(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6789983
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】誘導加熱たばこロッド製造方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20201116BHJP
【FI】
A24F40/465
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-559644(P2017-559644)
(86)(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公表番号】特表2018-515113(P2018-515113A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】EP2016061170
(87)【国際公開番号】WO2016184929
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】15168555.9
(32)【優先日】2015年5月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】サンナ ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】アゴスティーニ クリスティアン
【審査官】
根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】
特表平08−511175(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/178768(WO,A1)
【文献】
特表2008−521429(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00558447(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
A24F 47/00
A24C 5/00−5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱たばこロッド製造方法であって、
連続形状のサセプタを提供するステップ、
前記連続形状のサセプタを個々のサセプタセグメントに切断するステップ、
たばこ基体収束装置に沿ってエアロゾル形成たばこ基体を誘導するステップ、
前記エアロゾル形成たばこ基体内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップ、
前記エアロゾル形成たばこ基体を最終的なロッド形状に収束するステップを含み、前記エアロゾル形成たばこ基体をその最終的なロッド形状に収束するステップを実施する前に前記エアロゾル形成たばこ基体内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップが実施される前記方法。
【請求項2】
前記エアロゾル形成たばこ基体内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップが、前記たばこ基体の中央部に前記個々のサセプタセグメントを配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が長軸方向に延びる折り畳み構造を前記たばこ基体に与えるステップをさらに含み、且つ、前記たばこ基体内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップが、前記たばこ基体の前記長軸方向に延びる折り畳み構造と平行して、且つ、それらの間に前記個々のサセプタセグメントを配置することを含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
切断支持体の面に沿って連続形状のサセプタを誘導する間に前記連続形状のサセプタを個々のサセプタセグメントに切断するステップが実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記切断支持体の面に沿って前記連続形状のサセプタを誘導する間に前記連続形状のサセプタに対して切断刃を押し当てることにより前記連続形状のサセプタを個々のサセプタセグメントに切断するステップが実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記切断支持体から挿入装置へ前記個々のサセプタセグメントを移動するステップをさらに含む請求項4または5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記切断支持体から前記挿入装置への前記個々のサセプタセグメントを移動するステップを実施する間に前記個々のサセプタセグメントを分離するステップをさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
部分的に収束したエアロゾル形成たばこ基体内にチャネルを形成し、前記チャネル内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップをさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
連続形状のサセプタを提供するステップが連続サセプタシートを提供することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ラッパー材料で前記誘導加熱たばこロッドを包装するステップをさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記たばこロッド内の連続するサセプタセグメントとサセプタセグメントとの間の位置において前記誘導加熱たばこロッドを切断するステップをさらに含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記誘導加熱たばこロッドが等しい長さの誘導加熱たばこセグメントに切断される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
誘導加熱喫煙物品の製造方法であって、
誘導加熱たばこロッドを製造するステップと、
前記誘導加熱たばこロッドを切断して誘導加熱たばこセグメントを形成するステップと、
前記誘導加熱たばこセグメントを有する誘導加熱喫煙物品を製造するステップと
を含み、
前記誘導加熱たばこロッドを製造するステップが、
- 連続形状のサセプタを提供するステップ、
- 前記連続形状のサセプタを個々のサセプタセグメントに切断するステップ、
- たばこ基体収束装置に沿ってエアロゾル形成たばこ基体を誘導するステップ、
- 前記エアロゾル形成たばこ基体内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップ、
- 前記エアロゾル形成たばこ基体を最終的なロッド形状に収束するステップを用い、前記エアロゾル形成たばこ基体をその最終的なロッド形状に収束するステップを実施する前に前記エアロゾル形成たばこ基体内に前記個々のサセプタセグメントを配置するステップが実施される、
前記製造方法。
【請求項14】
前記たばこセグメント内の前記サセプタセグメントの長さが前記たばこセグメントの長さに等しく、またはそれよりも短い、請求項13に記載の誘導加熱喫煙物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘導加熱装置に使用する誘導加熱たばこロッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術から、エアロゾル送達システムは公知であり、エアロゾル形成基体および誘導加熱装置を備える。その誘導加熱装置は誘導源を備え、これがサセプタ内で熱を発生させる渦電流とヒステリシス損失を誘導する交流電磁場を発生させる。そのサセプタはエアロゾル形成基体、例えばたばこ基体と熱的に近接している。加熱されたサセプタは、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力のある材料を含むエアロゾル形成基体を次に加熱する。
【0003】
誘導加熱装置で使用するために適切な誘導加熱エアロゾル形成たばこロッドの効率的な製造方法を有することが望ましい。
【0004】
本発明の態様により誘導加熱たばこロッドの製造方法が提供される。その方法は連続形状のサセプタを提供するステップ、およびその連続形状のサセプタを個々のサセプタセグメントに切断するステップを含む。その方法はたばこ基体収束装置に沿ってエアロゾル形成たばこ基体を誘導するステップ、そのエアロゾル形成たばこ基体内にそれらの個々のサセプタセグメントを配置するステップ、およびそのエアロゾル形成たばこ基体を最終的なロッド形状に収束するステップをさらに含む。その方法の中でエアロゾル形成たばこ基体内に個々のサセプタセグメントを配置するステップは、そのエアロゾル形成たばこ基体をその最終的なロッド形状に収束するステップを実施する前に行われる。
【0005】
誘導加熱たばこロッドのための連続材料に個々のセグメントを連続的に提供することは、誘導加熱たばこセグメントの大量生産にとって非常に効率的な方法である。さらに、たばこロッドを製造することにより、最終的なたばこセグメントの名で典型的に表されるように、それぞれたばこセグメントまたは誘導加熱たばこプラグの寸法取りに柔軟性が与えられる。例えば、限定されないが、サセプタの外形、サセプタの種類、サセプタの長さ、たばこ基体内のサセプタの位置、たばこ基体の種類、またはたばこロッドの縦横の寸法を変更することができる。従来のたばこロッド、すなわち、例えば加熱ブレードのような従来の抵抗加熱要素を備える加熱装置用のたばこプラグの製造に使用されるたばこロッドの製造工程を用いずに、またはそのような製造工程を限定的に改変しただけでそのような変更が達成可能であることが好ましい。
【0006】
個々のサセプタセグメントはたばこ基体内に配置され、一方でそのたばこ基体は部分的に収束しているが、まだ最終的なロッド形状になってはいない。その部分的に収束したたばこ基体は、基本的にあらゆる形態または形状の緩くまとめられたたばこ基体であってよく、または既にロッド形状を有していてよいが、最終的なロッド形状よりも低い密度(または大きな直径)を有する。部分的に収束したたばこ基体内にサセプタセグメントを配置することにより、そのたばこ基体内でのサセプタセグメントの導入が容易になる。さらに、その既に(部分的に)収束したたばこ材料のため、そのたばこロッド内でのサセプタセグメントの最終的な位置は既に十分に規定されている。
【0007】
「サセプタ」という用語は本明細書で使用される時、電磁エネルギーを熱に変換することが可能な材料を意味する。交流電磁場内に位置するときにサセプタ内で渦電流が誘導され、且つ、ヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱の原因となる。サセプタがエアロゾル形成たばこ基体と熱接触する位置にあるか、またはその基体と熱的に近接した位置にあるときにエアロゾルが形成されるようにそのサセプタによってそのエアロゾル形成たばこ基体が加熱される。サセプタは、例えばエアロゾル形成たばこ基体内でそのエアロゾル形成たばこ基体と物理的に直接接触して配置されることが好ましい。
【0008】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱され得るあらゆる材料から形成され得る。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは強磁性材料、例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼を含んでよく、またはその強磁性材料からなってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでよい。好ましいサセプタは250℃を超える温度に加熱され得る。適切なサセプタは非金属コアとその非金属コア上に配置された金属層、例えば、セラミックコアの表面に形成される金属帯を備え得る。サセプタは、そのサセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を有してよい。そのサセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成される保護被覆を備え得る。
【0009】
サセプタは多材料サセプタであってよく、且つ、第1サセプタ材料と第2サセプタ材料を含んでよい。その第1サセプタ材料はその第2サセプタ材料と物理的に密着した状態で積層される。その第2サセプタ材料は500℃より低いキュリー温度を有することが好ましい。その第1サセプタ材料は、主に、揺動電磁場にサセプタが配置されるときにそのサセプタを加熱するために使用されることが好ましい。あらゆる適切な材料を使用してよい。例えば、第1サセプタ材料はアルミニウムであってよく、またはステンレス鋼などの鉄材料であってよい。その第2サセプタ材料は、主に、特定の温度であって、その第2サセプタ材料のキュリー温度であるその温度にサセプタが達した時を示すために使用されることが好ましい。その第2サセプタ材料のキュリー温度を使用して操作中にサセプタ全体の温度を調節することができる。したがって、第2サセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点よりも下である必要がある。第2サセプタ材料の適切な材料にはニッケルおよびある特定のニッケル合金が含まれ得る。
【0010】
キュリー温度を持つ第2サセプタ材料とキュリー温度を持たない第1サセプタ材料、または互いに異なる第1キュリー温度と第2キュリー温度を有する第1サセプタ材料と第2サセプタ材料のどちらかである第1と第2のサセプタ材料を少なくとも有するサセプタを提供することにより、エアロゾル形成基体の加熱とその加熱の温度制御が分離され得る。第1サセプタ材料は500℃より上のキュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。加熱効率の観点から第1サセプタ材料のキュリー温度は、サセプタが加熱され得る任意の最大温度より上であることが望ましい。第2キュリー温度は400℃より低くなるように選択されることが好ましくあり得、380℃よりも低いか、または360℃より低いことが好ましくあり得る。第2サセプタ材料は所望の最大加熱温度と実質的に同じである第2キュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、その第2キュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。その第2キュリー温度は、例えば、200℃から400℃の範囲内、または250℃と360℃の間であり得る。第2サセプタ材料の第2キュリー温度は、例えば、その第2キュリー温度と等しい温度であるサセプタによって加熱されるときにエアロゾル形成基体の全体的な平均温度が240℃を超えないように選択され得る。
【0011】
連続形状のサセプタはフィラメント、ロッド、シート、またはバンドであることが好ましい。サセプタ外形が一定の断面、例えば円形の断面を持つ場合、それは約1ミリメートルと約5ミリメートルの間の好ましい幅または直径を有する。サセプタ外形がシートまたはバンドの形態を有する場合、そのシートまたはバンドは好ましくは約2ミリメートルと約8ミリメートルの間、より好ましくは、約3ミリメートルと約5ミリメートルの間、例えば4ミリメートルの幅、および好ましくは約0.03ミリメートルと約0.15ミリメートルの間、より好ましくは約0.05ミリメートルと約0.09ミリメートルの間、例えば0.07ミリメートルの厚みを有する長方形の形状を有することが好ましい。
【0012】
エアロゾル形成たばこ基体は、加熱されるとそのたばこ基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むことが好ましい。そのエアロゾル形成たばこ基体は充填用刻みたばこブレンドを含んでもそれから構成されてもよく、または均質化たばこ材料を含んでもよい。均質化たばこ材料は粒子状たばこを凝集体にすることにより形成され得る。そのエアロゾル形成基体は非たばこ含有材料、例えば、たばこ以外の植物ベースの均質化材料をさらに含んでもよい。
【0013】
エアロゾル形成たばこ基体は、たばこ材料、繊維、結合剤、およびエアロゾル形成体を含む、好ましくは捲縮したたばこシートであることが好ましい。そのたばこシートはキャストリーフであることが好ましい。キャストリーフは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えば風味も含むスラリーから形成される再構成たばこの一形態である。
【0014】
たばこ粒子は、所望のシート厚およびキャスティングギャップに応じて、30マイクロメートル〜250マイクロメートル程度、好ましくは30マイクロメートル〜80マイクロメートル程度、または100マイクロメートル〜250マイクロメートル程度の粒子を持つたばこダストの形態のものであってよく、そのキャスティングギャップによってシート厚が規定されることが典型的である。
【0015】
繊維粒子にはたばこの幹材料、茎、または他のたばこ植物材料、および低リグニン含量を有する木質繊維などの他のセルロース系繊維が含まれ得る。繊維粒子は、低含有率、例えば、約2%と15%の間の含有率に対して十分な引張強度をキャストリーフにもたらすという要求に基づいて選択され得る。あるいは、植物繊維などの繊維を上記の繊維粒子と共に使用してもよいし、または別法で使用してもよいが、これには大麻および竹が含まれる。
【0016】
キャストリーフを形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体、または他のエアロゾル形成たばこ基体に使用されるエアロゾル形成体は1つ以上の特性に基づいて選択され得る。機能的には、エアロゾル形成体は、そのエアロゾル形成体の特定の気化温度を超えて加熱されたとき、そのエアロゾル形成体を気化させ、且つ、ニコチンまたは風味剤または両方をエアロゾルの状態で運ぶメカニズムを提供する。異なるエアロゾル形成体は通常、異なる温度で気化する。そのエアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、且つ、誘導加熱たばこ基体と共に使用される誘導加熱装置の使用温度での熱分解に対して実質的に耐性である、あらゆる適切な公知の化合物または化合物混合物であり得る。エアロゾル形成体は、その能力、例えば、室温または室温近くでは安定なままであるが、より高い温度、例えば、40℃と450℃の間では気化可能であるその能力に基づいて選択され得る。
【0017】
エアロゾル形成体は、エアロゾル形成基体がたばこベースの産物、特にたばこ粒子をはじめとする産物から構成されるときに所望のレベルの水分をその基体内で維持することに役立つある種の保湿特性を有してもよい。特に、一部のエアロゾル形成体は保湿剤として機能する吸湿性材料、すなわち、その保湿剤を含むたばこ基体を湿った状態に保つことに役立つ物質である。
【0018】
1種類以上のエアロゾル形成体を組み合わせてそれらの組み合わさったエアロゾル形成体の1つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの保湿性を利用するためにトリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせてよい。
【0019】
エアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸から選択されてよく、且つ、次の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリル酸、ミリスチル酸、およびプロピレングリコールのうちの1つ以上を含んでよい。
【0020】
エアロゾル形成たばこ基体は風味剤などの他の添加剤および成分を含んでよい。そのエアロゾル形成たばこ基体はニコチンおよび少なくとも1種類のエアロゾル形成体を含むことが好ましい。そのエアロゾル形成たばこ基体と熱的に近接する、またはそのエアロゾル形成たばこ基体と熱的または物理的に接触しているサセプタはより効率的な加熱が可能であり、したがってより高い操作温度が達成され得る。そのより高い操作温度のため、公知のシステムにおいて使用されるエアロゾル形成体と比較して改善されたエアロゾルを提供するエアロゾル形成体としてグリセリンを使用することが可能になる。
【0021】
捲縮たばこシート、例えばキャストリーフは約0.5ミリメートルと約2ミリメートルの間の範囲、好ましくは約0.8ミリメートルと約1.5ミリメートルの間の範囲、例えば1ミリメートルの厚みを有し得る。最大約30%の厚さの偏差が製造上の許容範囲のために生じ得る。
【0022】
誘導加熱たばこロッドは円形または楕円形の断面を有することが好ましい。ただし、そのたばこロッドは矩形または多角形の断面を有してもよい。
【0023】
エアロゾル形成たばこ基体内に個々のサセプタセグメントを配置するステップは、そのたばこ基体の中央部にそれらの個々のサセプタセグメントを配置することを含み得る。このことは、たばこ基体における熱分布を考慮すると、例えばたばこロッドにおける均一または対称的な熱分布のために好ましくあり得る。その中央部において発生した熱は半径方向に散逸し、且つ、そのサセプタの円周全体の周囲にあるたばこ基体を加熱する。たばこ基体内の個々のセグメントの位置および配置、例えば、相互の距離に応じて熱がサセプタセグメント全体の周囲のたばこ基体に散逸し得る。
【0024】
たばこ基体の中央部分はたばこロッドの中心軸を包含するそのたばこロッドの領域であることが好ましい。サセプタセグメントはたばこロッド内において実質的に長軸方向に配置される。これは、それらのサセプタセグメントの縦寸法がたばこロッドの長軸方向とほぼ平行に、例えば、そのたばこロッドの長軸方向に対してプラスマイナス10度以内で配置されることを意味する。たばこロッド内の径方向中心部にサセプタセグメントを配置することができ、それらのサセプタセグメントがそのたばこロッドの長軸方向の軸線に沿って延伸することが好ましい。それらの個々のサセプタセグメントがたばこロッドの長軸方向の軸線に沿って互いに距離をとりながら配置されることが好ましい。
【0025】
本発明による方法の別の態様によると、本方法は長軸方向に延びる折り畳み構造をたばこ基体に与えるステップをさらに含む。そこで、たばこ基体内に
個々のサセプタを
セグメント配置するステップは、そのたばこ基体の長軸方向に延びる折り畳み構造と平行して、且つ、それらの間にその
個々のサセプタ
セグメントを配置することを含む。これによりそのたばこ材料内におけるサセプタの挿入と配置が容易になり得る。
【0026】
たばこ基体は、その基体を折り畳んでその最終的なロッド形状にすることを容易にするために折り畳み構造を与えられてもよい。そのような折り畳み構造は規則的な折り畳みを支援し、したがって再現可能な仕様を有するたばこプラグの製造を支援し得る。それでその折り畳み構造の折り目の間に、好ましくは2つの隣接する折り目の間に
個々のサセプタ
セグメントを配置することができる。これにより、部分的に寄せ集められたたばこ基体に
個々のサセプタ
セグメントを挿入し、その折り畳まれたたばこ基体の折り畳み構造またはそのような折り畳み構造の規則性を保持することができる。そのたばこ基体はシート形状で提供され、ロッド形状に寄せ集められるか、または折り畳まれることが好ましい。その長軸方向に延びる折り畳み構造によりたばこ基体に波形の断面が与えられることが好ましい。
【0027】
本発明による方法のその他の態様によると、連続形状のサセプタを個々のサセプタセグメントに切断するステップは、切断支持体の面に沿って連続形状のサセプタが誘導される間に実施される。これにより、サセプタまたはサセプタセグメントの切断と搬送が組み合わされる。さらに、その切断支持体を経てそれらの個々のセグメントがたばこ基体への導入のために準備される。その切断支持体は切断ホイールであり、且つ、その切断支持体の面はその切断ホイールの外周であることが好ましい。切断支持体の面に沿って連続形状のサセプタを誘導する間にその連続形状のサセプタに対して切断刃を押し当てることによりそのサセプタの切断が実施されることが好ましい。これにより、様々な種類のサセプタの迅速で正確な切断も可能になる。さらに、切断刃を押し当てる反復率によって、または切断支持体に沿った連続形状のサセプタの搬送速度によって、または切断手段の反復率とサセプタの搬送速度の組合せによってサセプタセグメントの長さが規定および変更され得る。
【0028】
個々のサセプタセグメントは前記切断支持体によってたばこ基体に搬送され、且つ、その切断支持体を介してそのままそのたばこ基体内に配置され得る。しかしながら、本発明に従う方法は切断支持体から挿入装置へ個々のサセプタセグメントを移動するステップをさらに含むことが好ましい。その挿入装置は挿入ホイールであることが好ましい。その挿入装置はたばこ基体内での個々のサセプタセグメントの誘導と正確な配置を支援し得る。例えば、挿入装置によってたばこ基体とそろえて、そのたばこ基体の中にサセプタセグメントを並べることができる。例えば挿入ホイールの外周上にある、例えば、その挿入装置の凹所に沿ってサセプタセグメントを誘導することができ、または例えば挿入ホイールの外周上、且つ、外周に沿ってある例えばその挿入装置に形成されているスリットまたはチャネルの中にサセプタセグメントを誘導することができる。切断支持体から挿入装置上へ個々のセグメントを移動する間にそれらのセグメントが分離され得ることが好ましい。すなわち、それらのセグメントは互いに対して距離をとって挿入装置上で配置され得る。挿入装置とたばこ基体を同期することにより、挿入ホイール上でのそのような距離は最終的な誘導加熱たばこロッド内での個々のサセプタセグメントの距離に相当し得る、またはその距離を規定し得る。切断支持体から挿入装置への移動には例えば幾つかのまたはドラムにわたる1つ、または複数の移動ステップが含まれ得る。これらのドラムの中にはそれぞれサセプタバンドまたはサセプタセグメント用の回転要素として機能し得るものもある。これにより、ボビン状のサセプタ材料および切断片の配置が挿入時の切断サセプタセグメントの位置と無関係になり得る。例えば、連続サセプタバンドはサセプタ切断用の切断ホイールの外周に対して平坦になるように配置され得る。しかしながら、挿入のためにサセプタセグメントを回転してその短辺を上にしてたばこ基体に挿入することが好ましい場合があり得る。
【0029】
本発明による方法の別の態様によると、本方法は部分的に収束したたばこ基体内にチャネルを形成し、且つ、そのチャネル内に個々のサセプタセグメントを配置するステップをさらに含む。そのチャネルは、たばこ基体をその最終的なロッド形状に完全に収束させた後のそのたばこ基体およびたばこロッドにおける局所性と挿入深度に関してそれらのサセプタセグメントの位置を規定し得る。チャネルはたばこ基体内でのそれらのサセプタセグメントの挿入を容易にし、且つ、サセプタセグメントに損傷を与えずに、サセプタセグメントを変形させずに、またはサセプタセグメントを変位させずにそれらのサセプタセグメントを配置することを保証し得る。
【0030】
部分的に収束したたばこ基体内のチャネルは挿入装置によって、例えば、挿入装置または挿入装置の外周部分を部分的に収束したたばこ基体の中に延伸することによって形成されることが好ましい。これにより、たばこ基体内でのサセプタの位置が挿入装置の位置により規定される。そのような位置はたばこロッドにおける横方向の位置ならびに深度を考慮して支持され得る。
【0031】
前記挿入装置は部分的に収束したたばこ基体内への挿入用のくさび形部分を備え得る。例えば、挿入ホイールはくさび形外周を有してよい。その挿入装置によって形成されるチャネル内に個々のサセプタセグメントが配置され得るようにその挿入装置またはそのくさび形部分はそれぞれたばこ基体を好ましくは横に動かす。
【0032】
連続形状のサセプタは連続サセプタシートであることが好ましい。したがって、その連続シートから切断されたサセプタセグメントはストリップである。その連続サセプタシートはボビン上に提供されることが好ましい。そのサセプタシートの幅は最終製品であるサセプタの幅であることが好ましい。シート形状の外形のサセプタにより、たばこロッドの直径にわたって、且つ、そのロッドの長さに沿って発生し得る熱をそのロッド内で与えることが可能になる。これにより加熱ブレードを備える従来のように加熱される加熱装置と同様のたばこロッド内の熱分布が達成され得るが、必要な電力が少なくてすみ、且つ、無接触式加熱の全ての利点(例えば、ブレードが壊れることがなく、加熱要素の残渣が残らず、電子装置が分離されており、または装置の掃除が容易である)が与えられる。
【0033】
本発明による方法の別の態様によると、本方法はラッパー材料で誘導加熱たばこロッドを包装するステップをさらに含む。そのたばこロッドを包装するラッパー材料は、エアロゾル形成たばこ基体の形状の安定化に役立ち得る。そのラッパー材料はたばこ基体とサセプタの意図しない分離の防止にも役立ち得る。
【0034】
一般的に、このように製造された誘導加熱たばこロッドは誘導加熱たばこセグメントに切断される。それらの切断されたたばこセグメントは同じ長さであることが好ましい。それらのセグメントの長さは、誘導加熱たばこセグメントを使用して製造される消耗喫煙物品または誘導加熱喫煙物品に応じて変更され得る。
【0035】
誘導加熱たばこロッドはそのたばこロッド内の連続するサセプタセグメントとサセプタセグメントとの間の位置において切断されることが好ましい。これは、たばこロッドの切断をそのたばこロッドの移動速度と同期させることにより行われることが好ましい。たばこロッド内において相互に直接的に隣接するのではなく、互いに対して距離をとってサセプタセグメントが配置されている場合、連続する2つのサセプタセグメントの間の中央でそのロッドを切断することが好ましい。したがって、サセプタ材料は切断されず、同量のたばこ基体によって各サセプタセグメントが封入されることが好ましい。たばこセグメントの製造における高い再現性が達成され得る。
【0036】
本発明の別の態様によると、誘導加熱装置に使用する誘導加熱喫煙物品が提供される。その誘導加熱喫煙物品は誘導加熱たばこセグメントを含む。その誘導加熱たばこセグメントは本願において記載される方法に従って製造された誘導加熱たばこロッドの一部分である。その誘導加熱たばこセグメントはエアロゾル形成たばこ基体とサセプタセグメントを含む。
【0037】
一般的に、その誘導加熱装置内に配置されている電力供給電子装置の対応するインダクタがたばこセグメントのサセプタセグメントにおいて熱を誘導することができるように誘導加熱装置の空洞の中に誘導加熱喫煙物品を導入する。
【0038】
誘導加熱たばこセグメントまたは(最終的な長さの)たばこプラグは、誘導加熱たばこロッドを切断することによりその所望の長さにされる。そのようなたばこセグメントは約2ミリメートルと約20ミリメートルの間の範囲のセグメント長、より好ましくは約6ミリメートルと約15ミリメートルの間の範囲のセグメント長、例えば約8ミリメートルと約12ミリメートルの間の範囲のセグメント長、例えば10ミリメートルまたは12ミリメートルのセグメント長を有し得る。
【0039】
切断手段の操作によってサセプタセグメントの長さが規定され得る。そのサセプタセグメントは最大でもたばこプラグと同じ長さを有する。そのサセプタセグメントはたばこプラグよりも短いことが好ましい。これにより、そのサセプタセグメントたばこ基体によって完全に封入され得る。さらに、2つのサセプタセグメントが重なり合うリスクが低下しているため、最終的なたばこプラグの長さに対するサセプタセグメントの配置により大きな許容性を与えることができる。
【0040】
サセプタセグメントは好ましくは約2ミリメートルと約20ミリメートルの間の長さ、より好ましくは約6ミリメートルから約15ミリメートルの間の長さ、例えば約8ミリメートルと約12ミリメートルの間の長さ、例えば10ミリメートルまたは12ミリメートルの長さを有する。
【0041】
本願を通して特定の値に関連して「約」という用語が使用される時はいつでも、「約」という用語に続く値が、技術的な考慮事項のため、厳密にその特定の値である必要はないと理解されべきである。しかしながら、「約」という用語は各境界値を明らかに含み、且つ、開示するものと理解される。
【0042】
サセプタセグメントはその横寸法または高さ寸法よりも大きい縦寸法、例えばその横寸法または高さ寸法よりも2倍大きい縦寸法を有することが好ましい。
【0043】
たばこセグメントまたはたばこプラグにそれぞれマウスピースを取り付けてもよく、そのマウスピースは所望によりフィルタープラグおよびその他のセグメント、例えばエアロゾル冷却セグメントまたはスペーサーセグメントを備えてよい。その誘導加熱エアロゾル形成たばこプラグおよびそのマウスピースおよび可能性があるものとしてそれらの追加のセグメントを寄せ集めて一構造実体を形成することができる。新しい誘導加熱たばこプラグが誘導加熱装置と組み合わせて使用されるたびに新しいマウスピースが自動的にユーザーに供給され、これは衛生上の観点から評価される可能性がある。所望によりそのマウスピースにはたばこプラグの組成に従い選択され得るフィルタープラグが加えられてもよい。
【0044】
前記喫煙物品の利点とその他の態様を本発明に従う方法に関連して説明してきたため、繰り返さない。
本発明を実施形態に関してさらに説明し、それらの実施形態を下記の図面によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】様々な位置における製造ラインを通した断面を示す図である。
【
図3】様々な位置における製造ラインを通した断面を示す図である。
【
図4】誘導加熱たばこセグメントの長軸方向の断面図を示す図である。
【
図5】
図5Aはたばこ製品に使用するサセプタセグメントの平面図である。
図5Bは
図5Aのサセプタセグメントの側面図である。
【0046】
図1では連続たばこシート2が収束装置に沿って誘導され、そこでそのたばこシート2が基本的に平面の形状からロッド形状へ寄せ集められる。たばこシート2、例えばキャストリーフは既に捲縮されていてもよく、または寄せ集められる前に捲縮される。
【0047】
サセプタ材料の連続バンド1、例えば強磁性ステンレス鋼バンドがボビン30上に提供される。そのボビン30から連続バンド1が巻き戻され、切断分離装置5を通過した後にたばこシート2に挿入される。その切断分離装置5は切断ホイール51、切断装置52および供給ホイール55を備える。この簡略化された変体では2つのホイールだけが示されている。しかしながら、上で説明したように、たばこシート2内での挿入時にサセプタセグメントの所望の位置にサセプタまたはサセプタセグメント用のより多くのホイールまたは回転機構を用意してもよい。
【0048】
巻き戻されたサセプタ材料の連続バンド1は切断ホイール51の外周に沿って誘導される。その切断ホイール51上の連続バンドを個々のサセプタセグメント10に切断するために切断装置52がその切断ホイール51の次に配置される。その切断装置52には切断ホイール51の外周上に配置されたサセプタ材料に強く当たるように移動可能な刃先が与えられる。それにより、そのサセプタ材料のバンド1は個々のストリップ状のサセプタセグメント10に切断される。切断を支援するため、切断ホイール51の外周および切断装置52の刃先は対応する形状を有し得る。その切断ホイールの外周は、サセプタバンド1が確実にこの外周に支えられ、且つ、この外周上で誘導され得るように平坦であることが好ましい。
【0049】
個々のサセプタセグメント10は切断ホイール51から供給ホイール55へ、例えば供給ホイール55の周方向に走るスリット551の中に移される。
【0050】
供給ホイール55の直径は切断ホイール51の直径よりも大きい。したがって、個々のサセプタセグメントを移動すると、その供給ホイール55の外周に沿ってそれらのセグメントが分離され、互いに距離をとって配置される。それらの2種類のホイール51、52の直径の比率、およびそれらの回転速度の比率を選択するときに供給ホイール55上および最終的なたばこロッド内での個々のセグメント10間の距離を選択および規定してよい。
【0051】
図1の実施形態ではボビン30、切断ホイール51および供給ホイール55は同じ平面に配置される。その供給ホイール55は周縁部550が最終的なロッド形成および搬送ライン33上の溝330の中に延伸するように配置される。完全ではないが部分的に寄せ集められたたばこシート201がこの溝330の中、且つ、この溝に沿って誘導される。その溝330の中で誘導される間にその部分的に寄せ集められたたばこシート201にサセプタセグメント10が供給され、その後で最終的なロッド形状に形成され、ラッパー材料202で包装される。
【0052】
図2に見られるように、位置100において供給ホイール55の周縁部550はサセプタセグメント10向けのインサータとして作用する。その周縁部はその部分的に寄せ集められたたばこシート201内にチャネルを形成し、一方でサセプタセグメント10がその部分的に寄せ集められたたばこシート201内に連続的に配置される。供給ホイール55の周速度は搬送ライン33の上流領域に配置される挿入位置100における溝330内でのたばこシート2の搬送速度に対応する。これにより、供給ホイールとたばこシートとの間の速度の差がその挿入位置において存在しない。これによりサセプタセグメント10の正確な挿入が確実になる。
【0053】
挿入を支援するため、供給ホイール55の周縁部550はシート材料2へのなめらかな挿入のためにくさび形である。その供給ホイール55はサセプタセグメント10の挿入のためにその部分的に寄せ集められたたばこシート201内にチャネルを形成する。供給ホイール55の周縁部550はたばこシートの搬送方向(水平方向)に対して直交する方向(垂直方向)にスリットを入れられており、その挿入された周縁部550にスリット551が形成されている。そのスリット551はたばこシート内でのサセプタセグメント10の誘導および配置手段として機能する。スリット551の長さにより、寄せ集められたたばこシート201から離れる方向のサセプタセグメント10の動きが制限されることが好ましい。したがって、寄せ集められたたばこシート201内または前記溝内でのそれぞれの供給ホイール55の挿入深度により、可能性としてはスリット551の長さと組み合わせて、最終的なたばこロッド内でのサセプタセグメント10の挿入深度が規定され得る。
【0054】
サセプタセグメントを供給ホイール55内に留まらせるためにスリット551またはチャネルを介して吸引を適用してもよい。部分的に寄せ集められたたばこシート201内にサセプタセグメント10が配置され得るように挿入位置100において吸引が中断されてよい。吸引チャネル551に対して加えられる短時間の過剰圧力によって挿入を支援してもよい。
【0055】
連続ラッパー材料202、例えばペーパーシートまたはペーパーホイルがたばこシート2の下方から提供される。そのラッパー材料202は、部分的に寄せ集められたたばこシート201が搬送ライン33上のラッパー材料202の上にやって来るように搬送ライン33の溝330に挿入される。
図3においてさらに詳しく示されている位置200におけるサセプタセグメントの挿入の後にそのたばこシートはその最終的なロッド形状に形成され、サセプタセグメント10がそのたばこ基体によって完全に封入される。次にサセプタを含むたばこシートの周りをラッパー材料202で完全に包装し、最終的な誘導加熱たばこロッドが形成される。
【0056】
たばこロッドはサセプタセグメントの間で切断されてたばこそれらのサセプタセグメントの長さによって予め規定される長さのたばこプラグ20になる。2つのサセプタセグメントの間の中央でたばこロッドを切断することができるようにそのロッドを切断するための切断手段とセグメントの挿入および配置を同期させることが好ましい。
【0057】
図4は本発明に従う方法で製造された誘導加熱たばこプラグ20の長軸方向の断面図を示している。サセプタセグメント10はそのたばこプラグの長軸方向の軸線300に沿って配置されており、且つ、そのたばこプラグ20の長さよりも短い長さ102を有する。そのサセプタセグメントはたばこプラグ20内でそのたばこプラグの縦に対して、ならびにそのたばこプラグの断面に対して対称的に配置されることが好ましい。セグメント10の幅101はそのたばこプラグ20の直径よりも小さい。その誘導加熱たばこプラグではサセプタセグメント10はたばこ基体によって完全に囲まれている。そのたばこ基体は捲縮済み均質化たばこ材料のギャザーシートを含む。その均質化たばこ材料の捲縮シートはエアロゾル形成体としてグリセリンを含むことが好ましい。
【0058】
たばこプラグの長さ102は例えば12ミリメートルであってよく、一方でサセプタストリップ10の長さは10ミリメートルであってよい。サセプタストリップの幅101は例えば4ミリメートルであってよく、そのたばこプラグの直径は8mmであってよい。
【0059】
図5Aおよび
図5Bは本発明の実施形態に従うたばこ製品に使用する一元的多材料サセプタセグメント10の一例を示す。サセプタセグメント10は長さ12mmおよび幅4mmの細長いストリップの形態をしている。そのサセプタセグメントは第2サセプタ材料14に密着して結合されている第1サセプタ材料15から形成される。第1サセプタ材料15は12mm×4mm×25マイクロメートルの寸法を有するグレード430ステンレス鋼ストリップの形態である。第2サセプタ材料14は12mm×4mm×10マイクロメートルの寸法を持つニッケルストリップの形態である。サセプタセグメントはステンレス鋼ストリップ15にニッケルストリップ14をクラッディングすることにより形成される。サセプタセグメントの合計の厚さは35マイクロメートルである。
図5のサセプタセグメント10を二層サセプタセグメントまたは多層サセプタセグメントと呼ぶことができる。