(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各分割エリアは、所定の面積を有する矩形状のエリアであり、少なくとも隣接する分割エリアと重畳するように、緯度方向及び経度方向にそれぞれ所定量ずつずらすことにより分割されており、
前記制御部は、前記位置情報取得部で取得された前記位置情報が示す位置が含まれる少なくとも1つの分割エリアのうち、前記取得された前記位置情報の示す位置が分割エリアの中心位置に最も近い位置となる分割エリアに対応する情報格納ファイルを、取得すべき情報格納ファイルとして決定する、
請求項5に記載の情報取得装置。
各分割エリアは、所定の面積を有する矩形状のエリアであり、少なくとも隣接する分割エリアと重畳するように、緯度方向及び経度方向にそれぞれ所定量ずつずらすことにより分割されている、
請求項13に記載の情報提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る情報システムについて図面を参照して説明する。
【0020】
(実施形態1)
1.構成
図1は、実施形態1に係る情報システムの構成図である。
【0021】
本実施形態の情報システムは、携帯情報端末100と、サーバ200とを含む。携帯情報端末100とサーバ200とは、インターネット等の通信回線300を介して接続される。携帯情報端末100は、本発明の情報取得装置を適用した装置の一例であり、サーバ200は、本発明の情報提供装置を適用した装置の一例である。
【0022】
1−1.携帯情報端末の構成
図2は、携帯情報端末100の外観図である。
【0023】
携帯情報端末100の外面には、表示部11、カメラ12、及び操作部13が備えられている。表示部11の表面には、タッチパネル14が備えられている。
【0024】
図3は、携帯情報端末100の構成を示すブロック図である。
【0025】
携帯情報端末100は、上記表示部11、カメラ12、操作部13及びタッチパネル14以外に、中央演算処理装置21(以後「CPU15」という)、不揮発性メモリ16(以後「ROM16」という)、揮発性メモリ17(以後「RAM17」という)、通信部18、及び位置情報取得部19を備える。
【0026】
CPU15は、演算処理を行う。CPU15は、ROM16に記録された後述するOS及びプログラムに基づいて演算処理を行うことにより、コンピュータを利用した携帯情報端末100において後述する各種の機能を実現する。
【0027】
ROM16は、CPU15で演算処理されるプログラムや種々のデータを記憶する。
【0028】
RAM17は、CPU15がプログラムを実行する際、プログラムやデータ等を一時的に記憶する。
【0029】
表示部11は、CPU15から出力される表示用の画像データに基づく画像を表示する。表示部11は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルである。
【0030】
操作部13は、複数のボタンを有する。ボタンは、例えば押しボタン式のスイッチであり、機能選択や機能実行の指示を行うことができる。
【0031】
タッチパネル14は、平面状のポインティングデバイスである。タッチパネル14は、表示部11の表示面に重ねて設けられ、ユーザによりタッチされた位置に関する信号を出力する。
【0032】
カメラ12は、被写体を撮像して画像データを生成する。
【0033】
通信部18は、CPU15から入力された信号を所定の通信規格の信号に変換して通信回線300に出力する。また、通信部18は、通信回線300を介して入力した信号をCPU15で利用可能な形式の信号に変換してCPU15に出力する。通信部18は、W−CDMA、LTE、Wimax等の通信規格、無線LAN等の通信規格に対応する。
【0034】
位置情報取得部19は、現在地の位置情報を取得する。位置情報取得部19は、例えば、GPS受信機により構成可能であり、現在地の位置情報として、現在地の緯度及び経度を示す情報を出力する。
【0035】
図4は、携帯情報端末100のROM16に記憶された内容を示す図である。
【0036】
ROM16には、オペレーティングシステム31(以後、適宜「OS31」という)、アプリケーションプログラム32、及び種々のデータ33が記憶されている。
【0037】
1−2.サーバの構成
図5は、サーバ200の構成を示すブロック図である。
【0038】
サーバ200は、中央演算処理装置21(以後「CPU21」という)、ハードディスクドライブ22(以後「HDD22」という)、揮発性メモリ23(以後「RAM23」という)、及び通信部24を備える。
【0039】
CPU21は、演算処理を行う。CPU21は、HDD22に記録された後述するOS及びプログラムに基づいて演算処理を行うことにより、コンピュータを利用したサーバ200において後述する各種の機能を実現する。
【0040】
HDD22は、CPU21で演算処理されるプログラム及び種々のデータを記憶する。なお、HDD22に代えて、ソリッドステートドライブ(SSD)を設けてもよい。
【0041】
RAM23は、CPU21がプログラムを実行する際、プログラムやデータ等を一時的に記憶する。
【0042】
通信部24は、CPU21から入力された信号を所定の通信規格の信号に変換して通信回線300に出力する。また、通信部24は、通信回線300を介して入力した信号をCPU21で利用可能な形式の信号に変換してCPU21に出力する。通信部24は、W−CDMA、LTE、Wimax等の通信規格、無線LAN等の通信規格に対応する。
【0043】
図6は、サーバ200のHDD22に記憶されているデータ等の内容を示す図である。
【0044】
HDD22には、オペレーティングシステム41(以下、適宜「OS41」という)、アプリケーションプログラム42等のプログラム、種々のデータ43、及び複数の情報格納ファイル44が記憶されている。
【0045】
情報格納ファイル44は、マーカに関するマーカ情報を記録したファイルである。マーカとは、カメラで取得された画像に基づいてマーカ認識処理(空間認識処理、特徴抽出処理)や拡張現実(AR)処理等を行う際の認識対象であり、マット(敷物)、ポスター、ステッカー、交通標識、看板、建築物、工作物、建築物及び工作物の一部(例えば窓やドア)、その他、空間認識において利用可能なあらゆる対象を含む。情報格納ファイル44は、後述する所定の対象エリア毎に設けられている。複数の情報格納ファイル44は、本情報システムの運用開始までにHDD22に予め記憶されており、新たなマーカ情報を登録したいときや、既に登録されているマーカ情報の内容を変更する場合あるいは削除するとき、その他、適宜なときに更新可能である。
【0046】
図7は、HDD22に記憶された情報格納ファイル44を説明する図である。
【0047】
図7の例では、情報格納ファイル44として、”3606131400517.xxx”、”3606131400518.xxx”、”3606141400516.xxx”、”3606141400517.xxx”、”3606141400518.xxx”等の情報格納ファイル44が記録されている。
【0048】
図8は、情報格納ファイル44に記録されている情報の内容の例を説明する図である。
図8は、一例として、上記の情報格納ファイル44”3606131400517.xxx”に記録されている情報の内容を示す。
【0049】
”3606131400517.xxx”というファイル名の情報格納ファイル44は、マーカM1、M2、M3、M4、M5、M6に関するマーカ情報を格納している。マーカ情報には、マーカの特徴量、案内情報、位置情報が含まれる。なお、本例では、情報格納ファイル44は、位置情報を記録しているが、情報格納ファイル44において、位置情報は含まれていなくてもよい。なお、位置情報を含めておけば、撮像画像中においてマーカが認識されたときに、例えば携帯情報端末100の表示部11において地図に重ねてマーカの位置を精度よく表示すること等が可能となる。
【0050】
特徴量は、当該マーカを所定の方向から撮像した画像の特徴を示す量である。特徴量は、特徴検出処理(空間認識処理)における画像の類似比較(画像認識)等において従来から一般的に用いられている量である。1つのマーカを複数の方向から撮像し、撮像した複数の画像についてそれぞれ特徴量を記録してもよい。これにより、1つのマーカについて複数の特徴量に基づいて類似比較ができ、マーカの認識確率が高くなる。
【0051】
案内情報は、マーカの認識時に携帯情報端末100の表示部11に表示する情報である。
【0052】
位置情報は、マーカが存在する場所の緯度及び経度を示す情報である。
【0053】
マーカM1は、ドーナツ店に配置されたマットであり、特徴量、案内情報、及び位置情報として“C1”、“全ドーナツ半額”、“36061385,140051711”という情報が記録されている。
【0054】
マーカM2は、衣料品店に配置されたマットであり、特徴量、案内情報、位置情報として“C2”、“バーゲン中”、“36061386,140051740”という情報が記録されている。
【0055】
マーカM3は、ガスステーションに配置されたポスターであり、特徴量、案内情報、位置情報として“C3”、“レキュラーガソリン120円/L”、“36061378,140051789”という情報が記録されている。
【0056】
マーカM4は、ホーム用品店の駐車場入口に配置されたポスターであり、特徴量、案内情報、位置情報として“C4”、“当店入口は左”、“36061323,140051723”という情報が記録されている。
【0057】
マーカM5は、路上に配置された交通標識であり、特徴量、案内情報、位置情報として“C5”、“通学路あり”、“36061324,140051747”という情報が記録されている。
【0058】
マーカM6は、コンビニエンスストアの入口扉に貼り付けられたステッカーであり、特徴量、案内情報、位置情報として“C6”、“予約受付中”、“36061315,140051778”という情報が記録されている。
【0059】
図9は、分割エリアを説明する図である。
【0060】
情報格納ファイル44は、所定の対象エリアを、緯度及び経度に基づいて分割(区画)することにより得られる複数の分割エリアArのそれぞれに対応させて設けられている。所定の対象エリアは、本情報システムによるサービスを提供するエリアである。所定の対象エリアは、全世界、日本国全体、1あるいは複数の都道府県、その他の任意の範囲を有するエリアである。本実施形態では、分割エリアArは、所定の対象エリアを、緯度方向及び経度方向においてそれぞれ1秒単位で区画した矩形状のエリアとして構成されている。例えば、36度06分13秒及び36度06分14秒の各緯度線と、140度05分17秒及び140度05分18秒の各経度線で囲まれる分割エリアArには、
図8で説明した6個のマーカM1、M2、M3、M4、M5、M6が存在している。
【0061】
情報格納ファイル44のファイル名は、緯度及び経度に基づいて設定される。例えば、情報格納ファイル44のファイル名は、当該分割エリアArの小緯度端側の緯度と小経度端側の経度とに基づいて設定される。例えば、上記の36度06分13秒及び36度06分14秒の各緯度線と、140度05分17秒及び140度05分18秒の各経度線で囲まれる分割エリアArのファイル名は、分割エリアArの小緯度端側の緯度36度06分13秒と小経度端側の経度140度05分17秒とに基づいて”3606131400517.xxx”に設定される。
【0062】
2.動作
本実施形態において携帯情報端末100によるマーカ情報取得動作は、携帯情報端末100に記憶されているアプリケーションプログラム32がCPU15上で実行されることにより実現される。また、サーバ200によるマーカ情報提供動作は、サーバ200に記憶されているアプリケーションプログラム42がCPU21上で実行されることにより、実現される。
【0063】
2−1.動作の概要
本実施形態の携帯情報端末100は、現在地で撮像された画像に対して特徴量等に基づく特徴検出処理(空間認識処理)を行うことにより、当該画像内に、特徴が一致または一定程度以上類似するマーカが存在するか否かを判断し、存在する場合、当該マーカに対応する案内情報を、音声や画像により報知する。
図10は、その一例を示す図であり、カメラ12で撮像された画像GにおいてマーカM(マット)が検知された場合、当該マーカMに関連付けられた案内情報Jを、撮像された画像Gに重畳して表示する。本例は、マーカMがマットであり、案内情報として「全ドーナツ半額」という情報が表示された場合を示している。なお、上記の特徴検出処理(空間認識処理)の手法としては、公知の手法が利用可能である。また、案内情報を重畳表示する手法としては、公知の拡張現実(AR)の技術が利用可能である。なおこのとき、携帯情報端末100は、取得したマーカ情報に含まれる位置情報に基づいて、現地付近の地図を表示させるとともに、地図上にマーカの位置を表示させてもよい。
【0064】
上記動作において必要な特徴量や案内情報は、現在地の位置情報に基づいて、現在地を含む分割エリアArに対応する情報格納ファイル44に格納された一情報として、サーバ200から通信回線を介して提供される。以下、マーカ情報提供処理及びマーカ情報取得処理についてくわしく説明する。
【0065】
2−2.マーカ情報提供処理及びマーカ情報取得処理
図11は、サーバ200によるマーカ情報提供処理及び携帯情報端末100によるマーカ情報取得動作の流れを説明するフローチャートである。携帯情報端末100におけるマーカ情報取得処理は、所定周期で繰り返し行われる。
【0066】
携帯情報端末100のCPU15は、位置情報取得部19から現在地の位置情報(緯度、経度)を取得する(S11)。なお、以下の説明において、位置情報取得部19は、現在地の緯度、経度を1/100秒単位で出力するものとする。
【0067】
携帯情報端末100のCPU15は、取得した位置情報に基づいて取得すべき情報格納ファイル44のファイル名を決定する。例えば、取得した緯度、経度のうち秒における焦小数点以下の桁を切り捨てた文字列を緯度、経度の順番で並べ、並べて得られた文字列に所定の拡張子を付した文字列を、情報格納ファイル44のファイル名として設定する(S12)。例えば、緯度として36度06分13.78秒、経度として140度05分17.56秒が得られた場合、ファイル名は”3606131400517.xxx”に設定される。
【0068】
携帯情報端末100のCPU15は、設定したファイル名が、本フローチャートによる前周期の処理で決定したファイル名と同じか否かを判断する(S13)。
【0069】
前周期の処理で決定したファイル名と同じである場合(S13でYES)、携帯情報端末100のCPU15は、ステップS11の処理に戻る。前周期の処理で決定したファイル名と同じである場合、当該ファイル名の情報格納ファイル44を既にダウンロード済だからである。
【0070】
前周期の処理で決定したファイル名と同じでない場合(S13でNO)、携帯情報端末100のCPU15は、決定したファイルの名の情報格納ファイル44の送信を要求する信号(送信要求信号)を生成して、通信部18を介してサーバ200に送信する(S14)。
【0071】
情報格納ファイル44の送信要求信号を通信部24を介して受信すると、サーバ200のCPU15は受信したファイル名の情報格納ファイル44をHDD22から読み出し、読み出したファイルを通信部18を介して送信する(S15)。
【0072】
携帯情報端末100のCPU15は、情報格納ファイル44をサーバ200から受信すると、ROM16に記憶する(S16)。
【0073】
3.効果等
実施形態1、2の携帯情報端末100によれば、位置情報取得部19で取得された位置情報に基づいて、現在位置の周囲に存在するマーカに関するマーカ情報を格納する複数の情報格納ファイル44のうちの取得すべき情報格納ファイル44のファイル名が決定される。決定されたファイル名に対応する情報格納ファイル44の送信要求信号がサーバ200に送信され、送信要求信号に対する応答としてサーバ200から送信された情報格納ファイル44が携帯情報端末100において受信される。
【0074】
したがって、サーバ200において、現在位置の周囲に存在する認識対象に関する対象情報を携帯情報端末100に提供する際に、現在位置を示す位置情報に基づいてデータベース等を検索する処理が不要となる。そのため、検索要求に対する応答の遅延等の問題が発生せず、携帯情報端末100において、現在地に対応する情報を取得する際の遅延が抑制される。
【0075】
なお、サーバのCPUを高性能化しあるいはメモリの容量を大きくする等の高性能化により改善は可能であるが、サーバ構築のコストが増大する。本発明によれば、マーカ情報の検索動作が不要となるので、サーバ200(情報提供装置)において、サーバ性能を大きく高性能化することなく、現在地に対応する位置対応情報を提供する際の遅延を抑制できる。
【0076】
また、一時的に情報格納ファイル44の転送要求が集中した場合でも、ロードバランサなどの安価な装置を利用して負荷分散を図ることができる。
【0077】
(実施形態2)
実施形態2について説明する。実施形態1では、情報格納ファイル44に対応する分割エリアArは、緯度方向及び経度方向においてそれぞれ1秒の範囲を有するエリアであり、その範囲が互いに重ならないように設定されているが、本実施形態では、各分割エリアArは、その広さは実施形態1と共通であるが、少なくとも隣接する分割エリアArと重畳するように、緯度方向及び経度方向にそれぞれ所定量ずつずらすことにより分割されている。以下、詳しく説明する。
【0078】
分割エリアArは、前述のように、緯度方向及び経度方向においてそれぞれ1秒の範囲を有する矩形状のエリアである。そして、本実施形態では、緯度方向及び経度方向にそれぞれ0.25秒ずつずらして分割されている。また、各分割エリアArは、上端、下端、左端、及び右端が0.00秒、0.25秒、0.50秒、または0.75秒の位置を通るように分割されている。
図12、
図13、
図14はその例を示す図である。具体的に、
図12は、分割エリアArの上端及び下端が緯度において0.75秒の位置を通り、分割エリアArの左端及び右端が経度において+0.25秒の位置を通るように分割された分割エリアAr群の例を示す。
図13は、分割エリアArの上端及び下端が緯度において0.50秒の位置を通り、分割エリアArの左端及び右端が経度において0.50秒の位置を通るように分割され分割エリアAr群の例を示す。
図14は、分割エリアArの上端及び下端が緯度において0.25秒の位置を通り、分割エリアArの左端及び右端が経度において0.75秒の位置を通るように分割され分割エリアAr群の例を示す。なお、図示しないが、分割エリアArの上端及び下端が緯度において0.25秒の位置を通り、分割エリアArの左端及び右端が経度において0.25秒の位置を通るように分割エリアAr群や、分割エリアArの上端及び下端が緯度において0.75秒の位置を通り、分割エリアArの左端及び右端が経度において0.75秒の位置を通るように分割された分割エリアAr群も存在する。
【0079】
実施形態2での情報格納ファイル44のファイル名は、実施形態1同様に、緯度及び経度に基づいて設定されるが、小数点以下2桁分が増加しているので、ファイル名の文字数が4文字増加している。
【0080】
例えば、
図12において、36度06分12.75秒及び36度06分13.75秒の各緯度線と、140度05分17.25秒及び140度05分18.25秒の各経度線で囲まれる分割エリアArのファイル名は、分割エリアArの小緯度端側の緯度36度06分12.75秒と小経度端側の経度140度05分17.25秒とに基づいて”36061275140051725.xxx”に設定される。この分割エリアArには、マーカM3,M5,M6,M7,M8,M9が配置されており、”36061275140051725.xxx”というファイル名の情報格納ファイル44には、これらのマーカM3,M5,M6,M7,M8,M9についてのマーカ情報が記録されている。
【0081】
また、
図13において、36度06分12.50秒及び36度06分13.50秒の各緯度線と、140度05分17.50秒及び140度05分18.50秒の各経度線で囲まれる分割エリアArのファイル名は、分割エリアArの小緯度端側の緯度36度06分12.50秒と小経度端側の経度140度05分17.50秒とに基づいて”36061250140051750.xxx”に設定される。この分割エリアArには、マーカM5,M6,M10,M11,M12が配置されており、”36061250140051750.xxx” というファイル名の情報格納ファイル44には、これらのM5,M6,M10,M11,M12についてのマーカ情報が記録されている。
【0082】
また、
図14において、36度06分13.25秒及び36度06分14.25秒の各緯度線と、140度05分16.75秒及び140度05分17.75秒の各経度線で囲まれる分割エリアArのファイル名は、分割エリアArの小緯度端側の緯度36度06分13.25秒と小経度端側の経度140度05分16.75秒とに基づいて”36061325140051675.xxx”に設定される。この分割エリアArには、マーカM1,M2,M13,M14が配置されており、”36061235140051675.xxx” というファイル名の情報格納ファイル44には、これらのマーカM1,M2,M13,M14についてのマーカ情報が記録されている。
【0083】
そして、上記のような内容を有する情報格納ファイル44を含む全ての分割エリアArの情報格納ファイル44が、
図15に示すように、サーバ200のHDD22に記憶されている。
【0084】
2.動作
本実施形態において携帯情報端末100によるマーカ情報取得動作は、携帯情報端末100に記憶されているアプリケーションプログラム32がCPU15上で実行されることにより行われ、また、サーバ200によるマーカ情報提供動作は、サーバ200に記憶されているアプリケーションプログラム42がCPU21上で実行されることにより、実現される。
【0085】
図16は、サーバ200によるマーカ情報提供動作及び携帯情報端末100によるマーカ情報取得動作の流れを説明するフローチャートである。
図17は携帯情報端末100による、取得すべき情報格納ファイル44の決定処理を説明するフローチャートである。携帯情報端末100におけるマーカ情報取得処理は、所定周期で繰り返し行われる。なお、ステップS21、S26、S27、S28、S29では、実施形態1の
図11のステップS11、S13、S14、S15、S16と同様の処理が行われるため、相違点を中心に説明する。
【0086】
携帯情報端末100のCPU15は、ステップS21で位置情報取得部19から取得した位置情報に基づいて、最終的に取得すべき情報格納ファイル44のファイル名を決定する際の基準となる情報格納ファイル44(基準ファイル)のファイル名を設定する(S22)。例えば、取得した緯度、経度のうち秒未満の桁を切り捨てた緯度、経度を示す数字を緯度、経度の順番で並べた数字に所定の拡張子を付したものを情報格納ファイル44のファイル名として設定する。例えば、現在位置Pnの緯度として36度06分13秒82、経度として140度05分16秒14が得られた場合、ファイル名は”36061300140051600.xxx”に設定される。
【0087】
携帯情報端末100のCPU15は、ステップS22で設定した基準ファイルに対応する分割エリアArの中心Pcの緯度及び経度を求める(S23)。分割エリアArの範囲は、ファイル名に基づいて求めることができる。例えば、ファイル名が”36061300140051600.xxx”である場合、ファイル名の最初の8文字(8桁)の”36061300”は、分割エリアArの南端の緯度(度、分、秒)を示し、ファイル名の9文字目から17文字目までの9文字(9桁)の”140051600”は分割エリアArの西端の経度(度、分、秒)を示す。そして、各分割エリアArの範囲は、緯度及び経度においてそれぞれ1秒の範囲である。したがって、分割エリアArの中心Pcの緯度は、最初の8文字(8桁)の”36061300”が示す緯度に0.5秒を加算した36度06分13.5秒と求めることができ、また中心Pcの経度は、最初の9文字(9桁)の”140051600”が示す経度に0.5秒を加算した140度05分16.5秒と求めることができる。
【0088】
携帯情報端末100のCPU15は、現在位置(ステップS21で取得した位置情報が示す位置)と、ステップS23で求めた分割エリアArの中心位置との間の距離(緯度方向の距離及び経度方向の距離)と、現在位置から当該分割エリアArの中心位置を見たときの方向とを求める(S24)。つまり、現在位置と当該分割エリアArの中心位置との間のベクトルを求める。距離は、長さとして求めてもよいし、緯度差及び経度差として求めてもよい。
【0089】
携帯情報端末100のCPU15は、複数の情報格納ファイル44のうち、情報格納ファイル44に対応する分割エリアArの中心位置と現在位置との間の距離(緯度方向の距離及び経度方向の距離)が最も小さくなる情報格納ファイル44を、取得すべきファイルとして決定する(S25)。取得すべき情報格納ファイル44のファイル名は、求めた距離を、情報格納ファイル44を設けた間隔(本実施形態では0.25秒)で除算し、除算により得られた値を整数に四捨五入することにより求めることができる。上記の例では、情報格納ファイル44は、緯度及び経度方向において、0.25秒間隔で設けられている。したがって、求めた緯度方向の距離(緯度差)が例えば0.32秒の場合、0.32を0.25秒で除算して整数値に四捨五入すると、1という値が求められる。これを緯度方向の移動数とする。また、求めた経度方向の距離(経度差)が、例えば0.36秒の場合、0.36秒を0.25秒で除算して四捨五入すると、1という値が求められる。これを経度方向の移動数とする。また、求めるベクトルは、概ね南東方向を向いている。この場合、基準ファイルに対して北西方向に存在する分割エリアArであって、緯度方向に移動数1だけ移動させ、経度方向に1だけ移動させたファイルをダウンロードすべきファイルとする。そして、この場合、基準ファイルのファイル名”36061300140051600.xxx”が示す緯度に対応する数値”36061300”に、25×移動数を乗算した値を加算する。これにより、”36061325”という数値が得られる。また、基準ファイルのファイル名”36061300140051700.xxx”が示す経度に対応する数値”140051600”に対して、25×移動数を乗算した値を減算する。これにより、”140051575”という数値が得られる。そして、このようにして求めた緯度方向の数値(文字)”36061325”と経度方向の数値(文字)”140051675”とをこの順で並べた数値(文字)”36061325140051575”に拡張子“xxx”を付加した文字列” 36061325140051575.xxx”を取得すべき情報格納ファイル44のファイル名として決定する。
【0090】
このようにして求めたファイル名に基づいて、以下、携帯情報端末100のCPU15は、ステップS26、S27、S28、S29において、実施形態1の
図11のステップS13、S14、S15、S16と同様の処理を行う。
【0091】
本実施形態によれば、携帯情報端末100において、現在位置が分割エリアArの中央付近となる情報格納ファイル44を取得することができる。そのため、利用者の現在地が、取得した情報格納ファイル44に対応する分割エリアArにおいて末端付近となるようなことが防止される。よって、利用者が現在地においてどのような方向を向いた場合でも、マーカに基づく様々な情報の提示が可能となる。
【0092】
(実施形態1及び実施形態2の応用例)
上記実施形態のマーカ情報提供システムを利用することにより実現可能なサービスの例を説明する。
【0093】
1.第1の応用例
第1の応用例では、本発明の情報取得装置はドローンに適用されており、ドローンにより物品の自動配達を行う。ドローンは、本発明の情報取得装置と、ドローン制御部とを内蔵しており、ドローン制御部は、情報取得装置の位置情報取得部で取得した緯度、経度、及びカメラで撮像された映像に基づいて回転翼の動作等の飛行制御を行い、目的地まで自動飛行可能に構成されている。また、ドローン制御部は、情報取得装置の制御部が、カメラで撮像された画像に基づいて、目的地に配置されたマーカとしてのマットを認識した場合、マット上に移動し、宅配物をマット上に載置する。マットを例えばベランダ等に配置しておけば、住人の不在時等においても配達が可能となる。そして、ドローンは、出発地にまで戻る。その場合において、情報取得装置は、上記のサーバからマーカ情報を取得する。これにより、ドローンがどのような方向に飛行している場合でも、現在地及びその周囲のマーカ情報をほぼリアルタイムで取得することができる。そのため、目的地近傍において、適切にマーカを認識することが可能となる。
【0094】
2.第2の応用例
第2の応用例では、本発明の情報取得装置は、移動可能なロボットに適用されており、例えば視覚障害者の歩行時における盲導犬的な歩行案内や、買い物等のサポートを行う。ロボットは、本発明の情報取得装置と、ロボット制御部とを有するとともに、情報取得装置の位置情報取得部で取得した緯度、経度、及びカメラで撮像された映像に基づいてロボットの動作等の制御を行い、周囲の状況に応じて障害物等を適切に避けながら移動するように構成されている。また、ロボット制御部は、情報取得装置のカメラが、店舗の玄関等に配置されたマット(マーカ)や壁面に貼り付けられたポスターやステッカー等のマーカを認識した場合、当該マーカに対応付けられたマーカ情報をサーバから取得し、取得した内容を音声読み上げ等により、利用者に対して報知する。例えば、マット、ポスター、ステッカー等のマーカに対応付けて、その店舗のおすすめ情報、物品の在庫状況、催し物の空き状況や予約状況を、サーバにおいて記憶させておき、音声読み上げ等により報知すれば、視覚障害者においてもこれらの情報を適切かつ容易に認識可能になる。特に、本発明によれば、マーカ情報の取得において時間的遅延が抑制されるので、現在地にいるときに当該現在地に対応する上記の種々の情報をほぼリアルタイムで取得することができる。
【0095】
3.第3の応用例
第3の応用例では、本発明の情報取得装置は、自動走行可能な自動車やセグウェイ等の車両に適用されており、車両は、本発明の情報取得装置と、自動車制御部とを有するとともに、情報取得装置の位置情報取得部(GPS受信機)で取得した緯度、経度、及びカメラで撮像された映像に基づいて車両の走行制御を行う。カメラで検知した周囲の状況や、検出したマーカに対応付けられた情報に基づいて、自動走行を行うとともに、マーカに対応付けられた種々の情報を、表示部への表示や音声読み上げにより乗員に提供する。マーカは、例えば、交通標識、ステッカー、ポスター、マット等であり、例えばステッカーが子供やお年寄りに注意等を喚起するものである場合、その内容を当該マーカに対応付けてサーバに記録しておくことにより、ステッカーが認識されたときに、サーバからダウンロードして、ステッカーに記載されている内容を音声読み上げ等によりドライバに対して報知したり、第2例のロボットの場合のように、マット、ポスター、ステッカー等のマーカに対応付けられた、店舗のおすすめ情報や、物品の在庫状況、催し物の空き状況や予約状況情報等を、乗員に提供したりできる。また、特に、本発明によれば、上記の種々の情報を現地にいるときにほぼリアルタイムで取得することができる。そのため、車両の乗員に対して適切なサービスを提供することができる。
【0096】
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態1における、現在位置の周囲に存在する認識対象に関する対象情報に代えて、位置情報に対応付けられた位置対応情報を通信回線300を介してサーバ200から取得する携帯情報端末100、及び位置情報に対応付けられた位置対応情報を通信回線300を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に提供するサーバ200(情報提供装置)を提供する。
【0097】
位置対応情報は、
図8で説明した案内情報を少なくとも含むが、位置情報及び特徴量は必須ではない。それ以外は、実施形態1と同様に構成できる。なお、位置対応情報が位置情報を含んでいれば、携帯情報端末100において、取得した位置対応情報に含まれる位置情報に基づいて、地図上で、位置情報が示す位置に案内情報を表示すること等が可能となる。本実施形態では、現在地において、現在地周辺の施設や店舗等の案内情報をサーバ200における検索負荷を生じさせることなく、携帯情報端末100において案内情報を提供できる。
【0098】
(実施形態4)
実施形態4は、実施形態3の情報システムに、実施形態2の情報システムにおける分割エリアArの分割態様を適用した情報システムを提供する。すなわち、各分割エリアArは、所定の面積を有する矩形状のエリアであり、少なくとも隣接する分割エリアArと重畳するように、緯度方向及び経度方向にそれぞれ所定量ずつずらすことにより分割されている。CPU15は、位置情報取得部19で取得された位置情報が示す位置が含まれる少なくとも1つの分割エリアArのうち、取得された位置情報の示す位置が分割エリアArの中心位置に最も近い位置となる分割エリアArに対応する情報格納ファイル44を、取得すべき情報格納ファイル44として決定してもよい。これにより、実施形態2同様に、ユーザが現在いる位置(現在地)と分割エリアArの中心位置とが最も近くなる分割エリアArに対応する情報格納ファイル44が、携帯情報端末100において取得される。そのため、ユーザは、現在地をほぼ中心として、自己の周囲の位置に対応する位置対応情報を利用することができる。
【0099】
(実施形態1〜4についてのまとめ)
(1)実施形態1、2において、
現在位置の周囲に存在するマーカ(認識対象)に関するマーカ情報(対象情報)を、通信回線300を介してサーバ200(情報提供装置)から取得する携帯情報端末100(情報取得装置)が提供される。
サーバ200(情報提供装置)は、所定の対象エリアを所定の態様で複数に分割することにより得られる複数の分割エリアArのそれぞれに対応させて設けられ、かつ各分割エリアAr内に存在するマーカ(認識対象)についてのマーカ情報(対象情報)を格納する、情報格納ファイル44を記憶している。
当該携帯情報端末100(情報取得装置)は、
現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部19と、
サーバ200(情報提供装置)との間で通信回線300を介して通信を行う通信部18と、
CPU15(制御部)と、を備える。
CPU15(制御部)は、
位置情報取得部19で取得された位置情報に基づいて、取得すべき情報格納ファイル44のファイル名を決定し、
決定したファイル名に対応する情報格納ファイル44の送信要求信号を通信部18を介してサーバ200(情報提供装置)に送信し、
送信要求信号に対する応答としてサーバ200(情報提供装置)から送信された情報格納ファイル44を通信部18を介して受信する。
【0100】
実施形態1、2の携帯情報端末100(情報取得装置)によれば、位置情報取得部19で取得された位置情報に基づいて、現在位置の周囲に存在するマーカ(認識対象)に関するマーカ情報(対象情報)を格納する複数の情報格納ファイル44のうちの取得すべき情報格納ファイル44のファイル名が決定される。決定されたファイル名に対応する情報格納ファイル44の送信要求信号がサーバ200(情報提供装置)に送信され、送信要求信号に対する応答としてサーバ200(情報提供装置)から送信された情報格納ファイル44が携帯情報端末100(情報取得装置)において受信される。
【0101】
したがって、サーバ200(情報提供装置)において、現在位置の周囲に存在するマーカ(認識対象)に関するマーカ情報(対象情報)を携帯情報端末100(情報取得装置)に提供する際に、現在位置を示す位置情報に基づいてデータベース等を検索する処理が不要となる。そのため、検索要求に対する応答の遅延等の問題が発生せず、携帯情報端末100(情報取得装置)において、現在地に対応する情報を取得する際の遅延が抑制される。
【0102】
(2)実施形態1、2の携帯情報端末100(情報取得装置)において、
携帯情報端末100(情報取得装置)は、
画像を撮像するカメラ12(撮像部)と、
画像により情報を報知可能な表示部11(報知部)と、をさらに備える。
マーカ情報(対象情報)は、カメラ12(撮像部)で撮像された画像に基づく認識処理に用いられる特徴量と、マーカ(認識対象)が認識されたときに報知する案内情報(報知情報)とを含む。
CPU15(制御部)は、
カメラ12(撮像部)で撮像された画像に対して特徴量に基づく認識処理を行うことにより、当該画像内に、特徴が一致または一定程度以上類似するマーカ(認識対象)が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合、当該マーカ(認識対象)に対応する報知情報を表示部11(報知部)を介して画像により報知する。
【0103】
これにより、現在地の周囲に存在するマーカ(認識対象)に対応付けられた案内情報(報知情報)を、ユーザに対して、表示部11(報知部)を介して画像により報知できる。このような場合において、実施形態1、2の情報システムによれば、携帯情報端末100(情報取得装置)において、現在地に対応する案内情報を、遅延を抑制しつつ、表示部11(報知部)を介してユーザに報知できる。なお、携帯情報端末100(情報取得装置)はスピーカ等の音声出力部(報知部)を有していてもよく、この場合、音声出力部(報知部)から音声により案内情報(報知情報)を報知してもよい。
【0104】
(3)実施形態3、4において、
位置情報に対応付けられた位置対応情報を、通信回線300を介してサーバ200(情報提供装置)から取得する携帯情報端末100(情報取得装置)が提供される。
サーバ200(情報提供装置)は、所定の対象エリアを所定の態様で複数に分割することにより得られる複数の分割エリアArのそれぞれに対応させて設けられ、かつ各分割エリアArに属する位置情報に対応する位置対応情報を格納する複数の情報格納ファイル44を記憶している。
当該携帯情報端末100(情報取得装置)は、
現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部19と、
サーバ200(情報提供装置)との間で通信回線300を介して通信を行う通信部18と、
CPU15(制御部)と、を備える。
CPU15(制御部)は、
位置情報取得部19で取得された位置情報に基づいて、取得すべき情報格納ファイル44のファイル名を決定し、
決定したファイル名の情報格納ファイル44の送信要求信号を通信部18を介してサーバ200(情報提供装置)に送信し、
送信要求信号に対する応答としてサーバ200(情報提供装置)から送信された情報格納ファイル44を通信部18を介して受信する。
【0105】
実施形態3、4の携帯情報端末100(情報取得装置)によれば、位置情報取得部19で取得された位置情報に基づいて位置情報に対応付けられた位置対応情報を格納する複数の情報格納ファイル44のうちの取得すべき情報格納ファイル44のファイル名が決定される。決定されたファイル名に対応する情報格納ファイル44の送信要求信号がサーバ200(情報提供装置)に送信され、送信要求信号に対する応答としてサーバ200(情報提供装置)から送信された情報格納ファイル44が携帯情報端末100(情報取得装置)において受信される。
【0106】
したがって、サーバ200(情報提供装置)において、位置情報に対応付けられた位置対応情報を携帯情報端末100(情報取得装置)に提供する際に、現在位置を示す位置情報に基づいてデータベース等を検索する処理が不要となる。そのため、検索要求に対する応答の遅延等の問題が発生せず、携帯情報端末100(情報取得装置)において、現在地に対応する情報を取得する際の遅延が抑制される。
【0107】
(4)実施形態3、4の携帯情報端末100(情報取得装置)において、
携帯情報端末100(情報取得装置)は、
画像により情報を報知可能な表示部11(報知部)をさらに備える。
位置対応情報は、位置情報が示す位置に応じて報知する案内情報(報知情報)を含む。
CPU15(制御部)は、
取得した位置対応情報に含まれる案内情報(報知情報)を表示部11(報知部)を介して画像により報知する。
【0108】
これにより、現在地の周囲の位置の位置情報に対応付けられた案内情報(報知情報)を、ユーザに対して、表示部11(報知部)を介して画像により報知できる。このような場合において、実施形態3、4の情報システムによれば、携帯情報端末100(情報取得装置)において、現在地に対応する案内情報を、遅延を抑制しつつ、表示部11(報知部)を介してユーザに報知(提示)できる。なお、携帯情報端末100(情報取得装置)はスピーカ等の音声出力部(報知部)を有していてもよく、この場合、音声出力部(報知部)から音声により案内情報(報知情報)を報知してもよい。
【0109】
(5)実施形態1〜4の携帯情報端末100(情報取得装置)において、
複数の分割エリアArは、所定の対象エリアを緯度と経度とに基づいて分割することにより得られる。
【0110】
これにより、サーバ200(情報提供装置)のHDD22(記憶部)に記憶させる複数の分割エリアArの情報格納ファイル44を、所定の対象エリアに対応する全ての対象情報を緯度と経度とに基づいて分割するだけで、容易に生成できる。
【0111】
(6)実施形態2、4の携帯情報端末100(情報取得装置)において、
各分割エリアArは、所定の面積を有する矩形状のエリアであり、少なくとも隣接する分割エリアArと重畳するように、緯度方向及び経度方向にそれぞれ所定量ずつずらすことにより分割されている。
CPU15(制御部)は、位置情報取得部19で取得された位置情報が示す位置が含まれる少なくとも1つの分割エリアArのうち、取得された位置情報の示す位置が分割エリアArの中心位置に最も近い位置となる分割エリアArに対応する情報格納ファイル44を、取得すべき情報格納ファイル44として決定する。
【0112】
これにより、ユーザが移動しながら携帯情報端末100(情報取得装置)を利用しているような場合において、ユーザが現在いる位置(現在地)と分割エリアArの中心位置とが最も近くなる分割エリアArに対応する情報格納ファイル44が、携帯情報端末100(情報取得装置)において取得される。そのため、ユーザは、現在地をほぼ中心として、自己の周囲に存在するマーカ(認識対象)のマーカ情報(対象情報)や位置対応情報を利用することができる。
【0113】
(7)実施形態1〜4の携帯情報端末100(情報取得装置)において、
各情報格納ファイル44のファイル名は、各情報格納ファイル44に対応する分割エリアArの位置を示す緯度及び経度を示す情報を含む。
【0114】
これにより、現在地において取得すべき情報格納ファイル44のファイル名を、現在地の位置情報に基づいて、簡単な計算だけで決定することができる。
【0115】
(8)実施形態1、2において、
現在位置の周囲に存在するマーカ(認識対象)に関するマーカ情報(対象情報)を、携帯情報端末100(情報取得装置)が通信回線300を介してサーバ200(情報提供装置)から取得する情報取得方法が提供される。
【0116】
(9)実施形態3、4において、
位置情報に対応付けられた位置対応情報を、携帯情報端末100(情報取得装置)が通信回線300を介してサーバ200(情報提供装置)から取得する情報取得方法が提供される。
【0117】
(10)実施形態1〜4において、
コンピュータを、上記情報取得方法を実行する手段として機能させるアプリケーションプログラム32(プログラム)が提供される。なお、本発明におけるプログラムは、OSとしての機能を一体的に有するプログラムとして構成されてもよい。
【0118】
これにより、コンピュータを利用して携帯情報端末100(情報取得装置)の制御部を構成することができる。
【0119】
(11)実施形態1、2において、
現在位置の周囲に存在するマーカ(認識対象)に関するマーカ情報(対象情報)を、通信回線300を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に提供するサーバ200(情報提供装置)が提供される。
サーバ200(情報提供装置)は、
所定の対象エリアを所定の態様で複数に分割することにより得られる複数の分割エリアArのそれぞれに対応させて設けられ、かつ各分割エリアAr内に存在するマーカ(認識対象)についてのマーカ情報(対象情報)を格納する、情報格納ファイル44を記憶するHDD22(記憶部)と、
携帯情報端末100(情報取得装置)との間で通信回線300を介して通信を行う通信部24と、
CPU21(制御部)と、を備える。
CPU21(制御部)は、
携帯情報端末100(情報取得装置)から、ファイル名を指定した、情報格納ファイル44の送信要求信号を通信部24を介して受け付けたときに、指定されたファイル名に対応する情報格納ファイル44をHDD22(記憶部)から読み出し、
読み出した情報格納ファイル44を通信部24を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に送信する。
【0120】
実施形態1、2のサーバ200(情報提供装置)によれば、実施形態1、2の携帯情報端末100(情報取得装置)に関して説明したのと同様の効果が得られる。
【0121】
(12)実施形態3、4のサーバ200(情報提供装置)において、
位置情報に対応付けられた位置対応情報を、通信回線300を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に提供するサーバ200(情報提供装置)が提供される。
サーバ200(情報提供装置)は、
所定の対象エリアを所定の態様で複数に分割することにより得られる複数の分割エリアArのそれぞれに対応させて設けられ、かつ各分割エリアArに属する位置情報に対応する位置対応情報を格納する複数の情報格納ファイル44を記憶するHDD22(記憶部)と、
携帯情報端末100(情報取得装置)との間で通信回線300を介して通信を行う通信部24と、
CPU21(制御部)と、を備える。
CPU21(制御部)は、
携帯情報端末100(情報取得装置)から、ファイル名を指定した、情報格納ファイル44の送信要求信号を通信部24を介して受け付けたときに、指定されたファイル名に対応する情報格納ファイル44をHDD22(記憶部)から読み出し、
読み出した情報格納ファイル44を、通信部24を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に送信する。
【0122】
実施形態3、4のサーバ200(情報提供装置)によれば、実施形態3、4の携帯情報端末100(情報取得装置)に関して説明したのと同様の効果が得られる。
【0123】
(13)実施形態1〜4のサーバ200(情報提供装置)において、
複数の分割エリアArは、所定の対象エリアを緯度と経度とに基づいて分割することにより得られる。
【0124】
これにより、サーバ200(情報提供装置)のHDD22(記憶部)に記憶させる複数の分割エリアArの情報格納ファイル44を、所定の対象エリアに対応する全ての対象情報を緯度と経度とに基づいて分割するだけで、容易に生成できる。
【0125】
(14)実施形態2、4のサーバ200(情報提供装置)において、
各分割エリアArは、所定の面積を有する矩形状のエリアであり、少なくとも隣接する分割エリアArと重畳するように、緯度方向及び経度方向にそれぞれ所定量ずつずらすことにより分割されている。
【0126】
これにより、ユーザが移動しながら携帯情報端末100(情報取得装置)を利用しているような場合において、ユーザが現在いる位置(現在地)と分割エリアArの中心位置とが最も近くなる分割エリアArに対応する情報格納ファイル44が、携帯情報端末100(情報取得装置)において取得される。そのため、ユーザは、現在地をほぼ中心として、自己の周囲の位置に対応する位置対応情報を利用することができる。
【0127】
(15)実施形態1〜4のサーバ200(情報提供装置)において、
各情報格納ファイル44のファイル名は、各情報格納ファイル44に対応する分割エリアArの位置を示す緯度及び経度を示す情報を含む。
【0128】
これにより、現在地において取得すべき情報格納ファイル44のファイル名を、現在地の位置情報に基づいて、簡単な計算だけで決定することができる。
【0129】
(16)実施形態1、2において、
現在位置の周囲に存在するマーカ(認識対象)に関するマーカ情報(対象情報)を、サーバ200(情報提供装置)が通信回線300を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に提供する情報提供方法が提供される。
【0130】
(17)実施形態3、4において、
位置情報に対応付けられた位置対応情報を、サーバ200(情報提供装置)が通信回線300を介して携帯情報端末100(情報取得装置)に提供する情報提供方法が提供される。
【0131】
(18)実施形態1〜4において、
コンピュータを、上記情報提供方法を実行する手段として機能させるアプリケーションプログラム42(プログラム)が提供される。なお、本発明におけるプログラムは、OSとしての機能を一体的に有するプログラムとして構成されてもよい。
【0132】
これにより、コンピュータを利用してサーバ200(情報提供装置)のCPU21(制御部)を構成することができる。
【0133】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、本発明の情報取得装置を、携帯情報端末100に適用した場合について説明した。しかし、本発明の情報取得装置は、上記応用例1〜3でも説明したように、種々のものに適用可能である。例えば、本発明の情報取得装置は、ネット接続可能な、Google(登録商標)グラスなどのスカウター型ツール、コンパクトデジタルカメラ、一眼レフカメラ、タブレットコンピュータ、ノートブック型コンピュータ等であってもよい。
【0134】
前記実施形態では、現在位置に対応するファイルのファイル名は、緯度及び経度の情報の一部を利用して設定されている。しかし、本発明において、ファイル名は、緯度及び経度の情報に対応付けられた情報格納ファイルを読み出すことができれば、緯度及び経度の情報を含んでいなくてもよい。例えば、情報取得装置において、緯度及び経度の情報に基づいて、一定のルールで複数のアルファベット等でなる一意の文字列を生成し、サーバ側において、上記一定のルールで生成されるファイル名の情報格納ファイルを記憶しておいてもよい。この場合でも、サーバ側においては、ファイル名に対応する情報格納ファイルを読み出して、通信回線300を介して、送信するだけですむ。
【0135】
また、前記実施形態では、各分割エリアArの形状は矩形である。しかし、本発明において、各分割エリアの形状は、矩形に限定されない。例えば、各分割エリアの形状は、円形、楕円形、三角形、五角形以上の多角形、その他の任意の形状であってもよい。また、分割エリアの形状は分割エリア毎に異なってもよい。
【0136】
また、前記実施形態では、複数の分割エリアArの面積は全ての分割エリアArにおいて同一である。しかし、本発明において、複数の分割エリアの中に他の分割エリアとは異なる面積の分割エリアが存在してもよい。例えば、所定面積当たりのマーカ密度が相対的に大きい分割エリアにおいては、当該分割エリアをさらに細分化することにより面積を小さくしてもよいし、前記所定面積当たりのマーカ密度が相対的に小さい分割エリアにおいては、他の分割エリア等とまとめることにより、分割エリアの面積を大きくしてもよい。このようにマーカ密度に応じて分割エリアの面積を変更することにより、1つの情報格納ファイルに含まれるマーカの数のばらつきを少なくし、1つの情報格納ファイル当たりのデータ容量のばらつきを少なくすることができる。したがって、情報格納ファイルのダウンロードに要する時間が分割エリアによって極端に長くなるようなことを抑制できる。
【0137】
前記実施形態では、分割エリアArの大きさは経度方向及び緯度方向にそれぞれ1秒である。しかし、分割エリアの大きさは、経度方向及び緯度方向にそれぞれ2秒、3秒、・・・、あるいは1分、2分、・・・等、他の値であってもよい。また、経度方向との長さと緯度方向の長さとが異なってもよい。
【0138】
また、所定の対象エリアを第1の分割態様で分割して得られる第1の情報格納ファイル群と、前記所定の対象エリアを第2の分割態様で分割して得られる第2の情報格納ファイル群とを記憶させてもよい。このようにすることにより、例えば、分割エリアArの大きさを、第1の分割態様では、緯度及び経度方向においてそれぞれ例えば1秒とし、第2の分割態様では、緯度及び経度方向においてそれぞれ例えば1分としてもよい。移動速度が遅いユーザに対しては、第1の情報格納ファイルを適用し、移動速度が速いユーザに対しては、第2の情報格納ファイルを適用するようにしてもよい。また、各ユーザに対して第1及び第2の情報格納ファイルのうちのいずれの情報格納ファイルを適用するかは、取得した位置情報が示す位置の変化に基づいて移動速度や加速度を検出し、検出した移動速度や加速度に基づいて決定するようにしてもよい。これにより、例えば、利用者が歩行しているときには、第1の分割態様を適用し、利用者が自動車や電車等の高速移動手段で移動しているときには、第2の分割態様を適用することができる。移動速度が速い場合において、分割エリアの範囲が小さいと、情報格納ファイルの送信要求やダウンロードが頻繁に発生するとともに、情報格納ファイルの送信要求やダウンロードを行っている最中に次の分割エリアに移動しており、現在地に応じた適切な情報格納ファイルを受信できない虞がある。そのため、移動速度が速い場合には、分割エリアの範囲が大きい第2の態様の情報格納ファイルを取得することにより、上記のようなことを抑制する。一方、全てのユーザに対して第2の分割態様を適用すると、全体としての通信データ量が増大する等の問題がある。移動速度が遅いユーザに対しては、第1の分割態様を適用することにより、全体としての通信データ量の増大を抑制できる。なお、位置情報の変化は、各情報通信端末において検知可能であるため、第1の分割態様と第2の分割態様とのいずれを適用するかは、各情報取得装置において決定し、決定した態様に対応するファイル群の中のファイルを指定するようにすればよい。
【0139】
また、前記実施形態では、ステップS11またはS21において、現在位置の位置情報をGPS受信機を利用して取得しているが、これに限定されない。例えば、現在地の位置情報を、無線LANのSSID等を利用して取得してもよい。この場合、サーバに、無線LANのアクセスポイントのSSIDと、当該アクセスポイントが設置されている位置の緯度経度情報(位置情報)とを対応付けて記憶させておく。また、情報取得装置は、無線LAN通信機能を有する。情報取得装置は、現地において、SSIDを検知すると、当該SSIDに対応する緯度経度情報(位置情報)の送信をサーバに要求する。サーバは、当該SSIDに対応する緯度経度情報(位置情報)を、情報取得装置に送信する。情報取得装置は、サーバから受信した、当該SSIDに対応する緯度経度情報(位置情報)に基づいて、現在地が含まれる分割エリアに対応する情報格納ファイル44のファイル名を上記実施形態同様に決定する。このように構成することにより、店舗や施設の屋内等、GPS衛星からの電波を利用できない環境においても、情報格納ファイル44を取得可能となる。