特許第6790191号(P6790191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6790191
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】パネル体
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20201116BHJP
   E04B 2/90 20060101ALI20201116BHJP
   E04B 2/72 20060101ALI20201116BHJP
   E04C 2/40 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   E04F13/08 Z
   E04B2/90
   E04B2/72 H
   E04C2/40 J
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-134951(P2019-134951)
(22)【出願日】2019年7月23日
【審査請求日】2019年7月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】吉野 哲朗
【審査官】 前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0020108(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1385550(KR,B1)
【文献】 実開昭58−009504(JP,U)
【文献】 実開平02−098103(JP,U)
【文献】 特開平01−318665(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3194286(JP,U)
【文献】 実開平05−075324(JP,U)
【文献】 特開2007−308934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00−13/30
E04F 10/08
E04B 1/38−1/61
E04B 2/90
E04B 2/72
E04C 2/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲ルーバーと横材とブラケットとを備え、屈曲ルーバーは、上縦ルーバーと下縦ルーバーの小口を角度をもって突き合せ、連結材により上縦ルーバーと下縦ルーバーを屈曲部を形成して連結してあり、連結材は、上縦ルーバー及び下縦ルーバーを前後左右方向に位置決めする中空形材であり上縦ルーバー及び下縦ルーバーをねじ止めするためのタッピングホールを有しており、横材は、屈曲ルーバー同士をつないでおり、ブラケットは、横材に取付けて躯体に連結してあることを特徴とするパネル体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外装・目隠しとして用いられるパネル体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビルの外装・目隠しとしてルーバーを設置することがあった。従来のルーバーは、まっすぐなものしかなく(例えば、非特許文献1参照)、より高意匠のものが求められた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】三協立山アルミ株式会社発行のカタログ「内外装 総合カタログ」(カタログNo.STB0274A S.08.05−030)、2008年6月、p.30−31
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、意匠性の高いパネル体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるパネル体は、屈曲ルーバーと横材とブラケットとを備え、屈曲ルーバーは、上縦ルーバーと下縦ルーバーの小口を角度をもって突き合せ、連結材により上縦ルーバーと下縦ルーバーを屈曲部を形成して連結してあり、連結材は、上縦ルーバー及び下縦ルーバーを前後左右方向に位置決めする中空形材であり上縦ルーバー及び下縦ルーバーをねじ止めするためのタッピングホールを有しており、横材は、屈曲ルーバー同士をつないでおり、ブラケットは、横材に取付けて躯体に連結してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によるパネル体は、屈曲ルーバーと横材とブラケットとを備え、屈曲ルーバーは、上縦ルーバーと下縦ルーバーの小口を角度をもって突き合せ、連結材により上縦ルーバーと下縦ルーバーを屈曲部を形成して連結してあり、横材は、屈曲ルーバー同士をつないでおり、ブラケットは、横材に取付けて躯体に連結してある構成により、意匠性の高いものとなる。また、屈曲ルーバーとすることで、横材同士が見込み方向に離れた位置に設けられているような場合であっても、ルーバーを取付できる。連結材は、上縦ルーバー及び下縦ルーバーを前後左右方向に位置決めする中空形材であり上縦ルーバー及び下縦ルーバーをねじ止めするためのタッピングホールを有しているので、上縦ルーバーと下縦ルーバーとを正確に位置決めしてねじ止めすることができ、屈曲ルーバーを正確に且つ容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のパネル体の一実施形態を示す側面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】同パネル体の屋外側から見た正面図である。
図4】本発明のパネル体の設置状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜3は、本発明のパネル体9の一実施形態を示している。本パネル体9は、建物(図示省略)の屋外側に外装や目隠しのために設置されるものであり、建物は上方に向かうにつれて屋外側にせり出すように外壁が傾斜しており、それに合わせてパネル体9も、図1に示すように、斜めに設置してある。
【0009】
本パネル体9は、図1,3に示すように、左右方向に間隔をおいて配置した上下方向に長い複数の屈曲ルーバー1,1,…と、複数の屈曲ルーバー1,1,…の上部、中間部、下部をそれぞれつないでいる横材2と、横材2に取付けて建物の躯体8に連結されるブラケット3とを備えている。
【0010】
屈曲ルーバー1は、図1に示すように、上端寄りの中間部で屋外側に屈曲する屈曲部7を有している。屈曲ルーバー1は、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5と連結材6とを有している。上縦ルーバー4と下縦ルーバー5は、アルミ合金の押出形材で形成したものであって、図2に示すように矩形の中空断面となっている。上縦ルーバー4と下縦ルーバー5は、左右の側壁10,10の内側面にタッピングホール11と突条12が長手方向に形成してあり、屋内側の壁13の内面に裏板保持溝14が長手方向に形成してある。上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の外周面は、四周とも溝や凹凸のないフラットな面になっている。図1に示すように、上縦ルーバー4の上端の小口と下縦ルーバー5の下端の小口には、小口キャップ15がタッピングホール11に螺入するネジ38で取付けてある。
【0011】
屈曲ルーバー1は、図1に示すように、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の小口16を角度をもって突き合せ、中空部内に配置した連結材6により上縦ルーバー4と下縦ルーバー5を屈曲部7を形成して連結してある。連結材6は、アルミ形材を切断して形成したものであって、押出方向を上下縦ルーバー4,5の長手方向に直交する左右方向の向きで配置され、図2に示すように、上下縦ルーバー4,5の側壁10,10間にぴったり嵌る長さで切断してある。また連結材6は、図1,2に示すように、屋外側壁19が上下方向の中間部で屈曲して位置決め部17を形成し、その位置決め部17を上下縦ルーバー4,5の屋外側壁18の内面に当接している。連結材6の屋内側壁20も、屋外側壁19と同様に上下方向の中間部で屈曲しており、屋内側壁は20上下縦ルーバー4,5の裏板保持溝14の屋外側端に当接している。このような連結材6を、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の小口16同士を突き合せた屈曲部7の中空部内に配置することで、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5を前後左右方向に動かないように正確に位置決めできる。連結材の上壁21と下壁22の内面にはタッピングホール23が形成してあり、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の側方からネジ24を連結材6のタッピングホール23にねじ込むことで、上下縦ルーバー4,5と連結材6とを固定してある。
【0012】
屈曲ルーバー1の組立は、上縦ルーバー4又は下縦ルーバー5の何れか一方の中空部内に連結材6を挿入し、側方からネジ24で連結材6を固定する。その後、上縦ルーバー4又は下縦ルーバー5の他方の中空部内に連結材6を挿入し、側方からのネジ24で固定する。上記のとおり、連結材6は上下縦ルーバー4,5の屈曲部7における中空部内にぴったり嵌る形状となっているので、このように上下縦ルーバー4,5を連結材6で連結することで、上下縦ルーバー4,5を一定の角度で正確に屈曲部7を形成して連結できる。
【0013】
横材2は、図1に示すように、アルミ形材で形成した略矩形中空断面の部材であり、屋外側壁を下方に垂下して取付片25が形成してあり、屋内側壁にボルト26の頭を保持させた取付材39を保持する取付材保持溝27が長手方向に形成してある。屈曲ルーバー1には、長手方向の所定の位置に裏板29が裏板保持溝14に保持しネジ28で固定してあらかじめ取付けてあって、横材2の取付片25に挿入したボルト30を裏板29に螺入することで、屈曲ルーバー1を横材2に取付けている。
【0014】
ブラケット3は、図1に示すように、横材2に取付けられる横材取付板部31と、躯体8に取付けられる躯体取付板部32と、その間に設けたリブ33を有している。横材取付板部31は、横材2の取付材保持溝27に保持したボルト26とナット34とで横材2に固定される。躯体取付板部32は、ボルト35とナット36とで躯体8に固定される。中間の横材2を躯体8に連結するブラケット3には、パネル体9の自重を躯体8に伝える自重受けボルト37を有している。
【0015】
本パネル体9は、工場で複数の屈曲ルーバー1,1,…を横材2で連結して組み立ててから建築現場に搬入され、クレーンで吊り上げて躯体8に取付けられる。ブラケット3は、横材2にあらかじめ取付けておいてもよいし、クレーンで吊り上げて躯体8に連結する時点で取付けてもよい。
【0016】
図4は、本発明のパネル体9の設置状態の一例を示している。パネル体9は、複数の屈曲ルーバー1,1,…を左右方向に間隔をおいて並べて配置され、図示しない横材2に取付けてある。各屈曲ルーバー1は、下縦ルーバー5が垂直になるように取付けてある。屈曲ルーバー1,1,…を使用したパネル体9の側方には、屈曲部7を有しないまっすぐなルーバー40,40,…を使用したパネル体41が並べて設置してある。
【0017】
以上に述べたように本パネル体9は、屈曲ルーバー1,1,…と横材2とブラケット3とを備え、屈曲ルーバー1は、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の小口16を角度をもって突き合せ、連結材6により上縦ルーバー4と下縦ルーバー5を屈曲部7を形成して連結してあり、横材2は、屈曲ルーバー1同士をつないでおり、ブラケット3は、横材2に取付けて躯体8に連結してある構成により、屈曲ルーバー1,1,…の屈曲部7がアクセントとなり、意匠性の高いものとなる。また、屈曲ルーバー1とすることで、横材2同士が見込み方向に離れた位置に設けられているような場合であっても、ルーバー1を取付できる。
連結材6は、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の中空部内に位置しており、外部からは見えないので、屈曲ルーバー1の意匠性をさらに向上できる。
本パネル体9は、連結材6が上縦ルーバー4と下縦ルーバー5を前後左右方向に位置決めする中空形材であり、各縦ルーバー4,5をねじ止めするタッピングホール23を有しているので、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5とを正確に位置決めしてねじ止めすることができ、屈曲ルーバー1を正確に且つ容易に形成できる。
連結材6は、押出形材を切断して形成したものであり、屈曲部7の形状に合わせて形成した位置決め部17と、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5をねじ止めするためのタッピングホール23を有しているので、多数の屈曲ルーバー1,1,…に一定の角度の屈曲部7を精度良く形成することができ、しかも連結材6は押出形材を切断するだけで簡単に製作できる。連結材6を中空形材で形成しているため、精度にバラツキが出ない。
上縦ルーバー4と下縦ルーバー5は、周囲の面がフラットであることで、風がどの方向から吹いても風切り音が発生しにくい。また、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5は、連結材6の位置決め部17が当接する面の反対側の面に裏板保持溝14を長手方向に有しているので、屋内側の面をフラットにしながら横材2への良好な取付性を確保し、且つ連結材6により屈曲部7を正確に形成できる。
【0018】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。上縦ルーバー、下縦ルーバー及び横材の断面形状は、適宜変更することができる。屈曲ルーバーの姿勢は任意であり、下縦ルーバーが垂直で上縦ルーバーのみが傾斜するもの、上縦ルーバーが垂直で下縦ルーバーのみが傾斜するものであってもよい。また屈曲ルーバーは、正面から見て左右方向に傾けて配置することもできる。屈曲部は、1本のルーバー中に複数箇所設けることもできる。連結材は、中空形材で形成したものに限らず、型で成形した金属又は樹脂の部品等であってもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 屈曲ルーバー
2 横材
3 ブラケット
4 上縦ルーバー
5 下縦ルーバー
6 連結材
7 屈曲部
8 躯体
9 パネル体
【要約】
【課題】 意匠性の高いパネル体の提供。
【解決手段】 屈曲ルーバー1,1,…と横材2とブラケット3とを備え、屈曲ルーバー1は、上縦ルーバー4と下縦ルーバー5の小口16を角度をもって突き合せ、連結材6により上縦ルーバー4と下縦ルーバー5を屈曲部7を形成して連結してあり、横材2は、屈曲ルーバー1同士をつないでおり、ブラケット3は、横材2に取付けて躯体8に連結してある。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4