(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記螺旋状のガイドレール(80)が、非連続的であり、実質的に同等の形状及び寸法である複数の螺旋状のトラックを備え、D1=2πr/(螺旋状のトラックの数)であり、r=前記内壁又は前記ボタン本体の半径である、請求項3に記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
前記カムガイド(80)が、非連続的であり、前記内壁又は前記ボタン本体上に複数の第1のカムトラック(84)を備え、前記複数の第1のカムトラック(84)が、前記内壁又は前記ボタン本体上で半径方向に離間されており、前記内壁又は前記ボタン本体の他方上で突起部(50)と係合する、請求項5に記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
前記カムガイド(80)が、前記第1のカムトラック(84)の中間にある第2のカムトラック(85)を備え、前記第2のカムトラック(85)が、前記内壁又は前記ボタン本体の他方上でかみ合いカムトラック(86)と係合する、請求項6に記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、大気への揮発性物質を送達するための揮発性組成物ディスペンサに関する。本ディスペンサは、フレグランス、エアフレッシュナ、防臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、医療物質、消毒剤、清浄剤、気分向上剤、アロマテラピー助剤を供給する目的、あるいは大気若しくは環境の状態を整える、修正する、又はそうでない場合、変更するように作用する揮発性物質又は揮発性組成物を使用する別の任意の目的に好適である。本発明を詳細に説明する目的のため、本発明は、香料の原料を含有する液体を送達するための揮発性組成物ディスペンサに関して説明されるが、本発明の範囲を限定することは意図されない。
【0010】
図1は、本発明による揮発性組成物ディスペンサ1(以下「ディスペンサ」)の前方斜視図を示し、
図2はディスペンサ1の後方斜視図を示す。ディスペンサ1は、フロントカバー100及びリアフレーム200を有するハウジング10を備え、フロントカバー100及びリアフレーム200は、内部空間を画定している。リアフレーム200は、リアフレーム200の中央に実質的に配置されているフレーム開口部201(これ以降「開口部」)が設けられている。押しボタン20(これ以降「ボタン」)は、開口部201内部に配設されており、ディスペンサ1をユーザが作動させるのを可能にするリアフレーム200に対して移動可能である。揮発性組成物31を含有するカートリッジ30は、ハウジング10内に配置されている。
【0011】
図3は、ディスペンサ1の内部構成要素を示している。フロントカバー100は、カートリッジ30を表示するように構成されているウインドウ101を備えている。カートリッジ30は、オリフィス321を有する容器32を備えており、その内部に、揮発性組成物31(
図1に示されている)が保管されている。破裂可能な基材33は、ディスペンサ1が作動するまで、揮発性組成物31が放出されるのを防止するために、リザーバを画定するオリフィス321にシール可能に取り付けられて、オリフィス321を覆っている。破裂可能な基材33は、破裂されて、破裂可能な基材33に隣接して位置している破裂機構34を作動することにより、揮発性組成物31を放出することができる。この破裂機構34は、弾性部材38によって外部フレーム36に移動可能に取り付けられた移動可能な部材35を含む。弾性部材38は、1つ以上のばね38から形成することができる。1つ以上の破裂要素37は、破裂可能な基材33に穴を空けるための破裂機構34の内部に配設されている。破裂要素37は、ピンであってもよい。カートリッジ30は、カートリッジ30の外部に配置されている膜39を備えてもよい。膜39は、容器32の外縁323に配置されているフランジ322にシール可能に取り付けられ得る。膜39は、容器32、揮発性組成物31、破裂可能な基材33、及び破裂機構34を取り囲んでいる。膜39は、圧力又は作動力が膜39に適用されると、屈曲するように構成され得る。
【0012】
ディスペンサ1を作動させるために、ユーザは、ボタン20が破裂機構34に係合して(膜39の偏向又は屈曲によって)、破裂機構34上のピン37が破裂可能な基材33を貫通するまで、ボタン20を押す。破裂可能な基材33に一旦、貫通されると、揮発性組成物31は、容器32から流れ出して膜39を濡らし、次に、膜39から蒸発により、大気周囲に送達される。
【0013】
ボタン20及びリアフレーム200は、ディスペンサ1を作動させるユーザに触覚的かつ直感的なユーザ体験を更に提供すると同時に、カートリッジ30内での破裂可能な基材33の効率的かつ制御された破裂を実現するように構成され得る。
【0014】
図4は、リアフレーム200の側面断面
図A−Aを示している。内壁40は、開口部201の外縁207に設けられており、リアフレーム200の内部からハウジング10まで延在している。内壁40は、開口部201の外縁207と同一平面の近位端部41、及びハウジング10に突出している遠位端部42を有する。内壁40は固体かつ筒状形状であってもよい。しかしながら、内壁40は、例えば、正方形断面又は長方形断面などの、何らかの他の形状を採ってもよい。内壁40は、実質的に円筒状であってもよく、連続壁、又は例えば格子構造若しくは複数の互いに連結した細長い支柱などのセグメント化された壁を含む。内壁40は、開口部201の中央からつながる中央長手方向軸1000を備えるハウジング10内への開口部201の延在を画定することができ、開口部201に沿って、ボタン20を押し込むことができる。代替的に、内壁40がハウジング10からの開口部201の延在を画定するように、内壁40がハウジング10から突出していてもよい。したがって、遠位端部42は、開口部201の外縁207と同一平面にあってもよく、近位端部41は、ハウジング10から突出していてもよい。少なくとも1つの突起部50が内壁40の遠位端部42上に配置されてもよい。
【0015】
図5は、リアフレーム200の開口部201に嵌合してその内部を移動するように構成されたボタン20の正面図である。ボタン20は、上部21、及び上部21からハウジング10内に延在するボタン本体22を備えている。ボタン20が「静止時」位置にあるとき
(例えば図12Aを参照)、上部21は開口部201の外縁207に沿って位置する(
図4を参照)。代替的に、「静止時」時には、ボタン20の上部21は開口部201から突出する(例えば、
図13Aを参照)。ボタン本体22は、内壁40と実質的に平行して延在する。したがって、ボタン本体22はまた、筒状形状を有していてもよい。カムガイド80がボタン本体22上に設けられてもよい。
【0016】
図6Aは、ボタン20が「静止時」位置にある、リアフレーム200内に装着されたボタン20の断面図である。
図6Bは、作動後位置にあるボタン20の断面図である。ボタン20は、ボタン20が押されると、長手方向軸1000と平行な平面内で直線的に移動し、同時にリアフレーム200に対して長手方向軸1000を中心に回転するように構成されている。
【0017】
具体的には、ディスペンサ1は、ユーザによってボタン20の上部21に加えられた力に応答してボタン20の軸方向運動を回転に変換することにより、ボタン20の「静止時」位置から作動後位置までの移動を案内するための案内機構400を備える。具体的には、案内機構400は、ボタン20の移動を案内するためにボタン20と内壁40との間に配置されている。具体的には、案内機構400は、ボタン20の軸方向移動を回転に変換するための、内壁300及びボタン本体22のうちの一方に位置する少なくとも1つのカムガイド80と、内壁40及びボタン本体22のうちの他方に位置する少なくとも1つの突起部50と、を備える。突起部50は、軸方向移動に応答してボタン20を回転させるために、少なくとも1つのカムガイド80と係合する。
【0018】
カムガイド80は、ボタン本体22上に設けられてもよく、突起部50は、内壁40の遠位端部42に設けられてもよい。
【0019】
図6Aは、リアフレーム200内に装着されたボタン20の代表的な図であり、ボタン20は、「静止時」位置にあり、カムガイド80は、直角三角形として示される。
図6Bは、ボタン20の「静止時」位置から作動後位置までの案内された移動を示し、作動後位置にある突起部50の異なる位置が示され、ボタン20の遠位端部23が長手方向軸1000に沿って内壁40の下方にある代表的な図である。内壁40及びボタン本体22は、円筒軸2000を備えてもよく、軸2000は、フレーム開口部201の長手方向軸1000と同軸である。
図6A及び
図6Bを参照すると、カムガイド80は、第1の端部81と第2の端部82との間にカムガイド80の
円周長D1及び軸方向距離D2を画定する、第1の端部81及び第2の端部82を備える。突起部50は、「静止時」位置では第1の端部81に位置し、一方で斜面70は、作動後位置で突起部50と当接するためにカムガイド80の第2の端部82に位置する(
図6B参照)。
【0020】
図6Aで示すとおり、「静止時」位置では、ボタン本体22の遠位端部23は、突起部50の近位にある。突起部50は、カムガイド80と係合するための丸い形状501を備えてもよい。ボタン20が押されると、ボタン20は、長手方向軸1000と平行な軸方向1100に沿ってハウジング2内へと軸方向に移動する。突起部50がカムガイド80と係合することにより、突起部50が斜面70に当接して、作動後位置で第2の端部82と隣接するまで、ボタン20の軸方向移動がボタン20の回転に変換される。斜面70の利点は、破裂可能な基材33の破裂時にボタン20の移動を制限することで、ボタン20が作動したという触覚信号をユーザに送り、ユーザがボタン20を解放することである。
【0021】
カムガイド80のカム角度αは、所望のボタンストロークS(mm)、並びに長手方向軸1000及び/又は円筒軸2000を中心としたボタン20の回転角度β(
図13Bに示される)を得るように構成することができる。所望のボタンストロークは、破裂機構34の破裂要素37が基材33に穴を空けるために、開口部201の長手方向軸1000に沿うボタン20が移動する距離とすることができる。
【0022】
カムガイド80と突起部50とを協働させて、ボタン20を長手方向軸1000に沿って軸方向に移動させ、かつ長手方向軸1000を中心に時計回り又は反時計回りに回転させることにより、
図13A及び
図13Bに示すように、ボタン20の上部21はリアフレーム200に対して異なる配向を有することができる。
【0023】
軸方向に移動可能であり、かつ同時に回転可能なボタン20の技術的効果は、ボタン20の移動を案内するための案内面積を増加させ、また、ボタン本体22の遠位端部23を長手方向軸1000に対して垂直の平面と平行に維持して破裂機構34(
図3)と係合させ、破裂可能な基材33(
図3)を均一に破裂させること、すなわち作動するとすべての破裂要素37(
図3)に破裂可能な基材33を穿通させること、である。
【0024】
カムガイド80の更なる利点は、ユーザによってボタン20に加えられた作動力から生じるカートリッジ30(
図3に示す)への圧力の分布を可能にすることである。したがって、ユーザが過大又は急激な力、すなわちボタン20の移動を行使した場合、結果として生じるいかなる圧力又はエネルギーも、ボタン20が破裂機構34と係合する前に螺旋状のガイドレール80と突起部50とが係合することにより吸収される。したがって、作動力からのエネルギーは、カートリッジ30内で破裂可能な基材33の効率的で制御された破裂を可能とするように、制御された方法でボタン20からカートリッジ30内の破裂機構34まで伝達することができる。
【0025】
ボタンの回転角度βに対するボタンストロークSの比は0.1mm/度であってもよい。カム角度αは、ボタン20の回転角度βより大きくてもよい。ボタンの回転角度βに対するカム角度αの比は、1.3であってもよく、ボタンの回転角度は、30度〜70度の範囲であってよい。表1は、小型の形状因子の揮発性組成物ディスペンサ1のカム角度α、ボタン回転角度β、及びボタンストロークSの対応する値の異なるセットを示す。
【0027】
カムガイド80は、内壁40又はボタン本体22上の螺旋状のガイドレールであってもよく、内壁40又はボタン本体22の円筒軸2000に対する螺旋状のガイドレール80のカム角度αは
斜面70とカムガイド80の第2の端部82との間に以下のように定義することができる。
α=arctan(D1/D2)、式中、
D1=第1及び第2の端部間の
内壁又はボタン本体の円周長であり、
D2=第1及び第2の端部間の
斜面のガイドレールの軸方向距離である。
【0028】
螺旋状のガイドレール80は、内壁40又はボタン本体22の周囲を周囲方向に延在する連続したトラックであってもよい。ガイドレール80の
円周長D1は以下のように定義することができる。
D1=2πr
式中、r=内壁40又はボタン本体22本体の半径である(mm)。
【0029】
代替的に、螺旋状のガイドレール80は非連続的であってもよく、これはボタン本体22の周囲で円周方向に延在する複数の平行する螺旋状のトラック80である。螺旋状のトラック80は、同等の形状及び寸法となるように構成されているため、ガイドレールD11の
円周長は以下のように定義することができる。
D11=2πr/(螺旋状のトラック数)
式中、r=ボタン本体の半径である(mm)。
【0030】
連続的なガイドレールと比較した非連続的な螺旋状のガイドレール80の利点は、より短いボタンストローク、及びよりコンパクトなボタン20の設計、並びに結果としてよりコンパクトなディスペンサの設計を提供することである。
【0031】
図7A及び
図7Bを参照すると、螺旋状のガイドレール80は内壁40上に配置されてもよく、突起部50は、ボタン本体22上に、ボタン本体22の近位端部24に対して近位に配置されてもよい。具体的には、螺旋状のガイドレール80はボタン本体22の中央に配置され、突起部50は内壁40の遠位端部に位置する。
図8及び9は、螺旋状のガイドレール80及び突起部50の異なる構成を示す。
図8を参照すると、螺旋状のガイドレール80は、ボタン本体22内に形成された1つ以上の螺旋状の溝440を備えてもよい。突起部50は、内壁40に取り付けられたローラ又はピンであってもよい。螺旋状の溝440を形成することの利点は、より少ない材料を用いてボタン20を製造できるため、製品材料コストを節約できることである。更に、螺旋状の溝440の端
部は、斜面70と同じ機能を果たして作動後のボタン20の移動を制限する。代替的に、螺旋状のガイドレール80は、
図9に示すようにボタン本体22から
円周方向に延在する1つ以上の螺旋状リブ450を備えていてもよい。
【0032】
図10は、リアフレーム200内にある、作動前の、すなわち「静止時」位置にあるボタン20の背面図である。更に、例えば
図11に示すように、1つ以上の突起部50は離間されて内壁40の遠位端部42に位置決めされ、ガイドレール80のそれぞれと係合してボタン本体22と内壁40との間に3つの接触点(図示せず)(3つの点接触としても知られる)を画定するように配置される。3つの点接触は、例えば、上部21の中心から外れた位置などの意図されない位置(
図11に示す)が押されたときに、ボタン20のための安定した支持平面を画定し、ボタン20が内壁40に対して移動する間ボタン20の傾斜を最小化する。
【0033】
図11は
図3のリアフレーム200の斜視図であり(一部のみ示す)、
図12Aはボタン20の斜視図であり、
図12Bはボタン20の底面図である。1つ以上の突起部50は内壁40の遠位端部42に配置され、ここで突起部50はボタン本体22のカムガイド80と係合するために整列されている。カムガイド80は、ボタン本体22上に形成されている複数の第1のカムトラック84を含んでもよい。第1のカムトラック84は、内壁40の遠位端部42上の突起部50と係合するために、ボタン本体22上で半径方向に離間される。カムガイド80は、第1のカムトラック84の中間に、複数の第2のカムトラック85を更に含んでもよい。
【0034】
具体的には、第2のカムトラック85は、ボタン本体22から径の外側方向に延在し、かつボタン本体22上に円周方向に離間されており、内壁40内のボタン20の挿入時に、内壁40上に形成されたかみ合いカムトラック(mating cam track)86と係合するように配設されている。第2のカムトラック85及びかみ合いカムトラック86は、長手方向軸1000を中心としたボタン20の回転、及び長手方向軸1000に沿ったボタン20の軸方向移動のための連続的なカム形状を画定するため、形状(「shape」)又は形状(「profile」)を第1の
カムトラック84に対応するようにそれぞれ構成され得る。
【0035】
更に、
図13A,図13B,図14A,図14Bに示すように、ボタン20に印90を付けてもよい。例えば、
図13Aに示すように、印90は、ボタン20がリアフレーム200に対して軸方向移動及び回転すると、ボタン20の上部21の様々な配向を示すように構成することができる。例えば、ボタン20の上部21は、「静止時」位置(
図13A)ではリアフレーム200に対してある配向で、作動後位置(
図13B)ではリアフレーム200に対して別の配向であってよい。
【0036】
更に、第2のカムトラック85及びかみ合いカムトラック86は、ボタン20が、内壁40の遠位端部42に対して、ある高さでフレーム200内に配設されるのを可能にするように構成され得る。高さは、組み立てると、ボタン20が第1の位置では開口部201の外縁207と面一である(
図13Aに示す)か、あるいは第1の位置では開口部201の外縁207よりも上方に延在する(
図14Aに示すように)か、のいずれかであり得るように様々であってよい。第1のカムトラック84上には、作動後にボタン20がリアフレーム200と相互係止するように、突起部50と係合して、突起部50を通過して移動するための第2の突起部51が配置されてもよい。
【0037】
内壁40、突起部50、及びフレーム200は、成形されて一体型ユニットを形成してもよく、また、製造を容易にするためにプラスチックを含んでもよい。同様に、螺旋状のガイドレール80及びボタン20も型込成形されて一体のプラスチック部品を形成してもよい。代替的に、ボタン20と、フレーム200と、突起部50と、はばね鋼などの金属薄板からなってもよく、打ち抜き又は圧延されて一体の金属構成要素を形成してもよい。
【0038】
揮発性組成物ディスペンサ1は、ユーザの手に人間工学的に調和するように、又は使用を容易にするように、コンピュータマウスに類似した形状因子などの小さな形状因子を含むことができる。内壁40、ボタン20、突起部50、及びガイドレール80の物理的仕様は、所定のボタンストロークS(ミリメートル)、及び/又は、
図13Bに示すように、長手方向軸1000に対するボタン20の所定の回転角度β(度)に基づいて構成することができる。
図11、12A、及び12Bを参照すると、表2は、4.25mmのボタンストロークS及び42.5度の回転角度βに基づく、内壁40、ボタン20、突起部50、及びガイドレール80の物理的仕様を示す。ボタンストロークSと回転角度βとの間の相関関係S/βは、0.1mm/度とすることができる。したがって、当業者には、本発明が表2の物理的仕様に限定されないことが理解されよう。具体的には、物理的仕様は、S/β=0.1mm/度の相関関係を使用して、所望のボタンストローク又はボタンの回転角度に基づいて、修正されてもよい。更に、物理的仕様は、1.3となるカム角度αとボタンの回転角度βとの比を使用することにより修正することができる。
【0040】
図3に示されているカートリッジ30の内部構成要素は、以下のとおりに特徴付けることができる。例えば、容器32の寸法は、約1ml〜約50mlの液状揮発性組成物を保持するように構成され得る。代替的に、リザーバ52は、約2ml〜約30ml、代替的に約2ml〜約10ml、代替的に約2ml〜約8ml、代替的に約4ml〜約6ml、代替的に約2ml、代替的に、約6mlの液状揮発性組成物を保持することができる。更に、容器32の形状は、フロントカバー100の開口部101の形状に対応するように構成され得る。例えば、容器32は、実質的に楕円又は長円形状を画定することができ、その幅対長さ比は、約1:2〜1:2.5とすることができる。
【0041】
破裂可能な基材33は、適用した力を用いて破裂する(そのような破裂の一助となる要素が存在しようと、存在しまいと)、任意の物質から作製され得る。破裂可能な基材33は、保管中は、揮発性物質を収容することが意図され、それは、その所期使用前に、揮発性物質の蒸発を防止する任意のバリア物質から作製され得る。このような物質は、蒸気及び液体に対しては不透過性となり得る。破裂可能な基材33に好適なバリア物質には、ポリマーフィルム、可撓性箔などの可撓性フィルム、又は箔/ポリマーフィルム積層体などの複合物質が挙げられる。好適な可撓性箔には、ニトロセルロース保護ラッカー、20ミクロンのアルミホイル、ポリウレタンプライマー、及びAlcan Packagingから入手可能な15g/m2のポリエチレンコーティング剤(Lidfoil 118−0092)から構成される箔などの金属箔が挙げられる。好適なポリマーフィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリロニトリルコポリマーバリアフィルム(INOESによって商標名Barex(登録商標)で販売されているものなど)、エチレンビニルアルコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。コーティングされたバリアフィルムは、破裂可能な基材33として利用され得ることもまた企図される。そのようなコーティングされたバリアフィルムには、金属化PET、金属化ポリプロピレン、シリカ、又はアルミナコーティングされたフィルムが挙げられ、使用され得る。いずれのバリア物質も、コーティングされているかコーティングされていないかに関わらず、単独で、及び/又は他のバリア物質と組み合わせて使用されてもよい。
【0042】
破裂要素37は、成形に好適であることが知られている、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル又は他のプラスチックを使用して、射出成形、圧縮成形、又は加圧成形され得る。破裂要素130はまた、望ましくない部分を除去するための別個の切断工程を伴って、熱成形によって作製されてもよい。
【0043】
膜39は、約0.01〜約0.06ミクロン、代替的に約0.01〜約0.05ミクロン、代替的に約0.01〜約0.04ミクロン、代替的に約0.01〜約0.03ミクロン、代替的に約0.02〜約0.04ミクロン、代替的に約0.02ミクロンの平均細孔サイズを有することができる。更に、膜39は、当分野において公知の任意の好適な充填剤及び可塑剤で充填されてもよい。充填剤としては、微粉砕シリカ、クレイ、ゼオライト、カーボネート、活性炭、及びこれらの混合物を挙げることができる。微多孔膜39は、総重量を基準として、約50%〜約80%、代替的に約60%〜約80%、代替的に約70%〜約80%、代替的に約70%〜約75%のシリカで充填され得る。膜39の厚さは、約0.01mm〜約1mm、代替的に約0.1mm〜約0.4mm、代替的に約0.15mm〜約0.35mm、代替的に約0.25mmとすることができる。
【0044】
更に、微多孔膜39の蒸発表面積は、約2cm
2〜約100cm
2、代替的に約2cm
2〜約25cm
2、代替的に約10cm
2〜約50cm
2、代替的に約10cm
2〜約45cm
2、代替的に約10cm
2〜約35cm
2、代替的に約15cm
2〜約40cm
2、代替的に約15cm
2〜約35cm
2、代替的に約20cm
2〜約35cm
2、代替的に約30cm
2〜約35cm
2、代替的に約35cm
2であってもよい。したがって、リアフレーム200は、膜39の蒸発表面積に適合するようなサイズ及び形状にすることができる。
【0045】
本発明の好適な微多孔膜としては、米国特許第7,498,369号に記載されている、シリカで任意に充填された、微多孔性、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)が挙げられる。このようなUHMWPE微多孔膜としては、Daramicから入手可能なDaramic(商標)V5、DSM(オランダ)から入手可能なSolupor(登録商標)、及びPPG Industriesから入手可能なTeslin(商標)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
揮発性組成物ディスペンサ1用のカートリッジ30において使用するのに好適な揮発性物質又は組成物は、大気の状態を整える、修正する又はそうでない場合、変更するように構成され得、フレグランス、エアフレッシュナ、防臭剤、消臭剤、悪臭中和剤、殺虫剤、防虫剤、医療物質、消毒剤、清浄剤、気分向上剤及びアロマテラピー助剤を供給するために好適な組成物を含むことができる。好適な揮発性物質の一覧は、以下の表2に示されている。
【0048】
実施例を下記に示す。
A.揮発性組成物ディスペンサであって、
フレーム開口部(201)及び当該開口部(201)内の中心に延在する長手方向軸(1000)を有するリアフレームを備えるハウジング(10)と、
当該ハウジング(10)内に配置された破裂可能なカートリッジ(30)と、
フレーム開口部(201)から延在する内壁(40)であって、開口部(201)の外縁(207)に近位端部(41)と、遠位端部(42)と、を有する、内壁(40)と、
カートリッジ(30)を破裂させるためにフレーム開口部(201)内に移動可能に配置された押しボタン(20)であって、ボタン本体(22)を含み、かつ長手方向軸(1000)に沿って軸方向に移動可能であり、かつ長手方向軸(1000)を中心に回転角度β(度)で回転可能である、押しボタン(20)と、
内壁(40)又はボタン本体(22)上に配置されたカムガイド(80)であって、内壁(40)又はボタン本体(22)の円筒軸(2000)に対するカム角度α(度)を含み、α>βである、カムガイド(80)と、
内壁(40)又はボタン本体(22)の他方上に配置された突起部(50)であって、ボタン(20)が押されたときの軸方向移動に応答して、カムガイド(80)と係合する、突起部(50)と、を備える、揮発性組成物ディスペンサ。
B.突起部(50)が、カムガイド(80)に係合するための湾曲した形状を備える、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
C.内壁(40)及びボタン本体(22)が、実質的に円筒状であり、カムガイド(80)が、第1の端部(81)及び第2の端部(81)を備え、カムガイド(80)の第1及び第2の端部(81、82)のうちの1つに斜面(70)が配置されており、突起部(50)が、第1の位置では斜面(70)から離間されており、第2の位置では斜面(70)と当接して、ボタン(20)が押されたときの移動を制限する、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
D.カムガイドが、螺旋状のガイドレールであり、カム角度αが、
α=arctan(D1/D2)として定義され、式中、
D1=第1及び第2の端部間の
内壁又はボタン本体の円周長であり、
D2=第1及び第2の端部間の
斜面のガイドレールの軸方向距離であり、αが、15度〜45度の範囲内である、段落Cに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
E.螺旋状のガイドレール(80)が、連続的であり、D1=2πrであり、r=内壁又はボタン本体の半径である、段落Cに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
F.螺旋状のガイドレール(80)が、非連続的であり、実質的に同等の形状及び寸法である複数の螺旋状のトラックを備え、D1=2πr/(螺旋状のトラックの数)であり、r=内壁又はボタン本体の半径である、段落Cに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
G.ボタンの回転角度βに対するカム角度αの比が、1.3である、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
H.カムガイド(80)が、非連続的であり、内壁又はボタン本体上に複数の第1のカムトラック(84)を備え、複数の第1のカムトラック(84)が、内壁又はボタン本体上で半径方向に離間されており、内壁又はボタン本体の他方上で突起部(50)と係合する、段落Fに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
I.カムガイド(80)が、第1のカムトラック(84)の中間にある第2のカムトラック(85)を備え、第2のカムトラック(85)が、内壁又はボタン本体の他方上でかみ合いカムトラック(86)と係合する、段落Gに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
J.カムガイド(80)が、内壁又はボタン本体内に形成された1つ以上のカム溝を備える、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
K.カムガイド(80)が、内壁又はボタン本体から
円周方向に延在する1つ以上のカムリブを備える、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
L.カムガイド(80)とボタン(20)とが、一体型ユニットを形成する、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
M.突起部(50)と、内壁(40)と、リアフレーム(200)とが、一体型ユニットを形成する、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
N.押しボタンの上部に配置された印を更に備える、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
O.3つの突起部(50)が、カムガイド(80)と係合して、ボタン本体(22)と内壁(40)との間に3つの接触点(83)を画定するために、半径方向に離間されており、内壁(40)の遠位端部(42)に位置決めされている、段落Aに記載の揮発性組成物ディスペンサ(1)。
P.揮発性組成物ディスペンサを作動させる方法であって、
ハウジング(10)であって、フレーム開口部(201)及び開口部(201)内の中心に配置された長手方向軸(1000)を有するリアフレーム(200)、並びにハウジング(10)内に配置された破裂可能なカートリッジ(30)を備える、ハウジング(10)と、
フレーム開口部(201)から延在する内壁(40)であって、開口部(201)の外縁(207)に近位端部(41)と、遠位端部(42)と、を有する、内壁(40)と、を備える、揮発性組成物ディスペンサを提供する工程と、
長手方向軸(1000)に沿って軸方向に移動可能な押しボタン(20)を移動させる工程と、
ボタン本体(22)の内壁(40)の他方上に配置された突起部(50)と、内壁(40)又はボタン本体(22)上に配置されたカムガイド(80)とを係合させることによって、押しボタン(20)の移動を案内する工程と、を含む、方法。
Q.
押しボタン(20)の軸方向移動に応答して押しボタンを回転角度β(度)で回転させる工程を更に含み、カムガイドが、内壁(40)又はボタン本体(22)の円筒軸(2000)に対するカム角度α(度)を含み、α>βである、段落Pに記載の作動させるための方法。
【0049】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がないかぎり、そのような各寸法は、列挙された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0050】
相互参照される又は関連するすべての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しないかぎりにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用をも、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(1つ又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0051】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。