(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る波長変換部材の模式的正面断面図である。
図1に示すように、波長変換部材1は、ガラスマトリックス2と、ガラスマトリックス2中に配置されている蛍光体粒子3とを備える。波長変換部材1は、互いに対向する第1,第2の主面1a,1bを有する。
【0014】
本実施形態において、第1の主面1a及び第2の主面1bのうち一方の面から励起光が入射される。励起光の入射により蛍光体粒子3から蛍光が出射される。蛍光及び励起光が、第1の主面1a及び第2の主面1bのうち他方の面から出射される。なお、本実施形態では、第1の主面1aと第2の主面1bとが対向している方向を厚み方向とする。
【0015】
ガラスマトリックス2は、無機蛍光体等の蛍光体粒子3の分散媒として用いることができるものであれば特に限定されない。例えば、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸塩、スズリン酸塩系ガラス、ビスマス酸塩系ガラス系ガラス等を用いることができる。ホウ珪酸塩系ガラスとしては、質量%で、SiO
2 30〜85%、Al
2O
3 0〜30%、B
2O
3 0〜50%、Li
2O+Na
2O+K
2O 0〜10%、及び、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜50%を含有するものが挙げられる。スズリン酸塩系ガラスとしては、モル%で、SnO 30〜90%、P
2O
5 1〜70%を含有するものが挙げられる。ガラスマトリックス2の軟化点は、250℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜950℃であることがより好ましく、500℃〜900℃の範囲内であることがさらに好ましい。ガラスマトリックス2の軟化点が低すぎると、波長変換部材1の機械的強度や化学的耐久性が低下する場合がある。また、ガラスマトリックス2自体の耐熱性が低くなるため、蛍光体粒子3から発生する熱により軟化変形する場合がある。一方、ガラスマトリックス2の軟化点が高すぎると、製造時の焼成工程によって、蛍光体粒子3が劣化して、波長変換部材1の発光強度が低下する場合がある。また、ガラスマトリックス2は無アルカリガラスであることが好ましい。これにより、蛍光体粒子3の失活を抑制することができる。なお、波長変換部材1の機械的強度及び化学的耐久性を高める観点からはガラスマトリックス2の軟化点は500℃以上であることが好ましく、600℃以上であることがより好ましく、700℃以上であることがさらに好ましく、800℃以上であることがさらに好ましく、特に850℃以上であることが好ましい。そのようなガラスとしては、ホウ珪酸塩系ガラスが挙げられる。ただし、ガラスマトリックス2の軟化点が高くなると、焼成温度も高くなり、結果として製造コストが高くなる傾向がある。よって、波長変換部材1を安価に製造する観点からは、ガラスマトリックス2の軟化点は550℃以下であることが好ましく、530℃以下であることがより好ましく、500℃以下であることがさらに好ましく、480℃以下であることがさらに好ましく、特に460℃以下であることが好ましい。そのようなガラスとしては、スズリン酸塩系ガラス、ビスマス酸塩系ガラスが挙げられる。
【0016】
蛍光体粒子3は、励起光の入射により蛍光を出射するものであれば、特に限定されるものではない。蛍光体粒子3の具体例としては、例えば、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体及びガーネット系化合物蛍光体から選ばれた1種以上等が挙げられる。励起光として青色光を用いる場合、例えば、緑色光、黄色光または赤色光を蛍光として出射する蛍光体を用いることができる。
【0017】
蛍光体粒子3の平均粒子径は、1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましい。蛍光体粒子3の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下する場合がある。一方、蛍光体粒子3の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均質になる場合がある。
【0018】
ガラスマトリックス2中での蛍光体粒子3の含有量は、1〜70体積%の範囲内であることが好ましく、1.5〜50体積%の範囲内であることがより好ましく、2〜30体積%の範囲内であることがさらに好ましい。蛍光体粒子3の含有量が少なすぎると、波長変換部材1の発光強度が不十分になる場合がある。一方、蛍光体粒子3の含有量が多すぎると、所望の発光色が得られない場合がある。また、波長変換部材1の機械的強度が低下する場合がある。
【0019】
波長変換部材1の厚みは、0.01mm〜1mmの範囲内であることが好ましく、0.03mm〜0.5mmの範囲内であることがより好ましく、0.05mm〜0.35mmの範囲内であることがさらに好ましく、0.075mm〜0.3mmの範囲内であることが特に好ましく、0.1mm〜0.25mmの範囲内であることが最も好ましい。波長変換部材1の厚みが厚すぎると、波長変換部材1における光の散乱や吸収が大きくなりすぎ、蛍光の出射効率が低くなってしまう場合がある。波長変換部材1の厚みが薄すぎると、十分な発光強度が得られにくくなる場合がある。また、波長変換部材1の機械的強度が不十分になる場合がある。
【0020】
本実施形態の特徴は、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の濃度が、第1の主面1aから20μm内側における蛍光体粒子3の濃度よりも高く、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の濃度が、第2の主面1bから20μm内側における蛍光体粒子3の濃度よりも低く、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の濃度が、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高いことにある。以下、本実施形態の特徴について、
図1〜
図5を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態では、第1の主面1aから20μm内側の面を表層底面1cとする。同様に、第2の主面1bから20μm内側の面を表層底面1dとする。第1の主面1aから表層底面1cまでの領域は、本実施形態における表層B1である。第2の主面1bから表層底面1dまでの領域は、本実施形態における表層B2である。
【0022】
図2は、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の濃度を示す模式的平面図である。
図3は、第1の主面1aから20μm内側の表層底面1cにおける蛍光体粒子3の濃度を示す模式的平面断面図である。
図2及び
図3に示すように、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の面積占有率よりも、表層底面1cにおける蛍光体粒子3の面積占有率は小さくなっている。従って、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の濃度は、第1の主面1aから20μm内側の表層底面1cにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高くなっている。
【0023】
図4は、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の濃度を示す模式的平面図である。
図5は、第2の主面1bから20μm内側の表層底面1dにおける蛍光体粒子3の濃度を示す模式的平面断面図である。
図4及び
図5に示すように、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の面積占有率は、表層底面1dにおける蛍光体粒子3の面積占有率よりも小さくなっている。従って、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の濃度は、第2の主面1bから20μm内側の表層底面1dにおける蛍光体粒子3の濃度よりも低くなっている。
【0024】
図2及び
図4に示すように、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の濃度は、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高い。
【0025】
第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の面積占有率は、表層底面1cにおける蛍光体粒子3の面積占有率の140%以上であることが好ましく、160%以上であることがより好ましく、200%以上であることがさらに好ましく、1000%以下であることが好ましく、500%以下であることがより好ましく、330%以下であることがさらに好ましい。当該面積占有率が小さすぎると、第1の主面1aを研磨した際の色度変化量が小さすぎて、生産効率が低下する傾向がある。一方、当該面積占有率が大きすぎると、第1の主面1aを研磨した際の色度変化量が大きすぎて、色度調整を高精度に行うことが困難になる。
【0026】
第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の面積占有率は、表層底面1dにおける蛍光体粒子3の面積占有率の10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましく、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。当該面積占有率が小さすぎると、第2の主面1bを研磨した際の色度変化量が小さすぎて、生産効率が低下する傾向がある。一方、当該面積占有率が大きすぎると、第2の主面1bを研磨した際の色度変化量が大きすぎて、色度調整を高精度に行うことが困難になる。
【0027】
第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の面積占有率は、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の面積占有率の140%以上であることが好ましく、160%以上であることがより好ましく、200%以上であることがさらに好ましく、1000%以下であることが好ましく、500%以下であることがより好ましく、330%以下であることがさらに好ましい。当該面積占有率をこのような範囲とすることにより、色度を容易に、かつ高精度に調整することができるという本発明の効果を享受しやすくなる。
【0028】
なお、面積占有率は各主面及び各表層底面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像を二値化し、単位面積あたりに占める蛍光体粒子部分の面積比率により算出する。表層底面については、主面を研磨することにより表層底面を露出させた状態で画像を撮影する。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の波長変換部材1は、第1,第2の領域A1,A2を有する。第1,第2の領域A1,A2では、それぞれ第1の主面1a側から第2の主面1b側に向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が低くなっている。第1の領域A1は第1の主面1aを含み、第2の領域A2は第2の主面1bを含む。第1の領域A1と第2の領域A2とは、第1の主面1aから第2の主面1bに向かい、連続して設けられている。
【0030】
より詳細には、第1の領域A1においては、第1の主面1aから、第2の主面1b側に向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が徐々に低くなる濃度勾配を有している。従って、表層B1は、第1の主面1aに向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が徐々に高くなる濃度勾配を有している。一方、第2の領域A2においては、第1の主面1a側から、第2の主面1bに向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が徐々に低くなる濃度勾配を有している。従って、表層B2は、第2の主面1bに向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が徐々に低くなる濃度勾配を有している。
【0031】
波長変換部材1は、入射した励起光の波長を変換して蛍光を出射する目的で用いられる。白色光の発光デバイスの場合には、例えばLED等の光源からの励起光である青色光と、蛍光である黄色光との合成光としての白色光が波長変換部材1から出射される。波長変換部材1から出射される光の色度の調整は、一般に、波長変換部材1の第1の主面1a及び第2の主面1bの少なくとも一方を研磨し、波長変換部材1の厚みを薄くすることにより調整される。波長変換部材1の厚みを薄くすることにより、波長変換部材1から出射する蛍光の割合を少なくし、波長変換部材1を透過する励起光の割合を多くすることができる。波長変換部材1の厚みの調整は、一般に表層B1,B2の領域内で研磨することにより行われる。
【0032】
本実施形態においては、第1の主面1aにおける蛍光体粒子3の濃度は、表層底面1cにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高くなっている。そのため、第1の主面1aを研磨することによる厚みの変化に対する色度の変化が大きい。すなわち、第1の主面1a側においては、研磨による研削量が少ない場合においても、色度を大きく変化させることができ、色度を容易に調整することができる。一方、第2の主面1bにおける蛍光体粒子3の濃度は、表層底面1dにおける蛍光体粒子3の濃度よりも低くなっている。そのため、第2の主面1bを研磨することによる厚みの変化に対する色度の変化が小さい。すなわち、第2の主面1b側においては、研磨による厚みの変化に対し、色度をわずかに変化させることができ、色度を微調整することができる。
【0033】
よって、色度を調整するに際し、第1の主面1aを研磨し、所望の色度付近に調整した後に、第2の主面1bを研磨し、色度を微調整することができる。従って、本実施形態によれば、色度を容易に、かつ高精度に調整することができる。
【0034】
図1に示すように、第2の領域A2においては、表層底面1dにおける蛍光体粒子3の濃度よりも、表層底面1dよりも内側における蛍光体粒子3の濃度のほうが高い。すなわち、波長変換部材1は、第1の主面1a付近だけではなく、表層底面1cと表層底面1dとの間の領域において、表層底面1dにおける蛍光体粒子3の濃度よりも、蛍光体粒子3の濃度が高い領域Cを有する。蛍光体粒子3の濃度が高い領域Cがない場合、波長変換部材1の内部において、蛍光体粒子3が存在する部分と、存在しない部分とで、励起光の散乱や波長変換の度合いが異なるため、発光色が不均質になる傾向がある。例えば、蛍光体粒子3が存在しない部分に励起光が照射されると、散乱や波長変換されずにそのまま透過する、いわゆる「励起光のヌケ」が発生する場合がある。一方、蛍光体粒子3の濃度が高い領域Cがある場合は、波長変換部材1の表層をそのまま透過した励起光が領域Cで散乱または波長変換されやすくなり、色の均質性が向上しやすくなる。
【0035】
さらに、波長変換部材1においては、蛍光体粒子3の濃度が高い領域を複数有するため、第1の主面1a付近における蛍光体粒子3の濃度を過度に高くすることなく、波長変換部材1における蛍光体粒子3の含有量を十分な量とすることができる。従って、第1の主面1a付近における機械的強度の劣化を招き難く、かつより確実に、波長変換部材1における蛍光体粒子3の含有量を十分な量とすることができる。
【0036】
なお、
図1において、表層B2に蛍光体粒子3が図示されていないが、
図4に示すように、表層B2にも蛍光体粒子3が含有されていてもよい。表層B2以外の蛍光体粒子3が図示されていない部分にも、同様に蛍光体粒子3が含有されていてもよい。
図1においては、表層B1及び領域Cにおける蛍光体粒子3の濃度が高いことを示すため、表層B1及び領域Cにのみ蛍光体粒子3を図示している。
【0037】
以下において、波長変換部材1の製造方法の一例について説明する。
【0038】
(波長変換部材の製造方法)
図6(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る波長変換部材の製造方法の一例を説明するための模式的正面断面図である。
【0039】
波長変換部材1の製造方法では、まず、ガラスマトリックスとなるガラス粒子と、蛍光体粒子と、バインダー樹脂や溶剤等の有機成分とを含むスラリーを調製する。次に、
図6(a)に示すように、スラリー4を、基材であるポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム6上にドクターブレード法等により塗布する。
【0040】
次に、スラリー4を乾燥させる。このとき、スラリー4の乾燥が完了するまでの間に、蛍光体粒子3を下方に沈降させる。これにより、
図6(b)に示す、下面5Abにおける蛍光体粒子3の濃度が上面5Aaにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高い、第1のグリーンシート5Aを得る。
【0041】
なお、スラリー4のガラス粒子の密度は、蛍光体粒子3の密度よりも小さい。それによって、蛍光体粒子3を好適に沈降させることができる。よって、第1のグリーンシート5Aにおいて、より確実に上記のような蛍光体粒子3の濃度分布とすることができる。
【0042】
他方、
図6(a)及び
図6(b)に示した工程と同様の方法により、
図6(c)に示す第2のグリーンシート5Bを得る。第2のグリーンシート5Bも、下面5Bbにおける蛍光体粒子3の濃度は上面5Baにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高い。
【0043】
次に、
図6(c)に示すように、第1のグリーンシート5Aの上面5Aaと、第2のグリーンシート5Bの下面5Bbとを重ね合わせるように、第1,第2のグリーンシート5A,5Bを積層する。次に、第1,第2のグリーンシート5A,5Bの熱圧着を行い、一体化して焼成を行う。これにより、
図6(d)に示す波長変換部材1Aを作製する。
【0044】
さらに、波長変換部材1Aの第1の主面1a及び第2の主面1b、またはいずれか一方を研磨することにより、波長変換部材1Aの色度調整を行ってもよい。なお、第1の実施形態においては、第1,第2の主面1a,1bを研磨し、
図1に示した波長変換部材1を得る。研磨の方法としては、特に限定されず、例えば、ラップ研磨や、鏡面研磨により行うことができる。ラップ研磨は鏡面研磨より研磨速度が速いという利点がある。一方、鏡面研磨はラップ研磨より研磨面精度を高めることが可能である。波長変換部材1の厚みと色度には相関関係があるので、予めこの相関関係を求めておくことにより、所望の色度を得るための波長変換部材1の目標厚みを求めることができる。厚みと色度の相関関係は、例えば目標色度より高い状態で研磨を行いながら厚みと色度を測定することにより求めることができる。この場合、色度と厚みとの相関関係を精度良く得る観点からは、最終製品の仕上げ面と同等の表面状態(表面粗さ)となる研磨方法を採用することが好ましい。例えば、最終製品の仕上げを鏡面研磨により行う場合は、色度と厚みの相関関係を求める際の研磨方法も鏡面研磨を採用することが好ましい。
【0045】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る波長変換部材の模式的正面断面図である。本実施形態の波長変換部材11は、
図6(c)に示した第1,第2のグリーンシート5A,5Bに加え、第1,第2のグリーンシート5A,5Bと同様の方法により作製した第3のグリーンシートをさらに積層して製造することができる。具体的には、第3のグリーンシートにおける、蛍光体粒子3の濃度が低い上面を、第1,第2のグリーンシート5A,5Bの積層体の第1のグリーンシート5A側に積層し、一体化して焼成することにより製造することができる。あるいは、第3のグリーンシートにおける、蛍光体粒子3の濃度が高い下面を、上記積層体の第2のグリーンシート5B側に積層してもよい。
【0046】
本実施形態においても、第1の主面11aにおける蛍光体粒子3の濃度は、表層底面11cにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高い。第2の主面11bにおける蛍光体粒子3の濃度は、表層底面11dにおける蛍光体粒子3の濃度よりも低い。さらに、第1の主面11aにおける蛍光体粒子3の濃度は、第2の主面11bにおける蛍光体粒子3の濃度よりも高い。そのため、第1の主面11aを研磨し、所望の色度付近に調整した後に、第2の主面11bを研磨し、色度を微調整することができる。従って、色度を容易に、かつ高精度に調整することができる。
【0047】
また、波長変換部材11は、第1の主面11a側から第2の主面11b側に向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が低くなっている第1〜第3の領域A1〜A3を有する。第1の主面11a側から第2の主面11b側に向かい、第1の領域A1、第3の領域A3及び第2の領域A2が、この順序で連続して設けられている。なお、波長変換部材11では、第1の主面11a側から第2の主面11b側に向かうにつれて蛍光体粒子3の濃度が低くなっている領域を3つ有しているが、4つ以上有していてもよい。
【0048】
波長変換部材11は、表層底面11cと表層底面11dとの間において、表層底面11dにおける蛍光体粒子3の濃度よりも、蛍光体粒子3の濃度が高い領域Cを複数有する。よって、上述した色の均質性向上の効果がより一層得やすくなる。さらに、第1の実施形態と同様に、第1の主面11a付近における機械的強度の劣化を招き難く、かつより確実に、蛍光体粒子3の含有量を十分な量とすることができる。
【0049】
なお、第3の領域A3においては、第1の主面11a側から第2の主面11b側に向かうにつれて、蛍光体粒子3の濃度が高くなっていてもよい。