特許第6790000号(P6790000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6790000X線透視外科手術ナビゲーションのための光ファイバリアルシェイプ感知
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790000
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】X線透視外科手術ナビゲーションのための光ファイバリアルシェイプ感知
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/12 20060101AFI20201116BHJP
   A61B 5/06 20060101ALI20201116BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   A61B6/12
   A61B5/06
   A61B6/00 320Z
   A61B6/00 370
【請求項の数】14
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-567699(P2017-567699)
(86)(22)【出願日】2016年6月16日
(65)【公表番号】特表2018-524089(P2018-524089A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】IB2016053557
(87)【国際公開番号】WO2017001959
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年6月12日
【審判番号】不服2020-6488(P2020-6488/J1)
【審判請求日】2020年5月13日
(31)【優先権主張番号】62/186,874
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フレックスマン モリー ララ
(72)【発明者】
【氏名】ヌーナン デイビッド ポール
【合議体】
【審判長】 森 竜介
【審判官】 松谷 洋平
【審判官】 伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−542768(JP,A)
【文献】 特表2014−518097(JP,A)
【文献】 特開2002−209876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
FORSセンサであって、手術空間内の基準位置に対する前記FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する、FORSセンサと、
X線透視イメージャと、
前記X線透視イメージャに接合される機械的コネクタであって、前記X線透視イメージャに前記FORSセンサを取り外し可能に装着するように構造的に構成される、機械的コネクタと、
前記機械的コネクタへの前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記X線透視イメージャの追跡を制御するナビゲーションコントローラと
を備える、X線透視外科手術システムにおいて、前記X線透視外科手術システムは、
前記基準位置としての役割を果たすローンチを更に備え、
前記FORSセンサは、前記ローンチから遠位方向に延在し、
前記基準位置は、前記手術空間内において固定されている、
ことを特徴とする、X線透視外科手術システム
【請求項2】
前記X線透視イメージャへの前記FORSセンサの前記装着は、前記FORSセンサが前記機械的コネクタ内に埋め込まれることを含む、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項3】
前記機械的コネクタと一体化されたドレープ
を更に備える、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項4】
前記機械的コネクタは、
前記X線透視イメージャに接合されたコネクタベースと、
前記コネクタベースに前記FORSセンサを取り外し可能に装着するコネクタクリップと
を含む、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項5】
前記コネクタクリップによる前記コネクタベースへの前記FORSセンサの前記装着は、前記FORSセンサが前記コネクタクリップ内に埋め込まれることを含む、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項6】
ドレープを更に備え、
前記コネクタクリップによる前記コネクタベースへの前記FORSセンサの前記装着は、前記ドレープが前記コネクタベースと前記コネクタクリップとの間に設置されることを含む、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項7】
前記コネクタベース及び前記コネクタクリップのうちの少なくとも1つと一体化されたドレープを更に備える、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項8】
外科手術器具を更に備え、
前記FORSセンサは、前記外科手術器具内に埋め込まれ、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記外科手術器具内への前記FORSセンサの埋め込みに基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項9】
外科手術器具を更に備え、
前記コネクタクリップは更に、前記外科手術器具に前記FORSセンサを取り外し可能に装着
前記ナビゲーションコントローラは更に前記コネクタクリップによる前記外科手術器具への前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項10】
外科手術器具と、
前記外科手術器具に前記FORSセンサを取り外し可能に装着する器具コネクタと
を更に備え、
前記ナビゲーションコントローラは更に前記器具コネクタによる前記外科手術器具への前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項11】
外科手術器具と、
補助FORSセンサであって、前記手術空間内の前記基準位置に対する前記補助FORSセンサの形状再構成の情報を与える補助感知データを生成する、補助FORSセンサと
を更に備え、
前記補助FORSセンサは、前記外科手術器具内に埋め込まれ、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記外科手術器具内への前記補助FORSセンサの埋め込みに基づき、前記補助FORSセンサによる前記補助感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項12】
外科手術器具と、
補助FORSセンサであって、前記手術空間内の前記基準位置に対する前記補助FORSセンサの形状再構成の情報を与える補助感知データを生成する、補助FORSセンサと
を更に備え、
前記コネクタクリップは更に、前記外科手術器具に前記補助FORSセンサを取り外し可能に装着
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記コネクタクリップによる前記外科手術器具への前記補助FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記補助FORSセンサによる前記補助感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項13】
外科手術器具と、
補助FORSセンサであって、前記手術空間内の前記基準位置に対する前記補助FORSセンサの形状再構成の情報を与える補助感知データを生成する、補助FORSセンサと、
前記外科手術器具に前記補助FORSセンサを取り外し可能に装着する器具コネクタと
を更に備え、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記器具コネクタによる前記外科手術器具への前記補助FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記補助FORSセンサによる前記補助感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項14】
前記基準位置は、前記X線透視イメージャへの前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記手術空間内において移動可能である、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、任意の種類のX線透視ベースの外科手術処置(例えば、脊椎の外科手術、外傷の外科手術、腫瘍及び神経外科)中のX線透視イメージャ及び外科手術ツールの追跡に関する。本開示は、詳細には、任意の種類のX線透視ベースの外科手術処置中にX線透視イメージャ及び外科手術ツールを追跡するための光ファイバリアルシェイプ(「FORS」:Fiber−Optical RealShape)センサの新規的で発明的な組み込みに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野において知られる1つの整形外科器具は、ガイド、アンカーとしての、又は骨の断片を安定化するためのKirschnerワイヤ(「kワイヤ」)である。より具体的には、kワイヤは、小さな直径(例えば、1〜5mm)を有し、一時的に又は恒久的に骨の中に詰め込まれる金属ワイヤである。kワイヤは、骨折を安定化するために、又は脊椎の固定のために、単独で又はカニューレを有するスクリューとともに利用される。kワイヤは、骨折の固定及び外傷の外科手術においても使用される。
【0003】
当技術分野において知られる別の整形外科器具は、ニードルのルーメン内に挿入可能な先細状の切削先端を有する筒状のニードルであるJamshidi(登録商標)ニードル(「jニードル」)である。jニードルの重要な特徴は、マレットで叩いてニードルを骨の中に挿入するために使用可能な平坦なハンドル面である。骨の中への挿入の後で、切削先端をルーメン内から取り出す際に、kワイヤ又は他のツールは、ニードルのルーメン内に挿入される。
【0004】
当技術分野において知られる例示的な椎弓根スクリュー設置は、概して、以下の、
(1)患者を横臥状態でテーブル上に配置するステップと、
(2)患者の椎弓根の良好な視像を取得するためにCアームを配置するステップと、
(3)患者の脊椎へアクセスするステップと、
(4)横突起と椎間関節複合体(facet complex)との間の接合部にjニードルをドッキングさせるステップと、
(5)フリーハンドで又はX線透視による可視化のもとで、マレットでjニードルを優しく叩いてjニードルを椎弓根を貫通して前進させるステップと、
(6)jニードルが椎体の深さの4分の1又は半分まで到達した際に、切削先端をjニードルのルーメンから取り出し、jニードルのルーメンにkワイヤを挿入するステップと、
(7)kワイヤを更に骨の中に通過させ、jニードルを取り出すステップと、
(8)カニューレを有する筋肉拡張器(muscle dilator)をkワイヤを覆うように設置するステップと、
(9)椎弓根を叩き、カニューレを有する適切なスクリューを設置するステップと
からなる。
【0005】
上記の脊椎固定術において、特には生体の神経及び血管に非常に近接しているので、脊椎の2つ以上の椎骨を融着させるために、スクリューを椎弓根内に正確に設置することが重要である。上述のように椎弓根スクリューをフリーハンドで設置する場合、高い確率で置き違い及び重大な破損が生じる。従って、整形外科のための画像誘導方式の外科手術が好ましい。
【0006】
詳細には、脊椎の外科手術において、撮像は、術前の計画及び評価のためと、術中の誘導(例えば、CT、MRI、X線透視、X線など)のためとの両方に使用される。術中のX線透視は、通常は、ドリル又はスクリューが所定位置に設置される前に、jニードル及び/又はkワイヤの配置を確認するために使用される。X線透視の欠点は、患者及び医師の両者に電離放射線を浴びせることであり、3次元(「3D」)位置を2次元(「2D」)投影として提供することである。従って、臨床医は、最も一般的には、当技術分野において知られるように、前後方向及び横方向の視像である垂直2DX線透視視像を取得することによって、患者及び医師への最小限の放射線被曝で3D透視図を得るように頻繁に試みることになる。そのような視像を単一の検知器Cアームを使用して取得するためには、アームを90度(90°)にわたって回転させることが必要である。これは、手術室内におけるワークフローの課題をもたらす。加えて、任意の時間ポイントにおいて、単一の検知器Cアームから1つの視像しか得られない。
【0007】
コンピュータ支援外科手術は、処置中に解剖学的構造に対するツールの3D誘導を提供するために、術前及び/又は術中撮像へのナビゲーションツールの追加を伴う。いくつかの整形外科処置(例えば、脊椎固定術及び椎弓根スクリュー設置)においては、典型的には、当技術分野において知られるように、ナビゲーション中に二面(bi−plane)視像を生むために使用可能な術前CT画像又は術中3DX線画像が存在する。そのような3D画像を使用するとき、いくらかのツール追跡及びレジストレーションなしには、ツールの位置及び向きに関するライブツール情報を画像内に入手することはできない。最も一般的には、光学的追跡が、患者の解剖学的構造に対するツール位置を追跡するために使用される。そのためには、光学的トラッカが作業器具に装着されることを必要とし、それらのトラッカは常にカメラの見通し線(camera line−of−sight)内にとどまっていなければならない。光学的追跡の利点は、単一のカメラが、同時に複数のトラッカとともに使用できることである。従って、複数の作業器具とCアームの位置とが追跡可能である。しかしながら、光学的追跡の1つの重大な欠点は、光学的トラッカが常にカメラの見通し線内にとどまっていなければならないことである。光学的追跡の別の欠点は、光学的トラッカは相当に大きく、従って、任意の整形外科器具の近位端部に装着されなければならないことである。これにより、近位に装着された光学的トラッカから先端位置を推論するための十分な剛性を欠いた小型で柔軟な整形外科器具(例えば、kワイヤ)を追跡する光学的トラッカの能力は制限される。
【0008】
整形外科により特有のことであるが、術中のX線透視画像はナビゲーションのために使用され、これらの画像は、必要な時に患者内又は患者の周りに配置可能で、他のときは患者から離れるように移動される移動式Cアームから導出される。移動式Cアームは、手術室における移動式Cアームの位置及び向きに関するリアルタイムの情報を提供するために備えられるものではなく、従って、移動式Cアームは、ナビゲーションを可能にするために患者及び器具に対して追跡されることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、外科手術処置中に手術空間内においてX線透視イメージャ及び外科手術器具を追跡するための光ファイバリアルシェイプ(「FORS」)センサを利用する発明を提供する。
【0010】
本開示の発明の目的のために、「光ファイバリアルシェイプ(「FORS」)センサ」という用語は、当技術分野において知られるように、光ファイバ内に発せられて光ファイバ内を伝播した光であって、伝播した光と反対の方向に光ファイバ内で反射された光、及び/又は伝播した光の方向に光ファイバから透過された光から導出される光ファイバの高密度応力測定を引き出すために構造的に構成された光ファイバを広範に包含する。
【0011】
FORSセンサの例としては、光周波数領域反射測定(OFDR:Optical Frequency Domain Reflectometry)の原理の下で、光ファイバ内に発せられて光ファイバ内を伝播した光であって、伝播した光と反対の方向に光ファイバ内で反射された光、及び/又は伝播した光の方向に光ファイバから透過された光から、光ファイバ内の制御された格子パターン(例えば、ファイバブラッグ格子)、光ファイバの特性後方散乱(例えば、レイリー後方散乱)又は光ファイバに埋め込まれ、エッチングされ、刻印され又は他の方法で形成された反射素子及び/又は透過素子の任意の他の配置を介して導出される光ファイバの高密度応力測定を引き出すために構造的に構成された光ファイバがあるが、これに限定されない。
【0012】
商業的及び学術的に、光ファイバリアルシェイプは、光学的形状感知(「OSS」:optical shape sensing)としても知られている。
【0013】
本開示の発明の目的のために、「外科手術処置」、「X線透視イメージャ」及び「外科手術器具」という用語は、本開示の技術分野において理解され、本明細書において例示的に説明される意味に解釈されるべきである。
【0014】
外科手術処置の一般的なカテゴリの例としては、心血管、婦人科学、腹部、神経外科学、産科学、眼科学、整形外科学、耳鼻咽喉学、再建、胸郭、及び泌尿器科学があるが、これらに限定されない。より具体的には、整形外科処置の例としては、脊椎の外科手術、関節/膝/股関節/肩/足首の置換、腱板(rotary cuff)の修復、ACL再建手術、外傷、及び関節鏡手術があるが、これらに限定されない。
【0015】
X線透視イメージャの例としては、患者の解剖学的構造のリアルタイムX線撮像のための固定式Cアーム及び移動式Cアームがあるが、これらに限定されない。
【0016】
外科手術ツールの形態の外科手術器具の例としては、メス、焼灼器、切除デバイス、ニードル、鉗子、kワイヤ及び関連するドライバ、内視鏡、突き錐、スクリュードライバ、骨刀、チゼル、マレット、キューレット、クランプ、ペリオステオム(periosteome)及びjニードルがあるが、これらに限定されない。
【0017】
移植可能な用具の形態の外科手術器具の例としては、ニードル、ピン、ネイル、スクリュー、及びプレートがあるが、これらに限定されない。
【0018】
本開示の発明の目的のために、「追跡する」という用語及びその任意の時制は、本開示の技術分野において理解され、本明細書において例示的に説明される意味に解釈されるべきである。
【0019】
本開示の発明の目的のために、「手術空間」という用語は、外科手術処置、特には患者の解剖学的構造に関連した外科手術処置が行われている部屋の任意のエリアを広範に包含する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示の発明の1つの形態は、FORSセンサと、ナビゲーションコントローラと、X線透視イメージャと、及びX線透視イメージャに接合される機械的コネクタとを用いたX線透視外科手術システムである。術中に、機械的コネクタは、X線透視イメージャにFORSセンサを取り外し可能に装着するために利用され、ナビゲーションコントローラは、手術空間内におけるX線透視イメージャの追跡を制御するために、手術空間内において固定的な又は移動可能な基準ポイントに対するFORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを処理する。
【0021】
本開示の発明の第2の形態は、外科手術器具を更に用いたX線透視外科手術システムであり、イメージャによる患者の解剖学的構造のX線透視撮像と同時に又はその後に、FORSセンサはその後X線透視イメージャから取り外されて外科手術器具に取り外し可能に装着されるか、又はFORSセンサは、X線透視イメージャ及び外科手術器具に、同時に取り外し可能に装着される。ナビゲーションコントローラは、手術空間内における外科手術器具の追跡を制御するために、手術空間内において固定的な又は移動可能な基準ポイントに対するFORSセンサの追加的形状再構成の情報を与える感知データを処理する。
【0022】
代替的に、FORSセンサは外科手術器具としての役割を果たしてよく、イメージャによる患者の解剖学的構造のX線透視撮像と同時に又はその後に、FORSセンサは、X線透視イメージャに取り外し可能に装着されたままになるか、又はX線透視イメージャから取り外される。ナビゲーションコントローラは、手術空間内における外科手術器具としての役割を果たすFORSセンサの追跡を制御するために、手術空間内において固定的な又は移動可能な基準ポイントに対するFORSセンサの追加的形状再構成の情報を与える感知データを処理する。
【0023】
本開示の発明の目的のために、「機械的コネクタ」という用語は、X線透視イメージャにFORSセンサを取り外し可能に装着するために構造的に構成され、それにより、X線透視イメージャ及びFORSセンサが同期して動きつつ互いに異なる別個の機械的動作を維持するような、当技術分野における任意のコネクタを広範に包含する。
【0024】
本開示の発明の目的のために、「接合する(adjoin)」という用語及びその任意の時制は、コンポーネント間の直接的な物理的接触又はコンポーネントの隣接した設置を伴うコンポーネントの任意の種類の恒久的又は取り外し可能な結合、接続、取り付け(affixing)、締め留め(clamping)、据え付け(mounting)などを広範に包含し、「取り外し可能に装着する(detachably attach)」という用語及びその時制は、コンポーネント間の直接的な物理的接触又はコンポーネントの隣接した設置を伴うコンポーネントの取り外し可能な接合を広範に包含する。
【0025】
本開示の発明の目的のために、「感知データ」及び「形状再構成」という用語は、本開示の技術分野において理解され、本明細書において例示的に説明される意味に解釈されるべきである。
【0026】
本開示の目的のために、「コントローラ」という用語は、本明細書において後述される本発明の様々な発明的な原理の適用を制御するためにワークステーション内に収容された又はワークステーションとリンクされた特定用途向けメインボード又は特定用途向け集積回路の全ての構造的構成を広範に包含する。コントローラの構造的構成は、プロセッサ、コンピュータが使用可能な/コンピュータが読み取り可能な記憶媒体、オペレーティングシステム、アプリケーションモジュール、周辺デバイスコントローラ、スロット、及びポートを含むが、これらに限定されない。
【0027】
本開示の目的のために、本明細書において「コントローラ」という用語のために使用される「ナビゲーション」というラベルは、識別の目的のために、ナビゲーションコントローラを本明細書において説明及び特許請求される他のコントローラから、「コントローラ」という用語にいかなる追加的な限定も規定したり、加えたりすることなく区別する。
【0028】
「ワークステーション」の例としては、クライアントコンピュータ、デスクトップ又はタブレットの形態の、1つ又は複数のコンピューティングデバイス、ディスプレイ/モニタ、及び1つ又は複数の入力デバイス(例えば、キーボード、ジョイスティック及びマウス)の組立体があるが、これに限定されない。
【0029】
本開示の目的のために、「アプリケーションモジュール」という用語は、特定のアプリケーションを実行するための、電子回路及び/又は実行可能なプログラム(例えば、実行可能なソフトウェア及びファームウェア)からなるワークステーションのコンポーネントを広範に包含する。
【0030】
本開示の発明の第3の形態は、(1)FORSセンサが、X線透視イメージャに取り外し可能に装着されるステップと、(2)FORSセンサが、X線透視イメージャへのFORSセンサの機械的装着に基づき、手術空間内において固定的な又は移動可能な基準位置に対するFORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成するステップと、(3)ナビゲーションコントローラが、X線透視イメージャへのFORSセンサの機械的装着に基づき、FORSセンサによって生成された感知データに応答して、手術空間内におけるX線透視イメージャの追跡を制御するステップと、(4a)FORSセンサが、X線透視イメージャから取り外されて外科手術器具に取り外し可能に装着されるか、又はFORSセンサが、X線透視イメージャ及び外科手術器具に、同時に取り外し可能に装着されるステップと、(5a)FORSセンサが、外科手術器具へのFORSセンサの機械的装着に基づき、手術空間内において固定的な基準位置に対するFORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成するステップと、(6a)ナビゲーションコントローラが、外科手術器具へのFORSセンサの機械的装着に基づき、FORSセンサによって生成された感知データに応答して、手術空間内における外科手術器具の追跡を制御するステップとを有するX線透視外科手術方法である。
【0031】
代替的に、当技術分野において知られるような外科手術器具の省略を鑑みると、方法は、(4b)FORSセンサが、X線透視イメージャから取り外されて外科手術器具としての役割を果たすか、又はFORSセンサが、X線透視イメージャに取り外し可能に装着されたまま外科手術器具としての役割を果たすステップと、(5b)FORSセンサが、FORSセンサが外科手術器具としての役割を果たすことに基づき、手術空間内において固定的な又は移動可能な基準位置に対するFORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成するステップと、(6b)ナビゲーションコントローラが、FORSセンサが外科手術器具としての役割を果たすことに基づき、FORSセンサによって生成された感知データに応答して、手術空間内におけるFORSセンサの追跡を制御するステップとを有する。
【0032】
本発明の前述の形態及び他の形態並びに本発明の様々な特徴及び利点は、添付の図面と関連して読まれる本発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明から更に明らかになるであろう。詳細な説明及び図面は本発明の単なる例示であって、限定的なものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の発明的な原理による、特には二面撮像のための、例示的なX線透視外科手術システムを示す図である。
図2A-2F】本開示の発明的な原理による、一体化された機械的コネクタを用いた図1のX線透視外科手術ナビゲーションの例示的な実施形態を示す図である。
図3A-3I】本開示の発明的な原理による、複数部品構成型の機械的コネクタを用いた図1のX線透視外科手術ナビゲーションの例示的な実施形態を示す図である。
図4】本発明の発明的な原理による、特にはX線透視撮像のための、例示的なX線透視外科手術システムを示す図である。
図5A-5B】本開示の発明的な原理による、FORSセンサの例示的な実施形態を示す図である。
図6A-6B】本開示の発明的な原理による、コネクタクリップの例示的な実施形態を示す図である。
図7A-7D】本開示の発明的な原理による、機械的コネクタとのドレープの一体化の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の発明は、X線透視イメージャ/外科手術器具と好ましくは単一のFORSセンサを使用した患者の解剖学的構造の術中撮像との間のレジストレーションを容易にするFORS感知ソリューションを提案する。レジストレーションは、FORSセンサを、画像取得フェーズ中には、取得されたX線透視画像が手術空間(例えば、患者座標フレーム)内においてレジストレーションされるようにX線透視イメージャに対して、及び器具ナビゲーションフェーズ中には、手術空間内において外科手術器具の位置及び向きを知ることができるように外科手術器具に対して、二者択一的に装着することによって達成可能である。
【0035】
本開示の様々な発明の理解を促進するために、図1についての以下の説明は、X線透視外科手術システムによる外科手術処置中のFORS感知の実施態様の基本的な発明的な原理を教示する。この説明から、当業者は、本開示のX線透視外科手術システム及び方法の追加的な実施形態を形成し、使用するために、どのように本開示の発明的な原理を適用するかを理解されよう。図1に図示される本開示のコンポーネントは、縮尺通りに描かれているのではなく、本開示の発明的な原理を概念的に視覚化するために描かれていることに留意されたい。
【0036】
図1を参照すると、本開示のX線透視外科手術システムは、手術空間20内において手術テーブル21上に横臥状態で横になっている患者23を伴う外科手術処置を実行するために、X線透視イメージャ30(例えば、図示されるような移動式Cアーム)と、FORSセンサ40と、機械的コネクタ50と、任意の種類の外科手術器具60と、ナビゲーションコントローラ70とを用いる。
【0037】
当技術分野において知られるように、X線透視イメージャ30は、概して、X線生成器31と、画像増幅器32と、X線透視イメージャ30を回転させるための鍔部33とを含む。術中に、X線透視イメージャ30は、患者23の解剖学的エリアのX線透視画像を示す撮像データ34を生成する。
【0038】
FORSセンサ40は、制御された格子パターン(例えば、ファイバブラッグ格子)、特性後方散乱(例えば、レイリー後方散乱)又は光ファイバに埋め込まれ、エッチングされ、刻印され又は他の方法で形成された反射素子及び/又は透過素子の任意の他の配置を有する光ファイバを含む。実際には、制御された格子、特性後方散乱又は反射/透過素子は、光ファイバの任意の部分又はその全体に延在してよい。同じく実際には、FORSセンサ40は、螺旋状の又は螺旋状でない1つ又は複数の、又は個別のファイバを含んでよい。
【0039】
実際には、FORSセンサ40の光ファイバは、部分的に又は全体的に、任意のガラス、シリカ、リン酸塩ガラス又は他のガラスで作られ、又は、ガラス及びプラスチック、プラスチック、又は光ファイバを形成するために使用される他の材料で作られる。手動又はロボット挿入によって患者の解剖学的構造内に導入されるときのFORSセンサ40への任意の損傷を防ぐために、FORSセンサ40の光ファイバは、医療デバイス(例えば、ガイドワイヤ又はカテーテル)内に埋め込まれ、又は保護スリーブによって恒久的に包囲される。実際には、保護スリーブは、ペバックス、ニチノール、分岐チューブ、撚り合わせ金属チューブを含むがそれらに限定されない、特定の硬さの任意の柔軟な材料から作られる。同じく実際には、保護スリーブは、重なり合う及び/又は連続的な配置の、同一の又は異なる程度の柔軟性及び硬さの2つ以上の管状のコンポーネントからなる。
【0040】
術中に、FORSセンサ40は、手術テーブル21のレール22Rに接合されるローンチ42から遠位方向に延在し、光ファイバ41は、ローンチ42から光結合器44に向かって近位方向に延在する。実際には、光ファイバ41は、ローンチ42においてFORSセンサ40に接続される別個の光ファイバであるか、又はFORSセンサ40の近位方向延長部である。
【0041】
当技術分野において知られるように、FORSコントローラ43は、光結合器44による光ファイバ41を介したFORSセンサ40内への発光を制御し、光はFORSセンサ40を通過してその遠位端部まで伝播し、手術空間20内において固定的な基準位置としての役割を果たすローンチ42に対するFORSセンサ40の形状再構成の情報を与える感知データ45を生成する。実際には、FORSセンサ40の遠位端部は、特には光を反射するFORSセンサ40の実施形態のためには閉塞され、又は、特には光を透過するFORSセンサ40の実施形態のためには開放されている。
【0042】
機械的コネクタ50は、図示されるようにX線生成器31において又は任意の他の適切な場所において、X線透視イメージャ30に接合され、本開示において更に説明されるように、X線透視イメージャ30にFORSセンサ40を取り外し可能に装着するために使用される。1つの実施形態において、機械的コネクタ50は、一体構成型のコネクタ50aである。代替的な実施形態において、機械的コネクタ50は、コネクタベース50bとコネクタクリップ50cとを含む複数部品構成型のコネクタである。
【0043】
術中に、機械的コネクタ50は、FORSセンサ40を、画像取得フェーズ中には、取得されたX線透視撮像データ34が手術空間20(例えば、患者座標フレーム)内においてレジストレーションされるようにX線透視イメージャ30に対して、及び器具ナビゲーションフェーズ中には、手術空間内において外科手術器具60の位置及び向きを知ることができるように外科手術器具60に対して、二者択一的に装着する。
【0044】
ナビゲーションコントローラ60は、モニタ81、キーボード82、及びコンピュータ83の既知の配置を含むワークステーション80内に設置される。
【0045】
ナビゲーションコントローラ70は、画像トラッカ71、器具トラッカ72、患者トラッカ73、及び外科手術アプリケーション74の形態のアプリケーションモジュールを含む。
【0046】
FORSセンサ40が機械的コネクタ50を介してX線透視イメージャ30に装着された状態で、画像トラッカ71は、当技術分野において知られるようにX線透視イメージャ30に対する機械的コネクタ50a又はコネクタベース50bのキャリブレーションに基づき、当技術分野において知られるようにFORSセンサ40の形状再構成から導出される、手術空間20内におけるX線透視イメージャ30の位置及び向きを追跡する。
【0047】
FORSセンサ40が機械的コネクタ又は他の手段を介して外科手術器具60に装着された状態で、又は代替的に外科手術器具60に埋め込まれた状態で、器具トラッカ72は、当技術分野において知られるように外科手術器具60に対するFORSセンサ40のキャリブレーションに基づき、当技術分野において知られるようにFORSセンサ40の形状再構成から導出される、手術空間20内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0048】
実際には、外科手術器具60が省略され得、これに限定されるわけではないがガイドワイヤとしての役割を果たすFORSセンサ40など、FORSセンサ40が追加的に外科手術器具としての役割を果たす。そのような実施形態については、器具トラッカ72は、当技術分野において知られるようにFORSセンサ40の形状再構成から導出される、手術空間20内における外科手術器具としての役割を果たすFORSセンサ40の位置及び向きを追跡する。
【0049】
FORSセンサ40が任意の実行可能な手段によって患者23に装着された状態で、患者トラッカ73は、当技術分野において知られるようにFORSセンサの患者の解剖学的構造23に対するキャリブレーションに基づき、当技術分野において知られるようにFORSセンサ40の形状再構成から導出される、手術空間20内における患者23の運動を追跡する。
【0050】
外科手術アプリケーション74は、患者23内の外科手術器具60及びそれに装着されたツールの軌道及び位置決めを計画する画像計画アプリケーション、及びX線透視画像及び/又は手術画像(例えば、図示されているようなモニタ81によって表示される二面X線画像84及び85)上への外科手術器具60の重畳を表示するための画像誘導アプリケーションを含むがこれらに限定されない、外科手術処置を実施するための1つ又は複数の既知のアプリケーションを含む。手術画像の例としては、術前及び/又は術中のCT、MRI又はX線画像があるが、これらに限定されない。
【0051】
なおも図1を参照すると、本開示の様々な発明の理解を更に促進するために、図2A図2Fについての以下の説明は、機械的コネクタ50a(図1)を組み込んだX線透視外科手術システムによる外科手術処置中のFORS感知の実施態様の基本的な発明的な原理を教示する。この説明から、当業者は、機械的コネクタ50aを組み込んだ本開示のX線透視外科手術システム及び方法の追加的な実施形態を形成し、使用するために、どのように本開示の発明的な原理を適用するかを理解されよう。図2A図2Fに図示される本開示のコンポーネントは、縮尺通りに描かれているのではなく、本開示の発明的な原理を概念的に視覚化するために描かれていることに留意されたい。
【0052】
図2Aを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、機械的コネクタ50a内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76aから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0053】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、X線透視イメージャ30からのFORSセンサ40aの取り外し及び外科手術器具60内へのFORSセンサ40aの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0054】
図2Bを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、機械的コネクタ50aを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成76bから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0055】
FORSセンサ40bは、FORSセンサ40aの長尺バージョンである(図2B)。そのため、続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、機械的コネクタ50aを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの装着を維持しつつ、外科手術器具60内へのFORSセンサ40bの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成78bから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0056】
図2Cを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、機械的コネクタ50a内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76aから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0057】
実際には、外科手術器具60は、ルーメンを有して構成されなくてもよく、又は本開示のFORSセンサ40のために使用可能な追加的なルーメンを有さなくてもよい。そのため、FORSセンサ40のためのルーメンを有する器具コネクタ61が、外科手術器具60内に一体化され得(例えば、器具コネクタ61は、外科手術器具60のコンポーネントとして製造され、又は外科手術器具60に恒久的に固定される)、又は外科手術器具60に(例えば、外科手術器具60の適切なコンポーネントへの取り外し可能なプレス嵌め又は磁気的締め付けによって)後付けされ得る。
【0058】
器具コネクタ61に基づき、続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、X線透視イメージャ30からのFORSセンサ40aの取り外し及び外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内へのFORSセンサ40aの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0059】
図2Dを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、機械的コネクタ50aを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成76bから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0060】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、機械的コネクタ50aを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの装着を維持しつつ、外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内へのFORSセンサ40bの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成78bから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0061】
図2Eを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、機械的コネクタ50a内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76aから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0062】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、機械的コネクタ50aを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの装着を維持しつつ、外科手術器具60内への補助FORSセンサ46の埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着された補助FORSセンサ46の形状再構成78cから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0063】
図2Fを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、機械的コネクタ50a内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76aから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0064】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、機械的コネクタ50aを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの装着を維持しつつ、外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内への補助FORSセンサ46の埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着された補助FORSセンサ46の形状再構成78cから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0065】
再び図1を参照すると、本開示の様々な発明の理解を更に促進するために、図3A図3Iについての以下の説明は、コネクタベース50b(図1)とコネクタクリップ50c(図1)とを含む機械的コネクタを組み込んだX線透視外科手術システムによる外科手術処置中のFORS感知の実施態様の基本的な発明的な原理を教示する。この説明から、当業者は、コネクタベース50bとコネクタクリップ50cとを組み込んだ本開示のX線透視外科手術システム及び方法の追加的な実施形態を形成し、使用するために、どのように本開示の発明的な原理を適用するかを理解されよう。図3A図3Iに図示される本開示のコンポーネントは、縮尺通りに描かれているのではなく、本開示の発明的な原理を概念的に視覚化するために描かれていることに留意されたい。
【0066】
図3A図3Iを参照すると、コネクタベース50bはX線透視イメージャ30に接合され、コネクタクリップ50cはコネクタベース50bに取り外し可能に装着可能である。
【0067】
図3Aを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50c内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76cから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0068】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタベース50bからのコネクタクリップ50cの取り外し及び外科手術器具60内へのコネクタベース50bのクリップ、締め付け又は他のやり方での接続を伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0069】
図3Bを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50cを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成76dから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0070】
本明細書において既に述べられたように、FORSセンサ40bは、FORSセンサ40aの長尺バージョンである(図3A)。そのため、続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタベース50bからのコネクタクリップ50cの取り外し及び外科手術器具60内へのFORSセンサ40bの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成78cから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0071】
図3Cを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50cを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成76cから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0072】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタベース50bからのコネクタクリップ50cの取り外し及び外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内へのFORSセンサ40bの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成78cから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0073】
図3Dを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50c内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76cから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0074】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタクリップ50cからのFORSセンサ40aの取り出し及び外科手術器具60を貫通したFORSセンサ40aの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0075】
図3Eを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50cを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成76dから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0076】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタクリップ50cを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを維持しつつ、外科手術器具60内へのFORSセンサ40bの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成78dから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0077】
図3Fを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50c内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76cから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0078】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタクリップ50cからのFORSセンサ40aの取り出し及び外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内へのFORSセンサ40aの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0079】
図3Gを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50cを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40bの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成76dから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0080】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタクリップ50cを貫通したFORSセンサ40bの埋め込みを維持しつつ、外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内へのFORSセンサ40bの埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着されたFORSセンサ40bの形状再構成78dから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0081】
図3Hを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50c内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76dから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0082】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタクリップ50c内へのFORSセンサ40aの埋め込みを維持しつつ、外科手術器具60内への補助FORSセンサ46の埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着された補助FORSセンサ46の形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0083】
図3Iを参照すると、示された外科手術処置の画像取得フェーズは、コネクタクリップ50c内へのFORSセンサ40aの埋め込みを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの取り外し可能な装着を伴う。これに先立ち、これと同時に、又はこれに続いて、画像取得フェーズは、X線透視イメージャ30によるX線35の射出を更に伴う。画像トラッカ71は、X線透視イメージャ30に装着されたFORSセンサ40aの形状再構成76aから導出される、手術空間20の座標系75(例えば、患者座標系)内における結果的なX線透視画像77の位置及び向きを追跡する。
【0084】
続く外科手術処置の器具ナビゲーションフェーズは、コネクタクリップ50cを介したX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40aの装着を維持しつつ、外科手術器具60にクリップ、締め付け又は他のやり方で接続された器具コネクタ61内への補助FORSセンサ46の埋め込みを伴う。器具トラッカ72は、外科手術器具60に装着された補助FORSセンサ46の形状再構成78aから導出される、手術空間20の座標系75内における外科手術器具60の位置及び向きを追跡する。
【0085】
再び図1を参照すると、本開示のX線透視イメージャ30、FORSセンサ40及び機械的コネクタ50は、二面画像84及び85によって図示されるように、二面撮像に殊に適しているものとして説明されているが、実際には、X線透視イメージャ30、FORSセンサ40及び機械的コネクタ50は、単一のX線透視撮像にも適している。このために、図1に図示されるように、手術空間20内に固定的な基準ポイントを確立するために、ローンチ42がやはり利用され、又は代替的に、図4に図示されるように、ローンチ42は省略され、光ファイバ41は、(機械的コネクタ50aの形態の、又はコネクタベース50b及びコネクタクリップ50cの形態の)機械的コネクタ50から光結合器44へと近位方向に延在する。
【0086】
図4を参照すると、FORSセンサ40は、機械的コネクタ50から遠位方向に延在し、機械的コネクタ50が、X線透視イメージャ30の任意の運動と同期して移動可能な手術空間20内の基準ポイントとしての役割を果たし、又は代替的に、基準ポイントは、X線透視イメージャ30の固定的な場所(例えば、図示される固定的な場所47)に確立される。加えて、X線透視イメージャ30と外科手術器具60との間の空間的関係を追跡する目的で、本明細書において前述された本開示の発明的な原理によって、FORSセンサ40は、外科手術器具60又は器具コネクタ(不図示)に埋め込まれ又は他のやり方で装着される。X線透視イメージャ30と外科手術器具60との間の空間的関係の追跡は、画像誘導アプリケーションによる、X線透視画像(例えば、図示されているようなモニタ81によって表示されるX線透視画像86)上への外科手術器具60の重畳の表示を容易にする。
【0087】
図1及び図4を参照すると、本開示の様々な発明の理解を更に促進するために、図5A図5B図6A及び図6Bについての以下の説明は、機械的コネクタ50a、コネクタクリップ50c及び外科手術器具60並びに器具コネクタ61(図2C)内への又はそれらを貫通してのFORSセンサ40の埋め込みを組み込んだX線透視外科手術システムによる外科手術処置中のFORS感知の実施態様の基本的な発明的な原理を教示する。この説明から、当業者は、FORSセンサ40のそのような埋め込みを組み込んだ本開示のX線透視外科手術システム及び方法の追加的な実施形態を形成し、使用するために、どのように本開示の発明的な原理を適用するかを理解されよう。図5A図5B図6A及び図6Bに図示される本開示のコンポーネントは、縮尺通りに描かれているのではなく、本開示の発明的な原理を概念的に視覚化するために描かれていることに留意されたい。
【0088】
図5Aを参照すると、FORSセンサ40は、ローンチ42から遠位方向に延在し、オブジェクト90のルーメン91内に挿入可能(I)及びそこから後退可能(R)であるような大きさの直径を有し、オブジェクト90は、機械的コネクタ50a(図1)、外科手術器具60(図1)及び器具コネクタ61(図2C)を表す。実際には、オブジェクト90のルーメン91内への挿入に際して、FORSセンサ40の意図される追跡用途に応じて、FORSセンサ40は、オブジェクト90のルーメン91を部分的に又は全体的に占有し、又はオブジェクト90のルーメン91を貫通してその外まで延在する。
【0089】
図5Bを参照すると、FORSセンサ40は、ローンチ42から遠位方向に延在し、オブジェクト92のルーメン93内に挿入可能(I)及びそこから後退可能(R)であるような大きさの直径を有し、オブジェクト92は、コネクタクリップ50c(図1)を表す。オブジェクト92は、オブジェクト94に装着可能(A)及びそこから取り外し可能(D)であり、オブジェクト94は、コネクタベース50b(図1)及び外科手術器具60(図1)を表す。実際には、オブジェクト92のルーメン93内への挿入に際して、FORSセンサ40の意図される追跡用途に応じて、FORSセンサ40は、オブジェクト92のルーメン93を部分的に又は全体的に占有し、又はオブジェクト92のルーメン93を貫通してその外まで延在する。
【0090】
図6Aを参照すると、機械的コネクタ50a(図1)又はコネクタクリップ50c(図1)は、クリップ100aとして具現化され、クリップ100aは、クリップ100a内へのFORSセンサ40の摩擦嵌合式の挿入及び後退のための、又は代替的にクリップ100a内へのFORSセンサ40の恒久的な埋め込みのための半楕円形のルーメン101aを有する。ルーメン101aは、クリップ100aを貫通したFORSセンサ40の摩擦嵌合式の挿入及び後退のための延長部101bを有してもよい。
【0091】
図6Bを参照すると、機械的コネクタ50a(図1)又はコネクタクリップ50c(図1)は、クリップ100bとして具現化され、クリップ100bは、クリップ100b内へのFORSセンサの挿入及び後退のためのルーメン102aと、FORSセンサ40をルーメン102a内に一時的に又は恒久的に固定するために、ルーメン102aと交差するチャンネル102を貫通して延在するスクリュー104とを有する。ルーメン102aは、クリップ100bを貫通したFORSセンサ40の摩擦嵌合式の挿入及び後退のための延長部102bを有してもよい。
【0092】
再び図1及び図4を参照すると、実際には、本開示のX線透視外科手術システムは、典型的には、無菌ドレープによって覆われており、本開示の装着方法は、ドレープの存在を考慮可能でなければならず、しかもなおX線透視イメージャ30へのFORSセンサ40の反復的な装着を促進しなければならない。図7A図7Dは、ドレープの組み込みに対処する本開示の例示的な実施形態を示す。
【0093】
図7Aを参照すると、図示されるように、無菌ドレープ110は機械的コネクタ50aと一体化される。この実施形態については、機械的コネクタ50aは、無菌のものでなければならず、又は外科手術処置間に滅菌されなければならない。
【0094】
図7Bを参照すると、図示されるように、無菌ドレープ110はコネクタベース50bと一体化される。この実施形態については、コネクタベース50b及びコネクタクリップ50cは、無菌のものでなければならず、又は外科手術処置間に滅菌されなければならない。
【0095】
図7Cを参照すると、図示されるように、無菌ドレープ110はコネクタクリップ50cと一体化される。この実施形態については、コネクタクリップ50cは、無菌のものでなければならず、又は外科手術処置間に滅菌されなければならない。
【0096】
図7Dを参照すると、図示されるように、無菌ドレープ110はコネクタベース50bとコネクタクリップ50cとの間に設置され、無菌ドレープ110は、コネクタベース50bへのコネクタクリップ50cの装着によって穴を開けられても開けられなくてもよい。この実施形態については、コネクタクリップ50cは、無菌のものでなければならず、又は外科手術処置間に滅菌されなければならない。
【0097】
次に、本明細書において、レジストレーションフェーズ、キャリブレーションフェーズ、及び追跡フェーズを含むX線透視外科手術システムの例示的なワークフローが、図3Aのコンテキストにおいて説明される。この説明から、当業者は、更なるワークフロー実施形態に、どのように本開示の発明的な原理を適用するかを理解されよう。より具体的には、実際には、本開示のワークフロー実施形態は、全てのコンポーネントについてレジストレーションフェーズ及びキャリブレーションフェーズを必要とするものではない。例えば、本開示の様々な発明の利点の1つは、X線透視イメージャ30及びFORSセンサ40が、手術空間20内のローンチ42又は任意の他の固定的な基準位置の使用を通じて、互いに対して自動的にレジストレーションされることである。加えて、実際には、X線透視イメージャ30と機械的コネクタ50との間のキャリブレーションは、典型的には必要とされず、もしも2つ以上のFORSセンサが用いられるなら、FORSセンサは、当技術分野において知られる多くのレジストレーション技術のうちの1つによって、互いに対してレジストレーションされる。
【0098】
レジストレーションフェーズ(FORSセンサ40):システムのユーザは、当技術分野において知られるように、光結合器44へのFORSセンサ40の結合を介してX線透視外科手術システムをセットアップし、手術テーブル21のレール22Rにローンチ42を装着する。続いてユーザは、FORSセンサ40のローンチ位置又はローンチ42から遠位方向に離間したFORSセンサ40の別のレジストレーション位置を、患者の解剖学的構造23の術前画像にレジストレーションするために、必要に応じて、キーボード82を介してナビゲーションコントローラ70のレジストレーションモジュール(不図示)を作動させる。実際には、レジストレーションモジュールによって任意の知られた適用可能なレジストレーション技術が実行される。
【0099】
キャリブレーションフェーズ(FORSセンサ40/機械的コネクタ50):X線透視外科手術システムのユーザは、本明細書において前述されたように、コネクタクリップ50c内への又はそこを貫通してのFORSセンサ40の挿入を介して、X線透視イメージャ30にFORSセンサ40をしっかりと装着する。続いてユーザは、FORSセンサ40をX線透視イメージャ30に対してキャリブレーションするために、必要に応じて、キーボード82を介してナビゲーションコントローラ70のキャリブレーションモジュール(不図示)を作動させる。
【0100】
より具体的には、キャリブレーションは、FORSセンサ40とコネクタクリップ50cとの間の強固な関係を前提としている。そのため、実際には、FORSセンサ40及びX線透視イメージャ30をキャリブレーションするために、任意の知られた適用可能なキャリブレーション技術が実行される。
【0101】
知られたキャリブレーション技術に変わって、本開示は、本開示のコネクタクリップ50cに固有のルーメン形状によるコネクタクリップ50cの自動的な検知及びキャリブレーションを伴うキャリブレーション技術を提供する。詳細には、FORSセンサ40がコネクタクリップ50cのルーメン内に又はそこを貫通して挿入されると、ナビゲーションコントローラ70のキャリブレーションモジュールは、FORSセンサ40の形状再構成の1つ又は複数の形状パラメータ(曲率、位置、向き、軸歪みなど)に基づいて、X線透視イメージャ30を自動的に検知する。
【0102】
追跡フェーズ(X線透視イメージャ30):FORSセンサ40のレジストレーション及びX線透視イメージャ30に対するFORSセンサ40のキャリブレーションが完了すると、イメージャトラッカ71は、当技術分野において知られるように、FORSセンサ40の形状再構成から導出される、手術空間20内におけるX線透視イメージャ30の位置及び向きの追跡を制御する。実際には、X線透視イメージャ30のための追跡フェーズは、X線透視イメージャ30が患者の解剖学的構造23に対して回転されるたびに実施される。
【0103】
キャリブレーションフェーズ(FORSセンサ40/外科手術器具60):X線透視外科手術システムのユーザは、コネクタベース50bからコネクタクリップ50cを取り外し、外科手術器具60にコネクタクリップ50cを装着する。続いてユーザは、FORSセンサ40を外科手術器具60に対してキャリブレーションするために、必要に応じて、キーボード112を介してキャリブレーションモジュール112を作動させる。続いてユーザは、FORSセンサ40を外科手術器具60に対してキャリブレーションするために、必要に応じて、キーボード82を介してナビゲーションコントローラ70のキャリブレーションモジュール(不図示)を作動させる。より具体的には、キャリブレーションは、FORSセンサ40と外科手術器具60との間の強固な関係を前提としている。そのため、実際には、FORSセンサ40及びX線透視イメージャ30をキャリブレーションするために、任意の知られた適用可能なキャリブレーション技術が実行される。
【0104】
追跡フェーズ(外科手術器具60)。FORSセンサ40のレジストレーション及び外科手術器具60に対するFORSセンサ40のキャリブレーションが完了すると、器具トラッカ72は、当技術分野において知られるように、FORSセンサ40の形状再構成から導出される、手術空間20内における外科手術器具60の位置及び向きの追跡を制御する。
【0105】
実際には、画像誘導が実施されて、外科手術器具60がデータベースから選択され、次いで外科手術器具60のモデルが、FORSセンサ40の形状感知位置及び向きに基づいて、表示される。
【0106】
同じく実際には、撮像誘導のための追跡精度は、所望の通りに改善される。
【0107】
例えば、画像ベースの改善は、システムのユーザが、画像重畳における外科手術器具60の先端部を特定することを伴い、それによりFORSセンサ40の遠位端部と外科手術器具60との間の距離が測定され、次いでFORSセンサ40の形状を適切な量だけ外挿するために使用される。もしも外科手術器具60の長手方向のものではない著しい誤差があるなら、この誤差は検知され、ユーザに特定される。
【0108】
更なる例によって、キャリブレーション前に、ユーザはコネクタクリップ50cを、ローンチ60の特定の位置(又は別の既知の位置)に設置し、この既知の位置とFORSセンサ40の遠位端部の測定位置との間の距離が計算される。もしもFORSセンサ40の遠位端部の長手方向のものではない著しい誤差があるなら、この誤差は検知され、ユーザに特定される。
【0109】
更なる例によって、FORSセンサ40の先端部とFORSセンサ40の先端部の測定値との間の長手方向のオフセットを判定するための知られた技術の実行は、ユーザによってピボット固定を通じて実施される。
【0110】
図1図7を参照すると、移動式Cアームを使用した典型的な整形外科ワークフローへのFORS感知の統合に特有のいくつかの課題の克服を含むがそれらに限定されない本発明の多くの利点を、当業者は理解されよう。特には、本開示のソリューションは、単一のFORSセンサの好ましい使用を提案し、このことはいくつかの理由で有益である。
【0111】
第1に、複数の作動状態のFORSセンサの使用は、追加的なコストがかかる。本開示は複数の作動状態のFORSセンサにも適用可能であるが、本開示のソリューションは、処置中に単一のFORSセンサだけが使用されることを可能にする。
【0112】
第2に、単一のFORSセンサは、複雑さを減じ、ワークフローを向上させ、ワークスペースにおける乱雑さを減少させる。
【0113】
第3に、単一のFORSセンサは、室内の停止した位置に固定されるので、撮像とナビゲーションとの間のシームレスなレジストレーションが提供される。
【0114】
最後に、処置のワークフローは、しばしば、Cアームを患者から離れるように移動して、より良好なアクセスを提供することを伴う。本開示のソリューションは、このワークフローを容易にする。
【0115】
更に、本明細書において提供される教示に鑑みて、当業者は理解されようが、本開示/明細書において説明され及び/又は図面において描かれた特徴、要素、コンポーネントなどは、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組み合わせにおいて実施され得、単一の要素又は複数の要素において組み合わせられ得る機能を提供する。例えば、図面において図示され/示され/描かれた様々な特徴、要素、コンポーネントなどの機能は、専用のハードウェアの使用、及び追加的な機能性のための適切なソフトウェアと関連したソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通じて提供され得る。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有されたプロセッサによって、又はそのうちのいくつかが共有及び/又は多重化され得る複数の個別のプロセッサによって提供され得る。更には、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、限定的ではないが、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、メモリ(例えば、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性記憶装置など)及びプロセスを実行及び/又は制御することが可能な(及び/又はそのように構成可能な)事実上いかなる手段及び/又はマシン(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、それらの組み合わせなどを含む)も暗示的に含み得る。
【0116】
更には、本発明の原理、態様、及び実施形態並びにそれらの特定の例を列挙する本明細書における全ての記述は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような均等物は現在知られている均等物及び将来的に開発される均等物(例えば、構造に関わらず同一の又は実質的に同様の機能を実施し得る、開発される任意の要素)の両方を含むことが意図される。従って、例えば、本明細書において提供される教示に鑑みて、本明細書において提示される任意のブロック図は、本発明の原理を具現化する例示的なシステムコンポーネント及び/又は回路の概念図を表現し得ることが、当業者には理解されよう。同様に、本明細書において提供される教示に鑑みて、任意のフローチャート、フロー図などは、コンピュータ可読記憶媒体において実質的に表現され得、コンピュータ、プロセッサ又は処理能力を有する他のデバイスによってそのように実行され得る様々なプロセスを、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に図示されているか否かに関わらず、表現し得ることを当業者は理解するはずである。
【0117】
新規的で発明的なX線透視ベースの外科手術処置のための光ファイバリアルシェイプ感知の好ましい、例示的な実施形態が説明されたが(これらの実施形態は例示的なものであると意図され、限定的であることを意図されない)、図面を含む本明細書において提供される教示に照らして、修正及び変形が当業者によってなされ得ることに留意されたい。従って、本明細書において開示される実施形態の範囲内にある本開示の好ましい、例示的な実施形態において/に対して、変更がなされ得ることを理解されたい。
【0118】
更には、本開示によるデバイス/システムなどを組み込んだ及び/又は実現する対応する及び/又は関連するシステム、又は本開示によるデバイスにおいて/デバイスとともに使用/実現され得るものなども、本発明の範囲内にあるものと想定され、考えられることが、想定される。更に、本開示によるデバイス及び/又はシステムを製造及び/又は使用するための対応する及び/又は関連する方法も、本発明の範囲内にあるものと想定され、考えられる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D