も使用することができる。Ta
2O
5、Ti
3O
5、Ti
2O
3、TiO、TiO
2との混合物としてのZrO
2、ZrO
2、Nb
2O
5、CeO
2、ZnS。
【0107】
本発明の文脈において有用である顔料のサイズは、概して、10nmから10μmの間、好ましくは20nmから5μmの間、より優先的には30nmから1μmの間である。
【0108】
本発明の文脈において、コーティングされた無機顔料は、より具体的には酸化鉄及び/又は二酸化チタンである。
【0109】
より具体的に挙げることができる例には、例えば三好化成株式会社によってNAIの参照名で販売されている、ステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされた二酸化チタン及び酸化鉄が含まれる。
【0110】
顔料のコーティング
本発明による組成物は、有利には、少なくとも1種の親油性又は疎水性化合物でコーティングされた少なくとも1種の顔料を含む。
【0111】
コーティングはまた、少なくとも1種の追加的な非親油性化合物を含んでもよい。
【0112】
本発明の目的では、本発明による顔料の「コーティング」は、概して、顔料の全体的又は部分的表面処理を表す。この表面処理は、表面剤が前記顔料に吸収、吸着、又はグラフト化されることによる。
【0113】
表面処理された顔料は、当業者には周知である、化学的、電子的、機械化学的又は機械的性質の表面処理技法に従って調製することができる。また、市販の製品を使用してもよい。
【0114】
表面剤は、溶媒の蒸発、化学反応、及び共有結合の形成によって、顔料に吸収、吸着、又はグラフト化され得る。
【0115】
一変化形態によれば、表面処理は、顔料のコーティングからなる。
【0116】
コーティングは、コーティングされた顔料の総質量に対して0.1質量%〜20質量%、具体的には0.5質量%〜5質量%に相当し得る。
【0117】
コーティングは、例えば、メークアップ又はケア組成物の他の成分に固体粒子を組み込む前に、任意に加熱しながら、これらの粒子及び液体表面剤を撹拌することで単純に混合することにより、粒子の表面上に前記表面剤を吸着させることによって行うことができる。
【0118】
コーティングは、例えば、表面剤と固体顔料粒子の表面とを化学反応させて、表面剤と粒子との間において共有結合を形成することによって行ってもよい。この方法については、特に、特許US4578266に記載されている。
【0119】
化学的表面処理は、揮発性溶媒で表面剤を希釈すること、この混合物に顔料を分散させること、及びその後、表面剤が顔料の表面に堆積するように揮発性溶媒をゆっくり蒸発させることからなっていてもよい。
【0120】
親油性又は疎水性処理剤
顔料が親油性又は疎水性コーティングを含む場合、顔料は、好ましくは本発明による組成物の脂肪相中に存在する。
【0121】
本発明の特定の実施形態によれば、顔料は、本発明に従って、シリコーン表面剤、フルオロ表面剤、フルオロシリコーン表面剤、金属石鹸、N-アシルアミノ酸又はその塩、レシチン及びその誘導体、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、セバシン酸イソステアリル、天然の植物性又は動物性ワックス、極性合成ワックス、脂肪エステル、リン脂質、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物でコーティングされ得る。
【0122】
シリコーン表面剤
特定の実施形態によれば、顔料は、シリコーン性の化合物で全体的又は部分的に表面処理され得る。
【0123】
シリコーン表面剤は、オルガノポリシロキサン、シラン誘導体、シリコーン-アクリレートコポリマー、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0124】
「オルガノポリシロキサン化合物」という用語は、ケイ素原子及び酸素原子を交互に含み、且つケイ素原子と結合した有機基を含む構造を有する化合物を意味する。
【0125】
i)非エラストマー系オルガノポリシロキサン
特に挙げることができる非エラストマー系オルガノポリシロキサンには、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドロゲノシロキサン、及びポリアルコキシジメチルシロキサンが含まれる。
【0126】
アルコキシ基は、R-O-基により表すことができ、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル、若しくはオクチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、若しくは3,3,3-トリフルオロプロピル基、フェニル、トリル、若しくはキシリル等のアリール基、又はフェニルエチル等の置換アリール基を表す。
【0127】
ポリメチルヒドロゲノシロキサンを用いて顔料を表面処理するための一方法は、有機溶媒に顔料を分散させること、及びその後、シリコーン化合物を添加することからなる。その混合物を加熱することにより、シリコーン化合物と顔料の表面との間に共有結合が形成される。
【0128】
好ましいある実施形態によれば、シリコーン表面剤は、特にポリジメチルシロキサンから選択される、非エラストマー系オルガノポリシロキサンであり得る。
【0129】
ii)アルキルシラン及びアルコキシシラン
アルコキシ官能基を有するシランについては特に、Wituckiによって、「A silane primer, Chemistry and applications of alkoxy silanes、Journal of Coatings technology、65、822、57〜60頁、1993年」において説明されている。
【0130】
Silquest A-137(OSI Specialities社)及びProsil 9202(PCR社)の参照名で販売されているアルキルトリエトキシシラン及びアルキルトリメトキシシラン等のアルコキシシランを、顔料をコーティングするために使用することができる。
【0131】
アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、又はイミノ等の反応性末端基を有するアルキルポリシロキサンの使用については、JP H07-196946に記載されている。それらは、顔料の処理にとっても好適である。
【0132】
iii)シリコーン-アクリレートポリマー
特許US5725882、US5209924、US4972037、US4981903、US4981902、及びUS5468477、並びに特許US5219560及びEP0388582に記載されているようなシリコーン骨格を有するグラフト化されたシリコーン-アクリル系ポリマーを使用してもよい。
【0133】
他のシリコーン-アクリレートポリマーは、それらの構造中に、以下の式(I)の単位を含むシリコーンポリマーであり得る。
【0135】
式中、G
1基は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはC
1〜C
10アルキル基、又は代替的にフェニル基を表し;G
2基は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
10アルキレン基を表し;G
3は、少なくとも1種のエチレン不飽和アニオン性モノマーの(単独)重合から結果として生じる高分子残基を表し;G
4は、少なくとも1種のエチレン不飽和疎水性モノマーの(単独)重合から結果として生じる高分子残基を表し;m及びnは、0又は1に等しく;aは0〜50の範囲の整数であり;bは10から350の間であり得る整数であり;cは0〜50の範囲の整数であるが;但し、パラメータa及びcのうち1つが0以外であることを条件とする。
【0136】
好ましくは、上の式(I)の単位は、以下の特徴のうち少なくとも1つ、更により優先的にはこれらの全てを有する。
- G
1基は、アルキル基、好ましくはメチル基を表し、
- nは0とは異なり、G
2基は、C
1〜C
3二価基、好ましくはプロピレン基を表し、
- G
3は、エチレン不飽和カルボン酸型、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーの(単独)重合から結果として生じる高分子基を表し、
- G
4は、好ましくはイソブチル又はメチル(メタ)アクリレート等の、(C
1〜C
10)アルキル(メタ)アクリレート型の少なくとも1種のモノマーの(単独)重合から結果として生じる高分子基を表す。
【0137】
式(I)に対応するシリコーンポリマーの例は特に、チオプロピレン型の連結鎖単位を介してポリ(メタ)アクリル酸型及びポリメチル(メタ)アクリレート型の混合ポリマー単位がグラフトされているポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0138】
式(I)に対応するシリコーンポリマーの他の例は特に、チオプロピレン型の連結鎖単位を介してポリイソブチル(メタ)アクリレート型のポリマー単位がグラフトされているポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0139】
iv)シリコーン樹脂
シリコーン表面剤は、シリコーン樹脂から選択されてもよい。
【0140】
「樹脂」という用語は、三次元構造体を意味する。
【0141】
シリコーン樹脂は、シリコーンオイルに可溶性であっても膨潤性であってもよい。これらの樹脂は、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーである。
【0142】
シリコーン樹脂の命名法は、「MDTQ」という名称で知られており、樹脂はそれが含む様々なシロキサンモノマー単位に応じて記載され、文字M、D、T、及びQの各々が単位の種類を特徴付ける。
【0143】
Mという文字は、式(CH
3)
3SiO
1/2の単官能性単位を表し、このケイ素原子は、この単位を含むポリマー中の酸素原子には1個のみ結合する。
【0144】
Dという文字は、ケイ素原子が2個の酸素原子に結合している二官能性単位(CH
3)
2SiO
2/2を意味する。
【0145】
Tという文字は、式(CH
3)SiO
3/2の三官能性単位を表す。
【0146】
上で定義した単位M、D、及びTにおいて、メチル基のうち少なくとも1つが、メチル基以外のR基、例えば2〜10個の炭素原子を含有する炭化水素系基(特にアルキル)、若しくはフェニル基、又は代替的にヒドロキシル基等で置換されていてもよい。
【0147】
最後に、Qという文字は、四官能性単位SiO
4/2を意味し、式中、ケイ素原子は4個の水素原子に結合されており、これらの水素原子自体がポリマーの残りに結合されている。
【0148】
異なる性質を有する様々な樹脂を、これらの異なる単位から得ることができ、これらのポリマーの性質は、モノマー(又は単位)の種類、置換基の種類及び数、ポリマー鎖の長さ、分枝度、並びに側鎖の大きさに応じて変化する。
【0149】
挙げることができるこれらのシリコーン樹脂の例には、以下が含まれる。
- シロキシシリケート、これは式[(CH
3)
3XSiXO]xX(SiO
4/2)
y(MQ単位)(式中、x及びyは50〜80の範囲の整数である)のトリメチルシロキシシリケートであり得る、
- 式(CH
3SiO
3/2)
x(T単位)のポリシルセスキオキサン(式中、xは100より大きく、メチル基のうち少なくとも1つが、上に定義したようなR基で置換され得る)、
- ポリメチルシルセスキオキサン、これはメチル基のいずれも別の基で置換されていないポリシルセスキオキサンである。このようなポリメチルシルセスキオキサンについては、文献US5246694において記載されている。
【0150】
市販のポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例として、以下を挙げることができる。
- Wacker社によってResin MKの参照名で販売されているもの、例えばBelsil PMS MK等:CH
3SiO
3/2繰り返し単位(T単位)を含むポリマーであって、最大1質量%までの(CH
3)
2SiO
2/2単位(D単位)も含み得、約10000の平均分子量を有するポリマー、又は
- Shin-Etsu社によって、KR220Lの参照名で販売されているもの(これは、式CH
3SiO
3/2の単位Tで構成され、Si-OH(シラノール)末端基を有する)、KR242Aの参照名で販売されているもの(これは、98%の単位T及び2%のジメチル単位Dを含み、Si-OH末端基を有する)、若しくは代替的にKR251の参照名で販売されているもの(88%の単位T及び12%のジメチル単位Dを含み、Si-OH末端基を有する)。
【0151】
挙げることができるシロキシシリケート樹脂には、任意に粉末の形態であるトリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂が含まれる。このような樹脂は、General Electric社によってSR1000、E 1 170-002若しくはSS4230の参照名で販売されており、又はWacker Silicone Corporation社によってTMS803、WACKER803及び804の参照名で販売されている。
【0152】
また、シクロメチコーン等の溶媒中で販売されるトリメチルシロキシシリケート樹脂を挙げることもでき、例えばShin-Etsu社によってKF-7312Jの名称で販売されており、又はDow Corning社によってDC749及びDC593の名称で販売されている。
【0153】
シリコーン化合物で処理された顔料の市販の参照名の例としては、以下を挙げることができる。
- 三好化成株式会社によってSA-C 338075-10の参照名で販売されている、赤色酸化鉄/ジメチコーン、及び
- Coletica社によってGransil GCMの参照名で販売されている、シリコーン化合物でDC Red 7を処理することで得られる顔料(D5及びポリシリコーン11の混合物)。
【0154】
フルオロ表面剤
顔料は、フルオロ性の化合物で全体的又は部分的に表面処理され得る。
【0155】
フルオロ表面剤は、ペルフルオロアルキルホスフェート、ペルフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロポリエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルカン、ペルフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、及びペルフルオロアルキルペルフルオロポリエーテル基を含むポリオルガノシロキサンから選択することができる。
【0156】
「ペルフルオロアルキル基」という用語は、水素原子の全てがフッ素原子で置き換えられているアルキル基を意味する。
【0157】
ペルフルオロポリエーテルについては特に、特許出願EP0486135に記載されており、Montefluos社によってFomblinの商品名で販売されている。
【0158】
ペルフルオロアルキルホスフェートについては、具体的には特許出願JP H05-86984に記載されている。旭硝子社によってAsahiGuard AG530の参照名で販売されているペルフルオロアルキルジエタノールアミンホスフェートを使用することができる。
【0159】
直鎖状ペルフルオロアルカンの中でも、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロ(アルキルシクロアルカン)、ペルフルオロポリシクロアルカン、芳香族ペルフルオロ炭化水素(ペルフルオロアレーン)、及び少なくとも1個のヘテロ原子を含む炭化水素系ペルフルオロ有機化合物を挙げることができる。
【0160】
ペルフルオロアルカンの中でも、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロノナン、又はペルフルオロデカン等の直鎖状アルカン系列を挙げることができる。
【0161】
ペルフルオロシクロアルカン及びペルフルオロ(アルキルシクロアルカン)の中でも、Rhodia社によってFlutec PP5 GMPの名称で販売されているペルフルオロデカリン、ペルフルオロ(メチルデカリン)、及びペルフルオロ(ブチルシクロヘキサン)等のペルフルオロ(C
3〜C
5アルキルシクロヘキサン)を挙げることができる。
【0162】
ペルフルオロポリシクロアルカンの中でも、ペルフルオロトリメチルビシクロ[3.3.1]ノナン等のビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、ペルフルオロジメチルアダマンタン等のアダマンタン誘導体、及びテトラコサフルオロテトラデカヒドロフェナントレン等の水素化ペルフルオロフェナントレン誘導体を挙げることができる。
【0163】
ペルフルオロアレーンの中でも、ペルフルオロナフタレン誘導体、例えばペルフルオロナフタレン及びペルフルオロメチル-1-ナフタレンを挙げることができる。
【0164】
フルオロ化合物で処理された顔料の市販の参照名の例としては、以下を挙げることができる。
- 大東化成工業株式会社によってPF 5 Yellow 601の参照名で販売されている、黄色酸化鉄/ペルフルオロアルキルホスフェート、
- 大東化成工業株式会社によってPF 5 Red R 516Lの参照名で販売されている、赤色酸化鉄/ペルフルオロアルキルホスフェート、
- 大東化成工業株式会社によってPF 5 Black BL100の参照名で販売されている、黒色酸化鉄/ペルフルオロアルキルホスフェート、
- 大東化成工業株式会社によってPF 5 TiO
2 CR 50の参照名で販売されている、二酸化チタン/ペルフルオロアルキルホスフェート、
- Toshiki社によってIron oxide yellow BF-25-3の参照名で販売されている、黄色酸化鉄/ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、
- Cardre Inc.社によってD&C Red 7 FHCの参照名で販売されている、DC Red 7/ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、及び
- Warner-Jenkinson社によってT 9506の参照名で販売されている、DC Red 6/PTFE。
【0165】
フルオロシリコーン表面剤
顔料は、フルオロシリコーン性の化合物で全体的又は部分的に表面処理され得る。
【0166】
フルオロシリコーン化合物は、ペルフルオロアルキルジメチコーン、ペルフルオロアルキルシラン、及びペルフルオロアルキルトリアルコキシシランから選択することができる。
【0167】
挙げることができるペルフルオロアルキルシランには、Shin-Etsu Silicone社によって販売されている製品LP-IT及びLP-4Tが含まれる。
【0168】
ペルフルオロアルキルジメチコーンは、以下の式によって表すことができる。
【0170】
式中、
- Rは、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐鎖状二価アルキル基、好ましくは二価のメチル、エチル、プロピル又はブチル基を表し、
- Rfは、1〜9個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するペルフルオロアルキル基を表し、
- mは0から150の間、好ましくは20〜100から選択され、
- nは1から300の間、好ましくは1〜100から選択される。
【0171】
フルオロシリコーン化合物で処理された顔料の市販の参照名の例としては、Advanced Dermaceuticals International Inc.社によってFluorosil Titanium dioxide 100TAの参照名で販売されている、二酸化チタン/フルオロシリコーンを挙げることができる。
【0172】
他の親油性表面剤
また、疎水性処理剤は、以下から選択することもできる:
i)ジミリスチン酸アルミニウム及び水添タロウグルタミン酸のアルミニウム塩等の金属石鹸。
【0173】
特に挙げることができる金属石鹸には、12〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸、具体的には12〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸の金属石鹸が含まれる。
【0174】
金属石鹸の金属は、特に亜鉛又はマグネシウムであり得る。
【0175】
使用することができる金属石鹸としては、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、及びステアリン酸亜鉛、並びにこれらの混合物、
ii)ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸等の脂肪酸、
iii)8〜22個の炭素原子を含有するアシル基、例えば2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はココイル基を含み得るN-アシルアミノ酸又はその塩
が挙げられる。
【0176】
アミノ酸は、例えば、リジン、グルタミン酸、又はアラニンであってもよい。
【0177】
これらの化合物の塩は、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩であり得る。
【0178】
したがって、特に好ましい実施形態によれば、N-アシルアミノ酸誘導体は、特にグルタミン酸誘導体及び/又はその塩、より具体的にはステアロイルグルタメート、例えばステアロイルグルタミン酸アルミニウム、
iv)レシチン及びその誘導体、
v)イソプロピルトリイソステアリルチタネート
であり得る。
【0179】
トリイソステアリン酸イソプロピルチタン(ITT)処理された顔料の例としては、Kobo社によって市販の参照名、BWBO-I2(Iron oxide CI77499及びトリイソステアリン酸イソプロピルチタン)、BWYO-I2(Iron oxide CI77492及びトリイソステアリン酸イソプロピルチタン)、並びにBWRO-I2(Iron oxide CI77491及びトリイソステアリン酸イソプロピルチタン)で販売されているものを挙げることができる。
vi)セバシン酸イソステアリル、
vii)天然の植物性若しくは動物性ワックス、又は極性合成ワックス、
viii)脂肪エステル、具体的にはホホバエステル、
ix)リン脂質、並びに
x)これらの混合物。
【0180】
先に挙げた化合物において挙げられたワックスは、以下に定義される通り、化粧品の分野において一般的に使用されるものであり得る。
【0181】
これらは特に、エステル又はヒドロキシル官能基を任意に含む、炭化水素、シリコーン、及び/又はフルオロワックスであり得る。それらはまた、天然由来であっても合成由来であってもよい。
【0182】
「極性ワックス」という用語は、少なくとも1個の極性基を含む化学物質を含有するワックスを意味する。極性基については当業者に周知であり、例えばアルコール、エステル、又はカルボン酸基であり得る。ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、及びフィッシャー-トロプシュワックスは、極性ワックスの中には含まれない。
【0183】
具体的には、無極性ワックスは、25℃で、δ
a>0(J/cm
3)
1/2、より良好にはδ
a>1(J/cm
3)
1/2となる、平均ハンセン溶解度パラメータδ
aを有する。
【0185】
式中、δ
p及びδ
hはそれぞれ、極性寄与率及びハンセン溶解度パラメータに特異的な相互作用型の寄与率である。
【0186】
ハンセンによる三次元溶解度空間における溶媒の定義については、C. M. Hansenによる記事、「The three-dimensional solubility parameters」、J. Paint Technol. 39、105(1967年)に記載されている。
- δ
hは、特定の相互作用力(水素結合、酸/塩基、ドナー/アクセプター等)を特徴とし、
- δ
pは、永久双極子間のデバイ相互作用力、及びまた誘起双極子と永久双極子との間のケーソム相互作用力を特徴とする。
【0187】
パラメータδ
p及びδ
hは、(J/cm
3)
1/2で表される。
【0188】
極性ワックスは特に、それらの化学構造中の炭素及び水素原子以外に、ヘテロ原子(O、N、及びP等)を含む分子から形成される。
【0189】
特に挙げることができる、これらの極性ワックスの非限定的例証には、天然の極性ワックス、例えば蜜蝋、ラノリンワックス、オレンジワックス、レモンワックス、及びイボタ蝋、ライスワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オウリカリ蝋、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、木蝋、及びハゼ蝋、又はモンタンワックス等が含まれる。
【0190】
特定の実施形態によれば、顔料は、シリコーン表面剤、フルオロ表面剤、N-アシルアミノ酸又はその塩、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、天然の植物性又は動物性ワックス、脂肪エステル、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物でコーティングされ得る。
【0191】
特に好ましい実施形態によれば、顔料は、N-アシルアミノ酸及び/若しくはその塩、具体的にはグルタミン酸誘導体及び/若しくはその塩、又は脂肪エステル、具体的にはホホバエステルでコーティングされ得る。
【0192】
より具体的に好ましい実施形態によれば、顔料は、N-アシルアミノ酸及び/又はその塩、具体的にはグルタミン酸誘導体及び/又はその塩、特にステアロイルグルタメート、例えばステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされ得る。
【0193】
より具体的に挙げることができる、本発明によるコーティングされた顔料の例には、例えば三好化成株式会社によってNAIの参照名で販売されている、ステアロイルグルタミン酸アルミニウムでコーティングされた二酸化チタン及び酸化鉄が含まれる。
【0194】
少なくとも1種の疎水性化合物でコーティングされた顔料は、本発明の組成物中に、組成物の総質量に対して5質量%〜25質量%の範囲、好ましくは10質量%〜15質量%の範囲の割合で存在する。
【0195】
疎水性化合物でコーティングされていない顔料
先に明記したように、組成物はまた、親油性又は疎水性化合物でコーティングされていない顔料を含有してもよい。
【0196】
これらの他の顔料は、親水性化合物でコーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。
【0197】
これらの顔料は、特に、先に定義したような無機顔料であってもよい。
【0198】
また、これらの顔料は有機顔料であってもよい。
【0199】
「有機顔料」という用語は、Ullmannの百科事典の有機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。有機顔料は特に、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン、及びキノフタロン化合物から選択することができる。
【0200】
有機顔料は、例えば、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、メラニン、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、ソルガムレッド、参照番号CI42090、69800、69825、73000、74100及び74160で色指数に体系化されている青色顔料、参照番号CI11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000及び47005で色指数に体系化されている黄色顔料、参照番号CI61565、61570及び74260で色指数に体系化されている緑色顔料、参照番号CI11725、15510、45370及び71105で色指数に体系化されている橙色顔料、参照番号CI12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915及び75470で色指数に体系化されている赤色顔料、並びにFR2679771に記載されているようなインドール誘導体又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択することができる。
【0201】
これらの顔料はまた、EP1184426に記載されているような複合顔料の形態であってもよい。これらの複合顔料は特に、有機顔料で少なくとも部分的に被覆されている無機核と、この有機顔料を核に結合させるための少なくとも1種のバインダーとを含む粒子で構成されていてもよい。
【0202】
また、顔料はレーキであってもよい。「レーキ」という用語は、不溶性粒子上に吸着される不溶性の染料を意味し、このようにして得られた集合体は使用中に不溶性のままである。
【0203】
染料が吸着される無機基材は、例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム、及びアルミニウムである。
【0204】
有機染料の中でも、コチニールカーマインを挙げることができる。また、以下の名称で公知の製品も挙げることができる。D&C Red 21(CI45380)、D&C Orange 5(CI45370)、D&C Red 27(CI45410)、D&C Orange 10(CI45425)、D&C Red 3(CI45430)、D&C Red 4(CI15510)、D&C Red 33(CI17200)、D&C Yellow 5(CI19140)、D&C Yellow 6(CI15985)、D&C Green(CI61570)、D&C Yellow 1 O(CI77002)、D&C Green 3(CI42053)、D&C Blue 1(CI42090)。
【0205】
挙げることができるレーキの例は、D&C Red 7(CI15850:1)の名称で公知の製品である。
【0206】
親水性コーティングの性質
先に明記したように、これらの他の顔料は、親水性化合物でコーティングされてもよい。
【0207】
ゲル化水性相中におけるその分散を最適化するために顔料を表面処理するための前記親水性化合物は、より具体的には生体高分子、炭水化物、多糖類、ポリアクリレート、及びポリエチレングリコール誘導体から選択される。
【0208】
生体高分子の例としては、炭水化物型のモノマーに基づくポリマーを挙げることができる。
【0209】
より具体的には、ビオサッカリドガム、キトサン及びその誘導体、例えばブトキシキトサン、カルボキシメチルキトサン、カルボキシブチルキトサン、キトサングルコネート、キトサンアジペート、キトサングリコレート、キトサンラクテート等、キチン及びその誘導体、例えばカルボキシメチルキチン、キチングリコレート等;酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;微結晶セルロース;ジスターチホスフェート;ヒアルロン酸ナトリウム;可溶性プロテオグリカン;ガラクトアラビナン;グリコサミノグリカン;グリコーゲン;スクレロチウムガム;デキストラン;デンプン及びその誘導体;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0210】
特に挙げることができる炭水化物の例には、以下の一般式のポリヒドロキシアルデヒド及びポリヒドロキシケトンが含まれる。
C
x(H
2O)
y
式中、x及びyは、1〜1000000の範囲であり得る。
【0211】
炭水化物は、単糖、二糖、又は多糖であり得る。
【0212】
特に挙げることができる炭水化物の例には、アミロデキストリン、βグルカン、シクロデキストリン、改質コーンスターチ、グリコーゲン、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ラクトース、マルチトール、グアノシン、グリセリルスターチ、コムギ(Triticum vulgare)スターチ、トレハロース、スクロース及びその誘導体、ラフィノース、並びにコンドロイチン硫酸ナトリウムが含まれる。
【0213】
また、C
1〜C
20アルキレングリコール又はC
1〜C
20アルキレングリコールエーテルも、単独で又はトリ(C
1〜C
20)アルキルシランと組み合わせて、表面処理剤として使用することができる。
【0214】
挙げることができる例には、PEGアルキルエーテルアルコキシシランで表面処理された顔料、例えばKOBO社によってSW顔料の名称で販売されているPEG-8-メチルエーテルトリエトキシシランで処理された顔料が含まれる。
【0215】
また、ジメチコーンコポリオール又はアルキルジメチコーンコポリオールの名称でも公知である、親水基を有するジメチコーン等のシリコーンも、本発明における表面処理剤としての使用に好適であり得る。具体的には、このようなジメチコーンは、繰り返し単位として、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド等のC
1〜C
20アルキレンオキシドを含み得る。
【0216】
挙げることができる例は、Sensient Corporation社によってLCW AQ Pigmentの名称で販売されているPEG-12-ジメチコーンで処理された顔料である。
【0217】
少なくとも1種の親水性化合物でコーティングされた顔料及び/又はコーティングされていない顔料の量は、考慮中の化粧用組成物の意図される使用によって特に条件付けされ、この量の調整が、組成物の配合者の権限の範囲内に包含されることは明らかである。
【0218】
金属の色合いを有する粒子
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の金属の色合いを有する粒子を含んでもよい。
【0219】
本発明の目的では、「金属の色合いを有する粒子」という用語は、その性質、サイズ、構造、及び表面仕上げが、特に玉虫色ではない様式で入射光を反射することを可能にする、任意の化合物を意味する。
【0220】
本発明において使用することができる金属の色合いを有する粒子は、具体的には以下から選択される。
- 少なくとも1種の金属の粒子及び/又は少なくとも1種の金属誘導体の粒子、
- 少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属誘導体を含む金属の色合いを有する少なくとも1枚の層で少なくとも部分的にコーティングされている、単物質又は多物質の有機又は無機基材を含む粒子、並びに
- 前記粒子の混合物。
【0221】
前記粒子中に存在してもよい金属の中でも、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、及びSe、並びにこれらの混合物又は合金を挙げることができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo、及びCr、並びにこれらの混合物又は合金(例えば青銅及び黄銅)が、好ましい金属である。
【0222】
「金属誘導体」という用語は、金属由来の化合物、特に酸化物、フッ化物、塩化物、及び硫化物を表す。
【0223】
挙げることができるこれらの粒子の例証には、Siberline社によってStarbrite 1200 EAC(登録商標)の名称で販売されているもの及びEckart社によってMetalure(登録商標)の名称で販売されているもの等のアルミニウム粒子、並びに金属層でコーティングされたガラス粒子、特に文献JP-A-09188830、JP-A-10158450、JP-A-10158541、JP-A-07258460及びJP-A-05017710に記載されているものが含まれる。
【0224】
本発明による組成物は、前記組成物の総質量に対して0質量%〜15質量%の金属の色合いを有する粒子を含むことができる。
【0225】
追加的なフィラー
有利には、本発明による組成物はまた、ケア及び/又はメークアップ組成物において従来使用されており、且つマイカ、顔料、及び金属の色合いを有する粒子以外である1種以上の追加的なフィラーを含んでもよい。
【0226】
これらのフィラーは、任意の形態の無色又は白色固体粒子であり、組成物の媒体中に不溶であり、且つその媒体中に分散されている形態である。
【0227】
無機又は有機の、天然又は合成の性質のこれらのフィラーは、それらを含有する組成物に柔性を提供し、メークアップ結果にマット効果及び均一性を提供する。加えて、これらのフィラーは、有利には、皮脂又は汗等の様々な攻撃因子に抵抗することを可能にする。
【0228】
これらのフィラーの例証としては、タルク、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))の粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのもの等の中空ポリマーミクロスフェア、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマーミクロスフェア、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、Toshiba社のTospearls(登録商標))、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフェア、並びにガラス又はセラミックマイクロカプセルを挙げることができる。また、特許出願JP-2003128788及びJP-2000191789に記載されているような、中空球部分の形態である粒子も使用することができる。
【0229】
具体的には、このようなフィラーは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して0.01質量%から25質量%の間、特に0.1質量%から20質量%の間、具体的には1質量%から10質量%の間の含有量で存在してもよい。
【0230】
分散剤
有利には、本発明による組成物はまた、分散剤を含んでもよい。
【0231】
このような分散剤は、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの幾つかの混合物であり得る。
【0232】
特定の実施形態によれば、本発明による分散剤は界面活性剤である。
【0233】
活性剤
特定のケア用途の場合、本発明による組成物は、湿潤剤としても知られる、少なくとも1種の保湿剤を含んでもよい。
【0234】
好ましくは、保湿剤はグリセロールである。
【0235】
保湿剤は、組成物中に、前記組成物の総質量に対して0.1質量%〜15質量%、特に0.5質量%〜10質量%、更には1質量%〜8質量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0236】
本発明の組成物において使用できる他の活性剤として挙げることができる例には、ビタミン及び日焼け止め剤、並びにこれらの混合物が含まれる。
【0237】
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種の活性剤を含む。
【0238】
本発明による組成物中に存在する添加剤の性質及び量を、所望される組成物の化粧特性が添加剤によって影響を受けないように調整することは、当業者にとって常法の範囲内である。
【0239】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、有利にはメークアップベース組成物の形態であってもよい。
【0240】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、有利にはファンデーションの形態であってもよい。
【0241】
このような組成物は特に、当業者の一般的知識に従って調製される。
【0242】
特許請求の範囲を含む説明全般にわたって、「含む」という用語は、別段の指示がない限り、「少なくとも1つの〜を含む」と同義であるとして理解されるべきである。
【0243】
「〜から〜の間」及び「〜から〜の範囲」という用語は、別段の指示がない限り、上限及び下限を包括するものとして理解されるべきである。
【0244】
本発明は、以下に提示される実施例によって、より詳細に例証される。別段の言及がない限り、示される量は質量百分率として表される。
【実施例】
【0245】
以下の表において、各化合物の量は、組成物の総質量当たりの質量%として提供されている。
【0246】
組成物の調製
組成物:
【0247】
【表1】
【0248】
調製:
相A1を調製するために、顔料を半量のドデカメチルペンタシロキサン中で粉砕し、酸化鉄を3ロールミルにおいて3回粉砕する。
【0249】
相A2の成分を秤量し、撹拌しながら共に混合して均質な相を得る。
【0250】
相A1を撹拌しながら相A2に導入して、相Aを得る。
【0251】
水性相Bを、15分間2500rpmで撹拌しながら、相A中に乳化させる。
【0252】
結果
5名のパネルが、顔半分において、これらのファンデーションを比較的に試験した。0.10gのある組成物を顔半分に適用し、0.10gの別の組成物を他方の顔半分に適用した。
【0253】
適用時の配合物の官能的品質、即ち視覚的外観及び触り心地、並びにまたメークアップ結果について評価した。
【0254】
組成物1及び2は、申し分ないと判断された。これらの組成物が提供した堆積物は、比較組成物3を用いて得られた堆積物と比較して、より微細且つ均質であると判断された。
【0255】
加えて、組成物1は顔の乾燥した領域又は起伏を目立たせることなく被覆する、自然なメークアップを生み出す。
【0256】
組成物1が、試験者によって好まれた組成物に相当する。