【文献】
BOWMAN, B.R. et al.,EMBO J.,2003年,Vol.22, No.4,pp.757-765
【文献】
RHEA N. COLER,PLOS ONE,2010年 1月 1日,Vol. 5, No. 10,e13677(pp.1-11)
【文献】
POSAVAD, C.M. et al.,J. Immunol.,2010年,Vol.184,pp.3250-3259
【文献】
LAING, K.J. et al.,Clin. Exp. Immunol.,2011年,Vol.167,pp.47-58
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、免疫原性薬学的組成物、および、HSV−1およびHSV−2感染を含む単純ヘルペスウイルス感染の治療のため、またはその予防のための方法を提供する。組成物は、免疫原性HSV−2ウイルスタンパク質または該ウイルスタンパク質の断片もしくはペプチド等の免疫原性部分と、先天性免疫系を活性化する少なくとも1つの薬剤、好ましくは、例えば、本明細書で説明されるMALAアジュバント等のTLR4作動薬とを含む。ウイルスタンパク質(および断片およびペプチド)は、少なくとも1つのエンベロープ糖タンパク質と、エンベロープ糖タンパク質以外の少なくとも1、2、3、または4つの構造タンパク質とを含む。別法として、ウイルスタンパク質(および断片およびペプチド)は、少なくとも1つの抗原エピトープを含み、またエンベロープタンパク質のリーダーペプチドの一部または全部を含んでもよい。免疫原性断片が使用されてもよい。組成物において有用な幾つかの特定の薬剤としては、アジュバント、抗原に対する免疫応答を強化する物質が挙げられる。タンパク質および断片は典型的には、タンパク質(単数または複数)または断片(単数または複数)が培養された細胞中で発現される組換え技術によって産生される。ペプチドは、化学的に合成することもできる。
A. ワクチンの構成要素としてのHSV−2タンパク質
【0024】
HSV−2(単純ヘルペスウイルス2型)は、エンベロープされたウイルスである。そのゲノムは、75個以上の異なるタンパク質を発現する。タンパク質の多くは、構造的であり、カプシドおよびテグメントを形成するために使用され、一方で他の幾つかは、エンベロープの一部である。主要なカプシドタンパク質としては、読み取り枠(一般名がORF名と異なる場合、タンパク質名は括弧内である)UL6、UL18(VP23)、UL19(VP5)、UL35(VP26)、およびUL38から発現されるものが挙げられ、主要なテグメントタンパク質としては、UL7、UL11、UL13、UL14、UL16、UL17、UL21、UL25、UL36、UL37、UL41、UL46(VP11/12)、UL47(VP13/14)、UL48(VP16)、UL49、UL51、およびUS11が挙げられ、主要なエンベロープタンパク質としては、UL1(糖タンパク質L(gL))、UL10(gM)、UL20、UL22(gH)、UL27(gB)、UL43、UL44(gC)、UL49A(gN)、UL53(gK)、US4(gG)、US5、(gJ)、US6(gD)、US7(gI)、およびUS8(gE)が挙げられる。(文献中、他のタンパク質名が使用されている場合もある。)例示的なHSV−2ゲノム配列は、GenBank Accession No.NC001798.1(更新日2010年4月23日2:16pm、2011年1月10日にアクセスした。その全体が組み込まれる)に見出される。一般的に使用されるタンパク質名は、遺伝子名と異なる場合があり、例えば、UL19は、VP5をコードするが、本明細書における遺伝子名への参照は、コードされるタンパク質への参照と同じであることが理解される。また、タンパク質の正確な配列は、あるヘルペスウイルスから別のヘルペスウイルスにわたり様々であり得、またしたがって、HSV−2タンパク質(構造またはエンベロープまたは非エンベロープ)への全ての参照は、任意の自然発生的HSV−2から獲得可能な任意のかかるタンパク質を包括することも理解される。配列の数は、既知であり、データベースに蓄積される。代替的配列を有するHSV−2タンパク質をコードする核酸は、適切なオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー(例えば、ストリンジェントな条件下で、参照配列に特異的にハイブリダイズするもの)を有する1つ以上のHSV−2(例えば、蓄積されたHSV−2または臨床単離物)から容易に単離または増幅することができる。例えば、ULタンパク質等のHSV−2タンパク質をコードする核酸の群の中で、群のある核酸は、ストリンジェントな条件下で群内の別の核酸の補体にハイブリダイズするであろう。
【0025】
用語「ストリンジェントな条件」は、その下で、プローブがその標的サブ配列に優先的にハイブリダイズし、他の配列にはより少ない範囲でハイブリダイズするか、または全くハイブリダイズしないであろう条件を指す。サザンおよびノーザンハイブリダイゼーション等の核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈における「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存性であり、また異なる環境パラメータ下で異なる。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な手引きは、“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays” Elsevier (New York, 1993)の第2章パートI、Tijssen,Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−−Hybridization with Nucleic Acid Probesに見出される。特定の実施形態では、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、定められたイオン強度およびpHにおける特定の配列に対する熱溶融点(T
m)より約5℃低い。T
mは、標的配列の50%が、完全に合致するプローブにハイブリダイズする(定められたイオン強度およびpHにおける)温度である。特定の実施形態では、極めてストリンジェントな条件は、特定のプローブに関するT
mに等しい。
【0026】
サザンまたはノーザンブロット法においてフィルタ上に100個以上の相補的残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、42℃で、1mgのヘパリンを伴う50%のホルマリンであり、ハイブリダイゼーションは一晩実施される。高度にストリンジェントな洗浄条件は、72℃で約15分間の0.15MのNaClである。ストリンジェントな洗浄条件の例は、65℃で15分間の0.2xSSC洗浄である(SSC緩衝液の説明についてはSambrook et al.を参照)。高ストリンジェンシー洗浄は、バックグラウンドプローブシグナルを除去するために、低ストリンジェンシー洗浄に先行され得る。例えば、100個を超えるヌクレオチドの2本鎖に関する、中ストリンジェンシー洗浄の例は、45℃で15分間の1xSSCである。例えば、100個を超えるヌクレオチドの2本鎖に関する、低ストリンジェンシー洗浄の例は、40℃で15分間の4〜6xSSCである。概して、特定のハイブリダイゼーション分析における関連しないプローブに関して観察される比率の2倍の(またはそれより高い)シグナルのノイズに対する比率は、特定のハイブリダイゼーションの検出を示唆する。
【0027】
1つ以上のエンベロープタンパク質が宿主細胞へのウイルス侵入に関与するため、エンベロープタンパク質に対する抗体は、ウイルスを中和する、すなわちウイルスによる感染または再感染を予防することができる。メカニズム理論に拘束されることを望みはしないが、細胞侵入に必要なそのエンベロープタンパク質のうちの1つ以上に対する抗体を引き起こすことは、中和抗体を獲得する1つの方法である。全ウイルス、典型的には不活性化ウイルスを含むワクチンは、エンベロープタンパク質を免疫細胞に自然に提示する。個々のウイルスタンパク質を含むワクチンに関して、中和抗体応答を獲得する1つの戦略は、1つ以上のエンベロープタンパク質、もしくは免疫原性タンパク質断片、もしくは免疫原性ペプチド、またはこれらの幾つかの組み合わせをワクチン中に含むことである。
【0028】
HSV−2は、14個以上のエンベロープ関連タンパク質をコードし、そのうちの少なくとも幾つかは、細胞侵入に関与し、gB、gD、gH、およびgLを含むがこれらに限定されない。gDは、細胞上でHSV−2受容体に特異的に結合すると考えられ、gBは、ヘテロ二量体gH/gLとともに、膜融合を媒介すると考えられる。したがって、これらの4つのエンベロープ糖タンパク質は、これらのエンベロープ糖タンパク質に対して引き起こされる抗体は中和抗体を含み得るため、ワクチン中への含有のための免疫原として優れた選択である。別法として、またはそれに加えて、ウイルス出芽に関与するエンベロープ糖タンパク質も、ワクチン中への含有のための免疫原としての候補である。
【0029】
エンベロープタンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質の大部分は、カプシドおよびテグメント内に見出される。テグメントは、カプシドとエンベロープとの間の空間を占める。テグメント内に見出される約20個のウイルスタンパク質が存在する。テグメントタンパク質は、免疫調整、ウイルス組み立て、および最終的な放出を含む、種々のウイルス機能にとって重要である。カプシドタンパク質は、ビリオンの核酸ゲノムを包囲する構造を形成する。VP5、UL19の産生物は、主要なカプシドタンパク質である。細胞応答はしばしば、構造タンパク質に対して、および種々のHSVタンパク質に対して引き起される(Hosken et al.,J Virol 80:5509−55515,2006)。概して、細胞応答は、HSV感染の食い止めにおいて役割を果たす細胞型、CD4およびCD8T細胞の両方に関与する。
【0030】
本明細書で開示される免疫原性薬学的組成物(例えば、ワクチン)は、免疫源として2つ以上の構造タンパク質を含み、そのうちのあるものは、エンベロープ糖タンパク質であり、別のものは、エンベロープ糖タンパク質以外である。構造タンパク質の任意のものが使用され得るが、選択は、産生の容易さ、薬学的組成物への製剤化能力、タンパク質構造に関する情報、および高い発現レベルによって導かれ得る。T細胞応答は、典型的にはMHCに制限されているため、ワクチンは概して、最高数のMHC型によって応答されるタンパク質またはペプチドを含有し、また、応答する個数を増加させるために、複数のタンパク質またはペプチドを含有してもよい。
【0031】
免疫原性薬学的組成物は、好ましくは、無菌であり、他のウイルス汚染物を含まないかまたは実質的に含まず、またLPS等の発熱物質を含まないかまたは実質的に含まない。そのような組成物は、ワクチンとして有用である。
【0032】
ワクチンにおける免疫原としての使用のためのエンベロープおよび非エンベロープ構造タンパク質は、典型的には全長であるが、前駆体タンパク質、断片、または融合タンパク質の一部であることも可能である。全長タンパク質は、成熟タンパク質を指し、例えば、エンベロープタンパク質の場合では、成熟タンパク質は、エンベロープ内に見出される形態(例えば、リーダーペプチドを欠く)である。前駆体タンパク質(プレタンパク質)は、任意の処理が生じる前の新生の翻訳されたタンパク質、または部分的に処理されたタンパク質である。融合タンパク質の一部として、HSV−2タンパク質は、前駆体または全長タンパク質またはタンパク質断片として存在してもよい。タンパク質の断片は、免疫原性であり、免疫応答を引き起こす1つ以上のエピトープを含有するべきである。
【0033】
幾つかの実施形態では、本明細書で開示される免疫原性薬学的組成物(例えば、ワクチン)は、免疫源として、(i)HSV−2のα群遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または(ii)HSV−2のβ1群遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または(iii)HSV−2のβ2群遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または(iv)HSV−2のγ1群遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または(v)HSV−2のγ2群遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片を含む。α、β1、β2、γ1、およびγ2遺伝子は、当技術分野において周知である。例えば、Herpesviruses and Their Replication in Fundamental Virology、第29章、1986を参照されたい。
【0034】
したがって、本明細書における用語「免疫原」の使用は、(a)全長抗原、(2)抗原の免疫原性断片(3)全長抗原の免疫原性変異体、または免疫原性断片の変異体、(4)異なるポリペプチドの部分を含む、そのキメラ融合物、および(5)その共役体である、ポリペプチドの群全体を指す。種々の実施形態において、ワクチンにおける使用のためのエンベロープおよび非エンベロープ構造タンパク質は、その免疫原性断片、または該タンパク質に特異的な免疫応答を誘発し得るその変異体のうちの任意のものを含む、ポリペプチドを含む。
【0035】
例えば、免疫原性変異体は、抗原の少なくとも10個の隣接アミノ酸にわたり、少なくとも90%のアミノ酸同一性を、または抗原の少なくとも15個の隣接アミノ酸にわたり、少なくとも85%のアミノ酸同一性を保持する(例えば、エンベロープタンパク質または非エンベロープ構造タンパク質)。他の例としては、抗原の少なくとも50個の隣接アミノ酸にわたる、または抗原の少なくとも100個の隣接アミノ酸にわたる、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性が挙げられる。一実施形態では、免疫原性変異体は、特定の抗原の全長にわたり、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。幾つかの実施形態では、変異体は、自然発生的変異体である。
【0036】
別の例として、免疫原性断片、およびその変異体は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、48、または50個の、抗原の隣接アミノ酸を含む。免疫原性断片は、前述の間の任意の数の隣接アミノ酸を含むことができ、その結果、例えば、免疫原性断片は、約6〜10、10〜15、15〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個、またはそれを超える、免疫原性ポリペプチドの隣接アミノ酸である。
【0037】
短い断片は、ペプチドと称されることが多く、T細胞受容体に結合するためにMHC分子と複合体を形成するように選択され、また概して、最大約30個のアミノ酸の長さ、または最大約25個のアミノ酸の長さ、または最大約20個のアミノ酸の長さ、または最大約15個のアミノ酸の長さ、または最大約12個のアミノ酸の長さ、最大約9個のアミノ酸の長さ、最大約8個のアミノ酸の長さである。概して、より短いペプチドは、MHCクラスI分子に結合し、または関連付けられ、より長いペプチドは、MHCクラスII分子に結合し、または関連付けられる。好適なペプチドは、任意の数の生物情報学プログラムを用いて予測することができ、また周知の方法を用いて試験することができる。短い断片は、本明細書において「ペプチド」とも称され、典型的には、15〜100個のアミノ酸の長さであり、より長い断片は、典型的には、100個のアミノ酸から最大で全長の長さであるが、ただしペプチド(短い断片)およびより長い断片に関する長さの範囲は、厳密ではない。
【0038】
本明細書で開示される通り、好適なタンパク質としては、前駆体タンパク質、成熟タンパク質、断片、融合タンパク質、およびペプチドが挙げられる。組成物中、タンパク質は、同じ形態で存在してもよく、またはこれらの形態の混合物として存在してもよい。例えば、エンベロープ糖タンパク質は、成熟タンパク質として、および構造タンパク質は、断片として存在してもよく、またはエンベロープ糖タンパク質は、断片として、および構造タンパク質は、断片として存在してもよい。糖タンパク質の細胞産生に関して、シグナルペプチドは、前駆体タンパク質の一部であってもよい。シグナルペプチドとしては、糖タンパク質D天然配列または当技術分野において既知の他のものが挙げられる。また、膜貫通領域または細胞内領域またはその両方を有さないタンパク質を使用することも望ましい場合がある。
【0039】
本明細書で述べられる通り、断片とも称されるエンベロープ糖タンパク質の1つ以上の部分は、中和抗体に結合する1つ以上のエピトープを含有するために選択される。エピトープを含有する部分は、分析、例えば、細胞のウイルス感染における中和抗体の阻害等によって、同定され得る。手短に述べると、HSV−2エンベロープ糖タンパク質の重複する部分は、中和抗体(例えば、感染した動物またはヒトに由来する血清)と混合され、また混合物は、HSV−2および許容状態の細胞株に添加される。部分が抗体に結合するエピトープを有する場合、細胞株は、HSV−2に感染するであろう。部分がエピトープを有さない場合、細胞株は、感染しないであろう。
【0040】
免疫原性HSV−2ポリペプチドの少なくとも1つの免疫原性断片を含む組成物は、免疫原として使用され得る。幾つかの実施形態では、免疫原性断片は、本明細書で説明される組換え発現ベクターによってコードされる。免疫原性断片は、少なくとも6、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100個、またはそれを超える、免疫原性ポリペプチドの隣接アミノ酸から成り得る。免疫原性断片は、前述の間の任意の数の隣接アミノ酸を含むことができ、その結果、例えば、免疫原性断片は、約6〜10、10〜15、15〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個、またはそれを超える、免疫原性ポリペプチドの隣接アミノ酸である。免疫原性断片は、線状エピトープを形成する十分な数の隣接アミノ酸を含むことができ、および/または、断片が、該断片が由来する全長ポリペプチドと同じ(または十分に類似した)3次元配座に折り畳まり、非線状エピトープもしくはエピトープ(当技術分野では配座エピトープとも称される)を提示する十分な数の隣接アミノ酸を含むことができる。免疫原性断片が、全長ポリペプチドに匹敵する配座に折り畳まるかを評価する分析としては、例えば、タンパク質の、天然のまたは折り畳まれていないエピトープに特異的であるモノクローナルまたはポリクローナル抗体と反応する能力、他のリガンド結合機能の保持、およびプロテアーゼによる消化に対するポリペプチド断片の感受性または耐性が挙げられる(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY (2001)参照)。したがって、例として、ポリペプチド断片の3次元配座は、全長ポリペプチドに特異的に結合する抗体の結合能力および結合のレベルが、断片に対して、全長ポリペプチドに対するものと実質的に同じである(すなわち、結合のレベルが、例示的なまたは野生型の全長抗原の免疫原性と比較して、統計的、臨床的、および/または生物学的に十分な度合に保持されている)とき、全長ポリペプチドに十分に類似する。
【0041】
分析においてスクリーニングされる断片、例えば、上に説明されるものは、概して短い。概して、候補となる断片の長さは、最大約40個のアミノ酸の長さ、または最大約25個のアミノ酸の長さ、または最大約20個のアミノ酸の長さ、または最大約15個のアミノ酸の長さ、または最大約12個のアミノ酸の長さ、または最大約9個のアミノ酸の長さ、または最大約8個のアミノ酸の長さである。スクリーニングに使用される断片は、典型的には重複している。例えば、一組の断片は、16個のアミノ酸を重複する20個のアミノ酸の長さの断片を含んでもよい(すなわち、アミノ酸4個おきにずれる)。典型的には、重複する組は、未処理の糖タンパク質のN末端で開始し、すなわち、リーダー配列を含有し、細胞外ドメインのC末端アミノ酸で終了する。
【0042】
中和抗体に結合する断片は、本明細書で開示されるように、選択され、また薬学的組成物に使用され得る。断片は、「そのままで」、またはさらに操作されて、または他の断片と組み合わせて使用され得る。免疫原性であるのに十分に大きく、また十分に複雑な断片に関して、それらは、薬学的組成物に使用され得る。約1000MW未満の断片は、免疫原性である可能性は低いが、ただし、複雑性も断片が免疫原性であるかどうかにおいて役割を果たし得る。例えば、単一のアミノ酸の反復単位から成るホモポリマーは、そのサイズに関わらず不良な免疫源であり、一方、2または3個のアミノ酸のコポリマーは、良好な免疫原である。グルタミン酸およびリジンのコポリマーは、免疫原性であるために少なくとも約30〜40,000MWである必要がある。芳香族側鎖を有するアミノ酸は、免疫原性を増加させ、その結果、チロシンおよびフェニルアラニンを含む僅か約4000MWの断片は、免疫原性である。免疫原性であるには短すぎる、または複雑ではない断片は、例えば、KLH(キーホールリンピットヘモシアニン)、オボアルブミム、ウシ血清アルブミン、もしくは薬学的組成物を受ける対象にとって異質である他のタンパク質等の、担体タンパク質に共役されてもよく、または断片は、合わせて結合されて、免疫原性タンパク質を作成してもよい。断片が免疫原性であるかどうかは、動物において決定され得る。例えば、断片は、プライム−ブーストレジメンで動物に投与され、断片に対する抗体は、例えば、ブーストの7〜10日後に取り出した血清を用いてELISAで分析され得る。検出可能なシグナルは、断片が免疫原性であることを示す。より高いシグナルが望ましい。免疫原性に関する他の分析は、当業者に周知である。
【0043】
幾つかの実施形態では、組成物に使用される断片は、合成長鎖ペプチドである。「合成長鎖ペプチド」(SLP)とは、生体外で製造され、約25個のアミノ酸ほどの短い長さ、および約100個のアミノ酸ほどの長い長さを有する、タンパク質配列を指す。SLPは、MHCクラスIまたはクラスII分子を伴う細胞表面上の提示のために、樹状細胞によって取り込まれ、処理されるのに十分な長さであるべきである。SLPは、それに対して免疫応答が所望されるタンパク質に由来するペプチドである。一実施形態では、免疫応答は、T細胞応答である。タンパク質は、既知の抗原であってもよく、または、幾つかのタンパク質の場合、候補抗原であってもよい。
【0044】
SLPは、少なくとも1つのCD4エピトープ、または少なくとも1つのCD8エピトープ、または少なくとも1つのCD4と少なくとも1つのCD8エピトープとを含む。CD4エピトープは、クラスII MHCに結合するアミノ酸配列を指し、またCD8エピトープは、クラスI MHCに結合するアミノ酸配列を指す。エピトープ配列は、免疫原のアミノ酸配列に由来し、手短に述べると、生体内で、免疫原は、抗原を処理する細胞(例えば、樹状細胞)によって取り込まれ、または合成されて、ペプチドに分解され、該ペプチドは、MHC分子に関連付けられ、MHCペプチド複合体として細胞表面上に提示される。MHCクラスI分子と複合されたペプチドは、CD8+T細胞上でT細胞抗原受容体およびCD8と相互作用し、これらのペプチドは、CD8エピトープと呼ばれ、MHCクラスII分子と複合されたペプチドは、CD4+T細胞上でT細胞抗原受容体およびCD4と相互作用し、これらのペプチドは、CD4エピトープと呼ばれる。活性化されたCD8+T細胞は、細胞毒性T細胞となり、それはMHCクラスI−CD8エピトープを表す標的細胞を認識し、死滅させる。標的細胞は、感染した細胞または腫瘍細胞であることが多い。活性化されたCD4+T細胞は、ヘルパーT細胞となり、またその亜型に応じて、B細胞が抗体を産生するか、またはナチュラルキラー細胞、単核食細胞、およびCD8+T細胞を活性化するのを助ける。CD4+T細胞およびCD8+T細胞の両方の活性化は、総合的な細胞性免疫応答に寄与する。
【0045】
上に開示される通り、SLPは、樹状細胞によって取り込まれて処理され、MHC分子とともにその細胞表面上に提示されるのに十分な長さであるべきである。MHCクラスI分子と複合されたペプチドは、概して8〜11個のアミノ酸の長さであり、またMHCクラスII分子と複合されたペプチドは、概して13〜17個のアミノ酸の長さであるが、ただし、より長いまたはより短い長さも稀ではない。したがって、SLPは典型的には、少なくとも25個のアミノ酸の長さ、および100個ものアミノ酸の長さ(例えば、少なくとも30aa、少なくとも35aa、少なくとも40aa、少なくとも45aa、少なくとも50aa、少なくとも55aa、少なくとも60aa、少なくとも65aa、少なくとも70aa、少なくとも75aa、少なくとも80aa、少なくとも85aa、少なくとも90aa、少なくとも95aa)であろう。SLPの長さは、概して約45aaまたは約50aaの長さであろう。
【0046】
エピトープは、既知の配列または未知の配列を有することができる。多量のタンパク質が、CD4およびCD8エピトープに関してマッピングされている。これらのエピトープのうちの1つ以上を含むSLPに関して、長さは、典型的には約45aaである。さらに、エピトープは、N末端において、およびC末端部位において、約15aa隣り合ってもよい。隣り合う配列は、典型的には、天然タンパク質内のエピトープ配列と隣り合う配列である。上述の通り、SLPは、1つ以上のエピトープを含むことができ、複数のエピトープは、全てCD4もしくはCD8エピトープであってもよく、またはCD4およびCD8エピトープの混合物であってもよい。さらに、エピトープは、配列内で重複し得る(重複するエピトープを含む幾つかの例示的なSLPについては、実施例1を参照)。使用されるSLPの総数は、全ての既知のCD4およびCD8エピトープが表されるようなものであり得る。
【0047】
SLPは、種々の方法のうちの任意のものによって合成され得る(合成方法の総合的考察については、Corradin et al., Sci Translational Med 2:1, 2010を参照)。自動ペプチド合成装置は、市販されており、また多くの企業は合成サービスを提供している(例えば、Abbiotec,American Peptide Company,AnaSpec,Bachem,Covance Research Products,Invitrogen)。合成後、ペプチドは、精製され、典型的にはHPLCによるが、ただしイオン交換クロマトグラフィおよびゲル濾過クロマトグラフィ等の代替的な精製方法が使用されてもよい。許容される純度は、分析的HPLCによって評価する際に、少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも98%である。
【0048】
タンパク質が、CD4エピトープまたはCD8エピトープまたはその両方に関してマッピングされていないとき、タンパク質配列全体を含む一組のSLPが、合成されてもよい。各SLPは、典型的には約50aaであり、また連続したSLPは、配列内で約25aaだけ重複し得る。別法として、またはそれに加えて、アルゴリズムおよびコンピュータプログラムが、MHCクラスIおよびクラスII分子に結合するであろう配列を予測するために使用され得る。そのようなプログラムは、容易に入手可能であり、例えば、RANKPEP(Reche et al., Human Immunol 63: 701, 2002)、Epipredict(Jung et al., Biologicals 29: 179, 2001)、およびMHCPred(Guan et al. Nucl Acids Res 31: 3621, 2003 and Guan et al., Appl Bioinformatics 5: 55, 2006)、EpiMatrix(EpiVax,Inc.)である。
【0049】
SLPの配列は、最適な産生のために必要に応じて整えられ得る。例えば、天然配列に由来するペプチドの端部の1つ以上のアミノ酸は、可溶性または安定性を向上させるために、または全体の電荷を増加もしくは減少させるために排除されてもよい。特定の例として、高含有量の疎水性アミノ酸を有するペプチド配列は、可溶化が困難であり得る。目安として、疎水性の内容物は、理想的には50%未満である。システイン、メチオニン、またはトリプトファン残基、特に複数のCys、Met、またはTrp残基を含有するペプチドは、合成が困難であり得る。ヒドロキシプロリン、γ−アミノ酪酸、ノルロイシン等の、標準的なアミノ酸かまたは非標準的なアミノ酸かのいずれかの別のアミノ酸の置換は、合成効率または純度を向上させ得る。SLPの設計における他の考慮事項としては、β−シート形成の範囲、N末端アミノ酸(例えば、N末端Glnは環化し得る)、隣接するSerおよびPro残基の最小化が挙げられる。
【0050】
薬学的組成物における含有に特に有用な幾つかの構造タンパク質としては、UL19(配列番号4)、UL19上方ドメイン断片(配列番号12)、UL25(配列番号5)、およびUL47(配列番号6)が挙げられる。ウイルスタンパク質の構造は、NCBIのMMDB(Molecular Modeling Database)に見出すことができる。分子構造情報は、UL25(MMDB ID:37706、Bowman et al. J.Virol.80:2309, 2006、その全体が組み込まれる)、VP5(UL19の産生物)(MMDB ID:26005、Bowman et al., EMBO J. 22: 757−765, 2003、その全体が組み込まれる)、VP13/14(UL47の産生物)(MMDB ID:6022)、およびエンベロープタンパク質gD2(MMDB ID:36244、Krummenacher et al. EMBO J 24:4144−4153, 2005、その全体が組み込まれる)、ICP34.5、ならびに多くの他のHSV−2タンパク質に関して入手可能である。加えて、幾つかのウイルスタンパク質のT細胞エピトープが、既知である(Koelle et al., J Virol 74:10930−10938, 2000;Muller et al., J Gen Virol 90:1153−1163, 2009;Koelle et all, J Immunol 166:4049−4058, 2001;BenMohamed et al., J Virol 77:9463−9473, 2003;米国特許第6,855,317号;PCT公開第WO2004/009021号、それらの参照の全ては、その全体が組み込まれる)。
【0051】
これらのタンパク質のうちの任意のものの免疫原性断片、変異体、および融合タンパク質、特に、UL19、UL19上方ドメイン断片、UL25、およびUL47は、本明細書における免疫原性組成物における使用に特に企図される。したがって、本開示は、少なくとも10個のその隣接アミノ酸にわたり少なくとも90%のアミノ酸同一性、または少なくとも15個のその隣接アミノ酸にわたり少なくとも85%のアミノ酸同一性を保持する配列番号4、5、6、または12のうちの任意のものの断片または変異体を含む。別の例として、本開示は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、48、もしくは50個の配列の隣接アミノ酸、または約6〜10、10〜15、15〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個、またはそれを超える配列の隣接アミノ酸を含む、免疫原性断片を含む。本開示はまた、少なくとも50個の配列の隣接アミノ酸にわたり、または少なくとも100個の配列の隣接アミノ酸にわたり、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する変異体を含む。幾つかの実施形態では、変異体は、自然発生的変異体であり、好ましくは、ストリンジェントな条件下で、配列番号4、5、6、または12のうちのいずれかをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするものである。
【0052】
本明細書で開示される通り、ペプチドを含む、非エンベロープ構造タンパク質(例えば、配列番号9および10に記載されるUL19ペプチド、ならびに配列番号11に記載されるUL25ペプチド)およびエンベロープタンパク質(例えば、gD2(配列番号7および8))の免疫原性断片は、使用されてもよく、またはタンパク質に由来するより長い配列(すなわち、断片)の一部であってもよい。本明細書で使用するとき、ペプチドは、アミノ酸の短い配列を指し、概して少なくとも15個の残基から、および概して最大で約100個の残基、または約20個の残基〜約80個の残基、または約30個の残基〜約70残基である。本明細書で使用するとき、断片は、全長タンパク質未満の任意の長さのポリペプチドを指し、概して少なくとも100個のアミノ酸の長さであるが、ただし、断片のサイズ範囲はペプチドのサイズ範囲と重複し得る(例えば、約50個の残基の長さからの断片)。具体的には、UL19上方ドメイン断片は、UL19の残基1〜450および残基1055〜1374のうちの少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または全てを欠失する。したがって、上方ドメイン断片は、例えば、残基337〜451のうちのいずれかで開始し、また残基1055〜1294のうちのいずれかで終了する(および、少なくとも配列番号4のアミノ酸1〜336および1295〜1374を欠く)ことができる。例えば、UL19断片は、約残基451〜約1054に由来してもよい(配列番号12)。UL19上方ドメイン断片は、配列番号12の約50、100、150、200、250、300、350、400、450、または500個以上のアミノ酸を含むことができる。
【0053】
加えて、本明細書のペプチドおよび断片は、異種ペプチドに融合され得る。異種ペプチドの例としては、他のタンパク質に由来する配列(例えば、UL19の場合、UL19上方ドメイン断片は、UL19ではない別のタンパク質に由来する配列に融合され得る)、または、概してN末端かもしくはC末端かのいずれかに位置する、ヘキサヒスチジン等のタグ配列が挙げられる。したがって、本明細書で説明される免疫原性断片または変異体は、免疫原性を強化する別のペプチド、タグもしくはマーカーとして働く別のペプチド、または別のHSV−2構造タンパク質に由来する別のペプチドに融合され得る。したがって、免疫原性ポリペプチドは、HSV−2構造タンパク質の指定の断片から成る断片を含み得る。一実施形態では、免疫原性ポリペプチドは、任意に、非UL19ペプチドに融合される、配列番号12から成るUL19の断片または配列番号12の断片を含む。別の例では、免疫原性ポリペプチドは、任意に、非UL19ペプチドに融合される、配列番号12の50個の隣接アミノ酸にわたり少なくとも80%または90%同一であるアミノ酸配列から成る、ペプチドを含む。
【0054】
驚くべきことに、本明細書の実施例は、UL19上方ドメイン断片は、HSV−2感染に対する防御抗体を引き起こす能力を有し、その結果UL19タンパク質の残りが免疫原として必要とされないことを示す。この驚くべき発見は、困難であると証明されている全長UL19を発現する試みとして思いがけないものである。例えば、大腸菌および他の発現系における全長UL19の発現、およびその後の可溶性全長UL19の精製は、困難であることが証明されている。
【0055】
細胞中の発現は、典型的にはリーダー配列(シグナルペプチドとしても既知である)が欠けている成熟タンパク質をもたらすため、典型的には、薬学的組成物中のタンパク質は、前駆体タンパク質以外のものであろう。gDのリーダー配列は、概ね残基1〜25を包括する。gBのリーダー配列は、概ね残基1〜22を包括する。糖タンパク質D(配列番号2)は、393個のアミノ酸タンパク質であり、概ね残基26〜340に及ぶ細胞外領域、概ね残基341〜361に及ぶ膜貫通領域、および概ね残基362〜393に及ぶ細胞質領域、および残基119、146、287における多数のN結合型糖鎖合成部位(UniProtKB/Swiss−Prot取得番号Q69467、エントリーのバージョン49および配列のバージョン1)を有する。例示的なgD断片(本明細書では、代替的にgD2と称される)は、配列番号3に示される配列を含む。
【0056】
幾つかの実施形態では、エンベロープ糖タンパク質に由来する抗原性および免疫原性断片は、シグナルペプチドと呼ばれることもあるリーダー配列の一部または全部を含み得る。リーダー配列は、通常、約15〜20個のアミノ酸であり、また正常な細胞処理において、細胞の装置によって開裂され得るが、無傷のビリオン中の糖タンパク質のうちの幾つかは、リーダー配列を有し得る。リーダー配列は、通常、N末端に幾つかの極性アミノ酸を有し、内部のアミノ酸は、概して疎水性である。上に説明される通り、HSV−2エンベロープ糖タンパク質のうちの幾つかについてのリーダー配列は、決定されている。他のHSV−2エンベロープ糖タンパク質に関しては、コンピュータプログラムを使用して、シグナルペプチドを予測することができる。これらのプログラムのうちの幾つかとしては、SIG−Pred(bmbpcu36.leeds.ac.uk/prot_analysis/Signal.html),PrediSi(www.predisi.de),OCTOPUS(octopus.cbr.su.se)、およびsigcleave(emboss.sourceforge.net/apps/cvs/emboss/apps/sigcleave.html)が挙げられる。
【0057】
本明細書で説明される組成物における使用のためのリーダー配列を含有する抗原性または免疫原性断片の細胞産生の間に、種々の技術が、シグナルペプチドの開裂を阻害するために使用され得る。例えば、開裂部位に隣り合うアミノ酸のうちの1つ以上は、異なるアミノ酸へと改変され、細胞の装置によって認識または開裂されない配列をもたらし得る。この方法に関して、改変は、当技術術分野において既知の開裂部位に基づいて設計され、グリシンは、いずれの位置においても優先的に使用されず、チロシンは、開裂部位後の初めの幾つかの位置には稀にしか見出されず、それに対してプロリンは、+1位置を除く多くの開裂部位にてしばしば見出され、またグルタミンは、+1残基にて一般的に見出される(Zhang and Henzel, Protein Sci.13: 219,2004)。提案された配列は、開裂が阻害され得るかを決定するための予測プログラムをもちいて評価され得る。開裂の可能性があれば、次にさらなる改変がなされ、新しく提案された配列が再評価される。シグナルペプチドの開裂を阻害するための他の技術としては、認識配列および開裂配列における1つ以上のアミノ酸の追加、追加されたシグナルペプチドが優先的に開裂されるようなシグナルペプチドおよび認識配列のN末端追加、ならびにシグナルペプチドを開裂する機構を欠く宿主細胞における産生が挙げられる。
【0058】
特定の実施形態では、断片は、リーダー配列を含む、HSV−2糖タンパク質を含む。他の実施形態では、断片は、リーダー配列から膜貫通ドメインの開始までを含むHSV−2糖タンパク質の部分を含む。さらに他の実施形態では、断片は、リーダー配列から細胞外ドメイン内部の終わりまでのHSV−2糖タンパク質の部分を含む。他の実施形態では、断片は、HSV−2糖タンパク質の非隣接部分を含み、該部分のうちの1つは、リーダー配列内の抗原エピトープを含む。さらに他の実施形態では、断片は、HSV−2糖タンパク質の非隣接部分を含み、該部分はエピトープを含み、または断片は、異なるHSV−2糖タンパク質に由来する部分を含み、該部分は、エピトープを含む。
【0059】
糖タンパク質B(配列番号1)は、概ね残基23〜771に及ぶ細胞外領域、概ね残基772〜792に及ぶ膜貫通領域、および概ね残基793〜904に及ぶ細胞質領域、および残基82、136、393、425、486、671における多数のN結合型糖鎖合成部位を有する(UniProtKB/Swiss−Prot取得番号P08666、エントリーのバージョン60および配列のバージョン2)。糖タンパク質Kは、そのN末端部に30アミノ酸のリーダー配列を有する338アミノ酸のタンパク質である(Ramaswarmy and Holland,Virology 186:579−587,1992)。糖タンパク質Cは、予測された27アミノ酸のリーダー配列であり、糖タンパク質Eは、予測された23アミノ酸のリーダー配列を有し、また糖タンパク質Lは、予測された16アミノ酸のリーダー配列を有する(Signal Peptide Resource,proline.bic.nus.edu.sg、2011年10月6日に評価)。
【0060】
タンパク質またはタンパク質断片は、好ましくは免疫原性である。「免疫原」は、免疫応答を誘発することができる。免疫原性ペプチド配列は概して、少なくとも幾つかの血清反応陽性の対象において、T細胞(例えば、CD4またはCD8T細胞)によって認識される。ペプチド配列は、概して、一連の重複するペプチドを用いて、完全な配列に由来するペプチドをスクリーニングすることによって同定され得る。種々の分析が、T細胞がペプチドを認識したか、およびペプチドに応答したかを決定するために使用され得る。例えば、クロム放出細胞毒性分析(Kim et al., J Immunol 181:6604−6615, 2008、その分析プロトコルに関して組み込まれる)、ELISPOT分析、細胞内サイトカイン染色分析、およびMHCマルチマー染色(Novak
et al. J Clin Invest 104:R63−R67, 1999;Altman et al., Science 274:94−96, 1996)が、とりわけ好適な分析である。場合により、断片(単数または複数)は、免疫優勢ペプチド配列を含む。幾つかの免疫優勢エピトープが、HSV−2糖タンパク質および構造タンパク質に関して同定されている(例えば、Kim et al. J Immunol 181:6604−6615, 2008;Chentoufi et al., J Virol.82:11792−11802, 2008;Koelle et al., Proc Natl Acad Sci USA 100:12899−12904, 2003、全ての参考文献はその全体が本明細書に組み込まれる)。 免疫原性ペプチドはまた、生物情報学ソフトウエアによって予測され得る(Flower, Methods in Molecular Biology vol.409, 2007)幾つかの例示的なプログラムおよびデータベースとしては、FRED(Feldhahn et al. Bioinformatics 15:2758−9, 2009)、SVMHC(Donnes and Kohlbacher,Nucleic Acids Res 34:W1940197,2006)、AntigenDB(Ansari et al., Nucleic Acids Res 38:D847−853,2010)、TEPITOPE(Bian and Hammer Methods 34:468−475, 2004)が挙げられる。
【0061】
前駆体タンパク質、成熟タンパク質、およびペプチドを含む断片を含む、HSV−2タンパク質のうちのいずれも、融合タンパク質の一部として組み込まれ得る。融合パートナー(単数または複数)は、HSV−2タンパク質または非HSV−2タンパク質配列のうちの任意のものであり得る。融合タンパク質を使用する幾つかの一般的な理由は、発現を向上させる、または結果として生じるタンパク質の精製を助けることである。例えば、発現系の宿主細胞に合わせて作成したシグナルペプチド配列は、HSV−2タンパク質に結合されることができ、または、タンパク質精製に使用するためのタグ配列が、結合されることができ、その後、開裂配列が同様に組み込まれていれば、開裂される。タンパク質のうちの1つ以上に由来する複数のペプチドエピトープが、融合されることができ、またはタンパク質のうちの1つ以上に由来する断片が、融合されることができる。例えば、構造タンパク質または構造タンパク質の断片は、結合されることができ、例えば、VP13/14(UL47)の融合タンパク質、ならびに主要カプシドタンパク質(UL19)、またはUL25およびUL47またはUL25およびUL19等である。融合タンパク質のセグメントは、任意の順番であってよく、すなわち、UL19およびUL47の融合物に関して、いずれかのタンパク質はN末端にあり得る。同様に、複数のペプチドエピトープは、任意の順番であり得る。
【0062】
前駆体タンパク質、断片、および融合タンパク質を含む、HSV−2タンパク質の製造は概して、培養した細胞内の発現によって、または化学合成によって、達成される。(本明細書において、「HSV−2タンパク質」は、全てのこれらの形態を含むように使用される。)短い断片は一般的には、機械(多数のものが市販されている)を用いてか、または手動でかのいずれかにより化学的に合成される。細胞によって産生される場合、原核細胞系および真核細胞系の両方の種々の好適な発現系が、周知であり、また使用され得る。タンパク質の産生に使用されることが多く、また好適である宿主細胞としては、大腸菌、酵母、昆虫、およびほ乳類が挙げられる。発現ベクターおよび宿主細胞は、市販されており(例えば、Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA、米国)、または構築されてもよい。例示的なベクターは、関心のタンパク質をコードする配列に関するプロモーターおよびクローン作成部位を含み、その結果プロモーターおよび配列は、動作可能に結合される。他の要素が存在してもよく、例えば、分泌シグナル配列(リーダー配列と呼ばれることもある)、タグ配列(例えば、ヘキサ−His)、転写終結シグナル、特にベクターが染色体外で複製される場合は、複製の起点、および選択可能な産生物をコードする配列等である。宿主細胞を形質移入する方法および手順も、周知である。
【0063】
発現されたタンパク質は、収集され、「そのままで」使用されてもよく、または典型的には、分析され、さらに精製されてもよい。純度または量を決定するための典型的な手順としては、ゲル電気泳動、Westernブロット法、質量分光法、およびELISAが挙げられる。タンパク質の活性は概して、実施例に説明されるもの等の生物学的分析において評価される。必要に応じてまたは所望により、タンパク質は、さらに精製されてもよい。多くの精製方法が、周知であり、またサイズクロマトグラフィ、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィ、親和性クロマトグラフィ、沈降、および免疫沈降が挙げられる。タンパク質の意図される使用は、典型的には精製の範囲を決定し、ヒトにおける使用は最高レベルの純度を要する可能性が高い。
B. 先天性免疫を活性化する薬剤
【0064】
先天性免疫系は、他の有機体による感染に対する防衛を非特異的な様式で提供する細胞を含む。先天性免疫は、即時の防衛であるが、持続しないか、またはさらなる攻撃に対して防御的ではない。概して先天性免疫において役割を果たす免疫系細胞は、マクロファージおよび樹状細胞等、食作用を有する。先天性免疫系は、適応(後天性とも呼ばれる)免疫系と種々の方法で相互作用する。先天性免疫系の細胞は、適応免疫系の細胞への抗原提示に関与することができ、他の細胞を活性化するリンホカインの発現、侵入者に特異的であり得る細胞を引き付ける走化性分子の放射、ならびに適応免疫系の細胞を補充および活性化するサイトカインの分泌を含む。本明細書で開示される免疫原性薬学的組成物は、組成物の有効性を強化するための先天性免疫を活性化する薬剤を含む。
【0065】
多くの種類の薬剤が、先天性免疫を活性化し得る。細菌およびウイルス等の有機体は、先天性免疫を活性化することができ、有機体の構成要素として、2’−5’オリゴA、細菌内毒素、RNA2本鎖、単鎖RNA、および他の分子等の化学物質が可能である。薬剤の多くは、分子のファミリー、トール様受容体(TLR)を通して作用する。TLRの係合はまた、サイトカインおよびケモカインの産生ならびに樹状細胞の活性化および成熟、後天性免疫の発達に関与する構成要素につながり得る。TLRファミリーは、リポタンパク質、ペプチドグリカン、フラジェリン、イミダゾキノリン、CpG DNA、リポ多糖類、および二重鎖RNAを含む、種々の薬剤に応答し得る(Akira et al. Biochemical Soc Transactions 31:637−642, 2003)。これらの種類の薬剤は、病原体(または病原菌)関連分子パターンと呼ばれることもある。
【0066】
一態様では、1つ以上のアジュバントが、先天性免疫を活性化する薬剤(単数または複数)を提供するために、組成物中に含まれる。アジュバントは、免疫応答を増加させる抗原に組み込まれる、またはそれと同時に投与される物質である。種々の機構が、どのように異なるアジュバントが働くのかを説明するために提案されている(例えば、抗原補給所(antigen depot)、樹状細胞の活性化因子、マクロファージ)。理論によって拘束されることを望みはしないが、ある機構は、先天性免疫系の活性化を含み、ケモカインおよびサイトカインの産生をもたらし、それらは次に、適応(後天性)免疫応答を活性化する。具体的には、アジュバントは、TLRを通して樹状細胞を活性化する。したがって、アジュバントは、HSV−2に対するワクチンにおいて使用され得る先天性免疫系を活性化する薬剤の一種類である。アジュバントは、他の方法でも後天性免疫応答を強化するように作用し得る。好ましくは、アジュバントは、TLR4作動薬である。
【0067】
本明細書で説明される組成物において使用され得る1つのアジュバントは、一酸脂質A(MALA)型分子である。例示的なMALAは、Vaccine Design, the Subunit and Adjuvant Approach, Powell, M.F. and Newman, M.J., eds.Plenum Press, NY 1995の中の第21章、Ulrich J.T. and Myers, K.R., “Monophosphoryl Lipid A as an Adjuvant”で説明されるような、MPL(登録商標)アジュバントである。別の例示的なMALAは、化学式(I):
【化1】
【0068】
によって説明され、式中、部分A
1およびA
2は、水素、リン酸エステル(phosphate)、リン酸塩、カルボン酸エステル(carboxylate)、カルボン酸塩、硫酸エステル(sulfate)、亜硫酸エステル(sulfite)、亜硫酸塩、アスパラギン酸エステル(aspartate)、アスパラギン酸塩、コハク酸エステル(succinate)、コハク酸塩、カルボキシメチルホスフェート、およびカルボキシメチルホスフェート塩の群から独立して選択される。ナトリウムおよびカリウムは、リン酸塩およびカルボン酸塩に対する例示的な対イオンである。A
1およびA
2のうちの少なくとも1つは、水素である。部分R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6は、C
3〜C
23によって表される、3〜23個の炭素を有するヒドロカルビル、好ましくは直鎖アルキルの群から独立して選択される。さらに明確にするために、ある部分が、複数の構成要素を有する特定群「から独立して選択される」ときに、第1の部分に選択される構成要素は、第2の部分に選択される構成要素の選択肢に決して影響を及ぼさない、または選択肢を限定しないことが理解されるべきであると説明されるであろう。R
1、R
3、R
5、およびR
6が接合される炭素原子は、非対称であり、したがって、RまたはS立体化学のいずれか一方の中に存在してもよい。一実施形態では、これらの炭素原子の全てがR立体化学内にある一方で、別の実施形態では、これらの炭素原子の全てはS立体化学内にある。
【0069】
「ヒドロカルビル」または「アルキル」は、完全に水素および炭素から形成された化学部分を指し、炭素原子の配列は、直鎖または分岐、非環状または環状であってもよく、隣接炭素原子間の結合は、完全に単結合であってもよく、すなわち、飽和ヒドロカルビルを提供し、または任意の2つの隣接炭素原子の間に二重または三重結合が存在してもよく、すなわち、不飽和ヒドロカルビルを提供し、ヒドロカルビル基の中の炭素原子の数は、3個から24個の炭素原子である。ヒドロカルビルは、アルキルであってもよく、代表的な直鎖アルキルは、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル等を含む、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、および同等物を含む一方で、分岐アルキルは、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル、および同等物を含む。代表的な飽和環状ヒドロカルビルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、および同等物を含む一方で、不飽和環状ヒドロカルビルは、シクロペンタニルおよびシクロヘキサニル、および同等物を含む。不飽和ヒドロカルビルは、隣接する炭素原子の間に少なくとも1つの二重または三重結合を含有する(ヒドロカルビルが非環状である場合、それぞれ「アルケニル」または「アルキニル」と称され、またヒドロカルビルが少なくとも部分的に環状である場合、それぞれシクロアルケニおよびシクロアルキニルと称される)。代表的な直鎖および分岐アルケニルとしては、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、および同類のものが挙げられ、一方代表的な直鎖および分岐アルキニルとしては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニル、および同類のものが挙げられる。例えば、「C6〜11アルキル」は、それぞれ、6〜11個の炭素原子を含有する、上に定義されるアルキルを意味する。
【0070】
式(I)のアジュバントは、当技術分野で公知である合成方法、例えば、参照することにより本明細書に組み込まれるPCT国際公開第WO 2009/035528号、ならびに第WO 2009/035528号で識別される出版物で開示されている合成方法によって得られてもよく、これらの出版物のうちのそれぞれもまた、参照することにより本明細書に組み込まれる。アジュバントのうちのあるものはまた、商業的に得られてもよい。好ましいアジュバントは、Avanti Polar Lipids,Alabaster ALのカタログ中で特定される製品番号699800であり、式中、R1、R3、R5、およびR6は、ウンデシルであり、R2およびR4は、トリデシルである。
【0071】
本発明の種々の実施形態において、アジュバントは、式(I)の化学構造を有するが、部分A1、A2、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、リン酸エステルまたはリン酸塩であるA1から選択され、およびA2は水素であり、またR1、R3、R5、およびR6は、C7〜C15アルキルから選択され、またR2およびR4は、C9〜C17ヒドロカルビルから選択される。本発明の好ましい実施形態では、本明細書の実施例にて使用されるGLAは、
図1に記載される構造式を有し、式中、R1、R3、R5、およびR6は、ウンデシルであり、R2およびR4は、トリデシルである。
【0072】
上述のMALAアジュバントは、本明細書で説明される免疫原性薬学的組成物における使用に好ましいアジュバントの種類である。しかしながら、以下のアジュバントのうちの任意のものも、単独で、またはMALAアジュバントと組み合わせて、免疫原性薬学的組成物の製剤化に使用されることができる。
【0073】
アジュバントは、ミョウバンであってもよく、この用語は、リン酸アルミニウム(AlPO4)および水酸化アルミニウム(Al(OH)3)等のアルミニウム塩を指す。ミョウバンがアジュバントとしてまたは共アジュバントとして使用されるとき、ミョウバンは、約100〜1,000μg、または200〜800μg、または300〜700μg、または400〜600μgの量で、免疫原性薬学的組成物の用量中に存在してもよい。式(I)アジュバントがミョウバンとともに製剤化される場合、式(I)のアジュバントは、典型的には、ミョウバンの量未満の量で存在し、種々の態様では、式(1)のアジュバントは、重量基準で、ミョウバンの重量に対して0.1〜1%、または1〜5%、または1〜10%、または1〜100%で存在する。本発明の一態様において、組成物は、ミョウバンの存在を除く。
【0074】
アジュバントは、ワクチンアジュバント性質を有するエマルジョンであってもよい。そのようなエマルジョンは、水中油型エマルジョンを含む。フロイント不完全アジュバント(IFA)が、1つのそのようなアジュバントである。別の好適な水中油型エマルジョンは、スクアレン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(商標)80表面活性剤としても知られている)、およびトリオレイン酸ソルビタンを含有する、MF−59(商標)アジュバントである。スクアレンは、本来は、サメ肝油から得られる天然有機化合物であるが、アマランス種子、米ぬか、小麦胚芽、およびオリーブを含む、植物源(主に植物油)からも入手可能である。他の好適なエマルジョンアジュバントは、鉱油ベースのアジュバントである、Montanide(商標)ISA 50V、Montanide(商標)ISA 206、およびMontanide(商標)IMS 1312を含む、Montanide(商標)アジュバント(Seppic Inc., Fairfield NJ)である。一実施形態では、鉱油がアジュバント内に存在してもよい一方で、本発明の組成物の油構成要素は、全て代謝可能な油である。
【0075】
アジュバントは、AS02(商標)アジュバントまたはAS04(商標)アジュバントであってもよい。AS02(商標)アジュバントは、MPL(商標)アジュバントおよびQS−21(商標)アジュバント(本明細書の他の場所で考察されるサポニンアジュバント)の両方を含有する水中油型エマルジョンである。AS04(商標)アジュバントは、MPL(商標)アジュバントおよびミョウバンを含有する。アジュバントは、Matrix−M(商標)アジュバントであってもよい。
【0076】
アジュバントは、キラヤサポナリア樹種の樹皮に由来するもの等のサポニン、または修飾されたサポニンであってもよく、例えば、米国特許第5,057,540号、同第5,273,965号、同第5,352,449号、同第5,443,829号、および同第5,560,398号を参照されたい。Antigenics,Inc.Lexington,MAによって販売される製品QS−21(商標)アジュバントは、式(I)のアジュバントとともに使用され得る例示的なサポニン含有共アジュバントである。元々はIscotec(スウェーデン)によって開発され、典型的には、キラヤサポナリアに由来するサポリン、または全てハチの巣様構造に形成される合成類自体、コレステロール、およびリン脂質から形成される、ISCOM(商標)族のアジュバントは、サポニンに関連する。
【0077】
アジュバントは、アジュバントとして機能するサイトカインであってもよく、例えば、Lin R.et al.Clin.Infec.Dis.21(6):1439−1449(1995);Taylor,C.E.,Infect.Immun.63(9):3241−3244(1995);およびEgilmez,N.K.、Vaccine Adjuvants and Delivery Systems,John Wiley & Sons,Inc.(2007)の第14章を参照されたい。種々の実施形態において、サイトカインは、例えば、Change D.Z.et al. Hematology 9(3):207−215 (2004),Dranoff,G.Immunol.Rev.188:147−154(2002)および米国特許第5,679,356号を参照されたいが、例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)であってもよく、あるいは例えば、Boehm,U.et al.Ann.Rev.Immunol.15:749−795 (1997)およびTheofilopoulos,A.N.et al.Ann.Rev.Immunol.23:307−336 (2005)を参照されたいが、例えば、インターフェロン−α(IFN−α)もしくはインターフェロン−β(IFN−β)等のI型インターフェロン、または例えば、インターフェロン−γ(IFN−γ)等のII型インターフェロン等のインターフェロンであってもよく、インターロイキン、具体的には、例えば、Nelson,B.H.,J.Immunol.172(7):3983−3988 (2004)を参照されたいが、インターロイキン−1α(IL−1α)、インターロイキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−2(IL−2);例えば、Portielje,J.E.,et al., Cancer Immunol.Immunother.52(3):133−144(2003)およびTrinchieri.G.Nat.Rev.Immunol.3(2):133−146(2003)を参照されたいが、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−12(IL−12);インターロイキン−15(Il−15)、インターロイキン−18(IL−18)を含む、インターロイキンであってもよく、胎児肝臓チロシンキナーゼ3リガンド(Flt3L)であってもよく、あるいは腫瘍壊死因子α(TNFα)であってもよい。
【0078】
アジュバントは、非メチル化CpGジヌクレオチドであってもよく、任意に、本明細書で説明される抗原に共役される。
【0079】
共アジュバントとして本明細書で説明される方法の実践で使用され得る、免疫増強物質の実施例は、MPL(商標)、MDPおよび誘導体、オリゴヌクレオチド、二本鎖RNA、代替的な病原体関連分子パターン(PAMPS)、サポニン、小分子免疫増強物質(SMIP)、サイトカイン、およびケモカインを含む。
【0080】
様々な実施形態では、共アジュバントは、GlaxoSmithKline から市販されている(本来はRibi ImmunoChem Research, Inc. Hamilton, MTによって開発された)、MPL(商標)アジュバントである。例えば、Ulrich and Myers, Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach, Powell and Newman, eds.Plenum Press, New York (1995)からの第21章を参照されたい。AS02(商標)アジュバントおよびAS04(商標)アジュバントは、MPL(商標)アジュバントに関連し、また本明細書で説明される組成物および方法における使用のための共アジュバントとして好適である。AS02(商標)アジュバントは、MPL(商標)アジュバントおよびQS−21(商標)アジュバント(本明細書の他の場所で考察されるサポニンアジュバント)の両方を含有する水中油型エマルジョンである。AS04(商標)アジュバントは、MPL(商標)アジュバントおよびミョウバンを含有する。MPL(商標)アジュバントは、サルモネラミネソタR595のリポ多糖類(LPS)から、LPSを弱酸および塩基加水分解で処理し、次に修飾されたLPSを精製することによって、調製される。
【0081】
2つのアジュバントが組み合わせて利用されるとき、2つのアジュバントの相対量は、抗原単独と比較して、アジュバントを含有する組成物に関して所望の性能性質を達成するように選択され得る。例えば、アジュバントの組み合わせは、抗原の抗体応答を強化するように、および/または対象の先天性免疫系応答を強化するように選択され得る。先天性免疫系の活性化は、ケモカインおよびサイトカインの産生をもたらし、それらは次に、適応(後天性)免疫応答を活性介し得る。適応免疫応答の活性化の重要な結果は、宿主が抗原に再び遭遇したときに、免疫応答がより迅速におよび概してより良い質で生じるような、記憶免疫細胞の形成である。
【0082】
アジュバント(単数または複数)は、HSV−2タンパク質と組み合わせる前に、事前に製剤化され得る。一実施形態において、アジュバントは、0.2μm未満の安定した水性懸濁液として提供されてもよく、またリン脂質、脂肪酸、界面活性剤、洗剤、サポニン、フッ素添加脂質、および同類のものから成る群から選択される少なくとも1つの構成要素をさらに含んでもよい。アジュバント(単数または複数)は、アジュバントが油相中に組み込まれる水中油型エマルジョンにおいて製剤化されてもよい。ヒトにおける使用に関して、油は、好ましくは代謝可能である。油は、任意の植物油、魚油、動物油、または合成油であってよく、油は、受容者に毒性であってはならず、また代謝によって変換可能であるべきである。ナッツ(ピーナッツ油等)、種子、および穀物は、野菜油の一般的な源である。特に好適な代謝可能な油としては、スクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサン)が挙げられ、多くの異なる油に見出される不飽和油である、サメ肝油中に多量にある。スクアレンは、コレステロールの生合成における中間物である。加えて、水中油型エマルジョンは、典型的には、α−トコフェロール(ビタミンE、米国特許第5,650,155号、米国特許第6,623,739号)等の酸化防止剤を含む。トリグリセリド、等張性を付与する成分、および他の成分の安定剤が、添加されてもよい。スクアレンを用いる例示的な水中油型エマルジョンは、「SE」として既知であり、スクアレン、グリセロール、ホスファチジルコリン、またはレシチン、または他のブロックコポリマーを、pH5.1のα−トセラフォール(alpha−toceraphol)を伴うリン酸アンモニウム緩衝液中に界面活性剤として含む。
【0083】
水中油型エマルジョンを産生する方法は、当業者に周知である。一般的に、方法は、油相を、ホスファチジルコリン、ポロキサマ、ブロックコポリマー、またはTWEEN80(登録商標)溶液等の界面活性剤と混合した後、ホモジナイザーを用いて均質化することを含む。例えば、混合物を、注射針を通して1、2、またはそれ以上通過させることを含む方法は、少量の液体を均質化するために好適である。同様に、マイクロフルイダイザー(M110Sマイクロフルイディクスマシーン、最大50通過、最大入力圧6バール(出力圧約850バール)で2分間)における乳化処理は、より小さいまたはより大きい体積のエマルジョンを産生するために適応され得る。この適応は、結果として生じるエマルジョンを、所望の直径の油滴を伴う調製物が達成されるまで測定することを含む、日常的な実験によって達成され得る。エマルジョンを生成するための他の設備またはパラメータも、使用され得る。エマルジョン組成物およびその調製の方法の開示は、例えば、米国特許第5,650,155号、同第5,667,784号、同第5,718,904号、同第5,961,970号、同第5,976,538号、同第6,572,861号、および同第6,630,161号に見出され得る。
C. 薬学的組成物および使用
1. 製剤
【0084】
請求される薬学的組成物は、HSV−2糖タンパク質またはその免疫原性断片、エンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2構造タンパク質またはその免疫原性断片、先天性免疫系に関する作動薬である薬剤、および薬学的に許容される担体を含む。組成物は、複数の糖タンパク質(または断片)、複数の構造タンパク質(または断片)、または複数の薬剤を含んでもよい。
【0085】
幾つかの態様では、薬学的組成物は、HSV糖タンパク質の抗原部分、薬学的に許容される担体、および任意に、先天性免疫系に関する作動薬である薬剤を含む。組成物は、複数の糖タンパク質部分および1つ以上の薬剤を含んでもよい。担体は、任意に、アジュバント性質を含んでもよく、例えば、幾つかのエマルジョン担体は、アジュバント性質を有する。本明細書では主に、考察されるHSV糖タンパク質はHSV−2に由来するが、HSV−1に由来する糖タンパク質も、使用され得る。
【0086】
特定の実施形態では、糖タンパク質または構造タンパク質またはその両方は、前駆体タンパク質、成熟タンパク質、断片、融合タンパク質、またはペプチドであり得る。糖タンパク質および構造タンパク質要素は、同一のまたは異なる融合タンパク質の一部であってもよい。同様に、複数の糖タンパク質または複数の構造タンパク質が存在する場合、それらは、単一の融合タンパク質の一部であってもよく、または別々の融合タンパク質の一部であってもよい。複数の糖タンパク質または複数の構造タンパク質が存在する場合、複数のタンパク質の各々は、前駆体タンパク質、成熟タンパク質、断片等であり得、すなわち、例えば、2つの糖タンパク質は、断片およびペプチド、または例えば、同一の糖タンパク質の2つの異なる断片、または例えば、異なる糖タンパク質の2つの断片を含んでもよい。
【0087】
各ワクチン用量におけるタンパク質または免疫学的な断片の各々の量は、典型的には、約0.5μg〜約50μgの範囲、または約0.5μg、約1.0μg、約2μg、約5μg、約10μg、約15μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約75μg、約100μg、または約150μg、または約200μg、または約250μg、またはHSV−2に対して有効性を提供すると決定される任意の他の好適な量である。タンパク質または免疫学的な断片は、等しいエピトープ表現を提供する等モル比、および等しい質量の個々のタンパク質を提供する等質量比を含む、種々の比率で存在することができる。等価物の約20%(例えば、0.8:1.2)の範囲内、または約10%(例えば、0.9:1.1)の範囲内、または約5%(例えば、0.95:1.05)の範囲内である等モルおよび等質量比は、依然、等モルまたは等質量であると見なされる。用量は、典型的には、組成物の薬理学的活性、目的(治療的または予防的)、ならびに対象のサイズおよび条件によって決定されるであろう。
【0088】
タンパク質は、溶液として供給されてもよいが、同様に乾燥して(乾いて)いることもでき、その場合、使用者は必要な液体を添加する。典型的には、緩衝液、安定剤、等張化剤、界面活性剤、防腐剤、担体、および他の非活性成分等の添加剤が、同様に存在するであろう。添加剤は典型的には、薬学的に許容され、また生体適合性である。好ましくは、添加剤、免疫原、薬剤等は、他の内毒素、毒性化合物、および不要な副作用を引き起こし得る汚染物を実質的に含まない。製剤は、投与の経路に従って様々であってもよい。例えば、筋肉内注射による投与用の製剤は、概して等張性および水性であり、一方、経口投与用の製剤は、除法型としてカプセル化されてもよく、または香味料を含有してもよい。エアロゾル投与用の形式は、概して圧力下でパッケージ化され、推進剤を含有するであろう。
【0089】
アジュバントであってもよい薬剤は、溶液として、乾燥して、または乳化されて、概して安定した水中油型エマルジョンとして提供され得る。一実施形態において、薬剤は、0.2μm未満の安定した水性懸濁液として提供されてもよく、リン脂質、脂肪酸、界面活性剤、洗剤、サポニン、フッ素添加脂質、および同類のものから成る群から選択される少なくとも1つの構成要素をさらに含んでもよい。そのような安定した水性製剤は、ミセル製剤であってもよい。別の実施形態では、薬剤は、エアロゾル化され得る様式で、粉末製剤かまたは液体製剤かのいずれかとして製剤化されてもよい。
【0090】
これらのうちのいずれも、緩衝液、安定剤、防腐剤、担体、または他の非活性成分も含むことができる。添加剤は典型的には、薬学的に許容され、また生体適合性である。複数の薬剤が存在してもよく、薬剤のうちの1つ、幾つか、または全ては、アジュバントまたは共アジュバントであることもできる。それに加えて、同様に薬剤ではないアジュバントまたは共アジュバントも、提供され得る。油または少なくとも幾つかのオイルエマルジョン等の抗原補給所も、存在し得る。
【0091】
GLAまたは別のMALAアジュバント等のアジュバント剤の量は、典型的には、約0.5μg、約1μg、約2μg、約2.5μg、約5μg、約7.5μg、約10μg、約15μg、約20μg、または約25μgである。SE等のエマルジョンは、約0.1%、約0.5%、約1.0%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約4%、約5%、約7.5%、または約10%で存在し得る。
【0092】
薬剤およびタンパク質は、別個のコンテナで提供され、現場で混合されるか、または事前に混合されてもよい。加えて、タンパク質は、別個のコンテナで提供されてもよく、または単一のコンテナ内で組み合わされてもよい。薬剤およびタンパク質は、濃縮された形態で提供され、また希釈剤と共に提供されてもよい。好適な希釈剤としては、生理食塩水およびPBSが挙げられる。コンテナは、バイアル、アンプル、管、マルチウェルデバイスのウェル、貯蔵容器、注射器、または任意の他の種類のコンテナであり得る。コンテナまたはコンテナ類は、キットとして提供されてもよい。コンテナのうちの1つ以上が乾燥した成分を含む場合、再構成のための液体は、同様にキット内に提供されてもよく、または使用者によって提供されてもよい。各コンテナ中の溶液の量、または各コンテナに添加される溶液の量は、投与の経路および何回分の用量が各コンテナにあるかに応じる。注射によって付与されるワクチンは、典型的には、約0.1ml〜約2.0mlであり、一方、経口で付与されるワクチンは、例えば、約1ml〜約10ml等、より大きい体積であり得る。好適な体積も、対象のサイズおよび年齢に従って様々であり得る。
2. 投与
【0093】
組成物は、対象におけるHSV−2感染の治療のために使用され得る。本明細書で使用するとき、「治療」は、治療的または予防的であり得る臨床的介入である。治療的用途において、薬学的組成物または薬物は、HSV−2感染を有する疑いのある、または有することが既知である対象に投与される。組成物は、疾病の症状およびその合併症を治癒し得るまたは少なくとも部分的に止め得る免疫応答を生じさせる(誘発する)のに十分な量で付与される。予防的用途では、薬学的組成物または薬物は、HSV−2感染が疑われる、ないしはその危険性がある対象に、感染を阻害する、または疾病の発生の危険性を低減するもしくは遅延する、または感染の1つ以上の効果を改善するであろう、免疫応答を誘発するのに十分な量で、投与される。これを遂行するのに適した量は、治療的に有効なまたは薬学的に有効な用量と定義される。そのような量は、単一の投与量として投与されることができ、または、それによって有効となるレジメンに従って投与されることができる。量は、疾病を治癒し得るが、しかし典型的には、疾病の症状を改善するため、または疾病もしくは障害の発症の予防に効果をもたらすために投与される。
【0094】
治療的レジメおよび予防的レジメの療法において、薬剤は通常、十分な免疫応答が達成されるまで複数の投与量で投与される。典型的には、免疫応答は、モニタリングされ、免疫応答が衰え始めると反復投与量が付与される。治療は、疾病を完全に排除しなくてもよく、対象が疾病または障害に罹患するのを完全に予防しなくてもよい。幾つかの実施形態では、単一の投与量のみが投与される。より多くの場合、複数の投与量が投与される。概して、1回目の投与量は、「プライム」投与量と呼ばれ、2回目およびその後の投与量は、「ブースト」投与量と呼ばれる。複数の投与量は、2回の投与、3回の投与、4回の投与、および場合により5回以上の投与からなり得る。理想的には、数は、1回また2回の投与である。複数の投与が提供されるとき、2回目およびその後の投与のタイミングは、概して、最後の投与の少なくとも2週間後となり、最後の投与の少なくとも1ヵ月、2カ月、3カ月、6カ月、または1年後であってもよい。理想的には、免疫応答は、複数の投与量が有益であるかを決定するためにモニタリングされる。複数の投与量は、等量の免疫原および作動薬を含有してもよく、または異なる量のこれらの成分を含有してもよい。例えば、ブースト投与量は、より低量の免疫原を含み得る。さらに、添加剤は、投与量間で異なってもよい。
【0095】
幾つかの実施形態において、対象に投与されるプライム組成物は、弱毒化された生HSV−2ウイルスであり、また対象に投与されるブースト組成物は、本明細書で請求かつ説明される任意の組成物である。幾つかの実施形態において、対象に投与されるプライム組成物は、本明細書で請求かつ説明される任意の組成物であり、また対象に投与されるブースト組成物は、弱毒化された生HSV−2ウイルスである。
【0096】
予防的として使用されるか治療的として使用されるかに関わらず、投与は、好ましくは、HSV−2に対する免疫応答を生じさせる。免疫応答は、液性(抗体媒介性)または細胞性(典型的には、T細胞媒介性であるが、ただしこれに限らない)またはその両方であり得る。免疫付与された対象はまた、活性化された単球、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞、および他の先天性免疫細胞型を有してもよい。免疫応答に関する分析は、本明細書で説明され、また当業者に周知である。
【0097】
ワクチンは、有益な治療的応答、例えば、疾病もしくは感染の症状を改善、緩和、治癒、もしくは部分的に改善するような有効な免疫応答をもたらすのに十分な用量(治療的に有効な用量)で、または例えば、感染もしくは疾病症状を予防する予防的応答をもたらすのに十分な用量で投与される。有益な治療的応答の指標は、任意の所与の発生におけるより少ないヘルペス損傷、または平均してより少ない数の損傷、またはより少ない頻度の発生である。他の指標としては、より小さい損傷、より早く癒え、より痛みの少ない損傷等である。また他の指標は、HSV−2ワクチン構成要素に対する抗体の発生であり、具体的には、HSV−2エンベロープ糖タンパク質に対する抗体、例えば、gD2に対する抗体の存在であり、また具体的には、中和抗体の発生である。抗体を検出および定量化するための多くの周知の手順があり、ELISAおよびウイルス感染の阻害(中和)分析が挙げられる。一実装では、ELISA分析は、マルチウェルプレートのウェルをgD2タンパク質でコーティングし、プレート上で血清に由来するgD2特異的抗体を捕捉し、標識した抗ヒト抗体を用いてgD2特異的抗体を検出した後、標識を読み取ることによって実施される。標識は、放射性であり得るが、しかしより一般的には、セイヨウワサビペルオキシダーゼ等の、基材を比色分析で検出され得るものに転換する酵素である。例示的なHSV中和分析は、血小板分析に基づき、該分析では、中和抗体は、血小板形成の阻害によって検出される。他の指標としては、HSV−2に応答するCD8またはCD4T細胞の増加された量または機能または頻度、ウイルス出芽における低減、性交渉の相手へのウイルス感染における低減、および症候性損傷のサイズまたは頻度またはその両方における低減が挙げられる。
【0098】
T細胞機能に関する分析としては、IFN−γELISPOTおよびICS(細胞内サイトカイン染色)が挙げられる。インターフェロン−γを検出するELISPOT分析は、候補ワクチンに応答するCD4およびCD8T細胞を定量化するために広く使用される。ELISPOT分析は、固定された抗体によって捕えられ、また酵素に結合した二次抗体によって可視化される、サイトカインの抗原誘発性分泌を検出する、ELISAの原理に基づく。ICSは、作動薬、例えば、T細胞表面分子に対する抗体またはMHCクラス分子に結合するペプチド等による刺激の後のサイトカイン発現に基づいて細胞毒性T細胞を定量化するための、日常的に使用される方法である。ICSおよびELISPOTの例示的な手順は、下に説明される。
【0099】
ワクチンを受ける対象としては、HSV−2血清反応陽性の個体およびHSV−2血清反応陰性の個体の両方が挙げられる。血清反応陽性の個体に関して、ワクチンは、治療的であることを意図される。血清反応陰性の個体に関して、ワクチンは、防御的であることを意図される。対象は、HSV−2の状態と独立して、ある場合ではHSV−1に関して血清反応陽性であり、また他の場合ではHSV−1に関して血清反応陰性である。すなわち、対象は、HSV−1血清反応陽性/HSV−2血清反応陽性、HSV−1血清反応陰性/HSV−2血清反応陽性、HSV−1血清反応陽性/HSV−2血清反応陰性、HSV−1血清反応陰性/HSV−2血清反応陰性であるものを含んでよい。さらに、対象は、ヒトおよびHSV−2によって感染され得る他のほ乳類対象を含む。
【0100】
ワクチンは、皮内、粘膜(例えば、鼻腔内、経口)、筋肉内、皮下、舌下、直腸内、および膣内等の任意の好適な送達経路によって投与され得る。他の送達経路は、等技術分野において周知である。
【0101】
筋肉内経路は、組成物のための1つの好適な経路である。 好適な筋肉内送達デバイスとしては、針および注射器、無針注射デバイス(例えば、Biojector,Bioject,OR、米国)、またはインスリンもしくはエピネフリンを送達するために自宅で自己注射に使用されるもの等のペン注射デバイスが挙げられる。皮内および皮下送達は、他の好適な経路である。好適なデバイスとしては、注射器および針、短針付注射器、およびジェット注射デバイスが挙げられる。
【0102】
組成物は、粘膜経路によって、例えば、鼻腔内に投与されてもよい。多くの鼻腔内送達デバイスが、入手可能であり、当技術分野において周知である。噴霧デバイスは、そのようなデバイスの1つである。経口投与は、嚥下するために対象に溶液を提供することのように単純であり得る。
【0103】
ワクチンは、単一の部位に投与されてもよく、または複数の部位に投与されてもよい。複数の部位の場合、投与の経路は、例えば、異なる筋肉への注射等、各部位で同じであってもよく、または例えば、筋肉への注射および鼻腔内噴霧等、異なっていてもよい。さらに、ワクチンは、単一の時点にて投与されてもよく、または複数の時点にて投与されてもよい。概して、複数の時点にて投与される場合、用量間の時間は、免疫応答を向上させるように決定されている。
組換え発現ベクター、ウイルスベクター、およびウイルス様粒子
【0104】
一実施形態では、少なくとも1つのHSV2免疫原であって、該免疫原およびその対応する指定の抗原に対する免疫応答を誘発する、HSV2免疫原をコードするポリヌクレオチド配列を含む、組換え発現ベクターが提供される。免疫原の効率的な転写および翻訳を得るために、各ベクターの中のコード化ポリヌクレオチド配列は、コード化ポリヌクレオチド配列に動作可能に結合され、本明細書でさらに詳細に説明される、少なくとも1つの適切な発現制御配列(調節発現配列または特徴とも呼ばれる)(例えば、プロモーター、エンハンサー、リーダー)を含む。したがって、これらの組換え発現ベクターは、組換え発現ベクターまたは組換え発現ベクターを含有するベクター粒子を用いて変換、形質導入、または形質移入された任意の適切な宿主細胞において、免疫原の発現を方向付ける、または少なくとも2つの免疫原の共発現を方向付けるために提供される。
【0105】
本明細書で説明される組換え発現ベクターは、1つ以上の HSV−2 免疫原(すなわち、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの免疫原等)をコードしてもよく、その免疫原は、本明細書でさらに詳細に説明される。特定の実施形態では、HSV−2に由来する少なくとも1、2、または3つ以上の免疫原が、組換え発現ベクターによってコードされ得る。例として、免疫原は、HSV−2タンパク質、例えば、UL19(例えば、UL19上方ドメイン断片またはその免疫原性断片もしくは変異体)および/またはgD(またはその免疫原性断片もしくは変異体)およびまたはUL47(またはその免疫原性断片もしくは変異体)等であってもよく、またはHSV−2タンパク質の別の免疫原性断片もしくは領域であってもよい。
A. タンパク質の組換え産生
【0106】
免疫原をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターは、免疫原の産生のために使用され得る。組換え発現ベクターは、プロモーターまたはエンハンサー等の、免疫原をコードするポリヌクレオチドに動作可能に結合される少なくとも1つの調節発現配列を含む。発現ベクターの各々は、適切な宿主細胞を、対応する免疫原の組換え産生のために変換するために、変換器に、または形質移入するために使用され得る。免疫原の産生に好適な宿主細胞としては、原核生物、酵母、および高等真核細胞(例えば、CHOおよびCOS)が挙げられる。免疫原はそれぞれ、タンパク質分野において既知であり、また日常的に実践される種々の単離方法(例えば、濾過、血液透析濾過、クロマトグラフィ(親和性クロマトグラフィ、高圧液体クロマトグラフィを含む)、および分取電気泳動)のうちの任意のものを用いて、それぞれの宿主細胞または宿主細胞培養物から単離され得る。特定の実施形態では、本明細書で説明される通り、単離された免疫原は、次に薬学的に好適な賦形剤とともに製剤化されて、免疫原性組成物を提供することができる。
【0107】
組換え的にポリペプチドを産生するための特定の方法は、概して周知であり、日常的に使用される。例えば、分子生物学手順は、Sambrookらによって説明される(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1989、Sambrook et al., 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, New York, (2001)も参照)。 DNA配列決定は、Sanger et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463 (1977))およびAmersham International plc sequencing handbookに説明されるように実施され得、またそれに対する改良を含む。
B. 対象へのタンパク質の送達のための組換え発現ベクター
【0108】
組換え発現ベクターは、本明細書で説明される免疫原のうちのいずれか1つ以上の発現に使用されてもよい。特定の実施形態では、組換え発現ベクターは、所望の免疫応答(すなわち、特異的液性応答(すなわち、B細胞応答)ならびに/または免疫原特異的CD4および/もしくはCD8T細胞応答を含んでもよく、CD8T細胞応答は、細胞毒性T細胞(CTL)応答を含んでもよい、特異的細胞媒介免疫応答の誘発)を誘発するであろう、適切な細胞(例えば、抗原提示細胞、すなわち、樹状細胞等の、その細胞表面上でペプチド/MHC複合体を表す細胞)または組織(例えば、リンパ系組織)に送達される。したがって、組換え発現ベクターはまた、例えば、Bリンパ球、Tリンパ球、または樹状細胞特異的TRE等のリンパ系組織特異的転写調節要素(TRE)を含んでもよい。リンパ系組織特異的TREは、当技術分野において既知である(例えば、Thompson et al., Mol.Cell.Biol.12, 1043−53(1992); Todd et al., J. Exp.Med.177, 1663−74(1993); Penix et al., J. Exp.Med.178:1483−96
(1993)を参照)。
【0109】
特定の実施形態では、組換え発現ベクターは、プラスミドDNAまたはコスミドDNAである。本明細書で説明されるような免疫原をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含有する、プラスミドDNAまたはコスミドDNAは、当技術分野で周知である標準技法を使用して、容易に構築される。ベクターゲノムは、パッケージングまたは産生細胞株に形質移入することができる、プラスミド形態で典型的に構築されてもよい。プラスミドは、概して、細菌の中のプラスミドの複製に有用な配列を含む。そのようなプラスミドは、当技術分野で周知である。加えて、複製の原核生物起源を含むベクターもまた、その発現が薬剤耐性等の検出可能または選択可能なマーカーを与える、遺伝子を含んでもよい。典型的な細菌薬剤耐性生成物は、アンピシリンまたはテトラサイクリンに対する耐性を与えるものである。正しいヌクレオチド配列がプラスミドに組み込まれていることを確認する分析のために、プラスミドは、大腸菌の中で複製され、精製され、制限エンドヌクレアーゼ消化および/または従来の方法によって判定されるそのヌクレオチド配列によって分析されてもよい。
C. ウイルスベクター
【0110】
他の特定の実施形態では、組換え発現ベクターは、ウイルスベクターである。例示的な組換え発現ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターゲノム、ポックスウイルスベクターゲノム、ワクシニアウイルスベクターゲノム、アデノウイルスベクターゲノム、アデノウイルス随伴ウイルスベクターゲノム、ヘルペスウイルスベクターゲノム、およびアルファウイルスベクターゲノムを含む。ウイルスベクターは、生、弱毒化、複製条件付き、または複製欠損性であってもよく、典型的には、非病原性(欠損性)の複製可能なウイルスベクターである。
【0111】
一例として、具体的実施形態では、ウイルスベクターがワクシニアウイルスベクターゲノムであるときに、目的とする免疫原をコードするポリヌクレオチドが、ワクシニアウイルスベクターの非必須部位に挿入されてもよい。そのような非必須部位は、例えば、Perkus et al., Virology 152:285 (1986); Hruby et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:3411 (1983); Weir et al., J. Virol.46:530 (1983)で説明されている。ワクシニアウイルスとともに使用するための好適なプロモーターは、P7.5(例えば、Cochran et al., J. Virol.54:30 (1985)を参照)、P11(例えば、Bertholet, et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:2096 (1985)を参照)、およびCAE−1(例えば、Patel et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:9431 (1988)を参照)を含むが、それらに限定されない。ワクシニアの高度に弱毒化された株は、ヒトで使用するためにより容認可能であり、特異的ゲノム欠損を含有する、Lister、NYVAC(例えば、Guerra et al., J. Virol.80:985−98 (2006);
Tartaglia et al., AIDS Research and Human Retroviruses 8:1445−47 (1992)を参照)、またはMVA(例えば、Gheradi et al., J. Gen.Virol.86:2925−36 (2005); Mayr et al., Infection 3:6−14 (1975)を参照)を含む。また、Hu et al.(癌治療用のベクターとしてのヤバ様疾患ウイルスの使用を説明する、J.Virol.75:10300−308 (2001))、米国特許第5,698,530号および第6,998,252号も参照されたい。また、例えば、米国特許第5,443,964号も参照されたい。また、米国特許第7,247,615号および第7,368,116号も参照されたい。
【0112】
ある実施形態では、アデノウイルスベクターまたはアデノウイルス随伴ウイルスベクターが、目的とする免疫原を発現するために使用されてもよい。いくつかのアデノウイルスベクター系およびベクターを投与するための方法が説明されている(例えば、Molin et al., J. Virol.72:8358−61 (1998); Narumi et al., Am J. Respir.Cell Mol.Biol.19:936−41 (1998); Mercier et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101:6188−93 (2004);米国特許第6,143,290号、第6,596,535号、第6,855,317号、第6,936,257号、第7,125,717号、第7,378,087号、第7,550,296号を参照)。
【0113】
レトロウイルスベクターゲノムは、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、同種指向性レトロウイルス、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および組み合わせに基づくものを含んでもよい(例えば、Buchscher et al., J. Virol.66:2731−39 (1992); Johann et al., J. Virol.66:1635−40 (1992); Sommerfelt et al., Virology 176:58−59 (1990); Wilson et al., J. Virol.63:2374−78 (1989); Miller et al., J. Virol.65:2220−24 (1991); Miller et al., Mol.Cell Biol.10:4239 (1990); Kolberg, NIH Res.4:43 1992; Cornetta et al., Hum.Gene Ther.2:215 (1991)を参照)。
D. レンチウイルスベクター
【0114】
より具体的な実施形態では、組換え発現ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターゲノムである。ゲノムは、ヒト遺伝子治療用途のために識別されるものを含む、多数の好適で利用可能なレンチウイルスゲノムベースのベクターのうちのいずれかに由来することができる(例えば、Pfeifer et al., Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.2:177−211 (2001)を参照)。好適なレンチウイルスベクターゲノムは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)、HIV−2、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウマ伝染性貧血ウイルス、サル免疫不全ウイルス(SIV)、およびマエディ/ビスナウイルスに基づくものを含む。レンチウイルスの望ましい特性は、それらが分裂および非分裂細胞の両方に感染することができるが、標的細胞は分裂細胞である必要はなく、または分裂するように刺激される必要がない。概して、ゲノムおよびエンベロープ糖タンパク質は、結果として生じるウイルスベクター粒子が偽型であるように、異なるウイルスに基づくであろう。ベクターゲノムの安全性特徴が、望ましくは組み込まれる。安全性特徴は、自己不活性化LTRおよび非統合ゲノムを含む。例示的なベクターは、パッケージングシグナル(psi)、Rev応答要素(RRE)、スプライスドナー、スプライス受容体、中央ポリプリン路(cPPT)、およびWPRE要素を含有する。ある例示的な実施形態では、ウイルスベクターゲノムは、HIV−1ゲノムまたはSIVゲノム等のレンチウイルスゲノムからの配列を含む。ウイルスゲノム構造は、レンチウイルスの5’および3’LTRからの配列を含んでもよく、具体的には、レンチウイルスの5’LTRおよびレンチウイルスの不活性化または自己不活性化3’LTRからのRおよびU5配列を含む。LTR配列は、任意の種からの任意のレンチウイルスからのLTR配列であってもよい。例えば、それらは、HIV、SIV、FIV、またはBIVからのLTR配列であってもよい。典型的には、LTR配列は、HIV LTR配列である。
【0115】
ベクターゲノムは、不活性化または自己不活性化3’LTRを含んでもよい(例えば、Zufferey et al., J. Virol.72: 9873, 1998; Miyoshi et al., J. Virol.72:8150, 1998を参照、その両方ともそれらの全体で組み込まれる)。自己不活性化ベクターは、概して、ベクター統合中に5’LTRの中へコピーされる、3’長末端反復(LTR)からのエンハンサーおよびプロモーター配列の欠失を有する。ある場合において、3’LTRのU3要素は、そのエンハンサー配列、TATAボックス、Sp1、およびNF−カッパB部位の欠失を含有する。自己不活性化3’LTRの結果として、入力および逆転写後に生成されるプロウイルスは、不活性化5’LTRを含むであろう。根拠は、ベクターゲノムの動員のリスクおよび近くの細胞プロモーターに対するLTRの影響を低減することによって、安全性を向上させることである。自己不活性化3’LTRは、当技術分野で公知である任意の方法によって構築されてもよい。
【0116】
任意に、レンチウイルス5’LTRからのU3配列は、異種プロモーター配列等のウイルス構造の中のプロモーター配列と交換されてもよい。これは、パッケージング細胞株から回収されたウイルスの力価を増加させることができる。エンハンサー配列もまた、含まれてもよい。パッケージング細胞株の中のウイルスRNAゲノムの発現を増加させる、任意のエンハンサー/プロモーターの組み合わせが使用されてもよい。一実施例では、CMVエンハンサー/プロモーター配列が使用される(例えば、米国特許第5,385,839号および第5,168,062号を参照)。
【0117】
ある実施形態では、統合欠損性となるようにレンチウイルスベクターゲノムを構築することによって、挿入突然変異のリスクが最小限化される。非統合ベクターゲノムを産生するように、種々のアプローチを追求することができる。これらのアプローチは、不活性インテグラーゼでタンパク質をコードするように、pol遺伝子のインテグラーゼ酵素構成要素に対する突然変異を操作することを伴う。ベクターゲノム自体は、例えば、一方または両方の付着部位を突然変異または欠失させること、あるいは欠失または修飾を通して3’LTR近位ポリプリン路(PPT)を非機能的にすることによって、統合を防止するように修飾することができる。加えて、非遺伝学的アプローチが利用可能であり、これらは、インテグラーゼの1つ以上の機能を阻害する医薬剤を含む。アプローチは、相互排他的ではなく、つまり、それらのうちの1つよりも多くを一度に使用することができる。例えば、インテグラーゼおよび付着部位は、非機能的となり得る、またはインテグラーゼおよびPPT部位は、非機能的となり得る、または付着部位およびPPT部位は、非機能的となり得る、またはそれらの全ては、非機能的となり得る。
【0118】
インテグラーゼは、ウイルス二本鎖平滑末端DNAの開裂、および染色体標的部位の二本鎖の中の5’−リン酸塩に末端を接合することに関与する。インテグラーゼは、亜鉛結合モチーフ(HHCC)を含有するN末端ドメイン、触媒コアおよび逆DD35Eモチーフ(HIV−1の中のD64、D116、E152)を含有する中央ドメインコア、およびDNA結合性質を有するC末端ドメインといった、3つの機能ドメインを有する。インテグラーゼに導入される点突然変異は、正常な機能を乱すために十分である。多くのインテグラーゼ突然変異が構築され、特徴付けられている(例えば、Philpott and Thrasher, Human Gene Therapy 18:483, 2007; Apolonia, Thesis submitted to University College London, April 2009, pp, 82−97; Engelman et al., J. Virol.69: 2729, 1995; Nightingale et al., Mol.Therapy, 13: 1121, 2006を参照)。インテグラーゼタンパク質をコードする配列は、好ましくは、逆転写酵素活性または核標的化を有意に低下することなく、タンパク質を不活性にするように欠失または突然変異させることができ、それにより、標的細胞ゲノムに対するプロウイルスの統合を防止するのみである。容認可能な突然変異は、インテグラーゼ触媒作用、鎖移転、att部位に対する結合、宿主染色体DNAに対する結合、および他の機能を低減することができる。例えば、HIVまたはSIVインテグラーゼの残基35における単一のアスパラギン酸からアスパラギンに対する置換が、ウイルスDNA統合を完全に無効にする。インテグラーゼの欠失は、概して、C末端ドメインに限定されるであろう。残基235−288のためのコード配列の欠失は、有用な非機能的インテグラーゼをもたらす(例えば、Engelman et al., J. Virol.69:2729, 1995を参照)。さらなる実施例として、例えば、Asp64(残基番号がHIV−1に対して与えられ、他のレンチウイルスまたはレトロウイルスからのインテグラーゼに対する対応残基番号は、当業者によって容易に判定することができる)(例えば、D64E、D64V)、Asp116(例えば、D116N)、Asn120(例えば、N120K)、Glu152、Gln148(例えば、Q148A)、Lys156、Lys159、Trp235(例えば、W235E)、Lys264(例えば、K264R)、Lys266(例えば、K266R)、Lys273(例えば、K273R)といった、突然変異を生成することができる。他の突然変異を構築し、統合、導入遺伝子発現、および任意の他の望ましいパラメータについて試験することができる。これらの機能の分析は周知である。突然変異は、核酸配列の部位指向性突然変異生成および化学合成を含む、種々の技法のうちのいずれかによって生成することができる。1つの突然変異を行うことができ、またはこれらの突然変異のうちの1つより多くは、インテグラーゼの中に存在することができる。例えば、インテグラーゼは、2つのアミノ酸、3つのアミノ酸、4つのアミノ酸等において突然変異を有してもよい。
【0119】
代替として、またはインテグラーゼ突然変異体の使用と組み合わせて、U3およびU5の中の付着部位(att)も突然変異させることができる。インテグラーゼは、これらの部位に結合し、3’−末端ジヌクレオチドは、ベクターゲノムの両端において開裂される。CAジヌクレオチドは、陥凹3’末端に位置し、CAは、処理のために必要とされ、ヌクレオチドの突然変異は、宿主染色体に対する統合を阻止する。CAジヌクレオチドのAは、統合のための最重要ヌクレオチドであり、ゲノムの両端における突然変異は、最良の結果を生じるであろう(例えば、Brown et al., J. Virol.73:9011 (1999)を参照)。1つの例示では、各端におけるCAは、TGに変更される。他の例示では、各端におけるCAは、一方の端ではTG、他方の端ではGTに変更される。他の例示では、各端におけるCAが欠失され、他の例示では、CAのAが各端において欠失される。
【0120】
統合はまた、3’LTRの近位に位置する、ポリプリン路(PPT)の突然変異または欠失によって阻害することもできる(例えば、第WO 2009/076524号を参照)。PPTは、プラス鎖DNA合成のためのプライマー結合部位としての機能を果たすことができる、約15個のヌクレオチドのポリプリン配列である。この場合において、PPTの突然変異または欠失は、逆転写過程を標的にする。特定の機構にとらわれることを所望するわけではないが、PPTを突然変異または欠失させることによって、線形DNAの産生が根本的に低減され、本質的に1−LTR DNAサークルのみが産生される。統合は、線形二本鎖DNAベクターゲノムを必要とし、統合は、それがないと本質的に排除される。本明細書で記述されるように、PPTは、突然変異によって、または欠失によって、非機能的にすることができる。典型的には、約15ntのPPT全体が欠失されるが、いくつかの実施形態では、14nt、13nt、12nt、11nt、10nt、9nt、8nt、7nt、6nt、5nt、4nt、3nt、および2ntのより短い欠失が行われてもよい。突然変異が行われるときに、典型的には、特にPPTの5’半分の中で行われる(例えば、McWilliams et al., J. Virol.77:11150, 2003を参照)が、最初の4つの塩基の中の単一または二重突然変異は、依然として転写を低減させる。PPTの3’末端において行われる突然変異は、概して、より劇的な影響を及ぼす(例えば、Powell et al., J. Virol.70:5288, 1996を参照)。
【0121】
U3領域は、直接上流にPPT(ポリプリン路)配列を含んでもよい。ある具体的実施形態では、(3’末端における)少なくとも3つの異なるU3領域のうちのいずれか1つが、レンチウイルスベクターに含まれてもよい(配列番号13−15を参照)。構造は、U3領域内に欠失を含有する。SIN構造は、TATAボックスを除去し、それにより、LTRプロモーター活性を無効にする、U3内の約130個のヌクレオチドの欠失を有する(例えば、Miyoshi, et al. J. Virol.72: 8150, 1998; Yu et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83: 3194, 1986を参照)。構造703および704内の欠失は、レンチウイルスベクターからの発現を増加させる(例えば、Bayer et al., Mol.Therapy 16: 1968, 2008を参照)。加えて、構造704は、ベクターの統合を減少させる、3’PPTの欠失を含有する(例えば、第WO 2009/076524号を参照)。また、それぞれ参照によりその全体が組み込まれる、米国特許出願第12/842,609号および国際特許出願公開第WO2011/011584号(国際特許出願第PCT/US10/042870号)も参照されたい。
【0122】
ベクターゲノムを非統合性にするためのこれらの異なるアプローチは、個別に、または組み合わせて使用され得る。複数のアプローチを使用することは、重複機構を通してフェイルセーフベクターを構築するために使用されてもよい。したがって、PPT突然変異もしくは欠失は、att部位突然変異もしくは欠失と、またはインテグラーゼ突然変異と組み合わせることができ、あるいはPPT突然変異もしくは欠失は、att部位突然変異もしくは欠失およびインテグラーゼ突然変異の両方と組み合わせることができる。同様に、att部位突然変異もしくは欠失およびインテグラーゼ突然変異は、相互に組み合わせられてもよく、またはPPT突然変異もしくは欠失と組み合わせられてもよい。
【0123】
本明細書で説明される通り、レンチウイルスベクター構造はまた、ほ乳類細胞内での発現のためのプロモーターを含有してもよい。本明細書でさらに詳細に考察されるプロモーターとしては、例えば、ヒトユビキチンCプロモーター(UbiC)、サイトメガロウイルス前初期プロモーター(CMV)、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターが挙げられる。
E. ウイルス様粒子
【0124】
種々の実施形態では、免疫原およびそのそれぞれの指定の抗原に対する免疫応答を誘発する少なくとも1つのHSV2免疫原を含むウイルス様粒子(VLP)が、提供される。
【0125】
HSV−1またはHSV−2ウイルス様粒子は、VP5、VP19、VP23、VP22a、および成熟プロテアーゼ(UL26遺伝子産生物)を生体外で自己組織化させることによって、調製され得る。例えば、Newcomb et al., J. Virol, Sept.1994, 6059−6063.;Newcomb et al., J.Mol.Biol., 263;432−446 (1996);Thomsen et al.,J Virol, April 1994, 2442−2457を参照されたく、全てその全体が参照により組み込まれる。本明細書で説明されるウイルス様粒子は、1つ以上のHSV−2免疫原(すなわち、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの免疫原等)を含むことができ、その免疫原は、本明細書でさらに詳細に説明される。特定の実施形態では、HSV−2に由来する少なくとも1つ、2つ、または3つ以上の免疫原が、ウイルス様粒子内に封入され得る、またはそれと関連付けられ得る。例として、免疫原は、HSV−2タンパク質、例えば、UL19(例えば、UL19上方ドメイン断片またはその免疫原性断片もしくは変異体)および/またはgD(またはその免疫原性断片もしくは変異体)および/またはUL47(またはその免疫原性断片もしくは変異体)等であってもよく、またはHSV−2タンパク質の別の免疫原性断片もしくは領域であってもよい。
調節発現配列
【0126】
本明細書で説明されるように、組換え発現ベクターは、少なくとも1つの調節発現配列を含む。ある実施形態では、組換え発現ベクターがウイルスベクターゲノムを含むときに、少なくとも1つの免疫原の発現が、特定の標的細胞内で所望される。典型的には、例えば、レンチウイルスベクターでは、免疫原をコードするポリヌクレオチド配列が、5’LTRおよび3’LTR配列の間に位置する。さらに、コード化ヌクレオチド配列は、好ましくは、他の遺伝子または調節配列または特徴、例えば、特定の方式で免疫原の発現を調節する、プロモーターまたはエンハンサーを含む転写調節配列との機能的関係で、動作可能に結合される。ある場合においては、有用な転写調節配列は、時間的および空間的の両方で、活性に対して高度に調節されるものである。コードされたポリペプチドの発現を調節するために使用され得る、発現制御要素は、当技術分野で公知であり、誘導型プロモーター、構成的プロモーター、分泌シグナル、エンハンサー、および他の調節配列を含むが、それらに限定されない。
【0127】
免疫原および任意の他の発現可能配列をコードする、ポリヌクレオチドは、典型的には、内部プロモーター/エンハンサー調節配列と機能的関係にある。レンチウイルスベクター構造に関して、「内部」プロモーター/エンハンサーは、ウイルスベクター内の5’LTRおよび3’LTR配列の間に位置し、目的とするコード化ポリヌクレオチド配列に動作可能に結合されるものである。内部プロモーター/エンハンサーは、それと機能的関係にある遺伝子の発現を増加させることが知られている、任意のプロモーター、エンハンサー、またはプロモーター/エンハンサーの組み合わせであってもよい。「機能的関係」および「動作可能に結合される」とは、制限なく、プロモーターおよび/またはエンハンサーが適切な分子と接触させられたときに目的とする配列が発現されるように、配列が、プロモーターおよび/またはエンハンサーに対して正しい場所および配向にあることを意味する。
【0128】
内部プロモーター/エンハンサーの選択肢は、免疫原の所望の発現パターンおよび既知のプロモーター/エンハンサーの特異的性質に基づく。したがって、内部プロモーターは、構成的に活性であってもよい。使用され得る、構成的プロモーターの非限定的実施例は、ユビキチン(例えば、米国特許第5510474号、第WO 98/32869号を参照)、CMV(例えば、Thomsen et al., Proc.Natl. Acad.Sci.USA 81:659, 1984;米国特許第5168062号を参照)、ベータアクチン(Gunning et al. 1989 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4831−4835)、およびpgk(例えば、Adra et al. 1987 Gene 60:65−74; Singer−Sam et al. 1984 Gene 32:409−417;およびDobson et al. 1982 Nucleic Acids Res.10:2635−2637を参照)のためのプロモーターを含む。
【0129】
代替として、プロモーターは、組織特異的プロモーターであってもよい。いくつかの実施形態では、プロモーターは、標的細胞特異的プロモーターである。樹状細胞を標的することは、免疫応答、特に、HSV−2に関する免疫に有用な細胞障害応答を強化し得る。例えば、プロモーターは、CD11c、CD103、TLR、DC−SIGN、BDCA−3、DEC−205、DCIR2、マンノース受容体、デクチン−1、Clec9A、MHCクラスIIを含む、樹状細胞によって発現される任意の生成物から由来のものとなり得る。加えて、プロモーターは、免疫原の誘発型発現を可能にするように選択されてもよい。テトラサイクリン応答系、lacオペレーター・リプレッサー系、ならびに熱ショック、メタロチオネインプロモータ等の金属イオン、インターフェロン、低酸素症、プロゲステロンまたはグルココルチコイド受容体プロモーター等のステロイド、VEGFプロモーター等の放射を含む、種々の環境または生理学的変化に応答するプロモーターを含む、誘導型発現のためのいくつかの体系が当技術分野で公知である。プロモーターの組み合わせはまた、免疫原をコードするポリヌクレオチド配列のうちのそれぞれの所望の発現を得るために使用されてもよい。当業者であれば、生物または目的とする標的細胞内のポリヌクレオチド配列の所望の発現パターンに基づいて、プロモーターを選択することができるであろう。
【0130】
ウイルスベクターゲノムを含む、組換え発現ベクターは、少なくとも1つのRNAポリメラーゼIIまたはIII応答プロモーターを含んでもよい。このプロモーターは、目的とするポリヌクレオチド配列に動作可能に結合することができ、また、終止配列に結合することもできる。加えて、1つよりも多くのRNAポリメラーゼIIまたはIIIプロモーターが組み込まれてもよい。RNAポリメラーゼIIおよびIIIプロモーターは、当業者に周知である。好適な一連のRNAポリメラーゼIIIプロモーターは、例えば、Paule and White, Nucleic Acids Res., Vol.28, pp 1283−1298 (2000)で見出すことができる。RNAポリメラーゼIIまたはIIIプロモーターはまた、下流RNAコード配列を転写するようにRNAポリメラーゼIIまたはIIIに指図することができる、任意の合成または工学的DNA断片を含む。さらに、RNAポリメラーゼIIまたはIII(Pol IIまたはIII)プロモーター、あるいはウイルスベクターゲノムの一部として使用されるプロモーターは、誘導型となり得る。任意の好適な誘導型Pol IIまたはIIIプロモーターを、本明細書で説明される方法とともに使用することができる。特に適するOhkawa
and Taira, Human Gene Therapy, 11:577−585 (2000)およびMeissner et al., Nucleic Acids Res., 29:1672−1682 (2001)に提供されるPol IIまたはIIIプロモーターとしては、テトラサイクリン応答プロモーターが挙げられる。
【0131】
内部エンハンサーはまた、目的とするポリヌクレオチド配列の発現を増加させるように、ウイルスベクターゲノムを含む組換え発現ベクターの中に存在してもよい。例えば、CMVエンハンサー(例えば、Boshart et al., Cell 41:521, 1985を参照)が使用されてもよい。HIV、CMV等のウイルスゲノム内、およびほ乳類ゲノム内の多くのエンハンサーが識別され、特徴付けられている(例えば、GenBank等の公的に利用可能なデータベースを参照)。エンハンサーは、異種プロモーターと組み合わせて使用することができる。当業者であれば、所望の発現パターンに基づいて適切なエンハンサーを選択することができるであろう。
【0132】
特定の標的細胞に対するウイルスベクターゲノムを含む組換え発現ベクターの送達を標的にするとき、ベクターゲノムは、通常、標的細胞によって認識され、目的とする配列、ウイルス構成要素(ベクターがウイルスベクターであるとき)、および本明細書で論議される他の配列に動作可能に結合される、プロモーターを含有するであろう。プロモーターは、RNAポリメラーゼに対する結合および転写が起こることを可能にする、核酸配列によって形成される発現制御要素である。プロモーターは、誘発型、構成的、時間的に活性、または組織特異的であってもよい。誘発型プロモーターの活性は、生物または非生物因子の存在または不在によって誘発される。誘発型プロモーターは、生物の発達のある段階、その製造、または特定の細胞で、それらが動作可能に結合される遺伝子の発現をオンまたはオフにすることができるため、遺伝子工学において有用なツールとなり得る。誘導型プロモーターは、化学的に調節されたプロモーター、および物理的に調節されたプロモーターとしてグループ化することができる。典型的な化学的に調節されたプロモーターは、アルコール調節プロモーター(例えば、アルコールデヒドロゲナーゼI(alcA)遺伝子プロモーター)、テトラサイクリン調節プロモーター(例えば、テトラサイクリン応答プロモーター)、ステロイド調節プロモーター(例えば、ラットグルココルチコイド受容体(GR)ベースのプロモーター、ヒトエストロゲン受容体(ER)ベースのプロモーター、蛾のエクジソン受容体ベースのプロモーター、およびステロイド/レチノイド/甲状腺受容体スーパーファミリーに基づくプロモーター)、金属調節プロモーター(例えば、メタロチオネイン遺伝子ベースのプロモーター)、および病原性関連プロモーター(例えば、シロイヌナズナおよびトウモロコシ病原体関連(PR)タンパク質ベースのプロモーター)を含むが、それらに限定されない。典型的な物理的に調節されたプロモーターは、温度調節プロモーター(例えば、熱ショックプロモーター)、および光調節プロモーター(例えば、ダイズSSUプロモーター)を含むが、それらに限定されない。他の例示的なプロモーターは、他の場所で、例えば、米国特許商標局のデータベースを検索することによって識別することができる、特許および公開特許出願で説明されている。
【0133】
当業者であれば、特定の状況に基づいて適切なプロモーターを選択することができるであろう。プロモーターを発現されるポリヌクレオチド配列に動作可能に結合するための方法のように、多くの異なるプロモーターが当技術分野で周知である。天然プロモーター配列および多くの異種プロモーターの両方が、パッケージング細胞および標的細胞内の発現を指図するために使用されてもよい。典型的には、異種プロモーターは、概して、天然プロモーターと比較して、所望のタンパク質のより優れた転写および高い収率を可能にするために使用される。
【0134】
プロモーターは、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、およびシミアンウイルス40(SV40)等のウイルスのゲノムから得られてもよい。プロモーターはまた、そのようなプロモーターが標的細胞と適合するならば、例えば、異種ほ乳類プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーター、熱ショックプロモーター、または天然配列と通常は関連付けられるプロモーターである。一実施形態では、プロモーターは、ウイルス発現系内の天然発生ウイルスプロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、樹状細胞特異的プロモーターである。樹状細胞特異的プロモーターは、例えば、CD11cプロモーターとなり得る。
【0135】
転写は、エンハンサー配列をベクターに挿入することによって増加させられてもよい。エンハンサーは、典型的には、通常約10〜300塩基対の長さであり、プロモーターに作用してその転写を増加させる、DNAのcis作用要素である。多くのエンハンサー配列は、現在、ほ乳類遺伝子(グロブリン、エラスターゼ、アルブミン、アルファフェトプロテイン、およびインスリン)から、および真核細胞ウイルスから知られている。例としては、複製起点の後半側のSV40エンハンサー(塩基対100〜270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後半側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。エンハンサーは、抗原特異的ポリヌクレオチド配列に対する位置5’または3’においてベクターに挿入されてもよいが、好ましくは、プロモーターからの部位5’に位置する。
【0136】
発現ベクターはまた、転写の終止のため、およびmRNAを安定させるために必要な配列を含有してもよい。これらの配列は、しばしば、真核生物またはウイルスDNAまたはcDNAの5’および時には3’非翻訳領域で見出され、当技術分野で周知である。
【0137】
ウイルスベクターゲノムを含む、組換え発現構造はまた、付加的な遺伝要素を含有してもよい。構造に含まれ得る要素の種類は、決して限定されず、特定の結果を達成するように選択されてもよい。例えば、標的細胞内の組換え発現ベクターまたはウイルスゲノムの核移行を促進するシグナルが、含まれてもよい。そのようなシグナルの実施例は、HIV−1フラップシグナルである。標的細胞内のプロウイルス統合部位の特性化を促進する、付加的な調節配列が含まれてもよい。例えば、tRNAアンバーサプレッサー配列が、構造に含まれてもよい。例えば、ニワトリβ−グロビンからの絶縁体配列もまた、ウイルスゲノム構造に含まれてもよい。この要素は、メチル化および異質染色質化により、標的細胞内の統合プロウイルスをサイレンシングする機会を低減させる。加えて、絶縁体は、染色体上の統合部位における周辺DNAからの正または負の位置効果から、内部エンハンサー、プロモーター、および外因性ポリヌクレオチド配列を保護してもよい。加えて、ベクターゲノムを含む組換え構造は、目的とする遺伝子の発現を強化するように設計されている、1つ以上の遺伝要素を含有してもよい。例えば、ウッドチャック肝炎ウイルス応答要素(WRE)が、構造の中へ配置されてもよい(例えば、Zufferey et al. 1999.J.Virol.74:3668−81; Deglon et al., 2000.Hum.Gene Ther.11:179−90を参照)。
【0138】
組換え発現ベクターがウイルスベクターゲノムであるときに、ウイルスベクターゲノムは、典型的には、ウイルスベクターゲノム構造の産生のためにパッケージングまたは産生細胞株に形質移入され得る、プラスミド内で構築される。プラスミドは、概して、細菌内のプラスミドの複製のために有用な配列を含む。そのようなプラスミドは、当技術分野で周知である。加えて、複製の原核生物起源を含むベクターもまた、その発現が薬剤耐性等の検出可能または選択可能なマーカーを与える、遺伝子を含んでもよい。典型的な細菌薬剤耐性生成物は、アンピシリンまたはテトラサイクリンに対する耐性を与えるものである。
【0139】
ある構成では、組換え発現ベクターは、樹状細胞(DC)成熟/刺激因子をコードする、ポリヌクレオチド配列を含有する。例示的な刺激性分子は、GM−CSF、IL−2、IL−4、IL−6、IL−7、IL−15、IL−21、IL−23、TNFα、B7.1、B7.2、4−1BB、CD40リガンド(CD40L)、薬剤誘発型CD40(iCD40)、および同等物を含む。これらのポリヌクレオチドは、典型的には、樹状細胞内のコード配列の発現を指図する、1つ以上の調節要素の制御下にある。特定の他の具体的実施形態では、免疫原およびGM−CSFの両方をコードするヌクレオチド配列の発現を方向付ける、およびそれを含む組換え発現ベクターは、除外される。樹状細胞の成熟は、成功したワクチン接種に寄与する(例えば、Banchereau et al., Nat.Rev.Immunol.5:296−306 (2005); Schuler et al., Curr.Opin.Immunol.15:138−147 (2003); Figdor et al., Nat.Med.10:475−480 (2004)を参照)。成熟は、T細胞プライミングのために特殊化された細胞の中への抗原捕捉に活発に関与する細胞からDCを変換することができる。例えば、CD4−ヘルパーT細胞上のCD40LによるCD40の係合は、DC成熟のための重要なシグナルであり、CD8+T細胞の強力な活性化をもたらす。そのような刺激性分子はまた、成熟因子または成熟刺激因子とも呼ばれる。免疫チェックポイントは、癌における機能的細胞生免疫の活性化に対する有意な障壁を表し、CTLA4およびプログラム死1(PD−1)を含むT細胞上の阻害リガンドに特異的なアンタゴニスト抗体は、臨床で評価されている標的作用物質の実施例である。慢性感染症および癌における有意な耐性機構は、高レベルのPD−1を発現する、抗原特異的T細胞の機能的消耗である。慢性感染症および癌における有意な耐性機構は、高レベルのPD−1を発現する、抗原特異的T細胞の機能的消耗である。非限定的実施例として、治療免疫の有効性が、免疫チェックポイント制御との組み合わせによって有意に強化されることが示されているため、免疫チェックポイントを阻害することに対する代替的なアプローチは、プログラム死(PD)リガンド1および2(PD−L1/L2)の発現を阻害することであると当業者によって理解することができる。阻害を達成するための1つの方法は、関連分子のうちの1つ以上をコードする、レンチウイルスベクターゲノム等のウイルスベクターゲノムが形質導入されたDC内のPD−L1/L2の発現を抑制する、本明細書で説明されるもの等のRNA分子の発現によるものである。DCの成熟または免疫チェックポイント、例えば、PD−1リガンド等の特定の要素の発現は、MHC II等の表面マーカーの上方調節のフローサイトメトリ分析によって、ならびに例えば、本明細書で説明される技法および方法を行うことによる、発現されたケモカインおよびサイトカインのプロファイリングによって、特徴付けることができる。
【0140】
検出可能な生成物、通常は、タンパク質をコードする配列を、所望の免疫原を発現している細胞の識別を可能にするように含むことができる。例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光マーカータンパク質が、目的とするポリヌクレオチド配列とともに組換え発現構造に組み込まれる(すなわち、少なくとも1つの免疫原をコードする)。他の場合において、タンパク質は、抗体によって検出可能であってもよく、またはタンパク質は、検出可能な生成物を生じるように物質に作用する酵素であってもよく、または形質移入あるいは形質導入標的細胞の選択を可能にする、例えば、ハイグロマイシン耐性等の薬剤耐性を与える、タンパク質生成物であってもよい。典型的な選択遺伝子は、真核細胞で使用するために好適な抗生物質または他の毒素、例えば、当技術分野で公知である中でも、ネオマイシン、メトトレキサート、ブラストサイジンに対する耐性を与える、または栄養要求性欠損を補完する、または媒体から保留された重要な栄養素を供給する、タンパク質をコードする。選択可能なマーカーは、任意に、別個のプラスミド上に存在し、共トランスフェクションによって導入することができる。
【0141】
本明細書で説明されるベクター粒子に関して、免疫原をコードするポリヌクレオチド配列、および本明細書で説明されるようなエンベロープ分子をコードする配列、またはパッケージング細胞内の所望のベクター粒子の産生のために必要な1つ以上のDC突然変異因子のうちの2つ以上を含む、1つ以上のマルチシストロン性発現単位が使用されてもよい。マルチシストロン性ベクターの使用は、必要とされる核酸分子の総数を削減し、したがって、複数のベクターゲノムからの協調発現と関連付けられる、起こり得る困難を回避するかもしれない。マルチシストロン性ベクターでは、発現される種々の要素は、1つ以上のプロモーター(および必要に応じて他の発現制御要素)に動作可能に結合される。いくつかの構成では、マルチシストロン性ベクターは、少なくとも1つの(すなわち、1つ以上の)目的とする免疫原をコードする配列、レポーター生成物をコードする配列、および1つ以上のベクター粒子構成要素をコードする配列を含む。組換え構造が免疫原をコードするポリヌクレオチドを含む、ある実施形態では、構造は、任意に、DC成熟因子をコードする。ある他の実施形態では、マルチシストロン性ベクターは、免疫原、DC成熟因子、および任意に発現ベクターがウイルス発現ベクターであるときにウイルス構成要素のうちのそれぞれをコードする、ポリヌクレオチド配列を含む。また他の実施形態では、マルチシストロン性ベクターは、発現を方向付け、少なくとも2つ以上の免疫原をコードする。
【0142】
マルチシストロン性発現ベクター内で発現される各構成要素は、同一のプロモーターからの種々のタンパク質の別個の発現を可能にするように、例えば、内部リボソーム侵入部位(IRES)要素またはウイルス2A要素によって、分離されてもよい。IRES要素および2A要素は、当技術分野で公知である(例えば、米国特許第4,937,190号;de Felipe et al. 2004.Traffic 5: 616−626を参照)。一実施形態では、口蹄疫ウイルス(FMDV)、ウマ鼻炎Aウイルス(ERAV)、およびゾーシーアシグナウイルス(TaV)(例えば、Szymczak et
al. 2004 Nat. Biotechnol. 22: 589−594を参照)に由来する2A様配列と結合されたフーリン開裂部位配列(RAKR)(例えば、Fang et al. 2005 Nat. Biotech. 23: 584−590を参照)等のオリゴヌクレオチドが、マルチシストロン性ベクター内の遺伝要素を分離するために使用される。特定のマルチシストロン性ベクターの有効性は、標準プロトコルを用いて遺伝子の各々の発現を検出することによって、容易に試験され得る。
【0143】
特定の例示では、ウイルスベクターゲノムは、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター配列、HIV5’LTRからのRおよびU5配列、パッケージング配列(ψ)、HIV−1フラップシグナル、内部エンハンサー、内部プロモーター、目的とする遺伝子、ウッドチャック肝炎ウイルス応答要素、tRNAアンバーサプレッサー配列、そのエンハンサー配列の欠失を伴うU3要素、ニワトリβ−グロビン絶縁体、ならびに3’HIV LTRのRおよびU5配列を含む。いくつかの例示では、ベクターゲノムは、無傷レンチウイルス5’LTRおよび自己不活性化3’LTRを含む(例えば、Iwakuma et al. Virology 15:120, 1999を参照)。
【0144】
ベクターゲノムの構築は、制限なく、例えば、Sambrook et al.(1989 and 2001 editions; Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY); Coffin et al. (Retroviruses.Cold Spring Harbor Laboratory Press, N.Y.(1997));および“RNA Viruses: A Practical Approach” (Alan J. Cann, Ed., Oxford University Press, (2000)で説明されているような、制限エンドヌクレアーゼ消化、ライゲーション、変換、プラスミド精製、およびDNA配列決定の標準技法を含む、当技術分野で公知である任意の好適な遺伝子工学技法を使用して達成することができ、先述のそれぞれは、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0145】
ほ乳類細胞内の一過性の発現のために構築されたベクターもまた、使用されてもよい。宿主細胞が発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、順に、発現ベクター内の免疫原特異的ポリヌクレオチドによってコードされる高レベルのポリペプチドを合成するように、一過性の発現は、宿主細胞内で効率的に複製することができる発現ベクターの使用を伴う。上記のSambrook et al., pp.16.17−16.22, 1989を参照されたい。ポリペプチドの発現に対する適応のために好適な他のベクターおよび方法は、当技術分野で周知であり、特定の状況に容易に適合される。
【0146】
本明細書で提供される教示および当技術分野での知識を使用することによって、当業者であれば、レポータータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターでパッケージング細胞を形質移入し、好適な技法を使用して発現を測定する、例えば、緑色蛍光タンパク質複合体からの蛍光を測定することによって、特定の発現系の有効性を試験することができると認識するであろう。他の好適なレポーター遺伝子も、当技術分野で周知である。
【0148】
先述の詳細に説明される実施形態のいずれかに加えて、以下のうちのいずれかまたはその任意の組み合わせを含む実施形態が企図される。
【0149】
1. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0150】
(i) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質、またはその免疫学的断片と、
【0151】
(ii) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質、またはその免疫学的断片と、
【0152】
(iii) 任意に、先天性免疫を活性化する薬剤と、
【0153】
(iv) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0154】
2. HSV−2のエンベロープ糖タンパク質は、gD2である、実施形態1の組成物。
【0155】
3. エンベロープ糖タンパク質gD2の免疫学的断片を含む、実施形態1の組成物。
【0156】
4. HSV−2の構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL19、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択される、実施形態1〜3のいずれか1つの組成物。
【0157】
5. HSV−2の構造タンパク質は、UL19である、実施形態1の組成物。
【0158】
6. HSV−2の構造タンパク質は、UL19である、実施形態2の組成物。
【0159】
7. UL19の免疫学的断片を含む、実施形態1の組成物。
【0160】
8. UL19の免疫学的断片、例えば、配列番号12を含む、実施形態2の組成物。
【0161】
9. HSV−2の構造タンパク質は、UL25である、実施形態1の組成物。
【0162】
10. HSV−2の構造タンパク質は、UL25である、実施形態2の組成物。
【0163】
11. UL25の免疫学的断片を含む、実施形態1の組成物。
【0164】
12. UL25の免疫学的断片を含む、実施形態2の組成物。
【0165】
13. HSV−2の構造タンパク質は、UL47である、実施形態1の組成物。
【0166】
14. HSV−2の構造タンパク質は、UL47である、実施形態2の組成物。
【0167】
15. UL47の免疫学的断片を含む、実施形態1の組成物。
【0168】
16. UL47の免疫学的断片を含む、実施形態2の組成物。
【0169】
17. 第2のHSV−2の構造タンパク質、またはその免疫学的断片をさらに含む、実施形態1〜16のいずれかの組成物。
【0170】
18. 第2のHSV−2の構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL19、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択され、第2の構造タンパク質は、第1の構造タンパク質に非同一である、実施形態17の組成物。
【0171】
19. 第2の構造タンパク質は、全長タンパク質である、実施形態18の組成物。
【0172】
20. 第2の構造タンパク質は、第2の構造タンパク質の免疫学的断片である、実施形態18の組成物。
【0173】
21. UL25をさらに含む、実施形態5〜8のいずれかの組成物。
【0174】
22. UL25の免疫学的断片をさらに含む、実施形態5〜8のいずれかの組成物。
【0175】
23. UL47をさらに含む、実施形態5〜8のいずれかの組成物。
【0176】
24. UL47の免疫学的断片をさらに含む、実施形態5〜8のいずれかの組成物。
【0177】
25. UL19をさらに含む、実施形態9〜12のいずれかの組成物。
【0178】
26. UL19の免疫学的断片、例えば、配列番号12をさらに含む、実施形態9〜12のいずれかの組成物。
【0179】
27. UL47をさらに含む、実施形態9〜12のいずれかの組成物。
【0180】
28. UL47の免疫学的断片をさらに含む、実施形態9〜12のいずれかの組成物。
【0181】
29. UL19を含む、実施形態13〜16のいずれかの組成物。
【0182】
30. UL19の免疫学的断片、例えば、配列番号12をさらに含む、実施形態13〜16のいずれかの組成物。
【0183】
31. UL25をさらに含む、実施形態13〜16のいずれかの組成物。
【0184】
32. UL25の免疫学的断片をさらに含む、実施形態13〜16のいずれかの組成物。
【0185】
33. 薬剤は、アジュバントである、実施形態1〜32のいずれかの組成物。
【0186】
34. アジュバントは、GLAである、実施形態33の組成物。
【0187】
35. gD2、UL25、UL19、GLAアジュバント、および薬学的に許容される担体を含む、実施形態1の組成物。
【0188】
36. gD2、UL25、およびUL19の免疫学的断片、例えば、配列番号12を含む、実施形態1の組成物。
【0189】
37. gD2、UL19、およびUL25の免疫学的断片を含む、実施形態1の組成物。
【0190】
38. UL47をさらに含む、実施形態35〜37のいずれかの組成物。
【0191】
39. UL47の免疫学的断片をさらに含む、実施形態35〜37のいずれかの組成物。
【0192】
40. ICP0またはその免疫学的断片と、UL47またはその免疫学的断片、UL19またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、UL46またはその免疫学的断片、UL39またはその免疫学的断片、UL7またはその免疫学的断片、およびUL26またはその免疫学的断片のうちの1つ以上と、を含む、実施形態1の組成物。
【0193】
41. ICP0またはその免疫学的断片と、UL47またはその免疫学的断片、UL19またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、UL46またはその免疫学的断片、UL39またはその免疫学的断片、UL7またはその免疫学的断片、およびUL26またはその免疫学的断片のうちの1つ以上と、を含む、実施形態2の組成物。
【0194】
42. ICP0またはその免疫学的断片、および2つのさらなる構造タンパク質またはその免疫学的断片を含む、実施形態40または41の組成物。
【0195】
43. UL46またはその免疫学的断片と、UL47またはその免疫学的断片、UL19またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、ICP0またはその免疫学的断片、UL39またはその免疫学的断片、UL7またはその免疫学的断片、およびUL26またはその免疫学的断片のうちの1つ以上と、を含む、実施形態1の組成物。
【0196】
44. UL46またはその免疫学的断片と、UL47またはその免疫学的断片、UL19またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、ICP0またはその免疫学的断片、UL39またはその免疫学的断片、UL7またはその免疫学的断片、およびUL26またはその免疫学的断片のうちの1つ以上と、を含む、実施形態2の組成物。
【0197】
45. UL46またはその免疫学的断片、および2つのさらなる構造タンパク質またはその免疫学的断片を含む、実施形態43または44の組成物。
【0198】
46. 対象においてHSV−2感染を治療するための方法であって、対象に、実施形態1〜45のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0199】
47. 対象においてHSV−2に対する免疫応答を生じさせるための方法であって、対象に、実施形態1〜45のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0200】
48. 対象は、HSV−2に関して血清反応陽性、およびHSV−1に関して血清反応陽性である、実施形態47の方法。
【0201】
49. 対象は、HSV−2に関して血清反応陽性、およびHSV−1に関して血清反応陰性である、実施形態47の方法。
【0203】
HSV−2のエンベロープ糖タンパク質の抗原部分と薬学的に許容される担体とを含み、抗原部分は、HSV−2のエンベロープ糖タンパク質のリーダー配列を含む、組成物。
【0204】
51. 抗原部分は、中和抗体に結合する、実施形態50の組成物。
【0205】
52. HSV−2のエンベロープ糖タンパク質は、gD2またはgB2である、実施形態50の組成物。
【0206】
53. 抗原部分は、エンベロープ糖タンパク質に由来する2つ以上の線状エピトープを含む、実施形態50〜52の組成物。
【0207】
54. 抗原部分は、エンベロープ糖タンパク質に由来する2つ以上の不連続エピトープを含む、実施形態50〜52の組成物。
【0208】
55. 先天性免疫を活性化する薬剤をさらに含む、実施形態50〜54のいずれかの組成物。
【0209】
56. 薬剤は、アジュバントである、実施形態55の組成物。
【0210】
57. アジュバントは、GLAである、実施形態56の組成物。
【0211】
58. 対象においてHSV−2またはHSV−1感染を治療するための方法であって、対象に、実施形態50〜57のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0212】
59. 対象においてHSV−2またはHSV−1に対する免疫応答を生じさせるための方法であって、対象に、実施形態50〜57のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0213】
60. 対象は、HSV−2に関して血清反応陽性、およびHSV−1に関して血清反応陽性である、実施形態58〜59の方法。
【0214】
61. 対象は、HSV−2に関して血清反応陽性、およびHSV−1に関して血清反応陰性である、実施形態58〜59の方法。
【0215】
62. 実施形態50の組成物を含むバイアルを含む、キット。
【0216】
63. 配列番号4の少なくともアミノ酸1〜336および1295〜1374が欠けている、UL19の単離された断片。
【0217】
64. 配列番号12またはその断片から成るUL19の断片を含む、単離されたポリペプチド。
【0218】
65. UL19の断片に融合される非UL19ペプチドをさらに含む、実施形態64のポリペプチド。
【0219】
66. 配列番号12の50個の隣接アミノ酸にわたり少なくとも80%同一であるアミノ酸から成るペプチドを含み、任意に、非UL19ペプチドに融合される、単離されたポリペプチド。
【0220】
67. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0221】
(i) 配列番号12のアミノ酸配列またはその免疫学的変異体もしくは断片を含むポリペプチド、あるいは実施形態63〜67のいずれかの断片もしくはポリペプチドと、
【0223】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0224】
68. アジュバントは、TLR4作動薬である、実施形態67の組成物。
【0225】
69. アジュバントは、GLA(
図1)である、実施形態68の組成物。
【0226】
70. (a)HSV−2のエンベロープタンパク質、(b)HSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質、または(c)(a)もしくは(b)の免疫学的断片のうちの任意の1つ以上をさらに含む、実施形態67の組成物。
【0227】
71. HSV−2の構造タンパク質をさらに含む、実施形態67の組成物。
【0228】
72. 構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択される、実施形態71の組成物。
【0229】
73. gD2またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、および任意に、UL47またはその免疫学的断片をさらに含む、実施形態67の組成物。
【0230】
74. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0231】
(i) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質、またはその免疫学的断片と、
【0233】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0234】
75. HSV−2のエンベロープ糖タンパク質またはその免疫学的断片は、gD2またはその免疫学的断片である、実施形態74の組成物。
【0235】
76. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0236】
(i) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質、またはその免疫学的断片と、
【0238】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0239】
77. HSV−2の構造タンパク質またはその免疫学的断片は、UL47、ICP0、UL19、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26、またはこれらのいずれかの免疫学的断片から成る群から選択される、実施形態76の組成物。
【0240】
78. 第2のアジュバントをさらに含む、実施形態33、34、56、57、66、67、および71〜77のいずれか1つの組成物。
【0241】
79. 第2のアジュバントは、例えば、TLR7作動薬またはTLR9作動薬等のTLR作動薬、ミョウバン、エマルジョン、サポニン、サイトカイン、非メチル化CpGジヌクレオチド、および修飾サポニンから成る群から選択される、実施形態78の組成物。
【0242】
80. 第2のアジュバントは、フロイント不完全アジュバント、MF−59(商標)、Montanide(商標)、AS02(商標)、AS04(商標)、QS−21(商標)、およびISCOM(商標)から成る群から選択される、実施形態78の組成物。
【0243】
81. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0244】
(i) ICP4またはその免疫学的断片と、
【0245】
(ii) gD2またはその免疫学的断片と、
【0247】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0248】
82. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0249】
(i) HSV−2のα群遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または
【0250】
(ii) HSV−2のβ1遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または
【0251】
(iii) HSV−2のβ2遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または
【0252】
(iv) HSV−2のγ1遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または
【0253】
(v) HSV−2のγ2遺伝子産生物、もしくはその免疫学的断片、および/または
【0254】
(vi) アジュバント、好ましくはGLA(
図1)、および
【0255】
(vii) 薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【0256】
83. 界面活性剤をさらに含む、実施形態1〜45、50〜57、および65〜82のいずれか1つの組成物。
【0257】
84. 対象においてHSV−2感染またはHSV−1感染を治療するための方法であって、対象に、実施形態65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0258】
85. 対象においてHSV−2またはHSV−1感染に対する免疫応答を生じさせるための方法であって、対象に、実施形態65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0259】
86. 対象は、HSV−2に関して血清反応陽性、およびHSV−1に関して血清反応陽性である、実施形態84〜85のいずれか1つの方法。
【0260】
87. 対象は、HSV−2に関して血清反応陽性、およびHSV−1に関して血清反応陰性である、実施形態85〜85のいずれか1つの方法。
【0261】
88. 投与経路は、皮内、粘膜、筋肉内、皮下、舌下、直腸内、または膣内である、実施形態83〜87のいずれか1つの方法。
【0262】
89. 対象からHSV−2の感染を低減するための方法であって、対象に、実施形態1〜45、50〜57、および65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0263】
90. 対象においてHSV−2の出芽を低減するための方法であって、対象に、実施形態1〜45、50〜57、および65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0264】
91. HSV−2感染を有する対象において損傷の頻度を低減するための方法であって、対象に、実施形態1〜45、50〜57、および65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0265】
92. HSV−2感染を有する対象において、HIVに罹患する危険性を低減するための方法であって、対象に、実施形態1〜45、50〜57、および65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0266】
93. 対象においてHSV−2に対する殺菌免疫を誘発するための方法であって、対象に、実施形態1〜45、50〜57、および65〜83のいずれか1つの組成物を投与することを含む、方法。
【0267】
94. 実施形態1〜45、50〜57、および65〜83のいずれか1つの組成物を含む、キット。
【0268】
95. 弱毒化されたHSV1またはHSV2ウイルスをさらに含む、実施形態94のキット。
【0269】
96. 不活性化されたHSV1またはHSV2ウイルスをさらに含む、実施形態94のキット。
【0270】
97. HSV1またはHSV2抗原をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターをさらに含む、実施形態94のキット。
【0271】
98. HSV1またはHSV2抗原をコードするポリヌクレオチドを含むウイルス様粒子をさらに含む、実施形態94のキット。
【0272】
99. HSV1またはHSV2抗原をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態94のキット。
【0273】
100. エンベロープ糖タンパク質および/または構造タンパク質は、異種ペプチドに融合される、実施形態1〜45のいずれか1つの組成物。
【0274】
101. HSV1および/またはHSV2抗原をコードするポリヌクレオチドを投与することをさらに含む、実施形態58〜61および84〜93のいずれか1つの方法。
【0275】
102. ポリヌクレオチドは、ウイルスベクターのゲノムの一部である、実施形態101の方法。
【0276】
103. 不活性化または弱毒化されたHSV1またはHSV2ウイルスを投与することをさらに含む、実施形態58〜61および84〜93のいずれか1つの方法。
【0277】
104. HSV1またはHSV2抗原をコードするポリヌクレオチドを含むウイルス様粒子を投与することをさらに含む、実施形態58〜61および84〜93のいずれか1つの方法。
【0278】
105. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0279】
(i) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質またはその免疫学的断片をコードする、第1のポリヌクレオチドと、
【0280】
(ii) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質またはその免疫学的断片をコードする、第2のポリヌクレオチドと、
【0281】
(iii) 任意に、アジュバント等の先天性免疫を活性化する薬剤と、
【0282】
(iv) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0283】
106. HSV−2のエンベロープ糖タンパク質は、gD2である、実施形態105の組成物。
【0284】
107. エンベロープ糖タンパク質gD2の免疫学的断片を含む、実施形態105の組成物。
【0285】
108. HSV−2の構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL19、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択される、実施形態105〜107のいずれか1つの組成物。
【0286】
109. HSV−2の構造タンパク質またはその免疫学的断片は、UL19またはその免疫学的断片である、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0287】
110. 第2のポリヌクレオチドは、UL19をコードする、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0288】
111. 第2のポリヌクレオチドは、UL19の免疫学的断片をコードし、任意に、実施形態63〜66のいずれか1つのポリペプチドの断片をコードする、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0289】
112. 第2のポリヌクレオチドは、配列番号12をコードする、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0290】
113. HSV−2の構造タンパク質またはその免疫学的断片は、UL25またはその免疫学的断片である、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0291】
114. 第2のポリヌクレオチドは、UL25をコードする、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0292】
115. 第2のポリヌクレオチドは、UL25の免疫学的断片をコードする、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0293】
116. HSV−2の構造タンパク質またはその免疫学的断片は、UL47またはその免疫学的断片である、実施形態105〜107のいずれかの組成物。
【0294】
117. 第2のHSV−2の構造タンパク質、またはその免疫学的断片をコードする第3のポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態105〜116のいずれかの組成物。
【0295】
118. 第2のHSV−2の構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL19、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択され、第2の構造タンパク質は、第1の構造タンパク質に非同一である、実施形態117の組成物。
【0296】
119. 第2の構造タンパク質は、全長タンパク質またはその免疫学的断片である、実施形態118の組成物。
【0297】
120. UL25またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態100〜112のいずれかの組成物。
【0298】
121. UL47またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態106〜109のいずれかの組成物。
【0299】
122. UL19をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態113〜115のいずれかの組成物。
【0300】
123. 配列番号12をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態113〜115のいずれかの組成物。
【0301】
124. UL47またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態113〜115のいずれかの組成物。
【0302】
125. UL19をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態116のいずれかの組成物。
【0303】
126. 配列番号12をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態116のいずれかの組成物。
【0304】
127. UL25またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態116のいずれかの組成物。
【0305】
128. 薬剤は、アジュバント、任意に、TLR4作動薬である、実施形態105〜127のいずれかの組成物。
【0306】
129. アジュバントは、GLAである、実施形態128の組成物。
【0307】
130. 第1のポリヌクレオチドは、gD2をコードし、第2のポリヌクレオチドは、UL25をコードし、またUL19をコードする第3のポリヌクレオチドと、GLAアジュバントと、薬学的に許容される担体とをさらに含む、実施形態105の組成物。
【0308】
131. 第1のポリヌクレオチドは、gD2をコードし、第2のポリヌクレオチドは、UL25をコードし、また配列番号12をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態105の組成物。
【0309】
132. 第1のポリヌクレオチドは、gD2をコードし、第2のポリヌクレオチドは、UL19をコードし、またUL25の免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態105の組成物。
【0310】
133. UL47またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態130〜132のいずれかの組成物。
【0311】
134. ICP0またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドと、UL47またはその免疫学的断片、UL19またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、UL46またはその免疫学的断片、UL39またはその免疫学的断片、UL7またはその免疫学的断片、およびUL26またはその免疫学的断片をコードするポチヌクレオチドのうちの1つ以上とを含む、実施形態105または106の組成物。
【0312】
135. ICP0またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチド、および2つのさらなる構造タンパク質またはその免疫学的断片を含む、実施形態134の組成物。
【0313】
136. UL46またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドと、UL47またはその免疫学的断片、UL19またはその免疫学的断片、UL25またはその免疫学的断片、ICP0またはその免疫学的断片、UL39またはその免疫学的断片、UL7またはその免疫学的断片、およびUL26またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドのうちの1つ以上とを含む、実施形態105または106の組成物。
【0314】
138. UL46またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチド、および2つのさらなる構造タンパク質またはその免疫学的断片をコードするポリヌクレオチドを含む、実施形態136の組成物。
【0315】
139. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0316】
(i) 配列番号12のアミノ酸配列またはその免疫学的変異体もしくは断片を含むポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドと、
【0317】
(ii) 任意に、アジュバント等の先天性免疫を活性化する薬剤と、
【0318】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0319】
140. 薬剤は、アジュバントである、実施形態139の組成物。
【0320】
141. アジュバントは、GLAである、実施形態140の組成物。
【0321】
142. HSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質、またはその免疫学的断片をコードする、第2のポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態139の組成物。
【0322】
143. UL19(ud)に加えて、HSV−2の構造タンパク質をコードする第3のポリヌクレオチドをさらに含む、実施形態139の組成物。
【0323】
144. 構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択される、実施形態143の組成物。
【0324】
145. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0325】
(i) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質またはその免疫学的断片をコードする、第1のポリヌクレオチドと、
【0327】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0328】
146. HSV−2のエンベロープ糖タンパク質は、gD2である、実施形態145の組成物。
【0329】
147. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0330】
(i) HSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質、またはその免疫学的断片をコードする、第1のポリヌクレオチドと、
【0332】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0333】
148. HSV−2の構造タンパク質は、UL47、ICP0、UL19、UL25、UL46、UL39、UL7、およびUL26から成る群から選択される、実施形態147の組成物。
【0334】
149. 第2のアジュバントをさらに含む、実施形態105149のいずれか1つの組成物。
【0335】
150. 第2のアジュバントは、TLR作動薬、ミョウバン、エマルジョン、サポニン、サイトカイン、非メチル化CpGジヌクレオチド、および修飾サポニンから成る群から選択される、実施形態149の組成物。
【0336】
151. 第2のアジュバントは、フロイント不完全アジュバント、MF−59(商標)、Montanide(商標)、AS02(商標)、AS04(商標)、QS−21(商標)、およびISCOM(商標)から成る群から選択される、実施形態149の組成物。
【0337】
152. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0338】
(i) ICP4、またはその免疫学的断片をコードする、第1のポリヌクレオチドと、
【0339】
(ii) gD2、またはその免疫学的断片をコードする、第2のポリヌクレオチドと、
【0341】
(iii) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0342】
153. 免疫原性薬学的組成物であって、
【0343】
(i) HSV−2の前初期遺伝子産生物、またはその免疫学的断片をコードする、第1のポリヌクレオチドと、
【0344】
(ii) HSV−2の前初期遺伝子産生物、またはその免疫学的断片をコードする第2のポリヌクレオチドと、
【0345】
(iii) HSV−2の後期遺伝子産生物、またはその免疫学的断片をコードする、第3のポリヌクレオチドと、
【0346】
(iv) 薬学的に許容される担体と、を含む、組成物。
【0347】
154. 界面活性剤をさらに含む、実施形態105〜153のいずれか1つの組成物。
【0348】
155. ポリヌクレオチドは、1つ以上の組換え発現ベクター内に存在する、実施形態105〜154のいずれ1つの組成物。
【0349】
156. 組換え発現ベクターは、ウイルスベクターまたはウイルス様粒子である、実施形態155の組成物。
【0350】
157. 対象においてHSV−2またはHSV−1感染を治療するための方法であって、対象に、実施形態105〜156のいずれか1つの組成物を投与することと、アジュバントを含む第2の組成物を共投与することと、を含む、方法。
【0351】
158. アジュバントは、TLR4作動薬である、実施形態157の方法。
【0352】
159. TLR4作動薬は、GLAである、実施形態158の方法。
【0353】
160. 対象においてHSV−2またはHSV−1に対する免疫応答を所持させるための方法であって、対象に、実施形態105〜156のいずれか1つの組成物を投与することと、アジュバントを含む第2の組成物を共投与することと、を含む、方法。
【0354】
161. アジュバントは、TLR4作動薬である、実施形態160の方法。
【0355】
162. TLR4作動薬は、GLAである、実施形態161の方法。
【0356】
163. ウイルス様粒子をさらに含み、該ウイルス様粒子は、実施形態1〜45のいずれか1つの、HSV−2のエンベロープ糖タンパク質もしくはその免疫学的断片、およびHSV−2のエンベロープ糖タンパク質以外のHSV−2の構造タンパク質もしくはその免疫学的断片、実施形態50〜57のいずれか1つのHSV−2のエンベロープ糖タンパク質の抗原部分、実施形態63〜65のいずれか1つのUL19の断片、実施形態66〜73のいずれか1つのポリペプチド、実施形態74〜75のいずれか1つのHSV−2のエンベロープ糖タンパク質またはその免疫学的断片、実施形態76〜77のいずれか1つの構造タンパク質、または実施形態81の、ICP4もしくはその免疫学的断片、およびgD2もしくはその免疫学的断片を含む、実施形態1〜45、50〜57、および66〜83のいずれか1つの組成物。
【0357】
164. 対象においてHSV−2感染またはHSV−1感染を治療するための方法であって、対象に弱毒化された生HSVウイルスを投与することを含むプライムステップと、対象に実施形態1〜45、50〜57、66〜83、および105〜156のいずれか1つの組成物を投与することを含むブーストステップと、を含む、方法。
【0358】
165. 対象においてHSV−2またはHSV−1感染に対する免疫応答を生じさせるための方法であって、対象に弱毒化された生HSVウイルスを投与することを含むプライムステップと、対象に実施形態1〜45、50〜57、66〜83、および105〜156のいずれか1つの組成物を投与することを含むブーストステップと、を含む、方法。
【0359】
166. 対象においてHSV−2感染またはHSV−1感染を治療するための方法であって、対象に実施形態1〜45、50〜57、66〜83、および105〜156のいずれか1つの組成物を投与することを含むプライムステップと、対象に弱毒化された生HSVウイルスを投与することを含むブーストステップと、を含む、方法。
【0360】
167. 対象においてHSV−2またはHSV−1感染に対する免疫応答を生じさせるための方法であって、対象に実施形態1〜45、50〜57、66〜83、および105〜156のいずれか1つの組成物を投与することを含むプライムステップと、対象に弱毒化された生HSVウイルスを投与することを含むブーストステップと、を含む、方法。
【0361】
以下の実施例は、例証の目的のために提供され、限定する目的のためではない。
【実施例】
【0362】
実施例1
マウスにおいて、複数のワクチン接種後にアジュバントGLA−SEとともに処方したときの、HSV−2GD2タンパク質に対するCD4T細胞ベースの免疫原性の強化
【0363】
この実施例では、組換えタンパク質ワクチンを用いたマウスの免疫付与後の、CD4T細胞応答を増大させるGLA−SEの能力を評価した。
【0364】
5匹のBalb/cマウスの群に、100μl(一肢当たり50μl)で筋肉内に送達した0.8μgか、4μgか、もしくは20μgかのいずれかのGLA−SE(本研究および以下の研究において、SEの割合は、2%である)、SE単独、またはPBSと組み合わせて、0.8μgか、4μgか、もしくは20μgかのいずれかの組換えgDタンパク質を用いて、プライム/ブースト免疫付与レジメン(第0日プライム/第21日ブースト)を介して免疫付与した。組換えタンパク質を用いず、GLA−SE、SE単独、またはPBSを用いて免疫付与したマウスは、陰性対照の役割を果たした。H−2dハプロタイプとともにマウスに提示されるgD2においてCD4T細胞エピトープとして先行して同定されているgD
272−285ペプチドを用いて、5時間にわたり脾臓細胞培養物を生体外再刺激した後、抗原特異的脾臓CD4T細胞応答を、IFN−γ、TNF−α、およびIL−2に関して、細胞内サイトカイン染色(ICS)によって、ブースト後第4日目に測定した。
図2で示されるように、各用量のgD2組換えタンパク質による免疫付与に対するCD4T細胞応答は、GLA−SEかまたはSEかのいずれかがアジュバントとして含まれたときにのみ観察された。各用量の組換えgD2抗原および各用量のGLA−SEにおいて、gD2特異的CD4T細胞応答の規模は、SE単独とともに処方された同一量の組換えgD2抗原に対して観察された応答を上回って増加した。加えて、応答する抗原特異的CD4T細胞集団の質は、応答するCD4T細胞集団内のIFN−γ+、TNF−α+、かつIL−2+CD4T細胞(三重陽性)の頻度によって測定した際に、各用量の組換えgD2タンパク質および各用量のGLAにおいて、gD2がSE単独とともに処方されたときに観察されたものを上回って増加した。この研究のデータは、組換えHSV−2タンパク質抗原を伴うアジュバントGLA−SEの製剤は、ワクチンの性能を、細胞性免疫応答の規模および質の両方によって測定した際に、組換えタンパク質単独またはSE単独とともに処方される組換えタンパク質を用いた免疫付与によって達成されるものよりも実質的に増加させることを示唆している。
実施例2
GLAは、マウスにおいてCD8T細胞応答を増大させる
【0365】
この実施例では、組換えタンパク質ワクチンを用いたマウスの免疫付与後の、CD8T細胞応答を増大させるGLA−SEの能力を評価した。
【0366】
オボアルビミンを、モデルタンパク質として使用した。雌のC57Bl/6マウスに、レンチウイルスコード化オボアルビミン(
図3および
図4の「LV−OVA」)を皮下注射し、第21日に、種々の用量のGLA−SE(
図3および
図4の「OVA+GLA/SE」)でアジュバント化した組換えオボアルビミンを用いた筋肉内注射によって、ブーストした。4日後に、脾臓T細胞応答を、以下の生体外刺激剤に対する細胞内サイトカイン染色(ICS)によって測定した:OVA MHCクラスIペプチド55−62および257−264およびMHCクラスIIペプチド323−339、またはCD3およびCD28に対する抗体。CD8T細胞は、サイトカイン、IFN−γ、IL−2およびTNF−αのいずれかを分泌するものとして同定される。
【0367】
図3で示されるように、抗原のブーストを受けたマウスにおける、より高い割合のCD8T細胞があり、ブーストにおいて抗原とともにGLA−SEを受けたマウスにおいて、最も高い割合であった。
図4は、4つのCD8T細胞のサブセットの比率の実験の詳細を提供する。この結果、組換えOVAタンパク質+GLA−SEによる筋肉内ワクチン「ブースト」は、先行するLVワクチン接種を介して生成された既存のCD8T細胞をブーストした。中間用量(4μg)および低用量(0.8μg)のGLAは、これらの実験設定下で、最も高いCD8T細胞の増加を提供した。したがって、これらのデータは、GLAアジュバントタンパク質は、該タンパク質に特異的な既存のCD8記憶T細胞応答をブーストするために使用され得ることを示す。CD8記憶細胞の活性化は、感染した個体の治療に関するHSV−2の治療的ワクチンの所望の性質であると考えられ、GLAアジュバントタンパク質がHSV−2ワクチンに付与し得る優れた性質を強調する。
実施例3
マウスにおける複数のワクチン接種後の、個々のHSV−2 GD2、UL19、およびUL25タンパク質に対するCD4T細胞ベースの免疫原性
【0368】
この研究セットの目的は、ワクチンにおける各タンパク質サブユニットに対するCD4T細胞ベースの免疫原性を評価し得る、単一のマウス株を同定することであった。この目的のために、マウスにおいて、異なるMHCハプロタイプ(すなわち、BALB/c(H−2
d)、C57BL/6(H−2
b)、およびCB6F1(H−2
d+2
b))の文脈で、各HSV−2抗原(すなわち、gD2、UL19、およびUL25)内の個々のCD4T細胞エピトープを同定するための一連の実験を実施した。実験戦略は、プライム/ブースト免疫付与レジメン(第0日プライム/第21日ブースト)の文脈において、100μl(一肢当たり50μl)の筋肉内注射での5μgのGLA−SEとともに処方される一価免疫原として、5μgの各組換えタンパク質抗原を用いてナイーブマウスを免疫付与することで構成された。抗原特異的CD4T細胞応答を、その配列が一価免疫原の対応するアミノ酸配列に由来する15−merペプチドライブラリ(11aaペプチド間重複)を用いて、ブースト後第4日目に分析した。一次スクリーニングにおいて、脾臓CD4細胞を、抗原をコードする個々のHSV−2に対応するペプチドライブラリに由来する個々の15−merペプチドのプールを用いた脾臓培養物の生体外刺激に応答するIFN−γ、TNF−α、およびIL−2の産生に関して分析した。観察されたペプチドプールにおけるCD4T細胞応答を、陽性ヒットと見なし、その後、二次(および、場合により三次)スクリーニングを、生体外刺激としての先行するスクリーニングからの陽性プール内の個々のペプチドかまたは異なる組み合わせで再プールした先行するスクリーニングからの陽性プール内のペプチドかのいずれかを用いて、同一の免疫付与および分析戦略で実施した。
図5A〜Bに示されるように、これらの研究は、MHCハプロタイプH−2b (C57BL/6マウス)の文脈において、ワクチン内の個々の組換えHSV−2タンパク質(すなわち、gD2、UL19、およびUL25)の各々に関する抗原特異的CD4T細胞応答が観察され得た、個々の15−merペプチドを同定した。
実施例4
マウスにおける、三価製剤の複数のワクチン接種の後の、それぞれの個々のHSV−2サブユニットタンパク質に対するCD4T細胞およびB細胞ベースの免疫原性
【0369】
この実施例は、C57BL/6マウスにおける、GLA−SEを伴う三価製剤として一緒に送達されるときの、ワクチン内の個々の組換えタンパク質サブユニットの各々に対するCD4T細胞およびB細胞ベースの免疫原性を実証する。実験戦略は、2つの5匹のC57BL/6マウスの群を用いて構成した。1つの群は、組換えHSV−2 gD2、UL19、およびUL25タンパク質を、等モル基準(それぞれ0.8、3.3、および1.4μgのタンパク質)で組み合わせて送達および処方して用いて、100μl(一肢当たり50μl)で筋肉内送達した5.5μgのGLA−SEと組み合わせて、プライム/ブースト免疫付与レジメン(第0日プライム/第21日ブースト)を介して免疫付与した。第2の群は、媒介物(PBS)を用いて疑似的に免疫付与した。脾臓および(心穿刺を介する)末梢血の採取のため、動物を、ブースト後第4日目に屠殺した。抗原特異的脾臓CD4T細胞応答を、三価ワクチン内の各組換えタンパク質免疫原に関するCD4T細胞エピトープを含有するとして先行して同定されている15−merペプチドを用いた脾臓細胞培養物の生体外再刺激の後、IFNγ、TNFα、およびIL−2に関してICSによって測定した(実施例3参照)。ワクチン接種および疑似ワクチン接種した各マウスの血清を、三価ワクチン内の組換えタンパク質免疫原の各々に対するIgG1サブクラスの抗原特異的抗体の存在に関して、直接ELISAによって分析した。
図6A〜Bに示されるように、抗原特異的CD4T細胞および抗体応答は、GLA−SEを伴う三価製剤として一緒に送達したときに、HSV−2組換えタンパク質抗原の各々に対して観察された。これらのデータは、三価ワクチンの顕著な免疫原性、およびHSV−2タンパク質に対する総合的な免疫応答(液性および細胞性の両方)を引き起こすその能力を支持する。予想外に、生じた免疫応答の規模は、UL19抗原に関して最も大きかった。UL19は、ヒトにおいてHSV−2感染の治療または予防のための投与されるこれまでの組換えサブユニットベースワクチンのいずれの構成要素としても、含まれていない。これらのデータは、請求されるワクチンは、先行技術のワクチンを上回る優れた性質を表すという証拠を提供する。
実施例5
マウスにおけるGLA−SEを伴うHSV−2UL19の単一および複数の免疫付与の後の、抗原特異的CD4T細胞応答
【0370】
この実施例は、マウスにおける、GLA−SEとともに処方されるHSV−2 UL19の単一および反復免疫付与によって生成される、CD4T細胞ベースの免疫原性を示す。この研究に関して、5μgの組換えUL19タンパク質抗原を一価免疫原として用いて、5μgのGLA−SEとともに、5匹のC57BL/6マウスの2つの群に1回免疫付与し、また5匹のc57BL/6の2つの群に2回免疫付与した(21日間空けた)。抗原特異的CD4T細胞応答の分析のため、マウスの群を、最終免疫付与の後、第4日かまたは第10日かのいずれかに屠殺した。4つの全ての群のマウスが、抗原特異的CD4T細胞応答の分析に関して同日に屠殺されるように、それぞれの分析群が受けた免疫付与は、時間的にずれていた。免疫原に対する抗原特異的CD4T細胞応答を、UL19に特異的なCD4T細胞エピトープを含有すると先に同定されている個々のUL19 15−merペプチド数250および297を用いた、脾臓細胞の生体外刺激に応答するIFN−γ、TNF−α、およびIL−2の産生によって、測定した(実施例3参照)。
図7A〜Bに示されるように、最終免疫付与後第4日目において、UL19特異的CD4T細胞応答は、2回の免疫付与を受けた動物にのみ検出され、一方、UL19特異的CD4T細胞応答は、本実験のプライム群とおよびプライム/ブースト群の両方にて最終免疫付与後第10日目において検出された。最終免疫付与後第10日目において、応答の規模は、単一の免疫付与のみを受けた動物と比較して、2回の免疫付与を受けた動物において顕著に増加した(約2.5倍)。これらの発見は、組換えHSV−2タンパク質+GLA−SEを含有するワクチンの反復投与は、次の抗原特異的CD4T細胞応答の応答および規模を増加させるための優れたプロトコルであることを示している。
【0371】
ワクチンの反復投与後のCD4T細胞応答における増加の、GLA−SEへの依存性を試験するために、同様の実験を実施し、該実験では、マウスの群に、UL19タンパク質単独を用いて、またはSE単独もしくはGLA−SEとともに処方したタンパク質を用いて免疫付与した。抗原特異的CD4T細胞応答の分析のため、マウスの群を、最終免疫付与の後、第5日かまたは第10日かのいずれかに屠殺した。免疫原に対する抗原特異的CD4T細胞応答を、UL19に特異的なCD4T細胞エピトープを含有すると先行して同定されている個々のUL19 15−merペプチド数250および297を用いた、脾臓細胞の生体外刺激に応答するIFN−γ、TNF−α、およびIL−2の産生によって、測定した(実施例3参照)。
図8A〜Bに示されるように、2回の免疫付与を受けた動物は、単一の免疫付与のみを受けた動物と比較して、抗原特異的CD4T細胞応答において顕著な増加を表し、先行実験の結果を確証した。重要なことに、この増加は、免疫原が、GLAの不在化で単独でまたはSEとともに投与されるときに、2回の免疫付与を受けたマウスが顕著なCD4T細胞応答を表さなかったように、GLA−SEアジュバントに依存していることが見出された。
実施例6
マウスにおけるGLA−SEとともに処方される三価HSVワクチンを用いた免疫付与の後の、抗原特異的CD4T細胞応答
【0372】
この実験は、組換えタンパク質が、等モルおよび等質量基準で処方されるときに、CD4T細胞応答は、GLA−SEとともに処方されるgD2、UL19、およびUL25抗原を含む三価サブユニットワクチンの各サブユニットに対して、生じ得ることを示す。雌のC57BL/6マウスの群(5マウス/群)を、三価ワクチンを用いて免疫付与し、総タンパク質は、等モル基準かまたは等質量基準かのいずれかで、5μgかまたは15μgかのいずれかであった。マウスに、同種の製剤で第21日に第2の免疫付与を与え、最終免疫付与の5日後に、T細胞応答を、適切なペプチドによる生体外再刺激後にICSによって測定した。
図9に示されるように、エピトープ特異的CD4T細胞応答が、三価HSV−2サブユニットワクチンの個々の各構成要素に対して生じる。組換えタンパク質構成要素が等モル基準で処方されるかまたは等質量基準で処方されるかに関わらず、正の応答が観察され、応答は、ワクチンの相対的タンパク質組成に基づいて有意に影響を受けない、または改変されないことを示唆している。
実施例7
マウスにおいて、複数のワクチン接種後にアジュバントGLA−SEとともに処方したときの、HSV−2GD2タンパク質に対する抗体ベースの免疫原性の強化
【0373】
この実施例では、組換えタンパク質ワクチンを用いたマウスの免疫付与後の、CD4T細胞応答を増大させるGLA−SEの能力を評価した。
【0374】
5匹のBalb/cマウスの群に、100μl(一肢当たり50μl)で筋肉内に送達した4μgのGLA−SEか、SE単独か、PBS媒介物かのいずれかと組み合わせて、4μgの組換えgDタンパク質を用いてプライム/ブースト免疫付与レジメン(第0日プライム/第21日ブースト)を介して免疫付与した。IgG、IgG1、およびIgG2aアイソタイプのHSV−2 gD2特異的抗体を、ELISAによって測定した。
図10に示されるように、GLA−SEアジュバントは、HSV−2 gD2に対するIgG応答全体を強化し、抗原特異的IgG1の産生を低減し、抗原特異的IgG2aの産生を増加させた。
実施例8
アジュバントGLA−SEとともに処方したときの、HSV−2 UL19UDタンパク質に対するCD8T細胞ベースの免疫原性の強化
【0375】
この実施例では、組換えHSV−2 gD2、UL19上方ドメイン(UL19ud、配列番号12)、およびUL25を含有する三価ワクチンを用いたマウスの免疫付与の後の、機能的なHSV−2 UL19特異的CD8T細胞応答を誘発するGLA−SEの能力を評価した。
【0376】
5匹のC57BL/6マウスの群に、5μgのGLA−SEかまたは5%デキストロース媒介物かのいずれかと組み合わせて、各々5μgの組換えgD2、UL19ud、およびUL25から成る三価ワクチンの単一の筋肉内免疫付与を行った。媒介物単独で免疫付与したマウスは、陰性対照の役割を果たした。抗原特異的脾臓CD4およびCD8T細胞応答を、免疫付与後第6日目に、gD2、UL19、またはUL25ペプチドを用いた5時間にわたる脾細胞培養物の生体外再刺激の後、IFN−γ、TNF−α、およびIL−2に関して、細胞内サイトカイン染色(ICS)によって測定した。
図11パネルAに示されるように、三価ワクチンの各構成要素(gD2、UL19ud、およびUL25)に対するCD4T細胞応答は、GLA−SEがアジュバントとして含まれるときに観察された。とりわけ、
図11パネルBに示されるように、CD8T細胞応答は、GLA−SEとともに付与されるときに、UL19ud抗原に対して観察された。これらのCD8T細胞が機能的であることを確認して、免疫付与されていない、またはGLA−SEとともに三価ワクチンを用いて4週早く免疫付与されたマウスを、弱毒化されたHSV−2チミジンキナーゼ欠損(TK−)ウイルスを用いて皮下に攻撃し、UL19特異的CD8T細胞応答を、ICSによって測定した。
図11パネルCに示されるように、ウイルス攻撃時のCD8T細胞応答の規模は、ワクチンを用いて先に免疫付与されたマウスにおいてより大きかった。
実施例9
アジュバントGLA−SEとともに処方されるときの、組換えHSV−2タンパク質ワクチンの予防的抗ウイルス有効性の強化
【0377】
この実施例では、致死的HSV−2攻撃に対して防御するための二価組換えHSV−2タンパク質ワクチンの能力を強化する、GLA−SEの能力を評価した。
【0378】
10匹のC57BL/6マウスの群に、5μgのGLA−SEかまたは5%デキストロース媒介物かのいずれかと組み合わせて、各々5μgの組換えgD2およびUL19udから成る二価ワクチンの2回の筋肉内免疫付与を、28日空けて行った。5μgのGLA−SE単独を用いて免疫付与したマウスは、陰性対照の役割を果たした。第2の免疫付与の22日後、マウスは、デポ型酢酸メドロキシプロゲステロンで処理され、次いで6日後に、50xLD
50用量の野生型HSV−2で膣内に攻撃された。マウスは、生殖器損傷形成および生存に関して毎日モニタリングされた。感染後第1日目、第3日目、および第5日目に、膣内スワブをPCRによるHSV−2DNAの定量化のために収集した。感染の約2カ月後、後根神経節を生存したマウスから採取し、潜伏HSV−2DNAをPCRによって定量化した。
図12パネルAに示されるように、GLA−SEと共にgD2およびUL19udを用いて免疫付与されたマウスは、gD2およびUL19ud単独か、またはGLA−SE単独かのいずれかを用いて免疫付与されたマウスと比較して、損傷形成を劇的に低減させ、また生存率を増加させている。同様に、
図12パネルBに示されるように、GLA−SEとともにgD2およびUL19udを用いて免疫付与された10匹のマウスのうち9匹は、第5日までに検出可能なHSV−2DNAを有さず、一方、いずれかの対照群のマウスは、第5日までを通して膣内に持続したレベルのHSV−2を有した。
図12パネルCに示されるように、GLA−SEのみの群において3匹の生存しかないが、これら3匹のマウスのうち2匹は、後根神経節における潜伏HSV−2の著しいレベルを示し、GLA−SEとともにgD2およびUL19udを用いて免疫付与されたマウスは、神経節における検出可能なHSV−2をほとんどまたは全く示さなかった。
実施例10
アジュバントGLA−SEとともに処方されるときの、組換えHSV−2タンパク質ワクチンによる既存の記憶CD8T細胞の拡大の強化
【0379】
この実施例では、HSV−2感染によって先に誘発された記憶CD8T細胞を拡大するための三価組換えHSV−2タンパク質ワクチンの能力を強化する、GLA−SEの能力を評価した。
【0380】
5匹のC57BL/6マウスの群を、致死未満用量の弱毒化されたHSV−2チミジンキナーゼ欠損(TK−)ウイルスを用いて皮下に感染させた。28日後、感染したまたは感染していないマウスに、5μgのGLA−SEまたは5%デキストロース媒介物と組み合わせて、各々5μgの組換えgD2、UL19ud(配列番号12)、およびUL25から成る三価ワクチンを用いて免疫付与した。対照群は、GLA−SE単独または媒介物単独で処理された感染したマウス、および媒介物単独で処理されたナイーブマウスを含んだ。免疫付与の6日後、UL19特異的CD4およびCD8T細胞応答を、ICSによって測定した。
図13に示されるように、UL19特異的なCD4およびCD8T細胞の頻度は、先に感染させたマウスの免疫付与後により高く、感染に誘発される記憶T細胞の呼び戻しがあったことを示唆している。重要なことに、組換えタンパク質ワクチンによるこれらの記憶T細胞の最大拡大は、GLA−SEアジュバンの存在を必要とした。
実施例11
モルモットにおける再発性HSV−2を治療する組換えHSV−2タンパク質ワクチンの能力
【0381】
この実施例では、再発性HSV−2損傷の頻度を低減させる三価組換えHSV−2タンパク質ワクチンの能力を評価した。
【0382】
7匹のモルモットの群を、致死未満用量のHSV−2株333ウイルスを用いて膣内に感染させた。感染後第13日目および第27日目に、モルモットに、5μgのGLA−SEと組み合わせて、各々5μgの組換えgD2、UL19ud(配列番号12参照)、およびUL25から成る三価ワクチンを用いて免疫付与した。GLA−SE単独で処理した感染したモルモットは、陰性対照の役割を果たした。動物は、膣内損傷に関して毎日モニタリングされ、0〜4のスコアが各損傷日に対して割り当てられた。各群の毎日の損傷スコアが平均化され、時間に対してプロットされた。
図14に示されるように、三価ワクチンおよびGLA−SEを用いて処理した動物は、GLA−SE単独を用いて処理した動物と比較して、再発性の損傷において約50%の低減を有した。
実施例12
HSV−2エンベロープ糖タンパク質に由来し、リーダー配列を含有する、免疫原性タンパク質の構築
【0383】
この実施例では、免疫原性タンパク質は、gD2配列から構築され、またgD2リーダー配列を含む。
【0384】
gD2のリーダー配列は、40個のアミノ酸の長さである(配列番号1内の残基1〜40)。100個のアミノ酸断片(残基1〜100)をコードするヌクレオチド配列は、発現ベクターとして挿入される。特定部位の突然変異誘発は、CysAlaLysTyr(配列番号16)からGlyLeuAlaVal(配列番号17)までの残基38〜42、またはタンパク質合成中に開裂されない他の配列を変化させるために使用される。CHO細胞は、改変された配列を含有するベクターとともに変換され、gD2タンパク質が、単離される。別法として、ヌクレオチド配列が、バキュロウイルス発現ベクター内に挿入され、タンパク質がSf9細胞から単離される。リーダー配列が存在するという検証は、HPLC分析によって獲得される。
実施例13
有毒なHSV−2による致死的攻撃に対するGLA/SEおよび組換え三価タンパク質ワクチンの防御的有効性
【0385】
この実施例では、致死的HSV−2に対して防御する、三価組換えHSV−2タンパク質ワクチンおよびGLAアジュバントの能力を評価した。
10匹のC57BL/6マウスの群に、5μgのGLA−SEかまたは5%デキストロース媒介物かのいずれかと組み合わせて、各々5μgの組換えgD2、UL19ud(配列番号12参照)、およびUL25から成る三価ワクチンの2回の筋肉内免疫付与を、28日空けて行った。5μgのGLA−SE単独で免疫付与したマウスは、陰性対照の役割を果たした。追加の対照群は、5μgのGLA−SE、および飲料水中の1ml当たり1ミリグラムのアシクロビル(ACV)を用いて、攻撃の24時間後に開始して免疫付与されたマウスで構成された。第2の免疫付与の22日後、マウスは、デポ型酢酸メドロキシプロゲステロンで処理され、次いで6日後に、50xLD
50用量の野生型HSV−2で膣内に攻撃された。マウスは、生殖器損傷形成および生存に関して毎日モニタリングされた。感染後第1日目、第3日目、および第5日目に、膣内スワブをPCRによるHSV−2DNAの定量化のために収集した。
図15に示されるように、三価組換えgD2、UL19ud、およびUL25を用いてGLA−SEとともに免疫付与したマウスは、三価タンパク質ワクチン単独かまたはGLA−SE単独かのいずれかを用いて免疫付与したマウスと比較して、劇的に低減された損傷形成(パネルA)を有し、また増加された生存率(パネルB)を有する。同様に、
図16に示されるように、GLA−SEとともにgD2/UL19ud/UL25を用いて免疫付与した10匹のマウスのうち7匹は、第5日までに検出可能な膣内HSV−2DNAを有さず、一方、3つの全ての対照群のマウスは、第5日までを通して膣内に持続したレベルのHSV−2を有した。アシクロビルを受けた動物もまた、第1日、第3日、および第5日に、同程度に高いHSV−2DNAウイルス負荷を有した。GLA/SEおよびgD2/UL19ud/UL25の活性ワクチンを受けた動物は、特により低いウイルス負荷を有し、第5日までに多くの動物が無菌であった(すなわち、検出可能なウイルス負荷がなかった)。要約すると、これらの実験は、GLA/SE+組換え三価gD2/UL19ud/UL25タンパク質ワクチンの、有毒なHSV−2による致死的攻撃に対する生体内の防御的有効性を実証する。
実施例14
ヒトにおけるワクチンの安全性および免疫原性
【0386】
上に説明されるGLA−SEまたはSE単独とともに処方される免疫原の安全性および免疫原性は、HSV−2血清反応陰性の対象(予防的ワクチンの標的)およびHSV−2血清反応陽性の対象(免疫療法ワクチンの標的)を用いて、フェーズ1A/1B研究デザインで試験することができる。この研究デザインは、HIV Vaccine Trials Network(HVTN)によって確立され、また過去10年間に40名のヒトHIV−1フェーズIAワクチン試験において使用されているデザインに従うことができる。
【0387】
これらのフェーズ1A試験のデザインは、1群当たり12名の対象(10ワクチン−2偽薬)の標準化されたフォーマットから成り、15%有病率で重篤な有害事象を定義する能力に基づく。免疫原性でないワクチン(10名の対象中2名未満が免疫を獲得)も、定義される。HSV−2フェーズ1A研究では、対象は、1μgまたは2.5μgのGLA−SEの3回の筋肉内免疫付与を4週間隔で受ける。合計で48名のHSV血清反応陰性およびHSV−2血清反応陽性の対象(HSV−1血清反応陽性またはHSV−1血清反応陰性)が、フェーズ1A試験で免疫付与される。
【0388】
HSV−2血清反応陰性の対象は、第0日にWestern Blotによって定義する。安全性評価に加えて、試験中の対象は、可能性のあるワクチン誘発性のHSV−2特異的免疫液性および細胞性免疫応答、ならびに生殖器潰瘍の再発の頻度(HSV−2血清反応陽性の対象のみ)についてモニタリングされ得る。HSV−2感染集団に関して、2つの事前ワクチン接種時点が、gD2に対する抗体を確立するために使用され得る。HSV−2組換えタンパク質に対する細胞免疫は、IFN−γ ELISPOTおよびICS分析によって評価することができ、またgD2特異的液性免疫は、ELISAおよび中和抗体分析によって評価することができる。
【0389】
先述から、特定の実施形態が本明細書で例証の目的のために説明されているが、種々の修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の通り以外には限定されない。