特許第6790544号(P6790544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6790544トモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790544
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】トモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/02 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   A61B6/02 300M
   A61B6/02 300Z
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-143283(P2016-143283)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-11773(P2018-11773A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 航
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−000322(JP,A)
【文献】 特開2012−205169(JP,A)
【文献】 特開2012−230528(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0080752(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に放射線を照射する放射線源と、放射線を検出して電気信号を生成する放射線検出素子が二次元状に配置され、照射された放射線に応じた投影画像を取得する放射線検出器と、の位置関係を変化させながら、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置された被写体の前記投影画像を所定回数取得し、これら複数の投影画像を再構成することにより得られた複数の再構成画像について、画像内の関心領域にぼけ又はずれが生じている画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段を備えるトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項2】
被写体に放射線を照射する放射線源と、放射線を検出して電気信号を生成する放射線検出素子が二次元状に配置され、照射された放射線に応じた投影画像を取得する放射線検出器と、の位置関係を変化させながら、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置された被写体の前記投影画像を所定回数取得し、これら複数の投影画像を再構成することにより得られた複数の再構成画像について、読影に適する所定の条件を満たさない画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段を備え、
前記削除対象画像選定手段は、複数の前記再構成画像について撮影の時系列順に読影に適する所定の条件を満たすか否かを判断し、読影に適する所定の条件を満たすと判断された前記再構成画像の間に読影に適する所定の条件を満たさないと判断される前記再構成画像がある場合には、これを前記削除対象画像としないことを特徴とするトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項3】
被写体に放射線を照射する放射線源と、放射線を検出して電気信号を生成する放射線検出素子が二次元状に配置され、照射された放射線に応じた投影画像を取得する放射線検出器と、の位置関係を変化させながら、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置された被写体の前記投影画像を所定回数取得し、これら複数の投影画像を再構成することにより得られた複数の再構成画像について、読影に適する所定の条件を満たさない画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段と、
全ての前記再構成画像を、前記削除対象画像か否かの付帯情報と対応付けた状態で外部装置に送信する通信手段と、を備えていることを特徴とするトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項4】
前記削除対象画像選定手段は、複数の前記再構成画像についてその周波数特性を解析し評価することにより、前記削除対象画像を選定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項5】
前記削除対象画像選定手段は、複数の前記再構成画像についてその周波数によるパワースペクトルの分布状態を解析することにより、前記削除対象画像を選定することを特徴とする請求項4に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項6】
前記削除対象画像選定手段は、複数の前記再構成画像についてそのMTF値を解析し評価することにより、前記削除対象画像を選定することを特徴とする請求項4に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項7】
前記削除対象画像選定手段は、複数の前記再構成画像についてそのDQE値を解析し評価することにより、前記削除対象画像を選定することを特徴とする請求項4に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項8】
前記削除対象画像選定手段は、複数の前記再構成画像についてその周波数特性の解析に加えて、他の評価値を組み合わせることにより、前記削除対象画像を選定することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項9】
前記削除対象画像か否かの判定結果を前記再構成画像の付帯情報として前記再構成画像と対応付けて記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項10】
前記削除対象画像と選定されたものを除いた前記再構成画像を外部装置に送信する通信手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のトモシンセシス撮影画像選定装置。
【請求項11】
被写体に放射線を照射する放射線源と、放射線を検出して電気信号を生成する放射線検出素子が二次元状に配置され、照射された放射線に応じた投影画像を取得する放射線検出器と、を備え、前記放射線源と前記放射線検出器との位置関係を変化させながら、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置された被写体の前記投影画像を所定回数取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された複数の投影画像を再構成して被写体の再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、
前記再構成画像生成手段により生成された複数の前記再構成画像のうち、画像内の関心領域にぼけ又はずれが生じている画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段と、
前記削除対象画像選定手段により削除対象画像と選定されたものを除外した前記再構成画像を表示用画像として表示する表示手段と、
を備えるトモシンセシス撮影画像生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の分野では、トモシンセシス撮影やCT(Computed Tomography)撮影のように、放射線源と放射線検出器との位置関係を変化させながら被写体を放射線撮影し、得られた投影画像を再構成して被写体の再構成画像(断層画像)を生成する技術が知られている。
【0003】
トモシンセシス撮影においては、相当数の再構成画像が生成される。その中には診断を行う医師にとっての関心領域(病変が疑われる部分やその周辺を含む領域)がぼけている画像や、関心領域が写っていない画像も含まれている。
このような医師の診断の際にほとんど役に立たない不要な画像を数多く含んだまま読影用の画像として読影医等のもとに送られると、読影を行う度に医師が不要な画像を含む多くの画像を見なければならず効率が悪い。
【0004】
この点、例えば特許文献1には、撮影画像を得る際の放射線源及び放射線検出器の位置情報に基づいて無効な画像領域を判定する判定手段を備え、この判定結果に応じて得られるトモシンセシス画像を表示部に表示させるようにした装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−000322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、撮影画像を得る際の放射線源及び放射線検出器の位置情報から無効な画像領域と判定されたものについては表示用の画像から除外することができるが、読影に有効な再構成の範囲を厳密に規定することは、多くの技術的課題があり、診断に不適切な画像も表示対象として残ってしまう。
このため、読影上有用ではない画像も表示されることとなり、無駄な画像をチェックする分、読影時間が長くかかってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、読影上有用でない画像を精度よく選定し、これを表示対象から除外することで読影時間の短縮を図り、効率よく高精度の読影を行うことを可能とするトモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の問題を解決するために、本発明のトモシンセシス撮影画像選定装置は、
被写体に放射線を照射する放射線源と、放射線を検出して電気信号を生成する放射線検出素子が二次元状に配置され、照射された放射線に応じた投影画像を取得する放射線検出器と、の位置関係を変化させながら、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置された被写体の前記投影画像を所定回数取得し、これら複数の投影画像を再構成することにより得られた複数の再構成画像について、画像内の関心領域にぼけ又はずれが生じている画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の側面であるトモシンセシス撮影画像生成システムは、
被写体に放射線を照射する放射線源と、放射線を検出して電気信号を生成する放射線検出素子が二次元状に配置され、照射された放射線に応じた投影画像を取得する放射線検出器と、を備え、前記放射線源と前記放射線検出器との位置関係を変化させながら、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置された被写体の前記投影画像を所定回数取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された複数の投影画像を再構成して被写体の再構成画像を生成する再構成画像生成手段と、
前記再構成画像生成手段により生成された複数の前記再構成画像のうち、画像内の関心領域にぼけ又はずれが生じている画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段と、
前記削除対象画像選定手段により削除対象画像と選定されたものを除外した前記再構成画像を表示用画像として表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のようなトモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システムによれば、読影上有用でない画像を精度よく選定し、これを表示対象から除外することで読影時間の短縮を図り、効率よく高精度の読影を行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る画像生成システムの全体構成を示す図である。
図2図1のコンソールの機能的構成を示すブロック図である。
図3図2の制御部により実行される画像生成処理を示すフローチャートである。
図4図2の制御部により実行される第1の実施形態における画像選定処理を示すフローチャートである。
図5】脚の膝部分の鮮鋭な再構成画像の一例を示す図である。
図6】脚の膝部分の非鮮鋭な再構成画像の一例を示す図である。
図7図5及び図6に示す再構成画像の関心領域のFFT画像の一例を示す図である。
図8図7に示すFFT画像のパワースペクトルの一例を示す図である。
図9】第2の実施形態における画像選定処理を示すフローチャートである。
図10】再構成画像の検像時間の一例を示すグラフである。
図11】再構成画像の検像時間の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
図1から図8を参照しつつ、本発明に係るトモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システムの第1の実施形態を説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0013】
〈画像生成システム100の構成〉
まず、本発明に係るトモシンセシス撮影画像生成システム(以下においては、単に「画像生成システム」とする。)の一実施形態の概略構成について説明する。
図1に、本実施形態に係る画像生成システム100の概略構成を示す。
画像生成システム100は、被写体H(人体の部位)をトモシンセシス撮影することにより得られた複数の投影画像を用いて被写体Hの再構成画像(断層画像)を生成するとともに、生成された再構成画像を表示部に表示するシステムである。
【0014】
図1に示すように、画像生成システム100は、主に、放射線撮影装置1やコンソール90等で構成されている。
なお、以下の説明において、被写体台54の長手方向(被写体台54に配置された被写体Hの体軸方向)をy軸方向、撮影面(放射線が照射される面)においてy軸方向と直交する方向をx軸方向、放射線照射方向(被写体Hの厚さ(高さ)方向)をz軸方向として説明する。
【0015】
画像生成システム100は、撮影室101aや前室(操作室等ともいう。)101bの内外に設けられるようになっている。撮影室101a内には、放射線撮影装置1の撮影台50、放射線源61等が設けられている。また、撮影室101a内には、放射線検出器Fと後述するコンソール90との間の無線通信を中継するためのアクセスポイントAP等も設けられている。
【0016】
また、前室101bには、放射線照射装置60の操作卓62や曝射スイッチ63等が設けられている。また、図1では、制御BOX80やコンソール90等が前室101bの外に設けられている場合が示されているが、それらを前室101b内等に設けることも可能である。
【0017】
撮影手段としての放射線撮影装置1は、図1に示すように、放射線検出器Fと、放射線検出器F及び被写体Hを保持する撮影台50と、放射線照射装置60と、を備えて構成されている。なお、図1においては、一例として、臥位で被写体Hを撮影する放射線撮影装置1を側面から見た図を示している。
【0018】
放射線検出器Fは、FPD(Flat Panel Detector)等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源61から照射されて少なくとも被写体Hを透過した放射線(X線)をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されており、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチング部によりスイッチングしていき、放射線検出器Fに蓄積された電気信号を読み取ることにより、被写体Hの投影画像を取得する。なお、FPDには放射線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、放射線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出器Fは、ネットワークN1及び制御BOX80を介してコンソール90と通信を行う機能、アクセスポイントAPを介してコンソール90と通信を行うための無線通信機能を備えている。
【0019】
撮影台50は、検出器装填部51、装填部支持部52、被写体台54等を備えて構成されている。
検出器装填部51は、放射線検出器Fを保持する。
装填部支持部52は、被写体台54の被写体Hを載置する面とは反対の面の側に設けられ、検出器装填部51を支持する。
【0020】
放射線照射装置60は、被写体Hを介して放射線検出器Fに放射線を照射する放射線源61と、放射線技師等の撮影者が管電流や管電圧、照射時間等の撮影条件を設定可能な操作卓62と、撮影者が操作して放射線源61からの放射線の照射を指示する曝射スイッチ63と、放射線源61を被写体台54における被写体Hの体軸方向に沿って(y軸方向に)移動させるとともに、移動させた位置で放射線源61から照射する放射線が放射線検出器Fに照射されるように放射線源61の照射角度をその位置によって傾ける放射線源移動機構64等を備えて構成されている。放射線照射装置60は、制御BOX80を介してコンソール90から、又は操作卓62により撮影条件が設定され、曝射スイッチ63が押下されると、曝射スイッチ63の押下信号をコンソール90に送信し、コンソール90からの制御信号に基づいて、設定された撮影条件で放射線源移動機構64により放射線源61を移動させつつ放射線源61に放射線を照射させる。
また、放射線源61の放射線照射方向には、放射線源61から照射された放射線の照射領域を制限するコリメーター75が設けられている。
【0021】
本実施形態では、放射線照射装置60の放射線源61として、被写体Hや放射線検出器Fに向けて放射線を円錐状に照射する放射線源、すなわち、いわゆるコーンビームを照射する放射線源が用いられている。
【0022】
放射線源移動機構64は、後述する制御BOX80を介してコンソール90から送信される制御信号に応じて、放射線源61を被写体台54に沿って(即ち、y軸方向に)移動させることにより、放射線源61と放射線検出器Fとの相対位置関係を変更する。
【0023】
上記構成の放射線撮影装置1は、放射線源61が予め定められた撮影スタート位置から終了位置に反対方向に移動する間に、所定回数(複数回)のトモシンセシス撮影を行い、撮影ごとに放射線検出器Fで投影画像を取得するように構成されている。このとき、放射線源61の光軸が放射線検出器Fの中央に照射されるように構成されている。
【0024】
その際、例えば、放射線源61から放射線を所定回数照射(パルス照射)して、放射線が照射されるごとに放射線検出器Fで投影画像を取得する。或いは、放射線源61から放射線を途切れることなく連続的に照射し、その間に放射線検出器Fが所定回数の投影画像の取得処理を行うように構成してもよい。
【0025】
なお、放射線検出器Fは、投影画像を取得するごとに、制御BOX80を介して画像処理装置としてのコンソール90に取得した投影画像を送信するように構成してもよく、また、取得した各投影画像を一旦図示しない記憶部に保存しておき、所定回数の投影画像の取得処理が終了した時点で各投影画像をまとめてコンソール90に送信するように構成することも可能である。
【0026】
制御BOX(中継器等ともいう。)80は、ネットワークN1を介して放射線撮影装置1の各部や、検出器装填部51に装填された放射線検出器F、コンソール90等と接続されている。制御BOX80には、コンソール90等から放射線照射装置60に送信するLAN(Local Area Network)通信用の信号等を放射線照射装置60用の信号等に変換したり、また、その逆の変換も行う図示しない変換器が内蔵されている。
【0027】
コンソール90は、図2に示すように、制御部91、操作部92、表示部93、通信部94、記憶部95を備えて構成され、各部がバス96により接続されて構成されたコンピューター装置である。
【0028】
制御部91は、CPU、RAM等により構成される。制御部91のCPUは、記憶部95に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って後述する画像生成処理、トモシンセシス撮影画像選定処理(以下、単に「画像選定処理」とする。)を始めとする各種処理を実行する。制御部91は、記憶部95に記憶されているプログラムとの協働により、再構成画像生成手段、削除対象画像選定手段、表示制御手段等として機能する。また、制御部91は、操作部92との協働により、指定手段、切り替え手段等として機能する。
【0029】
操作部92は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部91に出力する。
【0030】
表示部93は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部91から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
本実施形態では、後述するように、表示部93は、削除対象画像選定手段である制御部91により削除対象画像と選定されたものを除外した再構成画像を表示用画像として表示する表示手段として機能する。
【0031】
通信部94は、LANカード等により構成され、スイッチングハブを介してネットワークN1、N2に接続された外部機器との間でデータの送受信を行う通信手段である。通信部94は、第一送信手段、第二送信手段、又は第三送信手段として機能する。
【0032】
記憶部95は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部95には、前述のようにシステムプログラムや各種処理プログラムが記憶されている。
【0033】
また、記憶部95には、放射線検出器Fから受信した投影画像を記憶する投影画像記憶部951、生成した再構成画像を記憶する再構成画像記憶部952、再構成画像のうち削除対象画像を除いた表示用画像を記憶する表示用画像記憶部953等が設けられている。
更に、記憶部95には、撮影部位、撮影方向、患者サイズ(例えば、大人の大、中、小、子供の大、中、小)等のうち少なくとも一つに対応付けて、再構成画像における関心領域(再構成画像のうち医師が診断の対象とする部分。例えば病変箇所及びその周辺。)を特定する際の指標が記憶されている。
【0034】
コンソール90は、通信部94により例えばアクセスポイントAPや制御BOX80を介して放射線検出器Fに覚醒信号を送信して放射線検出器Fをスリープ(sleep)状態から覚醒(wake up)状態に遷移させる等して放射線検出器Fを制御したり、放射線技師等の撮影者が操作部92により設定した管電流等を、制御BOX80を介して放射線照射装置60に送信して設定したり、制御BOX80を介して放射線源移動機構64を制御することができるようになっている。
【0035】
本実施形態では、コンソール90は、画像処理装置としても機能するようになっており、放射線検出器Fが取得した投影画像が放射線撮影装置1から送信されてくると、受信した複数の投影画像に基づいて被写体Hの再構成画像を生成するとともに、複数の投影画像のそれぞれを逆投影して複数の逆投影画像を生成するようになっている。
また、本実施形態において、コンソール90は、被写体Hの再構成画像について、読影に適する所定の条件を満たさない画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段を備えるトモシンセシス撮影画像選定装置として機能する。
なお、画像処理装置、トモシンセシス撮影画像選定装置を、コンソール90とは別体の装置として構成することも可能である。
【0036】
さらに、図1に示すように、コンソール90には、ネットワークN2を介してアクセスポイントAPが接続されている。また、コンソール90は、ネットワークN2を介して別システムである図示しないHIS(Hospital Information System;病院情報システム)やRIS(Radiology Information System;放射線科情報システム)、PACS(Picture Archiving and Communication System;医用画像診断支援システム)70等に接続されている。そして、コンソール90は、撮影オーダー情報をHISやRIS等から取得したり、生成した再構成画像及び逆投影画像を対応付けてPACS70に送信したりするなど各種の処理を行うように構成されている。
【0037】
なお、各装置等を結ぶネットワークを、本実施形態のように複数のネットワークN1、N2で分けて構成する必要はなく、各装置を1つのネットワークに接続して画像生成システム100を構成することも可能である。また、各装置を結ぶネットワークとして本実施形態のように複数のネットワークを用いる場合、どの装置をいずれのネットワークに接続するかは適宜変更可能である。
【0038】
〈画像生成システム100の動作〉
次に、本実施形態における画像生成システム100の動作、特にトモシンセシス撮影画像選定装置としてのコンソール90の動作について説明する。
まず、コンソール90の制御部91により実行される画像生成処理について説明する。画像生成処理は、制御部91と記憶部95に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0039】
図3は、画像生成システム100による画像生成処理の概要を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、制御部91は、トモシンセシス撮影を行い、被写体Hの複数(n枚)の投影画像を取得する(ステップS1)。
具体的には、操作部92により撮影オーダー情報が選択され、曝射スイッチ63が押下されると、制御部91は、制御BOX80を介して放射線撮影装置1の各装置を制御して、放射線源61を被写体Hの体軸方向に沿って移動させることにより放射線源61と放射線検出器Fとの位置関係を変化させながら所定回数の撮影を行わせる。撮影により得られた一連の投影画像は放射線検出器Fによりコンソール90に送信される。コンソール90においては、通信部94により受信した一連の投影画像のそれぞれに、検査を識別するための検査ID、画像を識別するための画像ID、患者情報、及びその投影画像の撮影条件(撮影部位、撮影方向、管電圧、各投影画像を撮影したときの放射線源61や放射線検出器Fの位置等)を付帯させて投影画像記憶部951に記憶する。
【0040】
次いで、再構成画像生成としての制御部91は、取得した一連の投影画像を用いて予め設定されたスライス間隔で複数のスライス高さの再構成画像を生成する(ステップS2)。例えば、FBP(Filtered Back Projection)法、逐次近似画像再構成法、フェルドカンプ法、シフト加算法等の公知の手法を用いて、一連の投影画像から複数のスライス高さの再構成画像を生成する。生成された再構成画像のそれぞれには、画像を識別するための画像ID、検査ID、患者情報、撮影条件(撮影部位、撮影方向、管電圧等)、再構成条件(例えば、スライス高さ、スライス間隔等)を付帯させる。
【0041】
図5及び図6に、再構成画像生成としての制御部91により生成される再構成画像の一例を示す。
図5及び図6は、人の脚の膝関節とその周辺を撮影した複数の投影画像(例えば、放射線源61の位置を変えながら3回の撮影を行って得られた3枚の投影画像)から生成された再構成画像を示している。
再構成画像は、撮影された全ての投影画像をスライス高さの面(スライス面)に逆投影して加算することで生成される。スライス面に位置する構造物(病変を含む。以下同じ)は、放射線源61がどの位置にあるときに撮影された投影画像からも同じ位置(その構造物の位置)に逆投影されるため、再構成画像では複数の投影画像からの逆投影が重なって、スライス面に位置する構造物の断面だけが強調された断層画像が得られる。一方、スライス面以外の高さに位置する構造物は、放射線源61の位置によって異なる位置に逆投影される。このため、再構成画像では、スライス面以外の面に位置する構造物はぼやける。
再構成画像のうち、関心領域(すなわち、医師が診断の対象とする部分)にぼけやずれが生じている画像(例えば、図6)は診断に適したものではなく、読影を行う際にはこうした画像を削除して読影に有用な画像のみを表示させることが好ましい。
【0042】
そこで、次に、制御部91は、削除対象画像選定手段として、被写体Hの再構成画像について、読影に適する所定の条件を満たさない画像を削除対象画像として選定する画像選定処理を行う(ステップS3)。
図4は、削除対象画像選定手段としての制御部91によって行われる本実施形態の画像選定処理(ステップS3)の具体的内容を示すフローチャートである。
【0043】
図4に示すように、制御部91は、まず、記憶部95を参照して画像選定処理の対象となる再構成画像の撮影部位、撮影方向、患者サイズを読み出し(ステップS11)、これらに基づいて再構成画像のうちの関心領域を特定する(ステップS12)。
例えば、図5及び図6では、撮影部位は脚の膝であり、関心領域(図5及び図6において一点鎖線で囲んだ関心領域Ar1)は膝の関節部分及びその周辺である。図5は鮮鋭な画像の例を示しており、図6は非鮮鋭な画像の例を示している。
関心領域Ar1が特定されたら、制御部91は、この領域について再構成画像をフーリエ変換し、FFT(Fast Fourier Transform)画像を作成する(ステップS13)。図7は、関心領域Ar1について作成されたFFT画像の一例を示すものである。
次に、制御部91は、当該FFT画像に基づいてパワースペクトルを作成する(ステップS14)。
【0044】
図8は、図7において一点鎖線で囲んだ領域(図7において、領域Ar2)について制御部91により作成されたパワースペクトルの一例を示す図である。図8においては、診断に適する鮮鋭画像(例えば図5)のパワースペクトルを太実線で示し、診断に適さない非鮮鋭画像(例えば図6)のパワースペクトルを太破線で示している。
図8に示すように、診断に適する鮮鋭画像(例えば図5)と診断に適さないぼけた画像(非鮮鋭画像)とのパワースペクトルを比較した場合、比較的低周波成分の多い5〜10cycle/mmにおける信号量には大きな差異はないが、比較的高周波成分の多い15〜20cycle/mmにおける信号量を比較すると、非鮮鋭画像は鮮鋭画像に対して高周波成分が少ないという特徴があることが分かる。
そこで、制御部91は、各再構成画像について、5〜10cycle/mmにおける信号を合算するとともに(ステップS15)、15〜20cycle/mmにおける信号を合算し(ステップS16)、周波数帯ごとの比率を算出する(ステップS17)。そして、高周波成分が所定値よりも少ない再構成画像を読影に適する所定の条件を満たさない削除対象画像として選定する(ステップS18)。
【0045】
なお、削除対象画像とするか否かの判断基準となる所定値をどの程度とするかは、適宜設定される。所定値は、撮影部位等に応じて予め設定されていてもよい。この場合には、所定値は、撮影部位等と対応付けられて記憶部95等に記憶されていてもよい。
高周波成分が所定値よりも少ないか否かを制御部91が判断する手法は特に限定されない。例えば、中周波の成分に対しての高周波成分の割合を判断基準として、当該再構成画像が読影に適する所定の条件を満たさないものであるか否かを判断して、所定の条件を満たさない(本実施形態では高周波成分が所定値よりも少ない)場合に、削除対象画像として選定してもよい。
【0046】
なお、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像について撮影の時系列順に読影に適する所定の条件を満たすか否かを判断するようになっている。そして、読影に適する所定の条件を満たすと判断された再構成画像の間に読影に適する所定の条件を満たさないと判断される再構成画像がある場合には、これを削除対象画像とせずに表示用画像に変更する(ステップS19)。
再構成画像は、時系列に沿って被写体Hの厚み方向に連続した断層画像(スライス画像)であるため、例えば、70枚の再構成画像(スライス画像)がある場合に、15枚目の再構成画像が読影に適する所定の条件を満たすとされたのち、35枚目まで再構成画像が読影に適する所定の条件を満たす画像が連続している中で、仮に25枚目、26枚目の再構成画像のみ読影に適する所定の条件を満たしていなかった場合でも、この25枚目、26枚目の再構成画像は被写体Hの一断層面を表しているはずのものである。この場合、これらの画像を読影に用いる画像から除外することは好ましくないため、本実施形態ではこれらの画像を読影に用いる表示用画像に含めるようにする。
これにより、被写体Hの一断層面を構成する画像が読影対象から除外されてしまうのを回避できる。
【0047】
なお、読影に適する所定の条件を満たしていない画像を例外的に表示用画像に含める際の判断手法は特に限定されない。
例えば、削除対象画像選定手段である制御部91が、複数の再構成画像について撮影の時系列順に読影に適する所定の条件を満たすか否かを判断する際、読影に適する所定の条件を満たすと判断された再構成画像が所定枚数連続した後に読影に適する所定の条件を満たさないと判断される再構成画像が現れた場合に当該画像を例外的に表示用画像に含めるとしてもよい。
読影に適する所定の条件を満たす画像と条件を満たさない画像とが交互に現れているような場合には、条件を満たす画像でも被写体Hの一断層面を構成する画像であるかどうか疑わしい場合もある。この点、読影に適する所定の条件を満たすと判断された再構成画像が所定枚数連続した場合には、それらの画像が被写体Hの一断層面を構成する画像である可能性が高く、連続した画像の途中に一部条件を満たさない画像がある場合でも、これを除外することは好ましくないといえる。この点、読影に適する所定の条件を満たす再構成画像が所定枚数連続した後に読影に適する所定の条件を満たさない再構成画像が現れた場合に当該画像を例外的に表示用画像に含めるとすることで、表示用画像とするか否かの選定をより適切に行うことができる。
【0048】
以上のようにして画像選定処理が終了すると、図3に戻って、制御部91は、再構成画像から削除対象画像を除外した表示用画像を記憶部95の表示用画像記憶部953に記憶させる(ステップS4)。そして、放射線技師による検像や医師による読影の際には、この表示用画像を表示部93に表示させる(ステップS5)。
なお、表示用画像の表示は、複数の画像を一覧表示させるものであってもよいし、順次切り替え表示されるようになっていてもよい。順次表示させる場合には、連続的に順次表示(動画表示)することとしてもよいし、操作部92の操作に応じて順次切り替え表示(手動表示)することとしてもよい。例えば、表示部93の表示画面において、図示しないスライドバーや再生切り替えボタンを表示させ、再生切り替えボタンの押下により動画表示と手動表示を切り替えることができるようにしてもよい。また、手動表示の場合、操作部32によるスライドバーの操作によって表示させる再構成画像を順次切り替える(コマ送りする)ことができるようにしてもよい。
また、図示は省略するが、検像を行う画面や読影を行う画面には、削除対象画像も含むすべての再構成画像を表示させる全画像表示ボタンが設けられていることが好ましい。これにより、放射線技師や読影医師が、自動的に行われた画像選定処理を再検証し、全ての再構成画像から検像や読影を詳細にやり直したいと希望した際に、その要望に応えることができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態におけるトモシンセシス撮影画像生成システムは、放射線源61と放射線検出器Fとの位置関係を変化させながら被写体の投影画像を所定回数取得する撮影手段と、撮影手段により取得された複数の投影画像を再構成して被写体の再構成画像を生成する再構成画像生成手段であり、生成された複数の再構成画像のうち、読影に適する所定の条件を満たさない画像を削除対象画像として選定する削除対象画像選定手段である制御部91と、削除対象画像選定手段である制御部91により削除対象画像と選定されたものを除外した再構成画像を表示用画像として表示する表示部93とを備えている。
これにより、再構成画像について検像を行う放射線技師や表示部93に表示される表示用画像に基づいて読影を行う医師等の医療関係者が、診断に適さないような鮮鋭性の低い画像が除外された状態でトモシンセシス撮影による再構成画像(被写体Hの断層画像、スライス画像)を見ることができる。このため、検像や読影に要する時間を短縮して効率よく検像作業や画像診断を行うことができる。
また、削除対象画像とされた画像が初めから取り除かれ読影を行うのに有用な画像のみが表示用画像として表示されるため、読影等に有用な画像のみに集中して検像や読影を行うことができ、医療関係者の負担を軽減しつつ、より高精度の検像や読影が行われることが期待できる。
【0050】
また、本実施形態ではトモシンセシス撮影画像選定装置であるコンソール90の制御部91が削除対象画像選定手段として機能しており、この削除対象画像選定手段としての制御部91は、複数の再構成画像について、読影に適する所定の条件を満たさない画像を削除対象画像として選定する。
このため、コンソール90において自動的に診断等に適さない画像を予め削除した状態で放射線技師や医師等の医療関係者に提供することができ、医療関係者の負担を軽減しつつ手を煩わせることなく、適切な画像診断を行うことができる。
【0051】
また、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像についてその周波数特性を解析し評価することにより、削除対象画像を選定する。これにより、簡易な手法で高精度に診断に適さない画像を選定し、表示用画像から除外することができる。
【0052】
また、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91は、周波数特性を解析・評価する手法として複数の再構成画像についてその周波数によるパワースペクトルの分布状態を解析する手法をとっている。これにより、簡易かつ確実に削除対象画像を選定することができる。
【0053】
また、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91は、撮影部位・撮影方向・患者サイズのいずれか、又はこれらの一部又は全部を総合的に解析することで得られる値を加味して削除対象画像を選定する。
撮影部位・撮影方向・患者サイズよっては、再構成画像を作成した場合に周波数特性の現れ方が変わったり、関心領域Ar1以外では周波数特性が正確に現れなかったりする。
この点、本実施形態では、撮影部位等に応じて関心領域Ar1を特定し、この関心領域Ar1について周波数特性を解析・評価する。これにより、より適切に削除対象画像を選定することができる。
【0054】
また、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像について撮影の時系列順に読影に適する所定の条件を満たすか否かを判断するようになっており、読影に適する所定の条件を満たすと判断された再構成画像の間に読影に適する所定の条件を満たさないと判断される再構成画像がある場合には、これを削除対象画像としない。
正確な読影、画像診断を行うためには、読影に適した画像をできるだけ多く見ることが好ましい。このため、読影に適した画像が誤って削除対象画像に選定されることを防ぐことが重要である。
この点、本実施形態では、被写体Hの一連の断層画像として連続している再構成画像(スライス画像)の一部が読影等の対象から除外されてしまうことを防止することができる。これにより、正確かつ適切な画像診断を行うことが可能となる。
【0055】
なお、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91が複数の再構成画像についてその周波数によるパワースペクトルの分布状態を解析することにより、削除対象画像を選定する場合を例示したが、削除対象画像選定手段である制御部91が再構成画像についてその周波数特性を解析し評価する具体的手法は、ここに例示したものに限定されない。
例えば、削除対象画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像についてそのMTF(Modulation Transfer Function)値を解析し評価することにより、削除対象画像を選定してもよいし、複数の再構成画像のDQE(Detective Quantum Efficency:検出量子効率)値を解析し評価することにより、削除対象画像を選定してもよい。
DQE、MTFの指標を用いた場合でも、各値を解析することにより鮮鋭な画像と非鮮鋭画像とを区別することができ、診断に適さない画像を適切に選定し表示用画像から除外することができる。
【0056】
また、削除対象画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像についてその周波数特性の解析に加えて、他の評価値を組み合わせることにより、削除対象画像を選定してもよい。
具体的には、例えば、SN(シグナルノイズ)比、ヒストグラム解析、画像解析、CAD(コンピュータ支援診断)等の数値と組み合わせて削除対象画像の選定を行うことが考えられる。
各種の評価値を組み合わせることにより、より精度の高い選定を行うことが期待できる。
【0057】
[第2の実施形態]
図9から図11を参照しつつ、本発明に係るトモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システムの第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態は、トモシンセシス撮影画像選定装置であるコンソール90における削除画像選定手段である制御部91による画像選定処理のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0058】
本実施形態において削除画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像について読影者が読影した時間を評価することにより、削除対象画像を選定する。
ここで読影とは、読影医師による読影のみでなく、放射線技師による検像等、医療関係者による画像確認を広く含むものとする。
また、図示は省略するが、本実施形態では、読影者に関する情報が記憶部95に記憶されている。
ここで読影者に関する情報とは、読影者が1枚の再構成画像を読影するのにかかる時間(平均時間や最長時間、最短時間等)等の情報であり、記憶部95には、これらの情報が各読影者を識別するためのID等と対応付けられて記憶されている。
1枚の再構成画像を読影するのにかかる時間は読影者毎に違うため、読影時間を評価するについて共通の閾値を設定することは難しい。この点、上記のように読影者に関する情報を記憶させておき、これを読影時間の閾値を決める際に参照することで、読影者の個人差を考慮した適切な閾値を設定することができる。
画像選定処理の具体的な内容については、図9を参照しつつ、作用とともに説明する。
【0059】
図9は、本実施形態における制御部91による画像選定処理を示すフローチャートである。
図9に示すように、制御部91は、まず、記憶部95を参照して画像選定処理の対象となる再構成画像の撮影部位、撮影方向、患者サイズを読み出す(ステップS21)。また、制御部91は、当該再構成画像について検像や読影等を行う者の情報(読影者情報)を記憶部95から読み出す(ステップS22)。
そして、この再構成画像の撮影部位等の情報と読影者情報とに基づいて当該再構成画像についての検像者又は読影者の読影時間の閾値を決定する(ステップS23)。
検像又は読影が開始されると、制御部91は各再構成画像についての読影時間の計測を開始する(ステップS24)。そして、制御部91は各再構成画像について検像又は読影が完了する度に各読影時間を記録する(ステップS25)。
【0060】
一連の撮影で得られた全ての再構成画像について検像又は読影が完了すると、制御部91は、読影時間が閾値よりも短い再構成画像を、読影に適する所定の条件を満たさない画像として削除対象画像と選定する(ステップS26)。
図10では、検像・読影の対象となる一連の撮影で得られた再構成画像が50枚ある場合を例示しており、横軸に再構成画像を1枚目から順に時系列に沿って並べている。また、縦軸は、各再構成画像の検像・読影に要した時間(秒)を示している。また、図10において一点鎖線は読影時間の閾値を意味しており、本実施形態ではほぼ1秒である。
図10に示す例では、再構成画像の11枚目から徐々に検像時間が長くなり、15枚目では検像時間が4秒となり閾値を超えている。その後検像時間は上下しながらも閾値以上で推移するが、35枚目で閾値を下回る。
このため、制御部91は、1枚目から14枚目、及び35枚目から50枚目までの再構成画像を読影に適する所定の条件を満たさない画像として削除対象画像と選定する。
【0061】
なお、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91は、複数の再構成画像について撮影の時系列順に読影に適する所定の条件を満たすか否かを判断するようになっている。そして、読影に適する所定の条件を満たすと判断された再構成画像の間に読影に適する所定の条件を満たさないと判断される再構成画像がある場合には、これを削除対象画像とせずに表示用画像に変更する(ステップS27)。
例えば、図11に示す例では、図10と同様に、再構成画像の11枚目から徐々に検像時間が長くなり、15枚目では検像時間が4秒となり閾値を超えている。しかし、その後、26枚目、27枚目では検像時間が閾値を下回り、28枚目で再び閾値を上回り、その後は閾値以上で推移して、35枚目で再び閾値を下回る。
この場合、26枚目、27枚目は読影に適する所定の条件を満たしていないが、制御部91は、これらについても削除対象画像とせずに表示用画像に変更する。
第1の実施形態と同様、時系列に沿って被写体Hの厚み方向に連続した断層画像(スライス画像)の一部に読影に適する所定の条件を満たしていない画像がある場合でもこれらの再構成画像は被写体Hの一断層面を表しているはずのものである。読影時間は、読影者の疲労具合等によって変動するものであり、連続した画像の一部に読影時間の短いものが含まれていてもこれをもって必ずしも診断に適さない画像であるとは判断することはできない。この場合、こうした画像を読影に用いる画像から除外することは好ましくないため、本実施形態ではこれらの画像を読影に用いる表示用画像に含めるようにする。
これにより、被写体Hの一断層面を構成する画像が読影対象から除外されてしまうのを回避できる。
なお、読影に適する所定の条件を満たしていない画像を例外的に表示用画像に含める際の判断手法が特に限定されない点は第1の実施形態と同様である。
【0062】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、削除対象画像選定手段である制御部91が、複数の再構成画像について読影者が読影した時間を評価することにより、削除対象画像を選定する。このため、読影者の経験等に基づいて適切に削除対象画像の選定を行うことができる。
【0064】
なお、本実施形態では、画像選定処理の対象となる再構成画像の撮影部位、撮影方向、患者サイズ及び検像や読影等を行う者の情報(読影者情報)に基づいて当該再構成画像についての検像者又は読影者の読影時間の閾値を決定して、この閾値を超えるか否かによって削除対象画像を選定する場合を例示したが、削除画像選定手段である制御部91が複読影者が読影した時間を評価することにより、削除対象画像を選定する手法はこれに限定されない。
例えば、一連の撮影で得られた全ての再構成画像について検像又は読影が完了した段階で、制御部91が各画像の検像時間の平均値等を算出し、この平均値に照らして一定以上短い読影時間であったものを削除対象画像として選定してもよい。この場合には、削除対象画像とするか否かを一連の撮影で得られた全ての再構成画像の中における相対評価で行うことができるため、予め読影者毎、撮影部位等毎の閾値等を取得、記憶しておく必要がない。
【0065】
また、本実施形態で示した読影者が読影した時間を評価する手法と、第1の実施形態のように再構成画像についてその周波数特性を解析し評価する各種の手法とを組み合わせて削除対象画像を選定してもよい。
この場合には、より多くの要素で削除対象画像を判断することができるため、高精度に削除対象画像の選定を行うことが期待できる。
【0066】
また、例えば放射線技師による検像が行われ、その後読影医による読影が行われるような場合、読影が行われる毎に表示用画像が更新されるようにしてもよい。このようにした場合には、読影に適した画像が次第に絞られて行くため、より効率よく読影、画像診断を行うことができる。
【0067】
また、上記各実施形態においては、全ての再構成画像と、再構成画像のうち削除対象画像を除いた画像(表示用画像)とを、別々に記憶する(すなわち、再構成画像を記憶部95の再構成画像記憶部952に記憶し、再構成画像のうち削除対象画像を除いた表示用画像を表示用画像記憶部953に記憶する)という構成について説明したが、再構成画像のうち削除対象画像を除いた画像を記憶する構成はこれに限定されない。
例えば、削除対象画像か否かの判定結果を各再構成画像の付帯情報として当該再構成画像(群)と対応付けて記憶するという構成としてもよい。
この場合には、付帯情報が対応付けられた状態で再構成画像が記憶部95の再構成画像記憶部952に記憶されるため、別途表示用画像記憶部953を設ける必要がない。
この場合、重複して画像データが記憶されないため、記憶される画像データの量を軽減させることができる。
【0068】
また、上記各実施形態では、トモシンセシス撮影画像選定装置としてのコンソール90が、削除対象画像選定手段である制御部91により削除対象画像と選定されたものを除外した再構成画像を表示用画像として表示する表示手段としての表示部93を備えている場合を例示したが、トモシンセシス撮影画像選定装置(上記各実施形態ではコンソール90)が表示手段(表示部93)を備えていることは必須ではない。
例えば、トモシンセシス撮影画像選定装置(コンソール90)は表示手段(表示部93)を備えず、削除対象画像と選定されたものを除いた再構成画像を、表示手段を備えた外部装置(例えばPACS等)に送信する構成としてもよい。
このように、削除対象画像と選定されたものを除いた再構成画像をPACS等の外部装置に送信する際には、(1)削除対象画像と選定されたものを除いた再構成画像のみをPACS等の外部装置に送信する構成、(2)全ての再構成画像を、削除対象画像か否かの付帯情報と対応付けた状態でPACS等の外部装置に送信する構成、のいずれの構成をとることも可能である。
【0069】
また、上記各実施形態においては、放射線検出器Fがいわゆる可搬型(カセッテ型等ともいう。)であり、それを、放射線撮影装置1を構成する撮影台50の検出器装填部51に装填して放射線断層撮影を行う場合について説明したが、放射線検出器Fが可搬型でなく、撮影台50と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線検出器に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0070】
また、上記各実施形態においては、放射線撮影装置1は臥位で撮影を行う装置として説明したが、立位の撮影を行う装置としてもよい。
【0071】
また、上記各実施形態においては、放射線撮影装置1は、放射線検出器F及び被写体Hを固定とし、放射線源61を移動させてトモシンセシス撮影を行うものとして説明したが、固定された被写体Hの体軸方向に沿って放射線源61及び放射線検出器Fを反対方向に移動させる構成としてもよい。又は、放射線検出器Fを固定として被写体H及び放射線源61を移動させる構成としてもよい。又は、放射線源61を固定として放射線検出器F及び被写体Hを移動させる構成としてもよい。
また、本発明は、トモシンセシス撮影により得られた投影画像から断層画像を生成する場合だけでなく、CT撮影により得られた投影画像から断層画像を生成する場合についても適用することができる。
【0072】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0073】
その他、トモシンセシス撮影画像選定装置及びトモシンセシス撮影画像生成システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 放射線撮影装置
50 撮影台
51 検出器装填部
52 装填部支持部
54 被写体台
60 放射線照射装置
61 放射線源
64 放射線源移動機構
90 コンソール
91 制御部
92 操作部
93 表示部
94 通信部
95 記憶部
100 画像生成システム
F 放射線検出器
H 被写体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11