特許第6790216号(P6790216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ PayPay株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6790216-提供装置、提供方法及び提供プログラム 図000002
  • 特許6790216-提供装置、提供方法及び提供プログラム 図000003
  • 特許6790216-提供装置、提供方法及び提供プログラム 図000004
  • 特許6790216-提供装置、提供方法及び提供プログラム 図000005
  • 特許6790216-提供装置、提供方法及び提供プログラム 図000006
  • 特許6790216-提供装置、提供方法及び提供プログラム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6790216
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法及び提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20201116BHJP
   G06Q 20/10 20120101ALI20201116BHJP
【FI】
   G06Q30/02 328
   G06Q20/10
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-204993(P2019-204993)
(22)【出願日】2019年11月12日
【審査請求日】2019年11月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 泰斗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 咲子
【審査官】 関 博文
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0283922(US,A1)
【文献】 特表2014−529110(JP,A)
【文献】 特開2017−078932(JP,A)
【文献】 特開2014−093062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報であって、利用者が属する利用者群を示す情報を含む利用者情報を取得する取得部と、
前記利用者情報に基づいて、利用者の前記所定の決済手段に関するサービスに対する利用度を判定する判定部と、
前記判定部により判定された利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する提供部と
を有し、
前記提供部は、
前記利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段を用いた送金処理を当該利用者群に属する他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記提供部により提供された利益情報と、当該利益情報が提供された後の利用者の行動を示す行動情報とに基づいて、当該利用者の行動に対する所定の利益を設定する設定部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記設定部は、
送金処理を行った利用者と、当該送金処理により送金が行われた他の利用者とに所定の利益を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、当該利用者に対応する前記利用者情報に応じた前記利益情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記所定の決済手段を用いて所定の閾値以上の金額の送金処理を行うことにより享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記利用者情報として、前記所定の決済手段における電子マネーの残高、前記所定の決済手段を用いた決済を利用した回数、前記所定の決済手段を用いた決済の決済金額、若しくは、前記所定の決済手段を用いた決済を利用した日時情報を取得する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記所定の決済手段に関するサービスにおける所定の機能を利用していない利用者が属する利用者群に対し、当該所定の機能を利用した場合に享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記所定の決済手段を用いた決済を実店舗に対し行った回数が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段を用いた決済を実店舗に対し行った場合に享受可能な利益に関する前記利益情報を提供し、前記所定の決済手段を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った回数が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った場合に享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項9】
前記取得部は、
利用者が属する利用者群を示す情報を前記所定の決済手段に関するサービスとは異なるサービスから取得する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項10】
前記提供部は、
前記利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段と関連する所定の行動を当該利用者群に属する各利用者が行うことにより当該利用者群が享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の提供装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する提供方法であって、
所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報であって、利用者が属する利用者群を示す情報を含む利用者情報を取得する取得工程と、
前記利用者情報に基づいて、利用者の前記所定の決済手段に関するサービスに対する利用度を判定する判定工程と、
前記判定工程により判定された利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する提供工程と
を含み、
前記提供工程は、
前記利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段を用いた送金処理を当該利用者群に属する他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする提供方法。
【請求項12】
所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報であって、利用者が属する利用者群を示す情報を含む利用者情報を取得する取得手順と、
前記利用者情報に基づいて、利用者の前記所定の決済手段に関するサービスに対する利用度を判定する判定手順と、
前記判定手順により判定された利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ、
前記提供手順は、
前記利用度が所定の閾値以下である利用者が属する利用者群に対し、前記所定の決済手段を用いた送金処理を当該利用者群に属する他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する前記利益情報を提供する
ことを特徴とする提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法及び提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の入出金に応じた各種のサービスを提供する技術が知られている。このような技術の一例として、利用者の入出金を管理し、所定の方法で入金が行われた場合に利用者に特典を付与する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−081676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者に対する利益を適切に提供しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した技術では、利用者に対して入金が行われた場合にのみ特典を付与しているに過ぎず、利用者の入出金に応じて様々な利益を提供しているとは言えない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対する利益を適切に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提供装置は、所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報を取得する取得部と、前記利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、前記所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者に対する利益を適切に提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る利益情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される提供処理を説明する。図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る提供装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供装置10と、端末装置100と、決済サーバ200とを含む。情報提供装置10、端末装置100及び決済サーバ200は、ネットワークN(例えば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した情報提供システム1には、複数台の情報提供装置10、複数台の端末装置100及び複数台の決済サーバ200が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す情報提供装置10は、提供処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、決済を実現するための各種処理を実行する決済サーバ200から、端末装置100を用いた決済に関する情報を取得し、取得した情報に応じた情報を端末装置100に提供する。
【0014】
図1に示す端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、端末装置100は、情報提供装置10や決済サーバ200によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、端末装置100がスマートフォンである場合を示す。
【0015】
決済サーバ200は、端末装置100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供し、各種の決済を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステムにより実現される。例えば、決済サーバ200は、電子決済サービスの利用者(一例を挙げると、取引対象の販売者や購入者)の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、利用者が予め電子マネーをチャージした口座と他の利用者の口座との間における電子マネーの送金等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0016】
以下、図1を用いて、情報提供装置10が実行する提供処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置100を利用する利用者に応じて、端末装置100を端末装置100−1〜100−N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、端末装置100100−1は、利用者ID「U1」により識別される利用者(利用者U1)により使用される端末装置100である。また、以下では、端末装置100−1〜100−Nについて、特に区別なく説明する場合には、端末装置100と記載する。また、以下の説明では、端末装置100を利用者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者を端末装置100と読み替えることもできる。
【0017】
まず、決済サーバ200は、決済サーバ200が提供する電子決済サービスを利用する利用者に関する利用者情報を収集する(ステップS1)。例えば、決済サーバ200は、利用者が電子決済サービスを利用して行った決済に関する決済情報と、電子決済サービス上において利用者が属するグループを示す情報とを含む利用者情報を端末装置100から収集する。具体的な例を挙げると、決済サーバ200は、決済による支払先(送金先)や、決済金額、決済日時、利用者の口座における電子マネーの残高などを含む決済情報を収集する。また、決済サーバ200は、電子決済サービス上において利用者が任意に設定したグループであって、所定の関係性を有する電子決済サービスの利用者(例えば、友人や家族など)により構成されるグループを示す情報を収集する。
【0018】
続いて、情報提供装置10は、決済サーバ200が収集した利用者情報を取得する(ステップS2)。続いて、情報提供装置10は、利用者情報に基づいて、各利用者が電子決済サービスから離脱する可能性(以下、「離脱可能性」と記載する場合がある)を判定する(ステップS3)。例えば、情報提供装置10は、電子決済を利用していない期間が長い利用者ほど離脱可能性が高いと判定する。
【0019】
なお、情報提供装置10は、利用者情報と、利用者が電子決済サービスから離脱する可能性との相関を学習したモデルを用いて離脱可能性を判定してもよい。ここで、モデルの学習には、任意の公知技術が適用可能であり、取得される情報に応じて適宜選択された学習手法が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、機械学習に関する種々の従来技術(例えば、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術)を用いて行われてもよい。また、モデルの学習には、深層学習(ディープラーニング)の技術が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、RNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術が用いられてもよい。また、情報提供装置10は、ルールベースで処理を実行するモデルを用いて離脱可能性を判定してもよい。
【0020】
続いて、情報提供装置10は、離脱する可能性が高い利用者が属するグループを特定する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、利用者情報に基づき、離脱可能性が高いと判定された利用者(例えば、30日以上電子決済を利用していない利用者)が属するグループを特定する。
【0021】
続いて、情報提供装置10は、利用者が享受可能な利益に関する利益情報(キャンペーン)を特定したグループに提供する(ステップS5)。ここで、図1の例において、情報提供装置10が利用者U1の離脱可能性が高いと判定したものとする。この場合、情報提供装置10は、利用者U1が属するグループGの利用者U1〜U3に対し利益情報を提供する。例えば、情報提供装置10は、利益を享受するための条件や、当該利益の内容などの情報を含む利益情報を利用者U1〜U3に提供する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、同一グループに属する他の利用者に対し所定の期間(キャンペーン期間)内に電子決済を用いて所定額以上の送金を行うことを条件とし、当該条件を満たした場合に送金元である利用者及び送金先である利用者の双方に特典(例えば、送金額に応じて付与される電子マネーやポイント)が付与されることを示す利益情報を提供する。そして、端末装置100−1〜100−3は、情報提供装置10から提供された利益情報に関するコンテンツ(例えば、プッシュ通知)を画面に表示する。
【0022】
続いて、利用者U1〜U3は、利益情報が提供された後、各種の行動をとる。ここで、図1の例では、利益情報に関するコンテンツを閲覧した利用者U2が、キャンペーン期間中に電子決済を用いて、所定額以上の送金を利用者U1に対して行ったものとする(ステップS6)。
【0023】
続いて、情報提供装置10は、利用者U1〜U3の行動に対する利益を設定する(ステップS7)。例えば、情報提供装置10は、利益情報が提供された後における、電子決済サービス上の利用者U1〜U3の行動を示す行動情報(言い換えると、利益情報が提供された後における利用者U1〜U3の決済情報)を決済サーバ200から取得し、利用者U2が、利益を享受するための条件を満たすと判定する。そして、情報提供装置10は、送金を行った利用者U2(送金元)と、送金の対象となった利用者U1(送金先)とに対し、送金額に応じた特典を設定する。
【0024】
続いて、情報提供装置10は、利用者U1及びU2に設定された利益に関する情報を決済サーバ200に通知する(ステップS8)。例えば、情報提供装置10は、利用者U1及びU2に対する特典として設定した電子マネーの金額を決済サーバ200に通知する。そして、決済サーバ200は、通知された金額の電子マネーを利用者U1及びU2の各口座に振り込む。
【0025】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、電子決済を用いて送金を行った送金元である利用者及び送金先の利用者の双方に対し付与される特典に関する利益情報を提供する。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、電子決済サービスにおける利用者の入金のみならず利用者の送金に対して付与される特典に関する利益情報を提供できるため、利用者に対する利益を適切に提供できる。
【0026】
また、サービスから離脱する可能性が高い利用者に関しては、サービスからキャンペーンに関する情報を提供されても閲覧されずに放置される事態や、端末装置にサービスからの情報の表示(例えば、プッシュ通知)が不許可とされている事態が想定され、利用者にキャンペーンの存在が知られないことによりキャンペーンの訴求効果が発揮されない場合がある。ここで、実施形態に係る情報提供装置10は、電子決済サービスから離脱する可能性が高い利用者、並びに、当該利用者と所定の関係性にある利用者により構成されるグループに対し利益情報を提供する。これにより、電子決済サービスから離脱する可能性が高い利用者は、利益情報の存在を知らなくとも、同一のグループに属する他の利用者からの働きかけ(例えば、メールやSNS(Social Network Service)などといった各種のコミュニケーションツールを用いた利益情報の共有)により、利益情報の存在を知ることができる。このため、実施形態に係る情報提供装置10は、利益情報の存在を知らない利用者に対しても利益情報を訴求することができる。
【0027】
また、電子決済サービスにおいて、利用者の口座における電子マネーの残高が所定額以上である場合、利用者が電子決済サービスから離脱する可能性が低くなることが知られている。ここで、実施形態に係る情報提供装置10は、電子決済サービスから離脱する可能性が高い利用者が属するグループに対し、当該グループに属する利用者間で所定額以上の送金を行うことにより付与される特典に関する利益情報を提供し、送金を行った利用者に特典(電子マネー)を設定する。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者間での送金を奨励すると共に、送金元の利用者に電子マネーを付与することにより、利用者の口座における電子マネーの残高が所定額以上である状態を維持することができるため、利用者が電子決済サービスから離脱する可能性を低下させることができる。
【0028】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、図2を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0029】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100、決済サーバ200等との間で情報の送受信を行う。
【0030】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部30は、利用者データベース31と、利益情報データベース32とを有する。
【0031】
(利用者データベース31について)
利用者データベース31は、利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、図3を用いて、利用者データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。図3の例において、利用者データベース31は、「利用者ID」、「行動情報」、「支払先」、「決済金額」、「決済日時」、「保有残高」、「離脱可能性」、「所属グループ」といった項目を有する。
【0032】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「行動情報」は、利用者の各種のサービスにおける行動に関する行動情報を示す。「支払先」は、電子決済による支払先を示す。「決済金額」は、電子決済による決済金額を示す。「決済日時」は、電子決済を行った日時を示す。「保有残高」は、利用者の電子決済サービスの口座における電子マネーの残高を示す。「離脱可能性」は、利用者が電子決済サービスから離脱する可能性を示す。「所属グループ」は、利用者が属するグループ(利用者群)を示す。
【0033】
すなわち、図3では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者が、行動情報が「行動情報#1」であり、決済日時「日時#1」に支払先「支払先#1」に決済金額「1000円」の電子決済を行い、電子決済サービスの口座における電子マネーの残高が「100円」、電子決済サービスの離脱可能性が「低」、電子決済サービス上で属するグループが「グループ#1」である例を示す。
【0034】
(利益情報データベース32について)
利益情報データベース32は、利用者に対して提供される利益情報に関連する情報を記憶する。ここで、図4を用いて、利益情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る利益情報データベースの一例を示す図である。図4の例において、利益情報データベース32は、「キャンペーンID」、「対象条件」、「利益内容」といった項目を有する。
【0035】
「キャンペーンID」は、利益情報(キャンペーン)を識別するための識別情報を示す。「対象条件」は、利益情報の提供対象となる利用者若しくは利用者群の条件に関する情報を示し、「対象利用者」、「対象行動」、「期間」といった項目を有する。「対象利用者」は、利益情報の提供対象となる利用者の条件を示す。「対象行動」は、利益情報に関する利益が利用者に提供される条件となる行動を示す。「期間」は、利益情報に関する利益が利用者に提供される期間(キャンペーン期間)を示す。「利益内容」は、利用者に提供される利益の内容を示す。
【0036】
すなわち、図4では、キャンペーンID「CID#1」によって識別される利益情報の提供対象となる利用者の条件が「保有残高:200未満」、対象行動が「送金」、利益が提供される期間が「期間#1」、利益内容が「利益内容#1」である例を示す。
【0037】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図2に示すように、取得部41と、判定部42と、提供部43と、設定部44と、通知部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0038】
(取得部41について)
取得部41は、所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報を取得する。例えば、図1の例において、取得部41は、電子決済サービスを利用する利用者に関する利用者情報を決済サーバ200から取得し、利用者データベース31に格納する。
【0039】
なお、取得部41は、決済サーバ200に限らず、端末装置100や、利用者に各種のサービスを提供する外部サーバなどから利用者情報を取得してもよい。
【0040】
また、取得部41は、利用者情報として、所定の決済手段における電子マネーの残高、所定の決済手段を用いた決済を利用した回数、所定の決済手段を用いた決済の決済金額、若しくは、所定の決済手段を用いた決済を利用した日時情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、電子決済による支払先や、決済金額、決済日時、利用者の口座における電子マネーの残高などを含む決済情報を利用者情報として取得する。
【0041】
また、取得部41は、利用者が属する利用者群を示す情報を含む利用者情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、電子決済サービス上において利用者が任意に設定したグループであって、所定の関係性を有する電子決済サービスの利用者により構成されるグループを示す情報を含む利用者情報を取得する。
【0042】
また、取得部41は、利用者が属する利用者群を示す情報を所定の決済手段に関するサービスとは異なるサービスから取得してもよい。例えば、取得部41は、SNSにおいて所定の関係性を有する利用者(例えば、相互リンクしている利用者)によって構成される利用者群を示す情報を、SNSサービスを提供する外部サーバから取得する。また、取得部41は、オフライン若しくはオンライン上で開催されるイベントに同一グループで参加する利用者を示す情報を、イベント予約サービスを提供する外部サーバや、イベントの提供者が管理する外部サーバなどから取得する。また、取得部41は、複数の利用者が共同して加入することにより所定の利益を得られるサービス(例えば、携帯電話料金の家族割引サービス)に加入する利用者群を示す情報を、当該サービスを提供する外部サーバから取得する。
【0043】
なお、取得部41は、電子決済による支払先に関する情報を含む利用者情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、電子決済による支払先が、実店舗若しくはウェブ上のコンテンツであることを示す情報を取得する。また、取得部41は、電子決済による支払先のカテゴリを示す情報を取得する。具体的な例を挙げると、取得部41は、コンビニエンスストアや、スパーマーケット、居酒屋、レストランなどといった支払先(店舗)の業態のカテゴリを示す情報を取得する。
【0044】
また、取得部41は、電子決済サービスにおける操作情報を含む利用者情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、電子決済サービスにおける所定の機能(例えば、オートチャージ機能)を利用しているか否かを示す情報を含む利用者情報を取得する。
【0045】
(判定部42について)
判定部42は、利用者情報に基づいて、利用者の所定の決済手段に関するサービスに対する利用度を判定する。例えば、図1の例において、判定部42は、利用度の一態様である離脱可能性を利用者情報に基づいて判定し、利用者データベース31に格納する。具体的な例を挙げると、判定部42は、電子決済を利用していない期間が長い利用者ほど離脱可能性が高いと判定する。言い換えると、判定部42は、電子決済を利用していない期間が長い利用者ほど利用度が低いと判定する。
【0046】
なお、判定部42は、電子決済を利用する頻度が低い利用者ほど利用度が低いと判定してもよい。また、判定部42は、電子決済による決済金額の累計が低い利用者ほど利用度が低いと判定してもよい。また、判定部42は、電子マネーの残高が低い利用者ほど利用度が低いと判定してもよい。
【0047】
(提供部43について)
提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する。例えば、提供部43は、利用者データベース31及び利益情報データベース32を参照し、利用者情報が利益情報データベース32に格納された対象条件を満たす利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群を対象として、当該対象条件に対応する利益情報を提供する。
【0048】
また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、当該利用者に対応する利用者情報に応じた利益情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、電子マネーの残高が所定の閾値以下である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、当該利用者の残高が所定の閾値以上となる金額の電子マネーの付与に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、利益情報の提供対象となる利用者の利用者情報に基づくLTV(Life Time Value)に応じた利益に関する利益情報を提供する。
【0049】
また、提供部43は、所定の決済手段に関するサービスにおける所定の機能を利用していない利用者に対し、当該所定の機能を利用した場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、電子決済サービスにおいてオートチャージ機能を利用していない利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、オートチャージ機能を利用した場合に付与される利益に関する利益情報を提供する。
【0050】
また、提供部43は、所定の決済手段を用いた決済を実店舗に対し行った回数が所定の閾値以下である利用者に対し、所定の決済手段を用いた決済を実店舗に対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供し、所定の決済手段を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った回数が所定の閾値以下である利用者に対し、所定の決済手段を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、電子決済を実店舗に対し行った回数が所定の閾値以下である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、電子決済を実店舗に対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、電子決済を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った回数が所定の閾値以下である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、電子決済を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供する。
【0051】
なお、提供部43は、利用者群に属する各利用者が電子決済を実店舗に対し行った回数を合算し、合算した値が所定の閾値以下である場合、当該利用者群に属する各利用者が電子決済を実店舗に対して行った回数の総数が所定の閾値以上となった場合に付与される利益(例えば、利用者群に対して付与される利益)に関する利益情報を提供してもよい。また、提供部43は、利用者群に属する各利用者が電子決済をウェブ上のコンテンツに対し行った回数を合算し、合算した値が所定の閾値以下である場合、当該利用者群に属する各利用者が電子決済をウェブ上のコンテンツに対して行った回数の総数が所定の閾値以上となった場合に付与される利益に関する利益情報を提供してもよい。
【0052】
また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、所定の決済手段を用いた送金処理を他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、他の利用者に対し電子決済を用いて送金を行った場合に付与される利益に関する利益情報を提供する。
【0053】
また、提供部43は、所定の決済手段を用いて所定の閾値以上の金額の送金処理を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、他の利用者に対し電子決済を用いて所定額以上の送金を行った場合に付与される利益に関する利益情報を提供する。
【0054】
また、提供部43は、判定部42により判定された利用度に基づく所定の条件を満たす利用者に対し、当該利用度に応じた利益情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、利用度が所定の閾値以上である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、LTVに応じた利益に関する利益情報を提供する。
【0055】
また、提供部43は、利用度が所定の閾値以下である利用者、若しくは、当該利用者が属する所定の利用者群に対し、利益情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、離脱可能性が高い(言い換えると、利用度が低い)と判定された利用者U1が属するグループGに対し、利益情報を提供する。
【0056】
また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、利益情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、離脱する可能性が高い利用者が属する利用者群を特定し、特定した利用者群に対し、利益情報を提供する。
【0057】
また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、所定の決済手段を用いた送金処理を当該利用者群に属する他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、同一グループに属する他の利用者に対し所定の期間内に電子決済を用いて所定額以上の送金を行うことを条件とし、当該条件を満たした場合に送金元である利用者及び送金先である利用者の双方に特典が付与されることを示す利益情報を提供する。
【0058】
また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、所定の決済手段と関連する所定の行動を当該利用者群に属する各利用者が行うことにより当該利用者群が享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、電子決済と関連する所定の行動を当該利用者群に属する各利用者が行うことにより、当該利用者群に属する利用者全員に付与される利益、若しくは、当該利用者群に属する各利用者に分配して付与される利益に関する利益情報を提供する。具体的な例を挙げると、提供部43は、利用者群の電子決済の回数の総数や、所定の店舗若しくは所定のウェブコンテンツに対して電子決済を行った回数の総数、決済金額の総数などが所定の閾値以上となった場合に付与される利益に関する利益情報を提供する。
【0059】
(設定部44について)
設定部44は、提供部43により提供された利益情報と、当該利益情報が提供された後の利用者の行動を示す行動情報とに基づいて、当該利用者の行動に対する所定の利益を設定する。例えば、図1の例において、設定部44は、利益情報が提供された後における、電子決済サービス上の利用者U1〜U3の行動を示す行動情報(例えば、行動情報の一態様である決済情報)を決済サーバ200から取得し、利用者U2が、利益を享受するための条件を満たすと判定、送金を行った利用者U2に送金額に応じた特典を設定する。
【0060】
なお、設定部44は、電子決済による支払先や、決済金額、決済日時、利用者の口座における電子マネーの残高などを含む決済情報、電子決済サービスにおける操作情報、電子決済サービスとは異なるサービスにおける利用者の情報、電子決済による支払先に関する情報などといった各種の利用者の行動に関する情報に基づいて、利用者に対する利益を設定してもよい。
【0061】
また、設定部44は、送金処理を行った利用者と、当該送金処理により送金が行われた他の利用者とに所定の利益を設定してもよい。例えば、図1の例において、設定部44は、送金を行った利用者U2と、送金の対象となった利用者U1とに対し、送金額に応じた特典を設定する。
【0062】
(通知部45について)
通知部45は、所定の決済手段に関する決済サービスを提供する決済サーバに対し、設定部44により設定された利益に関する情報を通知する。例えば、図1の例において、通知部45は、利用者U1及びU2に対する特典として設定した電子マネーの金額を決済サーバ200に通知する。そして、決済サーバ200は、通知された金額の電子マネーを利用者U1及びU2の各口座に振り込む。
【0063】
〔3.提供処理のフロー〕
図5を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の提供処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0064】
図5に示すように、情報提供装置10は、所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報を取得する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、利用者の所定の決済手段の利用度が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、利用度が所定の閾値以下ではない場合(ステップS102;No)、情報提供装置10は、処理を終了する。
【0065】
一方、利用度が所定の閾値以下である場合(ステップS102;Yes)、情報提供装置10は、所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を利用者に提供する(ステップS103)。
【0066】
続いて、情報提供装置10は、利用者が所定の行動を行ったか否かを判定する(ステップS104)。ここで、利用者が所定の行動を行っていない場合(ステップS104;No)、情報提供装置10は、利用者が所定の行動を行うまで待機する。
【0067】
一方、利用者が所定の行動を行った場合(ステップS104;Yes)、情報提供装置10は、利用者の行動に対する利益を設定する(ステップS105)。続いて、情報提供装置10は、利用者に設定された利益に関する情報を、所定の決済手段に関するサービスを提供する外部サーバ等に通知し(ステップS106)、処理を終了する。
【0068】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0069】
〔4−1.利益情報について〕
上述の実施形態において、提供部43が、電子マネーの付与を利用者に対する利益として設定された利益情報を提供する例を示したが、提供部43の機能はこのような例に限定されず、利用者が享受可能な各種の利益に関する利益情報を提供してよい。例えば、提供部43は、所定の店舗若しくはウェブ上のコンテンツにおいて利用可能なクーポンや、電子決済サービスにおいて付与される称号、電子決済サービスにおける新機能のテスターとなる権利などを利用者に対する利益として設定された利益情報を提供してもよい。
【0070】
〔4−2.カテゴリごとの店舗の利用に応じた利益情報について〕
上述の実施形態において、電子決済を実店舗に対し行った回数が所定の閾値以下である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、電子決済を実店舗に対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供する例を示したが、提供部43の機能はこのような例に限定されない。例えば、提供部43は、所定のカテゴリに属する店舗に対し電子決済を行った回数が所定の閾値以下である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、当該カテゴリに属する店舗に対し電子決済を行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。具体的な例を挙げると、提供部43は、カテゴリ「コンビニ」に属する店舗に対し電子決済を行った回数が所定の閾値以下である利用者、若しくは当該利用者が属する利用者群に対し、カテゴリ「コンビニ」に属する店舗に対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供する。
【0071】
なお、提供部43は、利用者群に属する各利用者が所定のカテゴリに属する店舗に対し電子決済を行った回数を合算し、合算した値が所定の閾値以下である場合、当該利用者群に属する各利用者が電子決済を当該カテゴリに属する店舗に対して行った回数の総数が所定の閾値以上となった場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供してもよい。
【0072】
〔4−3.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0073】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0074】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0075】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、判定部42と、提供部43と、設定部44と、通知部45とを有する。取得部41は、所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報を取得する。また、取得部41は、利用者情報として、所定の決済手段における電子マネーの残高、所定の決済手段を用いた決済を利用した回数、所定の決済手段を用いた決済の決済金額、若しくは、所定の決済手段を用いた決済を利用した日時情報を取得する。判定部42は、利用者情報に基づいて、利用者の所定の決済手段に関するサービスに対する利用度を判定する。提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、判定部42により判定された利用度に基づく所定の条件を満たす利用者に対し、当該利用度に応じた利益情報を提供する。また、提供部43は、利用度が所定の閾値以下である利用者、若しくは、当該利用者が属する所定の利用者群に対し、利益情報を提供する。設定部44は、提供部43により提供された利益情報と、当該利益情報が提供された後の利用者の行動を示す行動情報とに基づいて、当該利用者の行動に対する所定の利益を設定する。通知部45は、所定の決済手段に関する決済サービスを提供する決済サーバに対し、設定部44により設定された利益に関する情報を通知する。
【0076】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、所定の決済手段に関するサービスに対する利用度に応じて利益情報を提供できるため、利用者に対する利益を適切に提供できる。
【0077】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、当該利用者に対応する利用者情報に応じた利益情報を提供する。また、提供部43は、所定の決済手段に関するサービスにおける所定の機能を利用していない利用者に対し、当該所定の機能を利用した場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、所定の決済手段を用いた決済を実店舗に対し行った回数が所定の閾値以下である利用者に対し、所定の決済手段を用いた決済を実店舗に対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供し、所定の決済手段を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った回数が所定の閾値以下である利用者に対し、所定の決済手段を用いた決済をウェブ上のコンテンツに対し行った場合に享受可能な利益に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、所定の決済手段を用いた送金処理を他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、所定の決済手段を用いて所定の閾値以上の金額の送金処理を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する。
【0078】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、電子決済サービスにおける利用者の情報に応じて利益情報を提供できるため、利用者に対する利益を適切に提供できる。
【0079】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、設定部44は、送金処理を行った利用者と、当該送金処理により送金が行われた他の利用者とに所定の利益を設定する。
【0080】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、電子決済サービスにおける利用者の入金のみならず利用者の送金に対して付与される特典に関する利益情報を提供できるため、利用者に対する利益を適切に提供できる。
【0081】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、取得部41は、利用者が属する利用者群を示す情報を含む利用者情報を取得する。そして、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、利益情報を提供する。また、取得部41は、利用者が属する利用者群を示す情報を所定の決済手段に関するサービスとは異なるサービスから取得する。また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、所定の決済手段を用いた送金処理を当該利用者群に属する他の利用者に行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する。また、提供部43は、利用者情報が所定の条件を満たす利用者が属する利用者群に対し、所定の決済手段と関連する所定の行動を当該利用者群に属する各利用者が行うことにより当該利用者群が享受可能な利益に関する利益情報を提供する。
【0082】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、所定の関係性を有する利用者群に対し利益情報を提供することにより、利用者が利益情報の存在を知らなくとも、同一のグループに属する他の利用者からの働きかけにより、利益情報の存在を知ることができるため、利益情報の存在を知らない利用者に対しても利益情報を訴求することができる。
【0083】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図6は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0084】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0085】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0086】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0087】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0088】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0089】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0090】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0091】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0092】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用者データベース
32 利益情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 判定部
43 提供部
44 設定部
45 通知部
100 端末装置
200 決済サーバ
【要約】
【課題】利用者に対する利益を適切に提供する。
【解決手段】本願に係る提供装置は、所定の決済手段を利用する利用者に関する利用者情報(例えば、所定の決済手段における電子マネーの残高や、所定の決済手段を用いた決済を利用した回数、所定の決済手段を用いた決済の決済金額、所定の決済手段を用いた決済を利用した日時情報など)を取得する取得部と、利用者情報が所定の条件を満たす利用者に対し、所定の決済手段と関連する所定の行動を行うことにより享受可能な利益に関する利益情報を提供する提供部とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6