特許第6790280号(P6790280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790280
(24)【登録日】2020年11月6日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】目立たない使い捨て吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20201116BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20201116BHJP
   A61F 13/537 20060101ALI20201116BHJP
   A61F 13/534 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   A61F13/15 100
   A61F13/53 300
   A61F13/537 200
   A61F13/534 110
【請求項の数】15
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2019-539743(P2019-539743)
(86)(22)【出願日】2017年10月11日
(65)【公表番号】特表2019-529058(P2019-529058A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】US2017056043
(87)【国際公開番号】WO2018071473
(87)【国際公開日】20180419
【審査請求日】2019年4月3日
(31)【優先権主張番号】62/406,716
(32)【優先日】2016年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、リベフ、ハーディー
(72)【発明者】
【氏名】ロンダ、リン、グラスマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード、ポール、カーリン
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02594238(EP,A2)
【文献】 米国特許第05853402(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0163500(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02901992(EP,A1)
【文献】 国際公開第2011/056205(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/180937(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
a.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、
b.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、
c.その長さに沿って前端部分、中央部分、及び後端部分を有する吸収性コアであって、前記一次トップシートの衣類に面する表面と前記バックシートの身体に面する表面との間に配設されている、吸収性コアと、を備え、
前記物品が、
本明細書に開示の物品長さ方法に従って前記物品を測定した場合に、約250mm〜約329mmの物品長さと、
本明細書に開示のバルーン加圧での捕捉速度方法に従って捕捉時間を測定した場合に、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、
本明細書に開示のパッド厚さ方法に従って乾燥パッド厚を測定した場合に、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、
本明細書に開示のバンチ圧縮方法に従って回復エネルギーを測定した場合に、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈
前記コアが、a)第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を含む第1の積層体と、b)第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、前記第1の分散層が、前記第2の分散層又は前記第2の超吸収性層に接合されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記物品が、前記バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約10秒未満の捕捉時間を呈する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記物品が、前記バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約9秒未満の捕捉時間を呈する、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記物品が、前記バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約8.5秒未満の捕捉時間を呈する、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記物品が、前記パッド厚さ方法に従って、約4.6mm〜約8.5mmの乾燥パッド厚を呈する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記物品が、前記バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.5mJ〜約9mJの回復エネルギーを呈する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記物品が、前記バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.8mJ〜約8mJの回復エネルギーを呈する、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記コアの前記中央部分が、前記第1及び第2の積層体の重なった接合部から形成されるように、前記第1の分散層が、前記コアの長さに沿って、前記第2の分散層に重なって接合されている、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記前端部分及び前記後端部分が、前記コアの前記中央部分の対向する端部にそれぞれ配設されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記第1及び第2の超吸収性層が、互いに異なる横断方向の幅を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記第1の超吸収性層が、前記第2の超吸収性層よりも狭い横断方向の幅を有する、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記第1及び第2の超吸収性層の各々が、それぞれ隣接する第1又は第2の分散層の横断方向の幅の50%を超えて広がっている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記第1又は第2の超吸収性層が、エアフェルトを含まない、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項14】
超吸収性ポリマーが分離して成形された領域のパターンで前記第1の分散層上に適用され、複数の超吸収性ポリマーの領域と複数の超吸収性ポリマーを含まない領域を有する不連続なパターンで、前記第1の超吸収性層が、前記第1の分散層上に配設されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記第1及び第2の積層体が、それぞれ、同じ積層体の対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体からの滲出物を収容し封入するのに好適な、目立たない使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の使い捨て吸収性物品は、身体からの滲出物を取り扱う又は管理する消費者に信頼されている。これらの消費者には、乳幼児、幼児、子供、青少年、成人、及び高齢者が挙げられ得る。したがって、かかる物品によって管理される流体又は身体からの滲出物の種類は様々であり得、尿、便、経血、及びその他の排泄物が同様に含まれることは明らかである。典型的には、物品は、成人の場合では生理用ナプキン、成人用失禁パッド、及び成人用失禁おむつ、又は下着の形態をとる。これらの製品の着用者にとって望ましい主な促進要素のうちの1つは、失禁を経験したときに、かかる出来事が他人に、より理想的には着用者にさえも気付かれずに起こる確実性を与えることである。
【0003】
製造者によって広く利用されている使い捨て吸収性物品の性能及び全体的な目立ちにくさを改善する1つの方法は、増加量の液体を取り込み、続いて膨潤したハイドロゲル材料を形成することができる超吸収性ポリマーを含むことである。生じたハイドロゲルは、排泄された体液などの流体を構造体内に保持するように機能する。微粒子形態にあるハイドロゲル形成材料が繊維性ウェブに組み込まれているこの種類の吸収性構造体は、Weisman and Goldman;米国特許第4,610,678号;1986年9月9日発行に開示されている。
【0004】
これらの超吸収性材料を含む使い捨て吸収性物品は、高吸収性であり、かつ嵩が小さい傾向があるが、これらの製品に対して未だ多くの要望がある、比較的高いボディマス指数(BMI)(即ち、約25以上)を有するこれらの製品のユーザが多く存在する。特に、これらのユーザは、着用中に吸収性物品の過剰なバンチングを経験する傾向があり、その結果、漏れの発生する機会が増加し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,610,678号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに、比較的高いBMIを有する消費者に、使用中に着用者にとっての目立ちにくさのレベルを維持しながら、漏れに対する増大した防止を消費者に提供することを目的とした、使い捨て吸収性物品が必要とされている。またかかる物品の設計者は、吸収する全体的な体積が比較的軽い場合であっても同様に、これらの消費者の知覚する吸収性に対するニーズも考慮する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った使い捨て吸収性物品は、比較的少量から比較的大量の流体の排泄を経験するユーザに対して、漏れ防止を提供するのにより好適である。一実施形態では、吸収性物品は、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、その長さに沿って前端部分、中央部分、及び後端部分を有する吸収性コアであって、当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている、吸収性コアと、を備え、物品が、物品長さ方法(Article Length Method)に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する。
【0008】
第2の実施形態は、吸収性物品であって、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、当該コアが、対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する第1の積層体を備え、第1の積層体が、第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を備え、物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品に関する。
【0009】
第3の実施形態は更に、吸収性物品であって、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、当該コアが、1)第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を含む第1の積層体と、2)第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、当該第1の分散層が、吸収性物品の長さに沿って当該第2の分散層に接合され、第1又は第2の積層体の一方、他方よりも大きな横断方向の幅を有し、物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品に関する。
【0010】
第4の実施形態は、吸収性物品であって、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、当該コアが、第1の分散層上に不連続に配設された第1の超吸収性層を含む第1の積層体と、第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、当該第1の分散層が、当該第2の分散層と接合され、物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書は、本発明を構成するとみなされる主題を具体的に指摘しかつ明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連してなされた以下の記載からよりよく理解されるものと考えられ、添付の図面における参照符号は、実質的に同一の要素を示すために用いられている。
図1】失禁パッドである本発明の使い捨て吸収性物品の例示的な実施形態を示す平面図である。
図2】2−2に沿って取った、図1に示す失禁パッドの断面図である。
図3】一次トップシートが取り外されている図1のパッドの平面図である。
図4】3−3に沿って取った、図3のパッドの吸収性コアの断面図である。
図5】2−2に沿って取った、図3のパッドの代替的な吸収性コアの断面図である。
図6】本明細書に記載のSABAP方法に有用な、SABAP装置の透視図である。
図7図6のSABAP装置の付着アセンブリの側面図、及びトッププレートアセンブリの底面図である。
図8】本発明のバンチ圧縮方法で使用するための装置又は引張試験機の側面図である。
図9a】試料を最初に設置した際の、図8の引張試験機の側面図である。
図9b】試料が圧縮された際の、図9の引張試験機の側面図である。
図10a】応力対試験されるサンプルの変位が、本明細書に詳細に示されるバンチ圧縮方法に準拠して示されている、バンチ圧縮曲線の例示的なグラフである。
図10b】本明細書に詳細に示されるバンチ圧縮方法に準拠した圧縮エネルギーを計算するために有用な曲線下の領域の、例示的なグラフのバンチ圧縮曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の使い捨て吸収性物品、特に失禁パッド又はパンツは、可撓性を提供して、使用中にバンチングを受けにくい、改善され快適なフィット感を可能にすることができる。特に、本発明の物品は、提案される構成及び中に収容される層の配向によって、高められた構造的な弾力性を呈することが想定される。本開示の目的のために、失禁パッド、使い捨て吸収性物品、又は吸収性物品についての参照を使用するであろう。しかしながら、本発明は、これらに限定されないが、生理用ナプキン、パンティライナ、生理用パッド、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁パッドなどを含む複数の吸収性物品に適用され得る。
【0013】
失禁パッドのような使い捨て吸収性物品を設計するとき、特にフィット感及び性能の改善が望まれる場合、考慮するべきいくつかの要素がある。第1に、パッドの剛性は重要な要素である。一般的に、より薄いパッドは、より嵩高な相対物よりも低い剛性をもたらす。より嵩高なパッドは、着用中に典型的である圧縮に屈する可能性が低い場合があるが、より嵩高なパッドは、使用中に失禁パッドの目立ちにくさの喪失を引き起し得るので、あまり望ましくない。更に、吸収性コアのある程度の可撓性は、使用中に失禁パッドをユーザの身体の輪郭により容易に適合させることを可能にすることができる。第2に、パッドの吸収性は、パッドが消費者にとって有用であるかどうかを決定する際に重要である。パッドは、滲出物の小さな又は大きな負荷のいずれをも収容するのによく適していることが理想的である。この収容とは、いずれの種類の負荷をも十分に貯蔵するのみならず、負荷を放出後にユーザが湿り気を感じる経験が殆どない〜全くないように、パッドの身体と接触する表面からのかかる負荷を効果的にかつ迅速に吸い取ることをも意味する。小さな負荷の場合、パッドを直ちに交換することは実行可能ではないか又は望ましくない場合があるので、パッドは、放出後のある程度の時間継続して着用者が着用できるべきである。
【0014】
過去に、失禁パッドの設計は、これらの要素に対して少々妥協を必要とされてきた。対称的に、失禁を含むがこれに限定されない、本発明に準拠して設計された吸収性物品は、これらの要素を考慮して、特にボディマス指数(BMI)が平均よりも高いこれらの着用者にとって、漏れに対する改善された防止を呈する吸収性物品に到達した。即ち、本発明の失禁パッドは、良好なコア可撓性、優れた吸い取り、分散、及び全体的な吸収性を提供し、ある特定の実施形態では、使用時に起立し、適切な位置で着用者に接触し、構造の一部として含まれるバリアカフを含み、パッドからの漏れの可能性を更に防止し得る。
【0015】
図1は、本発明の吸収性物品、又はより詳細には失禁パッド又は生理用ナプキン10(本明細書では主に「失禁パッド」と称される)は、長手方向軸80及び横方向軸90で構成され得る。長手方向軸80は、一般に、失禁パッド10の最長寸法に対して平行に延在する。横方向軸90は、長手方向軸80に対して概ね垂直に延在し、平面上に平らに広げられた状態の失禁パッド10と同じ平面にある。横方向軸90は、長さが長手方向軸80に対して平行である失禁パッド10の長さを二等分し、長手方向軸80は、幅が横方向軸90と平行である失禁パッド10の幅を二等分する。加えて、示されるように、MD方向は、失禁パッド10の長手方向軸80に対して概ね平行であり得、CD方向は、横方向軸90に対して概ね平行であり得る。
【0016】
失禁パッド10は、概ね細長い楕円形状を備える。しかしながら、任意の好適な形状が用いられてもよい。いくつかの例としては、砂時計(ピーナッツ形)、オフセットした砂時計(一方の端部が反対側の端部よりも幅広であり、端部間の中間区画が狭い)などが挙げられる。失禁パッド10は、長手方向軸80を中心に対称、又は長手方向軸80を中心に非対称であり得る。同様に、失禁パッド10は、横方向軸90を中心に対称、又は横方向軸90を中心に非対称であり得る。
【0017】
失禁パッド10は、長手方向軸80に対して概ね平行に延在する複数の側縁部22及び24を備えるシャーシ20を更に備え得る。一対の端縁部26及び28は、側縁部22及び24のそれぞれと接合する。一方の端縁部26は、失禁パッド10の第1の端部区域40で側縁部22及び24に接合し、他方の端縁部28は、失禁パッド10の第2の端部区域48で側縁部22及び24に接合し、第2の端部区域48は、第1の端部区域40と対向している。中間区域44は、第1の端部区域40と第2の端部区域48との間に配設される。
【0018】
図1のシャーシ20を、図2において断面で示す。とりわけ、シャーシ20は、一次トップシート203を備える。この一次トップシートは、身体に面する表面203A及び衣類に面する表面203Bを有する。パッド10のこのシャーシ20は、それ自身もまた、身体に面する表面207A、及び対向する衣類に面する表面207Bを備えるバックシート207を更に備える。これら2つの構成要素は、吸収性コア205を挟んでいる。換言すれば、吸収性コア205は、トップシート203とバックシート207との間に配設されている。3つ全ての構成要素(即ち、トップシート203、バックシート207、及び吸収性コア205)は、パッド10のシャーシ20を形成する。追加の層は、シャーシ20内に、特にトップシート203とバックシート207との間に非常に良好に含まれることができるが、これらの層が、吸収性コアとは別個で、それから離間していることに特に注目すべきである。好適な追加の層としては、二次トッププレート、捕捉層、後述されるであろうものの上の追加の分散層、及び他の有用な層が挙げられ得る。二次トップシートの場合、この追加の層は、一次トップシート203の直下及びコアの身体に面する表面上に配設される。ある特定の実施形態では、二次トップシート(「STS」としても知られる)は、吸収性コア205よりも大きい長さ及び幅を有する。
【0019】
シャーシ20は、着用者に面する表面20A及び衣類に面する表面20Bを更に含む。着用者に面する表面20Aはトップシート203を含み得、衣類に面する表面20Bはバックシートを含み得る。
【0020】
吸収性コア205は、多数の層から形成されており、体液又は滲出物を迅速に捕捉し、コアの長さに沿ってそれらを分散するように方向付けられている。図3は、バックシート207上に位置付けられた吸収性コア205を示すために一次トップシート203を取り外したパッド10の平面図を示している、本発明の吸収性コアを示す。図4は、この吸収性コア205の断面をより詳細に示している。吸収性コア205は、第1の分散層62上に配設された第1の超吸収性層61を含む第1の積層体60を備える。第1の積層体60は、上面60A、及び上面に対向する下面60Bを有する。加えて、第1の積層体60は、第1の端部66、及び第1の端部66に対向する第2の端部67を有する。吸収性コア205は、第2の分散層72上に配設された第2の超吸収性層71を含む第2の積層体70を更に含む。この第2の積層体70はまた、上面70A及び下面70B、第1の端部76及び対向する同様の第2の端部77を有する。図3及び4の実施形態では、第1の分散層62は、コアの長さに沿ってオフセットした様式又は構成で、第2の分散層72に接合されている。本明細書で使用される場合、「オフセット」又は「オフセットした様式」とは、層又は積層体が互いに重なり合うとき、対象の層又は積層体が互い違いに配置されていること、及びそれらのそれぞれの第1の端部又は第2の端部がz方向に揃っていない(即ち、1つの層又は積層体の第1の端部が、隣接する下にある又は上に重なる層又は積層体の第2の端部と境界を共有しない)ことを意味する。第1及び第2の分散層62、72のこのオフセットした接合部は、吸収性コア205の中央部分205Cを形成する2つの積層体の重なった領域及び接合した領域を生じる。コアの中央部分205Cは、結果的に、両方のコアの前端部分及び後端部分205Rによって各側面上の境界を有する。換言すれば、前端部分205F及び後端部分205Rは、コア205の対向する端部にそれぞれ配設されている。前端部分205Fは、第1の積層体60の第1の端部66又は第2の端部67から形成される一方で、コア205の後端部分205Fは、第2の積層体70の第1の端部76又は第2の端部77によって形成される。図3の実施形態では、第1及び第2の積層体の第1の端部66、76は、互いに対向し、それぞれ吸収性コア205の前端部分205F及び後端部分205Rを形成する。代替的実施形態では、第1及び第2の積層体の第2の端部67、77は、互いに対向し、それぞれ吸収性コア205の前端部分205F及び後端部分205Rを形成し得る。両方の場合において、第1の端部66、76は、第1及び第2の積層体の入れ子式の切り欠き部から導出された雄型接続の形態である。同様に、第2の端部67、77はそれぞれ、第1及び第2の積層体の入れ子式の切り欠き部から導出された雌型接続の形態である。
【0021】
代替的実施形態では、第1の積層体60及び第2の積層体70は、第2の分散層の代わりに超吸収性層71に接合され得る。この場合、積層体は、第1の分散層62が、第2の分散層の代わりに第2の超吸収性層71に接合されることを除いて、同様にオフセットした様式で互いに対して接合される。
【0022】
一実施形態では、コア205の中央部分205Cを形成する重なった領域又は区域は、吸収性コア205の前端部分205F及び後端部分205Fよりも大きな容量、大きな空隙体積、又は大きな厚さのうちの少なくとも1つの特徴を有する。この実施形態は、かかるパッドの女性ユーザが、典型的にパッドに接触し流体を放出するであろう中央部分における高められた漏れ防止を提供するために特に有用である。
【0023】
出願人は、彼らが求める目立ちにくさ及び漏れ防止の利点を消費者に提供するために望ましいと見出されている、物品の特徴に対するより詳細な洞察をここに提供する。
【0024】
物品長さ
本明細書に記載の要素部分の上に、物品全体は、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さを呈する。ある特定の実施形態では、物品長さは、250mm、255mm、260mm、及び265mmを超え、かつ329mm、325mm、315mm、305mm、295mm、285mm、及び275mm未満である。一実施形態では、物品長さは、約270mmである。使い捨て吸収性物品の長さは、種々の理由のために重要である。まず、物品は、使用中に物品が経験する可能性のある、意図された侵襲領域を覆うのに十分な長さであるべきである。これは、製品が日中着用され、トイレ設備へのアクセスがより容易であるために、消費者が、物品を着用する時間の間に取り除かれる流体が比較的最小限であることを予想する限り、より短いパッドで十分であり得ることを意味する。加えて、着用者の身体が着座又は起立位置にあり、侵襲領域が、流体排除領域、即ち生殖器に対してほぼ直角であるときもまた、日中は、より短いパッドがより好適であり得る。トイレ設備へのアクセス性の悪さ、運動機能の低下又は膀胱制御の衰弱に起因する排尿事象制御不能の高まりなどの理由のため、着用者の吸収性に対する必要性が増加するので、パッド長を増やして、より多くの吸収性材料の組み込み及び排出される流体が保持され得る被覆領域の増大を可能にすることが望ましいと考えられる。加えて、夜間又は着用者がベッドにいる間に着用される使い捨て吸収性物品は、最も長いパッド長のものである傾向がある。これは典型的には、着用者が、就寝時又は就床時に、トイレ設備に適時にアクセスするのに必要とされるほど迅速に反応することができない場合である。更に、着用者が就床している際に液体が排出されると、流体にかかる引力に起因して、通常、着用者が仰向けに就床している場合に臀部領域まで、又は着用者が俯せに就床している場合には鼠径部まで性器領域表面に沿って、排出された流体がパッドの長さに沿って這い伝う傾向がある。物品長が、典型的にはパッドの種類の製品に相当するとみなされ得るが、かかるパッドが、下着の代わりに着用され得るパンツ製品に非常に良好に一体化されることができることが本明細書では想定されることに留意するべきである。
【0025】
捕捉時間
本発明の使い捨て吸収性物品の別の重要な特性は、排出された流体を吸収する速度である。比較的高いBMIの消費者のニーズに応えるために、消費者が失禁製品又は同様の製品を着用したときに、消費者の吸収性要件を満たしていることを消費者が実感することが重要である。現実的には、多くの市販の失禁製品は、製品が曝される流体を吸収することが可能であると考えられる。しかしながら、消費者は、製品が迅速に流体を吸収し、最小限の嵩で吸収するという信頼感を求めている。本発明の物品は、この懸念を考慮したものである。したがって、バルーン加圧での捕捉速度試験に準拠して、本物品は、20mLの負荷に対する約11秒未満、10秒未満、9秒未満、又は更には8.5秒未満の捕捉時間を呈する。この試験方法は、むしろ実質的に噴出する流体を吸収する製品の能力を特徴付けることに焦点を当てている。本発明の物品は、許容可能な製品の厚さ(又は更には薄さ)との許容可能な流体捕捉速度のバランス、更には圧縮力に曝されたときの回復能力を提供することに焦点を当てている。
【0026】
乾燥パッド厚
上述の特性と併せて、本発明の物品はまた、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚を呈する。望ましい捕捉時間に関連して上述のように、消費者が製品の吸収性能に自信をもって消費者の使い捨て吸収性製品を着用することができることが、消費者にとって重要である。消費者にとって吸収性とほぼ同様に肝要なことは、物品が目立たないという概念である。これは、消費者が、他人には気付かれずに、かつ着用する必要があるために物品を着用していると、消費者自身に定期的に思い起こさせることなく、物品を着用したいということを意味する。この見地より、物品は、可能な限り薄いものであることが望ましい。したがって、本発明の物品は、約5mm、5.5mm、又は6mmを超え、かつ約9mm、8.5mm、8mm、7.5mm、7mm、又は6.5mm未満の乾燥パッド厚を呈する。
【0027】
回復エネルギー
物理的な特性の観点から、本発明の物品はまた、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの特定の回復エネルギーを呈する。失禁製品の着用者の主な懸念のうちの1つは、着用中に着用者の失禁製品が股領域に寄り集まるときに生じる防止の欠如を認識することである。これは、着用者が比較的高いBMIを有する場合に、着用者の腿の一点に集まる圧力に起因して高いバンチングが製品に施される可能性があり得るため、特に広く認められている。この懸念に取り組むため、本発明は、吸収性及び目立ちにくさに対する要件に取り組むのみならず、圧縮の結果であるバンチングを阻止する必要性にも等しく取り組む使い捨て物品を送達することに焦点を当てている。流体の重量に起因して着用者の身体から物品がたわみ、変形するときに典型的である、流体によって物品が侵襲されると、着用中のバンチングの阻止は、更により肝要である。このバンチングの阻止は、同じ物品又は製品に発生する、流体の侵襲及び噴出の回数にのみ伴い肝要性が増加する傾向がある。したがって、本発明の場合に想定されているように、物品が、バンチングの阻止を十分に呈して、多数の噴出する流体を収容し、流体が身体から出る生殖器領域への十分な密着又は接触を維持することが望ましい。これにより、漏れの可能性を最小限にし、最終的に物品着用者の信頼度を高めることにつながることを確実にする。このバンチングの阻止は、回復エネルギーとして特徴付けられ、バンチ圧縮方法に詳細に示されている10mLの流体の侵襲物と共に測定される。ある特定の実施形態では、このバンチ圧縮方法に従った、10mLの負荷における回復エネルギーは、約6.4mJ、6.6mJ、6.8mJ、又は6.9mJを超え、かつ9.5mJ、9mJ、8.5mJ、8mJ、7.5mJ、7.3mJ、又は7.2mJ未満である。
【0028】
これらの特性を可能にし、送達することが想定されるこれらの使い捨て吸収性物品の個々の構成要素は、以下に詳細に示される。
【0029】
一次トップシート
シャーシ20の一次トップシート203(本明細書では「トップシート」とも称される)は、吸収性コア205の身体に面する表面203Aに隣接して位置付けられ、当該技術分野において公知のものなどの取り付け方法(図示せず)によって、コアに及びバックシート207に接合され得る。好適な取り付け方法は、バックシート207を吸収性コア205に接合することに関連して記載されている。トップシート203及びバックシート207は、失禁パッド周囲で互いに対して直接接合されてもよく、吸収性コア205、又は物品の全体若しくは部分的な領域に広がる二次トップシードのようなシャーシ内の追加の任意選択的な層にそれらを直接接合することによって、互いに間接的に接合されてもよい。この間接接合又は直接接合は、従来技術分野で公知の取り付け方法によって達成され得る。
【0030】
吸収性物品は、着用者の皮膚に適合し、それに対して柔軟な感触であり、刺激がないものなど、任意の既知の、あるいは他の効果的な一次トップシートを備え得る。好適な一次トップシート材料としては、着用者の身体の方に向き、かつ着用者の身体に接触することで、流体がトップシートを通って着用者の皮膚に逆流することなく、身体の排泄物がトップシートを通って急速に浸透できる、液体透過性材料が挙げられる。一次トップシートは、それを通る流体を急速に移動させることが可能でありながら、ローション組成物が着用者の皮膚部分の外側部分上又は内側部分上へ移動又は移行するようにする。好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料、有孔成形熱可塑性フィルム、有孔プラスチックフィルム、及び交絡繊維有孔フィルムを含む有孔フィルム材料、ハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム;熱可塑性スクリム、又はこれらの組み合わせなどの種々の材料から製造することができる。
【0031】
トップシートとして使用するのに好適な有孔フィルム材料としては、身体滲出物に対して非吸収性及び透過性であり、トップシートを通る流体の逆流を最小にするか又は排除する有孔のプラスチックフィルムが挙げられる。有孔及び非有孔形成フィルムを含む他の好適な形成フィルムの非限定的な例は、1975年12月30日にThompsonに対して発行された米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にMullaneらに対して発行された米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にRadelらに対して発行された米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にAhrらに対して発行された米国特許第4,463,045号、1991年4月9日にBairdに対して発行された米国特許第5,006,394号、1986年9月2日にCurroらに対して発行された米国特許4,609,518号、及び1986年12月16日にCurroらに対して発行された米国特許第4,629,643号により詳細に記載されている。市販の形成フィルムのトップシートとしては、Procter&Gamble Company(Cincinnati,Ohio)によって商標名DRI−WEAVE(登録商標)として市販されているこれらのトップシート材料が挙げられる。
【0032】
トップシートとして使用するのに好適な織布及び不織布材料の非限定例としては、天然繊維、改質天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせから製造された繊維性材料が挙げられる。これらの繊維性材料は、親水性又は疎水性のどちらかであってよいが、トップシートは疎水性であるか又は疎水性にされることが好ましい。選択肢として、トップシートの部分は、親水性成分を含有するトップシートを作製するための任意既知の方法を使用することによって、親水性にされることができる。1つのそのような方法として、1990年8月21日にOsbornに対して発行された米国特許第4,950,264号(に記載されるような、不織布/有孔熱可塑性樹脂成形フィルムトップシートの有孔フィルム構成成分を界面活性剤を使用して処理する方法が挙げられる。界面活性剤を使用してトップシートを処理するプロセスを記載するその他の好適な方法は、1991年1月29日にいずれもReisingらに対して発行された米国特許第4,988,344号及び同第4,988,345号(、に記載されている。トップシートは、親水性繊維、疎水性繊維、又はこれらの組み合わせを有し得る。
【0033】
特に好適なトップシートは、Hercules,Inc(Wilmington,Del)によって市販されているHercules 151型ポリプロピレンなど、約1.5デニールを有するステープル長ポリプロピレン繊維を含む。本明細書で使用される場合、用語「ステープル長繊維」とは、少なくとも約15.9mm(0.62インチ)の長さを有する繊維のことを指す。
【0034】
一次トップシートが不織布ウェブの形態の不織布繊維性材料を含むとき、不織布ウェブは、不織布ウェブを作製する任意既知の手順によって製造され得、この非限定的な例としては、スパンボンディング、カーディング、ウェットレイド、エアレイド、メルトブロー、ニードルパンチング、機械的交絡、熱−機械的交絡、及び水流交絡が挙げられる。好適なメルトブロープロセスの特定の例は、1976年8月31日にBuntinらに対して発行された米国特許第3,978,185号に開示されている。不織布は、「Compression Resistant Nonwovens」という名称の米国特許第7,785,690号(2010年8月31日発行)に記載の圧縮抵抗性であってもよい。不織布ウェブは、「Looped Nonwoven Web」という名称の米国特許第7,838,099号(2010年11月23日発行)に記載のループを有してもよい。
【0035】
他の好適な不織布材料としては、低坪量不織布、即ち、約18g/m〜約25g/mの坪量を有する不織布が挙げられる。そのような不織布材料の例は、Walpole,MassachusettsにあるInternational Paper Companyの事業部であるVeratec,Incorporationから商標名P−8で市販されている。他の不織物は、米国特許第5,792,404号及び同第5,665,452号に記載されている。
【0036】
トップシートは、「Absorbent Article Having a Tufted Topsheetという名称の米国特許第8,728,049号(2014年5月20日発行)、「Tufted Fibrous Web」という名称の米国特許第7,553,532号(2009年6月30日発行)、「Tufted Laminate Web」という名称の米国特許第7,172,801号(2007年2月6日発行)、又は「Capped Tufted Laminate Web」という名称の米国特許第8,440,286号(2013年5月14日発行)に記載のタフトを含み得る。一次トップシートは、「Inverse Textured Web」という名称の米国特許第7,648,752号(2010年1月19日発行)に記載の逆テクスチャード加工されたウェブを有し得る。タフトもまた、「Tufted Laminate Web」という名称の米国特許第7,410,683号(2008年8月12日発行)に記載されている。
【0037】
一次トップシートは、「Method of Making a Polymeric Web Exhibiting A Soft and Silky Tactile Impression」という名称の米国特許第7,655,176号(2010年2月2日発行)、又は「Polymeric Web Exhibiting A Soft And Silky Tactile Impression」という名称の米国特許第7,402,723号(2008年7月22日発行)に記載の離散型の毛髪様フィブリルのパターンを有し得る。
【0038】
一次トップシートは、「Absorbent Article」という名称の米国特許第8,614,365号(2013年12月24日発行)に記載の1つ以上の構造的に変性されたゾーンを備え得る。一次トップシートは、「Sanitary Napkin for Clean Body Benefit」という名称の米国特許第8,704,036号(2014年4月22日発行)に記載の平面変形のうちの1つ以上を有し得る。一次トップシートは、「Topsheet For Absorbent Articles Exhibiting Improved Masking Properties」という名称の米国特許第6,025,535号(2000年2月15日発行)に記載のマスキング組成物を有し得る。
【0039】
別の好適な一次トップシート、又は二次トップシートと組み合わせられた一次トップシートは、「A Three−Dimensional Substrate Comprising a Tissue Layer」という名称の、Jill M.Orrの名で2016年3月11日に出願された米国特許仮出願第62/306,676号に詳細に示されている、三次元基材から形成され得る。この三次元基材は、第1の表面、第2の表面、ランドエリアを有し、また三次元基材の第2の表面から外側へ延在する三次元突出部も含み、この三次元突出部が、ランドエリアによって囲まれている。基材は、向かい合わせの関係にある少なくとも2つの層を含む積層体であり、第2の層は、三次元基材の第2の表面から外側を向いている組織層であり、組織層は、組織層の少なくとも80重量%のパルプ繊維を含む。
【0040】
一次トップシートは、1つ以上の層、例えばスパンボンド−メルトブロー−スパンボンド材料を有し得る。一次トップシートは、有孔でもよく、任意の好適な三次元的特徴を有してもよく、及び/又は複数のエンボス(例えば、結合パターン)を有してもよい。トップシートは、1997年5月13日にBensonらに対して発行された米国特許第5,628,097号に開示のように、材料をオーバーボンドし、次いでリングローリングを介して重ねた接着部を破裂させることによって有孔にしてもよい。シャーシ20(即ち、一次トップシート及び/又はバックシート)における追加の横方向伸張性は、種々の方式で提供され得る。例えば、一次トップシート又はバックシートのいずれかは、多くの既知の方法のいずれかによってプリーツ加工され得る。あるいは、シャーシの全て又は一部分(即ち、一次トップシート及び/又はバックシートも)は、Chappellらの名で1996年5月21日に発行された米国特許第5,518,801号に記載のもののような形成ウェブ材料又は形成されたウェブ材料の積層体で作製され得る。かかる形成ウェブ材料は、概ね長手方向で配向された隆起部及び谷部分が交互になったパターンを作り出すように、原材料がエンボス加工又は別の変形方法によって改変されている、独特な横方向に延在する区域を含む。形成ウェブ材料はまた、横方向に延在する改変区域の間に位置する、横方向に延在する非改変区域を含む。
【0041】
二次トップシート
先述のように、本開示の使い捨て吸収性物品は、追加の層を含み得、そのうちの1つは二次トップシートを含む。前述のように、二次トップシートは、吸収性コアとは別個で、それから離間していてもよい。加えて、二次トップシートは、一次トップシート203の直下及びコアの身体に面する表面上に配設される。いくつかの形態では、二次トップシートは、約40gsm〜約100gsm、約45gsm〜約75gsm、又は約50gsm〜約60gsm、具体的には、これらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を含む、坪量を有し得る。いくつかの形態では、二次トップシートは、均質な混合繊維を含み得る。
【0042】
他の形態では、二次トップシートは、異種の混合繊維を含み得る。例えば、典型的には、複数のカーディング機は、スパンレースプロセスを供給する。上述のように、カーディングに供給される繊維の種類は、均一にブレンドされ得る。またはは対照的に、カーディング機に提供される繊維の種類又は繊維の重量百分率は、異なり得る。カーディング機への繊維の種類及び/又は繊維の重量百分率が変化するかかる形態では、得られるスパンレース構造は、複数の異種の層構造(strata)を備え得、これは、−スパンレースプロセス後−互いに一体化される。
【0043】
二次トップシートが複数の異種の層構造を備えるこれらの形態については、二次トップシートの層構造の各々内の繊維を慎重に選択することで、捕捉勾配を達成することができる。例えば、第1の層構造−一次トップシートに最も近接している−は、一次トップシートから遠くに配設されている層構造に対向する吸収性繊維をより少ない量で含み得る。かかる形態では、第1の層構造は、約20重量パーセント〜約30重量パーセントの吸収性繊維を含み得る一方で、一次トップシートから最も遠くに配設された対向する層構造は、約35重量パーセントの吸収性繊維を含み得る。かかる形態では、補剛繊維の重量百分率は、層構造間で一定に保たれてもよく、又は吸収勾配に加えて二次トップシートの剛性勾配を作り出すように変化させてもよい。同様に、いくつかの形態では、弾力性繊維は、層構造間で一定に保たれてもよく、又は吸収勾配に加えて若しくは剛性勾配に加えて、二次トップシートの透過勾配を作り出すように変化させてもよい。本開示の二次トップシートが、2〜4つの層構造を備える形態が、企図される。
【0044】
二次トップシートに含まれ得るいくつかの例示的な繊維としては、吸収性繊維、補剛繊維、及び弾力性繊維が挙げられ得る。吸収性繊維、補剛繊維、及び/又は弾力性繊維のうちの少なくとも1つが、親水性コーティングを含む形態が企図される。好適な親水性コーティングは、当該技術分野において既知である。加えて、いくつかの形態では、二次トップシートの上の繊維のうちの1つ以上が、例えば約38mmのステープル長を備え得る。
【0045】
任意の好適な吸収性繊維が利用され得る。従来の吸収性繊維としては、綿\レーヨン、又は再生セルロースが挙げられる。いくつかの特定の形態では、二次トップシートは、ビスコースセルロース繊維を含み得る。二次トップシートとトップシートとの近接に起因して、吸収性繊維は、液体侵襲物をトップシートから二次トップシートの直下に配設された吸収性コアへと引くことを助けることができる。いくつかの形態では、二次トップシートは、約20重量パーセント〜約50重量パーセント、約21重量パーセント〜約40重量パーセント、約25重量パーセント〜約30重量パーセントを構成し得、具体的にはこれらの範囲内の任意の値及びそれによって作り出される任意の範囲を含む。1つの特定の形態では、二次トップシートは、約25重量パーセントの吸収性繊維を含み得る。
【0046】
より高い重量百分率の吸収性繊維は、より粘性の、例えば経血流体である流体侵襲物に対して有益であり得ることに、注目すべきである。しかしながら、より高い重量百分率の吸収性繊維の導入により、二次トップシートの弾力性及び剛性に悪影響を与え得る。また、吸収性繊維の重量百分率が低すぎると、消費者の思考に製品に対する悪印象を作り出し得る、より高い「濡れ感」をトップシートに生じ得る。上に提供された重量百分率は、尿流体侵襲物の状況ではより良好に機能し得る。
【0047】
任意の好適な寸法の吸収性繊維が利用され得る。好適な測定寸法は、線密度に関連させることができる。いくつかの形態では、吸収性繊維線密度は、約2dtex〜約4dtex、約2.5dtex〜約3.7dtex、又は約2.8dtex〜約3.5dtexの範囲であり得、具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を示す。1つの特定の形態では、吸収性繊維は、約3.3dtexを備え得る。
【0048】
吸収性繊維は、任意の好適な形状を有し得る。いくつかの形態では、三つ葉形状が利用され得る。三つ葉形状は、吸い取りを改善し、マスキングを改善することができる。三つ葉状レーヨンは、Kelheim Fibresから入手可能であり、商品名Galaxyとして販売されている。
【0049】
吸収性繊維に加えて、前述のように、二次トップシートはまた、補剛繊維を含み得る。補剛繊維を利用して、二次トップシートのウェブ材料に構造的な一体性の提供を助けてもよい。補剛繊維は、縦方向及び横断縦方向における二次トップシートの構造的な一体性の増加を助けることができ、これは、二次トップシートを使い捨て吸収性物品に組み込むための加工中のウェブ操作を容易にする。例えば、本開示の二次トップシートは、熱によって補剛されてもよい。熱による補剛プロセスは、補剛繊維間に複数の接続ポイントを作り出すことができる。一般に、接続ポイントの数が多いほど、二次トップシートはより剛性である。そのため、複数の接続ポイントを作り出すことは、加工性に有益であるが、多すぎる接続ポイントを作り出すことによって、そのそれぞれの使い捨て吸収性物品に不快な二次トップシートをもたらし得る。これを念頭に置き、補剛繊維の構成成分材料、補剛繊維の重量百分率、及び熱による加工を慎重に選択するべきである。熱による補剛プロセスを、以下に述べる。
【0050】
前述のものを念頭に置き、任意の好適な補剛繊維が利用され得る。好適な補剛繊維のいくつかの例としては、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレート成分、又はポリエチレンテレフタレート及び共ポリエチレンテレフタレート成分を含む2成分繊維が挙げられる。2成分繊維の構成要素は、コアシース配置、横並びの配置、偏心コアシース配置、三つ葉状配置などで配置され得る。1つの特定の例では、補剛繊維は、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート成分を有する、ポリエチレンがシースである同心コア−シース配置に配置された2成分繊維を含み得る。いくつかの形態では、単成分繊維が利用され得る。かかる形態では、単成分の構成成分材料は、ポリプロピレンを含み得る。
【0051】
任意の好適な寸法の補剛繊維が利用され得る。補剛繊維の好適な線密度は、約4dtex〜約12dtex、約4.5dtex〜約10dtex、又は約5dtex〜約7dtexであり得、具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を示す。1つの特定の形態では、補剛繊維は、コア及び同心シース配置に配置された、5.8dtexのポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの2成分繊維を含み得る。
【0052】
補剛繊維の任意の好適な重量百分率は、二次トップシートにも同様に利用され得る。しかしながら、いくつかの形態では、本開示の二次トップシートは、熱処理(熱による補剛)され得る。熱処理は、二次トップシートの繊維間に接続ポイントを作り出すことができる。そのため、補剛繊維の百分率がより高い場合には、より多くの接続ポイントを作り出すことができる。追加の接続ポイントは、はるかに剛性の高い二次トップシートを得る場合があり、これは快適性に悪影響を与え得る。いくつかの形態では、二次トップシートは、約20重量パーセント〜約40重量パーセントの補剛繊維、又は約25重量パーセント〜約35重量パーセントの補剛繊維を含み得、具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を含む。
【0053】
先述のように、本開示の二次トップシートは、弾力性繊維を更に含み得る。弾力性繊維は、二次トップシートがその透過性を維持するのを助けることができる。任意の好適な寸法の繊維が利用され得る。いくつかの形態では、弾力性繊維は、約6dtex〜約12dtex、約8dtex〜約11dtex、又は約9dtex〜約10dtexの線密度を有し得、具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を示す。1つの特定の形態では、弾力性繊維は、約10dtexの線密度で構成され得る。1つの特定の例では、弾力性繊維は、10dtexの中空螺旋状ポリエチレンテレフタレート繊維を含み得る。
【0054】
より小さい繊維寸法を利用する場合、二次トップシートの弾力性が低下することが予想されるであろうことに注目すべきである。また、同じ重量百分率で寸法を減少させると、グラム当たりのより高い繊維数は、二次トップシートの透過性の低下に匹敵するであろう。加えて、いくつかの従来の二次トップシートは、AGMなどの超吸収性ポリマーを利用して、それぞれのトップシートの排水を助け得る。先述のように、AGMは、典型的には、流体侵襲物を吸収すると膨潤し、二次トップシートの開口部を塞ぐことによって二次トップシートの透過性を低減する場合がある。しかしながら、一般に、従来の二次トップシートは、より低い透過性を有し、これは、AGMが膨潤時にこれらの従来の二次トップシートの開口部を塞ぐであろう可能性の低減を助ける。対照的に、本開示の二次トップシートのより高い透過性に起因して、AGMがその透過性を大きく低減しないことを確実にする追加の処置無しでは、AGMの二次トップシートへの利用は好適でない場合がある。むしろ、AGMは、吸収性物品の別個の層に提供され得る。
【0055】
任意の好適な重量百分率の弾力性繊維が利用され得る。いくつかの形態では、本開示の二次トップシートは、約25重量パーセント〜約55重量パーセントの弾力性繊維、35重量パーセント〜50重量パーセントの弾力性繊維、又は40重量パーセント〜45重量パーセントの弾力性繊維を含み得、具体的にはこれらの範囲内の任意の値及びそれによって作り出される任意の範囲を含む。いくつかの特定の形態では、二次トップシートは、約45重量パーセントの弾力性繊維を含み得る。いくつかの特定の形態では、二次トップシートは、約45パーセントの10dtexの中空螺旋状ポリエチレンテレフタレート繊維を含み得る。
【0056】
熱による補剛プロセスに関して、任意の好適な温度が利用され得る。また、好適な温度は、補剛繊維の構成成分の化学的性質によって、並びに二次トップシートウェブの加工速度によって、部分的に影響され得る。いくつかの形態では、二次トップシートウェブは、摂氏132度の温度で熱により補剛され得る。二次トップシートウェブ全体の均一な剛性特性を提供するために、任意の加熱作業は、二次トップシートウェブに均一な加熱を提供するように設定されるべきであることにも注目すべきである。小さな温度のばらつきでさえ、二次トップシートウェブの引張強度に大きく影響を与え得る。例えば、約50gsmの坪量を有する、2つの同等の、上の配合を両者とも有する二次トップシートでは、小さな温度差で顕著な差異が作り出された。摂氏135度での熱による補剛プロセスは、1つのサンプルでのCD方向の引張強度が、摂氏132度の補剛プロセスを施されたサンプルのCD方向の引張強度の2倍であった。同様の結果は、同等な組成及び約70gsmの坪量を有するサンプルで証明された。加えて、より高い温度、即ち摂氏135度を施され、MD方向により高い引張強度を有するサンプルのMD方向の引張強度では、約1.5倍の差があった。
【0057】
市販の二次トップシートと、本開示の二次トップシートとの比較についてのデータを、以下の表1に提供する。
【0058】
【表1】
【0059】
表1の実験サンプルは、Kelheim Fibresから入手可能な、25%galaxy、3.3dtexの三つ葉状レーヨン;30%、5.8detexのPE/PET2成分、同心−コア/シース−−PEシース;45%、10dtex、ステープル長38mm、中空螺旋状ポリエチレンテレフタレート繊維を含む、50gsmの坪量の二次トップシートであった。
【0060】
バックシート
シャーシ20のバックシート207は、吸収性コア205の衣類に面する表面に隣接して位置付けられてもよく、当該技術分野において公知のものなどの取り付け方法(図示せず)によって、そこに接合されてもよい。例えば、バックシート207は、均一な連続層の接着剤、パターン層の接着剤、又は別個の線、螺旋、若しくは点の配列の接着剤によって、吸収性コア205に固定されてもよい。あるいは、取り付け方法は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、若しくは当該技術分野で既知の他のいかなる好適な取り付け方法、又はこれら取り付け方法の組み合わせを含んでもよい。本開示の形態は、吸収性コア205がバックシート207、トップシート203、又はその両方に結合されないものもまた企図される。
【0061】
バックシート207は、液体(例えば、尿)に対して不透過性、又は実質的に不透過性であってもよく、また、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用される場合、用語「可撓性」は、順応性があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシート207は、吸収性コア205中に吸収され収容された滲出物が、失禁パッド10に接触する下着などの衣料品を濡らすことを防ぐか、又は少なくとも抑制し得る。しかしながら、場合によっては、バックシート207は、蒸気を吸収性コア205から逃がしてもよい(即ち、通気性である)一方で、別の場合では、バックシート207は、蒸気を逃がさなくてもよい(即ち、非通気性である)。したがって、バックシート205は、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルムを含む場合がある。バックシート207に好適な材料は、例えば約0.012mm(0.5mil)〜約0.051mm(2.0mil)の厚さを有する熱可塑性フィルムである。当該技術分野において既知の任意の好適なバックシートが本発明と共に用いられてもよい。
【0062】
バックシート207は、吸収性コア205からその衣類表面まで通過し得る任意の吸収された体液に対するバリアとして機能して、結果として下着又は他の衣服に染みを付けるリスクを低減する。更に、バックシートのバリア特性は、着用者がそう所望する場合、手を汚すリスクを低減しながら陰唇間の吸収性物品を手で取り外すことを可能にする。好ましい材料は、快適性のために柔軟性及びなじみやすさを提供する柔軟な、滑らかな、しなやかな、液体及び蒸気通過性の材料であり、また動作によって不必要な音を生じないように、音を発しにくいものである。
【0063】
バックシートは、1999年3月23日に発行された米国特許第5,885,265号(Osborn,III.)に記載の、バックシートに組み込まれる一時的な湿潤強度樹脂を有する湿潤繊維性アセンブリを備え得る。バックシートは更に、接着材料をそこへ広げることに障害を生じずに、バックシートを体液に対して非透過性にする耐水性樹脂材料でコーティングされてもよい。
【0064】
別の好適なバックシート材料は、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有するポリエチレンフィルムである。バックシートは、より布のような外観を与えるために、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げされてもよい。更に、バックシートは、体液がバックシートを通過することを防ぎながらなお、蒸気を吸収性コア42から逃がすことを可能にし得る(即ち、バックシートは通気性である)。Tredegar Corporation(Virginia,USA)からコード番号XBF−1 12Wとして入手可能な、好ましいポリエチレン微多孔フィルム。
【0065】
伸縮性であるが非弾性のバックシートに使用されることができる1つの材料は、約30〜40g/m2の坪量を有する、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレン繊維で形成されている、疎水性、伸縮性、スパンレースの、不織布材料である。この材料は、通気性、即ち水蒸気及び他の気体に対して透過性である。
【0066】
弾性バックシートに使用されることができる1つの材料は、Exxon Corporationによって商標EXX500として販売されている弾性フィルムである。このフィルムの材料は、スチレンブロックコポリマーからなるエラストマー系組成物から形成される。しかしながら、この材料は通気性ではない。弾性バックシートに使用されることができる別の材料は、フィルムに弾性ストランドを取り付けることなく、弾性的な特性を提供するプロセスを施されたプラスチックフィルムであり、例えば、米国特許第4342314号(Radelら)及び同第4463045号(Ahrら)に従って作製された形成フィルムを含み得る。
【0067】
本明細書で使用するための好適な通気性バックシートには、当該技術分野では周知のあらゆる通気性バックシートが含まれる。原則として、通気性を有し液体に対して不透過性の単一層通気性バックシートと、少なくとも2層を有し、これらが組み合わされて通気性及び液体不透過性の両方を与えるバックシートの2種類の通気性バックシートがある。本明細書での使用に好適な単一層通気性バックシートとしては、例えば、英国特許出願第GB A2184 389号、同第GB A2184 390号、同第GB A2184 391号、米国特許第4,591,523号、同第3 989 867号、同第3,156,242号、及び国際公開97/24097号に記載のものが挙げられる。
【0068】
バックシートは、2つの層:気体透過性の有孔形成フィルム層を含む第1の層、及び2002年10月8日に発行された米国特許第6,462,251号(Cimini)に記載の通気性微多孔性フィルム層を含む第2の層を含み得る。本明細書での使用に好適な二重層又は多層通気性バックシートとしては、米国特許第3,881,489号、同第4,341,216号、同第4,713,068号、同第4,818,600号、欧州特許第203 821号、同第710 471号、同第710 472号、及び同第793 952号に例示されているものが挙げられる。
【0069】
バックシートは、比較的疎水性の平方メートル当たり18グラム(gsm)の、2デニールポリプロピレン繊維のスパンボンド不織布ウェブであってもよい。バックシートもまた、当該分野で既知のように、積層体であってもよい。
【0070】
バックシートは、2003年9月23日に発行された米国特許第6,623,464号(Bewick−Sonntag)、又は2003年12月16日に発行された米国特許第6,664439号(Arndt)に記載のような蒸気透過性であってもよい。バックシートは、当該技術分野において既知の任意の蒸気透過性材料から形成することができる。バックシートは、当該技術分野において既知のように、微多孔性フィルム、有孔形成フィルム、又は蒸気透過性であるか、若しくは蒸気透過性にされた他のポリマーフィルムであり得る。
【0071】
バックシートは、約20gsm〜約50gsmの坪量を有する不織布ウェブであってもよい。一実施形態では、バックシートは、Fiberweb Neubergerより商品名F102301001として入手可能な4デニールのポリプロピレン繊維の比較的疎水性の23gsmのスパンボンド不織布ウェブである。バックシートは、2002年8月20日に発行された米国特許第6,436,508号(Ciammaichella)に記載の不溶性の液体膨潤性材料でコーティングされていてもよい。
【0072】
バックシートは、衣類に面する側面と、対向する身体に面する側面とを有する。バックシートの衣類に面する側面は、非接着領域と接着領域とを含む。接着領域は、任意の従来の手段によって提供され得る。感圧性接着剤が、この目的に対して十分に機能することが一般に見出された。
【0073】
吸収性コア
本発明の吸収性コア205は、これらに限定されないが、楕円形、長円形、長方形、非対称な形状、及び砂時計形状を含む、任意の好適な形状を備え得る。例えば、本発明のいくつかの形態では、吸収性コア205は、輪郭ある形状、例えば中間区域が端部区域よりも狭い形状を含み得る。更に別の例としては、吸収性コアは、パッドの一方の端部区域により広い部分を有し、パッドのもう一方の端部区域のより狭い端部区域に向かって先細りになる、先細形状を含み得る。吸収性コア205は、MD及びCDに様々な剛度を含み得る。
【0074】
先に詳細に示したように、吸収性コア205は、第1の積層体と第2の積層体とを備える。一般に、この両方は圧縮性で、形状適合性があり、着用者の皮膚を刺激せず、尿、及び経血を含む他のある特定の身体滲出物などの液体を吸収し、保持することが可能である。
【0075】
吸収性コア205の構成及び構造は変化し得る(例えば、吸収性コア205は、変化するキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉領域を有し得る)。更に、吸収性コア205の寸法及び吸収能力も、種々の着用者に適応するように変更されてもよい。しかしながら、吸収性コア205の合計吸収能力は、使い捨て吸収性物品又は失禁パッド10の負荷及び意図する使用の設計に適合するべきである。
【0076】
本発明のいくつかの形態では、吸収性コア205は、第1及び第2の積層体に加えて、複数の多機能層を含み得る。例えば、吸収性コア205は、第1及び第2の積層体並びに他の任意選択的な層を包囲するのに有用なコアラップ(図示せず)を含み得る。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、フィルム、又はその他の材料によって形成され得る。一態様では、コアラップは、単一の材料、基材、積層体、又は、少なくとも部分的にその周りを包む他の材料のみを含み得る。
【0077】
本開示の吸収性コア205は、例えば、第1及び第2の積層体内にSAP又は他の吸収性材料を固定化するのを助けるために、1つ以上の接着剤を含み得る。
【0078】
様々なコア設計による相対的に高い量のSAPを含む吸収性コアが、米国特許第5,599,335号(Goldmanら)、欧州特許第1,447,066号(Busamら)、国際公開第95/11652号(Tanzerら)、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorfら)、及び国際公開第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。これらは、超吸収性層を構成するために使用され得る。
【0079】
本開示のコアへの追加が想定される。特に、現在の多積層体吸収性コアへ潜在的な可能性を加えることは、1986年9月9日にWeismanらに対して発行された「High−Density Absorbent Structures」という名称の米国特許第4,610,678号に記載されている。1987年6月16日にWeismanらに発行された「Absorbent Articles With Dual−Layered Cores」という名称の米国特許第4,673,402号、1989年12月19日にAngstadtに発行された「Absorbent Core Having A Dusting Layer」という名称の米国特許第4,888,231号、及び1989年5月30日にAlemanyらに発行された「High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones」という名称の米国特許第4,834,735号に記載されている。吸収性コアは、1993年8月10日にAlemanyら対して発行された「Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency」という名称の米国特許第5,234,423号、及び同第5,147,345号に詳細に示されている、吸収性貯蔵コア上に位置付けられる、化学的に補剛された繊維の捕捉/分散コアを含む二重コア系を模した追加の層を更に含み得る。これらは、以下に記述されている本発明の吸収性コアの積層体の効果を打ち消さないか又はそれと対立しない限り有用である。
【0080】
積層体
吸収性コア205の第1及び第2の積層体60、70を先に詳細に示してきたが、これらの積層体が、互いに同じであるか又は異なる横断方向の幅を有し得ることに留意することが重要である。例えば、第1の積層体は、当該第2の積層体よりも狭い横断方向の幅を有し得るか、又は当該第2の積層体よりも広い横断方向の幅を有し得る。ある特定の場合では、第1及び第2の積層体は、同じである縦方向の長さを有する一方で、他の場合では、第1及び第2の積層体は、異なっている縦方向の長さを有する。後者の場合では、第1の積層体は、第2の積層体よりもより短い縦方向の長さを有し得るか、又は逆に第1の積層体は、当該第2の積層体よりも長い縦方向の長さを有し得る。
【0081】
第1及び第2の積層体60、70は、それぞれの超吸収性層と分散層との間に配設された、任意選択的な中間層を更に備え得る。この任意選択的な中間層は、一般に、シャーシの任意選択的な層に関して本明細書で詳細に示す材料を含み得る。
【0082】
加えて、本発明は、第1及び第2の積層体を必要とするが、本発明の吸収性物品又は失禁パッドは、超吸収性層及び分散層を含む任意選択的な積層体を更に備え得る。この任意選択的な積層体は、第3、第4、第5、又は更には追加の積層体の形態をとり得る。超吸収性層及び分散層は、第1及び第2の超吸収性層及び分散層に関して先に詳細に示した、同じ又は異なる特性を呈し得る。この任意選択的な積層体は、第1の積層体若しくは第2の積層体の身体に面する表面、又は第1の積層体若しくは第2の積層体の衣類に面する表面上に配設され得る。
【0083】
第1及び第2の積層体は、それぞれ、対応する第2の端部67、77に対して形状が相補的である第1の端部66、76を有する。より具体的には、第1の積層体の第1の端部66は、同じ積層体の第2の端部67と形状的に適合する。第2の積層体の第1の端部76は、第2の積層体の第2の端部77に対しても同じく適合する。例えば、第1の積層体の第1の端部66は、第1の積層体の第2の端部67に嵌合する。この立体構造は、端部の合致する又は嵌合する形状を提供する、積層体の入れ子式の切り欠き部から生じる。第2の積層体のそれぞれの第1の端部76及び第2の端部77に対してもまた、この状況である。同様に、この特徴は、吸収性コアに組み込まれ得る任意選択的な積層体においても、効果的であり得る。積層体のこの入れ子又は入れ子式の切り欠き部の特徴は、製造中のトリムによる廃棄の低減を可能にする。第1及び第2の分散層が、重ねられ、接合されて、重なった領域を含む中央部分205Cを有する吸収性コアを形成するとき、それぞれの第1の端部がもう一方に対向することを可能にする様式で、第1及び第2の積層体を構成することが可能であることもまた、見出されている。コアの前端部分205Fは、第1の積層体又は第2の積層体のいずれかの第1の端部66、76から形成される。コアの後端部分205Rは、同様に、第1の積層体又は第2の積層体の他方の第1の端部66、76から形成される。この構成により、端部が合致している(即ち、雄型接続部)吸収性コアが得られる。各積層体の第1の端部は、雄型接続部を有する一方で、各積層体の第2の端部は、雌型接続部を有する。かかる場合、第1の端部の雄型接続部は、同じ積層体の第2の端部の雌型接続部(の形状に適合)に嵌合する。別の実施形態では、コアの前端部分は、第1の積層体又は第2の積層体のいずれかの第1の端部66、76から形成される一方で、コアの後端部分は、第1の積層体又は第2の積層体の他方の第2の端部67、77から形成される。この場合、第2の端部は、雌型接続部として成形され、したがって同じコアの前端部分と合致しない。第3の実施形態では、コアの前端部分は、第1の積層体又は第2の積層体のいずれかの第2の端部から形成される。コアの後端部分は、第1の積層体又は第2の積層体の残りの第2の端部から同様に形成される。この構成により、端部が合致している(即ち、雌型接続部)吸収性コアが得られる。しかしながら、第1及び第2の積層体の幅は、本明細書に記載のように同じか又は異なっていてもよいことに留意するべきである。第1及び第2の積層体の各々の第1及び第2の端部の入れ子式の切り欠き部は、弓型、半円形、半楕円形、V字型、長方形、正弦波形状、入り組んだ形状、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される形状を有する。
【0084】
一実施形態では、トップシート及びバックシートに加えて、コアは、その対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する第1の積層体であって、第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を含む、第1の積層体と、その対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する第2の積層体であって、第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む、第2の積層体とを備え得、当該第1の積層体の層が、吸収性物品の長さに沿ってオフセットした様式で当該第2の積層体の層に接合され、吸収性コアが、第2の積層体の第1の端部によって形成されている前端部分を有する。
【0085】
本発明の積層体の製造方法の観点から、第1の積層体及び第2の積層体を、縦方向長さに沿って切り離されている単一の積層体から形成することが好ましいことが見出された。この方法は、第1及び第2の超吸収性層が同じであり、第1及び第2の分散層が同じであるときにのみ有用である。これは、形状、坪量、及び材料のうちの1つ以上に関して同じであり得る。分散層の材料は、同じであることが好ましい。単一の積層体を切り離して第1及び第2の積層体を形成すると、これらの第1及び第2の積層体が接合される。ある特定の実施形態では、第1及び第2の積層体は、それらのそれぞれの分散層で、本明細書に詳細に示されるようにオフセットした様式で他方に接合され、当業者に既知の標準的な機械的、熱的、又は化学的な方法を介してそのように接合され得る。
【0086】
ある特定の実施形態では、第1又は第2の積層体は、縦方向又は横断方向に沿って延びる1つ以上の凹部領域を含み得る。これらの凹部領域は、それが第1の積層体、第2の積層体、又は両方のいずれであるかにかかわらず、超吸収性層及び分散層のうちの1つ以上の不連続なパターンと一致し得る。これらの凹部領域はまた、単に第1又は第2の積層体をエンボス加工することによって形成され得る。あるいは、これらの凹部領域は、第1及び/又は第2の積層体を切り離すこと、切断すること、リングローリング、又は機械的な変形を提供することによって形成され得る。本明細書に記載の凹部領域を形成する各様式は、物品全体の優先的な屈曲ポイントの提供が可能である凹部領域を得ることを意図している。例えば、図5は、縦方向にある吸収性コア205’の第1及び第2の積層体60’、70’における、凹部領域88が間隙又はエンボス加工されたチャネルのいずれかである、代替的なコア205’の2−2での代替的な断面図を示す。これらの凹部領域88は、第1及び第2の積層体60’、70’の両方で、それらの長さの各々の全体に沿って存在する必要はない。凹部領域88は、第1及び第2の積層体60’、70’の重なった接合部領域にのみ縦方向で存在し得る。あるいは、凹部領域88は、第1及び第2の積層体60’、70’の長さに沿った横断方向に、又は2つの積層体の重なった接合部にのみ存在し得る。これらのような場合、凹部領域が効果的である積層体は、より容易に屈曲する傾向があるであろう。第1及び第2の積層体の一方のみに凹部領域88が存在する場合、パッド20が凹部領域88で優先的に屈曲する傾向があるであろうことが予想される。これは、第1の積層体が第2の積層体よりも身体に近い場合であり、パッドが身体から離れて屈曲する可能性があるであろう。身体から離れて配置された第2の積層体70’が凹部領域を有し、第1の積層体60’が有さない場合も同様に、その反対のことが当てはまり得る。この場合、パッド20は、身体に向かって優先的に屈曲する傾向を呈し得る。パッドの全体的な構成に応じて、特定の場合では、いずれかの種類の屈曲が好ましい場合がある。
【0087】
超吸収性層
第1及び第2の積層体60、70の第1及び第2の超吸収性層61、71は、超吸収性ポリマー又は吸収性ゲル化材料(AMG)を含む。超吸収層は、AGM粒子又はAGM繊維を含み得る。一般に、かかるAGMは、それらの流体吸収特性のためのみに使用されている。かかる材料は、流体(例えば、尿、血液など)との接触時にハイドロゲルを形成する。1つの非常に好ましい種類のハイドロゲル形成吸収性ゲル化材料は、加水分解されたポリ酸、特に中和されたポリアクリル酸に基づく。この種類のハイドロゲル形成ポリマー材料は、水又は体液などの流体(即ち液体)との接触時に、かかる流体を吸収しそれによってハイドロゲルを形成するものである。このようにして、排泄される流体は、本明細書の流体吸収性構造体に捕捉及び保持されることができる。これらの好ましい超吸収性ポリマーは、一般に、重合性の、不飽和の酸含有モノマーから調製された実質的に非水溶性の、僅かに架橋し、部分的に中和されたハイドロゲル形成ポリマー材料を含むであろう。かかる材料では、不飽和の酸含有モノマーから形成されたポリマー成分は、純粋なゲル化剤を含み得るか、又はデンプン若しくはセルロースなどの他の種類のポリマー部分にグラフト化され得る。デンプン材料にグラフト化された加水分解ポリアクリル酸は、この後者の種類のものである。したがって、好ましい超吸収性ポリマーとしては、加水分解ポリアクリロニトリルグラフト化デンプン、加水分解ポリアクリレートグラフト化デンプン、ポリアクリレート、無水マレイン酸−イソ−ブチレンコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましい超吸収性ポリマーは、加水分解ポリアクリレート及び加水分解ポリアクリレートグラフト化デンプンである。
【0088】
好ましい超吸収性ポリマーのポリマー成分の性質がどのようなものであっても、かかる材料は、一般に僅かに架橋しているであろう。架橋は、これらの好ましいハイドロゲル形成吸収性材料を実質的に非水溶性にするのに役立ち、架橋はまた、ゲル体積、及びそれから形成されたハイドロゲルの得られるポリマー特性をある程度決定する。好適な架橋剤は、当該技術分野で公知であり、例えば、(1)少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物、(2)少なくとも1つの重合性二重結合、及び酸含有モノマー材料と反応性の少なくとも1つの官能基を有する化合物、(3)酸含有モノマー材料と反応性の少なくとも2つの官能基を有する化合物、並びに(4)イオン性架橋を形成することができる多価金属化合物が挙げられる。好ましい架橋剤は、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのジエステル又はポリエステル、ビスアクリルアミド、及びジアリルアミン又はトリアリルアミンである。特に好ましい架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びトリアリルアミンである。一般に、架橋剤は、約0.001モルパーセント〜約5モルパーセントの好ましい材料を含むであろう。より好ましくは、架橋剤は、約0.01モルパーセント〜約3モルパーセントの本明細書で使用される吸収性ゲル化材料を含むであろう。
【0089】
好ましい、僅かに架橋したハイドロゲル形成吸収性ゲル化材料は、一般に、部分的に中和した形態で用いられるであろう。本明細書に記載の目的として、かかる材料は、ポリマー形成に使用されるモノマーの少なくとも約25モルパーセント、50モルパーセント、又は更には75モルパーセントが、塩生成カチオンで中和された酸基含有モノマーであるときに、部分的に中和しているとみなされる。好適な塩生成カチオンには、アルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム及びアミンが挙げられる。合計モノマーのうちの中和された酸基含有モノマーに利用されるこの百分率は、「中和度」と称される。典型的には、市販の超吸水性ポリマーは、約90%未満程度の中和度を有する。
【0090】
本明細書で使用される好ましい超吸水性ポリマーは、流体吸収物品と接触した流体を吸収する比較的高い能力を有するものであり、この能力は、当該超吸収性ポリマーの「ゲル体積」を参照することによって定量化することができる。ゲル体積は、任意の所与の流体吸収性ゲル化剤緩衝剤に吸収される合成尿の量に関して定義することができ、ゲル化剤1グラム当たりの合成尿のグラムとして規定される。
【0091】
合成尿中のゲル体積は、約20部の合成尿と、約0.1〜0.2部の、試験される乾燥流体吸収性ゲル化材料の懸濁液を形成することによって決定することができる。この懸濁液は、約1時間、間緩やかな攪拌下で周囲温度に維持され、膨潤平衡を達成する。次いで、懸濁液中のゲル化剤の重量分画、及び形成されたハイドロゲルから除外した液体体積対懸濁液の合計体積の比から、ゲル体積(流体吸収性ゲル化材料の1グラム当たりの合成尿のグラム)を計算する。本発明において有用な好ましい超吸収性ポリマーは、約20〜70グラムのゲル体積、より好ましくは約30〜60グラムの、吸収性ゲル化材料の1グラム当たりの合成尿を有するであろう。
【0092】
前述の超吸収性ポリマーは、典型的には離散粒子の形態で使用される。かかる超吸収性ポリマーは、例えば、球状又は半球状、立方体、棒状の多面体など、任意の所望の形状のものであり得る。針又はフレークのような大きな最大寸法/最小寸法の比を有する形状もまた、本明細書での使用が企図される。流体吸収性ゲル化材料粒子の凝集体もまた使用され得る。
【0093】
流体吸収性ゲル化材料粒子の寸法は、広範囲にわたって変化し得る。産業的衛生上の理由により、約30ミクロンより小さい平均粒径は、あまり望ましくない。また、約2mmより大きい最小寸法を有する粒子は、吸収性物品にざらつき感を生じ得、消費者の審美的見地から望ましくない。更に、流体の吸収速度は、粒径によって影響され得る。より大きな粒子は、非常に低減された吸収速度を有する。流体吸収性ゲル化材料粒子は、好ましくは、実質的に全ての粒子に対して約30ミクロン〜約2mmの粒径を有する。本明細書で使用される場合、「粒径」とは、個々の粒子の最少寸法の重み付き平均を意味する。
【0094】
これらの層は、好ましくはエアフェルトを実質的に含まず、したがってエアフェルトを含み得る混合層とは異なる。本明細書で使用される場合、「エアフェルトを実質的に含まない」とは、5%、3%、1%、又は更には0.5%未満のエアフェルトを意味する。好ましい場合では、超吸収性層には、測定可能なエアフェルトは存在しないであろう。第1の超吸収性層の場合では、第1の分散層上に不連続に配設されることが好ましい。本明細書で使用される場合、「不連続」又は「不連続なパターンで」とは、超吸収性ポリマーが、分離して成形された領域のパターンで第1の分散層上に適用されていることを意味する。これらの超吸収性ポリマーの領域又は超吸収性ポリマーを含まない領域としては、これらに限定されないが、線状ストリップ、非線形ストリップ、円形、長方形、三角形、ウェーブ、メッシュ、及びこれらの組み合わせが挙げられ得る。しかしながら、第2の超吸収性層のような第1の超吸収性層は、その対応する分散層上に連続的なパターンで配設され得る。本明細書で使用される場合、「連続的なパターン」又は「連続的に」とは、超吸収性ポリマーによって分散層が比較的完全に覆われるように、超吸収性担体材料及び/又は隣接する分散層に途切れていない様式で材料が付着されているか、又は固定されていることを意味する。
【0095】
ある特定の実施形態では、第1及び第2の超吸収性層は、同じである超吸収性ポリマーを含み得る。他の実施形態では、第1及び第2の超吸収性層は、互いに異なっている超吸収性ポリマーを含み得る。これは、おそらく、上述された異なる付着パターンに加えられ得る。
【0096】
0.2mm、0.3mm、0.4mm、又は0.5mm〜1mm、1.2mm、1.4mm、1.8mm、又は2mmの厚さを有する超吸収性層が配設される。第1及び第2の超吸収性層は、それらのそれぞれの分散層に適用される際に、同じか又は異なる横断方向の幅を有し得る。例えば、第1及び第2の超吸収性層の横断方向の幅は、20mm、25mm、30mm、35mm、又は40mm〜50mm、60mm、65mm、70mm、80mm、又は90mmであり得る。あるいは、第1及び第2の超吸収性層の幅が、横断方向の幅において互いに異なる実施形態では、第1の超吸収性層は、第2の超吸収性層よりも狭い横断方向の幅を有し得る。特に、第1の超吸収性層は、第2の超吸収性層の幅の約95%、90%、80%、70%、又は更には60%未満である横断方向の幅を有し得る。
【0097】
ある特定の実施形態では、第1及び第2の超吸収性層の一方又は両方は、超吸収性担体層及び/又はそれぞれの隣接する第1又は第2の分散層の横断方向の幅の、約50%、60%、70%、80%、90%、又は更には95%を超えて超えて広がっている。
【0098】
シャーシに含まれ得る任意選択的な層のように、吸収性コアも、同様の任意選択的な層を含み得る。それらは、繊維性構造体、エアレイドウェブ、湿潤レイドウェブ、高ロフト不織布、ニードルパンチウェブ、水流交絡ウェブ、繊維トウ、織布ウェブ、ニットウェブ、フロック加工されたウェブ、スパンボンドウェブ、層状のスパンボンド/メルトブローウェブ、カード繊維ウェブ、セルロース繊維及びメルトブロー繊維のコフォームウェブ、ステープル繊維及びメルトブロー繊維のコフォームウェブ、並びにこれらの層状の組み合わせである層状ウェブからなる群から選択されるウェブであり得る。
【0099】
コア及びシャーシのこれらの任意選択的な層は、しわ加工された(creped)セルロースワッディング、毛羽立ち加工された(fluffed)セルロース繊維、エアフェルト、及び織物繊維などの材料を含み得る。任意選択的な層の材料はまた、例えば、合成繊維、熱可塑性微粒子又は繊維、3成分繊維、及び、例えば、以下のポリマーの組み合わせ:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどを有するシース/コア繊維などの2成分繊維などの繊維であり得る。任意選択的な層は、単独で又は組み合わせで、上に列挙した材料及び/又は上に列挙した複数の材料の、任意の組み合わせであり得る。
【0100】
任意選択的な層の材料は、シャーシ内のそれらの配置に応じて、疎水性又は親水性であり得る。
【0101】
任意選択的な層の材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びそれらのブレンドなどの、ポリマーを含む構成成分繊維を含み得る。繊維は、スパンボンド繊維であってもよい。繊維は、メルトブロー繊維であってもよい。繊維は、セルロース、レーヨン、綿、若しくは他の天然材料、又はポリマーと天然材料とのブレンドを含んでもよい。繊維はまた、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料の任意の組み合わせを含み得る。繊維は、単成分、2成分、及び/若しくは2構成成分、非円形(例えば、毛管チャネル繊維)であってもよく、0.1〜500マイクロメートルの範囲の主断面寸法(例えば、円形繊維の直径)を有してもよい。不織布前駆体ウェブの構成成分繊維はまた、化学物質(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、(単及び2)成分、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形状(すなわち、毛管及び円形)などの特徴が異なる、異なる繊維の種類の混合物であり得る。構成成分繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲であってもよい。
【0102】
任意選択的な層は、熱可塑性微粒子又は繊維を含み得る。材料、具体的には熱可塑性繊維は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(例えば、PULPEX(商標))及びポリプロピレン、ポリエステル、コポリエステル、並びに前述のうちのいずれかのコポリマーを含む、種々の熱可塑性ポリマーから作製され得る。
【0103】
所望の特性によって、好適な熱可塑性材料としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリスチレンなどから誘導された、界面活性剤で処理した熱可塑性繊維又はシリカで処理した熱可塑性繊維など、親水性にされた疎水性繊維が挙げられる。疎水性の熱可塑性繊維の表面は、例えば、繊維に界面活性剤をスプレーすることにより、繊維を界面活性剤に浸すことにより、又は熱可塑性繊維を製造する際にポリマーメルトの一部分として界面活性剤を含むことにより、非イオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤などの界面活性剤で処理することによって親水性にすることができる。融解し再凝固すると、界面活性剤は熱可塑性繊維の表面に留まる傾向がある。好適な界面活性剤としては、ICI Americas,Inc.(Wilmington,Del)によって製造されたBrij76などの非イオン性界面活性剤、及びGlyco Chemical,Inc.(Greenwich,Conn)によってPegosperse(商標)として販売されている様々な界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤以外に、アニオン性界面活性剤も使用され得る。これらの界面活性剤は、例えば、熱可塑性繊維の約0.2〜約1g/cmのレベルで熱可塑性繊維に添加され得る。
【0104】
好適な熱可塑性繊維は、単一のポリマーから製造してもよく(単成分繊維)、又は2種類以上のポリマーから製造してもよい(例えば、2成分繊維)。シースを含むポリマーは、コアを構成するポリマーとは異なる、典型的にはより低い温度で溶融することが多い。結果として、これらの2成分繊維は、シースポリマーの溶融に起因して熱的結合をもたらし、一方でコアポリマーの望ましい強度特性を保持する。
【0105】
本発明で使用するのに適した2成分繊維としては、次のポリマーの組み合わせ:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどを有するシース/コア繊維を挙げることができる。本明細書での使用に特に好適な2成分熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルのコア、及びより低い温度で溶融するコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート、又はポリエチレンシースを有するもの(例えば、DANAKLON(商標)、CELBOND(商標)、又はCHISSO(商標)2成分繊維)である。これらの2成分繊維は、同心であっても偏心であってもよい。本明細書で使用される場合、「同心」及び「偏心」という用語は、シースが、2成分繊維の断面積を通じて、均一又は不均一な厚さを有するか否かを指す。偏心の2成分繊維は、より薄い繊維厚さでより高い圧縮強さを提供する上で望ましい場合がある。本明細書での使用に好適な2成分繊維は、非捲縮(即ち、非屈曲)又は捲縮(即ち、屈曲)のいずれかであり得る。2成分繊維は、主に二次元的、即ち「平面的」な捲縮を達成するために、典型的な紡織手段、例えば押込み加工ボックス(stuffer-box)法又はギアクリンプ法によって捲縮させてもよい。
【0106】
2成分繊維の長さは、繊維及びウェブ形成プロセスに所望される特定の特性に応じて様々であってよい。典型的には、エアレイドウェブにおいて、これらの熱可塑性繊維は、約2mm〜約12mm長、例えば約2.5mm〜約7.5mm長、及び約3.0mm〜約6.0mm長などの長さを有する。不織布繊維は、5mm長〜75mm長、例えば、10mm長、15mm長、20mm長、25mm長、30mm長、35mm長、40mm長、45mm長、50mm長、55mm長、60mm長、65mm長、又は70mm長などであり得る。これらの熱可塑性繊維の特性はまた、繊維の直径(キャリパー)を変化させることによっても調整することができる。これらの熱可塑性繊維の直径は、典型的に、デニール(9000メートル当たりのグラム)又はデシテックス(10,000メートル当たりのグラム)のいずれかに関して定義される。エアレイド製造機械で使用されるとき、好適な2成分型熱可塑性繊維は、例えば約1.4〜約10デシテックス、及び約1.7〜約7デシテックスなどの、約1.0〜約20デシテックスの範囲のデシテックスを有し得る。
【0107】
これら熱可塑性材料の、特に熱可塑性繊維の圧縮弾性率もまた重要であり得る。熱可塑性繊維の圧縮弾性率は、それらの長さ及び直径だけではなく、それらが作製されるポリマー又はポリマー類の組成及び特性、繊維の形状及び構成(例えば、同心であるか偏心であるか、捲縮しているか捲縮していないか)などの要因によっても影響される。これらの熱可塑性繊維の圧縮弾性率における違いを使用して、特性、特に対応する熱結合された繊維性マトリックスの密度特性を変化させることができる。
【0108】
任意選択的な層としてはまた、典型的には結合剤繊維としては機能しないが、繊維性ウェブの機械的特性を変化させる合成繊維が挙げられ得る。合成繊維は、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル(オーロンなど)、ポリ酢酸ビニル、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル、2成分繊維、3成分繊維、これらの混合物などを含む。これらとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(例えば、DACRON(商標)及びKODEL(商標))、高融点捲縮ポリエステル繊維(例えば、Eastman Chemical Co.により作製されたKODEL(商標)431)親水性ナイロン(HYDROFIL(商標))などのポリエステル繊維が挙げられ得る。好適な繊維は、親水化させた疎水性繊維、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどから誘導された、界面活性剤処理又はシリカ処理された熱可塑性繊維などであってもよい。非結合熱可塑性繊維の場合、それらの長さは、これらの繊維に望ましい特定の特性に応じて変化し得る。典型的には、それらは、約0.3〜7.5cm、例えば、約0.9〜約1.5cmなどの長さを有する。好適な非結合熱可塑性繊維は、約1.5〜約35デシテックス、例えば、約14〜約20デシテックスなどの範囲のデシテックスを有し得る。
【0109】
分散層
第1及び第2の分散層は、着用者の皮膚から体液を吸い取って、放出後快適な着用の継続を容易にするために有用である。一実施形態では、第1及び第2の積層体の第1及び第2の分散層は、互いに面するのみならず、オフセットした様式で接合されてコアの一部を形成する。分散層は、セルロース及び代替木材パルプのうちの1つ以上を含む。これは、エアレイドの形態であってもよい。エアレイドは、化学的に又は熱的に結合されていてもよい。特に、エアレイドは、マルチボンドエアレイド(MBAL)であってもよい。この場合、分散層は、エアレイドをそれ自身に、及び隣接する分散層、超吸収性層、又は他の追加の(任意選択的な)層に少なくとも部分的に結合する繊維性熱可塑性接着材料を更に含み得る。シャーシの任意選択的な層に好適である同じ材料が、分散層での使用に好適であると想定されることに留意するべきである。第1及び第2の分散層の各々の坪量は、80gsm、80gsm、100gsm、110gsm、120gsm又は130gsm〜140gsm、150gsm、160gsm、180gsm、200gsm、220gsm又は240gsmの範囲である。第1及び第2の積層体の分散層の各々の好ましい坪量は、135gsmである。
【0110】
バリアカフ
失禁パッド10は、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230B、並びにシャーシ20の衣類に面する表面20B上に配設された固定用接着剤211を更に含み得る。示されるように、固定用接着剤211は、吸収性コア205と同じ程度に横方向に延在し得ない。したがって、パッド巻きが低減された構造が有用となる。
【0111】
第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、任意の好適な位置でシャーシ20に取り付けられ得る。例えば、示されるように、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、シャーシ20の着用者に面する表面20Aに取り付けられてもよい。示されるように、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、一次トップシート203に取り付けられる。いくつかの形態では、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、シャーシ20の衣類に面する表面20Bに取り付けられ得る。例えば、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、バックシート207に取り付けられてもよい。他の好適なバリアカフのいくつかの例は、米国特許第4,695,278号、同第4,704,115号、同第4,795,454号、同第4,909,803号、米国特許出願公開第2009/0312730に記載されている。
【0112】
示されるように、いくつかの形態では、第1のバリアカフ230Aは、第1のカバー231及び第1の弾性部材233を含む。第2のバリアカフ230Bは、第2のカバー235及び第2の弾性部材237を含む。示されるように、第1のカバー231は第1の弾性部材233を完全に包囲し得る。同様に、第2のカバー235は第2の弾性部材237を完全に包囲し得る。
【0113】
第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bはシャーシ20に取り付けられた別個の要素として示されているが、任意の好適な構成を利用してもよい。例えば、第1のカバー231及び/又は第2のカバー235は、一次トップシート203の一部分、及び/又はバックシート207の一部分を含み得る。こうした形態では、第1のバリアカフ230A及び/又は第2のバリアカフ230Bは、シャーシ20と一体に形成されてもよい。第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bがシャーシ20と一体に形成されている形態を図2に示し、以下に述べる。
【0114】
図2を参照すると、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、任意の好適な手段によって第1のカバー231及び第2のカバー235にそれぞれ取り付けられてもよい。一例では、第1の弾性部材は、第1のカバー231に接着によって取り付けられてもよい。同様に、第2の弾性部材237も第2のカバー235に接着によって取り付けられてもよい。例えば、示されるように、第1の接着剤部分251及び253は、弾性部材233及び237をそれらそれぞれのカバー231及び235に取り付けてもよい。同様に、第2の接着剤部分255及び257は、それらのそれぞれのカバー231及び235を一次トップシート203に取り付けてもよい。後述するように、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、それぞれ、一部分でのみ第1のカバー231及び第2のカバー235に取り付けることができる。第1の弾性部材233及び/又は第2の弾性部材237が、それらそれぞれのカバー231及び235と共に、又はこれらとは独立して、シャーシ20に取り付けられる更なる形態が企図される。
【0115】
図2を参照すると、弾性部材233及び237は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向内側に配設され得る。その他の形態では、弾性部材233及び237は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向外側に配設され得る。更にその他の形態では、弾性部材233及び237は、第1の端部区域40及び第2の端部区域48では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向内側に配設されてもよいが、中間区域44では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向外側に配設されてもよい。弾性部材233及び237が、第1の端部区域40では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向内側に配設されるが、中間区域44及び/又は第2の端部区域48では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの外側に配設される、更なる形態が企図される。
【0116】
バリアカフに含まれる弾性部材は、様々な糊剤長さで、様々な糊剤、並びに糊剤量及び配置を使用して接着され得る。糊剤の配置は、特にコアの可撓性を念頭に置いて設計する場合に考慮すべきである、更なる別の変数である。弾性部材及びカバーの糊剤接着は、パッド上に固定点を作り出す。
【0117】
本発明のバリアカフのカバーは、異なるMD及びCDの可撓性を有する様々な種類の不織布から製造することができる。カバーは、例えば接着剤のスロットコーティングされたストライプ、糊剤ビーズ、超音波シール、又はその他の好適な結合剤によって吸収性物品のトップシートに結合することができる。本発明の特定の形態では、例えば、圧着、又は例えば接着剤などのその他の好適な結合剤を用いるなどして、パッドの側縁部22及び24でカバーをバックシートに結合させてもよい(図1を参照)。
【0118】
弾性部材は任意の好適な弾性材料からなってもよい。いくつかの好適な例としては、Spandex(商標)若しくはその他の同様なポリウレタン、天然若しくは合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、メタロセンポリオレフィン、Lycra(商標)、又は当該技術分野で既知の任意の他の好適なエラストマー材料が挙げられる。弾性部材は、加工を容易にするために、物品の使用中に耐久性を有し、かつ400%もの高いひずみ下でも優れた弾性(ひずみ後の回復)を示すことが好ましい。
【0119】
加えて、本開示の弾性部材は任意の好適なデシテックスを含み得る。その他の形態では、弾性部材は680以下のデシテックスを含み得る。その他の形態では、弾性部材は680〜470、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作り出される任意の範囲内の全ての数値を含むデシテックスを有し得る。
【0120】
第1のバリアカフ230Aと第2のバリアカフ230Bとの間の最小間隔は、主に女性の解剖学的形状によって生じ得る。しかしながら、バリアカフ(及びそれらのそれぞれの弾性部材)が、吸収性コア205から過度に外側に配設され、吸収性コア205から過度に内側に配設された場合は、トレードオフが発生する場合がある。そのため、それぞれのバリアカフの最遠位弾性部材間の間隔は慎重に選択するべきである。最狭幅から開始して、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bの最遠位弾性部材間の間隔は、パッドに加えられるであろう力も考慮に入れつつ、使用中に吸収性コア205への十分なアクセスを可能とするのに十分なだけ大きくあるべきである。狭過ぎる場合、吸収性コア205の一部分へのアクセスは妨げられる場合があり、これにより、バリアカフ230A及び230Bが存在するにもかかわらず漏出が生じる可能性がある。本発明のいくつかの形態では、互いに対して最遠位にある第1のバリアカフ230Aの弾性部材と第2のバリアカフ230Bの弾性部材との間の最小間隔は、少なくとも20mmであり得る。任意の好適な間隔を利用してもよい。例えば、本発明のいくつかの形態では、間隔は、約20mm以上、約30mm超、約33mm超、約35mm超、約40mm超、約45mm超、約50mm超、約54mm超、約60mm超、約65mm超、70mm以下、又は約65mm未満、又は約60mm未満、約55mm未満、約50mm未満、約45mm未満、約40mm未満、約35mm未満、約30mm未満、約25mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲又はこれらによって作り出される全ての範囲内の全ての値が含まれる。
【0121】
折り目
フィットに寄与する更に別の要素は、パッドの折れ又は折り目である。パッドを消費者がより手軽に使えるように、かつ輸送及び保管を容易にするために、パッドは、一般に1つ以上の折れを含む。加えて、パッドを折り畳むことは、保管中の弾性クリープの可能性を低減させ得る。しかしながら、これらの折り目は、弾性力が作用してパッド形状を変形させ得る屈曲点として作用する場合がある。また、上述した固定点と同様に、折り目を過度に越えて配設された固定点は問題となり得る。折り目を過度に越えて配設された固定点は、MD方向でパッドに作用するトルクレバーアームを増加させ、パッド巻き、及び/又は折り畳まれた状態へのパッドの折り返しを生じさせ得る。
【0122】
図1を再び参照すると、失禁パッド10は、第1の折り目50及び第2の折り目55を更に備え得る。第1の折り目50は、第1の端部区域40と中間区域44との間の境界を画定し得る。第2の折り目55は、第2の端部区域48と中間区域44との間の境界を画定し得る。第1の端部区域40は、端縁部26、第1の折り目50、並びに端縁部26と第1の折り目50との間に配設された側縁部22及び24の一部分によって画定され得る。中間領域44は、第1の折り目50、第2の折り目55、並びに第1の折り目50と第2の折り目55との間に配設された側縁部22及び24の一部分によってであり得る。第2の端部区域48は、第2の折り目55、端縁部28、並びに端縁部28と第2の折り目55との間に配設された側縁部22及び24の一部分によって画定される。折り目50及び55は、失禁パッド10の包装プロセスを介して作り出された折れに対して平行かつ同一線状(平均で)であり得る。
【0123】
いくつかの形態では、第1の折り目50及び第2の折り目55は、折り目50及び55がパッドを三分割するように構成され得る。他の形態では、第1の折り目50は端縁部28に向かってオフセットされてもよく、第2の折り目55は端縁部28に向かってオフセットされてもよい。こうした形態では、これは、パッドが折り畳まれた構成にあるときに、第2の端部区域48が中間区域44と第1の端部区域40との間に折り込まれることを可能にし得る。
【0124】
追加の特徴部
本発明のいくつかの形態では、失禁パッド又は生理用ナプキンは、ウィングを備え得る。ウィングは、失禁パッドに追加の漏れ防止を提供することができ、パッドをユーザの下着に固定するのを助けることができる。当該技術分野で既知の任意の好適なウィング構成を用いてもよい。
【0125】
全ての構成要素が、当該技術分野において既知のホットメルト接着剤などの接着剤を用いて一体に接着され得る。接着剤は、フィンドレイ(Findlay)H2128UN又はサバレ(Savare)PM17であり得、ダイナファイバー(Dynafiber)HTWシステムを用いて適用され得る。
【0126】
図2によると、パッドは、使用中、かかる目的に好適な任意の支持具又は取り付け具によって定位置に保持され得る。本発明の特定の形態では、パッドはユーザの下着又はパンティ内に配置され、固定用接着剤211によってこれらに固定される。固定用接着剤211は、ユーザのパンティ股部内にパッドを固定する。シャーシ20の衣類に面する表面20Bの一部又は全部が、固定用接着剤211でコーティングされる。こうした目的に好適な任意の接着剤又は糊剤が、例えば、感圧接着剤を用いた本明細書の固定用接着剤211に用いられ得る。好適な接着剤としては、例えばCentury Adhesives Corporation(Columbus,Ohio)製のCentury A−305−IV、及びNational Starch and Chemical Company(Bridgewater,N.J.)製のInstant Lock 34−2823が挙げられる。好適な接着剤締結具は、米国特許第4,917,697号でも説明されている。使用時に吸収性物品を配置する前、この感圧性接着剤は、典型的に、使用前に接着剤が乾燥するのを防ぐため、又はパンティの股部分以外の表面に付着するのを防ぐため、除去可能な剥離ライナーで被覆されている。好適な剥離ライナーは、米国特許第4,917,697号及び同第4,556,146号でも説明されている。こうした目的に一般的に用いられる商業的に入手可能な任意の剥離ライナーを本明細書で使用してよい。好適な剥離ライナーの非限定的な例は、BL30MG−A Silox E1/0及びBL30MG−A Silox 4P/Oであり、これらの両方は、Akrosil Corporation(Menasha,Wis)によって製造されている。パッドは、剥離ライナーを取り外し、その後接着剤がパンティに接触するように吸収性物品をパンティに配置することによって使用することができる。接着剤は、使用中の吸収性物品をパンティ内の所定の位置に保持する。剥離ライナーは、個別にパッドを包装することができる包装材であってもよい。
【0127】
再び、本明細書での考察の大部分は、失禁パッド及び生理用ナプキン周辺であるが、本発明はまた、テープ式おむつ、着用式トレーニングパンツ、成人用失禁おむつ及びパンツ、並びに使用後に使い捨て可能な、又は耐久性のあるパンティ若しくは下着に挿入され取り外され得る、失禁及び経血の収集のための取り換え式パッドに有用であると想定される。
【0128】
試験方法
物品長さ方法
吸収性物品の全体的な長さは、長手方向中心線に沿ったパッドの前方先端部とパッドの後方先端部との間の距離として測定する。測定は、NIST又は等価物に基づいて較正済みのスチールメタル定規を使用して行う。試験に先立ち、試験サンプルを23℃±2℃、及び相対湿度50%±2%で2時間調整し、これらの同じ環境条件下で全ての試験を実施する。
【0129】
試験サンプルを包装材から取り出し、存在する場合には剥離紙を取り外してパンティ固定用接着剤(PFA)を露出させる。タルク粉末をバックシート上のPFAに塗布して粘着性を軽減させる。物品をその前方先端部より垂直に吊るす。500g±1gのおもりを後方先端部に取り付けて、物品が自由に吊り下がるようにする。30秒後、物品の長手方向中心線に沿って物品の長さを1mm単位で測定し、物品長さ(AL)として記録する。同様に、少なくとも合計4つの複製試験サンプルに対して繰り返す。相加平均を計算し、1mm単位で報告する。
【0130】
パッド厚さ方法
吸収性物品の厚さは、吸収性物品が静置されている参照プラットフォームと、特定の時間量にわたり物品上に特定の圧力量をかける押さえとの間の距離として測定する。パッド厚は、単一の製品のスタックの高さ、及び個々の包装されていないパッドのキャリパとして測定してもよい。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施する。
【0131】
パッド厚は、試験サンプル上に0.88kPaの定常圧力をかけることが可能な押さえを備えた手動式マイクロメータで測定する。手動式マイクロメータは、0.001mmまで正確に読み取る自重式の器具である。好適な器具は、VWR Internationalより入手可能なMitutoyoシリーズ543 ID−C Digimatic、又は等価物である。押さえは、直径40mmを有する平丹な底面の円形の可動式の面である。試験サンプルを、押さえの面よりも大きく、これに対して平行である水平平面の参照プラットフォームによって支持する。システムを製造者の指示に従って較正し、作業する。
【0132】
試験サンプルをその最外層の包装(例えばポリ袋)から取り出し、試験に先立ち、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%に少なくとも2時間維持した室内で調整する。単一の製品のスタックの高さを測定するために、存在する任意の包装材の内側に折り畳まれたままのパッドについて厚さ測定を行う。試験位置は、その包装材中の試験サンプルの長手方向及び横方向の中間点として定義される。水平平面参照プラットフォームに対してマイクロメータをゼロ点調整する。試験位置が押さえの下で中心となるようにプラットフォーム上に試験サンプルを配置する。試験サンプルを、露出しているか、又は固定されている包装材のいずれかの縁部を、押さえではなくプラットフォームに面するように配向する。試験サンプル上に全圧がかかるまで、1秒当たり0.8mm±0.1mmの下降速度で押さえを緩やかに下げる。5秒待ち、次いで0.01mm単位で試験サンプルの厚さを記録する。同様に、少なくとも合計4つの複製試験サンプルに対して繰り返す。単一の製品のスタック高さの相加平均を計算し、0.01mm単位で報告する。
【0133】
個々の包装されていないパッドのキャリパを測定するために、試験サンプルをその包装材から取り出す。折り畳まれている場合は、緩やかに広げ、全ての皺を伸ばす。剥離紙が存在する場合には取り外して、パンティ固定用接着剤(PFA)を露出させる。タルク粉末をバックシート上のPFAに塗布して粘着性を軽減させる。試験位置は、試験サンプルの吸収性コアの長手方向及び横方向の中間点として定義される。既に述べたように、試験サンプルのトップシート側を押さえに向けて配向して、厚さ測定を進める。同様に、少なくとも合計4つの複製試験サンプルに対して繰り返す。パッド厚の相加平均を計算し、0.01mm単位で報告する。
【0134】
バルーン加圧での捕捉速度方法&再湿潤方法
SABAP(バルーン加圧での捕捉速度)試験方法は、1.7kPaで圧縮された吸収性物品に、既知の体積の0.9%生理食塩水が吸収される速度を測定するように、設計されている。用量を吸収するのに必要な時間を記録する。捕捉試験の後、PACORM(捕捉後コラーゲン再湿潤試験方法)を実施する。この試験は、SABAPプロトコルによる搭載後の圧力下で物品から圧出される流体の量を測定することを含む。コラーゲンシートを再湿潤基材として使用する。好適なコラーゲンは、Naturin Coffiコラーゲンシート(Viscofan USA Inc.(50 Country Court,Montgomery,AL36105,USA)から入手可能)、又は等価物である。コラーゲンシートは受け取り後、約23℃±2℃、及び相対湿度約50%±2%で保管する。全ての試験もまた、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で維持された室内で実施する。
【0135】
SABAP装置を、図6及び図7に示す。これはゴム嚢アセンブリ1001と、付着アセンブリ1100を含むトッププレートアセンブリ1200とからなる。コントローラ1005は、1)電極1106間のインピーダンスを監視し、0.9%生理食塩水がシリンダ1102内にある時間間隔を記録する、2)液体ポンプ1004とインターフェースで接続し、吐出を開始/停止させる、3)用量適用の時間間隔を計る、のために使用される。コントローラは、タイムイベントを±0.01秒まで記録することが可能である。住宅用給気器1014を、好適な流量/圧力で空気を送達可能な圧力調節器1006に接続して、ゴム嚢アセンブリ内を1.7kPaに維持する。速度2〜20mL/秒で2〜120mLの流量を送達可能な液体ポンプ1004(Cole Palmer(Vernon Hills、IL)から入手可能なIsmatec MCP−Zギヤポンプ、又は等価物)を、Tygon(登録商標)チューブ1015を介して、付着アセンブリ1100のスチールチューブ1104に取り付ける。
【0136】
ゴム嚢アセンブリ1001は、12.7mmのPlexigla(登録商標)で構成され、全体的な寸法が、長さ80cm、幅30cm、高さ5cmである。アセンブリ内の圧力を測定するマノメータ1007、及びアセンブリへの空気導入を調節する圧力計1006を、右側を通る2つの穴を通して設置する。ゴム嚢1013は、50mm×100mmのシリコーンフィルム片(厚さ0.05cm(0.02インチ)、ショアAデュロメータ値20、McMaster−Carr(Cleveland,OH)から部品番号86435K85として入手可能)をドレープ状にすることによって箱の上に組み立て、ラテックスが箱底面のその中心点に触れるように十分にたるませる。フランジを備えたアルミニウムフレーム1003を、ラテックスの上にフィットさせ、機械的クランプ1010を使って定位置に固定する。定位置にあるとき、このアセンブリは圧力3.45kPaで漏れが生じない状態であるべきである。前側1008と後側1009のサンプルサポート(5cm×30cm×1mm)を使用して、サンプルを固定する。接着テープ又は機械的「フック」締着具のいずれかによって、物品をサンプル支持具の上表面に取り付ける。これらの支持具は、単純なピンと穴のシステムを介して、アルミニウムフレーム1003の長さに沿って調節して、異なる寸法の吸収性物品を収容し、それらの負荷ポイントを正確に揃えることができる。
【0137】
トッププレートアセンブリ1200は、剛性を向上するためにアルミニウムフレーム1109で補強された12.7mmのPlexiglas(登録商標)の80cm×30cm片で構成される。付着アセンブリ1100は、プレートアセンブリの前側から30cm(1201)、両側からそれぞれ15cm(1203)の位置に中央合わせされる。付着アセンブリは、内径38.1mmを有する、外径50.8mmのPlexiglas(登録商標)シリンダ1102として作製される。シリンダは高さ100mmであり、トッププレート1101を通して挿入され、プレート1101の底面と面一である。2つの電極1106は、トッププレート及びシリンダを通して挿入され、その先端が、シリンダ底面のすぐ上のシリンダの内壁と面一で出る。ナイロン製スクリーン1107を2つの半円形に切り、これをシリンダの底面と面一に取り付けて、サンプルが膨潤してシリンダに入り込めないようにする。シリンダの上部には、ゆるくフィットしたナイロン製キャップ1103を取り付ける。キャップは、その中心に挿入された外径6.35mmのスチールチューブ1104を有する。キャップが定位置にあるとき、チューブの底面が、スクリーン1107から20mm上(1108)で終端する。キャップはまた空気穴1105を有し、陰圧が吸収速度を妨げないことを保証する。加えて、トッププレートは、図7に示されるように分布してドリルで穴開けした直径3.2mmの穴を44個有する。この穴は、ゴム嚢が膨らんでも、流体を逃がすことなく、空気がトッププレートの下に閉じ込められるのを防ぐためのものである。トッププレートアセンブリ1200は、2つのヒンジ1012を介してゴム嚢アセンブリ1001に接続されている。使用中、トップアセンブリはゴム嚢アセンブリの上に閉じられ、機械的クランプ1011を用いて定位置にロックされる。
【0138】
PACORM装置は、直径60.0mm、厚さ20mmのPlexiglas(登録商標)ディスク、及びその上に静置される閉じ込め錘からなる。ディスクと閉じ込め錘との組み合わせた質量は、6.9kPaの圧力と等しい2000g±2gである。再湿潤試験中に使用するために、コラーゲンを90.0mmの円形にダイカットし、4つのスタックを組み立てる。乾燥コラーゲンスタックの質量を測定・記録し、0.0001g単位で記録する。
【0139】
試験前に、23℃±2℃、及び約50%±2%の相対湿度で2時間、サンプルを予備調整する。まず、内側又は外側レッグカフ、腰部キャップ、弾性耳部、又はサイドパネルを(存在する場合)切除し、物品のコア区域の上にあるトップシートを邪魔しないように処理することによって、物品を調製する。この物品を実験台の上に平らに置き、物品の長手方向中心線と横方向中心線との交点を特定する。
【0140】
物品の前端部を、接着テープ又は機械的「フック」締着具のいずれかによって、トップシートを上に向けて、前側サンプルプレート1008の上表面に取り付ける。この配置により、シャーシだけが(吸収性コアではなく)プレートに重なる。トッププレートアセンブリが閉じたときに、物品の吸収性コアがシリンダ1102内で長手方向及び横方向に中心が揃うように、サンプルプレート1008をアルミニウムフレーム1003に取り付ける。物品の裏端部は接着テープ又は機械的「フック」締着具のいずれかによって裏側サンプルプレート1009に固定され、ここでも、吸収性コアではなくシャーシのみがプレートに重なるようにする。次いで、物品がピンと張っている(taunt)が延伸しないように、裏側のサンプルプレート1009をアルミニウムフレーム1003に取り付ける。トッププレートアセンブリを閉じて固定し、ゴム嚢を1.7kPaに膨らませる。
【0141】
0.9%w/v生理食塩水は、9.0g±0.05gのNaClを計量ボート中で計量し、それを1Lのメスフラスコに移し、容積まで脱イオン水で希釈することによって調製する。ポンプ1004に迎え水を入れ、次いで表2に定義された各寸法に依存した体積及び流量を送達するように較正する。
【0142】
【表2】
【0143】
体積と流量は標的の±2%以内でなければならない。キャップ1103をシリンダ1102に嵌める。コントローラ1005を始動させ、次に0.9%生理食塩水溶液の規定の用量を送達する。流体が製品外又は製品の周りに漏出する場合(即ち、物品内に吸収されていない場合)、試験を中止する。また、捕捉時間が1200秒を超えた場合も、試験を中止する。捕捉時間を、0.01秒単位でコントローラによって記録する。
【0144】
試験が完了した(即ち、用量が吸収された)5分後、圧力解放弁1016を開放して、ゴム嚢をしぼませ、PACORM(捕捉後コラーゲン再湿潤方法)評価のためにサンプル物品をゴム嚢システムから取り外す。
【0145】
30秒以内に試料を台上に平らに配置し、事前に計量したコラーゲンの重なりを物品の吸収性コアの長手方向と横方向の中間点に合わせて配置し、コラーゲンスタック上の中央にPlexiglas(登録商標)ディスクを配置し、閉じ込め錘をディスクの上に静かに配置する。30.0秒±0.5秒待ち、錘を除去する。湿ったコラーゲンの質量を直ちに測定し、0.0001g単位で記録する。再湿潤値を、スタックの湿潤重量と乾燥重量との差として算出し、0.0001g単位で記録する。
【0146】
同様に、評価する各物品に対して少なくとも合計5つの複製を実施する。0.01秒単位の相加平均として、捕捉時間を計算し報告する。少なくとも5つの複製についての再湿潤を、0.0001g単位の相加平均として計算する。
【0147】
バンチ圧縮試験方法
サンプルのバンチ圧縮を、測定する力がセルの限界の10%〜90%以内であるロードセルを使用して、定速の延伸引張試験機(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、Testworks4.0Softwareを使用するMTS Alliance、又は等価物である)で測定する。全ての試験は、23℃±3℃、及び相対湿度50%±2%に制御された室内で実施する。試験は湿潤状態又は乾燥状態で実施することができる。
【0148】
図8では、底面固定取付具3000は、各々100mm幅で、各々がそれぞれの可動式プラットフォーム3002a、3002b上に取り付けられた2つの合致するサンプルクランプ3001からなる。このクランプは、長さ110mmの「ナイフエッジ3009を有し、これを厚さ1mmの硬質ゴム面3008に向かって押し付ける。
【0149】
クランプは、閉じたときに、それぞれのプラットフォームの内側と面一になる。クランプは、束になっていない試料を水平に、かつ引張試験機の引張軸に対して直角に保持するように揃えられる。プラットフォームをレール3003上に取り付ける。レール3003は、プラットフォームが左右水平に移動し、かつ所定の位置で係止されることを可能にする。レールは、引張試験機のマウントと適合し、プラットフォームを引張試験機の引張軸に対して水平かつ直角に固定することが可能なアダプタ3004を有する。上部取付具2000は、70mmの合計長さ、及び25.0mmの直径を有する円筒形プランジャ2001である。接触面2002は平坦であり、曲面はない。プランジャ2001は、ロードセルのマウントと適合し、プランジャを引張試験機の引張軸に対して直角に固定することが可能なアダプタ2003を有する。
【0150】
試験前に、サンプルを23℃±3℃、及び相対湿度50%±2%で少なくとも2時間調整する。物品全体を試験するときは、物品の衣類に面する側にあるパンティ固定用接着剤から剥離紙を除去する。接着剤にタルク粉末を軽く塗布して、べたつき感を軽減する。カフがある場合ははさみで切除し、製品のトップシートに影響しないようにする。物品の身体に面する表面を上にして、ベンチ上に置く。物品上で、長手方向中心線と横方向中心線との交点を特定する。長方形の切断ダイを使用して、試料を、中心線の交点を中心として、長手方向に100mm、横方向に80mmに切断する。物品の吸収性部分だけを試験する場合は、ベンチ上にその吸収性本体を置き、物品に一体化されるように配向する(すなわち、身体に面する表面と、横方向軸及び長手方向軸を特定する)。長方形の切断ダイを使用して、試料を、中心線の交点を中心として、長手方向に100mm、横方向に80mmに切断する。
【0151】
試料は、湿潤時と乾燥時の両方で分析することができる。乾燥試料には、更なる調製は不要である。湿潤した試料に0.9%w/vの生理食塩水(即ち、1Lの脱イオン水に希釈した9.0gのNaCl)を適用する。試料に添加した液体の体積を、以下の表3に従って、試験されるパッドの全体的な長さによって決定する。
【0152】
【表3】
【0153】
較正されたエッペンドルフ型ピペットを使用して用量を付加し、およそ3秒の期間内に試料の身体に面する表面全体にわたって流体を広げる。湿潤試料は、用量が適用された後、10.0分±0.1分で試験する。
【0154】
引張試験機のプログラミングによりロードセルのゼロ点調整を行い、次にプランジャの接触表面が試料に触れ、0.02Nがロードセルで読み取られるまで、上側器具を2.00mm/秒で下げる。クロスヘッドをゼロ点調整する。システムのプログラミングによりクロスヘッドを2.00mm/秒で15.00mm下げ、次に直ちにクロスヘッドを2.00mm/秒で15.00mm上げる。このサイクルを、サイクル間で遅延なく、合計5サイクル繰り返す。全ての圧縮/圧縮解除サイクル中のデータを100Hzで収集する。
【0155】
左プラットフォーム3002aを上部プランジャの側面から2.5mm(距離3005)に位置付ける。左側プラットフォームを位置に固定する。このプラットフォーム3002aは実験全体を通して固定した状態を維持する。右プラットフォーム3002bを固定クランプから60.0mm(距離3006)に揃える。上部プローブ2001が試料の搭載を妨害しないように、上部プローブ2001を上げる。両方のクランプを開く。図9aを参照すると、長手方向縁部(即ち長さ100mmの縁部)を有する試料をクランプの内側に配置する。試料を横方向に中心にして、両方の縁部をしっかり固定する。図9bを参照すると、右プラットフォーム3002bを、固定プラットフォーム3002aに向かって20.0mmの距離を移動させる。移動式のプラットフォームが位置付けられたときに、試料を上向きに折り曲げる。プローブ2001を、底面が、折り曲げられた試料の上面から約1cm上になるまで手動で押し下げる。
【0156】
試験を開始し、5回のサイクル全てについて、変位(mm)対力(N)のデータを収集する。力(N)対変位(mm)のグラフを、全てのサイクルについて個別に作成する。代表的な曲線を図10aに示す。曲線から、各サイクルについての最大圧縮力を0.01N単位で記録する。第1のサイクルと第2のサイクルとの間の回復%を(TD−E2)/(TD−E1)100として計算し、式中、TDは合計変位であり、E2は0.02Nを超える第2の圧縮曲線における延伸である)。0.01%単位で記録する。同様の様式で、第1のサイクルと他のサイクルとの間の回復%を、(TD−Ei)/(TD−E1)*100として計算し、0.01%単位で報告する。図10bを参照すると、サイクル1の圧縮エネルギーを圧縮曲線下の面積(即ち面積A+B)として計算し、0.1mJ単位で記録する。圧縮曲線と圧縮解除曲線との間の面積(即ち領域A)として、サイクル1のエネルギー損失を計算し、0.1mJ単位で報告する。圧縮解除曲線下の面積(即ち領域B)として、サイクル1の回復エネルギーを計算し、0.1mJ単位で報告する。同様に、他のサイクルの各々について圧縮エネルギー(mJ)、エネルギー損失(mJ)、及び回復エネルギー(mJ)を計算し、0.1mJ単位で記録する。各サンプルについて、合計5回の複製を分析し、各パラメータの相加平均を報告する。全ての結果を正の数字、具体的には、乾燥又は適用体積を含む湿潤として報告する。
【0157】
実施例−パートA
A.吸収性物品であって、
a.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、
b.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、
c.その長さに沿って前端部分、中央部分、及び後端部分を有する吸収性コアであって、当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設された、吸収性コアと、を備え、
当該物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品。
B.当該物品が、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約10秒未満の捕捉時間を呈する、段落Aに記載の吸収性物品。
C.当該物品が、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約9秒未満の捕捉時間を呈する、段落Bに記載の吸収性物品。
D.当該物品が、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約8.5秒未満の捕捉時間を呈する、段落Cに記載の吸収性物品。
E.当該物品が、パッド厚さ方法に従って、約4.6mm〜約8.5mmの乾燥パッド厚を呈する、段落Aに記載の吸収性物品。
F.当該物品が、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.5mJ〜約9mJの回復エネルギーを呈する、段落Aに記載の吸収性物品。
G.当該物品が、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.8mJ〜約8mJの回復エネルギーを呈する、段落Fに記載の吸収性物品。
H.当該コアが、a)第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を含む第1の積層体と、b)第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、当該第1の分散層が、当該第2の分散層に接合されている、段落A〜Gのいずれか1つに記載の段落の吸収性物品。
I.当該コアの当該中央部分が、当該第1及び第2の積層体の重なった接合部から形成されるように、当該第1の分散層が、コアの長さに沿ってオフセットした様式で当該第2の分散層に接合されている、段落Hに記載の吸収性物品。
J.当該前端部分及び当該後端部分が、当該コアの当該中央部分の対向する端部にそれぞれ配設されている、段落Jに記載の吸収性物品。
K.当該第1及び第2の超吸収性層が、互いに異なる横断方向の幅を有する、段落Hに記載の吸収性物品。
L.当該第1の超吸収性層が、当該第2の超吸収性層よりも狭い横断方向の幅を有する、段落Hに記載の吸収性物品。
M.当該第1及び第2の超吸収性層の各々が、それぞれ隣接する第1又は第2の分散層の横断方向の幅の50%を超えて広がっている、段落Hに記載の吸収性物品。
N.当該第1又は第2の超吸収性層が、エアフェルトを実質的に含まない、段落Hに記載の吸収性物品。
O.当該第1の超吸収性層が、第1の分散層上に不連続に配設されている、段落H〜Nのいずれか1つに記載の吸収性物品。
P.当該第2の超吸収性層が、連続したパターンで配設されている、段落H〜Nのいずれか1つに記載の吸収性物品。
Q.当該第1及び第2の積層体が、同じである横断方向の幅を有する、段落H〜Pのいずれか1つに記載の吸収性物品。
R.当該第1及び第2の積層体が、異なっている横断方向の幅を有する、段落H〜Qのいずれか1つに記載の吸収性物品。
S.当該第1及び第2の積層体が、同じである縦方向の長さを有する、段落H〜Rのいずれか1つに記載の吸収性物品。
T.当該第1及び第2の積層体が、異なっている縦方向の長さを有する、段落H〜Rのいずれか1つに記載の吸収性物品。
U.当該第1及び第2の分散層が、それぞれ、エアレイド材料を含む、段落H〜Tのいずれか1つに記載の吸収性物品。
V.当該第1及び第2の積層体が、それぞれ、同じ積層体の対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する、段落H〜Uのいずれか1つに記載の吸収性物品。
W.吸収性物品であって、
a.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、
b.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、
c.当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、当該コアが、対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する第1の積層体を更に備え、当該第1の積層体が、第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を備え、
当該物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品。
X.当該コアが、対応する第2の端部に対して形状が相補的である第1の端部を有する第2の積層体を更に備え、当該第2の積層体が、第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含み、当該第1の分散層が、吸収性物品の長さに沿ってオフセットした様式で当該第2の分配層に接合され、吸収性コアが、第2の積層体の第1の端部によって形成されている前端部分を有する、段落Wに記載の吸収性物品。
Y.当該物品が、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約10秒未満の捕捉時間を呈する、段落Xに記載の吸収性物品。
Z.当該物品が、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約9秒未満の捕捉時間を呈する、段落Yに記載の吸収性物品。
AA.当該物品が、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約8.5秒未満の捕捉時間を呈する、段落Zに記載の吸収性物品。
BB.当該物品が、パッド厚さ方法に従って、約4.6mm〜約8.5mmの乾燥パッド厚を呈する、段落Xに記載の吸収性物品。
CC.当該物品が、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.5mJ〜約9mJの回復エネルギーを呈する、段落Xに記載の吸収性物品。
DD.当該物品が、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.8mJ〜約8mJの回復エネルギーを呈する、段落CCに記載の吸収性物品。
EE.当該コアが、a)第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を含む第1の積層体と、b)第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、当該第1の分散層が、当該第2の分散層に接合されている、段落A〜Gのいずれか1つに記載の段落の吸収性物品。
FF.当該コアの当該中央部分が、当該第1及び第2の積層体の重なった接合部から形成されるように、当該第1の分散層が、コアの長さに沿ってオフセットした様式で当該第2の分散層に接合されている、段落EEに記載の吸収性物品。
GG.当該前端部分及び当該後端部分が、当該コアの当該中央部分の対向する端部にそれぞれ配設されている、段落W〜FFのいずれか1つに記載の吸収性物品。
HH.当該第1及び第2の超吸収性層が、互いに異なる横断方向の幅を有する、段落W〜GGのいずれか1つに記載の吸収性物品。
II.当該第1の超吸収性層が、当該第2の超吸収性層よりも狭い横断方向の幅を有する、段落W〜HHのいずれか1つに記載の吸収性物品。
JJ.当該第1及び第2の超吸収性層の各々が、それぞれ隣接する第1又は第2の分散層の横断方向の幅の50%を超えて広がっている、段落W〜IIのいずれか1つに記載の吸収性物品。
KK.当該第1又は第2の超吸収性層が、エアフェルトを実質的に含まない、段落W〜JJのいずれか1つに記載の吸収性物品。
LL.当該第1の超吸収性層が、第1の分散層上に不連続に配設されている、段落W〜KKのいずれか1つに記載の吸収性物品。
MM.当該第2の超吸収性層が、連続したパターンで配設されている、段落W〜LLのいずれか1つに記載の吸収性物品。
NN.当該第1及び第2の積層体が、同じである横断方向の幅を有する、段落W〜MMのいずれか1つに記載の吸収性物品。
OO.当該第1及び第2の積層体が、異なっている横断方向の幅を有する、段落W〜NNのいずれか1つに記載の吸収性物品。
PP.当該第1及び第2の積層体が、同じである縦方向の長さを有する、段落W〜OOのいずれか1つに記載の吸収性物品。
QQ.当該第1及び第2の積層体が、異なっている縦方向の長さを有する、段落W〜PPのいずれか1つに記載の吸収性物品。
RR.当該第1及び第2の分散層が、それぞれ、エアレイド材料を含む、段落W〜QQのいずれか1つに記載の吸収性物品。
SS.吸収性物品であって、
a.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、
b.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、
c.当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、当該コアが、
1)第1の分散層上に配設された第1の超吸収性層を含む第1の積層体と、
2)第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、当該第1の分散層が、吸収性物品の長さに沿って当該第2の分散層と接合され、第1又は第2の積層体のうちのいずれかが、他方よりも広い横断方向の幅を有し、
当該物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品。
TT.吸収性物品であって、
a.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する一次トップシートと、
b.身体に面する表面及び衣類に面する表面を有するバックシートと、
c.当該一次トップシートの衣類に面する表面と当該バックシートの身体に面する表面との間に配設されている吸収性コアと、を備えるシャーシを備え、当該コアが、第1の分散層上に不連続に配設された第1の超吸収性層と、第2の超吸収性層に接合された第2の分散層を含む第2の積層体と、を備え、当該第1の分散層が、当該第2の分散層に接合され、
当該物品が、物品長さ方法に従って、約250mm〜約329mmの物品長さと、バルーン加圧での捕捉速度方法に従って、20mLの負荷に対する約11秒未満の捕捉時間と、パッド厚さ方法に従って、約4.4mm〜約9.5mmの乾燥パッド厚と、バンチ圧縮方法に従って、10mLの負荷で約6.2mJ〜約10mJの回復エネルギーと、を呈する、吸収性物品。
UU.当該第1及び第2の積層体が、それらのそれぞれの分散層を介してオフセットした様式で、互いに対して接合されている、請求項TTに記載の吸収性物品。
【0158】
実施例−パートB
実施例1を、本開示に従って構築する。
【0159】
実施例1
砂時計形状を有するおよそ270mmの長さの失禁パッド又は生理用ナプキンを作製する。それは、最大で92mmの幅、及び長さの中心で78mmの幅を有する。製品は、その長さに沿って2つの折り目を有する。層は、当該技術分野で既知の適切なホットメルト接着剤を使用して接着して組み合わされる。外周は、(熱及び圧力を介して)圧着されている。パッドは、以下の構成要素を含む:
1)親水性界面活性剤で処理され、キルトパターンをプリントされている18gsmのPE/PPの2成分(シース/コア)不織布を含む一次トップシート。
2)MDに連続し、CDに59mm幅であり、45%の中空螺旋状PET繊維(10dtex、38mmステープル長)、30%のシース/コアPE/PET2成分繊維(5.8dtex)、25%の三つ葉状レーヨン繊維(3.3dtex)の材料から形成された、二次トップシート。
3)少なくとも以下の2つの積層体を備える吸収性コア。
a)第1の積層体は、39mm幅×200mm長さ(長手方向軸又は中心線上)である。積層体の全ての層は、この全長である。第1の積層体の第1の端部は、雄型接続形状の半径40mmを有し、雌型接続部である同じ積層体の第2の端部の形状を相補する、入れ子式の切り欠き部を呈する。したがって、第1及び第2の端部は、係合する。第1の超吸収性層は、10gsmのSMS PP親水性コーティングされた不織布(39mm幅)のAGM担体材料及び超吸収性粒子(AGM)の層から形成され、これは28mm幅であり、第1の積層体全体にわたって配置された、およそ10mm平方のAGMを含まない領域が形成され、ここで合計AGMが合計1.25g、その上で利用されている。第1の超吸収性層は、39mm幅で、パルプ(82.5%)、2成分繊維(15%)、及びラテックス(2.5%)で構成されたエアレイド材料(160gsm)に接合されている。
b)第2の積層体は、長手方向軸又は中心線上で59mm幅×200mm長である。第2の積層体の第1の端部は、雄型接続形状の半径40mmを有し、雌型接続形状をとる同じ積層体の第2の端部の形状を相補する、入れ子式の切り欠き部を呈する。第2の分散層は、59mm幅で、パルプ(82.5%)、2成分繊維(15%)、及びラテックス(2.5%)で構成されたエアレイド材料(160gsm)を含む。第2の超吸収性層は、10gsmのSMS PP親水性コーティングされた不織布のAGM担体材料を含み、これは59mm幅であり、48mm幅でMD及びDCに連続的なパターンで、合計2.14gのAGMを含む超吸収性粒子(AGM)の層がそこに配設されている。
【0160】
第1及び第2の積層体は、第1及び第2の分散層が、接触し、第1及び第2の積層体の第1の端部(雄型接続部又は凸部)が対向して、長手方向軸に沿って前端部分から後端部分までの合計の長さが251mmの、得られるパッドの端部を形成して配置される。
【0161】
4)バックシートは、14gsmのポリプロピレンフィルムを含む。
5)15gsmの坪量を各々有し(MDに40mmの間隔でトップシートに連続的に糊付けされ)、約34mmの内側から内側の間隔(inner to inner spacing)(CDの縁部へと続く)を有するバリアカフ不織布の第1のカバー/第2のカバー。
6)バリアカフの弾性部材又はストランドは、Lycra(登録商標)から形成されている。カフごとに、470dtexを各々有し、各々約60%延伸され、120mm糊付けされている(取り付けは先縁部からおよそ85mm、後縁部から65mm)2つのストランドがある。弾性体の内側から内側の間隔は約41mmで、各カフの各ストランド間の間隔は約4mm。
【0162】
実施例の物品は、表4において先述の物理的特性の観点から市販の製品と比較する。
【0163】
【表4】
【0164】
上述の比較パッドは、以下に詳細に示す。
1.Poise Pads−Poise中程度吸収力通常の長さ
2.Tena Serenity−Tena Serenity中程度パッド
3.Always Discreet−Always Discreetパッド中程度通常の長さロット番号
4.Poise薄型形状−Poise薄型形状パッド通常の長さ中程度吸収力
【0165】
本発明の実施例が、市販の失禁製品とは対称的に、様々な請求される物理的特性の組み合わせを有することは明らかである。したがって、本明細書で特許請求される物品は、市販の製品が不可能であるのに対して、特許請求される特徴によって得られる性能、目立ちにくさ、及び弾力性の利点の送達が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b