(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カーボンファイバー成分が、平均長さ10〜2500μmのカーボンファイバーを、(A)のポリシロキサンをベースとする組成物の重量を基準として、10〜150%含む、請求項1に記載の硬化性有機ケイ素組成物。
平均長さ10μm〜600μmのカーボンファイバーと平均長さ600μm超〜5000μm、好ましくは800μm超〜3500μm、より一層好ましくは800μm超〜2500μmのカーボンファイバーとの間の長さの差が100〜4000μm、好ましくは150〜3000μm、より一層好ましくは300〜2500μm、さらにより一層好ましくは500〜2000μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性有機ケイ素組成物。
金属粉末フィラー等のカーボンファイバー以外のフィラーを(A)のポリシロキサンをベースとする組成物の重量を基準として150%以下、好ましくは100%以下、より一層好ましくは50%以下、特に好ましくは20%以下の量でさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性有機ケイ素組成物。
【背景技術】
【0002】
導電性ゴムは、ゴムマトリックス中に導電性のフィラーを分散させることによって、調製することができる。その機械的性能及び導電性は、大きい範囲で調節することができ、安定な導電性、良好な加工性及び優れた機械的性能のおかげで、急速に開発が進んでいる。この種の導電性ゴムは、エレクトロニクス、通信、電力、医学、航空宇宙、自動車、鉄道等の分野において広く用いられている。エレクトロニクス産業の急速な発展及びその実用市場の拡大により、導電性ゴムはさらにインテリジェントウェアラブルデバイス、センサー、電磁シールド等の分野において応用されている。
【0003】
数多くのポリマー材料の中で、ポリシロキサンマトリックスを有する有機ケイ素ゴムは、その優れた耐候性、温度許容度、生体適合性、電気的性能により、導電性ゴムマトリックスとして広く用いられている。通常、有機ケイ素材料は、10
10Ω・cm超の体積抵抗率を有し、主に絶縁材料として用いられる。しかしながら、その導電性は、導電性フィラーを加えることによって調整することができる。一般的に、複合材料は、その体積抵抗率が10
7〜10
9Ω・cmであれば半導体と称され、その体積抵抗率が10
4〜10
7Ω・cmであれば帯電防止材料と称され、その体積抵抗率が10〜10
4Ω・cmであれば導電性材料と称され、その体積抵抗率が10
-5〜10
0Ω・cmであれば高導電性材料と称される。電磁シールド分野において有用な導電性ケイ素ゴムについては、その体積抵抗率が通常1Ω・cm未満であることが要求される。
【0004】
通常の導電性フィラーには、金属製フィラー及びカーボンベースのフィラーが包含される。金属製フィラーは優れた導電性を有し、高導電性ケイ素ゴムを調製するのに重要なフィラーである。通常の金属製フィラーには、アルミニウム粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末が包含される。しかしながら、アルミニウム粉末、鉄粉末及びニッケル粉末は空気中で酸化しやすく、安定性の劣化及び導電性の低下につながる。他方、金粉末及び銀粉末は非常に高価である。カーボンベースのフィラーには主にカーボンブラック及びグラファイトが包含される。
【0005】
例えば、中国特許第102382616B号には、銅粉末、銀粉末、ニッケル粉末等の様々な種類の金属粉末を主要フィラーとして用いて調製された高導電性の有機ケイ素複合材料が開示されている。しかしながら、高い導電性を達成するためには多量の金属粉末を加えなければならないこと及び金属製フィラーは高密度であることのせいで、得られる導電性のケイ素ゴムは大抵の場合高い密度を有する。従って、これは携帯性が望まれるある種の用途には適さない。
【0006】
中国特許第100999607B号には、BET比表面積50〜200m
2/g及びDBP油吸収性120〜280ミリリットル/100gのカーボンブラックを用いて圧縮成形法によって調製された導電性のケイ素ゴムが開示されている。前記カーボンブラックは、比較的低価格であり、ゴムマトリックスに対して補強効果を有し、従って耐候性及び耐摩耗性を改善する。しかしながら、カーボンブラックを加えるとケイ素ゴム系の粘度の急激な上昇を引き起こす傾向が強く、このことがカーボンブラックの添加量を有意に抑制し、作業性を悪化させる。特に、高導電性が要求される場合、多量のカーボンブラックを加えなければならないことがあり、このことが圧縮成形等の加工技術を難しくする。また、カーボンブラックを有するケイ素ゴムは通常1Ω・cm以下に下げることが難しい体積抵抗率を有し、高導電性分野において用いることができないものになる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)ポリシロキサンをベースとする組成物
【0016】
前記のポリシロキサンをベースとする組成物は、有機ケイ素ゴムのマトリックスを構成する。本発明において、ポリシロキサンをベースとする組成物は、対応するケイ素ゴム材料を形成させるために硬化させることができるものである限り、特に制限されるものではない。硬化のメカニズムに応じて、ポリシロキサンをベースとする組成物は、付加硬化性、縮合重合硬化性又は有機過酸化物硬化性であることができる。
【0017】
特定実施形態において、ポリシロキサンをベースとする組成物は、付加硬化性であることができ、即ち、例えばアルケニル含有ポリシロキサンと水素含有ポリシロキサンとを白金族金属触媒の存在下で架橋させることによって硬化させることができる。
【0018】
付加硬化性のポリシロキサンをベースとする組成物の一例は、
(a1)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子当たり少なくとも2個含有する少なくとも1種のポリシロキサン、
(b1)同一の又は異なるケイ素原子に結合した水素原子を1分子当たり少なくとも1個有する少なくとも1種の水素含有ポリシロキサン(但し、この成分は同一の又は異なるケイ素原子に結合した水素原子を合計で少なくとも2個有する)、及び
(c1)少なくとも1種の白金族金属触媒
を含むものである。
【0019】
(a1)のアルケニル含有ポリシロキサンについては、アルケニル基はポリシロキサンの主鎖の任意の位置にあることができ、例えば分子鎖の末端若しくは中央又はそれらの両方にあることができる。
【0020】
好ましくは、アルケニル含有ポリシロキサン(a1)は、
(i)式(I−1) の少なくとも2個のシロキシ単位
R
1aZ
bSiO
[4-(a+b)]/2 (I−1)
(ここで、
R
1はC
2-12、好ましくはC
2-6アルケニル基、特に好ましくはビニル又はアリルを表し、
Zは同一であっても異なっていてもよく、1〜30個、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する一価ヒドロカルビル基を表し、好ましくは随意に1個以上のハロゲン原子で置換されていてよいアルキル基を含むC
1-8アルキル基、及びアリール基、特にC
6-20アリール基から選択され、
aは1又は2であり、bは0、1又は2であり、aとbとの合計は1、2又は3である)及び
(ii)随意としての式(I−2)の別のシロキシ単位
Z
cSiO
(4-c)/2 (I−2)
(ここで、
Zは上記の通りの意味を持ち、
cは0、1、2又は3である)
を含む。
【0021】
好ましい実施形態において、Zはメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、フェニル、キシリル及びトリル等から選択することができる。好ましくは、基Zの少なくとも60モル%(又は数基準)がメチルである。
【0022】
アルケニル含有ポリシロキサン(a1)は、少なくとも50mPa・sであって好ましくは2000000mPa・s未満の粘度を有することができる。これはまた、もっと高粘度のゲルであることもできる。本発明において、すべての粘度は動的粘度値に関連し、例えばブルックフィールド粘度計を用いて20℃において既知の態様で測定することができる。ブルックフィールド器具によって測定するには粘度が高すぎる場合には、針入法によって測定することができる。
【0023】
アルケニル含有ポリシロキサン(a1)は、式(I−1)の単位のみから構成されていてもよく、また、式(I−2)の単位を追加的に含有していてもよい。アルケニル含有ポリシロキサン(a1)は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であることができる。本発明の目的を損なうことがなければ、分子鎖はさらに分岐鎖状シロキシ単位を含有していてもよいが、しかしその割合はアルケニル含有ポリシロキサン(a1)中で10%を超えないのが好ましく、5%を超えないのがより一層好ましい。
【0024】
式(I−1)のシロキシ単位の例には、ビニルジメチルシロキシ、ビニルフェニルメチルシロキシ、ビニルメチルシロキシ及びビニルシロキシ単位がある。
【0025】
式(I−2)のシロキシ単位の例には、SiO
4/2単位、ジメチルシロキシ、メチルフェニルシロキシ、ジフェニルシロキシ、メチルシロキシ及びフェニルシロキシがある。
【0026】
アルケニル含有ポリシロキサンの例には、直鎖状又は環状化合物が含まれ、例えばジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を有する(メチルビニル)(ジメチル)ポリシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を有する(メチルビニル)(ジメチル)ポリシロキサンコポリマー、及び環状メチルビニルポリシロキサンがある。
【0027】
本発明のポリシロキサンをベースとする組成物において、水素含有ポリシロキサン成分(b1)は、成分(a1)のアルケニル含有ポリシロキサンとの架橋反応を果たすように、同一の又は異なるケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有していなければならない。従って、水素含有ポリシロキサン成分(b1)として、同一の若しくは異なるケイ素原子に結合した水素原子を1分子当たり少なくとも2個有する少なくとも1種の水素含有ポリシロキサン、又は同一の若しくは異なるケイ素原子に結合した水素原子を1分子当たり少なくとも2個有する少なくとも2種の水素含有ポリシロキサンの混合物を用いることができる。
【0028】
本発明に従う成分(b1)の水素含有ポリシロキサン又は水素含有ポリシロキサンの混合物において、SiH基はポリシロキサンの主鎖の任意の位置にあることができ、例えば分子鎖の末端若しくは中央又はそれらの両方にあることができる。
【0029】
SiH基を有する水素含有ポリシロキサンは、成分(a1)と架橋することができ、即ちこの成分のSiH基と成分(a1)のアルケニル基とを反応させることによって硬化生成物を生成させることができる。好ましくは、成分(b1)として、1分子当たり2個、3個又はそれ以上のSiH基を有する少なくとも1種の水素含有ポリシロキサンを用いる。
【0030】
好ましい実施形態において、水素含有ポリシロキサンは、
(i)式(I−3)の少なくとも2個のシロキシ単位
H
dR
2eSiO
[4-(d+e)]/2 (I−3)
[ここで、
R
2は同一であっても異なっていてもよく、一価のヒドロカルビルを表し、好ましくはC
1-8アルキル基(随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を含む)及びアリール基(特にC
6-20アリール基)から選択され、
dは1又は2であり、eは0、1又は2であり、dとeとの合計は1、2又は3である]及び
(ii)随意としての式(I−4)の1個以上の別の単位
R
2fSiO
(4-f)/2 (I−4)
(ここで、
R
2は上記の通りの意味を持ち、
fは0、1、2又は3である)
を含む。
【0031】
より一層好ましい実施形態において、R
2はメチル、エチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、フェニル、キシリル及びトリルから選択することができる。
【0032】
成分(b1)の水素含有ポリシロキサン又はその混合物は、少なくとも1mPa・s、好ましくは3〜100mPa・s、より一層好ましくは5〜100mPa・sの動的粘度を有する。
【0033】
水素含有ポリシロキサンは、式(I−3)の単位のみから構成されていてもよく、また、式(I−4)の単位を追加的に含有していてもよい。水素含有ポリシロキサンは、直鎖状、分岐鎖状又は環状であることができる。本発明の目的を損なうことがなければ、分子鎖はさらに分岐鎖状シロキシ単位を含有していてもよいが、しかしその割合は水素含有ポリシロキサン成分中で10%を超えないのが好ましく、5%を超えないのがより一層好ましい。
【0034】
式(II−1)の単位の例には、H(CH
3)
2SiO
1/2、HCH
3SiO
2/2及びH(C
6H
5)SiO
2/2がある。
【0035】
式(II−2)の単位の例は、式(I−2)の単位について上記した例と同じものであることができる。
【0036】
水素含有ポリシロキサンの実施可能な例には、直鎖状又は環状の化合物、例えば水素化ジメチルシロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン、(ジメチル)(ハイドロジェンメチル)ポリシロキサン単位を有し且つトリメチルシロキシ末端基を有するコポリマー、(ジメチル)(ハイドロジェンメチル)ポリシロキサン単位を有し且つ水素化ジメチルシロキシ末端基を有するコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を有する水素化メチルポリシロキサン及び環状水素化メチルポリシロキサンが含まれる。
【0037】
ある実施形態において、水素含有ポリシロキサンは、水素化ジメチルシリル末端基を含むジメチルポリシロキサンと水素化シリル基を少なくとも3個含むオルガノポリシロキサンとの混合物であることができる。
【0038】
白金族金属触媒は、少なくとも1種の白金族金属又はその化合物から成ることができる。その量は、成分(a1)のビニルと成分(b1)のSiHとの付加反応を促進して硬化させるのに足りる量であるべきである。有利な実施形態において、触媒の量は、金属の重量で表して、0.1〜1000ppmの範囲、好ましくは1〜50ppmの範囲であることができる。
【0039】
白金金属触媒は、有機ケイ素の分野においてよく知られており、商品として入手できる。白金族金属には、白金に加えて、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム及びイリジウムが含まれ得る。この触媒は、次の成分から成ることができる:白金族金属又はその化合物又はその組合せ物。かかる触媒の例には、白金ブラック、クロロ白金酸二塩化白金、クロロ白金酸と一価アルコールとの反応生成物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましくは、白金及びロジウムの化合物を用いる。通常好ましい触媒は白金である。
【0040】
白金のある種の好適な錯体及び化合物は、例えば米国特許第3159601号、同第3159602号及び同第3220972号の各明細書並びに欧州特許公開第0057459号、欧州特許公開第0188978号及び欧州特許公開第0190530号に開示されており、特に、例えば米国特許第3419593号、同第3715334号、同第3377432号及び同第3814730号の各明細書に開示された白金とビニルオルガノシロキサンとの錯体を用いることができる。これらすべての文献は、言及することによって本明細書にその全体が組み込まれるものとする。
【0041】
上に挙げた成分(a1)〜(c1)に加えて、前記のポリシロキサンをベースとする組成物は、重合抑制剤をさらに含んでいてもよい。
【0042】
付加タイプのポリシロキサンシステム用に通常用いられる抑制剤は、アルカノールタイプの抑制剤若しくはビニルタイプの抑制剤又はこれら2つの種類の抑制剤の所定の比率の混合物であることができる。これらの抑制剤は、例えば以下の特許文献に開示されている:欧州特許公開第0794217A1号、米国特許出願公開第20140004359号明細書、中国特許第102277128A号、中国特許第103554924A号及び中国特許第103655212A号。従って、言及することによってこれら特許の全記載が本明細書に組み込まれるものとする。
【0043】
ビニルタイプの抑制剤の例には、テトラメチルジビニルシラン、ポリビニルシリコンオイル、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンがある。
【0044】
アルカノールタイプの抑制剤の例には、3−ブチン−2−オール、1−ペンチン−3−オール、1−ヘキシン−3−オール、1−ヘプチン−3−オール、5−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロペンタノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、1−エチニル−1−シクロヘプタノール、3−エチル−1−ヘキシン−3−オール、3−エチル−1−ヘプチン−3−オール、3−イソブチル−5−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3,4,4−トリメチル−1−ペンチン−3−オール、3−エチル−5−メチル−1−ヘプチン−3−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、3,7,11−トリメチル−1−ドデシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロオクタノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ヘプチン−3−オール、3−メチル−1−オクチン−3−オール、3−メチル−1−ノニル−3−オール、3−メチル−1−デシン−3−オール、3−メチル−1−ドデシン−3−オール、3−エチル−1−ペンチン−3−オール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールがある。本発明の目的の観点から、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールが好ましい。
【0045】
付加硬化性のポリシロキサンをベースとする組成物については、抑制剤なしの場合にも製造時、輸送時及び貯蔵時の要件をすでに満たしていたら、これらの抑制剤を加えなくてもよい。
【0046】
成分(a1)及び(b1)の量は、SiH基対アルケニル基のモル比に依存する。有利な実施形態において、ポリシロキサンをベースとする組成物の成分(a1)及び(b1)は、SiH基対アルケニル基のモル比が0.5〜5の範囲、好ましくは0.8〜4の範囲、より一層好ましくは1〜3の範囲となるような量で用いられる。
【0047】
別の特定実施形態において、ポリシロキサンをベースとする組成物は、縮合重合硬化性であることができる。これは、縮合性基(即ち縮合可能な基)若しくは加水分解性基(即ち加水分解可能な基)又はヒドロキシ基を有する反応性ポリシロキサンが、随意としての縮合触媒の存在下で随意としての硬化剤によって、硬化することができることを意味する。
【0048】
縮合重合硬化性のポリシロキサンをベースとする組成物の一例は、以下のものを含む:
(a2)鎖の各末端に少なくとも2個の縮合性基若しくは加水分解性基(OH以外のもの)を又はヒドロキシ基のみを有する少なくとも1種の反応性直鎖状ポリシロキサン、
(b2)随意としての、縮合性基若しくは加水分解性基又はヒドロキシ基を持たない1種以上の非反応性直鎖状ポリシロキサン、
(c2)随意としての、1種以上の架橋剤。
【0049】
鎖の各末端に少なくとも2個の縮合性基若しくは加水分解性基(OH以外のもの)を有する反応性直鎖状ポリシロキサン又はヒドロキシ基のみを有する反応性直鎖状ポリシロキサンにおいて、縮合性基にはアミノ、アミド、アミノ−オキシ、ケチミン−オキシ、イミノ−オキシ、エノキシ、アルコキシ、アルコキシ−エノキシ、アシルオキシ及びホスフェート基が包含され、そして縮合性基には水素原子及びハロゲン原子が包含され、これらはポリシロキサンの主鎖の任意の位置にあることができ、即ち2つの末端に又は中央に又はそれらの両方にあることができる。
【0050】
特定実施形態において、反応性直鎖状ポリシロキサンは、次式のものであることができる:
X
gR
43-g SiO−(SiR
4−O−)
hSiR
43-gX
g (1)
(ここで、
R
4は同一であっても異なっていてもよく、互いに独立して置換又は非置換ヒドロカルビル基、好ましくは、1〜30個、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する一価ヒドロカルビルを表し、より一層好ましくはC
1-8アルキル又はアリール、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル及びオクチル並びにフェニルから選択され、基R
4は、例えばハロゲン又はシアノ基で随意に置換されていてもよく、置換されたR
4の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル及びβ−シアノエチルを挙げることができ、
Xは同一であっても異なっていてもよく、加水分解性若しくは縮合性基(OH以外)又はヒドロキシ基を表し、
hは反応性直鎖状ポリシロキサンが1000〜2000000mPa・s、好ましくは5000〜80000mPa・sの25℃における動的粘度を有するのに足りる値を有し、例えばhは30〜3000の整数であり、
gは1、2又は3であり、Xがヒドロキシの時にはgは1である)。
【0051】
単位SiR
4Oの例としては、(CH
3)
2SiO、CH
3(C
6H
5)SiO、(C
6H
5)
2SiO、CF
3CH
2CH
2(CH
3)SiO、NC−CH
2CH
2(CH
3)SiOを挙げることができる。
【0052】
基Xは好ましくは以下の加水分解性又は縮合性基から選択することができる:n−ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ及びシクロヘキシルアミノ、ベンゾイルアミノ, ジメチルアミノオキシ、ジエチルアミノオキシ、ジオクチルアミノオキシ、ジフェニルアミノオキシ、イミノオキシ及びケチミンオキシ(アセトフェノンオキシム、アセトンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、メチルエチニルケトンオキシム、ジイソプロピルケトンオキシム及びクロロシクロヘキサノンオキシムから誘導されたもの)、1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ、例えばメトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ及びオクチルオキシ、メトキシビニルオキシ、1〜8個の炭素原子を有するアシルオキシ、例えばホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ及び2−エチルヘキサノイルオキシ、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル及びリン酸ジブチルから誘導されたホスフェート基、並びに塩素等のハロゲン。
【0053】
特に好ましくは、基Xは、ヒドロキシ基又は1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基、例えばメトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ及びオクチルオキシから選択される。
【0054】
好ましい反応性直鎖状ポリシロキサンは、式(I)のα,ω−ジヒドロキシル化ジオルガノポリシロキサンであって、XがOHであり且つgが1であり、且つhが反応性直鎖状ポリシロキサンが1000〜2000000mPa・s、好ましくは5000〜80000mPa・sの25℃における動的粘度を有するのに足りる値を有するものである。
【0055】
縮合性基若しくは加水分解性基又はヒドロキシ基を持たない非反応性直鎖状ポリシロキサンに関しては、式(2)のシリコンオイルを用いることができる:
R
43 SiO−(SiR
4−O−)
h'SiR
43 (2)
(ここで、
R
4は同一であっても異なっていてもよく、式(1)において与えた定義を有し、
h’は非反応性ポリシロキサンが10〜10000mPa・s、好ましくは30〜2000mPa・sの25℃における動的粘度を有するのに足りる値を有する)。
【0056】
本発明の範囲内で、有用な式(1)のヒドロキシル化反応性ポリシロキサンは、粘度値及び/又はケイ素原子に結合した置換基の性状の点で互いに相違する数種のヒドロキシル化ポリマーを含む混合物であることができることを理解されたい。さらに、式(1)のヒドロキシル化ポリマーは式SiR
2OのD単位に加えて随意に, SiR
3/2及び/又はSiR
4/2の単位を10%までの割合(ケイ素原子100個当たりのT単位及び/又はQ単位の数に関して)で含むことができることも理解されたい。式(2)の非反応性ポリシロキサンについても、同じ説明を用いることができる。
【0057】
さらに、縮合重合硬化性ポリシロキサンをベースとする組成物は随意に、架橋剤(C2)として、下記の式の1種以上のシラン又はその部分加水分解生成物をさらに含んでいてもよい:
R
44-zSiX
z (3)
(ここで、
基R
4及びXは式(1)において定義した通りであり、
指数zは3又は4である)。
【0058】
反応性ポリシロキサンがα,ω−ジヒドロキシル化ジオルガノポリシロキサンである場合には架橋剤が必要であるのに対して、反応性ポリシロキサンが鎖の各末端に縮合性基又は加水分解性基を有する場合には架橋剤は必ずしも必要ではない。
【0059】
ある実施形態において、架橋剤は例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(グリシジルオキシ)プロピルエトキシシランである。
【0060】
追加的に、縮合重合硬化性ポリシロキサンをベースとする組成物は、少なくとも1種の縮合触媒(d2)を随意に含んでいてもよい。
【0061】
縮合触媒(d2)は、有機スズ又は有機チタン化合物、例えばオクタン酸第一スズ、ジブチルスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズジイソオクチルマレエート、ネオデカン酸第一スズ、チタン酸n−ブチル、チタン酸イソプロピル、チタン酸イソブチル、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)から選択することができる。
【0062】
他の縮合触媒、例えば国際公開WO2009/118307号及び同WO2010/060877号に開示されたグアニジン化合物、又は例えば同WO2009/106718号、同WO2014/096566号及び同WO2014/096567号に開示されたZn化合物を用いることもできる。
【0063】
さらなる特定実施形態において、ポリシロキサンをベースとする組成物は、過酸化物硬化性であることができる。
【0064】
有用な過酸化物硬化性のポリシロキサンをベースとする組成物の一例は、
(a3)アルケニル基を0〜4重量%、好ましくは0.01〜3重量%含む少なくとも1種のオルガノポリシロキサンポリマー、及び
(b3)少なくとも1種の有機過酸化物
を含むものである。
【0065】
これらのオルガノポリシロキサンポリマーは、オイル(例えば25℃において50000〜1000000mPa・sの粘度を有するもの)又はゲル(例えば1000000mPa・sより高い粘度を有するもの)又はオイルとゲルとの混合物であることができる。これらは商品として入手することもでき、当技術分野において周知の方法に従って調製することもできる。
【0066】
オルガノポリシロキサンポリマーは、主鎖が主としてR
52SiO単位から成る直鎖状ジオルガノポリシロキサンであることができる。この鎖の各末端は、R
53Si
0.5単位及び/又はOR
6基である。
【0067】
上記の式において、基R
5は同一であっても異なっていてもよく、C
1−C
18、好ましくはC
1−C
12のヒドロカルビル又はハロゲン化ヒドロカルビルを表す。ヒドロカルビルには、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シアノアルキルが含まれる。好ましくは、基R
5はメチル、エチル、プロピル、オクチル、オクタデシル、フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、ビニル、アリル、シアノエチル、クロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル、ジブロモフェニル、トリフルオロメチルフェニルを表す。
【0068】
基R
6は水素原子、C
1−C
4アルキル又はβ−メトキシエチルを表す。
【0069】
好ましくは、基R
5の少なくとも60%はメチルを表す。しかしながら、ジオルガノポリシロキサン鎖に沿って、少量のR
52SiO以外の単位、例えば2%(ケイ素原子100個当たりのT及び/又はQ単位の数で表した%値)までの割合のR
5Si
1.5単位及び/又はSiO
2もまた、存在していてもよい。
【0070】
上記の単位R
5SiO、R
53SiO
0.5及び式OR
6の基の例には、(CH
3)
2SiO、CH
3(CH
2=CH)SiO、CH
3(C
6H
5)SiO、(C
6H
5)
2SiO、CH
3(C
2H
5)SiO、(CH
3CH
2CH
2)CH
3SiO、CH
3(n−C
3H
7)SiO、(CH
3)
3SiO
0.5、(CH
3)
2(CH
2=CH)SiO
0.5、CH
3(C
6H
5)SiO
0.5、CH
3(C
6H
5)(CH
2=CH)SiO
0.5、OH、−OCH
3、−OC
2H
5、−O−n−C
3H
7、−O−イソ−C
3H
7、−O−n−C
4H
9及び−OCH
2CH
2OCH
3が含まれる。
【0071】
この実施形態において用いられる有機過酸化物成分(b3)は、分解して遊離の酸素基を発生させることができるものである限り、特に制限されるものではない。これは、純粋な状態で用いることもでき、有機溶媒又はシリコンオイル中に溶解させた形で用いることもできる。有機過酸化物成分は、例えば過酸化ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、過酸化ベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化モノクロロベンゾイル、過酢酸t−ブチル過酸化ジクミル、及び2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジペルベンゾエートから選択される少なくとも1種の過酸化物から成る。
【0072】
有機過酸化物成分の量は、成分(a3)100重量部に対して0.05〜15重量部、好ましくは0.2〜8重量部である。
【0074】
本発明に従う硬化性有機ケイ素組成物はさらに、カーボンファイバー成分を含む。カーボンファイバー成分は、1種又は2種以上の異なるカーボンファイバーから成る。
【0075】
本発明の範囲内で、「カーボンファイバー」とは、高い強度及び高いモジュラスを有し、通常はカーボン含有率90%以上のファイバー材料を指す。これは、例えば、フレーク状のグラファイト微結晶のようなファイバーをファイバーの軸方向において積み重ねることによって形成させることもでき、炭化及び黒鉛化によって得られる微結晶グラファイト材料であることもできる。これは商品として入手できる製品であり得る。本発明の範囲内で、カーボンファイバーは、1:1を超えるアスペクト比、通常は5:1、有利には10:1又は20:1又はそれより高いアスペクト比を有する。
【0076】
カーボンファイバー成分は、平均長さ10μm〜5000μm、好ましくは30〜3500μm、より一層好ましくは60〜3000μmのカーボンファイバーを、(A)のポリシロキサンをベースとする組成物の重量を基準として、2〜300%、好ましくは5〜250%、より一層好ましくは15〜150%の量で含み、但し、: (1)カーボンファイバー成分が平均長さ200μm以下のカーボンファイバーだけを含む場合には、その含有率は25%超、好ましくは30%超であり;(2)カーボンファイバー成分が平均長さ2800μm超のカーボンファイバーだけを含む場合には、その含有率は40%以下、好ましくは30%以下、より一層好ましくは15%以下であるものとする。
【0077】
有利には、カーボンファイバー成分は、平均長さ10〜2500μmのカーボンファイバーを、(A)のポリシロキサンをベースとする組成物の重量を基準として、10〜150%含む。
【0078】
比較的高い導電性が保証されることを前提とすると、平均長さが比較的短いカーボンファイバーを用いた場合には、もっと多い量が必要とされる。さらに、平均長さが比較的長いカーボンファイバーを用いた場合には、比較的少ない量で比較的高い導電性を達成することができる。しかしながら、このような比較的長いカーボンファイバーを過剰量で用いた場合には、加工性及び機械的性質が損なわれることがある。従って、長いファイバーと短いファイバーとを経済的な追加量のカーボンファイバーで組み合わせることによって、優れた導電性及び調節可能な機械的性能を達成することができる。好適な加工技術を用い且つある種の特定的な用途の要件に適合させるために、本発明に従えば、一定長さのカーボンファイバーを単独で用いることもでき、平均長さが異なる2つのタイプのカーボンファイバーの組合せを用いることもできる。従って、本発明においては、平均長さ10〜5000μmのカーボンファイバーを2〜300%含むことが要求されなければならず、特に、(1)カーボンファイバー成分が平均長さ200μm以下のカーボンファイバーだけを含む場合には、その含有率は25%超でなければならず;(2)カーボンファイバー成分が平均長さ2800μm超のカーボンファイバーだけを含む場合には、その含有率は40%以下でなければならない。さもなければ、硬化後に調節可能な導電性及び機械的性質を有する有機ケイ素組成物を得ることは難しいだろう。
【0079】
より一層好ましい実施形態において、カーボンファイバー成分が平均長さ300μm以下のカーボンファイバーだけを含む場合、その含有率は25%超、好ましくは35%超である。
【0080】
別の好ましい実施形態において、カーボンファイバー成分は、平均長さ10μm〜600μmのカーボンファイバー少なくとも1種及び平均長さ600μm超〜5000μm、好ましくは800μm超〜3500μm、より一層好ましくは800μm超〜2500μmのカーボンファイバー少なくとも1種を含む。
【0081】
さらに、有利には、平均長さ10μm〜600μmのカーボンファイバーと平均長さ600μm超〜5000μm、好ましくは800μm超〜3500μm、より一層好ましくは800μm超〜2500μmのカーボンファイバーとの重量比は、2/1〜100/1、好ましくは3/1〜50/1、より一層好ましくは3/1〜20/1、さらにより一層好ましくは10/1− 15/1である。
【0082】
好ましくは、カーボンファイバー成分として2つの異なる平均長さを有するカーボンファイバーを用いる場合には、平均長さ10μm〜600μmのカーボンファイバーと平均長さ600μm超〜5000μm、好ましくは800μm超〜3500μm、より一層好ましくは800μm超〜2500μmのカーボンファイバーとの間の長さの差は、100〜4000μm、好ましくは150〜3000μm、より一層好ましくは300〜2500μm、さらにより一層好ましくは500〜2000μmの範囲である。
【0083】
本発明の導電性の硬化性有機ケイ素組成物はさらに、帯電防止剤、放射線遮蔽剤、フリーラジカル防止剤、粘着性調節剤、難燃化用添加剤、界面活性剤、貯蔵安定性調節剤、オゾン分解防止剤、光安定剤、粘度上昇剤、可塑剤、チキソトロープ剤、酸化防止剤及び熱安定剤から選択される1種以上の添加剤を含むことができる。また、他のポリオルガノシロキサン、シロキサン樹脂、ポリオルガノシルセスキオキサン及びケイ素ゴム粉末を用いることもできる。
【0084】
本発明の導電性の硬化性有機ケイ素組成物は、カーボンファイバー成分以外に、フィラー、例えば沈降シリカ、ヒュームドシリカ、ケイ藻土、並びにアルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カリウム、アルミニウム粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン等をさらに含むことができる。
【0085】
上記の随意としての添加剤及び他のフィラーは、ポリシロキサンをベースとする組成物の硬化速度、導電性、機械的性質等を劣化させることがない量で、添加することができる。通常は、上記したこれらの随意としての添加剤の量は、(A)のポリシロキサンをベースとする組成物の重量を基準として150%以下、好ましくは100%以下、より一層好ましくは50%以下、さらにより一層好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。また、これらの随意としての添加剤を加えないことも可能である。
【0086】
好ましい実施形態において、本発明に従う硬化性有機ケイ素組成物はさらに、カーボンファイバー以外のフィラー、例えば金属粉末フィラーを、(A)のポリシロキサンをベースとする組成物の重量を基準として150%以下、好ましくは100%以下、より一層好ましくは50%以下、特に好ましくは20%以下の量で、含む。有利な実施形態において、フィラーは本発明に従うカーボンファイバー成分のみから成る。
【0087】
本発明に第2の局面は、(A)のポリシロキサンをベースとする組成物と(B)のカーボンファイバー成分とを均一に混合することを含む、前記の硬化性有機ケイ素組成物の調製方法に関する。均一混合は、遊星型撹拌機、混練機、押出機等の混合装置を用いて達成することができ、実際上の要求に応じて熱処理を同時に行ってもよい。次いで、接着、分配、被覆、スクリーン印刷、タブレット化、型成形、押出等によって硬化性有機ケイ素組成物を調製することができる。
【0088】
本発明の第3の局面は、前記の硬化性有機ケイ素組成物を硬化させることによって得られる硬化した有機ケイ素ゴムに関する。硬化条件は特に制限されない。好ましくは、60〜200℃に3〜200分間保つ。随意に2回目の加硫を、型成形後に、好ましくは120〜250℃において1〜24時間、実施することができる。
【0089】
有利には、硬化した有機ケイ素ゴムは、0.01〜100000Ω・cmの体積抵抗率を有する。
【0090】
本発明の第4の局面は、硬化した有機ケイ素ゴムを、特に導電性エレメントして、エレクトロニクス、自動車、航空宇宙、高速鉄道、通信、電力、医薬及びウェアラブルインテリジェントデバイスの分野において用いることに関する。
【実施例】
【0091】
以下、実施例によって本発明をさらに例示する。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。さらに、本明細書中の百分率、割合及び比のデータはすべて、別段の明記がない限り、重量で表されたものである。
【0092】
用いた原料
【表1】
【0093】
特性の評価
【0094】
本発明に従い、導電性のケイ素ゴムを調製した後に、それぞれの生成物を次の方法によって評価した。その結果を第2表に示す。
【0095】
体積抵抗率:GB/T 2439-2001に従って測定。ISO1853: 1998と同じ。試験片は、長さ10cm、厚さ2〜3mm、幅1cmだった。
【0096】
引張強さ及び破断点伸び:引張強さはASTM D412に従って測定した。硬化条件:150℃、90分間。
【0097】
引裂強さ:引裂強さは、ASTM D412に従って測定した。硬化条件:150℃、90分間。
【0098】
硬度:硬度は、ASTM D2240に従って測定した。硬化条件:150℃、90分間。
【0099】
リバウンド耐性:導電性ケイ素ゴムのリバウンド耐性は、ISO4662に従って測定した。硬化条件:150℃、90分間。
【0100】
密度:導電性ケイ素ゴムの密度は、ISOR1183に従って測定した。硬化条件:150℃、90分間。
【0101】
例1
【0102】
第1表に示したように、55.66重量部の621V1500と44.4重量部の51BASE LSRとの混合物に0.07重量部のヒドロシリル化防止剤TMDDOを加えて混合し、次いで0.84重量部の水素含有ポリシロキサン620H2、0.93重量部の水素含有ポリシロキサン626V25H7及び0.88重量部の水素含有ポリシロキサン626V30H2.5を加えた。さらに均一に混合した後に、長さ2000μmのカーボンファイバーCF5(5重量部)及び長さ500μmのカーボンファイバーCF4(63重量部)をバッチ式で加え、遊星型ミキサーで十分撹拌した。次いで1重量部のチキソトロープ剤PE400MLを加え、真空下で十分撹拌した。最後に、白金触媒100ppmを加え、十分混合した。150℃において90分間硬化させた。こうして、硬化した導電性の有機ケイ素ゴムが得られた。
【0103】
例2〜8
【0104】
例2〜8は、異なる量の原料及び第1表に示した調製条件を用いたことを除いて、例1と同様に、実施した。
【0105】
例9
【0106】
第2表に示したように、60重量部のEMPATAGE 1334と35重量部のHUILE 48V14000との混合物に0.61重量部のRP 120 PAを加えた。十分混合した後に、長さ2000μmのカーボンファイバーCF5(5.1重量部)及び長さ500μmのカーボンファイバーCF4(30重量部)をバッチ式で加え、遊星型ミキサーで十分撹拌した。次いで1重量部の0.27重量部の脱塩水を加え、真空下で十分撹拌した。次いでチキソトロープ剤PE400MLを加え、真空下で十分撹拌した。最後に、2.3重量部のSILANE 51005及び0.33重量部のDABCO T-12を加え、十分混合した。150℃において90分間硬化させた後に、導電性のケイ素ゴム組成物が得られた。
【0107】
比較例1〜4(C1〜C4)
【0108】
比較例1〜4は、異なる量の原料及び第1表に示した調製条件を用いたことを除いて、例1と同様に、実施した。
【0109】
上記の測定方法に従って、例1〜9及び比較例1〜4で得られた硬化した導電性ケイ素ゴムの特性を評価した。結果を第3表に示す。表中のデータから、比較例1〜4の硬化した導電性のケイ素ゴムは、特に導電性並びに機械的性質及び加工性に関して、本発明の要件をほとんど満たすことができず、実用的用途の要件さえほとんど満たすことができなかった。
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】