【実施例】
【0022】
  以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0023】
<実施例1:ラット乳癌溶骨型骨転移モデルを用いた評価>
1.材料
(1)乳癌細胞(MRMT−1)浮遊液の調製
  ラット乳癌細胞株MRMT−1は理化学研究所バイオリソースセンターより入手した。MRMT−1は、ウシ胎仔血清(American Type Culture Collection)を10%、ペニシリン(ライフテクノロジーズ・ジャパン社製)を100単位/mL、ストレプトマイシン(ライフテクノロジーズ・ジャパン社製)を0.1mg/mLの濃度で含む培地RPMI1640(ライフテクノロジーズ・ジャパン社製)を用いて継代培養した。移植当日、培養容器中の培地を除去し、37℃で保温したトリプシン−EDTA溶液(ライフテクノロジーズ・ジャパン社製)を培養容器内に加え、37℃で約5分間静置した。MRMT−1が培養容器面から剥がれたのを確認したのち、トリプシン−EDTA溶液と等量の上記培地を培養容器内に加えた。遠心分離(800回転/分、5分間)でMRMT−1を沈澱し、上澄み液を除去したのち、MRMT−1をハンクスバッファ(ライフテクノロジーズ・ジャパン社製)に2.5×10
5個/mLの濃度で浮遊した細胞浮遊液を作製した。
【0024】
(2)ラット乳癌溶骨型骨転移モデルの作製
  9週齢の雄性SDラット(日本エスエルシー株式会社)をイソフルラン(マイラン製薬社製)麻酔下で、右後肢鼠径部に消炎鎮痛剤であるメタカム0.5%注射液(ベーリンガーインゲルハイム  ベトメディカジャパン社製)を0.2mg/kgの割合で皮下注射した後、鼠径部皮膚を切開した。次いで、伏在動脈、伏在静脈及びそれに並行する神経を筋肉より剥離し、遊離させ、膝窩動脈分岐部より遠位部において、伏在動脈の下に縫合糸(3−0)を通した。また、浅腹壁動脈分岐部周囲の組織を剥離し、浅腹壁動脈分岐部と膝窩動脈分岐部の間(浅腹壁動脈分岐部より少し遠位部)にて、大腿動脈の下に縫合糸(3−0)を通した。その後、伏在動脈周囲に、パパベリン塩酸塩注40mg(日医工社製)を数滴滴下して血管平滑筋を弛緩させ、伏在動脈及び大腿動脈の下に通した縫合糸の端をそれぞれ鉗子で挟み、伏在動脈及び大腿動脈を吊り上げることにより、伏在動脈及び大腿動脈を圧迫し、綿棒を伏在動脈の下に挿入して伏在動脈を保定して、伏在動脈の遠位部から中枢方向に注射針を刺入し、MRMT−1浮遊液(0.1mL)をゆっくり注入した。注射針の刺入部に外科用接着剤(アロンアロファA「三共」(商標登録)、東亞合成社製)を1滴滴下し、術野から採取した皮下脂肪片を刺入部に被せて、刺入部を塞いだ。伏在動脈及び大腿動脈から縫合糸を抜糸し、血流を再開させ、大腿動脈から腹大動脈周囲の皮下脂肪を整復し、縫合糸(5−0)で皮膚を閉じた。最後に抗生物質であるホスミシンS静注用0.5g(明治製菓ファルマ株式会社製)を10〜20mg/kgの割合で皮下注射した。作製したモデル動物は、移植12から14日目にて下記の実験に使用した。
【0025】
(3)トランス−1−アミノ−3−フルオロシクロブタン−1−[
14C]カルボン酸(
14C−fluciclovine)の調製
  Nucl.Med.Biol.39,109-119記載の方法に準じて調製した。
【0026】
2.方法
  乳癌細胞移植後12日目のラット乳癌溶骨型骨転移モデルを、マイクロフォーカスX線拡大撮像システム(μFX−1000,富士フイルム社製)で撮影した後、
14C−fluciclovine(1.05MBq、2.75MBq/kg)を尾静脈投与し、30分後に屠殺した。左右後肢をSCEM(セクションラボ社製)に包埋後、イソペンタン/ドライアイスまたはヘキサン/ドライアイスで急速凍結し、クライオスタット(Leica Instruments GmbH製)を用いて10μm厚に薄切した。この際、試料面にCryofilm  type  IIC(9)(セクションラボ社製)を張り付け薄切することにより、10μm厚の骨切片を作製した。骨切片は、Cryofilm  type  IIC(9)を下にしてスライドグラス(松浪硝子工業社製)に両面テープで張り付け、イメージングプレート(GEヘルスケアジャパン社製)上で1週間露光させ、スキャナータイプ画像解析装置(Typhoon  FLA  7000  IPシステム、GEヘルスケアジャパン社製)を用いてオートラジオグラム画像解析を行った。
  また、比較として、
14C−fluciclovineに代えて、
3H−FDG(アメリカンラジオラベルドケミカルズ社製)、又は、
99mTc−HMDP(日本メジフィジックス社製)を投与したものを用意した。
3H−FDGを投与した場合は、投与量を6.66MBq(18.4MBq/kg)にする以外は同様な操作を行った。
99mTc−HMDPを投与した場合は、乳癌細胞移植後14日目のラット乳癌溶骨型骨転移モデルに20.3MBq(58.0MBq/kg)投与した後、2時間後に屠殺し、イメージングプレートへの露光時間を2時間とした以外は同様な操作を行った。イメージングプレートの種類は
14C−fluciclovine及び
3H−FDGのβ線核種ではTRを、
99mTc−HMDPのγ線核種はSRを用いた。
  その後、各切片についてトルイジンブルー染色及びヘマトキシリン・エオジン染色にて病理学的評価を行った。トルイジンブルー染色では、スライドグラスに貼り付けた10μm厚の骨切片をクライオスタットから取出し、室温にて約1分間乾燥したのち、無水エタノール(和光純薬工業社製)に約3〜5秒間浸し、さらに4%パラホルムアルデヒドりん酸緩衝液(和光純薬工業社製)に1分間以上浸した。流水中にて約10秒間水洗したのち、0.05%トルイジンブルー溶液(pH7.0)(和光純薬工業社製)に約5分間浸した。流水中にて約30秒間水洗したのち、骨切片表面に専用封入剤SCMM−R3(セクションラボ社製)を数滴滴下し、カッターでCrylofilm  type  IIC(9)の両端を切り取った。骨切片を下にして、別のスライドグラスに置き、専用封入剤(R2・R3)重合装置(ライカマイクロシステムズ社製)にて専用封入剤を重合した。
  また、ヘマトキシリン・エオジン染色では、上述同様に無水エタノール及び4%パラホルムアルデヒドりん酸緩衝液に骨切片を浸したのち、ヘマトキシリン3G(サクラファインテックジャパン社製)に約2分間浸し、流水中にて約30秒間水洗した。次に、エオジン(サクラファインテックジャパン社製)に約1分間浸したのち、流水中にて約30秒間水洗した。骨切片表面に専用封入剤SCMM−R2(セクションラボ社製)を数滴滴下したのち、トルイジンブルー染色と同様に専用封入剤を重合した。
【0027】
3.結果
  結果を
図1〜3に示す。
図1(a)〜(j)は、
14C−fluciclovineの結果を示す図であり、
図2(a)〜(j)は、
3H−FDGの結果を示す図であり、
図3(a)〜(j)は、
99mTc−HMDPの結果を示す図である。
図1(a)〜(e)、
図2(a)〜(e)、
図3(a)〜(e)が健常肢(左後肢)から摘出した下肢骨であり、
図1(f)〜(j)、
図2(f)〜(j)、
図3(f)〜(j)がMRMT−1移植肢(右後肢)から摘出した下肢骨である。
図1(a)(f)、
図2(a)(f)、
図3(a)(f)がX線撮像の結果であり、
図1(b)(g)、
図2(b)(g)、
図3(b)(g)が外観図であり、
図1(c)(h)、
図2(c)(h)、
図3(c)(h)がオートラジオグラムであり、
図1(d)(i)、
図2(d)(i)、
図3(d)(i)がトルイジンブルー染色の結果であり、
図1(e)(j)、
図2(e)(j)、
図3(e)(j)がヘマトキシリン・エオジン染色の結果である。
  
図1(f)の矢印Aは、MRMT−1移植肢(右後肢)のX線画像で認められた溶骨病変の部位を示している。
図1(g)の矢印Aは、
図1(f)の矢印Aと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)の外観図で認められた骨転移巣の部位を示している。
図1(h)の矢印Aは、
図1(f)の矢印Aと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)のオートラジオグラムで
14C−fluciclovineの集積が認められた部位を示している。
図1(i)の矢印Aは、
図1(f)の矢印Aと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)のトルイジンブルー染色像で認められた骨転移巣の部位を示している。
図1(j)の矢印Aは、
図1(f)の矢印Aと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)のヘマトキシリン・エオジン染色像で認められた骨転移巣の部位を示している。これらの結果から、
14C−fluciclovineは溶骨病変部の骨転移に集積することが確認された。
  一方、
図1(f)の矢印Bは、MRMT−1移植肢(右後肢)のX線画像で溶骨病変が認められない部位を示している。
図1(g)の矢印Bは、
図1(f)の矢印Bと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)の外観図で認められた骨転移巣の部位を示している。
図1(h)の矢印Bは、
図1(f)の矢印Bと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)のオートラジオグラムで
14C−fluciclovineの集積が認められた部位を示している。
図1(i)の矢印Bは、
図1(f)の矢印Bと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)のトルイジンブルー染色像で認められた骨転移巣の部位を示している。
図1(j)の矢印Bは、
図1(f)の矢印Bと同一部位で、MRMT−1移植肢(右後肢)のヘマトキシリン・エオジン染色像で認められた骨転移巣の部位を示している。これらの結果から、
14C−fluciclovineは、X線画像からは検出できない溶骨病変が形成される以前の骨転移にも集積することが確認された。
3H−FDGについても、
図2(f)〜(j)の矢印A及び矢印Bで示したとおり、溶骨病変部及び溶骨病変が形成される以前の骨転移に集積することが確認された。以上の結果から、
14C−fluciclovineは、
3H−FDGと同様に、溶骨病変部及び溶骨病変が形成される以前の骨転移への集積が確認された。一方、
99mTc−HMDPには、成長板及び一次海綿骨近傍(矢印C)に集積が認められたが、溶骨病変部(矢印A)及び溶骨病変が形成される以前の骨転移巣(矢印B)にはいずれも集積が見られなかった。
【0028】
<実施例2:前立腺癌患者のPET撮像>
  本試験は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及びGCPを遵守して実施した。試験の実施に先立って、本人から自由意思による試験参加の同意を文書により得た。
【0029】
1.患者
前立腺針生検で病理組織学的に前立線癌と診断された未治療の男性患者(69歳男性)であって、PSAが589.17ng/mL、Gleasonスコアが8の患者を選択した。
【0030】
2.試験薬剤
  WO2008/75522記載の方法で製造した
18F−fluciclovine製剤(NMK36、日本メジフィジックス株式会社製)を用いた。
【0031】
3.PET/CT
  前日の夕食後から絶食し,
18F−fluciclovine製剤2mL(263.1MBq)を静脈より投与し,生理食塩液でフラッシュした。
18F−Fluciclovine製剤の投与は、前立腺癌原発巣のPET/CT画像評価への影響を避けるため、前立腺針生検を実施した日(1日目とする)から22日目以降に行った。
18F−fluciclovine製剤投与直後からPET/CTカメラ(GEヘルスケア社製DiscoveryPET/CT600)を用いて吸収補正を目的に全身のCT画像を撮像し、その後,全身PETを投与後30分までに終了した。
【0032】
4.既存画像撮像
  
18F−fluciclovineのPET/CT画像の比較対照として,
18F−fluciclovineのPET/CT実施日の28日前までに全身造影CT及び骨シンチグラフィーを撮像した。全身造影CTは,非イオン性造影剤(バイステージ、富士フイルムメディカル社製)を投与した後,90秒後からスライス厚5mm以下で頚部から骨盤部まで80列の多列検出器型CT(東芝社製AquilionPrime)を用いてCT画像(管電圧:120kV)を撮像した。骨シンチグラフィーは,
99mTc−HMDP(クリアボーン(登録商標)注、日本メジフィジックス社製)を740MBq投与した後,2時間後から全身プラナー像(エネルギーウィンドウ:140keV±10%)を撮像した。
【0033】
5.視覚的画像評価
  
18F−fluciclovineのPET/CT、全身造影CT及び骨シンチグラフィーの画像評価については、それぞれ2名の画像判定委員が被験者背景の盲検下で独立して判定を行い、2名の判定が異なった場合には合議で判定した。骨シンチグラフィーの全身プラナー像と全身造影CT画像を読影し、それらの総合所見から骨転移の有無を判定した。
【0034】
6.結果
  結果を
図4(a)〜(c)、5(a)〜(c)に示す。
図4(a)〜(c)は
18F−fluciclovineのPET/CT画像であり、
図4(a)が頭部画像、
図4(b)が胸部画像、
図4(c)が骨盤部画像である。また、
図5(a)が、最大値投影法による
18F−fluciclovineのPET画像であり、
図5(b)が骨シンチグラフィーの前面画像であり、
図5(c)が骨シンチグラフィーの背面画像である。
図4(a)〜(c)、5(a)〜(c)中、矢印で示す部位が
図5(b)、(c)の骨シンチグラフィーでは描出されず、さらに全身造影CTでも描出されなかった部位である。このように、
18F−fluciclovineの画像では、骨シンチグラフィーと全身造影CTでは描出されなかった病変が描出された。
【0035】
<実施例3:トリプルトレーサーオートラジオグラフィー>
1.材料
(1)乳癌細胞(MRMT−1)浮遊液の調製
  実施例1で調製した乳癌細胞(MRMT−1)浮遊液と同様に調製した。
【0036】
(2)ラット乳癌骨転移モデルの作製
  12週齢の雄性SDラット(日本エスエルシー株式会社)を用い、左右両方の伏在動脈にMRMT−1懸濁液を投与し、移植後6日目または8日目に下記の実験に供した以外は、実施例1で作製したラット乳癌溶骨型骨転移モデルと同様にして、骨梁間型骨転移モデルを作製した。移植後6日目のモデルでは右後肢のみ、移植後8日目のモデルでは左肢のみに病変が見られた。
  また、12週齢の雄性SDラット(日本エスエルシー株式会社)を用い、移植後11日目に下記の実験に供した以外は、実施例1で作製したラット溶骨型骨転移モデルと同様にして、溶骨型骨転移モデルを作製した。
【0037】
(3)
14C−fluciclovineの調製
  実施例1で調製した
14C−fluciclovineと同様に調製した。
【0038】
2.方法
  乳癌細胞移植後6日目若しくは8日目のラット乳癌骨梁間型骨転移モデル、又は、乳癌細胞移植後11日目のラット乳癌溶骨型骨転移モデルを一晩絶食させ、1%イソフルラン(ファイザー社製)麻酔した後、トレーサーとして2.75MBq/kgの
14C−fluciclovine、74MBq/kgの
99mTc−HMDP(日本メジフィジックス社製)および18.5MBq/kgの
3H−FDG(アメリカンラジオラベルドケミカルズ社製)を同一のラットに尾静脈投与した。屠殺まで、
14C−fluciclovineおよび
3H−FDGは、30分間、
99mTc−HMDPは2時間循環させた。動物を腹部大動脈から採血することにより麻酔下で屠殺した。次いで、脛骨および大腿骨を取り出し、SCEM(セクションラボ社製)に包埋後、イソペンタン/ドライアイスで凍結させた。Kawamotoのフィルム法(Kawamoto T. Arch. Histol. Cytol. 2003;66:123-43)に記載されているように、−20℃でCM3050Sクライオスタット(Leica Biosystems社製)を用いて凍結試料を切片化した(病理学的およびオートラジオグラフィー標本のためのそれぞれ5μm厚および10μm厚の骨切片)。15個の連続切片を得、各切片をスライドグラス上に載せた。
99mTc同位体による画像を得るために、低エネルギーの
3Hを吸収する12μm厚のポリエステルフィルム(ルミラー(登録商標)、東レ株式会社製)に乾燥済の10μm厚の骨切片を包み、これにSRイメージングプレート(富士フイルム社製)を1時間露出させた。これらの条件下で、
14Cは、1時間の露出後でもSRイメージングプレートの黒化を引き起こさず、したがって
99mTcオートラジオグラフの
14Cによる交差汚染を排除した。
99mTc−オートラジオグラフ切片に隣り合う2つの凍結切片を−20℃で5日間保存し、
99mTcを完全に崩壊させた。その後、TRイメージングプレート(富士フイルム社製)を、乾燥切片に12μm厚のポリエステルフィルムを伴った状態及び伴わない状態で7日間露出し、
14C画像および
3H+
14C混合画像をそれぞれ得た(Obata T. et al. RADIOISOTOPES. 2000;49:623-36)。イメージングプレートは、FLA−7000画像解析装置(GEヘルスケアUK社製)で現像した。最後に、ImageJソフトウェア(バージョン1.48、NIH)を使用し、
14C+
3H画像から
14C画像を取り除くことによって
3H画像を生成した。ImageJソフトウェアを使用してすべての画像を処理し、以下に述べるように関心領域(ROI)分析を行った。5μm厚の骨切片については、実施例1と同様にトルイジンブルー染色にて病理学的評価を行った。
【0039】
3.結果
  骨梁間型骨転移モデルの結果を
図6、7に示す。
図6は、乳癌細胞移植後6日目の結果を示し、
図7は、乳癌細胞移植後8日目の結果を示す。
図6(a)、
図7(a)がトルイジンブルー染色の結果であり、矢印で骨梁間型の骨転移巣を示す。乳癌細胞移植後6日目の骨梁間型骨転移巣は、溶骨病変が形成される以前の骨梁間型であり、乳癌細胞移植後8日目の骨梁間型骨転移巣は、溶骨型が混在する骨梁間型である。
図6(b)、
図7(b)が
99mTc−HMDPの結果であり、
図6(c)、
図7(c)が
14C−fluciclovineの結果であり、
図6(d)、
図7(d)が
3H−FDGの結果である。
  また、溶骨型骨転移モデルの結果を
図8に示す。
図8(a)は、作製した骨切片の外観を示す図であり、
図8(b)は、
3H−FDGの結果であり、
図8(c)は、
14C−fluciclovineの結果であり、
図8(d)は、
99mTc−HMDPの結果である。
図8(e)は、トルイジンブルー染色の結果を示す図である。
【0040】
  図6(c)、
図7(c)、
図8(c)で示すように、
14C−fluciclovineは、早期の骨転移巣に集積することが確認された。また、
図6(d)、
図7(d)、
図8(b)で示すように、
3H−FDGについても、早期の骨転移巣に集積することが確認されたが、
図6(b)、
図7(b)、
図8(d)で示すように、
99mTc−HMDPは、早期の骨転移巣には、集積が認められなかった。
【0041】
  以上の結果から、
18F−fluciclovineにより、癌の早期骨転移を検出できることが示唆された。
【0042】
  この出願は、2015年6月4日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2015−113587号を基礎とする優先権を主張するものであり、その開示の全ては本明細書に組み込まれるものである。