(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の装置において、前記バルーン(10)を支持するシャフト(14)をさらに含み、前記シャフト(14)は、前記複数の膨張可能なチャンバの各々と連絡するためのルーメン(14a−14e)を含む、装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]したがって、可変輪郭を持つ医療用バルーンの必要性が確認される。バルーンは、既存の技術を用いて製造することが比較的容易であまり費用が掛からず、およびさまざまな介入手技に関連した使用に容易に適合される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本発明の目的は、可変輪郭(例えば、断面において非円形)を持つ医療用バルーンを提供することであり、これは、バルーンを形成する1つまたは複数の固体含有チャンバの膨張状態に基づいて制御されてもよい。
【0005】
[0005]1つの態様において、医療手技を実行するための装置は、その中に密封された固体を備える1つまたは複数のチャンバの拡張状態の結果として可変輪郭を提供する、膨張可能なバルーンを含む。膨張の状態を選択的に制御することによって、結果として実現される複雑な(例えば、非円形の)幾何学的形状の結果として、例えばバルーンを操縦することまたは外部潅流を提供することを含む、さまざまな目的が達成されてもよい。
【0006】
[0006]1つの開示される実施形態において、バルーンは、それぞれがその中に密封された固体を備える複数の膨張可能なチャンバを含む。また、シャフトはバルーンを支持してもよい。シャフトは、複数の膨張可能なチャンバの各々と連絡するためのルーメンを含んでもよく、または、1つのルーメンは、多数のチャンバと連絡してもよい。
【0007】
[0007]複数の膨張可能なチャンバは、1つの例において、第1の膨張可能なチャンバ、第2の膨張可能なチャンバ、および第1および第2の膨張可能なチャンバ間に位置決めされる第3の膨張可能なチャンバを含んでもよい。第1の膨張可能なチャンバは、バルーンの近位端部分に位置してもよく、および第2の膨張可能なチャンバは、バルーンの遠位端部分に位置してもよい。第1、第2、および第3の膨張可能なチャンバは、バルーンの単一の断面内に位置してもよい。バルーンは、それぞれがその中に密封された固体を備える少なくとも4つの膨張可能なチャンバ、およびことによると、より多いまたはより少ないそのようなチャンバを含んでもよい。
【0008】
[0008]固体は、ボールを含んでもよく、これは、形状において全体的に球形または丸くてもよい。膨張可能なチャンバは、弾性材料によって少なくとも部分的に境界付けられてもよく、これは、チャンバの排気および膨張の結果として所望の拡張および収縮が生じるのを可能にする。バルーンは、また、固体を備えない膨張可能なチャンバを含んでもよく、これは、固体を備える1つまたは複数の膨張可能なチャンバによって部分的に境界付けられてもよい。
【0009】
[0009]本開示のさらなる態様に従って、医療手技を実行するための装置が提供される。装置は、遠位端部分および近位端部分を有する膨張可能なチャンバを備えるバルーンを含む。装置は、バルーンの遠位端部分における第1の膨張可能なチャンバ、バルーンの近位端部分における第2の膨張可能なチャンバ、および第1および第2の膨張可能なチャンバ間における第3の膨張可能なチャンバをさらに含む。
【0010】
[0010]1つの実施形態において、第1、第2、および第3の膨張可能なチャンバの各々は、その中に密封された固体を含む。装置は、バルーンを支持するシャフトをさらに含んでもよい。シャフトは、第1、第2、および第3の膨張可能なチャンバの各々と連絡するためのルーメンを含んでもよい。装置は、第3の膨張可能なチャンバを少なくとも部分的に覆うステントをさらに含んでもよい。バルーンは、第1の膨張可能なチャンバを含む第1のテーパ端部と、第2の膨張可能なチャンバを含む第2のテーパ端部と、第3の膨張可能なチャンバを含む中間胴部分と、を含んでもよい。
【0011】
[0011]さらに、本開示のさらなる態様によると、医療手技を実行するための装置が提供されてもよい。装置は、単一の断面内に拡張チャンバおよび拘束チャンバを有するバルーンを含む。拘束チャンバは、固体を含んでもよく、およびまた、所定の体積の空気を含みまたは排気させられてもよい。
【0012】
[0012]本開示のさらなる態様は、拡張されたときに円形断面を持つ第1の部分と非円形断面を持つ第2の部分とを含む、本体を含む医療用バルーンに関する。第1の部分および第2の部分は、接触しまたは連続してもよい。第2の部分は、固体を含むまたは固体を備えない少なくとも1つのチャンバを含んでもよい。第2の部分は、排気させられたチャンバ、またはその中に密集する固体を備えるチャンバ、を含んでもよい。第1および第2の部分は、各々少なくとも部分的に、膨張可能なチャンバを取り囲んでもよい。
【0013】
[0013]本開示のさらに別の態様は、少なくとも1つのチャンバが排気させられたときに完全につぶれるのを防止するように密集する固体を含む少なくとも1つのチャンバを有する医療用バルーンに関し、固体は、チャンバが膨張させられたときに拡張することを可能にするために非密集状態になることができる。
【0014】
[0014]本開示のさらなる態様は、例えば、医療用バルーンに固体を含む少なくとも1つのチャンバを設ける工程と、少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に排気する工程と、を含む医療用バルーンを形成する方法に関する。方法は、さらに、少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に膨張させるステップを含んでもよい。方法は、また、固体を含まない医療用バルーンの第2のチャンバを膨張させる工程、または固体を含む医療用バルーンの第2のチャンバを少なくとも部分的に排気する工程、を含んでもよい。
【0015】
[0015]本開示のさらに別の部分は、医療用バルーンの異なるチャンバを選択的に拡張または排気させて、バルーンに湾曲した輪郭を取らせる工程を含む、医療用バルーンを制御する方法に関する。固体を含む医療用バルーンの少なくとも1つのチャンバは、排気させられてもよい。固体を含む医療用バルーンの少なくとも1つのチャンバは、拡張されてもよい。固体を含む医療用バルーンの第1のチャンバは、排気させられてもよく、および同時に、固体を含む医療用バルーンの第2のチャンバは、拡張される。
【0016】
[0016]本明細書に組み込まれおよび明細書の一部を形成する添付図面は、可変輪郭を持つ膨張可能な医療用バルーンのいくつかの態様を示し、および本記載と共に、そのある原理を説明するのに役立つ。図面において、
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0029]次に、
図1、
図1A、
図1B、
図1C、および
図1Dへの言及がなされ、これは、可変輪郭を有する医療用バルーン10の1つの実施形態を示す。表示されるように、バルーン10は、複数の膨張可能なチャンバ12を含み、これは、例えば、少なくとも1つの内部チャンバ12aと少なくとも1つの周辺チャンバ12bとを含んでもよい。
図1Dに表示されるように、チャンバ12の全てまたは部分を形成するバルーン10の壁10a,10bは、弾性材料製であってもよく、したがって、これは、気体または流体(例えば、空気または生理的食塩水)圧力の印加の結果として、チャンバが少なくとも部分的に拡張することを可能にする。
【0020】
[0030]
図1Aに表示されるように、バルーン10は、シャフト14に接続されおよびシャフト14によって支持されてもよい。バルーン10は、また、ネック部Nでシャフトとつながるようにテーパ付けられてもよい近位端部分Pと、同様にテーパ付けられてもよい遠位端部分Dと、中央または中間部分Cと、を含んでもよい。中央、またはそれが時に呼ばれるような「胴」部分Cは、作用表面を含み、これは、薬、ステント、カッター、またはそのようなもののような荷重(payload)を担持してもよい。
【0021】
[0031]示される実施形態において、バルーン10の単一の断面は、
図1Aに示される断面によって表示されるように、3つの膨張可能なチャンバ12a、12bおよび12cを含む。しかしながら、
図1における対称の線Lから理解され得るように、バルーン10は、
図1Cにおけるチャンバ12d,12eから理解され得るように、多数の周辺チャンバ12を、バルーン10の近位および遠位端部分P,Dの両方のような異なる部分に、含んでもよい。4つの周辺チャンバ12a,12b,12c,12dが
図1に示される一方、より多いまたはより少ない周辺チャンバ(わずか1つのそのようなチャンバを含む)が設けられてもよいことは、理解されたい。さらに理解され得るように、複数の膨張可能なチャンバ12は、また、1A−1A断面および1C−1C断面を横断して取られたバルーン10の長手方向断面内に、少なくとも部分的に存在する。
【0022】
[0032]複数のチャンバ12の各々は、膨張状態を少なくとも部分的に制御する複数の固体を含み、およびそれによって可変輪郭が提供されることを可能にしてもよい。本開示の目的のために、「固体」は、密接な接触における、より固められた(compacted)または一定の状態(関連するチャンバが排気させられたときのような)と、より拡張されたまたは離間された状態(チャンバが膨張させられたときのような)と、の間で移動することができる、境界付けされない(換言すれば束縛または拘束されない)材料を意味する。したがって、
図1Dに示される1つの例のように、バルーン12の周辺に沿った膨張可能なチャンバ12b,12cの各々は、複数の分離したボール16で少なくとも部分的に満たされてもよい。これらのボール16は、形状において全体的に丸くまたは全体的に球形であってもよいが、他の形をとってもよい(これらの形状に関して好ましいのは、拡張されたときに自由に流動し、拡張されないときに密に固められ、その他の方法でチャンバ12を形成する拡張可能な(弾性の)壁10a,10bを傷めないことである)。以下により詳細に論じられるように、これらのボール16は、気体または流体(空気または生理的食塩水のような)が存在するときにそれらが自由に流れることを可能にする方法で、チャンバ12b,12c内部に密封されてもよい。
【0023】
[0033]
図1Dの右手側に表示されるように、チャンバ12は、通常は、ある体積の流体(空気)がバルーン10の内壁および外壁10a,10b間に存在するように配置されてもよい。これは、ボール16が分離しおよびチャンバ12cの周りでランダムな様式で自由に移動することを可能にする。介在性の空間Sが分離の結果として生じ、したがって、拡張チャンバを形成する。
【0024】
[0034]しかしながら、
図1Dの左手側でチャンバ12’によって表示されるように、チャンバ12が、その上で真空を引くことまたは別な方法で負圧状況を作り出すことなどによって、しぼませられまたは排気させられたとき、ボール16は壁10a,10bによって、規則的または積層配置などに、密に固められおよび組織化されるようになる。そのような場合において、ボール16は、それによって、対応するチャンバ12cが体積においてさらに減少する能力を制限する。換言すると、チャンバ12bは、その中の固体(ボール16)の存在の結果として、さらなる圧縮に対抗して保持されるようになる。
【0025】
[0035]理解され得るように、チャンバ(単数または複数)12の相対的な体積を制御するこの能力は、バルーン10が可変輪郭または幾何学的形状を実現するために選択的に操作されることを可能にする。例えば、上記例を用い、および
図2、
図2Aおよび
図2Bをさらに参照して、チャンバ12aおよびチャンバ12cを拡張し、一方でチャンバ12bを拘束することによって、バルーン10(これは、通常は、断面において全体的に円筒形状をとるであろう)は、
図2Aに示されるように、全体的に長楕円形断面をとるようにされる。したがって、(バルーンを別の方向よりも1つの方向により拡張させることによってなど)バルーン10の異なるチャンバ12を選択的に拡張または排気させることによって、所望の処理を提供するために特定の輪郭が実現されてもよく、または、おそらく、バルーンに、
図2に表示されるように、湾曲した輪郭をとらせることによって、操縦能力を実現さえしてもよく、この湾曲したバルーン10は、したがって、接続されるシャフト14の配向を変え、およびしたがって、ガイドワイヤルーメンGの追跡方向を制御してもよい(ことによると、内膜下再突入に関連した使用のため、または腫瘍脈管系をナビゲートするため)。
【0026】
[0036]
図3および
図4を参照して、チャンバ12の選択的膨張または収縮は、シャフト14に対応するルーメンを設けることによって実現されてもよい。これらのルーメンは、
図3に示されるように、チューブ内の分離したチャネルであってもよい。あるいはまた、ルーメンは、各チャンバ12に関連付けられる別個のチューブの群または束を含んでもよい(ここでも、各チャンバ12は、単一の内部チャンバ12aおよび単一の周辺チャンバ12bであってもよく、この場合において、膨張/排気のために2つのルーメンだけが必要とされ、1つが各チャンバ12a,12bに関連付けられる)。
【0027】
[0037]示される特定の例において、シャフト14は、バルーン10を全体的に膨張させるためのチャンバ12aに対応する内部膨張ルーメン14aを、チャンバ12b,12c,12d,12eに対応する周辺ルーメン14b,14c,14d,14eと共に含む。各ルーメン14a,14b,14c,14d,14eは、通路18に関連付けられてもよい(
図4において、通路18cおよび18eは、対応するチャンバ12cおよび12eに関連付けられ、同様に、単純にシャフト14内のポートまたは穴であってもよい通路18aは、流体(生理的食塩水または他の液体のような)を内部チャンバ12aに連絡させるためのルーメン14aに対応することに注意)。表示されるように、各通路18は、チューブの形であってもよい(および任意選択的に、
図1によって表示されるように、バルーン10によってまたはバルーン10の内部で被覆されてもよい)。
【0028】
[0038]これらの通路18は、選択される膨張流体の通過を可能にするが固体が通過するのを許さないように寸法付けられてもよい。これは、固体/ボール16がチャンバ12内に捕捉されたままであることを保証する。あるいはまた、通路(単数または複数)18(またはそれへの入口/出口)に関連付けられるフィルター(不図示)は、この目的のために使用され得る。
【0029】
[0039]表示されるように、シャフト14は、また、ガイドワイヤルーメンGを含んでもよい。このガイドワイヤルーメンGは、ガイドワイヤWを受け入れるために、バルーン10から遠位に延びてもよい。配置は、オーバー・ザ・ワイヤまたはラピッド・エクスチェンジ構成であってもよい。
【0030】
[0040]次に、
図5、
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dを参照して、可変輪郭バルーン10は、記載される選択的膨張の概念を用いることによって、ステント20のような荷重を効率的および効果的な方法で送達するために使用されてもよいことが理解され得る。示される例において、バルーン10は、内部チャンバ12aと、近位端部分Pおよび遠位端部分Dにおいて内部チャンバ12aを取り囲む第1および第2のチャンバ12b,12cと、中心または胴部分Cに沿って内部チャンバ12aを取り囲む第3のチャンバ12dであって、このチャンバはステント20を支持する外面を含む(およびしたがって、少なくともステントと同じくらい長く、およびわずかに小さい直径を有する)チャンバと、を含んでもよい。
図5Bおよび
図5Cの断面図から、チャンバ12b,12c,12dは、ボール16のような固体を備えていてもよいことが理解され得る。あるいはまた、チャンバ12b,12cは、単純に、固体を含むことなく、膨張可能であってもよい。
【0031】
[0041]対応するルーメンおよび通路(不図示)を介した排気によってのように、第3のチャンバ12dを制限することによって、第1および第2のチャンバ12b,12cを拡張されたままにし(または、膨張可能の場合、それらを拡張させ)および内部チャンバ12aを膨張させる(所望の場合)一方、バルーン10は、
図5Dによって表示されるように、拘束部分および非拘束(拡張)部分の両方を含む単一の長手方向断面を有してもよい。これは、部分的に低減されたまたは「くびれた(necked)」構成を作り出し、そこで、対応するチャンバを含む膨張端部分によって作り出されるバルーン10のより大きい直径の壁によって、ステント20が中央または胴部分C上に捕捉される。この方法で、
図6に示されるように、管V内の処理位置に対する効率的な送達目的のために、ステント20は、バルーン10のより小さい直径部分のマージン内部に陥凹させられる。
【0032】
[0042]ステント配備が望ましいとき、チャンバ12b,12cは、拘束されてもよいが、固体(ボール16)の存在に鑑みて、つぶれないままである。第3のチャンバ12dは、拡張することが可能とされてもよく、および内部チャンバ12aは、膨張させられて、配置を逆にし、およびステント20を拡張させるためのより大きい直径の中央または胴部分Cを作り出す(
図6Aにおける完全に膨張させられたバルーン10’に注意)。制御された膨張の結果として、「スイカ播種(watermelon−seeding)」として知られる現象が避けられる可能性がある。ステント20が示される一方、バルーン10は、1つまたは複数の医薬品/薬、カッター、またはそのようなもののような他の荷重を担持してもよいことは、理解されたい。
【0033】
[0043]さらに
図7および
図8を参照して、選択的に膨張可能なチャンバ12は、バルーン10の単一の断面において周辺を取り巻く方法で配置されてもよいことが理解され得る。したがって、例えば、8つのチャンバ12bから12iは、内部チャンバ12aを取り囲んでもよい。
図7におけるチャンバ12a,12c,12e,12gおよび12iのような、チャンバのうちのあるものを膨張させたままにすることを選択的に可能にするために、チャンバ12b,12d,12f、および12hを拘束する一方で、バルーン10の選択された部分は、示されるように、展開または格納するようにされてもよい。この状況において、例えば、チャンバ12b,12d,12fおよび12hがそれと連絡する単一のルーメン上で真空を引くことによって拘束されてもよく、一方、チャンバ12c,12e,12gおよび12iは、一定に膨張させられ、および流体連絡する必要がない(しかし、もちろん、別個のルーメンを経由し得る)ように、共通のルーメンおよび通路が固体によって占められるチャンバの群と連絡してもよいことも理解され得る。
【0034】
[0044]
図8に表示されるように、バルーン10によって与えられる形状制御は、何らかの石灰化を克服するためにそれを「分解」するのを助けるために、弁(大動脈弁のような)に関連付けられる管Vにおける弁形成術の手技に関連して有用であってもよい。理解され得るように、選択的膨張は、所望の力の輪郭が与えられることを可能にし、一方、チャンネルHが心臓への血流が閉塞されない(およびしたがって、潅流バルーンを有効に提供する)ように維持することを可能にする。
【0035】
[0045]バルーン10の製造は、知られている技術を用いて実現されてもよく、例えば、押し出しなどによって、バルーンとしての機能を果たすためのマルチチャンバ構造を形成する(これは、よく知られているように、ブロー成形などによって、所望の形状に拡張されるプリフォームであり得る)。マンドレル上における浸漬形成のような他の技術が、使用されてもよい。バルーンは、弾性材料(例えば、ラテックスまたは同様のもの)含んでもよく、および部品を一緒に接合することによって形成されてもよい(溶剤接合または溶接(超音波またはレーザ)によってのような)。バルーン10の詳細な寸法および形状は、所望の用途に応じて変動してもよい。
【0036】
[0046]形成されると、マルチチャンバーバルーン10は、流体通路またはチューブ(これもまた、押し出しによって形成されてもよい)がチャンバ12と連絡するように、シャフト14の遠位端部分に取り付けられ得る。チャンバ12には、次いで、端部からのように、ボール16のような固体、およびある体積の空気(これは、膨張させられたときに特定の輪郭を作り出すようにあらかじめ決定されてもよい)が装填されてもよい。チャンバ12は、次いで、それに応じて密閉されて、シャフト14の近位端部分において、1つまたは複数のルーメンと流体連絡するのに適当なデバイス(単数および複数)を介して、選択的膨張または排気を可能にしてもよい。
【0037】
[0047]使用のさまざまな方法は、上記教示に照らして考えられる。例えば、バルーン10は、内膜下で対象とされ、および次いで、チャンバ12の選択的膨張および収縮を用いて管に再突入させて操縦能力を与えることによって、慢性完全閉塞(CTO)に関与する状況に関連して使用されてもよい。弁形成術を実行するための方法は、また、チャンバのうちの1つまたは複数を選択的に膨張させるが、他のものを拘束しまたは排気させ、一方で血液潅流を可能にする工程を含んでもよい。荷重またはステント配備の方法は、また、チャンバを拘束して、荷重に関連付けられるバルーンの部分を陥凹させ、一方、他の部分を拡張させて、固定または保持機能を提供し、および次いで、バルーンを拡張させて、荷重を展開させる工程を含んでもよい。
【0038】
[0048]要するに、差別的な膨張によって変化させられてもよい輪郭または幾何学的形状を持つバルーン10が開示される。バルーン10は、少なくとも1つの弾性部分または壁内に封入される、ボール16のような固体を備える複数のチャンバ12を含んでもよい。1つまたは複数のチャンバ12を収縮させる工程は、排気などによって実現されてもよく、これは、したがって、存在する固体の体積の程度までだけであるが、対応する部分を引っ込めさせる。他のチャンバ12は、拡張されたままであってもよく、または収縮状態から拡張することが可能とされてもよく、この場合において、固体は、単純に分散する。本明細書に記載されるように、これがもたらす可変の幾何学的形状または輪郭は、脈管系におけるステントまたは薬配備、血管形成術、弁形成術、または他のもののようなさまざまな医療手技において有用であってもよい。
【0039】
[0049]本開示は、また、以下の項目に関連すると考えられてもよい。
[0050]1. 少なくとも1つの膨張可能なチャンバを有するバルーンと、
上記少なくとも1つの膨張可能なチャンバ内部に密封される固体と、
を含む、医療手技を実行するための装置。
【0040】
2. 上記バルーンは、それぞれがその中に密封された固体を備える、複数の膨張可能なチャンバを含む、項目1に記載の装置。
3. 上記バルーンを支持するシャフトをさらに含み、上記シャフトは、上記膨張可能なチャンバまたは上記複数の膨張可能なチャンバの各々と連絡するためのルーメンを含む、項目1または2に記載の装置。
【0041】
4. 上記複数の膨張可能なチャンバは、
第1の膨張可能なチャンバと、
第2の膨張可能なチャンバと、
上記第1および第2の膨張可能なチャンバ間に位置決めされる第3の膨張可能なチャンバと、
を含む、項目1から3のいずれかに記載の装置。
【0042】
5. 上記第1の膨張可能なチャンバは、上記バルーンの近位端部分にあり、および上記第2の膨張可能なチャンバは、上記バルーンの遠位端部分にある、項目4に記載の装置。
【0043】
6. 上記第1、第2、および第3の膨張可能なチャンバは、上記バルーンの単一の断面内に位置する、項目4に記載の装置。
7. 上記バルーンは、それぞれがその中に密封された固体を備える、少なくとも4つの膨張可能なチャンバを含む、項目1から6のいずれかに記載の装置。
【0044】
8. 上記固体は、ボールを含む、項目1から7のいずれかに記載の装置。
9. 上記または各膨張可能なチャンバは、弾性材料によって少なくとも部分的に境界付けされる、項目1から8のいずれかに記載の装置。
【0045】
10. 上記バルーンは、固体を備えない膨張可能なチャンバを含む、項目1から9のいずれかに記載の装置。
11. 固体を備えない膨張可能なチャンバは、固体を備える上記少なくとも1つの膨張可能なチャンバによって少なくとも部分的に境界付けされる、項目1から10のいずれかに記載の装置。
【0046】
12. 固体を備えない膨張可能なチャンバは、固体を備える複数の膨張可能なチャンバによって少なくとも部分的に境界付けされる、項目1から11のいずれかに記載の装置。
【0047】
13. 遠位端部分および近位端部分を有するバルーンと、
上記バルーンの上記遠位端部分における第1の膨張可能なチャンバと、
上記バルーンの上記近位端部分における第2の膨張可能なチャンバと、
上記第1および第2の膨張可能なチャンバ間における第3の膨張可能なチャンバと、
を含む、医療手技を実行するための装置。
【0048】
14. 上記第1、第2、および第3の膨張可能なチャンバの各々は、その中に密封された固体を含む、項目13に記載の装置。
15. 上記バルーンを支持するシャフトをさらに含み、上記シャフトは、上記第1、第2、および第3の膨張可能なチャンバの各々と連絡するためのルーメンを含む、項目13または項目14に記載の装置。
【0049】
16. 上記第3の膨張可能なチャンバを少なくとも部分的に覆うステントをさらに含む、項目13から15のいずれかに記載の装置。
17. 上記バルーンは、上記第1の膨張可能なチャンバを含む第1のテーパ端部と、上記第2の膨張可能なチャンバを含む第2のテーパ端部と、上記第3の膨張可能なチャンバを含む中間胴部分と、を含む、項目13から15のいずれかに記載の装置。
【0050】
18. 単一の断面内に拡張チャンバおよび拘束チャンバを有する膨張可能なバルーンを含む、医療手技を実行するための装置。
19. 上記拘束チャンバは、固体を含む、項目18に記載の装置。
【0051】
20. 上記拘束チャンバは、排気させられる、項目18または19に記載の装置。
21. 拡張されたときに円形断面を持つ第1の部分と非円形断面を持つ第2の部分とを含む、本体を含む医療用バルーン。
【0052】
22. 上記第1の部分および上記第2の部分は、連続する、項目21に記載の医療用バルーン。
23. 上記第2の部分は、固体を含む少なくとも1つのチャンバを含む、項目21または項目22に記載の医療用バルーン。
【0053】
24. 上記第2の部分は、固体を備えない少なくとも1つのチャンバを含む、項目23に記載の医療用バルーン。
25. 上記第2の部分は、排気させられたチャンバを含む、項目21に記載の医療用バルーン。
【0054】
26. 上記第2の部分は、その中で密集する固体を備えるチャンバを含む、項目21に記載の医療用バルーン。
27. 上記第1および第2の部分は、各々、膨張可能なチャンバを取り囲む、項目21から26のいずれかに記載の医療用バルーン。
【0055】
28. 上記少なくとも1つのチャンバが排気させられたときに完全につぶれるのを防止するように密集する複数の固体を含む少なくとも1つのチャンバを有し、上記複数の固体は、上記チャンバが膨張させられたときに拡張することを可能にするように非密集状態になることができる、医療用バルーン。
【0056】
29. 医療用バルーンを形成する方法であって、
上記医療用バルーンに固体を含む少なくとも1つのチャンバを設ける工程と、
上記少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に排気する工程と、
を含む、方法。
【0057】
30. 上記少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に膨張させるステップをさらに含む、項目29に記載の方法。
31. 固体を含まない上記医療用バルーンの第2のチャンバを膨張させるステップをさらに含む、項目29に記載の方法。
【0058】
32. 固体を含む上記医療用バルーンの第2のチャンバを少なくとも部分的に排気するステップをさらに含む、項目29に記載の方法。
33. 医療用バルーンを制御する方法であって、
上記医療用バルーンの異なるチャンバを選択的に拡張または排気して、上記バルーンに湾曲した輪郭を取らせる工程、
を含む、方法。
【0059】
34. 固体を含む上記医療用バルーンの少なくとも1つのチャンバは、排気される、項目33に記載の方法。
35. 固体を含む上記医療用バルーンの少なくとも1つのチャンバは、拡張される、項目33に記載の方法。
【0060】
36. 固体を含む上記医療用バルーンの第1のチャンバは、排気され、および同時に、固体を含む上記医療用バルーンの第2のチャンバは、拡張される、項目33に記載の方法。
【0061】
[0051]上述の記載は、例示の目的のために提示されてきた。網羅的であること、または実施形態を開示される正確な形に限定することは意図されない。上記教示に照らして、明らかな修正および変形は可能である。例えば、バルーン10は、拘束されるように排気され得る固体を備える単一の膨張可能なチャンバ12bのみを含んでもよい(換言すると、膨張可能な内部チャンバ12aは、任意選択的と考えられる)。同様に、バルーン10は、固体を備える1つまたは複数の拘束チャンバ12が固体を備えない膨張可能なチャンバ12aの内部に位置決めされるように、示されるのとは異なって配置されてもよい。膨張状態における変化の結果として繰り返される拡張および収縮を可能にするようにバルーン壁10a,10bを形成するために、弾性材料は望ましい一方、使用される材料は、半弾性であってもよいことも理解されたい。すべての修正および変形は、公正に、法的に、および公平にそれらに権利が与えられる範囲の広さに従って解釈されるときに、添付の特許請求の範囲の範囲内である。