【文献】
Icaro Leonardo Da Silva, Unnar Mildh,A novel state model for 5G Radio Access Networks,2016 IEEE INTERNATIONAL CONFERENCE ON COMMUNICATIONS WORKSHOPS,2016年 7月 5日
【文献】
China Unicom,Analysis on the possible solutions of the joint operation[online],3GPP TSG-RAN WG2#94 R2-163816,2016年 5月13日
【文献】
3GPP,GPRS enhancements for E-UTRAN) access (Release 13),TS 23.401 V13.7.0 (2016-06),2016年 6月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
異なる無線アクセス技術(RAT)で動作する少なくとも第1と第2のタイプの無線アクセスを介してチャネルを監視することが可能な端末デバイスにおける方法であって、前記方法は、同時マルチRATキャンプのためのメカニズムを調整するためのものであり、
前記第1のRATに関連付けられた第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)と前記第2のRATに関連付けられた第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)を含むキャンプエリア(CA)のセットに関する指標を受信することと、
前記CAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)に基づいて定義されるカバレッジエリアにおいてキャンプを実行することと、
a)前記端末デバイス(10)が、第1のメカニズムとして、前記第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)の両方により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るとき、または、
b)前記端末デバイス(10)が、第2のメカニズムとして、前記第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)のうちの一方により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに、
前記端末デバイスの地理的位置で前記通信ネットワークを更新することを含み、
前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)に関連付けられた前記第1のRATは、優先RATであり、前記第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)に関連付けられた前記第2のRATはバックアップRATであり、前記端末デバイスの地理的位置で前記通信ネットワークを更新することは、第3のメカニズムとして、
c)前記端末デバイスが、前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに実行され、かつ、
d)前記端末デバイスが前記第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)により定義されたカバレッジエリアを離れるが、前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されたカバレッジエリアに留まるときに実行されない、方法。
異なる無線アクセス技術(RAT)で動作する少なくとも第1および/または第2のタイプの無線アクセスを介して1つ以上のチャネルを提供するネットワークノードにおける方法であって、前記方法は、同時マルチRATキャンプのためのメカニズムを調整するためのものであり、
前記第1のRATに関連付けられた第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)と前記第2のRATに関連付けられた第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)を含むキャンプエリア(CA)のセットに関する指標を、端末デバイスへ送信することと、
a)前記端末デバイスが、第1のメカニズムとして、前記第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)の両方により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに、前記端末デバイスの地理的位置を更新する、または、
b)前記端末デバイスが、第2のメカニズムとして、前記第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)のうちの一方により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに、前記端末デバイスの地理的位置を更新する、
ために、CA更新メカニズムを適用するように前記端末デバイスを構成するための制御命令を送信することを含み、
前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)に関連付けられた前記第1のRATは、優先RATであり、前記第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)に関連付けられた前記第2のRATはバックアップRATであり、前記制御命令は、
c)前記端末デバイスが、前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに、前記端末デバイスの地理的位置を更新し、
d)前記端末デバイスが、前記第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)により定義された前記カバレッジエリアを離れるが、前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されたカバレッジエリアに留まるときに、前記端末デバイスの地理的位置を更新しないように、
第3のCA更新メカニズムを適用するように更に前記端末デバイスを構成する、方法。
同時マルチRATキャンプのためのメカニズムを調整するために、異なる無線アクセス技術で動作する少なくとも第1および第2のタイプの無線アクセスを介してアクセス可能な端末デバイス(10)であって。
前記第1のRATに関連付けられた第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)と前記第2のRATに関連付けられた第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)を含むキャンプエリア(CA)のセットに関する指標を受信するように構成された無線受信器モジュール(14)と、
CAの前記セット(CA−RAT1、CA−RAT2)に基づいて定義されるカバレッジエリアにおいてキャンプを実行し、
a)前記端末デバイスが、第1のメカニズムとして、前記第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)の両方により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るとき、または、
b)前記端末デバイスが、第2のメカニズムとして、前記第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)のうちの一方により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに、
前記端末デバイスの地理的位置で前記通信ネットワークを更新するように前記無線受信器モジュール(14)を制御するように構成された処理モジュール(12)を含み、
前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)に関連付けられた前記第1のRATは、優先RATであり、前記第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)に関連付けられた前記第2のRATはバックアップRATであり、前記端末デバイスの地理的位置で前記通信ネットワークを更新することは、第3のメカニズムとして、
c)前記端末デバイスが、前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときに実行され、かつ、
d)前記端末デバイスが、前記第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)により定義されたカバレッジエリアを離れるが、前記第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されたカバレッジエリアに留まるときに実行されない、端末デバイス。
【背景技術】
【0002】
第5世代モバイルネットワーク(5G)の要件と新しい5Gエアインタフェースの需要は、とりわけ、超高信頼性通信(URC)のために、大規模マシン通信(MMC)の処理と低レイテンシ(1ミリ秒のオーダー)のサポートによって推進されている。データレートおよびレイテンシ(待ち時間)に関して5Gの要件を満たすために、例えば6GHz以上の、より高い周波数で動作するように設計された新しいエアインタフェースが必要とされる。LTEに割り当てられている現在の周波数帯域と比較すると、新しい無線インタフェースのカバレッジをよりまだらにする、すなわちより不規則にすることができるように、はるかに困難な伝搬条件が存在する。特にネットワーク側でのビームフォーミングの広範な使用は、伝播の課題を克服するために高周波無線アクセスの不可欠な部分であり得る。潜在的なリンクバジェットの増加にもかかわらず、純粋にビームフォーミングとより高い周波数での運用に頼っているシステムの信頼性は厳しものであろう。特に、カバレッジは時間/スペースの変動に敏感である。したがって、LTE無線インタフェースと、以下ではNW(New Radio)と呼ばれる新しいエア5G無線インタフェースとの緊密な統合化が提案されている。
【0003】
LTEとNR(5G)の緊密な統合化を実現するための特定のアーキテクチャに関しては、LTEおよびNRに対する共通PDCPレイヤといった異なるアクセス間の現在の相互作用とは対照的に、RANプロトコルスタックに共通の機能性があると仮定されている。現在のシステム(例えば、UMTSおよびLTE)では、その仮定とは異なり、相互作用は、ユーザプレーン(UP)および制御プレーン(CP)の両方に関して、ノード間インタフェースに依存する。例えば、E−UTRANとUTRANの相互作用の場合、MMEとS−GWがS11インタフェースを介して相互に接続される。そのようなアーキテクチャは、基本的に、(常にコアネットワークシグナリングを含む)ハードハンドオーバ、および、複数のエアインタフェースのための半独立のリソース管理を介してのみカバレッジの連続性および負荷分散を可能にする。
【0004】
LTEとNRとの密接な統合化は、3GPP TR 38.913 “Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies(次世代アクセス技術のシナリオおよび要件に関する研究)”、v0.3.0、http://www.3gpp.org/DynaReport/38913.htmにおいて要件として取り込まれている。ここで、「RANアーキテクチャは、高性能のRAT間モビリティと、LTEと新しいRATとの間の少なくとも二重接続性によるデータフローの集約とを考慮して、新しいRATとLTEとの間の緊密な相互作用をサポートするものとする。これは、併設(collocated)サイト配置と非併設(non-collocated)サイト配置の両方でサポートされる。」と記載されている。対応する目的は、New Radio Access Technology、3GPP TSG RAN meeting #71、RP-160671、New SID Proposalの研究項目に取り込まれた。新しい無線アクセス技術に関する研究LTEと新しい5Gエアインタフェースの緊密な統合化を実現するために、Da Silvaらの「Tight Integration of LTE and the new 5G air interface to fulfill 5G requirements(5G要件を満たすためのLTEと新しい5Gエアインタフェースの緊密な統合化)」、2015は、制御プレーンに対しては、
図1Aに示すように、共通のRRC/PDCPプロトコルレイヤに依存する論理的アーキテクチャを提案している。スタンドアローンのLTEとNRネットワークノード、および、併設LTE/NRネットワークノード(すなわち、LTEとNRが両方とも実装されているネットワークノード)の場合に対しては、
図1Bに共通のノード間インタフェース(S1**)の代替案が示されている。
【0005】
NRとLTEの間で、接続モードにおいて高性能のRAT間モビリティを達成するための最も簡単な方法は、LTEとNRの両方に対して単一のPDCPレイヤ、すなわちLTEとNRの両方に対して単一のPDPC仕様および単一の進化の軌跡(Evolution track)を定義することである。この単一のPDCPは、NR下位レイヤからのサービスにも依存するように拡張されたLTE−PDCP、または開始点としてLTE−PDCPを有する新しいNR−PDCP仕様になる。これらの場合のいずれにおいても、LTEとNRとの間のハンドオーバは、継続的なPDCPコンテキストおよびPDCP SDUの再送信からおそらく利益を得ることができる。高性能のモビリティのサポートに関連したLTE−PDCP機能に加えて、ヘッダ圧縮および解凍および順序通りの配信のような他のPDCP機能もNRで必要とされるだろう。したがって、単一のPDCPは、UP設計が高性能のRAT間モビリティを達成するための合理的な開始点であるように思われる。これを
図2に示す。
【0006】
単一のPDPCはまた、送信のためのPDCP PDUルーティングおよびLTE−PDCPからの受信のためのPDCP PDU並べ替え機能が再利用され得るマルチRATアグリゲーションの解決策に対して有益であり得る。この場合、NRまたはLTEのいずれかは、おそらくフローが分割されるRATとして定義され得る。したがって、
図3に示すように、LTE−PDCPは、NRの下位レイヤからのサービスに頼ることができる。
【0007】
NRとLTEの緊密な統合化をサポートするためのRRC設計に関して、特定の態様はデュアルコネクティビティのRRCサポートに関する。ここで、UEのためのアクティブモード(または接続状態)送信をサポートするための1つの選択肢は、LTEとNRの両方に対して単一セットのRRC仕様を有することであろう。その選択肢の変形は、i)NR機能をカバーするためのLTE RRC機能性の拡張、またはii)開始点としてLTE機能を有するNRのための仕様の新しいセットの作成、である。別の選択肢は、2つのRRC仕様を有することであろう。そこでは、両方の仕様に渡るいくつかのIEの定義等、あるレベルの調整が想定され得る。
【0008】
デュアルコネクティビティのアクティブモード動作サポートに関して、単一(シングル)またはデュアルのRRCマシンが定義されてもよい。ここでは、単一のRRC状態マシンが
図4に示されている。このように、これまでの努力の大部分は、UEがアクティブであるとき、すなわち何らかのユーザプレーン(UP)データまたは制御メッセージさえも送信しているときに、LTEおよびNRによって可能にされるデュアルコネクティビティを探索する方法に集中している。いくつかの解決策が、Da Silvaらによる、「Tight Integration of LTE and the new 5G air interface (AI), also referred to as NR here, to fulfil 5G requirements(5G要件を満たすために、LTEとNRとも呼ばれる新しい5Gエアインターフェース(AI)の緊密な統合化)」、2015において見いだされる可能性がある。
【0009】
図5は、Da Silvaらに記載されたいくつかの特徴を要約している。特に、「制御プレーンダイバーシチ」内で、LTEおよびNRのための共通制御プレーンは、デュアル無線UE、すなわち、LTEおよびNRの両方に同時に接続するためにデュアル受信器および送信器の両方を有する端末デバイスが、2つのエアインターフェイス(AI)を介して接続された専用のシグナリング用のポイントに対する単一の制御を有することを可能にする。ここでの主な利点は、AIを切り替えるための明示的なシグナリングを必要とせずに信頼性を提供することである。これは、1つのAIの接続が急速に失われ、「シグナリングの切り替え」が実行できなかった特定の伝搬シナリオでは重要である。更に、「高速制御プレーン切り替え」では、UEは、任意のAIを介して単一の制御ポイントに接続し、広範な接続設定シグナリングを必要とせずに1つのリンクから別のリンクに非常に高速に切り替えることができる。この解決策は、デュアル無線UE以外の他の種類のUE、すなわち、デュアル受信器のみを有するが単一の送信器を有するUE、または両方のAIが同時に1つのみが可能な単一の無線UEを有するUEにも使用され得る。「ユーザプレーンアグリゲーション」は、単一のデータフローを複数のAIに渡って集約すること、または異なるデータフローを異なるAIにマッピングすることを可能にし得る。「高速ユーザプレーン切り替え」では、1つのUEに対するユーザプレーンは、一度に単一のAIのみを使用するが、それらの間には高速切り替えメカニズムが提供される。そのようなメカニズムはすべてのタイプのUEに適用され得る。更に、「LTEの助けによる傾き(Lean)」は、NR上にアクティブなUEがあるときに、NR(新しいAI)送信器をアクティブにし、アイドルモードのUEに LTE上でシステム情報等の情報を送信するための機能である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付の図面を参照しながら実施形態について説明する。以下の説明は例のみを含むものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。当業者は、以下の詳細な説明を読めば更なる特徴および利点を認識するであろう。さらに、類似または同一の参照符号は、類似または同一の要素または動作を示す。
【0027】
2つのRAT間のインターワーキングまたは統合化が、ある無線アクセス技術(RAT)から別のRATに移動するときにネットワークを更新する必要なしに、端末デバイス(UE)が異なるRATのカバレッジを移動するための柔軟性を高めるために採用される場合に、UEが少なくとも2つの異なるRATに同時にキャンプオンすることを容易にする。ここで、端末デバイス(以下においてUEとも称される)は、移動する端末デバイスまたは固定の端末デバイスであり得る。端末デバイスは、無線端末デバイスであり、1つ以上の基地局(eNB)への少なくとも2つの異なる無線アクセス技術を介した無線アクセスを有することができる、(固定された、または、移動する)ユーザデバイス(UE)またはMTCデバイス、例えば、「自動運転車」であり得る。更に、ネットワークノード(基地局)は、無線通信ネットワークの無線アクセスネットワークノード、特に端末デバイスへの無線アクセスを提供するための無線アクセスノードであり、無線アクセスを提供し得るカバレッジエリア(上述したようなビームフォーミングプロセスに基づくことを含む)も有する。なお、基地局はまた、LTE進化型無線アクセス技術および5G無線アクセス技術(NR)といった複数の無線アクセスをサポートし得る。そのような無線アクセスは、任意のスペクトルまたは規格(GSM、GPRS、3G、4G、LTE、5G、NR、WiFi、さらにはDECTなど)のものであり得る。さらに、無線アクセスネットワーク(RAN)ノードは、上記に説明したように、コアネットワークノード(MMEなど)および/または他のRANノードと接続することができる。
【0028】
5G技術の特定の技術的問題は、LTEとの「緊密な統合化」である。これは、第1のタイプの無線アクセス技術、すなわちNR RATを提供する5Gシステムと、第2の異なるタイプの無線アクセス技術、すなわちLTE RATを提供するLTEシステムとが非常に緊密な協力および統合レベルを有することを意味する。伝統的に、例えばアイドルモード/非アクティブ状態/サスペンド状態である休止状態にある端末デバイス(UE)は、GSM、UMTS、またはLTE等の1つのRAT内の1つのセルにキャンプする。「キャンプ」または「キャンピング」とは、UEがダウンリンク制御チャネルのセットを監視することを意味する。LTEの場合、これはUEがセル固有のPCIおよび参照信号を監視しており、必要に応じてシステム情報を読み取ることを意味する。加えて、LTEにおけるUEは、その特定のページング機会にページをチェックするためにPDCCHを監視する。したがって、UEはシステム情報を取得しており、セルにアクセスする準備ができている。
【0029】
NR−LTEの緊密な統合化では、端末デバイス(UE)がNRセルとLTEセルの両方に同時にキャンプ(イン)する能力を有することがここで提案されており、これは以下では「デュアルキャンプ」とも呼ばれる。これは、対応するダウンリンク制御チャネルを監視し、システム情報を読み取り、LTEとNRのRATシステムの両方でページングを受信することができることを意味する。これはまた、UEがおそらく同時に複数のRATにアクセスする可能性があることを意味し得る。
【0030】
ネットワークは、デュアルキャンプを実行することを可能にするようにUEを構成し得る。更に、ネットワークは、ページ監視のため、および、UEの位置を用いてネットワークを更新するために異なるメカニズムを使用するようにUEを構成することができる。したがって、本発明の文脈において、「キャンプエリア」(CA)という用語は、エリアの種類および/またはサイズ(セルに関連するエリア、依存するカバレッジエリアなど)の総称として定義され、UEにその所在を知らせることなく移動することが許されるエリアの定義を構築するために使用することができる。LTEにおいて、CAはトラッキングエリアとして実現されている。この用語では、UEの位置をネットワークに報告する手順は一般に「キャンプエリア更新」または「CA更新」または「CAU」と呼ばれる。ネットワークは、CAのCA識別子(CAI)(例えば、LTEにおけるトラッキングエリア識別子(TAI))をブロードキャストすることによってCAの存在を指示する。
【0031】
本発明の一般的な概念は、重複する(地理的な)カバレッジを有するエリア内の複数のRAT上のチャネルを監視することができるUEのキャンプ動作を管理するネットワークまたはポリシーベースの制御メカニズムに基づく。制御メカニズムは、UEのタイプ/能力、(通常使用されるおよび/またはおそらく継続中の)サービスのタイプ、UEが属する可能性があるネットワークスライシングインスタンス、デュアルコネクティビティおよび/またはキャリアアグリゲーションといった、マルチコネクティビティを迅速に確立する必要性、UEのバッテリ状態、1つのRAT対他のRATのカバレッジパターン、および/または重複するカバレッジエリア、および/またはそれの安定性などの異なる特性に基づき得る。
【0032】
本発明の概念によれば、ネットワークは、アイドルモード(または休止モードまたはスリープモード等の同様なモード)でキャンプするときであって、1つより多いRAT、特にLTEとNRが利用可能である場合に、どのように動作するかについての規則(メカニズム)を用いてUEを構成することができる。規則は、ページのチェックのためにどのように/何を監視するかと同様に、UEの位置でネットワークを更新するという点で、UEの動作に適用される。この規則構成は、UEがCAのセットで構成されるとき、すなわち、UEがその所在をネットワークに知らせることなく、またネットワークが潜在的にUEをページングする可能性がある、両方の/すべてのRAT、あるいは、各RATに対する1つのセットをカバーする、LTEにおけるトラッキングエリアおよびNRにおけるいくつかの対応するエリアで構成されるときに、好ましくは発生する。
【0033】
図7は、実施形態に従う、無線通信ネットワークにおける方法のフロー図を示す。ここで、無線通信ネットワークは、1つ以上のネットワークノード(eNB)30
1、30
2を介して、異なるRATで動作する少なくとも第1のタイプの無線アクセス(RAT1)および第2のタイプの無線アクセス(RAT2)を介して端末デバイス10に対する無線アクセスを提供する。ここで、無線アクセスは、少なくとも部分的に、RAT1およびRAT2の重複するカバレッジを有するカバレッジエリアにおいて提供され得る。
【0034】
図7のステップS110によれば、少なくとも1つのネットワークノード(eNB)(30
1、30
2)は、第1のRATに関連付けられた第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)と第2のRATに関連付けられた第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)を含むキャンプエリア(CA)のセットに関する指標を送信する。特に、指標情報は、複数のネットワークノード(eNB)30
1、30
2を介して同期方式で送信され得る。ここで、第1のRATに関連付けられるキャンプエリア(CA−RAT1)は、必ずしも第2のRATと関連付けられるキャンプエリア(CA−RAT2)と同じでなくてもよい。例えば、LTE(RAT1)におけるキャンプエリアはセルにより与えられる一方、NR(RAT2)におけるキャンプエリアはビームまたはシステム情報カバレッジエリア(システムエリアとも称され得る)により与えられ得る。以下に更に説明されるように、CAの指標は、個別シグナリングまたは共通シグナリングを介して、例えば単一のリストまたはRAT毎のリスト内で、CA識別子により報告され得る。指標はしたがって、第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)の1つ以上のCAを示す、および/または、第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)の1つ以上のCAを示すリストまたはリストのセットを含み得る。ここで、リストはRAT1とRAT2の両方に対して共通な1つのリストであり得る。すなわち、現在の(例えば、端末デバイスの現在位置で利用可能な)キャンプエリアのセットは、複数のRATのうちの1つのみに関して、またはRAT1とRAT2の両方に関して、端末デバイス10に示され得る。これは、例えば端末デバイス10が2つのRATの一方に関してキャンプエリアのセットのみが変化するエリアに移動するときに、関連するキャンプエリアのセットを更新するのに十分に柔軟な動的な更新機能を提供する。
【0035】
図8Aに示されるように、第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)は、第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)と少なくとも部分的に重複する(地理的)エリアを定義し得る。すなわち、CA−RAT1とCA−RAT2の組み合わせは、第1と第2のRATの両方を介して無線アクセスが利用可能であり、かつ、第1または第2のRATのみを介して無線アクセスが利用可能な共通のカバレッジエリアを定義し得る。そのような状況は、併設しないシナリオ、すなわち、LTEおよびNRが異なるネットワークノード30
1、30
2によって実施される場合に起こり得る。この状況はまた、併置されたシナリオ、すなわち、LTEとNRが同じネットワークノードによって実装され(例えば、30
1または30
2においてのみ)、NRエアインタフェースがより低いカバレッジ、まだらなカバレッジ(例えば主にセル中心において)を有し、ビームフォーミングなどに依存するシナリオにおいて発生し得る。CA−RAT1とCA−RAT2の組み合わせは更に、端末デバイス10がその所在をネットワークに知らせることなく移動することが許される(地理的な)カバレッジエリアを定義する。あるいは(図示せず)、第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)は、併設された状況のように、第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)と本質的に完全に重複する(地理的)エリアを定義してもよい。更に、
図8Bは、第1のRATに関連付けられたキャンプエリアのセットが4つのCA、すなわち、CA−RAT1a、CA−RAT1b、CA−RATc、CA−RATdを含み、第2のRATに関連付けられたキャンプエリアのセットが3つのCA、すなわち、CA−RAT2a、CA−RAT2b、CA−RAT2cを含む、例示的なリストを示す。言うまでもなく、この第1と第2のCAのセット(CA−RAT1とCA−RAT2)の例は、本発明の概念を説明する目的のためにのみ提供されており、決して限定するものではない。
図7における上記の送信ステップS110に基づいて、そのようなCAのセットの存在が端末デバイス10に指示される。
【0036】
指示に係る指標に含まれるCAのそれぞれには、例えば
図8Bにおいて示されるように、優先度指標が更に提供され得る。このような優先度は、特に端末デバイスが複数のCAに属する場所にある場合に、端末デバイスがネットワークにアクセスするために選択すべき好ましいCAを示すことができる。そのような優先度は、端末デバイスが好ましくはネットワークにアクセスするために選択すべきであるという複数のRATのうちの好ましいRATを更に示すことができる。好ましいCAにおける好ましいRATは、エリア/場所に依存するものなどであり得る。ここで、CA優先度指標は、RAT選好度指標に置き換えられてもよい。そのため、アクセスを実行するとき、選択があるとき、および例えばネットワーク全体の負荷状態がそのようなRATの分配を保証するとき、UEはRATのうちの1つを優先させることができる。
【0037】
更に、
図7のステップS120によれば、端末デバイス10は、送信されたCAのセット、すなわち、CA−RAT1およびCA−RAT2に基づいて定義されるカバレッジエリアにおいてキャンプを実行する。そのような構成は、無線ネットワークノード30またはコアネットワークノード50によりトリガされてもよく、これにより、例えば、端末デバイス10は、端末デバイス10がRAT1とRAT2の両方のカバレッジエリアにある場合に、デュアルキャンプを実行することが可能となる。ここで、デュアルキャンプは、「休止状態」の間、すなわち、端末デバイス10のアイドルモード、非アクティブ状態、サスペンド状態などの間に実行されてもよい。上述したように、デュアルキャンプとは、端末デバイス10が第1および第2のRATの両方に同時にキャンプし、対応するダウンリンク制御チャネルを(例えばRATの少なくとも1つにおいて)監視し、システム情報(共通のシグナリングを介してネットワークによりシグナリングされるような、エリアにおけるCA識別子)を読み取り、第1および第2のRATの両方でページングコマンドを受信することができ、潜在的に同時に複数のRATにアクセスすることができることを意味する。
【0038】
更に、
図7のステップS130によれば、端末デバイス10は、(a)端末デバイス10が、例えば
図8Bに示す全てのCAである、第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)により定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入る場合、および、(b)端末デバイス10が、例えば
図8Bに示すCA−RAT2a、CA−RAT2b、CA−RAT2cである、第1と第2のCAのセットのうちの1つのみにより定義されるカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入る場合に、ネットワーク側により、端末デバイス10の動作に関する少なくとも第1と第2のメカニズムを用いて構成され得る。別の実施形態では、端末デバイスの地理的位置の更新を実行するためのトリガ条件は、端末デバイスが、第1と第2のCAのセット(CA−RAT1、CA−RAT2)の両方により定義されるカバレッジエリアから離れるとき((a)の場合)、または、端末デバイスが第1と第2のCAのセットのうちの1つのみにより定義されるカバレッジエリアを離れるとき((b)の場合)の条件に基づき得る。
【0039】
ここで、第1のメカニズムである(a)の場合に従って、端末デバイス10は、新しいカバレッジエリアが入ったとき、または共通のカバレッジエリアが残されたときに、現在の地理的位置に関する更新を通信ネットワークに提供するためキャンプエリア更新(Camping Area Update)を使用することができる。特に、キャンプエリア更新メッセージは、端末デバイス10からネットワークノード30
1、30
2に送信されてもよく、ネットワークノード30
1、30
2は、その後、キャンプエリア更新情報をMMEなどのコアネットワークノード50に送信してもよい。すなわち、端末デバイス10が第1および第2のCAのセットの両方の地理的カバレッジ内に留まる限り、端末デバイス10はその位置の報告/更新を提供(例えば、CA更新を実行)しない。
【0040】
更に、第2のメカニズムである(b)の場合に従って、端末デバイス10は、第1または第2のCAのセットのうちの1つのみのカバレッジエリアが残されたときに、現在の地理的位置に関する更新を通信ネットワークに提供するためキャンプエリア更新を使用することができる。したがって、地理的位置のこの更新は、端末デバイス10がCAのセットのうちの他方(すなわち、残っていないもの)のカバレッジエリアにまだいる場合であっても実行され得る。すなわち、UEは、他のRATにおいて構成されたセットにおけるCAのカバレッジにまだいる場合でも、複数のRATのうちの1つにおいて構成されたCAのセットのカバレッジエリアを離れるとすぐに、または、複数のRATのうちの1つにおいて構成されたCAのセットと異なる新しいカバレッジエリアを出るとすぐに、その位置を報告する(例えば、CA更新を実行する)ように構成することができる。
【0041】
更に、端末デバイス10は、ネットワーク側により、端末デバイス10の地理的位置の更新に関しての第3のメカニズムを用いて構成することができる。ここで、第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)に関連付けられた第1のRATは、優先RATとすることができ、第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)に関連付けられた第2のRATは、バックアップRATとすることができる。RATのこの分類によれば、第3のメカニズムは、端末デバイス10を、(c)端末デバイス10が第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されたカバレッジエリアを離れるとき、すなわち、端末デバイス10が優先RATによるカバレッジを失うとき、または端末デバイス10が第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)により定義されたカバレッジエリアと異なるカバレッジエリアに入るときに、端末デバイスの地理的位置を用いて通信ネットワークを更新するように構成する。地理的位置のこの更新は、端末デバイス10が第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)により定義されるバックアップRATのカバレッジエリアにまだいる場合であっても実行され得る。
図8Bに示される例示的な状況に関し、端末デバイス10は、端末デバイスが依然としてCA−RAT2a、CA−RAT2b、CA−RAT2cのカバレッジエリア内にいる場合であっても、CA−RAT1a、CA−RAT1b、CA−RAT1c、CA−RAT1dにより定義されるカバレッジエリアが残されているとき、キャンプエリア更新を実行し得る。RATのこの分類によれば、第3のメカニズムは更に、端末デバイスを、(d)端末デバイス10が第2のキャンプエリアのセット(CA−RAT2)すなわちバックアップRATにより定義されたカバレッジエリアを離れるが、第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)すなわち優先RATにより定義されたカバレッジエリア内に留まるときに、端末デバイスの地理的位置を用いて通信ネットワークを更新しないように構成する。
【0042】
上述した更新ステップS130に関し、特に第1、第2、および第3のメカニズム((c)の場合)に関して、端末デバイスのキャンプエリア更新は、第1のRATおよび/または第2のRATに対する更新、すなわち、1つのRATのみに関する単一の更新または両方のRATに対する組み合わせた更新であり得る。
【0043】
更に、端末デバイス10は、端末デバイスが第1、第2、および第3のメカニズムを適用するように構成するネットワークノード30
1、30
2から、制御命令が提供され得る。そのような制御命令は、好ましくはコアネットワークノードまたは端末デバイスに実装されるポリシー制御メカニズムにより設定され、以下の少なくとも1つに基づき得る。
‐端末デバイスのタイプ
‐端末デバイスの能力
‐サービスのタイプ
‐端末デバイスが属し得る通信ネットワークスライスインスタンス、
‐デュアルコネクティビティおよび/またはキャリアアグリゲーションといったマルチコネクティビティの確立の必要性
‐端末デバイスのバッテリ条件
‐第1と第2のRATのカバレッジパターン、重複するカバレッジエリア、および重複するカバレッジエリアの安定性
【0044】
図12は、第1の無線アクセスネットワークノード30
1と第2の無線アクセスネットワークノード30
1を介して、異なる無線アクセス技術で動作する第1の第2のタイプの無線アクセスへそれぞれアクセス可能な端末デバイス10を概略的に示す。無線アクセスネットワークノード30
1、30
2が、コアネットワークノード(MME等)、または例えばRAN内部のページングのコンテキストにおいてアンカーノードとして動作する別のネットワークノードであり得る別のネットワークノード50と通信接続(有線または無線)を有するように、更に示されている。そのようなシナリオは、併設されていないエアインタフェースを示し、すなわち、RAT1とRAT2は、異なる無線アクセスネットワークノード30
1と30
2に実装される。しかし、これは限定的なものではなく、本発明の概念は、RAT1およびRAT2が両方とも同じ無線アクセスネットワークノード30
1内に実装されている併設されていないシナリオにも適用される。
【0045】
端末デバイス10は、それぞれの無線アクセスネットワークノード(eNB)30
1、30
2の対応する無線送受信器モジュール32
1および32
2へのエアインタフェースを提供する無線送受信器モジュール14を備える。無線送受信器モジュール12および34はそれぞれ、それぞれ異なる無線アクセス技術に従って信号およびメッセージを送信および受信するように集合的に構成された送信器回路、受信気回路、および関連する制御回路を含み得る。ネットワークノード50は、無線アクセスネットワークノード(eNB)30
1、30
2との通信接続(有線または無線)を提供する送受信器モジュール52を備える。
【0046】
図12に更に示すように、端末デバイス10、無線アクセスネットワークノード30
1、30
2、および(コアまたはアンカー)ネットワークノード50はそれぞれ、無線送受信器モジュール14、無線送受信器モジュール32
1および32
2、ならびに送受信器モジュール52を制御するように構成された処理モジュール12、34
1、34
2、54を更に含む。処理モジュール12、34
1、34
2、54のそれぞれは、1つ以上のプロセッサ、例えば、プロセッサ、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、マルチコアプロセッサ等を有する。より一般的には、処理モジュールは、教示された機能性を実施するプログラム命令の実行を介して特定的にに構成される固定回路またはプログラム可能回路を含むことができ、あるいは固定およびプログラム可能回路の組合せを含み得る。処理モジュールのそれぞれはまた、それぞれのメモリモジュール16、36
1、36
2、および56をそれぞれ含み、それらに接続されている。メモリモジュールは、いくつかの実施形態では、1つ以上のコンピュータプログラムと、オプション的に、構成データとを格納する。メモリモジュールは、コンピュータプログラム用の非一時的記憶装置を提供し、それは、ディスク記憶装置、固体メモリ記憶装置、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の種類のコンピュータ可読媒体を含むことができる。非限定的な例として、メモリモジュールは、SRAM、DRAM、EEPROM、およびFLASHメモリのうちのいずれか1つまたは複数を備えることができ、それらはそれぞれ処理モジュール12、34
1、34
2、および54内にあり、および/または処理モジュールとは別個であり得る。一般に、メモリモジュールは、コンピュータプログラムおよび端末装置/ネットワークノードによって使用される任意の構成データの非一時的記憶を提供する1つ以上の種類のコンピュータ可読記憶媒体を有する。ここで、「非一時的」とは、恒久的、半永久的、または少なくとも一時的に持続的な記憶を意味し、例えばプログラム実行のための、不揮発性メモリへの長期記憶と作業メモリへの記憶の両方を包含する。
【0047】
図9は、別の実施形態に従う、無線通信ネットワークにおける方法のフロー図を示す。上述のステップS110、S120、およびS130に加えて、端末デバイスが指示されたカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアから離れ、または、指示されたカバレッジエリアと異なる新しいカバレッジエリアに入るときの端末デバイスの現在の地理的位置に関する(上述の)第1、第2、または第3のメカニズムによる更新(キャンプエリア更新)に応答して、通信ネットワーク、特にMMEといったコアネットワークノード50またはコアネットワーク機能性は、ステップS140において、新しい第1のキャンプエリアのセット(CA−RAT1)および/または新しい第2のキャンピングエリアのセット(CA−RAT2)を割り当てる。この新しいキャンプエリアのセットは、端末デバイスの現在の地理的位置に従って割り当てられ、併設されていないシナリオにおけるLTE無線アクセス(RAT1)を提供するスタンドアローン(独立型)基地局またはNR無線アクセス(RAT2)を提供するスタンドアローン基地局、またはRAT1とRAT2が併設された基地局であり得る無線ネットワークノード(eNB)30
1、30
2により端末デバイスに送信され得る。ステップS140における割り当てプロセスはまた、例えば、RATにおける現在の負荷の条件を考慮に入れる方法で、または端末デバイス10の現在の地理的位置におけるRATの他の要素を考慮に入れることによって実行され得る。新たに割り当てられたキャンプエリアのセットは、その後、例えばステップS110において上述したような送信ステップに基づいて、端末デバイス10に指示される。
【0048】
図10は、別の実施形態に従う、無線通信ネットワークにおける方法のフロー図を示す。ステップS110、S120、およびS130(およびオプション的には上述したようにステップS140)に加えて、端末デバイス10は、RATカバレッジが失われたかどうかを継続的に判定する。RAT1およびRAT2のいずれにおいてもカバレッジが失われない場合、端末デバイスは、ステップS120で上述したようにデュアルキャンプを継続する。一方、端末デバイス10によって、現在のCAのセットによって定義されるようなカバレッジが失われ、端末デバイスが現在のCAのセットによって定義されるようなカバレッジエリアから出たと判定された場合、端末デバイスは、異なるRATのどれでカバレッジが失われるかを決定することができる。
【0049】
例えば優先RATに対するカバレッジが失われた場合、端末デバイスは
図10のステップS150に進み、RATカバレッジの損失、ここでは優先RATカバレッジの損失を、通信ノード30
1、30
2の一方または両方へ報告する。報告に使用される、RAT内のUEの現在の地理的位置に基づいて、失われたRAT(優先RAT)に対する新しいCAおよび/またUEが報告のために使用しているRAT(バックアップRAT)に対する新しいCAが、コアネットワークにおいて割り当てられ、端末デバイスに指示されてもよい。一方、カバレッジがバックアップRATに対して(のみ)失われた場合、端末デバイスは、
図10のステップS155に進み、優先RATへのキャンプを継続し、例えば、より良い伝播条件を伴うより低い周波数で、同じ(失われた)RATの別のキャリアに最初にアクセスしようと試みることができる。
【0050】
図11は、別の実施形態に従う、無線通信ネットワークにおける方法のフロー図を示す。
図11のステップS170によれば、例えば、RAT1とRAT2の両方が実装されている(併設されている)無線アクセスネットワークノード30またはコアネットワークノードにより、端末デバイス10が第1と第2のRATの両方においてページされるか、または、端末デバイス10が第1のRATと第2のRATの一方のみにおいてページされるかの決定がなされる。両方のRATを介したページングは、UEが(例えば所与の時間フレーム内で)ページを受信する機会を最大化し得る。他のRATにおけるページがオプション的に続く、1つのみのRATに渡るページングは、ページシグナリングを最小化し得る。更に、異なるRATにおける負荷条件に依存して、優先RAT(P−RAT)における最初のページに、そして応答がない場合にのみバックアップRAT(B−RAT)における続くページに選択することができる。したがって、UEは、1つ以上のRATのページングチャネル、例えば、一度に1つのRATのページングチャネルを監視し、または、RAT1とRAT2の両方のページングチャネルを監視するように構成され得る。あるいは、UEは、優先RATのみまたは優先RATとバックアップRATの両方のページングチャネルを監視するように構成され得る。
【0051】
ここで、ページングは、通常、コアネットワークノード50から開始される。LTEにおいて、MMEは、ページングに参加するために各eNB30
1、30
2へS1APページングメッセージを送信し、これは、eNB30
1、30
2がRRCページングメッセージを端末デバイス(UE)10に送信することをトリガする。ページングメッセージは、他の上位レイヤの制御プレーンメッセージまたはユーザプレーンメッセージと全く同じようにPDSCHで送信される。他のメッセージとの違いは、全てのUEが、PDCCHで待ち受けることができる特定のRNTI、ページングRNTI(P−RNTI)にアドレス指定されることである。PDSCH上の実際のRRCページングメッセージは、どのUEにページが向けられているかを示す識別子をページングレコードに含む。UEのためのページング情報は、PDCCHによって示されるリソースブロック内のPDSCH上で搬送されている。ページングに応答するために、端末デバイス(UE)は、ランダムアクセス手順を実行し、eNBによってMMEに転送されるべきNASサービス要求メッセージを送信することができる。
【0052】
図11のステップS180によれば、端末デバイス10は、ステップS170におけるページングコマンドへの応答として、または端末デバイス開始アクセスとして、第1および第2のRAT、特にP−RAT、または両方のRATにおいて、無線ネットワークノード(eNB)30
1、30
2を介して通信ネットワークにアクセスする。ここで、
図11のステップS170およびS180は、上述したステップS110、S120、S130、S140、S150およびS155と併せて実行されてもよい。
【0053】
以下は、好ましい実施形態による、上記に例示された第1、第2、および第3のメカニズム関する更なる態様を説明する。
【0054】
第1のメカニズムおよび第1のメカニズムの第1のステップに関する好ましい実施形態によれば、通信ネットワークのネットワークノードは、専用シグナリングまたは共通シグナリング(例えば共通チャネルを介したシステム情報)を介して、1つ以上のCA(またはシグナリングされたCAに割り当てられたコード/識別子)を含むリストまたはリストのセットを用いてUEを構成する。リストは共通でもよい、すなわち、両方のRATが同じCAを利用するか、または、LTEに対するリストとNRに対する別のリスト等、RATごとに提供されてもよい。
【0055】
そのようなリストは、UEに割り当てられたCAに属するノード/セル内で移動している間にUEがCA更新を提供する必要がないように、UEが割り当てられる両方のRATをカバーする1つ以上のCA(CA−RAT1、CA−RAT2)を含み得る。第1のメカニズムでは、UEが新しいカバレッジエリアに入るとき、または両方のRAT内の割り当てられたCAを離れるが、それが少なくとも1つのRATのリストのCAのカバレッジに留まる限り、UEがCA更新を行うという意味で、この構成は緩和される。このリストは、以後、「CAリスト」または「CAのリスト」と呼ばれる。このリストは必須であり得る。
【0056】
そのようなリストは、UEが登録することを許可されている1つ以上のRATについての1つ以上のCAも含み得る。このリストは以下において「ホワイトリスト」と呼ばれる。このリストはオプションであり得る。
【0057】
そのようなリストは、UEが登録することを許可されていない1つ以上のRATに対して許可されていない1つ以上のCAも含み得る。このリストは以下において「ブラックリスト」と呼ばれる。このリストもオプションであり得る。
【0058】
加えて、そのようなCAリストにおいてシグナリングされた各CAは優先度指標を有することができる。これは、例えば、UEが複数のCAに属する位置(例えばセル/ノード)にいる状況において、UEが何らかの理由でネットワークにアクセスする必要がある場合、ネットワークが、どのCA内でUEが好ましくはネットワークにアクセスすることを選択すべきかをUEに示すことができることを意味する。これは、同じRAT内で重複するCAが使用される場合、すなわち同じセル/ノードが同じRATにおける複数のCAに属し、対応する識別情報/コードをブロードキャストする場合にも適用され得る。それはまた、UEが各RAT内のCAによってカバーされているとき、例えばLTEにおいて1つのCAかつNRにおいて1つのCAによりカバーされているとき、エリア/位置に依存し得る好ましいRATにUEを誘導するために適用され得る。
【0059】
同様に、ホワイトリストにおいてシグナリングされた各CAは優先度指標を有することができる。これらの優先度指標は、CAリストにおけるオプションの優先度指標と同じ目的を持っており、同じように使用される。違いは、ホワイトリストの場合、優先度指標は、これが必要な場合に、UEがどのCAに登録すべきか、例えば、CA更新を実行すべきかを指示する手段であることである。
【0060】
選択があるときに、UEが常にRATのうちの1つを優先するように、ネットワークはCリストまたはホワイトリストにおける優先度指標をRAT選好度指標で任意に置き換えることができる。
【0061】
ネットワークはまた、専用のシグナリングを介して、または共通のシグナリングを介して(例えば、システム情報)、または両方の組み合わせを使用して、ページング情報を用いてUEを構成し得る。この情報は、以下の情報の少なくとも1つを含み得る。すなわち、DRX構成(場合によってはページング機会アルゴリズムに対する入力パラメータを含む)、1つ以上のページングチャネル(すなわち1つのRATまたは両方のRATに対する)、および関連するページング情報、である。
【0062】
ネットワークはまた、専用シグナリングまたはUEが適用すべきCAメカニズム(すなわち、この例では第1のメカニズム)を用いた共通シグナリング(例えばシステム情報)を介してUEを構成し得る。
【0063】
第1のメカニズムの第2のステップに従って、UEがエリアにおいてキャンプしているとき、UEは少なくとも1つのRAT内の関連する制御シグナリングを監視し、エリアにおけるCAIを読み取る、または、デュアルキャンプを行っているときにUEが両方のRATを監視する場合にはエリア内のCAIを読み取る。エリアのCAIは、共通シグナリングを介してネットワークによりシグナリングされる。
【0064】
第1のメカニズムの第3のステップに従って、UEは、ネットワークにより構成された、複数のRATのうちの少なくとも1つにおけるページングチャネルを監視する。なお、これはキャンプの固有の側面と見なすこともでき、その場合、暗黙のうちに先行するステップに含まれるので、このステップは冗長である。
【0065】
第1のメカニズムの第4のステップに従って、UEは構成されたCAメカニズムを適用する。この場合、第1のメカニズムは、割り当てられたCAのいずれとも一致するCAがもはや検出されなくなったときに、UEがCA更新を実行すべきであることを示す。すなわち、CAリストが各RATについて提供される場合、UEがCA更新を実行することをトリガするために、いずれのRATについても割り当てられたCAリストのいずれにも一致が見出されるべきではない。このCA更新は、両方のRATに対する、組み合わせた更新、すなわち、組み合わせた、LTEにおけるトラッキングエリア更新とNRにおける対応する更新であり得る。
【0066】
したがって、UEが割り当てられたCAのいずれにも一致するCAを検出しなくなったときにのみCA更新が実行されるので、上述の第1のメカニズムはシグナリングを低減することができる。
【0067】
以下、第2のメカニズムに関する好ましい実施形態について説明する。
【0068】
第2のメカニズムの第1のステップに従って、ネットワークは、専用シグナリングまたは共通シグナリング(例えばシステム情報)を介して、1つ以上のCA(またはシグナリングされたCAに割り当てられたコード/識別子)を含むリストまたはリストのセットを用いてUEを構成する。リストは共通でもよい、すなわち、両方のRATが同じCAを利用してもよい。また、それは、RATごとに、すなわち、LTEに対するリストとNRに対する別のリストが提供されてもよい。
【0069】
リストは、UEに割り当てられたCAに属するノード/セル内で移動している間にUEがCA更新を提供する必要がないように、UEが割り当てられる(両方のRATをカバーする)1つ以上のCAを含み得る。第2のメカニズムに従って、この構成は、RATごとに適用される。これは、UEが、RATのいずれかにおいて割り当てられたCAを離れるときに、CA更新を行わないことを意味する。すなわち、複数のRATのうちの1つにおけるリスト(例えばCA−RAT1)にあるCAを離れ、リストに含まれないCAに入る場合、他のRATのリスト(CA−RAT2)にあるCAのカバレッジにまだいる場合であっても、CA更新を実行する。上記に定義された用語によれば、そのようなリストはCAリストである。このリストは必須であり得る。
【0070】
リストはまた、UEが登録することを許可されている(1つ以上のRATに対する)1つ以上のCAを含み得る(すなわち、ホワイトリスト)。このリストはオプションであり得る。リストはまた、UEが登録することを許可されていない(1つ以上のRATに対して)許可されていない1つ以上のCAを含み得る(すなわち、ブラックリスト)。
【0071】
ネットワークはまた、2つの異なるRATのうちの一方のカバレッジを失う場合に、例えばUEがRAT1のカバレッジを失ったときに、UEの動作を管理する特別な「RATカバレッジ外」の能力/動作でUEを構成し得る。これが発生すると、UEの動作は(構成に応じて)次のいずれかとなり得る。
【0072】
a)UEは他のRAT、すなわち上記の例ではRAT2を使用し、RATカバレッジの損失をネットワークへ報告する。ネットワークは、例えば、報告に使用されるRATにおけるUEの位置に基づき、失われたRAT(すなわち、RAT1)に対する新しいCAを用いてUEを構成してもしなくてもよい。ネットワークはまた、UEが報告のために使用しているRAT、すなわちRAT2に対する新しいCAを用いてUEを構成する機会を利用し得る。すなわち、ネットワークはこれを単一のRAT CA更新(RAT1の場合)または複合(組み合わせた)CA更新(RAT1およびRAT2の両方の場合)にするか、またはそれらのどれもしないようにすることができる。
【0073】
b)UEは、依然として利用可能なRAT、すなわち上記の例ではRAT2にキャンプオンし続けること以外は何もしない。
【0074】
UEは、例えば、より良い伝搬条件を伴うより低い周波数において、同じRATの別のキャリアに最初にアクセスすることを試みることができるように、同じRATの異なるキャリアで構成することもできる。
【0075】
加えて、そのようにシグナリングされたCAは、第1のメカニズムと同じ目的を果たすであろう優先度指標(または第1のメカニズムで上述したように「要約した」RAT選好指標)を有することができる。
【0076】
ネットワークはまた、専用のシグナリングを介して、または共通のシグナリングを介して(例えば、システム情報)、または両方の組み合わせを使用して、ページング情報を用いてUEを構成し得る。この情報は、以下の情報の少なくとも1つを含み得る。すなわち、DRX構成(場合によってはページング機会アルゴリズムに対する入力パラメータを含む)、異なるRATの各RATに対する少なくとも1つのページングチャネル(すなわち、UEは両方のRATのページングチャネルを監視するように構成される)、および関連するページング情報、である。
【0077】
ネットワークはまた、専用シグナリングまたはUEが適用すべきCAメカニズム(すなわち、この実施形態では第2のメカニズム)を用いた共通シグナリング(例えばシステム情報)を介してUEを構成し得る。
【0078】
第2のメカニズムの第2のステップに従って、UEがエリアにおい得てデュアルキャンプを実行するとき、両方のRATにおける関連制御シグナリングを監視し、そのエリアにおける異なるRATの両方のCAIを読み取る。エリアのCAIは、共通シグナリングを介してネットワークによりシグナリングされる。
【0079】
第2のメカニズムの第3のステップに従って、UEは両方のRATのページングチャネルを監視する。この解決策では、ネットワークは、(所与の時間フレーム内で)UEがページを受信する可能性を最大にするために両方のRATでUEをページングしたいか、(UEが第1のRAT内のページに応答しない場合には、オプションで他のRATにおけるページングが後に続く)ページシグナリングを最小にするためにRATの1つのみでページングするべきかを選択できる。ネットワークはまた、UEがページされ、より低い負荷でRATにおいて応答するように、異なるRATにおける負荷を考慮し得る。ネットワークが多数のデュアルキャンプUEをページングしなければならない場合、それはまた、両方のRATにわたって負荷を分散する、すなわち、あるRAT内のいくつかのUEおよび他のRAT内の他のUEをページングすることもできる。これは、マルチRAT負荷分散を高速化していると見なされ、高負荷が発生しているシナリオにおいて設定することができる。
【0080】
第2のメカニズムの第4のステップに従って、UEは構成されたCAメカニズムを適用する。ここで、第2のメカニズムは、複数のRATのうちの1つにおいて、すなわちRAT1またはRAT2のいずれかにおいて、割り当てられたCAのいずれとも一致するCAがもはや検出されなくなったときにUEがCA更新を実行すべきであることを示す。すなわち、CAリストが各RATについて提供される場合、CAT− RAT1等のリストにないCAに入ったために、複数のRATのうちの1つのリストに一致が見つからないとすぐに、CA−RAT2等の他のRATのリストにおいて存在するCAによってまだカバーされている場合であっても、UEはCA更新を実行すべきである。CA更新に応じて、ネットワークは、(ステップにおいて上述したように)新しいCAリストまたはリストのセットをUEに割り当てるべきである。UEが複数のRATのうちの1つのみの割り当てられたCAを離れることによりCA更新がトリガされた場合であっても、ネットワークは両方の(全ての)RATに対してUEに新しいCAを割り当て得る。これは、UEが他のRAT内を移動するために複数のCAを割り当てられ、以前に割り当てられたCAがもはや最適ではない場合、好ましいかもしれない。このCA更新は、両方のRATに対する、組み合わせた更新、すなわち、組み合わせた、LTEにおけるトラッキングエリア更新およびNRにおける対応する更新であり得る。
【0081】
更に、UEが複数のRATの1つのカバレッジを失う場合、上記のように、(もしあれば)RAT外のカバレッジ動作の構成(設定)に従う。すなわち、それは、複数のRATのうちの1つのカバレッジの損失を報告するためにまだ利用可能なRATを使用するか、またはネットワークに通知せずにまだ利用可能なRATにキャンプオンし続ける。前者の場合、上述のように、ネットワークは、複数のRATの一方または両方において(またはそれらのどれも)、新しいCAを用いてUEを構成することができる。
【0082】
上述のように、第2のメカニズムは、最大の信頼性と最小のページング遅延または最小のページングシグナリングのいずれかの利点を組み合わせる。
【0083】
以下、第3のメカニズムに関する好ましい実施形態について説明する。
【0084】
第3のメカニズムは、上述の第1のメカニズムと第2のメカニズムとの間のハイブリッドメカニズムと見なすことができる。ここで、複数のRATのうちの1つ、例えばRAT1は、第1のメカニズムに従って扱われ、他のRAT、例えばRAT2は、第2のメカニズムに従って扱われる。
【0085】
ここで、ネットワークは、RATを優先RAT(P−RAT)とバックアップRAT(B−RAT)に分類し得る。2つより多いRATを伴うシナリオでは、これは、一連の優先RAT(おそらくは優先度が異なる)と一連のバックアップRATに一般化できる。P−RATは原則として第2のメカニズムに従って扱われ、B−RATは原則として第1のメカニズムに従って扱われる。UEは、利用可能であるときには常にP−RATを優先し、P−RATのカバレッジがないときにのみB−RATを使用する(例えばキャンプオンする)ように構成される。
【0086】
第3のメカニズムの第1のステップによれば、ネットワークは、専用シグナリングまたは共通シグナリング(例えばシステム情報)を介して、1つ以上のCA(またはシグナリングされたCAに割り当てられたコード/識別子)を含むリストまたはリストのセットを用いてUEを構成する。リストは共通でもよい、すなわち、両方のRATが同じCAを利用するか、または、LTEに対するリストとNRに対する別のリスト等、RATごとに提供されてもよい。
【0087】
リストは、UEに割り当てられたCAに属するノード/セル内で移動している間にUEがCA更新を提供する必要がないように、UEが割り当てられる(両方のRATをカバーする)1つ以上のCAを含み得る。第3のメカニズム内では、この構成はRATごとに適用され、当該構成はP−RATとB−RATで異なる。このために、UEがP−RAT、例えばCA−RAT1において割り当てられたCAを離れ、リストにないCAに入る場合、それがB−RAT、すなわちこの例ではCA−RAT2のリストにおけるCAのカバレッジにいる場合でも、CA更新を実行する。一方、UEがB−RAT、この例ではCA−RAT2において割り当てられたCAを離れ、リストにないCAに入る場合(UEはP−RATにのみキャンプし得るのでこれに気付かないことさえあり得る)、CA更新を実行しない。上記に定義された用語によれば、そのようなリストはCAリストである。このリストは必須であり得る。
【0088】
リストはまた、UEが登録することを許可されている(1つ以上のRATに対する)1つ以上のCAを含み得る(すなわち、ホワイトリスト)。このリストはオプションであり得る。リストはまた、UEが登録することを許可されていない(1つ以上のRATに対して)許可されていない1つ以上のCAを含み得る(すなわち、上述したようなブラックリスト)。
【0089】
ここで、第3のメカニズムに従ってUEの構成したカバレッジ外の動作は、以下のようになる。
【0090】
UEはP−RATのカバレッジを失うと、B−RATにキャンプオンし、それを使用して、P−RATのカバレッジを失ったことをネットワークに報告する。UEはB−RATのカバレッジを失うと、何もしない。なお、UEは、P−RAT上でのみキャンプしている可能性があるので、B−RATのカバレッジを失っても気付かないかもしれないことに留意されたい。ネットワークは、(B−RATにおけるUEの位置に基づき、)(失われた)P−RATに対する新しいCAを用いてUEを構成してもしなくてもよい。ネットワークはまた、B−RATに対する新しいCAを用いてUEを構成する機会を利用し得る。すなわち、ネットワークはこれを単一のRAT CA更新または複合CA更新にすること(またはそれらのどれらも)ができる。
【0091】
ネットワークはまた、専用のシグナリングを介して、または共通のシグナリングを介して(例えば、システム情報)、または両方の組み合わせを使用して、ページング情報を用いてUEを構成し得る。この情報は、以下の情報の少なくとも1つを含み得る。すなわち、DRX構成(場合によってはページング機会アルゴリズムに対する入力パラメータを含む)、各RATについて少なくとも1つのページングチャネル(すなわち、UEは両方のRATのページングチャネルを監視するように構成される)、および、関連するページング情報である。ネットワークはまた、専用シグナリングまたは共通シグナリング(例えばシステム情報)を介して、UEが適用すべきCAメカニズム(すなわち、この実施形態では第2のメカニズム)を用いて、UEを構成し得る。
【0092】
第3のメカニズムの第2のステップに従って、UEがエリアにおいてデュアルキャンプを実行するとき、少なくともP−RATにおける関連制御シグナリングを監視し、そのエリアにおける少なくともP−RATのCAIを読み取る。エリアのCAIは、共通シグナリングを介してネットワークによりシグナリングされる。
【0093】
第3のメカニズムの第3のステップに従って、UEは少なくともP−RATのページングチャネルを監視する。この解決策では、ネットワークは、UEがページを受信すべき可能性を最大にするために両方のRATでUEをページングしたいか、ページシグナリングを最小にするためにP−RATにおいてのみページングするべきかを選択できる。ネットワークのページング動作を構成することはネットワークオペレータの選択であるが、第3のメカニズムに対しては、ネットワークが最初にP−RATにおいてUEをページングし、P−RATにおいてページに対する応答が受信されない場合にのみ、B−RATにおいてページングすることが好ましい。この推奨は、利用可能である限りUEがP−RATにおけるページングを監視するという構成、およびP−RATが失われた後にUEが(上述したように)P−RATカバレッジの損失をネットワークへ報告すべきである場合にB−RATのみを監視するという状況によって動機付けられ得る。しかしながら、たとえUEがP−RATカバレッジを有していても、例えば 非常に一時的なフェージングディップによりページングメッセージを受信することができない可能性があるので、オペレータは、(配信されるダウンリンクデータの緊急性に応じて)直ちに両方のRATをページングするようにネットワークを構成することを選択し得る。
【0094】
第3のメカニズムの第4のステップに従って、UEは構成されたCAメカニズムを適用する。この場合、第3のメカニズムは、P−RATにおいて割り当てられたCAのいずれとも一致するCAが検出されなくなったとき、すなわちCAリストに含まれていないP−RATにおけるCAに入ったときに、UEがCA更新を実行すべきであることを示す。CA更新に応じて、ネットワークは、(ステップにおいて上述したように)新しいCAリストまたはリストのセットをUEに割り当てるべきである。UEがP−RATの割り当てられたCAを離れることでCA更新がトリガされた場合であっても、ネットワークはP−RATとB−RATの両方に対してUEに新しいCAを割り当て得る。これは、ネットワークがUEはB−RATにおける割り当てられたCAを離れたと決定した場合、または、ネットワークがB−RATにおいて移動するために複数のCAを割り当てたが、以前に割り当てられたCAがもはや最適でない場合に、好ましい。このCA更新は、両方のRATに対する組み合わせた更新、すなわち、組み合わせた、LTEにおけるトラッキングエリア更新およびNRにおける対応する更新であり得る。
【0095】
UEがP−RATのカバレッジを失うと、B−RATにキャンプオンを開始し、B−RATを使用して、P−RATのカバレッジを失ったことをネットワークに報告する。UEが、B−RATにキャンプオンを開始したときに、CAリストに含まれていないB−RAT内のCAに入ったことを検出した場合、P−RATカバレッジ損失の報告は、B−RATに対するCA更新と組み合わせられる。上述のように、ネットワークは、P−RATの損失の報告を受信することに応じて、RATの一方または両方において(またはそれらのどれも)、新しいCAを用いてUEを構成することができる。P−RATカバレッジの損失の報告がB−RATに対するCA更新と組み合わされる場合、ネットワークはUEをB−RATに対する新しいCAで構成し、また、UEをP−RATに対する新しいCAで構成してもしなくてもよい。
【0096】
上述の態様は、マルチRATキャンプの場合にUEの態様を監視することに焦点を当てている。別の関連する態様は、ページングに対する応答として、および/またはUEがアクセスを開始したときに、両方のRATにキャンプオンしているUEが必要に応じてどのようにシステムにアクセスすべきかである。特に、UEがページングチャネルなどの複数のチャネルを監視するように構成されている場合、UEは、複数のRATでページを受信したときに応答するように構成することができる。例えば、UEは、より高い優先度のRAT、最も強い無線状態を有する方、またはその両方で同時に応答するように構成され得る。UEが開始したアクセスについても同様に、UEは、より高い優先度のRAT、最も強い無線状態を有する方、またはその両方に同時にアクセスするように構成することができる。
【0097】
更に、第1および第2のRATとして、LTEとNRとの組み合わせを主なシナリオとして実施形態を説明してきたが、本概念は2つより多いRATに容易に拡張することができることに留意されたい。
【0098】
更に、記載された実施形態はマルチRATキャンプに焦点を当てており、その用語を広く使用していることにも留意されたい。しかしながら、本概念はまた、UEが単一のRATの複数のキャリア(時にはRATまたはエアインタフェース変形と呼ばれる)にキャンプオンする場合にも適用可能である。これらの異なるキャリアは、例えば、異なる数秘術を有することができ、あるいはより低い周波数ではマクロセルであり、より高い周波数ではスモールセルとなることができる複数のセル、屋外/屋内またはこれらの他の組み合わせにもなり得る。
【0099】
上記の各モジュールは、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、またはメインメモリに記憶された命令を解釈して実行する他の処理ロジック、すなわちメモリモジュール16、36
1、36
2、および56を含む処理ユニットによって実装され得る。メインメモリは、それぞれのモジュール/ユニットによる実行のための情報および命令を記憶することができるRAMまたは他の種類の動的記憶装置を含み得る。例えば、
図10に関して上述した無線送受信機モジュール12、32
1、32
2および対応する処理モジュール12、34
1、34
2、ならびに送受信機モジュール52および対応する処理モジュール54は、処理ユニット/プロセッサによって実現され得る。ROMは、静的情報および処理装置による使用のための命令を格納することができるROMデバイスまたは他のタイプの静的記憶デバイスを含み得る。
【0100】
上述のように、無線アクセスネットワークノード(基地局)30
1および30
2、ならびに端末デバイスおよび(コアまたはアンカー)ネットワークノード50は、本明細書に記載された、特定の動作またはプロセス(取得、識別、送信、予測、意思決定)を実行し得る。これらの動作は、メインメモリ、ROMおよび/または記憶装置などのコンピュータ可読媒体に含まれるソフトウェア命令を実行する処理ユニット/プロセッサに応答して実行され得る。コンピュータ可読媒体は、物理的または論理的記憶デバイスとして定義され得る。例えば、論理メモリ装置は、単一の物理メモリ装置内のメモリ、または複数の物理メモリ装置にわたって分散されたメモリを含み得る。メインメモリ、ROM、および記憶デバイスのそれぞれは、プログラムコードとしての命令を含むコンピュータ可読媒体を含み得る。ソフトウェア命令は、記憶デバイスなどの他のコンピュータ可読媒体用のメインメモリに、または通信インタフェースを介して他のデバイスから読み込むことができる。
【0101】
更に、メインメモリに含まれるソフトウェア命令は、データプロセッサを含む処理ユニット上で実行されると、当該処理ユニットに、本明細書に記載の動作または処理を実行させ得る。あるいは、本明細書に記載のプロセスおよび/または動作を実装するために、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令と組み合わせてまたはその代わりに使用され得る。したがって、本明細書に記載の実装形態は、ハードウェアとソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0102】
要素、ユニット、モジュール、ノードおよびシステムを含む本発明の異なる実施形態による物理的実体は、コンピュータプログラムが物理的実体上で実行されるときに以下のステップおよび動作を実行するように、すなわち、データ処理手段に動作を実行させるように、ソフトウェア命令を含むコンピュータプログラムを含むまたは格納し得る。特に、本発明の実施形態はまた、本発明の実施形態による動作/ステップを実行するためのコンピュータプログラム、および上述の方法を実行するためのコンピュータプログラムを格納する任意のコンピュータ可読媒体に関する。
【0103】
モジュールという用語が使用される場合、これらの要素がどの程度分散されているか、およびこれらの要素がどのように収集されているかに関して制限はない。すなわち、基地局30
1および30
2ならびに端末装置10およびネットワークノード50の構成要素/モジュール/ユニットは、意図する機能を実現するために、異なるソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントまたは他のデバイスに分散され得る。意図された機能性を提供するために、複数の異なる要素/モジュールも集められてもよい。例えば、UE/ノードの要素/モジュール/機能は、バス、処理ユニット、メインメモリ、ROM等を含む上記のノードと同様のマイクロプロセッサおよびメモリとによって実現され得る。マイクロプロセッサは、メモリ内の命令として記憶され得る上記の動作が実行されるようにプログラムされ得る。
【0104】
更に、装置の要素/モジュール/ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ファームウェアなどで実装され得る。
【0105】
本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明の構成要素および方法、ならびに本発明の構成において様々な修正および変形をなし得ることが当業者には明らかであろう。
【0106】
本発明は、すべての態様において限定的ではなく例示的であることを意図している特定の実施形態および実施例に関して説明されてきた。当業者は、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの多くの異なる組み合わせが本発明を実施するのに適していることを理解するであろう。
【0107】
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書に開示された本発明の実施から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は例示としてのみ考慮されることを意図しており、ここで、上記実施例において使用される略語は以下に列挙される。この目的のために、本発明の態様は、単一の前述の開示された実施形態または構成のすべての特徴よりも少ないことにあると理解されるべきである。したがって、本発明の真の範囲および精神は特許請求の範囲によって示される。
【0108】
本発明は、すべての態様において限定的ではなく例示的であることを意図している特定の実施形態および実施例に関して説明されてきた。当業者は、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの多くの異なる組み合わせが本発明を実施するのに適していることを理解するであろう。
【0109】
[略語]
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
5G 第5世代
AI エアインタフェース
B−RAT バックアップRAT
CA キャンプエリア
CAI キャンプエリア識別子
CDMA 符号分割多重アクセス
CN コアネットワーク
CP 制御プレーン
DRX 不連続受信
ECM EPS接続管理
eNB 進化型ノードB
EPS 進化型パケットシステム
E−UTRAN 進化型UTRAN
EV−DO 進化データ最適化
GPRS 一般パケット無線サービス
GSM 移動体通信用グローバルシステム
IE 情報要素
LTE ロングタームエヴォリューション
MAC 媒体アクセス制御
MeNB マスターeNB
MME モビリティ管理エンティティ
NAS 非アクセス層
NR New Radio(標準化される5G RANに対する3GPPの名称)
NW ネットワーク
PCI 物理セル識別情報
PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル
PDCP パケットデータコンバージェンスプロトコル
PDU パケットデータユニット
PHY 物理レイヤ
P−RAT 優先RAT
RACH ランダムアクセスチャネル
RAN 無線アクセスネットワーク
RAT 無線アクセス技術
RLC 無線リンク制御
RRC 無線リソース制御
S1* 5Gに対して進化したS1インタフェース。すなわち、5G RAN(NRまたは進化型E−UTRAN)と5Gコアネットワークとの間のインタフェース