(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様は、下記式(I)の構造を有するポリオールグリセリルエーテルを提供する。
式中、Bはポリオール基であり、nは3-22の整数である。
【0010】
好ましくは、nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22から選択され、さらに好ましくは、nは3、4、5、6、7、8、10、12から選択され、よりさらに好ましくは、nは3、4、5、6、8、10から選択され、最も好ましくは、nは3、4、5、6、8から選択される。
【0011】
好ましくは、前記ポリオール基Bは、下記式(B
1)又は(B
2)の構造を有する。
式中、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、C1〜10の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基からなる群より選択される。
【0012】
好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、炭素数1〜5の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のベンジル基、炭素数3〜18の置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基からなる群より選択される。
さらに好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、メチル基、エチル基、置換又は無置換のフェニル基からなる群より選択される。
【0013】
j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-4の整数からなる群より選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4からなる群より選択される。
【0014】
本発明の一実施例では、上記B構造は、
である。
【0015】
式中、j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-4の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4から選択される。
【0016】
本発明の具体的な実施形態では、上記ポリオールグリセリルエーテルは、グリセロールトリグリセリルエーテル(Ia
1)、ブタンテトラオールテトラグリセリルエーテル(Ia
2)、ペンチトールペンタグリセリルエーテル(Ia
3)、ガラクチトールヘキサグリセリルエーテル(Ia
4)、ペンタエリスリトールテトラグリセリルエーテル(Ib
1)、
ジペンタエリスリトールヘキサグリセリルエーテル(Ib
2)、
トリペンタエリスリトールオクタグリセリルエーテル(Ib
3)を含むが、これらに限定されない。具体的な構造は以下の通りである。
【0017】
本発明の別態様は、高純度のポリオールグリセリルエーテルの製造方法を提供する。該方法は、溶媒中で、触媒1を用いて
とポリオールとを反応させ、ポリオールグリシジルエーテルを得るステップ(1)と、溶媒中で、触媒2を用いてステップ(1)で得られたポリオールグリシジルエーテルを加水分解反応させ、ポリオールグリセリルエーテルを得るステップ(2)とを含む。
【0018】
ステップ(1)における上記
において、Xは、F、Cl、Br、I、
からなる群より選択され、Cl又はBrであることが好ましい。
【0019】
ステップ(1)における上記ポリオールは、分子に3〜22個のヒドロキシ基を含むアルコール系化合物であり、その構造は
であり、ここで、nは3-22の整数であり、Bは上記ポリオールがヒドロキシ基の水素を失ったポリオール基であり、Hはヒドロキシ基の水素である。
【0020】
好ましくは、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22から選択される。さらに好ましくは、nは、3、4、5、6、7、8、10、12から選択される。よりさらに好ましくは、nは、3、4、5、6、8、10から選択される。最も好ましくは、nは、3、4、5、6、8から選択される。
【0021】
好ましくは、上記Bは、下記式(B
1)又は(B
2)の構造を有する。
式中、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、C1〜10の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基からなる群より選択される。
【0022】
好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、炭素数1〜5の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のベンジル基、炭素数3〜18の置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基からなる群より選択される。
さらに好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、メチル基、エチル基、置換又は無置換のフェニル基からなる群より選択される。
【0023】
本発明の一実施例では、上記ポリオール構造は
である。
【0024】
j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kはそれぞれ独立して1-4の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4から選択される。
【0025】
本発明の具体的な実施形態では、上記ポリオールは、
を含むが、これらに限定されない。
【0026】
ステップ(1)における上記触媒1は、塩基触媒であり、有機塩基又は無機塩基を含み、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドであることが好ましいが、これらに限定されない。
ステップ(2)における上記触媒2は、酸又は塩基触媒であり、塩酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドであることが好ましいが、これらに限定されない。
ステップ(1)及び(2)における上記溶媒は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水を含むが、これらに限定されない。
【0027】
好ましくは、上述した高純度のポリオールグリセリルエーテルの製造方法は、具体的には、以下のステップを含む。ステップ(1):反応容器にポリオール、溶媒及び触媒1を加え、撹拌し、上記混合物にハロゲン化又はスルホネート化プロピレンオキサイドを滴下し、反応温度を35℃以下に制御し、反応終了後に濾過し、濾滓を洗浄し、濾液を回収して精製し、ポリオールグリシジルエステルを得る。スタップ(2):ステップ(1)で得られたポリオールグリシジルエステルを溶媒に溶解し、触媒2を加え、70-90℃で3-7時間反応させ、反応終了後に回転蒸発により溶媒を乾燥させ、精製してポリオールグリセリドを得る。
【0028】
好ましくは、ステップ(1)におけるポリオールのモノヒドロキシ基とプロピレンオキサイドとのモル比は1:2-4である。
好ましくは、ステップ(1)における上記精製ステップは、回転蒸発、洗浄、抽出、分子蒸留、カラム分離を含む。
【0029】
上記反応の一般式は以下の通りである。
上記製造方法で合成したポリオールグリセリルエーテルは、純度が高く、99%を超える。高純度のポリオールグリセリルエーテルの調製は、高品質で分子量分布が狭いマルチアームポリエチレングリコールを合成するために堅実な基礎を築く。
【0030】
本発明の別の態様は、新規なマルチアームポリエチレングリコールを提供する。上記マルチアームポリエチレングリコールは、下記式(II)の構造を有する。
式中、Bはポリオール基であり、nは3-22の整数であり、PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-であり、mの平均値は3-250の整数である。
【0031】
好ましくは、nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22から選択される。さらに好ましくは、nは3、4、5、6、7、8、10、12から選択される。よりさらに好ましくは、nは3、4、5、6、8、10から選択される。最も好ましくは、nは3、4、5、6、8から選択される。
【0032】
好ましくは、上記ポリオール基Bは、下記式(B
1)又は(B
2)の構造を有する。
【0033】
R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、C1〜10の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基から選択される。
好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、炭素数1〜5の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のベンジル基、炭素数3〜18の置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基から選択される。
さらに好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、メチル基、エチル基、置換又は無置換のフェニル基から選択される。
【0034】
j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-4の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4から選択される。
【0035】
好ましくは、上記mの平均値は10-200の整数である。さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数である。よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数であり、最も好ましくは、20-80の整数である。
好ましくは、上記マルチアームポリエチレングリコールの数平均分子量は1500-80000であり、さらに好ましくは5000-60000であり、よりさらに好ましくは10000-50000であり、最も好ましくは10000-30000である。
【0036】
本発明の一実施例では、上記B構造は
である。
【0037】
式中、j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-4の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4から選択される。
【0038】
本発明の具体的な実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコールは、下記の構造を含むが、これらに限定されない。
【0039】
式中、PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-であり、mの平均値は3-250の整数であり、好ましくは、mの平均値は10-200の整数であり、さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数であり、よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数であり、最も好ましくは、20-80の整数である。
【0040】
本発明の別の態様は、上記マルチアームポリエチレングリコールの製造方法を提供する。該方法は、上記ポリオールグリセリルエーテルを開始剤としてエチレンオキシドを重合させるステップを含む。
【0041】
好ましくは、上記マルチアームポリエチレングリコールの製造方法は、具体的には、上記ポリオールグリセリルエーテルと触媒とを混合し、加熱し、真空引きし、エチレンオキシドを導入して反応させ、マルチアームポリエチレングリコールを得るステップを含む。
好ましくは、温度100-120℃に加熱する。
好ましくは、真空引きの時間は1-3時間である。
上記触媒は、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、アルミニウムイソプロポキシドからなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明の別の態様は、上述した新規なマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体をさらに提供する。該マルチアームポリエチレングリコール活性誘導体は、下記式(III)の構造を有する。
式中、Bはポリオール基であり、nは3-22の整数である。
F
g、F
hは、同一又は異なる-Z-Y型構造である。
g、hは、それぞれ独立して1〜2nの整数から選択される。
【0043】
Zは、-O(CH
2)
i-、-O(CH
2)
iNH-、-O(CH
2)
iOCOO-、-O(CH
2)
iOCONH-、-O(CH
2)
iNHCOO-、-O(CH
2)
iNHCONH-、-OCO(CH
2)
iCOO-、-O(CH
2)
iCOO-、及び-O(CH
2)
iCONH-、-O(CH
2)
iNHCO(CH
2)
e-からなる群より選択される連結基であり、iは0-10の整数から選択され、即ち、iは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択され、eは1-10の整数から選択され、即ち、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。
C1〜6のアルキル基、C1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される末端活性基である。
【0044】
Eは、C1〜10の炭化水素基又はフッ素原子を含有するC1〜10の炭化水素基である。
X
1、X
2、X
3は、同一又は異なる、C1〜10の炭化水素基又はC1〜6のアルコキシ基である。
【0045】
PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-であり、mの平均値は3-250の整数である。
好ましくは、nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22から選択される。さらに好ましくは、nは3、4、5、6、7、8、10、12から選択される。よりさらに好ましくは、nは3、4、5、6、8、10から選択される。最も好ましくは、nは3、4、5、6、8から選択される。
【0046】
好ましくは、上記ポリオール基Bは、下記式(B
1)又は(B
2)の構造を有する。
式中、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、C1〜10の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基からなる群より選択される。
好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、炭素数1〜5の置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のベンジル基、炭素数3〜18の置換又は無置換の芳香族又は非芳香族ヘテロ環基からなる群より選択される。
さらに好ましくは、R
1-R
13は、それぞれ独立して-H、メチル基、エチル基、置換又は無置換のフェニル基からなる群より選択される。
【0047】
j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-4の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4から選択される。
【0048】
好ましくは、上記mの平均値は10-200の整数である。さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数である。よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数であり、最も好ましくは、20-80の整数である。
好ましくは、iは0-5の整数であり、即ち、iは0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、iは0-3の整数であり、即ち、iは0、1、2、3から選択される。
好ましくは、eは1-6の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6から選択される。さらに好ましくは、eは1-3の整数であり、即ち、eは1、2、3から選択される。
【0049】
好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基からなる群より選択される。よりさらに好ましくは、Eは、メチル基、ビニル基、p-メチルフェニル基からなる群より選択される。最も好ましくは、Eはメチル基である。
【0050】
好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。
【0051】
好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、-COC(CH
3)=CH
2、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
からなる群より選択される。
【0052】
好ましくは、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体の数平均分子量は1500-80000であり、さらに好ましくは5000-60000であり、よりさらに好ましくは10000-50000であり、最も好ましくは10000-30000である。
本発明の一実施例では、上記Bの構造は、
である。
【0053】
式中、j、kは、それぞれ独立して1-10の整数から選択され、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-5の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4、5から選択される。最も好ましくは、j、kは、それぞれ独立して1-4の整数から選択され、即ち、j、kは、それぞれ独立して1、2、3、4から選択される。
【0054】
本発明の具体的な実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコール
の活性誘導体は、以下の構造を含むが、これらに限定されない。
式IIIa1中、F1-F6は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z6は連結基であり、
Y1-Y6は末端活性基であり、
式IIIa2中、F1-F8は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z8は連結基であり、
Y1-Y8は末端活性基であり、
式IIIa3中、F1-F10は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z10は連結基であり、
Y1-Y10は末端活性基であり、
式IIIa4中、F1-F12は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z12は連結基であり、
Y1-Y12は末端活性基であり、
式IIIb1中、F1-F8は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z8は連結基であり、
Y1-Y8は末端活性基であり、
式IIIb2中、F1-F12は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z12は連結基であり、
Y1-Y12は末端活性基であり、
式IIIb3中、F1-F16は同一又は異なる-Z-Y型構造であり、
Z1-Z16は連結基であり、
Y1-Y16は末端活性基である。
【0055】
前記連結基は、-O(CH
2)
i-、-O(CH
2)
iNH-、-O(CH
2)
iOCOO-、-O(CH
2)
iOCONH-、-O(CH
2)
iNHCOO-、-O(CH
2)
iNHCONH-、-OCO(CH
2)
iCOO-、-O(CH
2)
iCOO-、及び-O(CH
2)
iCONH-、-O(CH
2)
iNHCO(CH
2)
e-からなる群より選択され
る。iは0-10の整数であり、即ち、iは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、iは0-5の整数であり、即ち、iは0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、iは0-3の整数であり、即ち、iは0、1、2、3から選択される。eは1-10の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、eは1-6の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6から選択される。さらに好ましくは、eは1-3の整数であり、即ち、eは1、2、3から選択される。
【0056】
前記末端活性基は、
C1〜6のアルキル基、C1〜6のアルコキシ基からなる群より選択され
る。好ましくは、
前記末端活性基は、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
前記末端活性基は、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
前記末端活性基は、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
からなる群より選択される。
【0057】
Eは、C1〜10の炭化水素基又はフッ素原子を含有するC1〜10の炭化水素基である。好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基からなる群より選択される。よりさらに好ましくは、Eは、メチル基、ビニル基、p-メチルフェニル基からなる群より選択される。最も好ましくは、Eはメチル基である。
【0058】
X
1、X
2、X
3は、同一又は異なる、C1〜10の炭化水素基又はC1〜6のアルコキシ基である。好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。
【0059】
PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-である。mの平均値は3-250の整数である。好ましくは、mの平均値は10-200の整数である。さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数である。よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数であり、最も好ましくは、20-80の整数である。
【0060】
本発明の一実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体において、上記F
g、F
hは異なる-Z-Y型構造である。
F
1-F
tは-Z
1-Y型構造である。
F
t+1-F
2nは-Z
2-Y型構造である。
tは整数であり、且つ1≦t≦2n-1である。好ましくは、tは1-5の整数であり、即ち、tは1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、tは1-3の整数であり、即ち、tは1、2、3から選択される。最も好ましくは、tは1又は2である。
Z
1は、-O(CH
2)
iOCOO-、-O(CH
2)
iOCONH-、-OCO(CH
2)
iCOO-、-O(CH
2)
iCOO-、及び-O(CH
2)
iCONH-からなる群より選択される連結基である。iは0-10の整数である。好ましくは、iは0-5の整数であり、即ち、iは0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、iは0-3の整数であり、即ち、iは0、1、2、3から選択される。
【0061】
Z
2は、-O(CH
2)
i’-、-O(CH
2)
i’NH-、-O(CH
2)
i’NHCOO-、-O(CH
2)
i’NHCONH-、及び-O(CH
2)
i’NHCO(CH
2)
e-からなる群より選択される連結基である。i’は0-10の整数である。好ましくは、i’は0-5の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、i’は0-3の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3から選択される。eは1-10の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。eは1-6の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6から選択される。さらに好ましくは、eは1-3の整数であり、即ち、eは1、2、3から選択される。
C1〜6のアルキル基、C1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される末端活性基である。好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、-COC(CH
3)=CH
2、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
からなる群より選択される。
【0062】
Eは、C1〜10の炭化水素基又はフッ素原子を含有するC1〜10の炭化水素基である。好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基からなる群より選択される。よりさらに好ましくは、Eは、メチル基、ビニル基、p-メチルフェニル基からなる群より選択される。最も好ましくは、Eはメチル基である。
【0063】
X
1、X
2、X
3は、同一又は異なる、C1〜10の炭化水素基又はC1〜6のアルコキシ基である。好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。
【0064】
本発明の一実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体は、下記式(IIIa1-a1)の構造を有する6アームポリエチレングリコー
ル誘導体である。
【0065】
式中、F
1は、F
2,F
3,F
4,F
5,F
6と異なる-Z-Y型構造である。
F
1は-Z
1-Y型構造である。
F
2,F
3,F
4,F
5,F
6は-Z
2-Y型構造である。
Z
1は、-O(CH
2)
iOCOO-、-O(CH
2)
iOCONH-、-OCO(CH
2)
iCOO-、-O(CH
2)
iCOO-、及び-O(CH
2)
iCONH-からなる群より選択される連結基である。iは0-10の整数である。好ましくは、iは0-5の整数であり、即ち、iは0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、iは0-3の整数であり、即ち、iは0、1、2、3から選択される。
Z
2は、-O(CH
2)
i’-、-O(CH
2)
i’NH-、-O(CH
2)
i’NHCOO-、-O(CH
2)
i’NHCONH-、及び-O(CH
2)
i’NHCO(CH
2)
e-からなる群より選択される連結基である。i’は0-10の整数であり、好ましくは、i’は0-5の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、i’は0-3の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3から選択される。eは1-10の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、eは1-6の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6から選択される。さらに好ましくは、eは1-3の整数であり、即ち、eは1、2、3から選択される。
【0066】
C1〜6のアルキル基、C1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される末端活性基である。好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、-COC(CH
3)=CH
2、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、Yは-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
からなる群より選択される。
【0067】
Eは、C1〜10の炭化水素基又はフッ素原子を含有するC1〜10の炭化水素基である。好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基からなる群より選択される。よりさらに好ましくは、Eは、メチル基、ビニル基、p-メチルフェニル基からなる群より選択される。最も好ましくは、Eはメチル基である。
【0068】
X
1、X
2、X
3は、同一又は異なる、C1〜10の炭化水素基又はC1〜6のアルコキシ基である。好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。
【0069】
PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-である。mの平均値は3-250の整数である。好ましくは、mの平均値は10-200の整数である。さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数である。よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数である。最も好ましくは、20-80の整数である。
【0070】
本発明の一実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体は、下記式(IIIb1-a1)の構造を有する8アームポリエチレングリコール-モノ酸誘導体である。
式中、F
1は、F
2,F
3,F
4,F
5,F
6,F
7,F
8と異なる-Z-Y型構造である。
F
1は-Z
1-Y型構造である。
F
2,F
3,F
4,F
5,F
6,F
7,F
8は-Z
2-Y型構造である。
Z
1は、-O(CH
2)
iOCOO-、-O(CH
2)
iOCONH-、-OCO(CH
2)
iCOO-、-O(CH
2)
iCOO-、及び-O(CH
2)
iCONH-からなる群より選択される連結基である。iは0-10の整数である。好ましくは、iは0-5の整数であり、即ち、iは、0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、iは0-3の整数であり、即ち、iは0、1、2、3から選択される。
Z
2は、-O(CH
2)
i’-、-O(CH
2)
i’NH-、-O(CH
2)
i’NHCOO-、-O(CH
2)
i’NHCONH-、及び-O(CH
2)
i’NHCO(CH
2)
e-からなる群より選択される連結基である。i’は0-10の整数である。好ましくは、i’は0-5の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、i’は0-3の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3から選択される。eは1-10の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、eは1-6の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6から選択される。さらに好ましくは、eは1-3の整数であり、即ち、eは1、2、3から選択される。
【0071】
C1〜6のアルキル基、C1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される末端活性基である。好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、-COC(CH
3)=CH
2、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、Yは-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
からなる群より選択される。
【0072】
Eは、C1〜10の炭化水素基又はフッ素原子を含有するC1〜10の炭化水素基である。好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基からなる群より選択される。よりさらに好ましくは、Eは、メチル基、ビニル基、p-メチルフェニル基からなる群より選択される。最も好ましくは、Eはメチル基である。
【0073】
X
1、X
2、X
3は、同一又は異なる、C1〜10の炭化水素基又はC1〜6のアルコキシ基である。好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。
【0074】
PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-である。mの平均値は3-250の整数である。好ましくは、mの平均値は10-200の整数である。さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数である。よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数である。最も好ましくは、20-80の整数である。
【0075】
本発明の一実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体は、下記式(IIIb1-a2)の構造を有する8アームポリエチレングリコー
ル誘導体である。
【0076】
式中、F
1,F
2は、F
3,F
4,F
5,F
6,F
7,F
8と異なる-Z-Y型構造である。
F
1,F
2は-Z
1-Y型構造である。
F
3,F
4,F
5,F
6,F
7,F
8は-Z
2-Y型構造である。
Z
1は、-O(CH
2)
iOCOO-、-O(CH
2)
iOCONH-、-OCO(CH
2)
iCOO-、-O(CH
2)
iCOO-、及び-O(CH
2)
iCONH-からなる群より選択される連結基である。iは0-10の整数である。好ましくは、iは0-5の整数であり、即ち、iは0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、iは0-3の整数であり、即ち、iは0、1、2、3から選択される。
Z
2は、-O(CH
2)
i’-、-O(CH
2)
i’NH-、-O(CH
2)
i’NHCOO-、-O(CH
2)
i’NHCONH-、及び-O(CH
2)
i’NHCO(CH
2)
e-からなる群より選択される連結基である。i’は0-10の整数である。好ましくは、i’は0-5の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3、4、5から選択される。さらに好ましくは、i’は0-3の整数であり、即ち、i’は0、1、2、3から選択される。eは1-10の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択される。好ましくは、eは1-6の整数であり、即ち、eは1、2、3、4、5、6から選択される。さらに好ましくは、eは1-3の整数であり、即ち、eは1、2、3から選択される。
【0077】
C1〜6のアルキル基、C1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される末端活性基である。好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、-COC(CH
3)=CH
2、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Yは、-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、Yは-H、-NH
2、-COCH=CH
2、
からなる群より選択される。
【0078】
Eは、C1〜10の炭化水素基又はフッ素原子を含有するC1〜10の炭化水素基である。好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル基からなる群より選択される。さらに好ましくは、Eは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、トリフルオロメチル基からなる群より選択される。よりさらに好ましくは、Eは、メチル基、ビニル基、p-メチルフェニル基からなる群より選択される。最も好ましくは、Eは、メチル基である。
【0079】
X
1、X
2、X
3は、同一又は異なる、C1〜10の炭化水素基又はC1〜6のアルコキシ基である。好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、p-メチルフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基からなる群より選択される。さらに好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。最も好ましくは、
X1、X2、X3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基からなる群より選択される。
【0080】
PEGは、同一又は異なる-(OCH
2CH
2)
m-である。mの平均値は3-250の整数である。好ましくは、mの平均値は10-200の整数である。さらに好ましくは、mの平均値は20-150の整数である。よりさらに好ましくは、mの平均値は20-100の整数であり、最も好ましくは、20-80の整数である。
【0081】
本発明の具体的な実施形態では、上記マルチアームポリエチレングリコールの誘導体は、下記式(III-1)〜(III-11)の構造を有する。
【0083】
本発明の別の目的は、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体と薬物分子との結合物を提供することである。
【0084】
上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体は、その末端基Fにより薬物分子と結合物を形成する。
【0085】
上記薬物分子は、アミノ酸、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、炭水化物、有機酸、フラボノイド類、キノン類、テルペン類、フェニルプロパノイドフェノール類、ステロイド類及びそのグリコシド類、アルカロイド及びそれらの組合せからなる群より選択される。
【0086】
好ましくは、上記薬物分子は、クロラムブシル、シスプラチン、5-フルオロウラシル、パクリタキセル、アドリアマイシン、メトトレキセート、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、成長因子、コロニー刺激因子、エリスロポエチン、スーパーオキシドジスムターゼ、イリノテカン、タキソテールからなる群より選択される。
【0087】
より好ましくは、上記薬物分子は、イリノテカン、タキソテールである。
最も好ましくは、上記薬物分子はイリノテカンである。
【0088】
好ましくは、本発明の上記結合物は、8アームポリエチレングリコール酢酸とイリノテカン又はタキソテールと形成した結合物である。
【0089】
本発明の別の目的は、上記マルチアームポリエチレングリコール活性誘導体と薬物分子との結合物、及びそれと薬学的に許容される担体又は賦形剤との医薬組成物を提供することである。
【0090】
上記医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、坐剤、注射剤、溶液剤、懸濁剤、膏剤、貼付剤、洗剤、滴剤、擦剤、スプレー剤等の剤形である。
【0091】
本発明の別の目的は、上記マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体で形成されるゲルを提供することである。
【0092】
本発明は、上記マルチアームポリエチレングリコール、マルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体、及びその薬物結合物、ゲル材料の薬物製造における使用をさらに提供する。
【0093】
本発明で製造されたマルチアームポリエチレングリコールは、低い多分散性及び比較的高分子量を有し、即ち、分布が狭く、純度が高い特性を有する。多分散性及び分子量は、それぞれGPC及びMALDIにより測定され、低い多分散性とは1.1未満な多分散性をいう。本発明が提供するマルチアームポリエチレングリコール及びその活性誘導体は、薬物の修飾、薬物の溶解性、安定性及び免疫原性の改善、薬物の体内での吸収の改善、薬物の半減期の延長に適用でき、薬物のバイオアベイラビリティを向上させ、治療効果を向上させ、副作用を低減することができる。本発明が提供するマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体で形成されるゲルは、徐放性薬物の製造に適用でき、薬物の作用時間を延長し、投与回数を減少し、患者のコンプライアンスを向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0094】
以下、本発明の実施例における技術的解決策を明確で完全に説明する。以下の実施例は本発明の実施例の一部であり、すべてではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって獲得されるすべての他の実施形態は、本発明の保護範囲の範疇とする。
【0095】
本明細書において、特に断りのない限り、「ポリオール」は分子に3つ以上のヒドロキシ基を有するアルコール系化合物である。例えば、グリセリン(グリセロール)、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、キシリトール(1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンタン)、ソルビトール(1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロキシヘキサン)等及びその誘導体である。「ポリオール基」は、上記「ポリオール」がヒドロキシ水素を失ったフリーラジカルである。
【0096】
本明細書において、「マルチアームポリエチレングリコール」は、「マルチアームPEG」とも呼ばれ、その分岐(「アーム」)がヒドロキシ基によってエンドキャッピングされた分岐化ポリエチレングリコールである。
【0097】
本明細書において、「マルチアームポリエチレングリコール」は、「星形ポリエチレングリコール」と同義であり、中心分岐点を有するマルチアームポリエチレングリコールである。この中心分岐点は、単一原子又は化学基であってもよい。この中心分岐点から線状アームが延びている。
【0098】
本発明に係るマルチアームポリエチレングリコールは、ポリオールグリセリルエーテルを開始剤としてエチレンオキシドを重合させて形成したマルチアームポリエチレングリコールである。本発明は、ポリオールグリセリルエーテルの合成プロセスの改善にも関する。
【0099】
ポリエチレングリコールは、通常、分子量で表される。通常、繰り返し単位ではなく、平均分子量で限定される出発PEG化合物の潜在的な不均一性のため、整数mでPEG重合物の繰り返し単位を表す代わりに、分子量でポリエチレングリコールの重合度を表す。
【0100】
本明細書において、「炭化水素基」とは、炭素原子及び水素原子のみを含む官能基をいい、芳香族炭化水素基及び脂肪族炭化水素基に分類できる。芳香族炭化水素基として、例えば、フェニル基、ベンジル基等がある。脂肪族炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基に分類でき、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基等である。C1〜10の炭化水素基は、1〜10個の炭素原子を含む炭化水素基である。炭化水素基は、1つ又は複数の置換基で任意に置換されてもよい。例えば、フッ素で炭化水素基における水素を任意に置換することができる。
【0101】
本明細書において、「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝状の、不飽和結合を含まない炭化水素鎖フリーフリーラジカルをいい、この炭化水素鎖フリーフリーラジカルは、単結合で分子の他の部分に結合する。C1〜6のアルキル基は、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、(n-)プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等である。アルキルフリーラジカルは、1つ又は複数の置換基で任意に置換されてもよい。例えば、酸素で置換されてアルコキシ基となる。
活性基
本発明のマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体の使用については、誘導体の用途は、末端基である機能基Fによって決定される。これらの機能基の導入により、この活性誘導体の応用分野及び適用構造を決定する。最も一般的に使用される機能基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)である。NHSエステル構造の活性誘導体は、アミノ基を有する基に結合することができる。
【0102】
同様に、本明細書の記載に基づいて、当業者は、アミノ機能基のマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体を得ることができる。
【0103】
同様に、当業者は、カルボキシ機能基のマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体を得ることができる。
【0104】
同様に、当業者は、マレイミド機能基(MAL)のマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体を得ることができる。MAL構造の活性誘導体は、メルカプト基を有する基に結合することができる。
【0105】
同様に、本発明は、マルチアーム異官能性ポリエチレングリコール重合物を得る。マルチアーム異官能性ポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコールの応用分野を広げる。
【0106】
本明細書において、「ゲル」は、共有結合又は非共有架橋結合により結合した大分子の三次元ネットワークからなる水膨潤性ポリマー基質であり、相当量の水を吸収して弾性ゲルを形成することができる。
【0107】
多くの薬物成分には、活性のアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基等の官能基を含む。それらは、通常、生体内で単糖、多糖、ヌクレオシド、ポリヌクレオシド、ホスホリル基等の成分に結合して生体内の活性な薬理構造を形成する。
【0108】
官能基で修飾したポリエチレングリコールの活性誘導体は、薬物におけるアミノ基、カルボキシ基、メルカプト基等の官能基と反応して結合体を形成し、生物有機分子の代わりに投与することもできる。それによって、生物有機分子の生体内での生理学的半減期が短く、薬効の持続時間が短いという欠点を克服することができる。
【0109】
本発明のマルチアームポリエチレングリコールの活性誘導体は、適切な末端官能基(F)を用いて薬物分子と結合することができる。上記末端官能基は、タンパク質、ポリペプチド又は他の天然薬物における遊離アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基等をPEG誘導体に結合させる。低分子薬物の場合、各マルチアームポリエチレングリコール分子は、複数の薬物分子に結合することができる。このようなPEG誘導体は、高い薬物担持率を有するため、適切な薬物濃度を保証し、徐放機能を増強し、薬物分子の体内での生理作用を改善することができる。
【0110】
上述した種々の応用分野は、本発明のPEG誘導体の医薬用途に参考モードを提供するものであり、具体的な使用及び選択は、薬理、毒性及び臨床実験などに応じて確定する必要がある。
本発明の結合物において、薬物分子部分は、アミノ酸、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、炭水化物、有機酸、フラボノイド類、キノン類、テルペン類、フェニルプロパノイドフェノール類、ステロイド類及びそのグリコシド類、アルカロイド等が好ましい。タンパク質薬物分子部分は、インターフェロン系薬物、EPO系薬物、オーキシン系薬物、抗体系薬物等が好ましい。
【0111】
本発明の結合物は、純粋な化合物又は適切な医薬組成物として任意の許容される投与方式又は類似用途のための試薬を採用して投与することができる。したがって、投与方式は、経口投与、鼻腔内投与、直腸投与、経皮投与又は注射投与を採用できる。製剤形態は、固体、半固体、凍結乾燥粉末又は液体等であり、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟/硬ゼラチンカプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤又はスプレー剤等である。用量が正確で簡単な投与に適用される単位用量を採用することが好ましい。組成物には、汎用の薬用担体又は賦形剤及び活性成分(1種又は複数種)とする本発明の結合物を加えて、他の薬剤、担体、補助剤等を含んでもよい。
【0112】
通常、必要な投与方式により、
医薬組成物には、約1〜99重量%の本発明の結合物、及び99〜1重量%の適切な薬用賦形剤を含む。好ましい組成物は、約5〜75重量%の本発明の結合物を含み、残りは適切な薬用賦形剤である。
【0113】
好ましい投与経路は、注射投与であり、通常の日用量計画を採用する。該計画は、疾患の重症度に応じて調整することができる。本発明の結合物又は薬学的に許容される塩は、注射剤に調製することもできる。例えば、約0.5〜約50%の活性成分を、液体製剤に適用する薬用補助剤、例えば、水、塩水、水性グルコース、グリセリン、エタノール等に分散させることにより、溶液剤又は懸濁剤を形成する。
【0114】
必要に応じて、本発明の医薬組成物には、少量の補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤(例えば、クエン酸、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレイン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン等)等をさらに含んでもよい。
【0115】
実施例
以下、実施例により本発明のポリオールグリセリルエーテル、マルチアームポリエチレングリコール及びその活性誘導体、その活性誘導体と薬物分子との結合物及びその製造方法を説明する。これらの例は本発明を制限するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲により決定される。
特に明記しない限り、以下の実施例で使用される試薬は、全て北京化学試剤公司又はその他の類似する化学品販売会社から購入した。
【0116】
実施例1:グリセロールトリグリセリルエーテルの合成
下記構造のグリセロールトリグリセリルエーテルの合成
【0117】
三つ口フラスコにグリセロール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)、及び水酸化カリウム(0.6mol)を加え、水浴で撹拌した後、反応系にエピクロルヒドリン(0.9mol)を滴下し、反応温度を35℃以下に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し、回転蒸発によりジクロロメタンを除去した後、飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物を分子蒸留してグリセロールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0118】
得られたグリセロールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりグリセロールトリグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.33-3.48 (m,16H),3.47-3.48(m,1H),3.52-3.58 (m,3H),4.43(t,3H),4.54 (d,3H);
ESI (337.2,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.3%であった。
【0119】
実施例2:ブタンテトラオールテトラグリセリルエーテルの合成
下記構造のブタンテトラオールテトラグリセリルエーテルの合成
【0120】
三つ口フラスコにブタンテトラオール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)及び水酸化カリウム(0.8mol)を加え、水浴で撹拌した後、反応系にエピクロルヒドリン(1.2mol)を滴下し、反応温度を35℃に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し、回転蒸発によりジクロロメタンを除去し、次いで飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物を分子蒸留してブタンテトラオールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0121】
得られたブタンテトラオールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりブタンテトラオールテトラグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.33-3.40 (m,20H),3.42-3.45(m,2H),3.53-3.57 (m,4H),4.41(t,4H),4.52 (d,4H);
ESI (441.3,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.5%であった。
【0122】
実施例3:ペンチトールペンタグリセリルエーテルの合成
下記構造のペンチトールペンタグリセリルエーテルの合成
【0123】
三つ口フラスコにペンチトール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)及び水酸化カリウム(1.0mol)を加え、水浴で撹拌した後、反応系にエピクロルヒドリン(1.5mol)を滴下し、反応温度を35℃以下に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し、回転蒸発によりジクロロメタンを除去し、次いで飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物を分子蒸留してペンチトールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0124】
得られたペンチトールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりペンチトールペンタグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.33-3.40 (m,24H),3.43-3.46(m,3H),3.54-3.56 (m,5H),4.43(t,5H),4.54(d,5H);
ESI (541.4,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.4%であった。
【0125】
実施例4:ガラクチトールヘキサグリセリルエーテルの合成
下記構造のガラクチトールヘキサグリセリルエーテルの合成:
【0126】
三つ口フラスコにガラクチトール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)及び水酸化カリウム(1.2mol)を加え、水浴で撹拌した後、反応系にエピクロルヒドリン(1.8mol)を滴下し、反応温度を35℃以下に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し,回転蒸発によりジクロロメタンを除去し、次いで飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物を分子蒸留してガラクチトールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0127】
得られたガラクチトールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりガラクチトールヘキサグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.32-3.40 (m,28H),3.43-3.46(m,4H),3.53-3.56 (m,6H),4.44(t,6H),4.53(d,6H);
ESI (649.5,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.6%であった。
【0128】
実施例5:ペンタエリスリトールグリセリルエーテルの合成
下記構造のペンタエリスリトールグリセリルエーテルの合成
【0129】
三つ口フラスコにペンタエリスリトール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)及び水酸化カリウム(0.8mol)を加え、水浴で撹拌した後、反応系にエピクロルヒドリン(1.2mol)を滴下し、反応温度を35℃以下に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し、回転蒸発によりジクロロメタンを除去し、次いで飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物を分子蒸留してペンタエリスリトールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0130】
得られたペンタエリスリトールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりペンタエリスリトールグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.22-3.40 (m,24H),3.52-3.59 (m,4H),4.45 (t,4H),4.55 (d,4H);
ESI (455.3,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.4%であった。
【0131】
実施例6:ジペンタエリスリトールグリセリルエーテルの合成
下記構造のジペンタエリスリトールグリセリルエーテルの合成
【0132】
三つ口フラスコにジペンタエリスリトール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)及び水酸化カリウム(1.2mol)を加え、水浴で撹拌した後、反応系にエピクロルヒドリン(1.8mol)を滴下し、反応温度を35℃以下に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し、回転蒸発によりジクロロメタンを除去し、次いで飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物をカラム分離してジペンタエリスリトールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0133】
得られたジペンタエリスリトールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりジペンタエリスリトールグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.25-3.42 (m,40H),3.52-3.57 (m,6H),4.47 (t,6H),4.56 (d,6H);
ESI (721.5,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.2%であった。
【0134】
実施例7:トリペンタエリスリトールグリセリルエーテルの合成
下記構造のトリペンタエリスリトールグリセリルエーテルの合成
【0135】
三つ口フラスコにトリペンタエリスリトール(0.1mol)、ジメチルスルホキシド(100mL)及び水酸化カリウム(1.6mol)を加え、水浴で撹拌した後、次いで反応系にエピクロルヒドリン(2.4mol)を滴下し、反応温度を35℃以下に制御しながら室温で一晩反応させた。反応終了後に反応液を濾過し、ジクロロメタンで濾滓を洗浄し、その後、濾液を回収し、回転蒸発によりジクロロメタンを除去し、次いで飽和食塩水で洗浄し、酢酸エチルで抽出して回転蒸発することで粗生成物を得た。粗生成物をカラム分離してトリペンタエリスリトールグリシジルエーテルの精製物を得た。
【0136】
得られたトリペンタエリスリトールグリシジルエーテル(1 g)を10mLの純水に溶解し、次いで水酸化カリウムを加えて反応液のpH値を9-10に調整し、80℃で5時間反応させた。反応終了後に水相を回転蒸発により乾燥させ、次いでアセトニトリルを加えて生成物を溶解し、濾過、回転蒸発によりトリペンタエリスリトールグリセリルエーテルの精製物を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.22-3.40 (m,56H),3.50-3.54 (m,8H),4.45 (t,8H),4.56 (d,8H);
ESI (988.1,M+Na);
HPLC検出:製品の純度は99.3%であった。
【0137】
実施例8:
グリセロールトリグリセリルエーテルをコアとする6アームポリエチレングリコールの合成
下記構造の6アームポリエチレングリコールの合成
【0138】
実施例1で製造されたグリセロールトリグリセリルエーテル(31.4 g)を適量の触媒と共に反応釜に入れ、110℃に加熱した。2時間真空引きし、次いで反応終了まで2kgのエチレンオキシドを導入した。生成物について、MALDIにより分子量を測定したところ、数平均分子量は20000であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.57 (t,6H);
GPC検出:多分散度は1.03であった。
【0139】
実施例9:
ペンチトールペンタグリセリルエーテルをコアとする10アームポリエチレングリコールの合成
下記構造の10アームポリエチレングリコールの合成
【0140】
実施例3で製造されたペンチトールペンタグリセリルエーテル(52.2 g)を適量の触媒と共に反応釜に入れ、110℃に加熱した。2時間真空引きし、次いで反応終了まで2kgのエチレンオキシドを導入した。生成物について、MALDIにより分子量を測定したところ、数平均分子量は20000であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.53 (t,10 H);
GPC検出:多分散度は1.03であった。
【0141】
実施例10:
ガラクチトールヘキサグリセリルエーテルをコアとする12アームポリエチレングリコールの合成
下記構造の12アームポリエチレングリコールの合成
【0142】
実施例4で製造されたガラクチトールヘキサグリセリルエーテル(62.6 g)を適量の触媒と共に反応釜に入れ、110℃に加熱した。2時間真空引きし、次いで反応終了まで2kgのエチレンオキシドを導入した。生成物について、MALDIにより分子量を測定したところ、数平均分子量は20000であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.51 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.57 (t,12 H);
GPC検出:多分散度は1.04であった。
【0143】
実施例11:ペンタエリスリトールテトラグリセリルエーテルをコアとする8アームポリエチレングリコールの合成
下記構造の8アームポリエチレングリコールの合成
【0144】
実施例5で製造されたペンタエリスリトールグリセリルエーテル(43.2 g)を適量の触媒と共に反応釜に入れ、110℃に加熱した。2時間真空引きし、次いで反応終了まで1.5kgのエチレンオキシドを導入した。生成物について、MALDIにより分子量を測定したところ、数平均分子量は15000であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.56 (t,8H);
GPC検出:多分散度は1.03であった。
【0145】
実施例12:ジペンタエリスリトールヘキサグリセリルエーテルをコアとする12アームポリエチレングリコールの合成
下記構造の12アームポリエチレングリコールの合成
【0146】
実施例6で製造されたジペンタエリスリトールヘキサグリセリルエーテル(69.8 g)を適量の触媒と共に反応釜に入れ、110℃に加熱した。2時間真空引きし、次いで反応終了まで1.95kgのエチレンオキシドを導入した。生成物について、MALDIにより分子量を測定したところ、数平均分子量は20000であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.57 (t,12H);
GPC検出:多分散度は1.04であった。
【0147】
実施例13:グリセロールグリセリルエーテルをコアとする6アームポリエチレングリコールアミンの合成
下記構造の6アームポリエチレングリコールアミンの合成
【0148】
数平均分子量が20000の6アームポリエチレングリコール(実施例8で製造されたもの) 20gを窒素雰囲気下でトルエンと2時間共沸させて水を除去し、次いで室温に降温した。そこに200mLの乾燥ジクロロメタン及び1.2mLのトリエチルアミンを加えた。氷浴下で乾燥塩化メタンスルホニルを滴下し、窒素雰囲気下で一晩撹拌した後、3mLの無水エタノールを加えて反応を停止した。溶媒を回転蒸発により濃縮し、再結晶した後、沈殿物を回収して真空乾燥させ、数平均分子量が20000の6アームポリエチレングリコール-メチルスルホニルエステルを得た。収量は95%であった。
【0149】
得られた数平均分子量が20000の6アームポリエチレングリコール-メチルスルホニルエステル10gを5%の塩化アンモニウムを含有するアンモニア水溶液100mLに溶解し、溶液を室温で72時間反応させた。反応終了後に、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去し、再結晶した後、沈殿物を回収して真空乾燥させ、6アームポリエチレングリコールアミンを得た。収量は70%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.61(t,6x2H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素)。
【0150】
実施例14:グリセロールグリセリルエーテルをコアとする6アームポリエチレングリコール酢酸-NHSエステルの合成
下記構造の6アームポリエチレングリコール酢酸-NHSエステルの合成
【0151】
数平均分子量が20000の6アームポリエチレングリコール(実施例8で製造されたもの) 20gを窒素雰囲気下でトルエンと2時間共沸させて水を除去し、次いで50℃に降温し、2 gのカリウムt-ブトキシドを加え、50℃で2時間反応させた後、室温に降温し、2mLのブロモ酢酸t−ブチルを加え、窒素保護下で室温で一晩反応させた。反応終了後に回転蒸発により濃縮し、次いで200mLのイソプロパノールを加えて沈殿させ濾過し、濾過ケーキを回収し、真空乾燥により6アームポリエチレングリコール-酢酸t−ブチルを得た。
【0152】
pH=12のNaOH溶液200mLを調製し、得られた6アームポリエチレングリコール-酢酸t−ブチルを加水分解し一晩放置した。その後、濃塩酸で反応液のpH値を2に調整し、20gの塩化ナトリウムを加え、撹拌溶解し、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を濃縮し、300mLのイソプロパノールで沈殿させ、洗浄して真空乾燥させ、6アームポリエチレングリコール酢酸を得た。収量は78%であった。
【0153】
得られた6アームポリエチレングリコール酢酸を150mLのジクロロメタンに溶解し、溶液に0.8 g のN-ヒドロキシスクシンイミド及び1.6 gのジシクロヘキシルカルボジイミドを加え、室温で5時間撹拌し、回転蒸発により乾燥させた後、150mLのイソプロパノールを加えて沈殿させ濾過して濾過ケーキを回収し、乾燥させ、6アームポリエチレングリコール酢酸-NHSエステルを得た。収量は92%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.81 (s,6x4H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.58 (s,6x2H)。
【0154】
実施例15:ペンチトールペンタグリセリルエーテルをコアとする10アームポリエチレングリコールマレイミドの合成
下記構造の10アームポリエチレングリコールマレイミドの合成
【0155】
数平均分子量が20000の10アームポリエチレングリコール(実施例9で製造されたもの) 20gを窒素雰囲気下でトルエン2時間共沸させて水を除去し、次いで室温に降温した。そこに200mLの乾燥ジクロロメタン及び2.0mLのトリエチルアミンを加えた。氷浴下で乾燥塩化メタンスルホニルを滴下し、窒素雰囲気下で一晩撹拌した後、3mLの無水エタノールを加えて反応を停止した。溶媒を回転蒸発により濃縮し、再結晶した後、沈殿物を回収し、真空乾燥させ、数平均分子量が20000の10アームポリエチレングリコール-メチルスルホニルエステルを得た。収量は93%であった。
【0156】
得られたポリエチレングリコール-メチルスルホニルエステルを5%の塩化アンモニウムを含有するアンモニア水溶液200mLに溶解し、溶液を室温下で72時間反応させた。反応終了後にジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去し、再結晶した後、沈殿物を回収し真空乾燥させ、10アームポリエチレングリコールアミンを得た。収量は71%であった。
【0157】
得られた10アームポリエチレングリコールアミンをアセトニトリルに溶解し、溶液に3.2 gのマレミドプロピオン酸-N-スクシンイミドエステルを加えた。溶液を室温下で一晩撹拌した。回転蒸発により乾燥させ、次いで300mLのイソプロパノールに入れ、沈殿させ濾過し真空乾燥させ、製品である10アームポリエチレングリコールマレイミドを得た。収量は83%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.56 (t,10x2H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),6.71 (s,10x2H)。
【0158】
実施例16:ペンタエリスリトールグリセリルエーテルをコアとする8アームポリエチレングリコールコハク酸-NHSエステルの合成
下記構造の8アームポリエチレングリコールコハク酸-NHSエステルの合成
【0159】
数平均分子量が15000の8アームポリエチレングリコール(実施例11で製造されたもの) 15 gをトルエン150mLに入れ、窒素保護下で加熱して100mLのトルエンを留去し、溶液を50度に冷却した後、1.0gの無水コハク酸を加えて6時間還流反応を行い、次いで室温に降温した。回転蒸発した後、150mLのイソプロパノールで沈殿させ、濾過し乾燥させ、粗生成物を得た。
【0160】
得られた粗生成物を150mLのジクロロメタンに溶解し、溶液に1.0g のN-ヒドロキシスクシンイミド及び2.2 gのジシクロヘキシルカルボジイミドを加え、室温下で6時間撹拌し、反応終了後に回転蒸発により溶媒を除去させ、次いで150mLのイソプロパノールで沈殿させ、濾過ケーキを回収し、真空乾燥させ製品である8アームポリエチレングリコールコハク酸-NHSエステルを得た。収量は91%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.58 (t,8x2H),2.81 (s,8x4H),2.93 (t,8x2H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.28 (t,8x2H)。
【0161】
実施例17:ジペンタエリスリトールヘキサグリセリルエーテルをコアとする12アームポリエチレングリコールアクリレートの合成
下記構造の12アームポリエチレングリコールアクリレートの合成
【0162】
数平均分子量が20000の8アームポリエチレングリコール(実施例12で製造されたもの) 20gをトルエン200mLに入れ、窒素保護下で50mLのトルエンを留去し、次いで減圧蒸留により残りのトルエンを除去し、200mLのジクロロメタンを加え、氷水浴で10分間撹拌し、次いで1.8mLのトリエチルアミンを加え、その後1.2mLの塩化アクリロイルを滴下し、氷水浴の条件下で1時間放置し、室温で5時間反応させた。反応終了後に回転蒸発により反応液を乾燥させ、200mLのイソプロパノールで沈殿させ、濾過し、濾過ケーキを回収し、真空乾燥させ製品である12アームポリエチレングリコールアクリレートを得た。収量は88%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.21 (t,12x2H),5.96 (q,12x1H),6.19 (q,12x1H),6.34 (q,12x1H)。
【0163】
実施例18:グリセロールグリセリルエーテルをコアとする6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸の合成
下記構造の6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸の合成
式中、F
1は-OCH
2COOHであり、F
2、F
3、F
4、F
5、F
6はヒドロキシ基である。
【0164】
数平均分子量が20000の6アームポリエチレングリコールを20g取り、100mLのトルエンで水を除去し、次いで残りのトルエンを留去し、200mLのテトラヒドロフランを加え、0.14 gのカリウムt-ブトキシドを加え、室温下で2時間反応させ、次いで0.25 gのブロモ酢酸t−ブチルを滴下し、室温で一晩反応させた後、濾過し、回転蒸発により濾液を濃縮し、次いで100mL NaOH溶液(1mol/L)を加え、80度で2時間アルカリ分解し、その後、2N塩酸でpHを2-3に調整し、10g のNaClを加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、真空乾燥した。粗生成物をDEAE陰イオン交換樹脂カラムにより分離し、異なる留分をそれぞれ集め、6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸留分を得た。製品構造は、
1H-NMRにより測定した。
6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.01 (t,1x2H);
【0165】
実施例19:グリセロールグリセリルエーテルをコアとする6アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸の合成
下記構造の6アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸の合成
式中、F
1は-OCH
2COOHであり、F
2、F
3、F
4、F
5、F
6は-OCH
2CH
2-NH
2である。
【0166】
数平均分子量が20000の6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸(実施例18で製造されたもの)を20g取り、200mLの無水メタノールで溶解し、氷水浴の条件下で10mL濃塩酸を加え、室温下で3時間反応させ、反応終了後に8%の炭酸水素ナトリウム水溶液でpH値を7.0に調整し、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮し、粗生成物を得た。エチルエーテルで沈殿させ6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸メチルを得た。
【0167】
上記6アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸メチルを100mLのトルエンに入れ、回転蒸発により水を除去し、トルエンを回転蒸発により乾燥させ、200mLのジクロロメタンを加えて溶解し、その後、1.0mLのトリエチルアミンを加え、氷水浴で10分間撹拌した後、0.69 gの塩化メタンスルホニルを滴下し、氷水浴の条件下で1時間放置した後、室温で一晩反応させた。反応終了後に200mLの蒸留水を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し回転蒸発し、粗生成物である6アームポリエチレングリコールスルホネート-モノ酢酸メチルを得た。
【0168】
上記粗生成物である6アームポリエチレングリコールスルホネート-モノ酢酸メチルを取り、45mLの脱気水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを12.0に調整し、室温下で2-3時間反応させた後、5.2 gの塩化アンモニウムが溶解したアンモニア水溶液100mLを加え、室温で72時間反応させ、反応終了後に、飽和食塩水を加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、回転蒸発により濃縮した。その後、100mL水を加えて溶解し、2N塩酸で溶液のpHを2-3に調整し、塩化ナトリウムを加え、さらにジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮した後、エチルエーテルで再結晶し、6アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸を得た。収量は86%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.96 (t,5x2H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.00 (t,1x2H)。
【0169】
実施例20:8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸及び8アームポリエチレングリコールヒドロキシ二酢酸の合成
下記構造の8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸の合成
式中、F
1は-OCH
2COOHであり、F
2、F
3、F
4、F
5、F
6、F
7、F
8はヒドロキシ基である。
下記構造の8アームポリエチレングリコールヒドロキシ二酢酸の合成
式中、F
1、F
2は-OCH
2COOHであり、F
3、F
4、F
5、F
6、F
7、F
8はヒドロキシ基である。
【0170】
数平均分子量が20000の8アームポリエチレングリコールを200g取り、500mLのトルエンで水を除去し、次いで残りのトルエンを蒸発させて除去し、750mLのテトラヒドロフランを加え、2.24 gのカリウムt-ブトキシドを加え、室温下で2時間反応させた後、3.90mLのブロモ酢酸t−ブチルを滴下し、室温で一晩反応させ、次いで濾過し、回転蒸発により濾液を濃縮し、その後、500mLのNaOH溶液(1mol/L)を加え、80度で2時間アルカリ分解し、次いで2N塩酸でpHを2-3に調整し、次いで50g のNaClを加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、真空乾燥した。粗生成物をDEAE陰イオン交換樹脂カラムにより分離し、異なる留分をそれぞれ集め、8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸及び8アームポリエチレングリコールヒドロキシ二酢酸留分を得た。製品の構造は、
1H-NMRにより測定した。
8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.01 (t,1x2H);
8アームポリエチレングリコールヒドロキシ二酢酸
1H-NMR (DMSO-d
6):3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.01 (t,2x2H)。
【0171】
実施例21:8アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸の合成
下記構造の8アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸の合成
式中、F
1は-OCH
2COOHであり、F
2、F
3、F
4、F
5、F
6、F
7、F
8は-OCH
2CH
2-NH
2である。
【0172】
数平均分子量が20000の8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸(実施例20で製造されたもの)を200g取り、750mLの無水メタノールで溶解し、氷水浴の条件下で20mL濃塩酸を滴下し、室温下で3時間反応させ、反応終了後に8%の炭酸水素ナトリウム水溶液でpH値を7.0に調整し、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮し粗生成物を得た。エチルエーテルで沈殿させ8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸メチルを得た。
【0173】
上記8アームポリエチレングリコールヒドロキシモノ酢酸メチルを100g取り、500mLのトルエンを加え回転蒸発により水を除去し、トルエンを回転蒸発により乾燥させ、400mLのジクロロメタンを加えて溶解した後、7.4mLのトリエチルアミンを加え、氷水浴下で10分間撹拌し、次いで4mLの塩化メタンスルホニルを滴下し、氷水浴の条件下で1時間放置した後、室温で一晩反応させた。反応終了後に500mLの蒸留水を加え、ジクロロメタンで2回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発し、粗生成物である8アームポリエチレングリコールスルホネート-モノ酢酸メチルを得た。
【0174】
粗生成物である上記8アームポリエチレングリコールスルホネート-モノ酢酸メチルを20g取り、45mLの脱気水に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを12.0に調整し、室温下で2-3時間反応させた後、5.2 gの塩化アンモニウムが溶解したアンモニア水溶液100mLを加え、室温で72時間反応させ、反応終了後に、飽和食塩水を加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、回転蒸発により濃縮した。その後、100mL水を加えて溶解し、2N塩酸で溶液のpHを2-3に調整し、塩化ナトリウムを加え、再度ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮し後、エチルエーテルで再結晶し、8アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸を得た。収量は86%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.96 (t,7x2H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.00 (t,1x2H)。
【0175】
実施例22:8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノNHSエステルの合成
下記構造の8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノNHSエステルの合成
【0176】
数平均分子量が20000の8アームポリエチレングリコールアミン-モノ酢酸を20g取り、200mLのジクロロメタンに溶解し、窒素ガスを導入し、1.1mLのトリエチルアミンを加え、5分間撹拌した後、2.4 gのマレミドプロピオン酸-N-スクシンイミドエステルを加え、暗所で一晩反応させ、反応終了後に濃縮し、蒸発により乾燥させ、200mLのイソプロパノールで氷水浴の条件下で沈殿させ、濾過し、乾燥させ、8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノ酢酸を得た。
【0177】
得られた粗生成物である8アームポリエチレングリコール-七マレイミド-モノ酢酸10gを取り、100mLのジクロロメタンに溶解し、次いで0.075 g のN-ヒドロキシスクシンイミドを加え、10分間撹拌した後、0.15 gのジシクロヘキシルカルボジイミドを加え、室温で一晩反応させ、反応終了後に濾過し、回転蒸発により濃縮し、75mLのイソプロパノールで氷水浴の条件下で沈殿させ、濾過し、真空乾燥させ、8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノNHSエステルを得た。収量は81%であった。
1H-NMR (DMSO-d
6):2.83 (s,1x4H),3.50 (m,-(CH
2CH
2O)-における水素),4.60 (s,1x2H),7.00 (s,7x2H)。
【0178】
実施例23:8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノ酢酸とイリノテカン誘導体との結合物
数平均分子量が20000の8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノ酢酸(実施例22で製造されたもの)2gを20mLのジクロロメタンに溶解し、さらに0.12gのイリノテカングリシンエステル(Glycine-Irrinitecan)、50mgのジメチルアミノピリジン、及び95mgのジシクロヘキシルカルボジイミドを加えた。室温で6時間反応させた後、回転蒸発により濃縮し、次いで30mLジオキサンで溶解し、濾過し、回転蒸発により濾液を濃縮した後、30mLエチルエーテルを加えて沈殿させ、真空乾燥させ製品を得た。収量は90%であった。
【0179】
実施例24:安定した薬物を含有する8アームポリエチレングリコールゲル
数平均分子量が20000の8アームポリエチレングリコールマレイミド-モノ酢酸とイリノテカン誘導体との結合物(実施例23で製造されたもの)0.5gを10mLのリン酸塩緩衝液(pH=7.4)に溶解した。数平均分子量が5000の4アームポリエチレングリコールSH(北京鍵凱科技有限公司;製品型番:4ARM-5000-SH)0.4gを10mLのリン酸塩緩衝液(pH=7.4)に溶解した。両者を迅速に混合し、静置することにより、2分以内に8アームポリエチレングリコールゲルが生成した。生成したゲルを100mLのリン酸塩緩衝液(pH=7.4)に入れ、37℃で保存した。ゲルは360日内に分解したり溶解したりすることなく安定し、ゲルにおけるイリノテカンが緩やかに放出された。
【0180】
上記の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限しない。本発明の精神及び原理の範囲内での任意の修正、同等の置換などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。