特許第6790277号(P6790277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中興通訊股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許6790277干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局
<>
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000004
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000005
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000006
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000007
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000008
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000009
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000010
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000011
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000012
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000013
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000014
  • 特許6790277-干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790277
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20201116BHJP
【FI】
   H04W74/08
【請求項の数】28
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2019-537350(P2019-537350)
(86)(22)【出願日】2017年12月13日
(65)【公表番号】特表2020-504571(P2020-504571A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(86)【国際出願番号】CN2017115792
(87)【国際公開番号】WO2018130037
(87)【国際公開日】20180719
【審査請求日】2019年8月8日
(31)【優先権主張番号】201710019555.4
(32)【優先日】2017年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】任唯賢
(72)【発明者】
【氏名】許応
【審査官】 石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−127414(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0165903(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0365975(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0110240(US,A1)
【文献】 ZTE, Qualcomm Europe, Texas Instruments,ZC Sequence Ordering for Short RACH[online],TSG-RAN WG1#52 R1-081069,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_52/Docs/R1-081069.zip>,2008年 2月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定することと、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信することと、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得することと、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定することと、を含む、
干渉による誤検出を識別する検出方法。
【請求項2】
前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定することは、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定することと、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定すると、
検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告することを更に含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PRACH信号が正常信号であると確定すると、
検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行うことを更に含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定することは、
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得することと、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークの信号対雑音比SNRを取得することは、
前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得することと、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出することと、を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを設定することは、
K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定することと、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得することと、を含み、
Kは3以上の正整数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを設定することは、
予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定することを含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定するように構成される設定モジュールと、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信するように構成される送受信モジュールと、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得するように構成される検出モジュールと、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定するように構成される確定モジュールと、を備える、
装置。
【請求項11】
前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記確定モジュールは、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定するように構成される、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記送受信モジュールは、更に、検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告するように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記送受信モジュールは、更に、検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行うように構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得し、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定するように構成される、判断モジュールを更に備える、
請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記判断モジュールは、更に、前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得し、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出するように構成される、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記設定モジュールは、K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定し、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得するように構成され、
Kは3以上の正整数である、
請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記設定モジュールは、予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定するように構成される、
請求項10から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
インターフェース、バス、メモリ、及びプロセッサを備え、前記インターフェース、メモリおよび前記プロセッサは、前記バスを介して接続され、前記メモリは命令を記憶するように構成され、前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定し、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信し、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得し、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定する、
基地局。
【請求項20】
前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である、
請求項19に記載の基地局。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定する、
請求項19に記載の基地局。
【請求項22】
前記プロセッサは、更に前記命令を読み取ることにより、
検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告する、
請求項21に記載の基地局。
【請求項23】
前記プロセッサは、更に前記命令を読み取ることにより、
検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行う、
請求項21に記載の基地局。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得し、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定する、
請求項19に記載の基地局。
【請求項25】
前記プロセッサは、更に前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得し、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出する、
請求項24に記載の基地局。
【請求項26】
前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定し、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得し、
Kは3以上の正整数である、
請求項19に記載の基地局。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定する、
請求項19から26のいずれか1項に記載の基地局。
【請求項28】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信の技術分野に関し、例えば、干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
ロングタームイボリューション(Long Term Evolution、LTE)における物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)は、ユーザ機器(User Equipment、UE)のランダムアクセスに使用される。実際の応用において、基地局によるPRACHの検出では、誤検出が発生しやすく、誤検出を引き起こす原因は様々であり、要因の1つは信号干渉である。
【0003】
通常、誤検出の低減に関わる方法は、PRACHの検出閾値を上げ、UEのPRACHにアクセスする初期電力を上げることであるが、閾値を上げると、基地局のPRACHチャネルに対する見逃し率が向上し、UEのアクセスの成功率が低減し、上り帯域の無駄遣いを招くだけでなく、システム容量も低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記事情に鑑み、本開示の実施例は、PRACHの検出閾値を上げる必要がなく、干渉による誤検出をある程度抑制でき、誤検出を低減するとともにユーザのアクセス成功率を低減しないことを確保する、干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局の提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定することと、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信することと、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得することと、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定することと、を含む、
干渉による誤検出を識別する検出方法を提供する。
【0006】
上記態様において、前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。
【0007】
上記態様において、前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定することは、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定することと、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定することと、を含む。
【0008】
上記態様において、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定すると、前記方法は、
検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告することを更に含む。
【0009】
上記態様において、前記PRACH信号が正常信号であると確定すると、前記方法は、
前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行うことを更に含む。
【0010】
上記態様において、前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定することは、
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得することと、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定することと、を含む。
【0011】
上記態様において、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークの信号対雑音比SNRを取得することは、
前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得することと、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出することと、を含む。
【0012】
上記態様において、前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを設定することは、
K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定することと、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得することと、を含み、
Kは3以上の正整数である。
【0013】
上記態様において、前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを設定することは、
予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定することを含む。
【0014】
本開示は、
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定するように構成される設定モジュールと、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信するように構成される送受信モジュールと、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得するように構成される検出モジュールと、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定するように構成される確定モジュールと、を備える装置を提供する。
【0015】
上記態様において、前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。
【0016】
上記態様において、前記確定モジュールは、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定するように構成されてもよい。
【0017】
上記態様において、前記送受信モジュールは、更に、検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告するように構成される。
【0018】
上記態様において、前記送受信モジュールは、更に、検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行うように構成される。
【0019】
上記態様において、前記装置は、
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得し、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定するように構成される判断モジュールを更に備える。
【0020】
上記態様において、前記判断モジュールは、更に、前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得し、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出するように構成される。
【0021】
上記態様において、前記設定モジュールは、K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定し、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得するように構成されてもよい。
Kは3以上の正整数である。
【0022】
上記態様において、前記設定モジュールは、予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定するように構成されてもよい。
【0023】
本開示は、インターフェース、バス、メモリ、及びプロセッサを備え、前記インターフェース、メモリおよび前記プロセッサは前記バスを介して接続され、前記メモリは命令を記憶するように構成され、前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定し、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信し、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得し、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定する、基地局を提供する。
【0024】
上記態様において、前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。
【0025】
上記態様において、前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定する。
【0026】
上記態様において、前記プロセッサは、更に前記命令を読み取ることにより、
検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告する。
【0027】
上記態様において、前記プロセッサは、更に前記命令を読み取ることにより、
検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージ、て下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行う。
【0028】
上記態様において、前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得し、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定する。
【0029】
上記態様において、前記プロセッサは、更に前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得し、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出する。
【0030】
上記態様において、前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定し、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得し、
Kは3以上の正整数である。
【0031】
上記態様において、前記プロセッサは、前記命令を読み取ることにより、
予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定する。
【0032】
本開示の実施例は、上記方法を実行するように構成されるコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【発明の効果】
【0033】
本開示の実施例に係る、干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局は、物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定することにより、前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信し、前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得し、前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定する。関連技術と比べ、本開示は、配置されていないマザーコードおよび受信信号を検出することにより、誤検出であるか否かを判断し、ランダムアクセスプリアンブル系列の間の関連性が低く、干渉と複数のランダムアクセスプリアンブル系列との関連性が高いという原理によって干渉による誤検出を識別し、PRACH信号のピークSNRの検出閾値を上げる必要がなく、干渉による誤検出をある程度抑制でき、UEのアクセスの成功率を効果的に向上させ、上り帯域の無駄遣いを回避し、システム容量を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法の実施例1のフローチャートである。
図2】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法の実施例2のフローチャートである。
図3】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法の、マルチセルを同一周波数でネットワーク構築した模式図1である。
図4】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法の、マルチセルを同一周波数でネットワーク構築した模式図2である。
図5】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図1である。
図6】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図2である。
図7a】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図3である。
図7b】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図4である。
図7c】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図5である。
図8】本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン2のデータ図である。
図9】本開示の装置の実施例の構造模式図である。
図10】本開示の基地局の実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案について明確かつ完全に説明する。
【0036】
図1は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法の実施例1のフローチャートであり、図1に示すように、本開示の実施例に係る干渉による誤検出を識別する検出方法は、干渉による誤検出を識別する検出装置に適用でき、該装置は基地局であってもよく、該方法は以下のようなステップを含む。
【0037】
ステップ101において、物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定する。
【0038】
基地局は、物理ランダムアクセスチャネルPRACHのマザーコード系列に基づき、PRACHランダムに第1マザーコードセット、第2マザーコードセットを設定し、且つ、基地局は予め設定されたSNR閾値を設定する。ここで、前記第1マザーコードセットは、前記マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数であり、前記第1マザーコードセットはUEのランダムアクセスに使用され、前記第2マザーコードセットは、UEのフィードバック信号に対して誤検出の検出を行うために使用される。
【0039】
予め設定されたSNR閾値は、実際の要求に応じて設定でき、ここでは制限しない。
【0040】
基地局は、予め設定された時間帯内で前記PRACHのマザーコード系列に基づいてPRACHランダムに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを設定することができる。干渉も時間とともに変化するため、基地局は、一定の時間毎にPRACHのマザーコード系列の中でPRACHランダムに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを再設定してもよく、これにより、誤検出の検出をより全面的に行うことができる。
【0041】
LTEプロトコルにおいて、PRACHは838種のマザーコードを有し、マザーコード間の関連性がいずれも低く、基地局によって受信データから検出されたPRACH信号が基地局の指示に従ってUEによってフィードバックされるものであれば、基地局によって配置されたマザーコードとの関連性は必ず高く、配置されていないマザーコードとの関連性は必ず低い。一方、干渉信号である場合、マザーコードがいずれもZC系列であり、性質が類似するため、干渉は複数のマザーコードとの関連性が比較的高い可能性がある。
【0042】
ここで、ZC系列はZadoffおよびChuという二人によって提出され、CAZAC系列の1種であり、つまり、一定振幅で、ゼロ自己関連系列であり、良好な自己関連性を有し、且つ、振幅が安定する。プライマリ同期信号は、UEが検出するために、この系列を送信同期信号として採用する。
【0043】
第1マザーコードセット(すなわち、PRACHにおけるプリアンブル系列)は、ZC系列を循環シフトすることによって生成され、それらは1つまたは複数のZC系列のルート系列に由来し、系列長が839であり、PRACHにおけるサブキャリアの間隔が1.25Kである。1つのセルに64個のプリアンブル系列を有し、ネットワーク側にセル内で使用可能なプリアンブル系列を配置し、SIB2におけるパラメータrootSequenceIndex(0〜837の間で値を取る)によって1つ目のZCルート系列をブロードキャストし、一定の規則でルート系列を循環シフトし、後に対応するPRACHプリアンブル系列を生成する。
【0044】
PRACHの上り伝送の非同期および異なる伝送遅延のため、対応する循環シフトの間には十分な間隔が必要となり、必ずしも全ての循環シフトが直交系列として使用できるわけではなく、使用可能な循環シフトのプリアンブル系列の数が64個を満たさない場合、一定の規則で次のZCルート系列を選択し、循環シフトによって新たなPRACHプリアンブル系列を生成する。
【0045】
例えば、第1マザーコードセットには、PRACHのマザーコード系列におけるN=3つのマザーコードが含まれ、{436,437,438}であり、第2マザーコードセットには、PRACHのマザーコード系列における、第1マザーコードセット中の3つのマザーコード以外の他のM=6つのマザーコードが含まれ、{14,22,30,548,627}である。NおよびMの値は、実際の要求に応じて設定でき、ここでは制限しない。
【0046】
ステップ102において、前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信する。
【0047】
基地局は、ステップ101に設定された第1マザーコードセットをUEに送信し、UEは該第1マザーコードセットからマザーコードをランダムに選別し、選別されたマザーコードに基づいて基地局とランダムアクセスを行い、すなわち、UEはフィードバックされたPRACH信号を基地局に送信し、基地局はUEから送信されたPRACH信号を受信する。
【0048】
ステップ103において、前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得する。
【0049】
本ステップの前に、基地局はUEから送信されたPRACH信号を受信した後、第1マザーコードセットに基づいて受信されたPRACH信号が有効なPRACH信号であるか否かを判断する。基地局は、まず、第1マザーコードセットに基づいて受信されたPRACH信号と関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得する。その後、第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ予め設定されたピーク閾値と比較し、第1時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、第1時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定し、第1時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在しなければ、PRACH信号が非有効なPRACH信号であると確定する。
【0050】
第1マザーコードセットに基づいてPRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、更に、該PRACH信号と第2マザーコードセットとの関連検出を行い、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークの信号対雑音比SNRを算出する。基地局は、まず、PRACH信号と第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得する。その後、第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ予め設定されたピーク閾値と比較し、第2時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、第2時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを計算して得て、第2時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在しなければ、関連SNRを計算しない。
【0051】
最終的には、該PRACH信号のピークSNRを取得する。
【0052】
予め設定されたピーク閾値は、実際の要求に応じて設定でき、ここでは制限しない。
【0053】
ここで、関連検出の方法は以下のとおりである。基地局は、受信されたUEから送信されたPRACH信号とローカルマザーコード周波数領域系列の複素共役点とを乗算した後、時間領域まで逆フーリエ変換してノルムを求め、1つの時間領域関連値系列を取得し、該系列の各点を1つのPRACH信号のピークの予め設定された検出閾値と比較し、予め設定された検出閾値よりも大きい点は、予め設定された検出閾値を通過したPRACH信号のピークと認定される。
【0054】
SNRの計算方法は以下のとおりである。関連検出で得られた時間領域関連値系列において、PRACH信号のピーク点を除去して雑音系列を形成し、雑音系列によって雑音電力を推定し、その後、PRACH信号のピーク点の電力を雑音電力で割ると、検出されたPRACH信号のピークに対応するSNRを取得する。
【0055】
ステップ104において、前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定する。
【0056】
基地局は、得られたPRACH信号のピークSNRに基づいて前記予め設定されたSNR閾値と比較して判断し、前記PRACH信号のピークSNRが予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、すなわち、PRACH信号を検出した検出結果が正常で実在したものであり、誤検出ではないと判定し、すなわち、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号ではないと確定する。その後、基地局は、非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行い、該PRACH信号を送信したUEは、該メッセージをセンシングすると、プロトコルのフローに従って後のアクセスフローを続行し、すなわち、基地局は、正常な通信のために、該UEに上り帯域を割り当てる。前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が干渉信号であると確定し、すなわち、PRACH信号を検出した検出結果が異常で、誤検出であると判定し、すなわち、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定する。その後、基地局は、PRACH信号が検出されていないと認定し、誤検出の検出結果をサーバに報告し、サーバによって誤検出の検出結果を統計することで、基地局システムのPRACH信号の干渉レベルを反映し、その後、基地局は次のPRACH信号の検出を続行する。
【0057】
本開示の実施例に係る干渉による誤検出を識別する検出方法は、基地局が物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定することにより、前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信し、前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得し、前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定する。関連技術と比べ、本開示は、配置されていないマザーコードおよび受信されたPRACH信号を検出することにより、誤検出であるか否かを判断し、ランダムアクセスプリアンブル系列の間の関連性が低く、干渉と複数のランダムアクセスプリアンブル系列との関連性が高いという方式によって干渉による誤検出を識別し、PRACH信号のピークSNRの検出閾値を上げる必要がなく、干渉による誤検出をある程度抑制でき、UEのアクセスの成功率を効果的に向上させ、上り帯域の無駄遣いを回避し、システム容量を節約することができる。
【0058】
図2は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法の実施例2のフローチャートであり、図2に示すように、本開示の実施例に係る干渉による誤検出を識別する検出方法は装置に適用でき、該装置は基地局であってもよく、該方法は以下のようなステップを含んでもよい。
【0059】
ステップ201において、PRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセットおよび予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定する。
【0060】
基地局は、予め設定された時間帯内でPRACHのマザーコード系列に基づいてPRACHランダムに第1マザーコードセット、第2マザーコードセットを設定し、且つ、基地局は予め設定されたSNR閾値を設定する。ここで、前記第1マザーコードセットは、前記マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。前記第1マザーコードセットはUEのランダムアクセスに使用され、前記第2マザーコードセットは、UEのフィードバック信号に対して誤検出の検出を行うために使用される。
【0061】
予め設定されたSNR閾値は、実際の要求に応じて設定でき、ここでは制限しない。
【0062】
図3は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のマルチセルを同一周波数でネットワーク構築した模式図1であり、図3に示すように、複数のセルを同一周波数でネットワーク構築した場合、セルの基本配置は次のとおりであり、時分割復信(Time Division Duplexing、TDD)モードで、サブフレーム配合比が2であり、PRACHがFormat0に配置され、NCS Configurationが6で、この9つのセルのPRACHの時間領域リソースの間が互いにずれ、基地局によってUEに配置されたランダムアクセスのための第1マザーコードセット(すなわち、物理ルート系列インデックス)、および誤検出のための第2マザーコードセットは、いずれも異なるように設定され、表1に示すとおりである。
【0063】
【表1】
【0064】
本ステップにおいて、基地局は、K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づいて前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定することができ、前記K個のセルの第1マザーコードセット中には重複したマザーコードが含まれず、前記Kは3以上の正整数であり、現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得する。ここで、前記第1マザーコードセットは、前記マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含み、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含み、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。
【0065】
例えば、図4は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のマルチセルを同一周波数でネットワーク構築した模式図2であり、図4に示すように、基地局は、K=3つのセルを同一周波数でネットワーク構築した場合、セルの間は、隣接セルのPRACH時間周波数リソース、第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットを互いに知ることができる。
【0066】
本セルは、本開示の方法により隣接セルのPRACH信号情報の電力干渉レベルを検出することができ、この3つのセルは、いずれもTDDで、サブフレーム配合比が2であり、PRACHがFormat0に配置され、NCS Configurationが6である。本セルの基地局でUEに配置されたランダムアクセスのための第1マザーコードセット(すなわち、物理ルート系列インデックス)および誤検出のための第2マザーコードセットは、表2に示すとおりである。
【0067】
【表2】
【0068】
表2に示すように、この3つのセルのPRACHの時間領域リソースは互いにずれ、UEに配置されたランダムアクセスのための第1マザーコードセットは異なるように設定され、各セルはいずれも隣接する2つのセルのそれぞれの第1マザーコードセットの集合を、誤検出のための第2マザーコードリソースとする。セル1を例とし、セル1の第1マザーコードセットは{710,711,712}に配置されると、第2マザーコードセットは、セル2の第1マザーコードセット{217,218,219}とセル3の第1マザーコードセット{18,19,20}との集合に配置され、すなわち、{18,19,20,217,218,219}である。
【0069】
ステップ202において、前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信する。
【0070】
基地局は、ステップ201で設定された第1マザーコードセットをUEに送信し、UEは該第1マザーコードセットからマザーコードをランダムに選別し、選別されたマザーコードに基づいて基地局とランダムアクセスを行い、すなわち、UEはフィードバックされたPRACH信号を基地局に送信し、基地局はUEから送信されたPRACH信号を受信する。
【0071】
ステップ203において、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であるか否かを判断する。
【0072】
基地局は、UEから送信されたPRACH信号を受信すると、第1マザーコードセットに基づいて受信されたPRACH信号が有効なPRACH信号であるか否かを判断し、すなわち、関連検出を行う。基地局は、まず、第1マザーコードセットに基づいて受信されたPRACH信号と関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得する。その後、第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ予め設定されたピーク閾値と比較し、第1時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、第1時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在しなければ、PRACH信号が非有効なPRACH信号であると確定し、すなわち、ステップ204を実行する。第1時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定し、すなわち、ステップ205を実行する。
【0073】
ステップ204において、現在の処理フローを終了し、次の処理タスクを開始する。
【0074】
基地局は、現在の処理フローを終了し、次の検出の処理タスクを開始することを確定する。
【0075】
ステップ205において、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークの信号対雑音比SNRを取得する。
【0076】
基地局は、第1マザーコードセットに基づいてPRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、更に、該PRACH信号と第2マザーコードセットとの関連検出を行い、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークの信号対雑音比SNRを算出する。基地局は、まず、PRACH信号と第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得する。その後、第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ予め設定されたピーク閾値と比較し、第2時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、第2時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを計算して得て、第2時間領域関連値系列に予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在しなければ、関連SNRを計算しない。
【0077】
最終的には、該PRACH信号のピークSNRを取得する。
【0078】
予め設定されたピーク閾値は、実際の要求に応じて設定でき、ここでは制限しない。
【0079】
ステップ206において、前記PRACH信号のピークSNRが予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断する。
【0080】
基地局は、前記PRACH信号のピークSNRが予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、ステップ207を実行し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、ステップ208を実行する。
【0081】
ステップ207において、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、前記検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行う。
【0082】
基地局は、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、前記検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行い、該PRACH信号を送信したUEは、該メッセージをセンシングすると、プロトコルのフローに従って後のアクセスフローを続行し、すなわち、基地局は、正常通信のために、該UEに上り帯域を割り当てる。
【0083】
ステップ208において、前記PRACH信号が干渉信号であると確定し、検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告する。
【0084】
基地局は、前記PRACH信号が干渉信号であると確定し、検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告し、サーバによって誤検出の検出結果を統計することで、基地局システムのPRACH信号の干渉レベルを反映する。
【0085】
本開示の実施例に係る干渉による誤検出を識別する検出方法は、基地局が物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および予め設定された信号対雑音比SNR閾値を設定することにより、前記第1マザーコードセットをUEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信し、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であるか否かを判断し、無効なPRACH信号であれば、現在の処理フローを終了し、次の処理タスクを開始し、有効なPRACH信号であれば、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークの信号対雑音比SNRを取得する。前記PRACH信号のピークSNRが予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、SNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行い、SNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が干渉信号であると確定し、検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告する。関連技術と比べ、本開示は、配置されていないマザーコードおよび受信されたPRACH信号を検出することにより、誤検出であるか否かを判断し、ランダムアクセスプリアンブル系列の間の関連性が低く、干渉と複数のランダムアクセスプリアンブル系列との関連性が高いという方式によって干渉による誤検出を識別し、PRACH信号のピークSNRの検出閾値を上げる必要がなく、干渉による誤検出をある程度抑制でき、UEのアクセスの成功率を効果的に向上させ、上り帯域の無駄遣いを回避し、システム容量を節約することができる。
【0086】
上記実施例の基に、シーンでの適用を例として説明する。
【0087】
シーン1
Aサイトに第1マザーコードセット{436,437,438}、第2マザーコードセット{14,22,210,548,627}を設定し、予め設定された閾値が−13dbである。
【0088】
図5は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図1であり、該サイトで、周波数領域から干渉信号による誤検出が観察可能なPRACH信号を収集し、図5のPRACH信号誤検出データの周波数領域アンテナデータ図に示すように、横座標は周波数領域信号のサンプリング点であり、縦座標は電力db値である。
【0089】
図6は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図2であり、該Aサイトで、基地局は、事前に設定された第1マザーコードマザーコードセット{436,437,438}を用いてPRACH信号と関連検出を行い、PRACH信号が2つのピークを有することが得られ、ここで、一方のピークSNR=−13.5dbであり、他方のピークSNR=−17dbである。図6のピーク図に示すように、横座標はピーク系列点であり、縦座標は電力線形値である。
【0090】
図7aは、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図3であり、図7bは、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図4であり、図7cは、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン1のデータ図5である。
【0091】
該Aサイトで、基地局は、事前に設定された第2マザーコードセット{14,22,210,548,627}を用いて該PRACH信号と関連検出を行い、該PRACH信号のピークSNRを計算し、最終的に、第2マザーコードセットにおけるマザーコード22、210、548がいずれも該PRACH信号の2つのピークSNRを検出でき、この2つのピークSNRが−17db程度であることが得られる。図7aの干渉信号を有するPRACH信号およびマザーコード22のピークの結果の図、図7bの干渉信号を有するPRACH信号およびマザーコード210のピークの結果の図、図7cの干渉信号を有するPRACH信号およびマザーコード548のピークの結果の図に示すように、横座標はピーク系列点であり、縦座標は電力線形値である。
【0092】
最終的には、基地局の第1マザーコードセットによって検出されたPRACH信号のピークが、第2マザーコードセットによっても検出でき、且つ、検出されたピークSNRが予め設定された閾値−13dbを超えないため、基地局は、検出された2つのピークがいずれも誤検出であると判断できる。
【0093】
シーン2
Bサイトに第1マザーコードセット{436,437,438}、第2マザーコードセット{14,22,30,548,627}を設定し、予め設定された閾値が−13dbである。
【0094】
図8は、本開示の干渉による誤検出を識別する検出方法のシーン2のデータ図であり、Bサイトで、ピークが検出可能なPRACH信号を収集し、図8のPRACH信号がピークを検出した結果の図に示すように、横座標はピーク系列点であり、縦座標は電力線形値であり、該フレームデータは2つのプリアンブル(Preamble)を検出し、該Bサイトで、基地局は、事前に設定された第1マザーコードマザーコードセット{436,437,438}を用いてこの2つのプリアンブルと関連検出を行い、この2つのプリアンブルのSNRがそれぞれ−17dbおよび−8.25dbであることが得られる。
【0095】
その後、該Bサイトで、基地局は、事前に設定された第2マザーコードセット{14,22,30,548,627}を用いて該フレームデータと関連検出を行い、最終的に、該フレームデータのPRACH信号のピークが検出できないため、基地局は、検出された2つのプリアンブルが干渉による誤検出ではないと判定できる。
【0096】
図9は、本開示の装置の実施例の構造模式図であり、図9に示すように、本開示の実施例に係る装置09は、設定モジュール91と、送受信モジュール92と、検出モジュール93と、確定モジュール94とを備える。
【0097】
前記設定モジュール91は、物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および信号対雑音比SNR閾値を設定するように構成される。
【0098】
前記送受信モジュール92は、前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信するように構成される。
【0099】
前記検出モジュール93は、前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得するように構成される。
【0100】
前記確定モジュール94は、前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定するように構成される。
【0101】
前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含んでもよく、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含んでもよく、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。
【0102】
前記確定モジュール94は、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定するように構成されてもよい。
【0103】
前記送受信モジュール92は、更に、検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告するように構成されてもよい。
【0104】
前記送受信モジュール92は、更に、検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行うように構成されてもよい。
【0105】
前記装置は判断モジュール95を更に備えてもよい。
【0106】
前記判断モジュール95は、前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得し、前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定するように構成される。
【0107】
前記判断モジュール95は、更に、前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得し、前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出するように構成されてもよい。
【0108】
前記設定モジュール91は、K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定し、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得するように構成されてもよい。
Kは3以上の正整数である。
【0109】
前記設定モジュールは、予め設定された時間帯内で前記PRACHのマザーコード系列に基づいて第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定するように構成されてもよい。
【0110】
本実施例の装置は、上記に示す方法の実施例の技術案を実行するように構成されてもよく、その実現形態および技術的効果は類似し、ここでは説明を省略する。
【0111】
実際の応用において、前記設定モジュール91、送受信モジュール92、検出モジュール93、確定モジュール94、判断モジュール95は、いずれも装置09内に位置する中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、マイクロプロセッサ(Micro Processor Unit、MPU)、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processor、DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)等によって実現され得る。
【0112】
図10は、本開示の基地局の実施例の構造模式図であり、図10に示すように、本開示の実施例に係る基地局010は、インターフェース101と、バス102と、メモリ103と、プロセッサ104とを備え、前記インターフェース101、メモリ103および前記プロセッサ104は、前記バス102を介して接続され、前記メモリ103は命令を記憶するように構成され、前記プロセッサ104は、前記命令を読み取ることにより、
物理ランダムアクセスチャネルPRACHに第1マザーコードセット、第2マザーコードセット、および信号対雑音比SNR閾値を設定し、
前記第1マザーコードセットをユーザ機器UEに送信し、前記UEから送信されたPRACH信号を受信し、
前記第1マザーコードセットに基づいて前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定した場合、前記PRACH信号および前記第2マザーコードセットを検出し、予め設定されたピーク閾値よりも大きい値に対応するPRACH信号のピークSNRを取得し、
前記PRACH信号のピークSNRおよび前記予め設定されたSNR閾値に基づき、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であるか否かを確定する。
【0113】
前記第1マザーコードセットは、マザーコード系列におけるN個のマザーコードを含んでもよく、前記第2マザーコードセットは、前記マザーコード系列における、前記N個のマザーコード以外の他のM個のマザーコードを含んでもよく、前記NはMよりも小さく、前記N、Mは自然数である。
【0114】
前記プロセッサ104は、前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であるか否かを判断し、前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値以上であれば、前記PRACH信号が正常信号であると確定し、
前記PRACH信号のピークSNRが前記予め設定されたSNR閾値よりも小さければ、前記PRACH信号が誤検出を引き起こす干渉信号であると確定する。
【0115】
前記プロセッサ104は、更に前記命令を読み取ることにより、
検出結果が誤検出であると確定し、前記誤検出の検出結果をサーバに報告する。
【0116】
前記プロセッサ104は、更に前記命令を読み取ることにより、
検出結果が非誤検出であると確定し、前記非誤検出の検出結果をメッセージにパッケージし、下りチャネルを介してブロードキャスト送信を行う。
【0117】
前記プロセッサ104は、前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号と前記第1マザーコードセットとの関連検出を行い、第1時間領域関連値系列を取得し、
前記第1時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第1時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記PRACH信号が有効なPRACH信号であると確定する。
【0118】
前記プロセッサ104は、更に前記命令を読み取ることにより、
前記PRACH信号と前記第2マザーコードセットとの関連検出を行い、第2時間領域関連値系列を取得し、
前記第2時間領域関連値系列における各関連値を、それぞれ前記予め設定されたピーク閾値と比較し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在するか否かを判断し、前記第2時間領域関連値系列に前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値が存在すれば、前記予め設定されたピーク閾値よりも大きい関連値に対応するPRACH信号のピークSNRを算出する。
【0119】
前記プロセッサ104は、前記命令を読み取ることにより、
K個のセルを同一周波数でネットワーク構築した条件で、前記PRACHのマザーコード系列に基づき、重複したマザーコードが含まれていない前記K個のセルの第1マザーコードセットを設定し、
現在のセルに隣接するK−1個のセルの第1マザーコードセットの集合に基づき、前記現在のセルに対応する第2マザーコードセットを取得し、
Kは3以上の正整数である。
【0120】
前記プロセッサ104は、前記命令を読み取ることにより、
予め設定された時間帯内で前記PRACHに第1マザーコードセットおよび第2マザーコードセットをランダムに設定する。
【0121】
本実施例の干渉信号の検出基地局は、上記に示す方法の実施例の技術案を実行するように構成されてもよく、その実現形態および技術的効果は類似し、ここでは説明を省略する。
【0122】
また、本開示の実施例は、プロセッサによって実行されると、装置に適用される上記干渉による誤検出を識別する検出方法を実現するコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【0123】
本開示の実施例は、プロセッサによって実行されると、基地局に適用される上記干渉による誤検出を識別する検出方法を実現するコンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【0124】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、一時的コンピュータ可読記憶媒体であってもよく、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0125】
当業者であれば、本開示の実施例は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることが理解されるべきである。そのため、本開示は、ハードウェア実施例、ソフトウェア実施例、またはソフトウェアおよびハードウェアを組み合わせた実施例の形式を採用することができる。更に、本開示は、1つまたは複数のその中にコンピュータ使用可能プログラムコードが含まれるコンピュータ使用可能記憶媒体(磁気ディスクメモリおよび光学的メモリ等を含んでもよいが、それらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用してもよい。
【0126】
本開示は、本開示の実施例による方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明したものである。コンピュータプログラム命令によってフローチャートおよび/またはブロック図における各フローおよび/またはブロック、およびフローチャートおよび/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの組み合わせを実現できることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、嵌め込み式プロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して1つのマシンを発生することができ、これにより、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1つのフローまたは複数のフロー、および/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックにおいて指定された機構を実現するための装置を発生する。
【0127】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方式で動作するように導き可能なコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、これにより、該コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートの1つのフローまたは複数のフロー、および/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックにおいて指定された機能を実現する指令装置を含む製造品を発生する。
【0128】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよく、コンピュータまたは他のプログラマブルデバイスで一連の操作ステップを実行することでコンピュータによって実現される処理を生成し、それにより、コンピュータまたは他のプログラマブルデバイスで実行される命令は、フローチャートの1つのフローまたは複数のフロー、および/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0129】
上述は、本開示の実施例に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではない。
【0130】
本発明において、「備える」、「含む」という用語、または任意の他の変形は、非排他的な包含を含むことを意図し、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も更に含み、あるいは、このようなプロセス、方法、物品または装置に固有される要素も含む。これ以上の限定がない限り、「1つの……を含む」という語句によって限定された要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品または装置に他の同じ要素が存在することを除外しない。
【0131】
上記本開示の実施例の番号は説明するためのものに過ぎず、実施例の優劣を表さない。
【0132】
以上の実施形態の説明により、当業者は、上記実施例の方法が、ソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを追加する方式で実現でき、もちろん、ハードウェアによっても実現できることを明らかに理解できる。このような理解に基づき、本開示の技術案は、本質的に、または関連技術に貢献する部分が、ソフトウェア製品の形式で具現化でき、該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、1台の端末装置(携帯電話、コンピュータ、サーバ、空調機、またはネットワーク装置等)が本開示の各実施例に記載の方法を実行するための複数の命令を含む。
【0133】
以上は本開示の実施例に過ぎず、本開示の特許範囲を制限するものではなく、本開示の明細書および図面の内容を用いてなる等価な構造または等価なフローの変換、あるいは他の関連する技術分野における直接的または間接的な使用は、いずれも同様に本開示の特許の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本出願に係る干渉による誤検出を識別する検出方法、装置および基地局は、PRACH検出の閾値を上げる必要がなく、干渉による誤検出をある程度抑制でき、誤検出を低減するとともに、ユーザのアクセス成功率を低減しないことを確保する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10