(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットとマッチングすることは、クラスタリングアルゴリズムを使用して実行される、請求項1に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記履歴画像データは、最も近い履歴画像を含み、前記履歴データベースは、メトリックを使用して前記パルスシーケンスパラメータを前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットと比較することによって、前記最も近い履歴画像を選択する、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、前記ユーザインターフェース上に前記最も近い履歴画像を表示する、請求項3に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記履歴画像データは、複数の履歴画像を含み、前記ユーザインターフェース上に前記履歴画像データの少なくとも一部を表示することは、前記複数の履歴画像を前記ユーザインターフェース上に表示することを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記複数の履歴画像のそれぞれがメタデータを含み、前記ユーザインターフェースから前記履歴画像データを表示することに応じてスキャン入力変更を受信することは、前記複数の履歴画像から1つを選択することを含み、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットを使用して、前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを更新する、請求項5に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記複数の履歴画像のそれぞれについて選択基準とマッチする最良値のために前記メタデータを検索することによって、前記ユーザインターフェース上の前記複数の履歴画像のうちの1つを自動的にハイライトし、前記最良値は、前記複数の履歴画像のうちの前記1つについての前記メタデータである、請求項6に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記複数の履歴画像はそれぞれメタデータを含み、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記複数の履歴画像のそれぞれについて選択基準とマッチする最良値のために前記メタデータを検索することによって、前記複数の履歴画像のうちの1つを自動的に選択し、前記最良値は、前記複数の履歴画像のうちの前記1つについての前記メタデータであり、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、前記複数の履歴画像のうちの前記1つについての前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットを使用して前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを更新する、請求項5に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記メタデータは、スキャン時間、信号対雑音比、コントラスト、コントラスト対雑音比、予め選択されたセグメンテーションアルゴリズムの成功、所定の測定アルゴリズムの成功、及びこれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項6、7、又は8に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記メタデータによって決定される1つ又は複数の軸に沿って前記複数の履歴画像を前記ユーザインターフェース上に配置する、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
前記メタデータはスキャン時間を含み、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、スキャン時間軸に沿って前記複数の履歴画像を前記ユーザインターフェース上に配置する、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナでは、患者の体内画像を生成するための手順の一部として原子の核スピンを整列させるために、大きな静磁場が使用される。この大きな静磁場をB0磁場と呼ぶ。
【0003】
MRIスキャン中に、1つ又は複数の送信コイルによって生成される無線周波数(RF)パルスは、いわゆるB1磁場を発生させる。さらに、印加された傾斜磁場及びB1磁場は、有効局所磁場に摂動を発生させる。その後、RF信号が核スピンによって放射され、1つ又は複数の受信コイルによって検出される。これらのRF信号は、MR画像を構築するために使用される。これらのコイルは、アンテナと呼ぶこともできる。
【0004】
MRIスキャナは、スライス又はボリュームの画像を構築することができる。スライスは、1つのボクセルの厚さしか有さない薄いボリュームである。ボクセルは、その全体にかけてMR信号が平均化された小さなボリューム要素であり、MR画像の解像度を表す。単一スライスが考慮される場合、ボクセルはピクセル(画素)とも呼ばれ得る。
【0005】
米国特許出願公開US2014/0088984A1は、被検者に関連する情報に基づいて被検者の画像取得に適したプロトコルを自動的に推薦する医療用イメージング装置、及び該医療用イメージング装置の制御方法を開示する。上記医療用イメージング装置はコントローラ及びディスプレイユニットを含み、コントローラは、被検者をスキャンするための1つ又は複数のプロトコルを決定し、複数の所定の基準に基づいて各プロトコルを分類し、複数の基準のいずれかが選択された場合、選択された基準に従って分類されたプロトコルを並べて推薦し、ディスプレイユニットは、コントローラによって推薦された複数のプロトコルからなるアレイを表示する。
【0006】
米国特許出願公開US2006/0058635A1は、画像取得を制御する測定パラメータセットによって人間又は動物の体の検査領域の画像を取得するための方法及びMR装置を開示し、取得すべき検査領域の選択は、モニタ上の(画像データのための記憶領域に記憶された)体の画像要素の全身表示を介して、解剖学的視点に従い、ユーザによって行われる。選択された領域のための測定パラメータセットのリストがモニタ上に表示され、リスト内の測定パラメータセットは、それぞれ、該当する測定パラメータセットを用いて得ることができる取得結果の少なくとも1つの領域固有画像要素(記憶領域に記憶されている)とともに表示される。その後、画像取得のための測定パラメータセットが選択される。
【0007】
欧州特許出願公開EP1229472A4は、MRIシステムセンターが電子通信回路を介して複数のMRIシステムに接続され、磁気共鳴を使用してサンプルの内部をビデオ信号に変換することを開示する。MRIシステムセンターは、MRIシステムの使用を記憶するログファイルのデータ、又はログファイルから抽出された使用データを、通信制御ユニットを介してMRIシステムから受信する。データベースユニットは、ログファイルデータ又は使用データを保存する。解析部ユニット、所定時間内に受信したログファイルデータ又は使用データを解析する。
【0008】
米国特許出願公開US2004/0148403A1は、診断イメージングシステムのための臨床プロトコルを共有する技術を開示する。臨床プロトコルは、一般的に、特定のイメージング診断のために臨床的に作成される動作パラメータ、例えば構成データ及び手順を表す。臨床医間でのこれらの臨床プロトコルの交換を容易にするために、インターフェース又はアクセスポイント、例えばネットワークアクセス可能なデータベース又はウェブサイトなどが提供される。該技術はまた、新しい臨床プロトコルの形成及び/又は新しい臨床プロトコルの様々な診断イメージングシステムへの組み込みを容易にすることができる。したがって、臨床医は、特定のイメージング診断における潜在的により高い品質のために、様々なイメージングプロトコルを電子的に交換及び構成することができる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、独立請求項において、磁気共鳴イメージングシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品を提供する。従属請求項には実施形態が記載されている。
【0010】
磁気共鳴画像を取得するとき、磁気共鳴イメージングシステムの様々な構成要素の動作及びタイミングを制御するために、パルスシーケンス又はパルスシーケンスコマンドが使用される。臨床現場では、医師又はオペレータは、様々な種類の検査のために予め設定された多数のパルスシーケンスを有する。非常に多くの場合、これは良好なイメージング結果を得るのに十分である。しかしながら、ときには、被検者の非標準的な領域をイメージングする必要があったり、パルスシーケンスを変更することが必要な他の理由が存在する。例えば、被検者が異常な解剖学的構造を有していたり、又は臨床現場においてイメージング要件が正常に行われない可能性がある。パルスシーケンスは多数の変更可能なパラメータを有するので、これは大きな問題となり得る。パルスシーケンスにおける調整可能な様々なパラメータのタイミング及び値は、本明細書では「パルスシーケンスパラメータ」と呼ばれる。
【0011】
非標準的イメージング要件に直面した場合、有用な画像を取得することは難しい可能性がある。なぜなら、オペレータはパルスシーケンスパラメータを繰り返し修正(変更)した後、磁気共鳴データを取得し、磁気共鳴データを画像に再構築して結果を確認しなければならないからである。
【0012】
本発明の実施形態は、パルスシーケンスパラメータの特定のセットの効果を試すために、磁気共鳴イメージングシステムを物理的に操作する必要性を削減する手段を提供し得る。一部の実施形態では、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットは、履歴画像データのデータベースへの問い合わせのために使用される。クラスタ分析などの技術を使用して、1つ又は複数の履歴磁気共鳴イメージングスキャンから履歴画像データを取り出すことができる。いくつかの実施形態では、得られたデータは、磁気共鳴イメージングシステムのユーザが、選択されたパルスシーケンスパラメータを使用した結果を推定するために使用することができる履歴画像を含む。オペレータは、1つ又は複数の画像を見て、選択されたスキャンパラメータと同一の画像を選択するか、又は場合によっては、画像クラスタをもって複数の画像のうちの1つを選択することができる。これは、選択されたスキャンパラメータを改善するためのガイドとして、又は適切な臨床画像を提供するようスキャンパラメータを変更するためのオペレータの訓練において使用することができる。
【0013】
他の実施形態では、履歴画像データはメタデータを含み得る。メタデータは、信号対雑音比、コントラスト対雑音比、及び/又はスキャン時間などの具体的特性等の情報を含み得る。これにより、オペレータ又はアルゴリズムは、予備スキャンを実行することなく、スキャン時間からコントラストなどのファクタを最適化するための、スキャンパラメータの変更を自動的に選択することができる。
【0014】
他の実施形態では、メタデータは、自動セグメンテーションアルゴリズム又は測定アルゴリズムなどの画像処理アルゴリズムが、履歴画像に対してどの程度うまく作用したかの評価を含むことができる。
【0015】
これの具体例として、被検者内の腫瘍のサイズ及び/又は数を測定することが望ましい可能性がある。画像のコントラスト及び信号対雑音比は、自動セグメンテーションがこのタスクをどの程度良好に又は正確に実行するかに影響を与える可能性がある。臨床現場では、使用される標準的パルスシーケンスを変更し、これを効率的に機能させることを期待することは、ほぼ不可能であろう。被検者を撮像し、次にセグメンテーションアルゴリズムを適用し、アルゴリズムが適切に機能したたかどうかを評価する必要があると考えられる。これらの作業のすべてが完了したときには、被検者は既に検査エリアを出ている可能性がある。メタデータを使用して、セグメンテーションアルゴリズムの成功のために履歴画像を評価することは、セグメンテーションアルゴリズムが適用されたときにスキャンパラメータのセットが良好な結果をもたらすか否かを効果的に予測する手段を提供する。
【0016】
本発明の一側面は、撮像ゾーンから磁気共鳴データを取得するための磁気共鳴イメージングシステムを提供する。磁気共鳴イメージングシステムは、初期パルスシーケンスコマンドを記憶するためのメモリを含む。磁気共鳴イメージングシステムは、該磁気共鳴イメージングシステムを制御するためのプロセッサをさらに備える。機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、被検者の関心領域の定義を含む選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを受信する。関心領域は撮像ゾーン内に位置する。選択されたパルスシーケンスパラメータのセットは、ユーザインターフェースを介してユーザから受信されてもよく、あるいは、完全に又は部分的に、メニューから選択される又は異なるパルスシーケンスパラメータのレポジトリからの選択によって提供される所定の選択されたパルスシーケンスパラメータのセッであり得る。例えば、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットは、ユーザによってその後変更される、いわゆるexam card又は所定のスキャンパラメータであってもよい。
【0017】
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記パルスシーケンスパラメータのセットを使用して画像データリクエストを履歴データベースに送信する。前記画像データリクエストは、前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを含む。いくつかの例では、履歴データベースは、磁気共鳴イメージングシステムについてローカルであり得る。他の場合には、履歴データベースは、サーバ内の遠隔地に配置されてもよく、又はクラウド内に存在してもよい。
【0018】
いくつかの例では、画像データリクエストは、履歴データベースのデータベースクエリであると考えることができる。
【0019】
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記画像データリクエストに応じて前記履歴データベースから履歴画像データを受信する。履歴画像データは、例ごとに異なる形態を取り得る。一例では、履歴画像データは画像を含み得る。他の例では、履歴画像データは、画像を記述するメタデータを含み得る。他の例では、履歴画像データは、画像及び該画像を記述するメタデータを含み得る。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記履歴画像データの少なくとも一部をユーザインターフェース上に表示する。いくつかの例では、これは、特定の履歴画像を取り出して表示するという形態を取り得る。他の例では、履歴画像を記述するメタデータを、画像に加えて、又は画像の代わりに表示することもできる。他の例では、ユーザインターフェース上のオブジェクト又は画像の外観を変更することによってメタデータが表示される。例えば、特定のセグメンテーションアルゴリズムの成功は、特定のセグメンテーションアルゴリズムが受信された履歴画像データのメタデータにおいて成功であったことを示す場合には緑色の光を示す「信号機」のようなオブジェクトの外観を変更するために使用され得る。
【0020】
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記ユーザインターフェースから前記履歴画像データを表示することに応じてスキャン入力変更を受信する。いくつかの例では、ユーザは、表示された履歴画像データを見て、次いで、ユーザインターフェースデータを使用してパルスシーケンスコマンドを変更するために使用される手動入力をすることができる。他の例では、スキャン入力変更は、履歴画像データ内にメタデータとして特定されているスキャン入力変更又はパルスシーケンスパラメータを使用することによって又はその一部を部分的に使用することによって自動的に受信されてもよい。
【0021】
別の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、前記磁気共鳴データから磁気共鳴画像を再構成する。
【0022】
他の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記初期パルスシーケンスコマンド、前記パルスシーケンスパラメータのセット、及び前記スキャン入力変更を使用して、変更されたパルスシーケンスコマンドを生成する。
【0023】
一例では、初期パルスシーケンスコマンドは、後にパルスシーケンスパラメータのセット及びスキャン入力変更を使用して変更されるテンプレート又は汎用パルスシーケンスと考えることができる。
【0024】
前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記変更されたパルスシーケンスコマンドを使用して前記磁気共鳴データを取得するよう前記磁気共鳴イメージングシステムを制御する。
【0025】
この実施形態は、被検者の高品質画像を取得するために必要な磁気共鳴イメージングシステムの実行回数を減らすことができるので、有益であり得る。履歴データベースは、履歴画像データの取り出しを可能にする。この実施形態の他の潜在的な利点は、磁気共鳴イメージングシステムを用いて試験的取得を行うよりも、履歴画像データを素早く取り出すことができることである。履歴画像データを直接比較することによって、又は履歴画像データを他の画像と比較することによって、特定のパルスシーケンスパラメータのセットが被検者の撮像において適合するか否かを決定することができる。
【0026】
他の実施形態では、初期パルスシーケンスコマンドは、調整可能なタイミング及び調整可能なパラメータを含む。
【0027】
他の実施形態では、初期パルスシーケンスコマンドは、調整可能なタイミング及び調整可能なパラメータのためのテンプレートである。
【0028】
他の実施形態では、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットは、初期パルスシーケンスコマンドの調整可能なタイミングと、初期パルスシーケンスコマンドの調整可能なパラメータとを含む。
【0029】
他の実施形態では、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットは、少なくとも部分的に初期パルスシーケンスコマンドの調整可能なタイミング含み、及び/又は少なくとも部分的に初期パルスシーケンスコマンドの調整可能なパラメータを含む。
【0030】
他の実施形態では、関心領域は、撮像ゾーン内に位置する。
【0031】
別の実施形態では、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットはさらに、高さ、BMI又は体格指数、年齢、性別、及び/又は体重などの被検者を表すデータを含み得る。これは、履歴データベースから、特定の被検者によりマッチする履歴画像データを絞り込んで選択するのに役立ち得る。
【0032】
別の実施形態では、選択されたパルスシーケンスパラメータはさらに、磁気共鳴イメージングシステムのハードウェア構成を含み得る。例えば、履歴データベースが、複数の異なる種類又は構成の磁気共鳴イメージングシステムからの履歴データを保存している場合がある。
【0033】
他の実施形態では、履歴データベースは、複数の画像データエントリを含む。各画像データエントリは、履歴パルスシーケンスパラメータのセットを含む。前記履歴データベースは、前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットとマッチングすることによって、前記履歴データベースを検索して前記履歴画像データを取り出すように構成される。いくつかの例では、これは、同一のパルスシーケンスパラメータのセットを有する画像を取り出すために使用され得る。しかし、履歴データベースは、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットと正確に一致する特定のスキャンジオメトリ及びパラメータを有する画像を有していない可能性がある。この場合、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットの特定の近傍内に存在する履歴画像データ、又は該セットのうちの特定のパラメータがマッチする履歴画像データのためにデータベースが検索され得る。これは、いくつかの異なるやり方で実行することができる。1つのケースでは、各パラメータに重みが割り当てられ、これを使用して履歴画像データの検索及び選択が行われ得る。
【0034】
別の実施形態では、特定のパラメータ閾値内のマッチが見つからない又は返送されない場合、履歴データベースは結果無しを返送するように構成される。これは、選択されたパルスシーケンスパラメータの選択がまずいことを示すのに有用な特徴であり得る。最も近い結果を単に盲目的に返す代わりに、結果が特定の閾値を上回る場合には結果無しが返送され、その後、医師又は磁気共鳴イメージングシステムのオペレータは、進行に際してより慎重になるはずである。
【0035】
他の実施形態では、前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットとマッチングすることは、クラスタリングアルゴリズムを使用して実行される。クラスタリングアルゴリズムは、例えば、様々なスキャンパラメータに関して定義された距離メトリック又は指標を使用することによって機能し得る。一部のパラメータは他のパラメータより重要であり、よって、検索においてより重要であり得る。他の例では、類似度行列(proximity matrix)がクラスタリングを決定するために使用される。
【0036】
他の実施形態では、履歴データベースは、最も近い履歴画像を含む。これは、特定のメトリック又は指標を使用して、選択されたパルスシーケンスパラメータと非常にマッチするパルスシーケンスパラメータを有する画像と考えることができる。
【0037】
別の実施形態では、履歴データベースは、メトリック又は指標を使用して、パルスシーケンスパラメータを履歴パルスシーケンスパラメータのセットと比較することによって、最も近い履歴画像を選択するように構成される。
【0038】
他の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、前記ユーザインターフェース上に前記最も近い履歴画像を表示する。この実施形態は、スキャンを実行する前に、磁気共鳴イメージングスキャンがどのような結果をもたらすかを見る手段を提供し得るので、有益であり得る。
【0039】
既にユーザインターフェースに画像が表示されている場合、これは、既存画像と合致するよう、最も近い履歴画像を位置合わせ又はスケーリングすることを含み得る。例えば、先に調査(survey)スキャンが実行され、調査スキャンに対して、最も近い履歴画像がスケーリング及び/又は位置合わせされてもよい。過去に取得された画像についても同様である。例えば、これは、以前に磁気共鳴イメージングシステムが磁気共鳴画像を取得するために使用され、何らかの理由で画像が品質が不十分であるとみなされた場合にも有用であり得る。その場合、画像の実際の取得前に、より良好な結果を提供するであろう画像を検索するために、履歴データベースが磁気共鳴イメージングシステムのオペレータによって使用され得る。
【0040】
別の実施形態では、履歴画像データは複数の履歴画像を含む。履歴画像データの少なくとも一部をユーザインターフェース上に表示することは、ユーザインターフェース上に複数の履歴画像を表示することを含む。
【0041】
なお、最も近い履歴画像は、複数の履歴画像のうちの1つであり得る。
【0042】
ユーザインターフェース上に複数の履歴画像を表示することは、オペレータが多数のパラメータの変更の効果を一度に見ることができるので、有益であり得る。例えば、複数の履歴画像を検索するためにクラスタリングアルゴリズムが使用される場合、選択されたパルスシーケンスパラメータ周辺の画像クラスタ又はグループが選択されてもよい。その場合、オペレータは複数の履歴画像を検討することができ、この選択を使用して、選択されたパルスシーケンスパラメータを選択又は補正することができる。
【0043】
別の実施形態では、複数の履歴画像はそれぞれ、メタデータを含む。ユーザインターフェース上に履歴画像データを表示することに応じてスキャン入力変更を受信することは、複数の履歴画像のうちの1つの選択を含む。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットを使用して前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを更新する。
【0044】
これは、選択されたパルスシーケンスパラメータを自動的に補正する手段を提供し得るので有益であり得る。パルスシーケンスパラメータを更新するとき、履歴データベースからの又はメタデータ内の一部の値が無視され、一部が使用されてもよい。例えば、高い重みを与えるものとしてパラメータが識別され、画像の選択後、これらが選択されたパルスシーケンスパラメータのセットに伝播又はコピーされる。これらは、TR、TE、TSE因子、SENSE因子、又はその他のパルスシーケンスのキーパラメータを含み得るが、これらに限定されない。
【0045】
別の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、選択基準及びメタデータを使用することによって、前記ユーザインターフェース上の前記複数の履歴画像のうちの1つを自動的にハイライトする。例えば、選択基準は、予めプログラムされていてもよいし、ユーザによって選択可能であってもよい。これらは、コントラスト又はコントラスト対雑音比などの磁気共鳴画像の特定の特性を含み得る。また、選択基準は、スキャン時間などのパルスシーケンスの物理的特性も含んでもよい。この実施形態は、履歴画像のセットから第3の画像を自動的に選択する手段を提供し得るので、非常に有益であり得る。システムは自動的に適切な画像を選択して単純にハイライトし、ユーザは選択を確認するだけでよい。
【0046】
他の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記複数の履歴画像のそれぞれについて選択基準とマッチする最良値のために前記メタデータを検索することによって、前記ユーザインターフェース上の前記複数の履歴画像のうちの1つを自動的にハイライトする。前記最良値は、前記複数の履歴画像のうちの前記1つについての前記メタデータである。選択基準は、例えば、所定のメタデータ値又は値の組み合わせに最もよくマッチするメタデータを選択することであってもよい。
【0047】
別の実施形態では、複数の履歴画像はそれぞれ、メタデータを含む。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、選択基準及びメタデータを使用して、前記複数の履歴画像のうちの1つを自動的に選択する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記履歴パルスシーケンスパラメータのセットを使用して前記選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを更新する。この実施形態では、プロセスは完全に自動化される。これは、磁気共鳴イメージングシステムのオペレータが、全ての画像を検討するのに十分な時間がないか、又は十分に訓練されていない場合に有用であり得る。
【0048】
他の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記複数の履歴画像のそれぞれについて選択基準とマッチする最良値のために前記メタデータを検索することによって、前記ユーザインターフェース上の前記複数の履歴画像のうちの1つを自動的にハイライトする。前記最良値は、前記複数の履歴画像のうちの前記1つについての前記メタデータである。選択基準は、例えば、所定のメタデータ値又は値の組み合わせに最もよくマッチするメタデータを選択することであってもよい。
【0049】
他の実施形態では、前記メタデータは、スキャン時間、信号対雑音比、コントラスト、コントラスト対雑音比、予め選択されたセグメンテーションアルゴリズムの成功、所定の測定アルゴリズムの成功、及びこれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む。履歴データベース内の画像は、これらのパラメータについて事前に処理されていて、単純に検索可能なデータであってもよい。セグメンテーションアルゴリズム又は測定アルゴリズムの成功を含めることは、特に有益であり得る。人間が画像を検討するとき、セグメンテーションアルゴリズムが適切に機能するか否かは人間には判別できない可能性がある。履歴データベース内の画像又は画像データは、特定のアルゴリズムが良好に機能するか否かによって分類され得る。さもなければ、スキャンが実行され、アルゴリズムが実行されるまでアルゴリズムが成功するかどうかがわからない可能性があるため、時間の節約が提供され得る。
【0050】
別の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記メタデータによって決定される1つ又は複数の軸に沿って前記複数の履歴画像を前記ユーザインターフェース上に配置する。例えば、画像は、1つ又は複数の軸上に配置されてもよく、軸上の位置は、メタデータの特定の要素又は項目の値を示してもよい。これにより、複数の履歴画像を容易にソートすることができ、適切な画像を選択することができる。場合によっては、1つ又は複数の軸上に配置される画像をソートするために使用されるメタデータは、信号対雑音比又はコントラスト対雑音比などの画像特性を含む。他の場合には、1つ又は複数の軸上で画像をソートするために使用されるメタデータは、スキャンパラメータ又はパルスシーケンス内の変数を含む。さらに他の場合には、メタデータ又は磁気共鳴取得の特性が、1つ又は複数の軸に配置される画像をソートするために使用される。例えば、画像を取得するために必要なスキャン時間を用いて画像がソートされ得る。
【0051】
別の実施形態では、メタデータはスキャン時間を含む。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、スキャン時間軸に沿って前記複数の履歴画像を前記ユーザインターフェース上に配置する。この実施形態は、スキャン時間の程度は常に既知又は自明であるわけではないので、特に有益であり得る。また、例えば、信号対雑音比と使用されるスキャン時間など、他の特性の比較を可能にし得るので、スキャン時間軸に沿って画像を配置することは有益であり得る。これにより、オペレータは、いわゆる画質とスキャン時間との間のトレードオフを容易に選択することができる。これは、容易に達成できるものではない。
【0052】
他の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記初期パルスシーケンスコマンドを使用して予備パルスシーケンスコマンドを生成する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記予備パルスシーケンスコマンドを使用して予備磁気共鳴データを取得するよう前記磁気共鳴イメージングシステムを制御する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記予備磁気共鳴イメージングデータを使用して予備磁気共鳴画像を再構成する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記予備磁気共鳴画像を前記ユーザインターフェース上に表示する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記予備磁気共鳴画像を表示することに応じて前記ユーザインターフェースから画像補正リクエストを受信する。前記画像データリクエストを前記履歴データベースに送信することは、前記画像補正リクエストの受信に応じて行われる。
【0053】
この実施形態では、予備磁気共鳴画像が拒絶されたことに応じて、リクエスト又は画像データリクエストが履歴データベースに送信された。これは、磁気共鳴画像が臨床又は診断現場において有用であり得るように磁気共鳴画像を再取得するのに有益であり得る。
【0054】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングシステムは、履歴データベースを備える。
【0055】
別の実施形態では、プロセッサは、ネットワーク接続を介して履歴データベースと通信する。他の場合には、履歴データベースは、遠隔サーバ上に又はクラウド内に配置され得る。
【0056】
別の実施形態では、履歴データベースは、リレーショナルデータベース、ドキュメント指向データベース、オブジェクトリレーショナルデータベース、又はキー値ストアデータベースのいずれか1つである。
【0057】
別の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行は、最初に調査磁気共鳴データを取得し、調査磁気共鳴画像を最初に撮像することを含み得る。その場合、オペレータが取得された磁気共鳴画像が取得後にどのように見えるかを把握できるように、履歴データベースからの画像が、調査画像にマッチするように位置合わせ又はスケーリングされ得る。
【0058】
別の実施形態では、プロセスは何度も何度も繰り返されてもよい。例えば、履歴医用画像データが取り出されると、ユーザは、選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを検討及び変更し、プロセスが繰り返され得る。これは、オペレータがより良い画像特性を探すために、又は訓練において有用であり得る。例えば、ユーザはスキャンパラメータを設定し、1つ又は複数の履歴画像を取り出す。ユーザがそれらを気に入らない場合、ユーザはスキャンパラメータを変更し、プロセスを繰り返す。
【0059】
別の側面では、本発明は、プロセッサによって実行される機械実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサは、被検者の関心領域の定義を含む選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを受信する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記パルスシーケンスパラメータのセットを使用して画像データリクエストを履歴データベースに送信する。前記画像データリクエストは、前記パルスシーケンスパラメータを含む。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記画像データリクエストに応じて履歴データベースから履歴画像データを受信する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記履歴画像データの少なくとも一部を前記ユーザインターフェース上に表示する。この例は、検査が開始される前にオペレータが画像プロトコルを選択することを可能にし得るために有益であり得る。また、様々なパルスシーケンスパラメータの変化に伴い、画質がどのように変化するかの感覚を得るためにオペレータを訓練するのにも有用であり得る。
【0060】
他の実施形態では、前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記ユーザインターフェースから前記履歴画像データを表示することに応じてスキャン入力変更を受信する。これらは自動化されてもよく、又はユーザインターフェースから受信されてもよい。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記初期パルスシーケンスコマンド、前記パルスシーケンスパラメータのセット、及び前記スキャン入力変更を使用して、変更されたパルスシーケンスコマンドを生成する。前記機械実行可能命令の実行により、前記プロセッサはさらに、前記変更されたパルスシーケンスコマンドを使用して前記磁気共鳴データを取得するよう前記磁気共鳴イメージングシステムを制御する。
【0061】
他の側面では、本発明は、磁気共鳴イメージングシステムの動作方法を提供する。前記方法は、被検者の関心領域の定義を含む選択されたパルスシーケンスパラメータのセットを受信するステップを含む。関心領域は撮像ゾーン内に位置する。前記方法はさらに、前記パルスシーケンスパラメータのセットを使用して画像データリクエストを履歴データベースに送信するステップを含む。前記画像データリクエストは、前記パルスシーケンスパラメータを含む。前記方法はさらに、前記画像データリクエストに応じて前記履歴データベースから履歴画像データを受信するステップを含む。前記方法はさらに、前記履歴画像データの少なくとも一部をユーザインターフェース上に表示するステップを含む。
【0062】
前記方法はさらに、前記ユーザインターフェースから前記履歴画像データを表示することに応じてスキャン入力変更を受信するステップを含む。前記方法はさらに、前記初期パルスシーケンスコマンド、前記パルスシーケンスパラメータのセット、及び前記スキャン入力変更を使用して、変更されたパルスシーケンスコマンドを生成するステップを含む。前記方法はさらに、前記変更されたパルスシーケンスコマンドを使用して、前記磁気共鳴データを取得するよう前記磁気共鳴イメージングシステムを制御するステップを含む。
【0063】
当業者によって理解されるように、本発明の側面は、装置、方法、又はコンピュータプログラム製品として具体化され得る。したがって、本発明の側面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はソフトウェア側面及びハードウェア側面を組み合わせた実施形態の形態をとることができる(本明細書では、全てが一般的に「回路」、「モジュール」、又は「システム」と称され得る)。さらに、本発明の側面は、コンピュータ実行可能コードが実装された1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0064】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読記憶媒体」とは、計算装置のプロセッサによって実行可能な命令を格納することができる任意の有形記憶媒体を包含し得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読非一時的記憶媒体とも呼ばれ得る。また、コンピュータ可読記憶媒体は、有形コンピュータ可読媒体とも呼ばれ得る。一部の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、計算装置のプロセッサによってアクセス可能なデータを格納可能であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、限定はされないが、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、光ディスク、光磁気ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルを含む。光ディスクの例は、CD(Compact Disks)及びDVD(Digital Versatile Disks)、例えばCD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、又はDVD−Rディスクなどを含む。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、計算装置がネットワーク又は通信リンクを介してアクセスすることができる様々なタイプの記録媒体も指す。例えば、モデム、インターネット、又はローカルエリアネットワークを介してデータが取り出されてもよい。コンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータ実行可能コードは、限定はされないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信することができる。
【0065】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ実行可能コードを含む(例えばベースバンド内、又は搬送波の一部として)伝播データ信号を含み得る。このような伝播信号は、限定はされないが、電磁気、光学、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、又はデバイスによって又は関連して使用されるプログラムを通信、伝搬、又は転送可能な任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0066】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサが直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータストレージ」又は「ストレージ」は、コンピュータ可読記憶媒体の他の例である。コンピュータストレージは、任意の不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体である。一部の実施形態では、コンピュータストレージはコンピュータメモリでもあり、その逆で可能である。
【0067】
本明細書で使用される「プロセッサ」とは、プログラム、機械実行可能命令、又はコンピュータ実行可能コードを実行することができる電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を含む計算装置への言及は、複数のプロセッサ又は処理コアを含む可能性があると解釈されるべきである。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサは、単一のコンピュータシステムに集約された、又は複数のコンピュータシステム間で分散された複数のプロセッサの集合を指す可能性もある。計算装置という用語は、それぞれが1つ又は複数のプロセッサを含む複数の計算装置の集合又はネットワークを意味するとも解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同じ計算装置に集約された、又は複数の計算装置にわたって分散された複数のプロセッサによって実行され得る。
【0068】
コンピュータ実行可能コードは、プロセッサに本発明の側面を実行させる機械実行可能命令又はプログラムを含むことができる。本発明の側面の動作を実施するためのコンピュータ実行可能コードは、Java(登録商標)、Smalltalk
(登録商標)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及びC言語のような従来の手続き型プログラミング言語、又は同様なプログラミング言語のうちの1つ又は複数の任意の組み合わせで記述され、機械実行可能命令にコンパイルされ得る。場合によっては、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形態又はプリコンパイルされた形態であってもよく、オンザフライで機械実行可能命令を生成するインタプリタとともに使用されてもよい。
【0069】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザコンピュータ上で、部分的にユーザコンピュータ上で、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザコンピュータ上及び部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行され得る。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザコンピュータに接続され、又は、外部コンピュータに接続が確立されてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)。
【0070】
本発明の側面は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、イラスト、及び/又はブロック図の各ブロック又は一群のブロックは、妥当な場合には、コンピュータ実行可能コードの形態でコンピュータプログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。相互に矛盾しない場合、異なるフローチャート、イラスト、及び/又はブロック図におけるブロックを組み合わせることができることも理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンを生成し得る。コンピュータのプロセッサ又は他のプログラム可能データ処理装置を介して実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて特定される機能/動作を実装するための手段を作成する。
【0071】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスを特定の態様で機能させることが可能なコンピュータ可読媒体に保存されてもよい。コンピュータ可読媒体に保存された命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて特定される機能/動作を実施する命令を含む製品を生成する。
【0072】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードされてもよく、コンピュータ、他のプログラム可能装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させることによって、コンピュータ実施プロセスが生成され得る。コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて特定される機能/動作を実施するためのプロセスを提供する。
【0073】
本明細書で使用される「ユーザインターフェイス」とは、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムとインタラクトすることを可能にするインターフェイスである。「ユーザインターフェイス」は、「ヒューマンインターフェイスデバイス」とも称され得る。ユーザインターフェイスは、情報又はデータをオペレータに提供し、かつ/又は、オペレータから情報又はデータを受け取り得る。ユーザインターフェイスは、オペレータからの入力をコンピュータが受け取ることを可能にし、また、コンピュータからユーザに出力を提供し得る。言い換えれば、ユーザインターフェイスは、オペレータがコンピュータを制御又は操作することを可能にし、また、インターフェイスは、オペレータの制御又は操作の効果をコンピュータが表示することを可能にし得る。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインターフェイス上のデータ又は情報の表示は、情報をオペレータに提供することの一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカム、ヘッドセット、ペダル、ワイヤードグローブ、リモコン、及び加速度計を介するデータの受け取りはいずれも、オペレータからの情報又はデータの受け取りを可能にするユーザインターフェイス要素の例である。
【0074】
本明細書で使用される「ハードウェアインターフェイス」とは、コンピュータシステムのプロセッサが外部の計算デバイス及び/又は装置とインタラクトし及び/又は該デバイス/装置を制御することを可能にするインターフェイスを包含する。ハードウェアインターフェイスは、プロセッサが制御信号又は命令を外部計算デバイス及び/又は装置に送信することを可能にし得る。ハードウェアインターフェイスはまた、プロセッサが外部計算デバイス及び/又は装置とデータを交換することを可能にし得る。ハードウェアインターフェイスの例としては、限定はされないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE−488ポート、Bluetooth(登録商標)接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェイス、MIDIインターフェイス、アナログ入力インターフェイス、及びデジタル入力インターフェイスなどがある。
【0075】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「ディスプレイデバイス」とは、画像又はデータを表示するように適合された出力デバイス又はユーザインターフェイスを包含する。ディスプレイは、視覚的、聴覚的、又は触覚的なデータを出力し得る。ディスプレイの例としては、限定はされないが、コンピュータモニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、ブラウン管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、蛍光表示管ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイなどがある。
【0076】
本明細書において、磁気共鳴(MR)データは、磁気共鳴イメージングスキャン中に磁気共鳴装置のアンテナを使用して原子スピンによって放たれる無線周波数信号の測定記録として定義される。磁気共鳴データは、医療用画像データの一例である。本明細書において、磁気共鳴(MR)画像は、磁気共鳴イメージングデータ内に含まれる解剖学的データの再構成された2次元又は3次元の視覚化として定義される。この視覚化は、コンピュータを用いて実行され得る。
【0077】
組み合わせられる実施形態が相反するものでない限り、本発明の上記実施形態の1つ以上を組み合わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図面における同様の番号を有する要素は、等価な要素であるか、又は同じ機能を果たす。前に説明された要素は、機能が同等であれば、後の図面では必ずしも説明されない。
【0080】
図1は、磁気共鳴イメージングシステム100の例を示す。磁気共鳴イメージングシステム100は磁石104を有する。磁石104は、自身を貫通するボア106を有する超伝導円筒形磁石104である。異なる種類の磁石の使用も可能である。円筒形磁石のクライオスタットの内部には、超伝導コイルの集合体がある。円筒形磁石104のボア106内には、磁気共鳴イメージングを行うのに十分に強く均一な磁場が存在するイメージングゾーン108が存在する。
【0081】
また、磁石のボア106内には、磁石104のイメージングゾーン108内の磁気スピンを空間的に符号化するために磁気共鳴データ取得に使用される磁場勾配コイル110のセットが存在する。磁場勾配コイル110は、磁場勾配コイル電源112に接続されている。磁場勾配コイル110は代表的なものであることを理解されたい。典型的には、磁場勾配コイル110は、3つの直交する空間方向において空間符号化するための別個のコイルセットを3つ含む。磁場勾配電源は、磁場勾配コイルに電流を供給する。磁場勾配コイル110に供給される電流は、時間の関数として制御され、傾斜をつけられたり(ramped)、又はパルス化され得る。
【0082】
イメージングゾーン108の隣には、イメージングゾーン108内の磁気スピンの向きを操作するための、及びイメージングゾーン108内のスピンから無線信号を受信するための無線周波数コイル114が存在する。無線周波数アンテナは、複数のコイル要素を含み得る。また、無線周波数アンテナは、チャネル又はアンテナと呼ばれ得る。無線周波数コイル114は、無線周波数送受信機116に接続される。無線周波コイル114及び無線周波数送受信機116は、別個の送信コイル及び受信コイルと、別個の送信機及び受信機とによって置き換えられてもよい。無線周波数コイル114及び無線周波数送受信機116は代表的なものであることを理解されたい。また、無線周波数コイル114は、専用送信アンテナ及び専用受信アンテナも表すことが意図されている。同様に、送受信機116は、別個の送信機及び受信機も表し得る。無線周波数コイル114はまた、複数の受信/送信要素を有してもよく、無線周波数送受信器116は、複数の受信/送信チャネルを有してもよい。
【0083】
磁石104のボア106内には、撮像領域108内で被検者を支持する被検者支持体120が存在する。撮像領域108内に関心領域109を見ることができる。
【0084】
送受信機116及び磁場勾配コイル電源112は、コンピュータシステム126のハードウェアインターフェイス128に接続されている。
【0085】
コンピュータ126はさらに、プロセッサ130、ユーザインターフェース132、コンピュータストレージ134、及びコンピュータメモリ136を備える。ハードウェアインターフェース128は、プロセッサ130が、磁気共鳴イメージングシステム100の機能を制御するために、コマンド及びデータを送受信することを可能にする。プロセッサ130はまた、ユーザインターフェース132、コンピュータストレージ134、及びコンピュータメモリ136に接続される。
【0086】
コンピュータストレージ134及びコンピュータメモリ136の中身は、交換可能であってもよい。一部の例では、コンピュータストレージ134の中身がコンピュータメモリ136で複製され得る。
【0087】
プロセッサ130は、さらに、履歴データベース138に接続されているものとして示されている。履歴データベース138は、コンピュータシステム126の一部であってもよいし、遠隔配置されてもよい。例えば、プロセッサ130は、ネットワーク接続を介して履歴データベース138と通信し得る。履歴データベース138は、例えば、データベース又はリレーショナルデータベースをホストするサーバであってもよい。履歴データベース138は、少なくとも、選択されたパルスシーケンスパラメータのセット142を使用することによって照会されるように構成される。身長、BMI、年齢、性別、体重、及び磁気共鳴イメージングシステム100のハードウェア構成などの他のパラメータをさらに使用して、履歴データベース138に対するクエリが少なくとも部分的に構築されてもよい。
【0088】
コンピュータストレージ134は、複数の初期パルスシーケンスコマンド140を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、選択されたパルスシーケンスパラメータのセット142を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、画像データリクエスト144を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、画像データリクエスト144に応じて履歴データベース138から受信された履歴画像データ146を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、ユーザインターフェース132上に表示される履歴画像データの一部148を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、履歴画像データの一部148の表示に応じてユーザインターフェース132から受信されたスキャン入力変更150を含むものとして示されている。
【0089】
コンピュータストレージ134は、さらに、初期パルスシーケンスコマンド140をスキャン入力変更150を用いて変更することによって初期パルスシーケンスコマンド140から生成された変更後パルスシーケンスコマンド152を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、磁気共鳴イメージングシステム100を制御するために使用される変更後パルスシーケンスコマンド152を用いて任意選択的に取得された磁気共鳴データ154を含むものとして示されている。コンピュータストレージ134は、さらに、磁気共鳴データ154から再構成された磁気共鳴画像156を含むものとして示されている。
【0090】
コンピュータメモリ136は、プロセッサ130が磁気共鳴イメージングシステム100を制御及び操作することを可能にする機械実行可能命令160を含むものとして示されている。
【0091】
図2は、
図1の磁気共鳴イメージングシステム100の動作方法を示すフローチャートを示す。
図2のフローチャートのステップは、例えば、機械実行可能命令160によって実行される動作を少なくとも部分的に示し得る。
【0092】
最初に、ステップ200において、選択されたパルスシーケンスパラメータのセット142が受信される。選択されたパルスシーケンスパラメータのセットは、被検者118の関心領域109の定義を含む。撮像ゾーン108内の関心領域109が示されている。次に、ステップ202において、画像データリクエスト144が履歴データベース138に送られる。画像データリクエストは、パルスシーケンスパラメータのセット142を含み得る。次に、ステップ204において、プロセッサ130は、画像データリクエスト144に応じて履歴データベース138から履歴画像データ146を受信する。
【0093】
次に、ステップ206において、プロセッサ130は、履歴画像データの少なくとも一部148をユーザインターフェース132上に表示するようにディスプレイを制御する。履歴画像データは、異なる種類のデータを含むことができる。例えば、履歴画像データは、履歴画像、メタデータ、及び/又は履歴画像のためのパルスシーケンスパラメータを含むことができるが、これらに限定されない。次に、ステップ208において、プロセッサ130は、履歴画像データ148のユーザインターフェース132上の表示に応じて、スキャン入力変更150を受信する。次に、ステップ210において、プロセッサ130は、初期パルスシーケンスコマンド140、選択されたパルスシーケンスパラメータのセット、及びスキャン入力変更150を使用して、変更後パルスシーケンスコマンド152を生成する。最後に、ステップ212において、プロセッサは、機械実行可能命令160を使用して磁気共鳴データ154を取得するよう、磁気共鳴イメージングシステム100を制御する。
【0094】
図1及び
図2に示す例は変更され得る。例えば、医療的スキャン前の訓練又は計画において使用するために、履歴データベース138及びディスプレイ132とともにコンピュータシステム126が単独で使用されてもよい。例えば、ステップ200、202、204、及び206は、磁気共鳴イメージングシステムの他の構成要素から独立したコンピュータシステムを使用して実行されてもよい。これらのステップ200〜206は、複数回、繰り返されてもよい。これは、特定の画質のためにスキャンパラメータを如何に変更するかの計画、及びオペレータの訓練に役立ち得る。
【0095】
図3は、ユーザインターフェースディスプレイの一部300の例を示す。ユーザインターフェースディスプレイのこの部分300には、第1のメタデータアクセス302及び第2のメタデータアクセス304がある。複数の履歴画像306、308、310、312、及び314が様々な箇所に配置される。画像の位置は、各画像306、308、310、312、及び314のメタデータ302、304の値を示すように配置される。例えば、アクセス302はスキャン時間とすることができ、アクセス304は信号対雑音比又はコントラスト対雑音比などのパラメータとすることができる。これは、オペレータがメタデータパラメータ302、304のうちの1つに関連づけられたトレードオフを検討することを可能にする準備手段を提供し得る。
【0096】
MRIスキャン又はパルスシーケンスは、何百もの注意深く作成されたパラメータ又はスキャンパラメータによって定義され得る。異なる解剖学的構造及びユースケース(使用事例)のために予め定義されたパルスシーケンス(本明細書では「ExamCards」とも呼ばれ得る)は、通常、容易に使用することができるが、画像コントラスト又はスキャン時間を最適化するために放射線技師がパラメータを採用する状況もある。残念なことに、準最適なパラメータ設定は、対応する画像が取得された後にのみ特定することができ、結果として、何らかの初期設定でスキャンを繰り返さなければならない可能性があり、よって、追加コストが生じたり、患者の快適性及びスループットが低下する。
【0097】
例は、比較可能なパラメータセットを有する以前の取得結果(異なる部位、異なる患者)から代表的な概観画像を取り出す視覚的支援システムを提供し得る。スキャンパラメータ及び概観画像は中央データベースに、理想的にはPhilips HSDPに格納され、標準的なクラスタリングアルゴリズムが、データマイニングによって最も類似するスキャンのクラスタを定義する。理想的には、設置されたMRI全体がプラットフォームに接続される。上記例示的なワークフローでは、システムは、最も類似するパラメータクラスタの代表的な画像/概観を取り出し、実際のスキャンの実行前に、更新されたスキャンパラメータの予測される結果の視覚フィードバックを即座に得ることを可能にする。
【0098】
放射線医学では、全世界で毎年3000万以上のMRI検査結果が取得されていると推定されている。結果として、毎日、非常に類似したイメージングプロトコル及び解剖学的構造が何百回も繰り返されており、異なる兆候を有する異なる患者を撮像するにもかかわらず、これらの画像は非常に類似する。しかし、特定の部位の放射線科医は、そのような画像のほんの一部しか見ない。
【0099】
MRIスキャナは、病院にとって大きな投資であり、さらに、比較的小さい放射線診療のためのものである。これは、多くの放射線科医が、稼働している限りはシステムを更新しない傾向がある理由である可能性がある。多くのスキャナがソフトウェアの更新をされておらず、ましてやハードウェアの更新などの大幅な変更はされていない。
【0100】
典型的なMR画像取得は、スキャン前にスキャンコンソールで変更可能な数百のパラメータによって定義され得る。通常、これらのパラメータは、注意深く作成されたパルスシーケンスを示し、多種多様なコントラストをもたらす。Philipsシステムの場合、これらのパラメータセットは、各スキャナ上にExamCardの形式で格納される。経験豊かな放射線医師であっても、単一のパラメータを更新する効果を予測することは多くの場合、困難である。臨床現場では、パラメータ変化が画像コントラスト又は全スキャン時間に関して期待された改善を有さない場合、スキャンを頻繁に繰り返さなければならない。
【0101】
一方、今日の医療ケア提供者にとって、品質管理は重要なテーマである。多くの国では、国の規制が既にシームレスな文書化を要求しているか、又はそのような規制が現在準備中である。現行の作業手順が実際に良好なイメージング結果に至ることを保証することは、煩雑な手作業のプロセスである。
【0102】
図4は、ユーザインターフェース132の例を示す。ユーザインターフェース132は、2つの画像を示す。画像400は、取得された磁気共鳴画像400を示す。画像400は、取得された磁気共鳴イメージング脳スキャンの中央スライスを示す。これは、例えば、パルスシーケンスのための所定のスキャン設定のセットを使用して行うことができる。ユーザインターフェース132は、ユーザがスキャンパラメータを変更することを可能にするボックス及びコントロールを有する部分404を有する。
【0103】
ユーザインターフェース404の該部分は、オペレータが、選択されたパルスシーケンスパラメータのセット142を入力することを可能にする。画像402は、ユーザのインターフェースの部分404への入力に応じて履歴データベース138から取り出された履歴画像402を示す。画像400及び402は異なる人物からのものであるが、402におけるスキャン解剖学的構造は400におけるものと同様である。部分404に入力されたスキャンパラメータが使用された場合に、画像400がどのように見えるかの良好な予想をオペレータに知らせることができる。いくつかの他の例では、画像402を画像400に重ねることができ、両画像がより類似して見えるように、画像402の位置を変更することができる。他の例では、402と400との間の位置合わせは、画像400により類似するように、画像402を変形させるために使用され得る。
【0104】
図4は、MRIスキャナコンソール又はユーザインターフェースの一例の実装をさらに示す。左の画像400は、取得されたMRI脳スキャンの中央スライスを示す(ExamCardにおける現在のパラメータ設定)。ユーザが(画像の下のウィンドウ内の)スキャンパラメータを変更した後、新しい設定に従って画像が更新される(右の画像402)。明らかに、灰白質/白質コントラストはパラメータ更新の影響を受ける。いくつかの例では、クラスタリングアルゴリズムは異なる患者/部位からの画像を選択するので、画像の解剖学的構造は、現在のスキャンと比較して正確に同じではない可能性がある。
【0105】
いくつかの例では、ExamCard又は単一スキャンのパラメータを更新する際に、放射線科医のために視覚的誘導システムが提供される。放射線科医は、スキャン前に、パラメータの変更によって画像の見かけ(すなわち、コントラスト、ノイズ、骨、脂肪、白質などの構造の表示)及び全スキャン時間がどのように変化するかを見ることができる。したがって、放射線科医は、変更の影響をよりよく判断することができるか、又は、実際のスキャンが取得される直前に、品質問題又はスケジューリング制約を確認することができる。これは、後でやり直さなければならない誤ったパラメータ設定を有するスキャンの数を減らすのにも役立つ。
図4は、スキャナUIがどのように見え得るかを示す。
【0106】
現在のところ、所与のスキャンパラメータセットについて画像の外観を直接計算又はシミュレートするアルゴリズムは知られていない。したがって、一部の例は、類似するスキャンをデータベース内で検索し、放射線科医に提示するために対応する既得画像を使用するタイプのデータマイニング手法を使用することができる。
【0107】
図5は、履歴データベース138によるデータ収集及び検索を示す。
図5に示す例では、履歴データベース138は、クラウドストレージベースのシステムによって表される。この例では、履歴画像500及び関連するメタデータ502が存在し、履歴データベース138にアップロードされる。履歴画像500及び関連するメタデータ502は、その後、前処理され、クラスタ化され、履歴データベース138に格納される。これは、様々なスキャナ、及び、様々なスキャンパラメータ及び様々なスキャンジオメトリを表す様々なプロトコルのための累積型データベースを示す。使用時、磁気共鳴イメージングシステム100は、スキャンパラメータのセット142をデータベース138に送ることができる。それに応じて、データベースは履歴画像146を見つけ、これを返送する。
【0108】
図5は、1つの例についてのデータ収集及び検索の概略図を提供する。参加している各病院は、全ての関連する情報をアップロードすることにより、実施された検査を報告する。アップロードされたデータの組み合わせはその後処理され、代表的グループにクラスタ化され、結果は二次データベースに格納される。ExamCardのパラメータを変更する際、システムは、このデータベースに問い合わせをして、過去の取得の代表的画像を取得することができ、これにより、更新後のパラメータの効果を推定することができる。
【0109】
いくつかの例では、多数の磁気共鳴イメージングシステムが履歴データベースに接続され、検査に関する関連情報(ExamCard、手動で選択されたプロトコルパラメータ及び解剖学的構造、さらに患者年齢及び性別など)が履歴データベースに送られた後、スキャナの種類及び構成とともに保存される。いくつかの例では、必要に応じてさらに計算するために、画像の匿名化されたバージョンが利用可能である。画像は履歴データベースに格納されてもよいが、画像は病院で保持し、画像のURLのみを保存することも可能である。実際の画像はオンデマンドで(匿名化された形式で)取り出される。また、帯域幅及びストレージ要件を低減するために、単一の特徴的スライスのみ(例えば、何らかのアルゴリズムによって計算された中央スライス)を履歴データベースに送信することも可能である。このようなアルゴリズムは、履歴データベース上で動作してもよい。
【0110】
図5は、提案されるワークフローの概略図を示す。参加している各病院は、データをクラウドベースのシステムにアップロードすることで、実施された検査を報告する。送信される情報には、スキャンを取得するために使用されたパラメータ、検査に関するメタデータ、及び各診断スキャンに関する代表的画像(すなわち、自動セグメンテーションアルゴリズムによって抽出された最も代表的なスライス又は特定の解剖学的特徴)が含まれる。クラウドベースのシステムにおいて、その後、アップロードされたスキャンの少なくとも一部が、取得中に使用された正確なパラメータに基づき処理及びクラスタ化される。得られた各クラスタについて、代表的スライスが選択される(例として)。
【0111】
図6は、コンピュータシステム126又は磁気共鳴イメージングシステム100及び履歴データベース138によって表されるクラウドアプリケーションによって実行されるいくつかの動作を示す。最初に、磁気共鳴イメージングシステムは、スキャンを更新し、次にスキャンパラメータ202をアップロードする。次いで、履歴データベース138は、ステップ600において、最も類似する画像クラスタを見つけ、代表的画像を見つける。次に、ステップ602において、履歴データベース138は、履歴画像データ146を検索する。次に、ステップ204において、履歴データベース138は、履歴画像データ146を磁気共鳴イメージングシステム100に送信する。また、磁気共鳴イメージングシステムを有さないコンピュータシステム126に送ることもできる。ユーザインターフェース132において、前に取得された画像が、履歴画像146と位置合わせされてもよい。
【0112】
図6は、クラウドベースのシステムからデータを取り出すための1つの可能なワークフローを示す。アプリケーションは更新されたスキャンパラメータを送信する。クラウドアプリケーションは、対応するクラスタを特定し、特定された画像を返送する。ローカルアプリケーションは、いらだち(irritations)を最小限に抑えるために、該画像を現在表示されているものと空間的に整列させる。
【0113】
いくつかの例では、すべての利用可能なスキャンパラメータセットについて、履歴データベース上で動作するアルゴリズムが、既知のクラスタリングアルゴリズムを使用して類似するセットのクラスタを計算する。原則的には、このようなアルゴリズムは、何らかの最適なクラスタリングを決定するために、クラスタ内のスキャンのための「距離指標」及びパラメータの最小「ばらつき」を使用する。また、最適化プロセスをより適切に導くために、(MRIの専門家からの)従来の知識が含められてもよい。新しいセットがデータベースに格納されるとき、アルゴリズムはクラスタ情報を更新する。
【0114】
いくつかの初期ExamCard及び各パラメータの更新後、ローカルコンソールは、現在のパラメータセットに基づきこの累積型データベースに問い合わせを行い、代表的画像を取り出すことができる。これらの画像により、取得画像がどのように見えるかを素早く推定することができる。
【0115】
上述のように、
図6は、1つの可能な画像検索ワークフローをより詳細に示す。ここで、ローカルアプリケーションは、更新されたパラメータセットをクラウドベースのアプリケーションに送信し、クラウドベースのアプリケーションは最も近いマッチングクラスタを代表的画像と共に識別する。次に、この画像はクライアントに返送され、より良い視覚的な比較のために、現在表示されている画像と空間的に位置合わせされる。ここで、高速かつロバストな剛体画像レジストレーションを適用することができる。画像は異なる患者に由来するので、当然ながら画像の空間的位置合わせは完全な位置合わせを保証できないが、この作業の目的は画像のより「一貫した」観察を提供することである。
【0116】
1つの例では、システムは、インストールされているExamCardをMRIスキャナ上で管理すること、及びExamCard内のパラメータを更新することを可能にする、クラウドベースのExamCard管理ソリューションとして実装される。
【0117】
別の例では、代表的画像の計算は、パラメータの新しい値について計算されるだけでなく、古い値から新しい値の範囲内で段階的に計算されてもよい。その場合、ユーザインターフェースでは、ユーザはスライダを使用して、パラメータ範囲内のすべての画像を連続的にスキャンすることができる。
【0118】
本発明は、図面及び上記において詳細に図示及び記載されているが、かかる図示及び記載は説明的又は例示的であり、非限定的であると考えられるべきである。本発明は、開示の実施形態に限定されない。
【0119】
開示の実施形態の他の変形例が、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲から、クレームされる発明に係る当業者によって理解及び実施され得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という用語は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載される複数のアイテムの機能を果たし得る。複数の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているからといって、これらの手段の組み合わせが好適に使用することができないとは限らない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの一部として供給される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体等の適切な媒体上で記憶及び/又は分配されてもよいし、インターネット又は他の有線若しくは無線テレコミュニケーションシステムを介して等の他の形態で分配されてもよい。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。