【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成を有し、0〜300℃の温度範囲に亘り約110×10
-7/℃から約130×10
-7/℃の範囲にある熱膨張係数を有するガラス物品が提供される。
【0006】
第1の態様による第2の態様において、前記アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成は、
約47モル%から約55モル%のSiO
2、
約5モル%から約11モル%のAl
2O
3、
約12モル%から約18モル%のNa
2O、
約5モル%から約11モル%のK
2O、
約13モル%から約21モル%のCaO、および
0モル%から約0.4モル%のMgO、
を含むことがある。
【0007】
第1の態様による第3の態様において、前記アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成は、
約48モル%から約54モル%のSiO
2、
約6モル%から約10モル%のAl
2O
3、
約13モル%から約17モル%のNa
2O、
約6モル%から約10モル%のK
2O、
約15モル%から約19モル%のCaO、および
約0.05モル%から約0.3モル%のMgO、
を含むことがある。
【0008】
第1から第3の態様のいずれか1つによる第4の態様において、前記CTEは、0〜300℃の温度範囲に亘り約115×10
-7/℃から約130×10
-7/℃の範囲にある。
【0009】
第1から第3の態様のいずれか1つによる第5の態様において、前記CTEは、0〜300℃の温度範囲に亘り約120×10
-7/℃から約130×10
-7/℃の範囲にある。
【0010】
第1から第5の態様のいずれか1つによる第6の態様において、前記アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成は約1モル%未満のSnO
2を含む。
【0011】
第1から第6の態様のいずれか1つによる第7の態様において、前記アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成のアルカリ成分は、Na
2O、K
2O、またはそれらの組合せである。
【0012】
第1から第7の態様のいずれか1つによる第8の態様において、前記物品は基板である。
【0013】
第1から第7の態様のいずれか1つによる第9の態様において、前記物品はキャップである。
【0014】
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたような実施の形態を実施することによって認識されるであろう。
【0015】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、例示に過ぎず、請求項の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する目的であることが理解されよう。添付図面は、さらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施の形態を示しており、説明と共に、様々な実施の形態の原理および作動を説明する働きをする。
【0016】
以下の記載は、実現できる教示として与えられている。その目的のために、当業者は、有益な結果を得ながら、ここに記載された様々な実施の形態に多くの変更を行えることを認識し、理解するであろう。特徴のいくつかを選択し、他の特徴の利用せずに、所望の利益のいくつかが得られることも明白であろう。したがって、当業者は、本実施の形態に対する多くの改変および適用が、可能であり、特定の状況においては望ましくさえあり得、本記載の一部であることを認識するであろう。それゆえ、以下の記載は、説明として与えられ、制限と考えるべきではない。
【0017】
CTEが0〜300℃の温度範囲に亘り約110×10
-7/℃以上である、アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成を有するガラス物品がここに開示されている。
【0018】
いくつかの実施の形態において、そのガラスは、SiO
2、Al
2O
3、Na
2O、K
2O、CaO、およびMgOを含むことがある。その組成における異なる酸化物の量の間の相互作用は、以下に限られないが、CTE、化学的耐久性、溶融温度、成形温度、誘電的挙動および耐候特性を含むガラス物品の性質に影響を与える。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、酸化物基準で、
約47モル%から約55モル%のSiO
2、
約5モル%から約11モル%のAl
2O
3、
約12モル%から約18モル%のNa
2O、
約5モル%から約11モル%のK
2O、
約13モル%から約21モル%のCaO、および
0モル%から約0.4モル%のMgO、
を含むことがある。
【0019】
他の実施の形態において、そのガラスは、酸化物基準で、
約48モル%から約54モル%のSiO
2、
約6モル%から約10モル%のAl
2O
3、
約13モル%から約17モル%のNa
2O、
約6モル%から約10モル%のK
2O、
約15モル%から約19モル%のCaO、および
約0.05モル%から約0.3モル%のMgO、
を含むことがある。
【0020】
いくつかの実施の形態において、SiO
2は主要ガラス形成剤として使用されることがある。SiO
2の含有量を増加させると、一般に、化学的耐久性が改善されるが、ガラスの溶融温度と成形温度が上昇してしまう。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の組成は、約47モル%から約55モル%または約48モル%から約54モル%のSiO
2を有することがある。
【0021】
Al
2O
3の含有量は、Al
2O
3の含有量を増加させると、化学的耐久性が増すが、CTEが低下し、溶融温度と成形温度が上昇するという点で、ガラスの性質に影響を与え得る。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の組成は、約5モル%から約11モル%または約6モル%から約10モル%のAl
2O
3を有することがある。
【0022】
Na
2OおよびK
2Oなどからのアルカリ金属含有量は、そのアルカリ金属含有量が増加すると、CTEが上昇するという点で、ガラスのCTEに影響を与える。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の組成は、約12モル%から約18モル%または約13モル%から約17モル%のNa
2Oを有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の組成は、約5モル%から約11モル%または約6モル%から約10モル%のK
2Oを有することがある。いくつかの実施の形態において、バリウムなどの毒性アルカリは、そのガラスに含まれない。このように、いくつかの実施の形態において、前記アルカリ・アルカリ土類・アルミノ
・ケイ酸塩組成のアルカリ成分は、Na
2O、K
2O、またはその組合せである。
【0023】
CaOおよびMgOなどからのアルカリ土類金属が、アルカリ移動度を制限し、高温でガラス溶融物を溶かして、化学的耐久性を向上させるために添加されることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の組成は、約13モル%から約21モル%または約15モル%から約19モル%のCaOを有することがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の組成は、0モル%から約0.4モル%または約0.05モル%から約0.3モル%のMgOを有することがある。
【0024】
いくつかの実施の形態において、そのガラス物品は、清澄剤、例えば、SnO
2も含むことがある。そのような実施の形態において、そのガラス物品の組成は、約1モル%未満または約0.5モル%未満のSnO
2を有することがある。
【0025】
いくつかの実施の形態において、そのガラス物品のCTEは、0〜300℃の温度範囲に亘り、約110×10
-7/℃から約130×10
-7/℃、約110×10
-7/℃から約125×10
-7/℃、約110×10
-7/℃から約120×10
-7/℃、約110×10
-7/℃から約115×10
-7/℃、約115×10
-7/℃から約130×10
-7/℃、約115×10
-7/℃から約125×10
-7/℃、約115×10
-7/℃から約120×10
-7/℃、約120×10
-7/℃から約130×10
-7/℃、約120×10
-7/℃から約125×10
-7/℃、または約125×10
-7/℃から約130×10
-7/℃の範囲にあることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラスのCTEは、0〜300℃の温度範囲に亘り、約110×10
-7/℃以上、約115×10
-7/℃以上、約120×10
-7/℃以上、または約125×10
-7/℃以上であることがある。そのCTEは、ASTM E228−11にしたがってプッシュ・ロッド膨脹計を使用して測定することができる。
【0026】
いくつかの実施の形態において、そのガラス物品は化学的耐久性である。化学的耐久性は、酸耐久性または塩基耐久性について測定することができる。酸耐久性は、24時間に亘り95℃で5質量%のHCl溶液に曝されたガラス物品に対する質量損失の測定に関して測定されることがある。塩基耐久性は、6時間に亘り95℃で5質量%のNaOHに曝されたガラス物品に対する質量損失の測定に関して測定されることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の酸耐久性は、約0.02mg/cm
2未満の質量損失である。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品の塩基耐久性は、約0.3mg/cm
2未満の質量損失である。
【0027】
いくつかの実施の形態において、そのガラス物品は、許容できる耐候特性を有する。耐候特性は、72時間に亘り60℃および90%の相対湿度に保持された湿度室内でガラス物品を暴露することによって決定されることがある。許容できる耐候特性を有するガラスは、比較的少ない汚点および最小のヘイズを有する。
【0028】
そのガラス物品は様々な形態に製造できる。例えば、そのガラス物品は、正方形、矩形、またはウェハーの形状の平らな基板であることがある。また、例えば、そのガラス物品は、所望の形状、例えば、キャップまたは湾曲形状に、成形、機械加工、または研磨されることがある。