(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790178
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】複素環式スピロ化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 405/04 20060101AFI20201116BHJP
C07D 405/10 20060101ALI20201116BHJP
C07D 409/04 20060101ALI20201116BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
C07D405/04CSP
C07D405/10
C07D409/04
H05B33/22 B
H05B33/14 B
【請求項の数】21
【全頁数】110
(21)【出願番号】特願2019-108797(P2019-108797)
(22)【出願日】2019年6月11日
(62)【分割の表示】特願2016-541141(P2016-541141)の分割
【原出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2019-202998(P2019-202998A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年6月27日
(31)【優先権主張番号】13005938.9
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506427679
【氏名又は名称】メルク、パテント、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】アミール、フセイン、パーラム
(72)【発明者】
【氏名】エルビラ、モンテネグロ
(72)【発明者】
【氏名】アンニャ、ヤッシュ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、プラム
(72)【発明者】
【氏名】ヨナス、バレンティン、クローバー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス、グロスマン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、エバール
(72)【発明者】
【氏名】ラルス、ドーベルマン
【審査官】
三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/017189(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/100464(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0256645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造を含む化合物。
【化1】
式中、使用される記号は以下が適用される:
Xは、Oであり、
Arは、出現毎に同一であるかまたは異なり、6〜40のC原子を有するアリール基、または3〜40のC原子を有するヘテロアリール基であり、それぞれが1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよく、
R
1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar
1、P(=O)(Ar
1)
2、S(=O)Ar
1、S(=O)
2Ar
1、CN、NO
2、Si(R
2)
3、B(OR
2)
2、OSO
2R
2、1〜40のC原子を有する、直鎖の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40のC原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらのそれぞれが、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよく、1以上の隣接しないCH
2基が、R
2C=CR
2、C≡C、Si(R
2)
2、Ge(R
2)
2、Sn(R
2)
2、C=O、C=S、C=Se、P(=O)(R
2)、SO、SO
2、O、SまたはCONR
2によって置き換えられていてもよく、1以上のH原子が、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい)、または5〜40の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれのケースにおいて、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、または5〜40の芳香族環原子を有する、アリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、ここで2以上の隣接する置換基R
1がともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよく、
R
2は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar
1、P(=O)(Ar
1)
2、S(=O)Ar
1、S(=O)
2Ar
1、CN、NO
2、Si(R
3)
3、B(OR
3)
2、OSO
2R
3、1〜40のC原子を有する、直鎖の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40のC原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらのそれぞれが、1以上のラジカルR
3によって置換されていてもよく、1以上の隣接しないCH
2基が、C≡C、Si(R
3)
2、Ge(R
3)
2、Sn(R
3)
2、C=O、C=S、C=Se、P(=O)(R
3)、SO、SO
2、O、SまたはCONR
3によって置き換えられていてもよく、1以上のH原子が、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2によって置き換えられていてもよい)、ここで、2以上の隣接する置換基R
2がともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよく、
Ar
1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、5〜30の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)であり、ここで、同一のリン原子に結合する2つのラジカルAr
1が、単結合、またはB(R
3)、C(R
3)
2、Si(R
3)
2、C=O、C=NR
3、C=C(R
3)
2、O、S、S=O、SO
2、N(R
3)、P(R
3)およびP(=O)R
3から選択される架橋によって、互いに結合されていてもよく、
R
3は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、または1〜20のC原子を有する、脂肪族、芳香族および/またはヘテロ芳香族炭化水素ラジカル(これは、さらに、H原子がFに置き換えられていてもよい)であり、ここで、2以上の隣接する置換基R
3がともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよく、 nは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0、1、2、3または4であり、
mは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0、1、2または3であり、
oは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0、1または2であり、
qは、1であり、
r、s、t、uは、0であり、
pは、0または1であり、
Eは、電子輸送性基であり、これはそれぞれのケースにおいて、1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよく、かつピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾールおよびベンゾオキサゾールからなる群から選択される少なくとも1つの構造を含ものであり、
R
aは、R
1または基−[Ar]
p−Eであり、Ar、pおよびEは、上記と同じ意味を有し、
R
bは、R
1または基−[Ar]
p−Eであり、Ar、pおよびEは、上記と同じ意味を有し
、
R
aが基−[Ar]
p−Eであり、式(I)の構造が最大で2つの電子輸送性基Eを含む場合に、R
bは、H、DまたはFを表し、
R
bが基−[Ar]
p−Eであり、式(I)の構造が最大で2つの電子輸送性基Eを含む場合に、R
aは、H、DまたはFを表す。
【請求項2】
基RaおよびRbに存在する電子輸送性基Eの総数が、1以下であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
n、mおよびoの全ての合計が4以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
pが0であり、そのためEがベンゾフランまたはスピロビフルオレン骨格に直接結合されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
ラジカルRaおよびRbのうちの1つが、基−[Ar]p−E(式中、Ar、pおよびEは請求項1と同じ意味を有する)を示すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記電子輸送性基Eが、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾールおよびピリジンから選択される少なくとも1つの構造を含むことを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記電子輸送性基Eが、構造(E−36)、(E−37)および(E−38)から選択される、少なくとも1つの強力な電子吸引基を含むことを特徴とする、請求項1〜
6のいずれか一項に記載の化合物。
【化2】
式中、
Arは、それぞれのケースにおいて、同一であるかまたは異なり、請求項1と同じ意味を有し、
aは、1または2であり、
破線は、ベンゾフルオレンもしくはスピロビフルオレン骨格、またはp=1である場合にArへの結合を示す。
【請求項8】
前記電子輸送性基Eが、−1.3eVより低いLUMO(最低空軌道)エネルギーを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および/または(VII)の構造を含むことを特徴とする、請求項1〜
8のいずれか一項に記載の化合物。
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
式中、示される記号は請求項1で定義された意味を有する。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の1以上の化合物を含む、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーであって、前記化合物から前記ポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーへの1以上の結合が存在することを特徴とする、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマー。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物、および/または請求項10に記載のオリゴマー、ポリマーまたはデンドリマー、および少なくとも1つの有機機能性材料を含んでなる組成物。
【請求項12】
前記有機機能性材料が電子輸送材料であることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記有機機能性材料がn−ドーパントであることを特徴とする、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
前記有機機能性材料がマトリックスまたはホスト材料であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記マトリックスまたはホスト材料が正孔伝導マトリックスまたはホスト材料であることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記有機機能性材料がエミッターであることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記有機機能性材料が2.5eV以上のバンドギャップを有する化合物であることを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物、請求項10に記載のオリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマー、および/または請求項11〜17のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物、および少なくとも1つの溶剤を含んでなる配合物。
【請求項19】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、または請求項10に記載のオリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーの調製方法であって、まずスピロビフルオレン骨格が調製され、後のステップにおいて、電子輸送性基を含むラジカルがカップリング反応を通して導入されることを特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、請求項10に記載のオリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマー、または請求項11〜17のいずれか一項に記載の組成物の、電子素子における、正孔ブロック材料、電子注入材料、および/または電子輸送材料としての使用。
【請求項21】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物、請求項10に記載のオリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマー、または請求項11〜17のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる電子素子。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、電子素子における使用に適切である、少なくとも1つの電子輸送性基を含むスピロ化合物に関するものである。さらに、本発明は、それらの調製方法、および電子素子に関するものである。
【0002】
有機、有機金属および/または高分子半導体を具備する電子素子は、ますます重要性を増している。これらは、コストや性能の理由から多くの商品に使用されている。ここで、例として、コピー機における有機電荷輸送材料(例えば、トリアリールアミンにもとづく正孔輸送体)、ディスプレイ装置における有機もしくはポリマー発光ダイオード(OLEDもしくはPLED)、またはコピー機における光検出器が挙げられる。有機太陽電池(O−SC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機集積回路(O−IC)、有機光増幅器および有機レーザーダイオード(O−laser)は、開発の進行した段階であり、将来極めて重要になるかもしれない。
【0003】
これらの電子デバイスの多くは、それぞれの最終用途に関わらず、以下の一般的な層構造を有し、特定のアプリケーションに応じて調整されうる。
(1)基板、
(2)電極、しばしば金属または無機であるが、有機または高分子伝導性材料でもよい、(3)電荷注入層または中間層、例えば電極中の不均一を補うため(「平坦化層」)、しばしば伝導性のドープされたポリマーからなる、
(4)有機半導体、
(5)場合によりさらなる電荷輸送、電荷注入または電荷遮断層、
(6)対向電極、材料は(2)に記載、
(7)封止材
【0004】
上述の配置は、有機電子素子の一般的構造であり、様々な層を組み合わせることができ、最も単純な場合には、2つの電極とその間に有機層が存在する配置である。この場合、有機層はOLEDの場合における発光を含む全ての機能を満たす。この種の系、例えばポリ(p−フェニレン)に基づくものはWO90/13148A1に開示されている。
【0005】
少なくとも1つの電子輸送性基を含むスピロ化合物を含んでなる電子素子は、とりわけ、WO2013/100464に開示される。そこで明確に開示されるスピロ化合物は、環の2’、7’位で電子伝導性基によってのみ置換されているものであり、この番号付けにおいて、スピロ化合物は、3および4位で、ジベンゾフラン基がスピロ骨格のアリール環と共に形成されるように、置換される。
【0006】
知られている電子素子は、有用な特性を有している。しかしながら、これらの素子の特性は、継続的に改善する必要がある。
【0007】
これらの特性としては、特に、電子素子の製造に用いられる化合物の加工性が挙げられる。そして、知られている化合物は、比較的溶液中で酸化に敏感である。さらに、知られている化合物は、非常に限定された溶解性を示す。さらに、知られている化合物は、高温で分解する傾向が強く、これは昇華を妨げる。さらなる問題は、電子素子が特定の目的を達成する際のエネルギー効率である。有機発光ダイオードの場合(これは低分子量化合物およびポリマー材料の両方にもとづくものであってもよい)、できるだけ少ない電力で一定の光束を達成するためのインプットとなるように、特に、光収率は高くあるべきである。さらに、特定の光束密度を達成するめにできるだけ低い電圧が必要となるようにすべきである。さらなる問題は、特に、電子素子の寿命である。
【0008】
それゆえ、本発明の目的は、改良された特性を有する電子素子につながる新規な化合物を提供することである。特に、目的は、加工性、取り扱い、効率、作動電圧、および/または寿命に関して改良された特性を示す、正孔ブロック材料、電子注入材料、および/または電子輸送材料を提供することである。
【0009】
さらなる目的は、できるだけ安価に、一定の品質で、優れた特性を有する電子素子を提供することであるとみなすことができる。
【0010】
さらに、電子素子は多くの用途に用いることができるはずである。特に、電子素子の特性は、幅広い温度範囲で保持されるべきである。
【0011】
驚くべきことに、これらの目的、および明確には述べられていないが、この導入部で論じた相関関係から、容易に導かれ、または推測されうる、更なる目的は、請求項1の全ての特徴を有する化合物によって達成される。本発明による化合物の有利な改良は、請求項1に従属する請求項により保護される。
【0012】
本発明は、少なくとも1つの式(I)の構造を含む化合物に関するものである。
【化1】
式中、使用される記号は以下が適用される:
Xは、O、SまたはC(R
1)
2であり、好ましくはOまたはSであり、特に好ましくはOであり、
Arは、出現毎に同一であるかまたは異なり、6〜40のC原子を有するアリール基、または3〜40のC原子を有するヘテロアリール基であり、それぞれが1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよく、
R
1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar
1、P(=O)(Ar
1)
2、S(=O)Ar
1、S(=O)
2Ar
1、CN、NO
2、Si(R
2)
3、B(OR
2)
2、OSO
2R
2、1〜40のC原子を有する、直鎖の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40のC原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらのそれぞれが、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよく、1以上の隣接しないCH
2基が、R
2C=CR
2、C≡C、Si(R
2)
2、Ge(R
2)
2、Sn(R
2)
2、C=O、C=S、C=Se、P(=O)(R
2)、SO、SO
2、O、SまたはCONR
2によって置き換えられていてもよく、1以上のH原子が、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい)、または5〜40の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれのケースにおいて、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、または5〜40の芳香族環原子を有する、アリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)、またはこれらの系の組み合わせであり、ここで2以上の隣接する置換基R
1がともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよく、
R
2は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar
1、P(=O)(Ar
1)
2、S(=O)Ar
1、S(=O)
2Ar
1、CN、NO
2、Si(R
3)
3、B(OR
3)
2、OSO
2R
3、1〜40のC原子を有する、直鎖の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40のC原子を有する、分岐もしくは環状の、アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(これらのそれぞれが、1以上のラジカルR
3によって置換されていてもよく、1以上の隣接しないCH
2基が、C≡C、Si(R
3)
2、Ge(R
3)
2、Sn(R
3)
2、C=O、C=S、C=Se、P(=O)(R
3)、SO、SO
2、O、SまたはCONR
3によって置き換えられていてもよく、1以上のH原子が、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO
2によって置き換えられていてもよい)、またはこれらの系の組み合わせであり、ここで、2以上の隣接する置換基R
2がともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよく、
Ar
1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、5〜30の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)であり、ここで、同一のリン原子に結合する2つのラジカルAr
1が、単結合、またはB(R
3)、C(R
3)
2、Si(R
3)
2、C=O、C=NR
3、C=C(R
3)
2、O、S、S=O、SO
2、N(R
3)、P(R
3)およびP(=O)R
3から選択される架橋によって、互いに結合されていてもよく、
R
3は、出現毎に同一であるかまたは異なり、H、D、F、または1〜20のC原子を有する、脂肪族、芳香族および/またはヘテロ芳香族炭化水素ラジカル(これは、さらに、H原子がFに置き換えられていてもよい)であり、ここで、2以上の隣接する置換基R
3がともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよく、 nは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0、1、2、3または4であり、
mは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0、1、2または3であり、
oは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0、1または2であり、
p、q、r、s、t、uは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0または1であり、 Eは、電子輸送性基であり、これはそれぞれのケースにおいて、1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよく、
R
aは、R
1または基−[Ar]
p−Eであり、Ar、pおよびEは、上記と同じ意味を有し、
R
bは、R
1または基−[Ar]
p−Eであり、Ar、pおよびEは、上記と同じ意味を有し、
ただし、
式(I)の構造は、少なくとも1つの電子輸送性基Eを含み、
添え字m、sおよびtの全ての合計は、7未満であり、
添え字n、qおよびuの全ての合計は、9未満であり、
添え字rおよびoの合計は、3未満であり、
R
aが基−[Ar]
p−Eであり、式(I)の構造が最大で2つの電子輸送性基Eを含む場合に、R
bは、H、DまたはFを表し、
R
bが基−[Ar]
p−Eであり、式(I)の構造が最大で2つの電子輸送性基Eを含む場合に、R
aは、H、DまたはFを表す。
【0013】
基Xが、スピロ骨格およびアリールラジカル(ここでアリールラジカルは、付加的に、スピロ骨格に結合を有する)に結合される。ここで、アリールラジカルへの結合および基Xへの結合は、スピロ骨格の隣接する炭素原子を介して行われるため、基Xに依存して、フルオレン基(X=C(R
1)
2)、ジベンゾチオフラン基(X=S)またはジベンゾフラン基(X=O)が形成される。
【0014】
好ましい形態において、式(I)中のXは、酸素または硫黄であり、特に好ましくは酸素である。よって、少なくとも1つの式(Ia)の構造を含む化合物;
【化2】
が特に好ましい。式中、使用される記号は、上記の式(I)の定義された意味を有する。
以下に好ましいと記述される形態は、特定の範囲、特に式(Ia)の化合物に、適用される。
【0015】
ここで、「隣接する炭素原子」は、炭素原子が互いに直接結合していることを意味する。さらに、ラジカルの定義における「隣接するラジカル」は、これらのラジカルが同一の炭素原子または隣接する炭素原子に結合していることを意味する。これらの定義は、とりわけ、用語「隣接する基」および「隣接する置換基」に対応して適用する。
【0016】
本発明の意味でのアリール基は、6〜40のC原子を含む。本発明の意味でのヘテロアリール基は、2〜40のC原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含み、C原子およびヘテロ原子の合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選択される。ここで、アリール基もしくはヘテロアリール基は、単一の芳香族環(すなわちベンゼン)もしくは単一のヘテロ芳香族環(例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等)、または縮合アリールもしくはヘテロアリール基(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン等)を意味するものと解される。
【0017】
本発明の意味での芳香族環系は、環系内に6〜60のC原子を含む。本発明の意味でのヘテロ芳香族環系は、環系内に1〜60のC原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含み、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくはN、Oおよび/またはSから選択される。本発明の意味での芳香族またはヘテロ芳香族環系は、必ずしもアリールまたはヘテロアリール基を含む系ではなく、代わりに、さらに複数のアリールまたはヘテロアリール基が、非芳香族単位(好ましくはH以外の原子が10%より少ない)、例えばC、NもしくはO原子、またはカルボニル基、に介在されていてもよい。例えば、9,9’−スピロビフルオレン、9,9’−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等の系は、また本発明の意味において、芳香族環系を意味するものと解される。2以上のアリール基が、例えば、直鎖もしくは環状アルキル基、またはシリル基によって介在されている系も、同様である。さらに、2以上のアリールまたはヘテロアリール基が互いに直接結合されている系(例えば、ビフェニル、テルフェニル)も、同様に、芳香族またはヘテロ芳香族環系を意味するものと解される。
【0018】
本発明の意味での、環状アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基は、単環、二環、または多環基であると解される。
【0019】
本発明の目的において、C
1−〜C
40−アルキル基(さらに、これらの個々の水素原子またはCH
2基は、上記した基によって置換されていてよい)は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、2−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロペンチル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、シクロヘプチル、1−メチルシクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、シクロオクチル、1−ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−(2,6−ジメチル)オクチル、3−(3,7−ジメチル)オクチル、アダマンチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1−ジメチル−n−ヘキサ−1−イル、1,1−ジメチル−n−ヘプタ−1−イル、1,1−ジメチル−n−オクタ−1−イル、1,1−ジメチル−n−デカ−1−イル、1,1−ジメチル−n−ドデカ−1−イル、1,1−ジメチル−n−テトラデカ−1−イル、1,1−ジメチル−n−ヘキサデカ−1−イル、1,1−ジメチル−n−オクタデカ−1−イル、1,1−ジエチル−n−ヘキサ−1−イル、1,1−ジエチル−n−ヘプタ−1−イル、1,1−ジエチル−n−オクタ−1−イル、1,1−ジエチル−n−デカ−1−イル、1,1−ジエチル−n−ドデカ−1−イル、1,1−ジエチル−n−テトラデカ−1−イル、1,1−ジエチル−n−ヘキサデカ−1−イル、1,1−ジエチル−n−オクタデカ−1−イル、1−(n−プロピル)シクロヘキサ−1−イル、1−(n−ブチル)シクロヘキサ−1−イル、1−(n−ヘキシル)シクロヘキサ−1−イル、1−(n−オクチル)シクロヘキサ−1−イル−および1−(n−デシル)シクロヘキサ−1−イルラジカルを意味するものと解される。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルを意味するものと解される。アルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニルまたはオクチニルを意味するものと解される。C
1−〜C
40−アルコキシ基は、例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシまたは2−メチルブトキシを意味するものと解される。
【0020】
5〜60個の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系は、各場合に、上記のラジカルによって置換されていてもよく、任意の所望の位置で、芳香族またはヘテロ芳香族系に連結していてもよいが、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン、フェナントレン、ベンゾフェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオラセン、ベンゾフルオラセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ターフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス−またはトランス−インデノフルオレン、シス−またはトランス−モノベンゾインデノフルオレン、シス−またはトランス−ジベンゾインデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、インドロカルバゾール、インデノカルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジオゾール、1,3,4−オキサジオゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアゾールから誘導される基を意味するものと解される。
【0021】
以下に記載される好ましい形態をさらに説明するために、ここで使用されるスピロ骨格の番号付けは以下に説明される。式中、環AおよびB、並びに環CおよびDは、それぞれのケースにおいて平面である。環Eは、環Aに、単結合および基Xを介して、直接結合されており、環AへのXの結合は、環AのC原子(これを介して、環Aは環Eに接続される)に隣接するC原子上で起こる。
【0023】
ここで、環AおよびEは、フルオレン、ジベンゾチオフランまたはジベンゾフラン基、好ましい形態において、ジベンゾチオフランまたはジベンゾフラン基、特に好ましくは、ジベンゾフラン基、を形成する。
【0024】
好ましくは、添え字q、r、s、tおよびuの合計が3以下であることを特徴とする式(I)の構造を含む化合物である。特に好ましくは、添え字q、r、s、tおよびuの合計が3以下であり、かつ基R
aおよびR
bが、電子輸送性基Eを含まない。よって、好ましくは、最大で3、特に好ましくは最大で2、であり、特に好ましくは、ちょうど1つの電子輸送性基Eを含む化合物である。
【0025】
さらに、好ましくは、qが1である化合物であり、このケースにおいて、r=s=0が特に好ましい。特に好ましくは、qが1であり、かつs、t、ならびに基R
aおよびR
bに存在する電子輸送性基の合計が1以下、特に好ましくは0、である。それゆえ、好ましくは、環Eが1つの電子輸送性基Eを含み、かつ環CおよびDが電子輸送性基Eを含まない化合物である。
【0026】
さらに、uは好ましくは1であってよい。u=1の場合に、好ましい形態において、r=s=0であることが可能である。特に好ましい形態において、u=1であり、かつs、tおよびR
aおよびR
bに存在する電子輸送性基Eの合計は、1以下であり、特に好ましくは0である。したがって、好ましくは、環Bが1つの電子輸送性基Eを含み、かつ環CおよびDが電子輸送性基Eを含まない化合物である。
【0027】
さらに、oは好ましくは1でありうる。o=1である場合に、好ましい形態において、r=s=0は可能である。特に好ましい形態は、o=1であり、s、t、ならびにR
aおよびR
bに存在する電子輸送性基Eの合計は1以下であり、特に好ましくは0である。したがって、好ましくは、環Aが1つの電子輸送性基Eを含み、かつ環CおよびDが電子輸送性基Eを含まない化合物である。
【0028】
本発明のさらなる形態において、好ましい化合物は、ラジカルR
aおよびR
bのうちの1つが、基−[Ar]
p−E、好ましくはE、(Ar、pおよびEは上記と同じ意味を有する)を示す。ラジカルR
aおよびR
bのうちの1つが、基−[Ar]
p−Eを示す場合、sおよびtの合計は好ましくは0であり、このケースにおいて、q、uおよびoの合計は、1以下、より好ましくは0、であることが特に好ましい。
【0029】
特定の形態において、sおよびtは、同時に1ではない。tが1である場合、sは好ましくは0でありうる。sが1である場合に、tは好ましくは0でありうる。したがって、好ましくは、sおよびtの合計は1であってよく、この場合に、q、uおよびoの合計は、特に好ましくは1以下であり、より好ましくは0である。さらに、sおよびtの合計が1である場合に、基R
aおよびR
bが電子輸送性基Eを有さないものであってよい。特に好ましい形態において、sおよびtの合計が1であり、基R
aおよびR
bが電子輸送性基Eを含まず、かつq、uおよびoの合計が1以下、より好ましくは0、であってよい。
【0030】
したがって、好ましい化合物は、環CおよびDが、ちょうど1つの電子輸送性基Eを含み、環A、BおよびEは最大で1つの電子輸送性基E、好ましくは含まない、である。
【0031】
さらに、好ましい化合物は、電子輸送性基Eを含む少なくとも1つのラジカルが、スピロビフルオレン骨格の位置1、1’、3、3’、4、4’、5、5’、6、6’、8、8’で結合されている。
【0032】
さらに、式(I)の化合物は好ましくは最大4、より好ましくは最大3、特に好ましくは1または2、さらに特に好ましくはちょうど1つの電子輸送性基Eを含んでいてもよい。
【0033】
さらに、好ましい式(I)の化合物は、n、mおよびoの全ての合計が4以下、好ましくは2以下、である。それゆえ、好ましい化合物は、最大で4、特に好ましくは最大で2のラジカルR
1を含む。
【0034】
さらに、好ましい化合物は、pが0であるということによって区別され、その場合に、Eはベンゾフランまたはスピロ基に直接に結合する。
【0035】
さらに好ましい化合物は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および/または(VII)の構造を含む。
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
式中、示される記号は、上記と同じ意味を有する。
【0036】
上記(II)〜(VII)の化合物の式の化合物のうち、式(II)および(III)の化合物が好ましく、式(II)の化合物が特に好ましい。
【0037】
好ましい形態において、式(I)、(Ia)および(II)〜(VII)中の、添え字n、mおよびoは、出現毎に同一であるかまたは異なり、0または1である。
【0038】
式(I)の構造を含む化合物は、好ましくはラジカルR
1を含むことができる。ここで、ラジカルR
1は、好ましくは、出現毎に同一であるかまたは異なり、好ましくは、H、D、F、Br、I、CN、Si(R
2)
3、B(OR
2)
2、C(=O)Ar
1、1〜10のC原子を有する、直鎖のアルキル基、または1〜10のC原子を有する直鎖のアルコキシ基もしくは2〜10のC原子を有するアルケニル基、または3〜10のC原子を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(それぞれは、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよく、1以上のHがDまたはFによって置き換えられていてもよい)、または5〜30の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(それぞれのケースにおいて、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2つの隣接するラジカルR
1がともに、またはR
1がR
2とともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよい。これらのラジカルR
1は、出現毎に同一であるかまたは異なり、特に好ましくは、H、D、F、1〜6のC原子を有するアルコキシ基、または3〜10のC原子を有する、分岐もしくは環状のアルキル基(ここで、1以上のH原子は、DまたはFによって置き換えられていてもよい)、または5〜24の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(それぞれのケースにおいて、1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2つの隣接するラジカルR
1がともに、またはR
1がR
2とともに、単もしくは多環状、脂肪族もしくは芳香族環系を形成していてもよい。式(I)中のラジカルR
1のうち、少なくとも1つ、好ましくは両方、が、特に好ましくは、1〜10の炭素原子を有するアルキルラジカル、または6〜10の炭素原子を有するアリール基(これは、最大で3つのラジカルR
2によって置換されていてもよい)であってよい。
【0039】
式(I)の構造は、上記で詳細に定義された、少なくとも1つの電子輸送性基E(これは、所望により、1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよい)を含む。電子輸送性基Eは、単独または他の基との相互作用によって、有機電子素子の1以上の層における電子伝導性を改善することによって、区別される。一般に、これらの基は、比較的低いLUMO(最低空軌道)エネルギーを有する。
【0040】
電子輸送性基Eは、好ましくは−1.3eVより低い、さらに好ましくは−2.5eVより低い、特に好ましくは−2.7eVより低い、LUMO(最低空軌道)エネルギーを有することができる。
【0041】
分子軌道、特に最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)、それらのエネルギー準位および材料の最低三重項準位T
1または最低励起一重項準位S
1は、量子化学計算により決定される。金属を除く有機物質を計算するために、まず「励起状態/半経験的/初期スピン/AM1/チャージ0/スピン一重項」法を用いて、構造最適化が行われる。続いて、最適化された構造をもとに、エネルギー計算が行われる。ここで、「TD−SCF/DFT/初期スピン/B3PW91」法が「6−31G(d)」基底集合とともに用いられる(チャージ0、スピン一重項)。金属含有化合物では、構造は、「基底状態/ハートリーフォック(Hartree−Fock)/初期スピン/LanL2MB/チャージ0/スピン一重項」法を介して、最適化される。エネルギー計算は、上述の有機物質と同様に計算されるが、金属の場合には「LanL2DZ」基底集合が用いられ、配位子には「6−31G(d)」が用いられるという違いがある。エネルギー計算は、HOMOエネルギー準位HehまたはLUMOエネルギー準位をハートリー単位で与える。エレクトロンボルトでのHOMOおよびLUMOエネルギー準位は、サイクリックボルタンメトリー測定を基準に較正され、以下のように決定される。
【0042】
HOMO(eV)=((HEh*27.212)−0.9899)/1.1206
LUMO(eV)=((LEh*27.212)−2.0041)/1.385
【0043】
本発明の目的のために、これらの値は、材料それぞれのHOMOおよびLUMOエネルギー準位とみなされる。
【0044】
最低三重項状態T
1は、記載の量子化学計算から生じる最低エネルギーを有する三重項状態のエネルギーと定義される。
【0045】
最低励起一重項状態S
1は、記載の量子化学計算から生じる最低エネルギーを有する励起一重項状態のエネルギーと定義される。
【0046】
ここで記述される方法は、使用されるソフトウェアパッケージと独立であり、毎回同じ結果を与えるものである。この目的で頻繁に使用されるプログラムの例として、「Gaussian09W」(Gaussian社)およびQ−Chem4.1(Q−Chem社)が挙げられる。
【0047】
さらに好ましくは、電子輸送性基Eは、電子移動度μが10
−6cm
2/(Vs)以上、より好ましくは10
−5cm
2/(Vs)以上、さらに特に好ましくは10
−4cm
2/(Vs)以上、であることを特徴とする。
【0048】
好ましい電子輸送性基としては、とりわけ、電子欠損ヘテロ芳香族基、および少なくとも1つの強力な電子吸引性基を含むアリールもしくはヘテロアリール基が挙げられる。
【0049】
好ましい形態において、電子輸送性基Eは、好ましくは、電子欠損ヘテロ芳香族基(これは1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよい)である。さらにより好ましくは、6の芳香族環原子、それらのうち少なくとも1つ、好ましくは2つ、さらに好ましくは少なくとも3つがN原子を有する、ヘテロ芳香族基、または5つの芳香族環原子、そのうち少なくとも2つがヘテロ原子、このましくはそのうち1つがN原子、を有するヘテロ芳香族基であり、これはR
1によって置換されていてもよく、それぞれのケースにおいて、さらにアリールまたはヘテロアリール基がこれらの基に縮合している。
【0050】
本発明の特定の態様において、電子輸送性基Eは、5〜60の芳香族環原子を有するヘテロアリール基であってよく、ここでNはとても好ましいヘテロ原子であり、電子輸送性基Eは1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよく、R
1は互いに独立である。
【0051】
好ましい電子輸送性基Eは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾールおよびベンゾオキサゾールからなる群、特に好ましくはピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾールおよびピリジンからなる群、から選択される少なくとも1つの構造を含む。ここで、これらの構造は、1以上のラジカルR
1によって置換されていてもよく、互いに独立である。電子輸送性基は、さらに好ましくは、1以上のラジカルR
1によって置換される、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンまたは1,3,5−トリアジンである。
【0052】
さらに、電子輸送性基Eは、少なくとも1つの、式(E−1)〜(E−10)の構造を含んでいてもよい。
【化5】
式中、破線で示された結合は、結合位置を示し、
Q’は、出現毎に同一であるかまたは異なり、CR
1またはNであり、かつ
Q”は、NR
1、OまたはSを示し、
ここで、少なくとも1つのQ’がNであり、および/または少なくとも1つのQ”がNR
1であり、
R
1は、上記の定義の通りである。
【0053】
特に好ましくは、電子輸送性基Eが少なくとも1つの式(E−11)〜(E−19)の構造を有していてもよい。
【化6】
式中、破線で示された結合は、結合位置を示し、R
1は上記の定義の通りである。
【0054】
式(E−18)の場合、R
1は好ましくはHまたはDを意味しない。
【0055】
式(E−1)〜式(E−19)の構造を含む化合物において、好ましくは、ラジカルR
1のうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、がArを示すこができ、ここでArは上述の定義の通りである。
【0056】
電子輸送性基Eにおける置換基R
1は、好ましくは、Hまたは5〜60の芳香族環原子を有する、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(それぞれのケースにおいて1以上のラジカルR
2によって置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、式(E−11)、(E−17)および(E−18)の基は、さらに好ましく、式(E−11)が最も好ましい。
【0057】
さらに特に好ましい電子輸送性基Eの例は、以下の基である。これは、1以上のラジカルR
2(R
2は互いに独立である)で置換されていてもよく、破線は結合位置を示す。
【化7-1】
【化7-2】
【0058】
さらなる形態において、電子輸送性基Eは、少なくとも1つの強力な電子吸引性基を含み、これは好ましくはアリールもしくはヘテロアリール基に結合する。
【0059】
ここで、強力な電子吸引性基は、好ましくは(E−36)、(E−37)および(E−38)の構造から選択することができる。
【化8】
式中、
Arは、それぞれのケースにおいて、同一であるかまたは異なり、上記と同じ意味を有し、
aは、1または2、好ましくは2、であり、
破線は、スピロビフルオレン骨格、またはp=1である場合に所望により基Arへの結合を示し、ここで基Arは、スピロビフルオレン骨格に結合している。
【0060】
このケースにおいて、本発明による化合物は、電子輸送性基として、単に電子欠損ヘテロ芳香族基、または少なくとも1つの強力な電子吸引性基を有するアリールもしくはヘテロアリール基を含んでいてよい。本発明による化合物が2以上の電子輸送性基を含む場合、化合物は少なくとも1つの電子欠損ヘテロ芳香族基、および少なくとも1つの強力な電子吸引性基を有するアリールもしくはヘテロアリール基の両方を含むことができる。
【0061】
特に、本発明による化合物は、従来技術の化合物と比較すると極めて高い三重項準位T
1を有する。これは、緑および特に青色燐光発光OLEDの構造にとって有利である。この利点は、三重項マトリックス材料(TMM)、正孔ブロック材料(HBM)および電子輸送剤用(ETM)として材料を使用する際に特に重要である。発光層および隣接する層(EBM/ETM)におけるTMM、EBH、ETMのT1準位は、発光の消光を抑制するために、発光材料のそれよりも大きくあるべきである。
【0062】
式(I)の構造を含む本発明によるスピロ化合物は、構造により、キラルであってもよい。これは、特に、置換基(例えばアルキル、アルコキシまたはアラルキル基)を含む場合に、1以上のステレオ中心(stereo centre)を有する。ホウ素含有化合物の基本構造はキラル構造であってよいため、ジアステレオマーの構造および複数のエナンチオマーの組み合わせが可能である。本発明による化合物として、さまざまなジアステレオマーまたは対応するラセミ体の混合物、およびそれぞれ分離されたジアステレオマーまたはエナンチオマーの両方を含む。
【0063】
化合物は、好ましくは、エナンチオマーの混合物、特に好ましくはジアステレオマーの混合物、の形でありうる。これによって、本発明による化合物を使用して得られる電子素子の特性を予想外に高めることが可能になる。これらの特性には、特に、素子の寿命が挙げられる。
【0064】
特に好ましい化合物として、以下の式1〜141の構造が挙げられる。
【化9-1】
【化9-2】
【化9-3】
【化9-4】
【化9-5】
【化9-6】
【化9-7】
【化9-8】
【化9-9】
【化9-10】
【化9-11】
【化9-12】
【化9-13】
【化9-14】
【化9-15】
【化9-16】
【化9-17】
【化9-18】
【0065】
請求項1に記載の状態が観察される条件のもとで、上記の好ましい形態は、必要に応じて、互いに組み合わされることができる。本発明の特に好ましい形態において、上記の好ましい形態は、同時に適用する。
【0066】
本発明による化合物は、基本的に、さまざまなプロセスによって調製されうる。しかしながら、以下に記載するプロセスは、特に適していることがわかっている。
【0067】
それ故、本発明は、式(I)の構造を含む化合物の調製方法に関するものであり、これは、まずスピロビフルオレン骨格が調製され、後のステップにおいて、電子輸送性基がカップリング反応を介して導入される。
【0068】
特に適しており好ましいカップリング反応(全ては、C−C結合および/またはC−N結合となる)は、ブッフバルト(BUCHWALD)、スズキ、ヤマモト、ステイル(STILLE)、ヘック(HECK)、ネギシ、ソノガシラおよびヒヤマカップリング反応である。
【0069】
以下の合成機構の全てにおいて、化合物は、構造の単純化のために、置換基の最小数で示される。これは、プロセスにおいて所望によりさらなる置換基が存在することを排除しない。
【0070】
スピロ骨格A〜Fの6つの異性体(これは、ジベンゾフラン基を含む好ましいスピロ化合物として以下に示される)は、機構1〜8によって得られうる。
【化10】
【0071】
対応するタイプAのハロゲン化スピロベンゾフルオレン(好ましくはスピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェン誘導体)は、ジベンゾチオフェン−またはジベンゾフランボロン酸誘導体から、スズキカップリングならびに、引き続きリチオ化およびフルオレン誘導体との反応によって調製される。機構1において例として示す。
【化11】
【0072】
タイプBのハロゲン化スピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェンは、ハロゲン化メルカプトフルオレノン誘導体またはヒドロキシフルオレノン誘導体から、スズキカップリングおよび引き続き環化およびさらなるモノリチオ化2,2’−ジブロモビフェニル誘導体およびさらなる環化によって、調製されうる(機構2)。
【化12】
【0073】
さらに、対応するタイプCのハロゲン化スピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェンは、対応するボロン酸誘導体から、スズキカップリングおよび引き続きリチオ化および4−ブロモフルオレノン誘導体および引き続き環化によって、調製されうる(機構3)。
【化13】
【0074】
対応するタイプDのハロゲン化スピロベンゾフルオレン誘導体(好ましくは、スピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェン誘導体)は、ベンゾフルオレノフラノン誘導体またはベンゾフルオレノチオフェノン誘導体から、モノリチオ化2,2’−ジブロモビフェニル誘導体および引き続き環化によって調製されうる(機構4)。
【化14】
【0075】
対応するタイプEのハロゲン化スピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェン誘導体は、ハロゲン化メルカプトフルオレノン誘導体またはヒドロキシフルオレノン誘導体から、引き続き環化とともにスズキカップリングおよびさらなるモノリチオ化2,2’−ジブロモビフェニル誘導体との反応およびさらなる環化によって、調製されうる(機構5)。
【化15】
【0076】
対応するタイプFのハロゲン化スピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェン誘導体は、ベンゾフルオレノフランもしくは−チオフェン誘導体またはベンゾフルオレノチオフェンから、モノリチオ化2,2’−ジブロモビフェニル誘導体との反応および更なる環化によって、調製されうる(機構6)。
【化16】
【0077】
タイプFまたはDのスピロビフルオレン誘導体のさらなる調製方法(好ましくは、スピロベンゾフルオレノフランまたは−チオフェン誘導体)は、機構7に記載され、合成には、機構6に示されるものと類似のステップが使用される。異性体は、クロマトフラフィーによって分離される。
【化17】
【0078】
スピロフルオレン誘導体(好ましくは、タイプBまたはEのジベンゾフラン−または−チオフェン−スピロフルオレン)のさらなる調製方法は、機構8に示され、合成には、機構1に示されるのと同様のステップが使用される。異性体は、クロマトフラフィーによって分離される。
【化18】
【0079】
ハロゲンフリーのスピロフルオレン誘導体(好ましくは、スピロフルオレノベンゾフランまたは−チオフェン)の合成は、ハロゲンフリーの中間体から調製される。ジベンゾフランまたはジベンゾチオフェン単位は、さらなるリチオ化または臭素化によって官能化されうる(機構9)。
【化19-1】
【化19-2】
【0080】
上記の調製プロセスの基本原理は、主に類似の化合物の文献により知られており、本発明による化合物の調製のために、当業者によって容易に取り入れられうる。
【0081】
所望により続いて精製(例えば、再結晶化または昇華)される、これらのプロセスによって、式(I)の構造を含む本発明による化合物が、高純度、好ましくは99%より高い純度(
1H−NMRおよび/またはHPLCによって決定される)、で得られることを可能にする。
【0082】
本発明による化合物は、適切な置換基を含んでいてよく、例えば、比較的長いアルキル基(約4〜20のC原子)、特に分岐アルキル基、または所望により置換されているアリール基(例えばキシリル、メシチルまたは分岐テルフェニルまたはクアテルフェニル基)である。これらは、溶液から錯体を処理することができるため、室温で、十分な濃度で、例えばトルエンまたはキシレンなどの一般的な有機溶媒への溶解性に効果がある。さらに、少なくとも1つの式(I)の構造を含む本発明による化合物は、既に、これらの溶媒において、溶解性が上がっていることに注目すべきである。
【0083】
本発明による化合物は、ポリマーと混合できる。同様に、これらの化合物をポリマーに共有結合で組み込むこともできる。特に、臭素、ヨウ素、塩素またはボロン酸エステルなどの反応性脱離基、またはオレフィンまたはオキセタンなどの反応性の重合性基によって、置換される化合物も可能である。これらは、対応するオリゴマー、デンドリマーまたはポリマーの調製のためにモノマーとして使用されうる。ここで、オリゴマー化またはポリマー化は、好ましくは、ハロゲン官能化もしくはボロン酸官能化、または重合基を介して起こる。さらに、ポリマーがそのような基を介して架橋することも可能である。本発明による化合物およびポリマーは、架橋または非架橋された層として採用されうる。
【0084】
それゆえ、本発明は、上記で示される式(I)の構造を1つ以上含む、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマー、または本発明による化合物もしくは式(I)の構造からポリマー、オリゴマーもしくはデンドリマーへの1以上の結合が存在する本発明による化合物に関するものである。式(I)の構造または化合物の結合に依存して、これらは、オリゴマーもしくはポリマーの側鎖を形成するか、または主鎖に結合される。ポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは共役であるか、部分的に共役であるか、または非共役であってもよい。オリゴマーまたはポリマーは、直鎖状、分岐状、または樹枝状であってよい。
上述されたものと同様の好ましいことが、オリゴマー、デンドリマーおよびポリマーにおいて、本発明による化合物の繰り返し単位に適用される。
【0085】
オリゴマーまたはポリマーの調製のために、本発明によるモノマーがさらなるモノマーとホモポリマー化されるか、さらなるモノマーとコポリマー化される。好ましいコポリマーにおいて、式(I)の単位または上記で示される好ましい形態は、0.01〜99.9mol%、好ましくは5〜90mol%、特に好ましくは20〜80mol%、の範囲で存在する。適切で好ましいポリマー骨格を形成させるコモノマーは、フルオレン(例えば、EP842208またはWO2000/022026)、スピロビフルオレン(例えば、EP707020、EP894107またはWO2006/061181)、パラフェニレン(例えば、WO92/18552)、カルバゾール(例えば、WO2004/070772またはWO2004/113468)、チオフェン(例えば、EP1028136)、ジヒドロフェナントレン(例えば、WO2005/014689)、シスおよびトランスインデノフルオレン(例えば、WO2004/041901またはWO2004/113412)、ケトン(例えば、WO2005/040302)、フェナントレン(例えば、WO2005/104264またはWO2007/017066)またはそれらの単位の複数から選択される。ポリマー、オリゴマーおよびデンドリマーは、さらに単位(例えば正孔輸送単位、特にトリアリールアミンを基礎としたもの、および/または電子輸送単位)を含んでいてもよい。
【0086】
さらに、本発明による化合物は、比較的低い分子量であってよい。したがって、本発明は、分子量が、好ましくは最大で10,000g/mol、特に好ましくは最大で5000g/mol、さらに特に好ましくは最大で3000g/mol、である化合物に関するものである。
【0087】
さらに、好ましい化合物は、昇華によって区別される。これらの化合物は、一般に約1200g/mоlよりも低いモル質量を有する。
【0088】
特に注目されるのは、本発明による化合物が高いガラス転移温度によって区別されることである。これに関連して、少なくとも70℃、より好ましくは少なくとも110℃、特に好ましくは少なくとも125℃、さらに特に好ましくは150℃(温度は、DIN51005により決定される)、のガラス転移温度を有する一般式(I)の構造を含む本発明による化合物が特に好ましい。
【0089】
さらに、本発明は、本発明による化合物または、本発明によるオリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマー、および少なくとも1つのさらなる化合物を含んでなる配合物に関するものである。更なる化合物は、溶剤であってよい。しかしながら、さらなる化合物は、電子素子において同様にしようされる有機または無機化合物、例えばマトリックス材料、であってもよい。このさらなる化合物は、重合体であってもよい。
【0090】
適切かつ好ましい溶剤は、例えば、トルエン、アニソール、o−、m−もしくはp−キシレン、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、ベラトロール、THF、メチル−THF、THP、クロロベンゼン、ジオキサン、フェノキシトルエン、特に3−フェノキシトルエン、(−)−フェンコン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、1−メチルナフタレン、2−メチルベンゾチアゾール、2−フェノキシエタノール、2−ピロリジノン、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール、アセトフェノン、α−テルピネオール、ベンゾチアゾール、安息香酸ブチル、クメン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、デカリン、ドデシルベンゼン、安息香酸エチル、インダン、安息香酸メチル、NMP、p−シメン、フェネト−ル、1,4−ジイソプロピルベンゼン、ジベンジルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、2−イソプロピルナフタレン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、1,1−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタンまたはそれらの溶剤の混合物である。
【0091】
さらに、本発明は、本発明による化合物および少なくとも1つのさらなる有機機能性材料を含んでなる組成物に関するものである。機能性材料は、一般に、アノードとカソードとの間に導入される有機または無機材料である。有機機能性材料は、好ましくは、蛍光発光体、燐光発光体、n−ドーパント、ホスト材料、マトリックス材料、電子輸送材料、電子注入材料、正孔伝導材料、正孔注入材料、電子ブロック材料および正孔ブロック材料からなる群から選択される。
【0092】
それゆえ、さらに本発明は、特に有機機能性材料が電子輸送材料であることを特徴とする組成物に関するものである。
【0093】
とりわけ、好ましい電子輸送材料は、電子欠損ヘテロ芳香族化合物である。電子欠損ヘテロ芳香族化合物としては、とりわけ、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾールまたはベンゾオキサゾールが挙げられる。
【0094】
さらに本発明において、組成物は、式(I)の構造を含む化合物の他に、好ましくは、有機機能性材料として、少なくとも1つのn−ドーパントを含んでなっていてもよい。
【0095】
ここで、n−ドーパントは、還元剤、つまり電子ドナーを意味するものと解される。n−ドーパントの好ましい例として、W(hpp)
4およびさらに電子が豊富な金属錯体(WO2005/086251A2による)、P=N化合物(例えば、WO2012/175535A1、WO2012/175219A1)、ナフチレンカルボジイミド(例えば、WO2012/168358A1)、フルオレン(例えば、WO2012/031735A1)、フリーラジカルおよびジラジカル(例えば、EP1837926A1、WO2007/107306A1)、ピリジン(例えば、EP2452946A1、EP2463927A1)、N−ヘテロ環化合物(例えば、WO2009/000237A1)およびフェナジン(例えば、US2007/145355A1)と同様にアクリジンが挙げられる。
【0096】
それゆえ、本発明は、また、少なくとも1つの式(I)の構造を含む化合物、および少なくとも1つのさらなるマトリックスまたはホスト材料を含んでなる組成物に関するものである。本発明の特定の態様において、さらなるマトリックスまたはホスト材料は正孔輸送特性を有する。
【0097】
正孔輸送特性を有する好ましいマトリックスまたはホスト材料としては、アリールアミン、トリアリールアミン、架橋アミン;ここで好ましい架橋アミンは、ジヒドロアクリジン、ジヒドロフェナジン、フェノキサジンおよびフェノチアジン、カルバゾール、架橋カルバゾール、ビスカルバゾール、インデノカルバゾールおよびインドロカルバゾールが挙げられる。
【0098】
さらに、本発明は、少なくとも1つの式(I)の構造を含む化合物、および少なくとも1つの広いバンドギャップ材料を含んでなる。ここで、広いバンドギャップ材料は、US7,294,849に開示される意味における材料を意味するものと解される。
【0099】
これらの系は、エレクトロルミネッセンス素子において特に有利な特性データを示す。
【0100】
付加的な化合物は、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3.0eV以上、さらに好ましくは3.5eV以上、の広いバンドギャップを有する。バンドギャップは、とりわけ、最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位によって、上記例に示されるように、計算されうる。
【0101】
本発明は、また、少なくとも1つの式(I)の構造を含む化合物、および少なくとも1つの燐光発光体を含んでなる組成物に関するものでもある。燐光発光体という用語は、燐光ドーパントを意味するものと解される。
【0102】
燐光ドーパントという用語は、典型的には、発光が、スピン禁制遷移、例えば、励起3重項状態または比較的高いスピン量子数を有する状態(例えば、5重項状態)を通しておこる化合物を含む。
【0103】
適切な燐光ドーパントは、特に、適切な励起で、(好ましくは可視領域に)光を発し、さらに、20よりも大きい、好ましくは38より大きく84より小さい、特に好ましくは56より大きく80より小さい、原子番号を有する少なくとも1つの原子を含む化合物である。使用される燐光発光体は、好ましくは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金またはユーロピウムを含む化合物、特にイリジウム、白金または銅を含む化合物である。
【0104】
発光性のイリジウム、白金または銅錯体は全て、本発明の意味において、燐光発光化合物とみなされる。燐光ドーパントの例は、以下のセクションに挙げられる。
【0105】
マトリックス材料およびドーパントを含んでなる系におけるドーパントは、混合物中における比率が小さい成分を意味するものと解される。対応して、マトリックス材料およびドーパントを含んでなる系におけるマトリックス材料は、混合物における比率が大きい成分を意味するものと解される。
【0106】
混合マトリックスの系において使用される好ましい燐光ドーパントは、以下に示される好ましい燐光ドーパントである。
【0107】
燐光ドーパントの例は、出願WO2000/70655、WO2001/41512、WO2002/02714、WO2002/15645、EP1191613、EP1191612、EP1191614、WO2005/033244、WO2005/019373およびUS2005/0258742によって明らかにされている。一般に、燐光OLEDに従来技術で使用され、有機エレクトロルミネッセンス素子に分野の当業者に知られている、全ての燐光錯体は、本発明による素子における使用には適切である。
【0108】
燐光ドーパントの明確な例は、以下の表に示される。
【化20-1】
【化20-2】
【化20-3】
【化20-4】
【化20-5】
【化20-6】
【化20-7】
【化20-8】
【化20-9】
【0109】
上記の式(I)の構造を含む化合物または上記の好ましい形態は、電子素子における活性成分として、好ましくは使用されうる。電子素子は、アノード、カソードおよび少なくとも1つの層(この層は、少なくとも1つの有機または有機金属化合物を含んでなる)を含んでなる素子を意味するものと解される。よって、本発明による電子素子は、アノード、カソード、および式(I)の構造を含む少なくとも1つの化合物を含んでなる少なくとも1つの層を含んでなる。好ましい電子素子は、少なくとも1つの層に式(I)の構造を含む少なくとも1つの構造を含んでなる、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機太陽電池(O−SC)、有機光学検査器、有機感光体、有機電場消光素子(O−FQD)、発光電気化学セル(LEC)または有機レーザーダイオード(O−laser)からなる群から選択される。
【0110】
特に好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子である。活性成分は、通常、アノードとカソードとの間に導入される、有機または無機材料、例えば、電荷注入、電荷輸送または電荷ブロック材料、特に発光材料およびマトリックス材料、である。本発明による化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子における電子輸送材料として優れた特性を示す。それゆえ、本発明の好ましい形態は、少なくとも1つの本発明による化合物を含んでなる少なくとも1つの層を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0111】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、カソード、アノードおよび少なくとも1つの発光層を含んでなる。これらの層とは別に、さらなる層、例えば、それぞれのケースにおいて1以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電子ブロック層、電荷発生層、および/または有機もしくは無機p/n接合を含んでいてもよい。1以上の正孔輸送層が、例えばMoO
3もしくはWO
3等の金属酸化物、(パー)フルオロ化電子欠損芳香族化合物でp−ドープされるか、および/または1以上の電子伝導層がn−ドープされていてもよい。同様に、例えば励起子ブロック機能を有する、および/またはエレクトロルミネッセンス素子において電荷バランスを制御する中間層が、2つの発光層の間に導入されていてもよい。しかしながら、これらの層は、必ずしも存在しなければならないわけではないことを留意すべきである。
【0112】
ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子は、1の発光層または複数の発光層を含んでなっていてもよい。複数の発光層が存在する場合に、これらは、好ましくは、380nm〜750nmに合計で複数の発光極大を有し、全体で白色光が生じるものであり、つまり、発光層中で蛍光もしくは燐光を発することができる様々な発光化合物が使用されるのである。特に好ましくは、3層構造(ここで3層が青、緑、オレンジもしくは赤色発光を呈する(基本構造については、例えばWO2005/011013))か、または3つの発光層より多い構造である。1以上の層が蛍光を発し、1以上の他の層が燐光を発するハイブリッド構造も可能である。
【0113】
本発明による好ましい形態において、有機エレクトロルミネッセンス素子は、式(I)の構造を含む本発明による化合物、または上記でマトリックス材料、好ましくは1以上の発光層における電子伝導マトリックス材料として、好ましくはさらなるマトリックス材料、好ましくは正孔伝導マトリックス材料との組み合わせにおいて、好ましい形態を含んでなる。発光層は、少なくとも1つの発光化合物を含んでなる。
【0114】
使用されるマトリックス材料は、一般に、従来技術においてこの目的で知られているあらゆる材料であることが可能である。マトリックス材料の三重項準位は、このましくは発光体の三重項準位よりも高い。
【0115】
本発明による化合物の適切なマトリックス材料は、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン(例えば、WO2004/013080、WO2004/093207、WO2006/005627もしくはWO2010/006680による);トリアリールアミン;カルバゾール誘導体(例えば、CBP(N,N−ビスカルバゾリルビフェニル)、m−CBP、またはWO2005/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP1205527、WO2008/086851もしくはUS2009/0134784に開示されるカルバゾール誘導体);インドロカルバゾール誘導体(例えば、WO2007/063754もしくはWO2008/056746による);インデノカルバゾール誘導体(例えば、WO2010/136109もしくはWO2011/000455による);アザカルバゾール誘導体(例えば、EP1617710、EP1617711、EP1731584、JP2005/347160による);バイポーラーマトリックス材料(例えば、WO2007/137725による);シラン(例えばWO2005/111172による);アザカルバゾールもしくはボロン酸エステル(例えば、WO2006/117052よる);ジアザシロール誘導体(例えばWO2010/054729による);ジアザホスホール誘導体(例えばWO2010/054730による);トリアジン誘導体(例えば、WO2010/015306、WO2007/063754もしくはWO2008/056746による);亜鉛錯体(例えば、EP652273もしくはWO2009/062578による);ジベンゾフラン誘導体(例えばWO2009/148015による);架橋カルバゾール誘導体(例えば、US2009/0136779、WO2010/050778、WO2011/042107もしくはWO2011/088877による)である。
【0116】
複数の異なるマトリックス材料を混合物(特に、少なくとも1つの電子伝導マトリックス材料および少なくとも1つの正孔伝導材料)として使用することもまた好ましい。電荷輸送材料および例えばWO2010/108579に開示されるように、電荷輸送に関与しないか、有意には関与しない、電気的に不活性なマトリックス材料の混合物の使用においても同様である。
【0117】
さらに好ましくは、マトリックスとともに、2以上の三重項発光体を使用することである。短波長の発光スペクトルを有する三重項発光体は、より長い波長の発光スペクトルを有する三重項発光体のための共マトリックス(co−matrix)として機能する。
【0118】
好ましい形態において、式(I)の構造を含む本発明による化合物は、特に好ましくは、有機電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子(例えば、OLEDまたはOLEC)の発光層中のマトリックス材料として使用される。式(I)の構造を含む化合物を含んでなるマトリックス材料は、1以上のドーパント、好ましくは燐光ドーパントとの組み合わせにおいて,存在する。
【0119】
発光層中のマトリックス材料の割合は、このケースにおいて、50.0〜99.9体積%、好ましくは80.0〜99.5体積%、特に好ましくは蛍光発光層の場合に92.0〜99.5体積%であり、燐光発光層の場合に85.0〜97.0体積%である。
【0120】
したがって、ドーパントの割合は、0.1〜50.0体積%、好ましくは0.5〜20.0体積%、特に好ましくは蛍光発光層の場合に、0.5〜8.0体積%であり、燐光発光層の場合に3.0〜15.0体積%である。
【0121】
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層は、また複数のマトリックス材料を含んでなる系(混合真トリックズ系)、および/または複数のドーパントを含んでいてもよい。
このケ−スにおいても、ドーパントは、通常、系における比率が小さい材料であり、マトリックス材料は系における比率がより大きい材料である。しかしながら、それぞれのケースにおいて、系における個々のマトリックス材料の比率は、個々のドーパントの比率よりも小さくてもよい。
【0122】
本発明のさらに好ましい形態において、式(I)の構造を含む化合物は、混合マトリックス系の成分として使用される。混合マトリックス系は、好ましくは、2または3の異なるマトリックス材料、特に好ましくは2つの異なるマトリックス材料、を含んでなる。好ましくは、2つのマトリックス材料のうちの1つが、正孔輸送特性を有する材料であり、もう1つの材料が電子輸送特性を有する材料である。しかしながら、混合マトリックス成分の求められる電子輸送および正孔輸送特性は、1つの混合マトリックス成分において、主としてまたは完全に、結合されており、さらなる混合マトリックス成分は他の機能を果たす。ここで、2つの異なるマトリックス材料は、1:50〜1:1、好ましくは1:20〜1:1、特に好ましくは1:10〜1:1、さらに特に好ましくは1:4〜1:1、の比率で、存在していてもよい。混合マトリックス系は、好ましくは、燐光有機エレクトロルミネッセンス素子において、使用される。混合マトリックス系についてもより詳細な情報は、とりわけWO2010/108579に開示される。
【0123】
本発明による化合物との組み合わせにおいて、混合マトリックス系のマトリックス成分として使用されうる特に適切なマトリックス材料は、以下に記載の燐光ドーパントのためのマトリックス材料、または蛍光ドーパントのための好ましいマトリックス材料から、混合マトリックス系において使用されるドーパントの種類に依存して、選択される。
【0124】
さらに、本発明は、1以上の電子輸送層中に、電子輸送化合物として、1以上の本発明による化合物および/または少なくとも1つの本発明によるオリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーを含んでなる、電子素子、好ましくは有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
【0125】
カソードは、好ましくは、様々な金属、例えばアルカリ土類金属、アルカリ金属、典型金属もしくはランタノイド(例えばCa、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)を含んでなる、低い仕事関数を有する金属、金属合金もしくは多層構造体を含んでなる。適しているのはまた、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属および銀を含んでなる合金(例えば、マグネシウムと銀を含んでなる合金)である。多層構造体の場合には、比較的高い仕事関数を有する更なる金属、例えば、Agもまた、前記金属に加えて用いられてもよく、この場合、金属の組合せ、例えば、Mg/Ag、Ca/AgまたはBa/Agが、一般に用いられる。高い誘電率を有する材料からなる薄い中間層を、金属カソードと有機半導体の間に導入することもまた、好ましいことがある。この目的には、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のフッ化物であるが、また、対応する酸化物もしくは炭酸塩(例えば、LiF、Li
2O、BaF
2、MgO、NaF、CsF、Cs
2CO
3等)も適当である。同様にこの目的に有益なものとして、有機アルカリ金属錯体、例えばLiq(キノリン酸リチウム)が挙げられる。この層の層厚は、好ましくは、0.5〜5nmである。
【0126】
好ましいアノードは、仕事関数の高い材料である。好ましくは、アノードは真空に対し4.5eVよりも大きい仕事関数を有する。まず、高い酸化還元電位を有する金属はこの目的に合う。例えば、Ag、PtまたはAuである。一方、金属/金属酸化物電極(例えば、Al/Ni/NiOx、Al/PtOx)もまた好ましい。いくつかの用途において、少なくとも1つの電極は、透明または部分的に透明であるべきである。有機材料(O−SC)の放射または発光(OLED/PLED、O−laser)を可能にするためである。ここで、好ましいアノード材料は、導電性の高い混合金属酸化物である。特に好ましくは、イリジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウムスズ酸化物(IZO)である。
また、好ましいものとして、伝導性のドープされた有機材料、特に導電性ドープされたポリマー、例えばPEDOT、PANIまたはこれらのポリマーの誘導体、が挙げられる。
さらに好ましくは、p−ドープされた正孔輸送材料が正孔注入としてアノードに適用されるとき、適切なp−ドーパントは、金属酸化物、例えばMoO
3もしくはWO
3または(過)フッ素化電子−欠損芳香族系である。さらに適切なp−ドーパントは、HAT−CN(ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン)またはNovaled製の化合物NPD9である。このような層によって、低HOMO、すなわち大きなHOMO値を有する材料における正孔注入が簡単になる。
【0127】
従来技術で層に使用される全ての材料は、一般に、さらなる層に使用されうる。当業者であれば、発明的工夫なしで、電子素子において、それぞれの材料を本発明による材料と結び付けることができるであろう。
【0128】
素子は、相応に、(用途に応じて)構造化され、接続され、最終的に密封される。そのような素子の寿命は、水および/または空気の存在で、劇的に短くなるからである。
【0129】
さらに好ましくは、電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子であり、1以上の層が昇華法より適用され、材料は、通常、10
−5mbar未満、好ましくは10
−6mbar未満の初期圧力で、真空昇華ユニット中で気相堆積により適用されることを特徴とする。しかしながら、圧力は、より低くても、例えば、10
−7mbar未満でもよい。
【0130】
同様に、1つ以上の層がOVPD(有機気相堆積)法を用いることによって、またはキャリアガス昇華を利用して塗布されることを特徴とする、電子素子、特には有機エレクトロルミネッセンス素子、が好ましい。この場合、材料は、10
−5ミリバール〜1バールの圧力で適用される。この方法の特別な方法は、OVJP(有機蒸気ジェット印刷)法であり、その材料は、ノズルを介して直接適用され、したがって構造化される(例えばM.S.Arnoldら、Appl.Phys.Lett.2008、92、053301)。
【0131】
同様に、1つ以上の層が、例えばスピンコーティングによって、または任意の印刷法、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷もしくはノズル印刷などによって、特に好ましくはLITI(光誘導熱画像化、熱転写印刷)またはインクジェット印刷によって、溶液から生成されることを特徴とする電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子がさらに好ましい。この目的では、可溶性化合物が必要であり、この化合物は、例えば適切な置換を介して得られる。
【0132】
電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子、は、1つ以上の層を溶液から適用し、蒸着によって1つ以上の他の層を適用することによって、ハイブリッドの系として製造してもよい。例えば、式(I)の構造を含む本発明による化合物およびマトリックス材料を含んでなる発光層を溶液から適用し、正孔ブロック層および/または電子輸送層を減圧下で蒸着によって適用することができる。
【0133】
これらの方法は、一般に当業者に知られており、困難なく、式(I)の構造を含む本発明による化合物または上述の好ましい態様を含んでなる電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子に、適用されうる。
【0134】
本発明による電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子、は、以下の驚くべき利点の1つ以上によって従来技術と区別される。
【0135】
1.特に電子伝導材料として、式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーを含んでなる電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子、は、非常に長寿命である。
【0136】
2.式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーは、優れた耐熱性によって区別される。ここで、約1200g/molより低いモル質量を有する化合物は、容易に昇華する。
【0137】
3.式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーは、非常に優れた溶解性を有し、溶液から非常に優れた膜を形成する。
【0138】
4.式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーは、溶液中で非常に高い酸化還元安定性を示す。これによって、取り扱い性を大幅に簡易にし、化合物を精製され、非常に良好に保存される化合物とすることを可能とする。
【0139】
5.電子伝導材料として、式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーを含んでなる、電子素子、特に有機エレクトロニックルミネッセンス素子は、優れた効率を有する。特に、効率は、式(I)の構造単位を含まない類似の化合物と比較して、有意に高い。
【0140】
6.式(I)の構造を含む、本発明による化合物、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、非常に高い安定性を示し、非常に長い寿命を有する化合物となる。
【0141】
7.電子素子、特に有機エレクトロルミネッセンス素子における、式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、光学的損失チャネルの形成を抑制できる。その結果、これらの素子は、高いPL効率およびそれゆえエミッターの高いEL効率、およびマトリックスからドーパントへ優れたエネルギー移動を特徴とする。
【0142】
8.電子素子、特に、有機エレクトロルミネッセンス素子、の層中で、式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、可動性の高い電子伝導構造をもたらす。
【0143】
9.式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、優れたガラス転移温度を有する。
【0144】
10.式(I)の構造を含む、化合物、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、驚くほど高い三重項順位T
1を有する。
【0145】
これらの上述の利点は、他の電気的特性の障害を伴わないものである。
【0146】
さらに、本発明は、本発明による化合物および/または本発明によるオリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーの、電子素子における、正孔ブロック材料、電子注入材料、および/または電子輸送材料としての使用に関するものである。
【0147】
本発明において開示された態様のバリエーションは、本発明の範囲によって含まれると言うべきである。本発明に開示されたいかなる特徴も、明確に除外されることが無い限り、同一の目的または同等もしくは類似の目的を果たす代替する特徴に置き換えられてもよい。このように、本発明に開示されるいかなる特徴も、他に言及が無い限り、一般的な系からの一例として、または同等もしくは類似の特徴として捉えるべきである。
【0148】
本発明の全ての特徴は、具体的な特徴および/または工程が互いに矛盾することが無い限り、あらゆる方法で違いに組み合わされてもよい。このことは、本発明の好ましい特徴に特に当てはまる。一方で、本質的でない特徴の組み合わせは、別々に(組み合わせではなく)使用されてもよい。
【0149】
多くの特徴、特に本発明による好ましい態様の特徴、は、それ自体が発明であり、単に本発明のいくつかの態様として見なすべきではないであろう。これらの特徴にとって、あらゆる現在主張する発明に加えて、または代替として、独立的な保護を求められてもよい。
【0150】
本発明で開示される技術的教示は、概念化され、その他の例と結びつけられてもよい。
【0151】
本発明は、続いて実施例によって詳細に例示されるが、それによっていかなる限定を意図しない。
【0152】
当業者は、詳細な説明を用いて、開示された範囲にわたって本発明を実施することができ、発明的工夫なしで、本発明に従う電子素子をさらに製造することができるであろう。
【0153】
実施例
以下の合成は、特に断らなければ、乾燥溶剤中で、保護ガス雰囲気下に行われる。溶剤および試薬は、例えばsigma−ALDRICHまたはABCRから購入できる。角括弧内の各数字または個別化合物に示された数字は、文献から知られる化合物のCAS番号に関する。
【0154】
A−1)実施例1:化合物(1−1)〜(1−19)の合成
【化21】
4−(2−ブロモフェニル)ジベンゾフランInt−1の合成
100g(462mmol)のジベンゾフラン−4−ボロン酸、106g(439mmol)の1,2−ジブロモベンゼン、および10.7g(9.2mmol)のPd(Ph
3P)
4を980mlのジオキサン中に懸濁させる。979mlの2M炭酸カリウム溶液が、この懸濁液に、ゆっくりと加えられ、そして反応混合物は還流下で、16時間加熱される。冷却後、有機相が分枝され、シリカゲルを通してろ過され、200mlの水で3回洗浄され、そして引き続き蒸発乾固させる。残留物は、シリカゲル上でクロマトグラフィーによって精製される。収率:87g(270mmol)、理論値の58%、HPLCによる純度>98%
【0155】
以下の化合物は、記載の化合物Int−1の合成と同様に調製される。
【化22-1】
【化22-2】
【0156】
以下の化合物は、記載された化合物Int−29の合成と同様に調製される。
【化23-1】
【化23-2】
【化23-3】
【化23-4】
【0157】
化合物(1−1)の合成
【化24】
15.5g(32mmol)のブロモスピロ誘導体、15.2g(35mmol)の2,4−ジフェニル−6−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)フェニル]−1,3,5−トリアジンジブロモジベンゾフラン、31ml(63mmol)のNa
2CO
3(2M溶液)が、120mlのトルエンおよび120mlのエタノールに懸濁される。0.73g(0.63mmol)のPd(PPh
3)
4がこの懸濁液に加えられ、そして反応混合物は、還流下で16時間加熱される。冷却後、有機相は分離され、シリカゲルを通してろ過され、200mlの水で3回洗浄され、引き続き蒸発乾固させる。残留物は、トルエンおよびジクロロメタン/イソプロパノールから再結晶化され、最終的に高真空下(p=5×10
−5mbar)で昇華される。純度は、99.9%(HPLC)。化合物(1−1)の生成量は、16.6g(23mmol)、理論値の73%に対応する。
【0158】
化合物(1−2)〜(1−19)の合成
以下の化合物(1−2)〜(1−19)は、実施例1に記載の化合物(1−1)の合成と同様に調製される。
【化25-1】
【化25-2】
【化25-3】
【化25-4】
【0159】
化合物1−19は、他に、以下の機構によって調製されうる。ここでは、非置換のベンゾイミダゾールが、化合物1−19aを得るために用いられる。ここで、ステップ(I)は、化合物1−1〜1−19の合成と同様に行われる。
【化26】
【0160】
ステップ(II)において、ステップ(I)の生成物は、ヨードベンゼンと反応させる。この終わりに、26g(50mmol)の化合物1−19a、560mg(25mmol)のPd(OAc)
2、19.3g(118mmol)のCuI、20.8g(100mmol)のヨードベンゼンが、300mlの脱気DMF中に、保護ガス下、懸濁され、そして反応混合物は、還流下で140℃で24時間加熱される。混合物が冷却された後、溶媒は真空で除去され、残留物はジクロロメタンに溶解され、水が加えられる。その後、有機相は分離され、シリカゲルを通してろ過される。生成物は、トルエン/ヘプタン(1:2)を用いてシリカゲル上のカラムクロマトフラフィーにより精製され、最終的に高真空下(p=5×10
−7mbar)で昇華される(純度99.9%)。生成量は、18.5g(30mmol)、理論値の62%に対応する。
【0161】
A−2)実施例2:化合物(2−1)〜(2−4)の合成
中間体Int−29の合成
【化27】
31g(90mmol)の4−(2−ブロモフェニル)ジベンゾフランは、はじめに、78℃で、300mlのTHFに導入される。この温度で、40mlのBuLi(ヘキサン中に2M)が滴下される。1時間後、200mlのTHF中の16.9g(94mmol)のフルオレン−9−ワンが滴下される。そのバッチは、室温で一晩撹拌され、氷水に加えられ、そしてジクロロメタンで抽出される。一体化された有機相は水で洗浄され、硫酸ナトリウムで乾燥される。溶剤は真空下で除去され、残留物は、さらなる精製なしに、還流下、94mlのHClおよび1074mlのAcOHを用いて、一晩100℃で加熱される。冷却後、析出固体は吸引ろ過され、100mlの水で、それぞれ100mlのエタノールで3回洗浄され、そして、最終的にヘプタンから再結晶化される。生成量:23.1g(57mmol)、58%;
1H−NMRによる純度約98%
【0162】
化合物(Int−30)〜(Int−32)の合成
【化28】
15.0g(36.9mmol)のスピロ誘導体が、150mlのAcOHに溶解され、20mlのAcOHに溶解された5.7g(29mmol)の臭素が室温で一部加えられる。添加が完了するとき、混合物は50〜60℃に加熱され、反応が完結すると、水および酢酸エチルが加えられ、有機相は分離され、乾燥および蒸発される。粗生成物は、引き続き加熱MeOH/ヘプタンを用いて、複数回撹拌されることによって洗浄される。生成物:14.3g(80%)のブロモスピロ誘導体Int−30
【0163】
以下の臭素化化合物は同様に調製される。
【化29】
【0164】
化合物(Int−33)〜(Int−40)の合成
【化30】
n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン中、19.7ml、49.2mmol)が、8.0g(19.7mmol)のスピロ誘導体および100mlの乾燥テトラヒドロフラン中の2.93ml(19.7mmol)のTMEDA溶液に、0℃で、温度が10℃を超えることがないような速度で加え、そして、混合物は続いて室温で4時間撹拌される。そして、反応混合物は−78℃に冷却され、クロロトリメチルシラン(7.51ml、58.0mmol)が加えられ、混合物は一晩中撹拌される。その間、反応混合物は、室温にしてもよい。反応混合物は、少しのシリカゲルを通してろ過され、ロータリーエバポレーターで蒸留される。油性残留物は、100mlの乾燥ジクロロメタンに溶解され、三臭化ホウ素(2.24ml、23.6mmol)が加えられ、混合物は一晩中撹拌される。反応が完了すると、反応混合物に氷が加えられる。有機相は分離され、水相は酢酸エチルで抽出される。一体下された有機相は乾燥および蒸留される。濁った、わずかに茶色がかった粗生成物はさらなる精製をすることなく、さらに反応する。生成量:9.3g(105%)
【0165】
以下のホウ素化化合物は、同様に調製される。異性体は対応するピナコールエステルとしてクロマトグラフィーにより分離される。
【化31】
【0166】
化合物(2−1)〜(2−4)の合成
【化32】
39g(81mmol)のブロモスピロ誘導体、115g(406mmol)の2−フェニル−1−ベンゾイミダゾール、22.4g(162mmol)の炭酸カリウム、1.84g(8.1mmol)の1,3−ジ(2−ピリジル)−1,3−プロパンジオン、1.55g(8.1mmol)のヨウ化銅および1000mlのDMFが、還流下、30時間加熱される。反応混合物は引き続きロータリーエバポレーターで蒸発乾固される。残留物はTHFで溶解され、短いシリカゲル床を通してろ過され、溶液は真空で除去される。
固体は続いてヘプタン/THFから再結晶化され、酸化アルミニウム上で加熱ヘプタン/トルエンを用いて抽出される。冷却での析出固体はろ過、乾燥される。化合物(2−1)の生成量は36g(60mmol)、75%である。
【0167】
以下の化合物(2−2)〜(2−4)は、実施例2に記載の化合物(2−1)の合成と同様に調製される。
【化33】
【0168】
A−3)実施例3:化合物3−1〜3−5の合成
【化34】
110ml(276mmol)のn−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M)が、−78℃に冷却された、1500mlのTHF中の137g(270mmol)のブロモスピロ誘導体の溶液に滴下される。混合物は室温にしてから、−78℃に再び冷却してもよく、そして50ml(270mmol)のクロロジフェニルホスフィンの混合物が迅速に加えられ、そして混合物は−70℃でさらに3時間撹拌される。混合物が−10℃に暖められた後、135mlのN塩酸を用いて加水分解される。有機相は分離され、水で洗浄され、硫酸ナトリウムで乾燥、蒸発乾固する。残留物は、300mlのCH
2Cl
2に溶解され、室温で12時間270mlの30%過酸化水素溶液を用いて撹拌する。有機相は分離および蒸留され、無色固体が吸引ろ過され、n−ヘプタンで洗浄され、真空で乾燥され、ジクロロメタン/トルエンから再結晶化され、そして最終的に高真空下(p=5×10
−5mbar)で昇華される。純度は、99.9%(HPLC)である。化合物(3−1)の生成量は119g(191mmol)、理論値の70%に対応する。
【0169】
以下の化合物は同様に得られる。
【化35】
【0170】
A−4)実施例4:化合物4−1〜4−18の合成
中間体Int−41の合成
【化36】
50g(103mmol)のブロモスピロフルオレン誘導体、32g(123mmol)のビス(ピナコラト)ジボランおよび30g(309mmol)の酢酸カリウムが、800mlのジオキサン中に懸濁される。2.5g(3.09mmol)の1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド錯体がDCMとともに、この懸濁液に加えられる。反応混合物は、還流下で16時間加熱される。冷却後、有機相は分離され、400mlの水で3回洗浄され、引き続き蒸発乾固される。残留物はトルエンから再結晶化される。(52g、95%収率)
【0171】
以下の化合物は同様に調製される。
【化37-1】
【化37-2】
【0172】
化合物(4−1)の合成
【化38】
24.6g(46.3mmol)のスピロフルオレンピナコールボロン酸エステル誘導体および20.0g(46.3mmol)の塩素誘導体が、300mlのジオキサンおよび14.1gのフッ化セシウム(92.6mmol)中に懸濁される。4.1g(5.56mmol)のビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム二塩化物がその懸濁液に加えられ、反応混合物は、還流下で24時間加熱される。冷却後、有機相は分離され、シリカゲルを通してろ過され、100mlの水で3回洗浄され、引き続き蒸発乾固させる。粗生成物がシリカゲルを通してトルエンとともにろ過され、残留物はヘプタン/トルエンから再結晶化され、最終的に高真空下で昇華される。純度は99.9%である。生成量は、29.7g(理論値の80%)である。
【0173】
化合物(4−2)〜(4−18)の合成
以下の化合物(4−2)〜(4−18)は、上記の化合物(4−1)の合成と同様に調製される。
【化39-1】
【化39-2】
【化39-3】
【化39-4】
【化39-5】
【0174】
A−5)実施例5:化合物5−1〜5−5の合成
【化40】
330mlのフェニルマグネシウム臭化物溶液(THFに1.0モル)が室温で15分にわたり、800mlのTHF中のブロモスピロフルオレン誘導体に加えられた。混合物は、続いて、室温でさらに30分間、および還流下で5時間撹拌された。冷却後、100mlの5NHClおよび100mlのエタノールが加えられ、混合物は再び還流下で16時間加熱された。冷却後、水相は分離され、有機相は蒸発乾固された。残留物は1000mlのジクロロメタンに採取され、それぞれ500mlの水で5回洗浄された。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、有機相は蒸発乾固された。残留物はDMSO(約3ml/g)から7回再結晶化され、真空下で乾燥され、ジクロロメタン/トルエンから再結晶化され、最終的に高真空下(p=5×10
−5mbar)で昇華された。純度は99.9%(HPLC)である。化合物(1−1)の生成量は40g(68mmol)であり、理論値の70%に対応する。
【0175】
化合物(5−2)〜(5−5)の合成
以下の化合物(5−2)〜(5−5)は、上記の化合物(5−1)の合成と同様に調製される。
【化41-1】
【化41-2】
【0176】
OLEDの製造
さまざまなOLEDの製造のデータは、以下の例V1〜E15(表1および2参照)に示される。
【0177】
実施例V1〜E15の前処理:膜厚50nmの構造化ITO(酸化インジウムスズ)で被覆されるガラス基板が、プロセス改善のために、PEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(Heraeus Precious Metals GmbH(ドイツ)からCLEVIOS(商標名)P VP AI 4083として購入される)が溶液からスピンコーティングによって被覆される。
これらの被覆されたガラス基板は、OLEDが適用される基板を形成する。
【0178】
OLEDは、原則として次の層構造を有する:基板/正孔輸送層(HTL)/所望により中間層(IL)/電子ブロック層(EBL)/発光層(EML)/所望により正孔ブロック相(HBL)/電子輸送層(ETL)/所望により電子注入層(EIL)および最後にカソード。カソードは、厚さ100nmのアルミニウム層により形成される。OLEDの詳細な構造は、表1に示される。OLEDの製造に必要な材料は、表3に示される。
【0179】
すべての材料は、真空チャンバ内で熱的真空蒸着により付される。ここで、発光層は、常に、少なくとも1つのマトリックス材料(ホスト材料)および発光ドーパント(発光体)からなり、発光体はマトリックス材料または一定の体積割合で共蒸着によりマトリックス材料と混合される。ここで、IC1:IC3:TEG1(55%:35%:10%)の表示は、層中に、材料IC1が体積比率で55%存在し、IC3が35%の体積比率で存在し、かつTEG1が10%の体積比率で存在することを意味する。同様に、電子輸送層は、2つの材料の混合物からなっていてもよい。
【0180】
OLEDは、標準的な方法によって特徴付けられる。この目的のために、エレクトロルミネッセンススペクトル、電流効率(cd/Aで測定)、電力効率(lm/Wで測定)およびランベルト発光特性を仮定して、電流/電圧/光束密度特性線(IUL特性線)から計算した、光束密度の関数としての外部量子効率(EQE、パーセントで測定)並びに寿命が測定される。エレクトロルミネッセンススペクトルは、光束密度1000cd/m
2で測定され、CIE1931xおよびy色座標はそれから計算される。表2での表現U1000は、光束密度1000cd/m
2に対して必要とされる電圧を示す。CE1000およびPE1000は、それぞれ1000cd/m
2で得られる電流効率および電力効率を示す。最後に、EQE1000は、駆動光束密度1000cd/m
2での外部量子効率を示す。
【0181】
さまざまなOLEDのデータを、表2にまとめる。例V1およびV2は、従来技術における比較例であり、例E1〜E15は本発明によるOLEDのデータを示す。
【0182】
いくつかの例は、本発明によるOLEDの有利な点を示すために、以下にとても詳細に説明する。
【0183】
燐光OLEDの発光層における本発明による混合物の使用
本発明による材料は、燐光OLEDとして使用される従来技術と比較して、電圧および外部量子効率にいて顕著に改善を生じさせる。本発明による化合物1−18の化合物を赤色発光ドーパントTER1との組み合わせることで、従来技術SdT1と比較して、約20%の外部量子効率の増加が可能となる(例V1およびE2)。
【0184】
本発明による化合物の電子輸送材料としての使用
従来技術による材料SdT2がETLに使用されるOLEDと比較すると、電圧および電力効率における顕著な改善が、本発明による材料1−19の使用で、観察される(例V2およびE2)。
【表1】
【表2】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】