特許第6790569号(P6790569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790569
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20201116BHJP
   G03G 21/12 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   G03G15/16
   G03G21/12
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-157300(P2016-157300)
(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公開番号】特開2018-25667(P2018-25667A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早矢仕 侑治
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−053298(JP,A)
【文献】 特開2015−075725(JP,A)
【文献】 特開2012−203293(JP,A)
【文献】 米国特許第05534988(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される像担持面を有し当該像担持面を一方向に搬送する像担持体と、
前記トナー像を転写した後の前記像担持面に残留する残留トナーを当該像担持面から除去するためのクリーニングユニットとを備えた画像形成装置であって、
前記クリーニングユニットは、
前記像担持面に当接して配置され当該像担持面から残留トナーを掻き取るためのクリーニングブレードと、
前記像担持面に対向して配置される開口部を有し、前記クリーニングブレードによって前記像担持面から掻き取られた残留トナーを当該開口部から収容して貯留する貯留ケースと、
前記貯留ケースに振動を加えるための加振手段と、
前記加振手段によって前記貯留ケースに加える振動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記トナー像を担持した前記像担持面の搬送が実施される画像形成中および当該画像形成中以外の非画像形成中において前記貯留ケースに振動を加え、
前記トナー像を担持した前記像担持面の搬送が実施される画像形成中には前記クリーニングブレードに振動が伝達されず、当該画像形成中以外の非画像形成中には前記貯留ケースを介して前記クリーニングブレードに振動が伝達されるように、前記加振手段による前記貯留ケースの加振を制御する
画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニングブレードは、前記貯留ケースに固定して設けられたものであり、
前記加振手段は、前記貯留ケースの所定部を打振するように振動し、
前記制御手段は、前記トナー像を担持した前記像担持面の搬送が実施される画像形成中には前記クリーニングブレードに振動が伝達されず、当該画像形成中以外の非画像形成中には前記貯留ケースを介して前記クリーニングブレードに振動が伝達されるように、前記加振手段による前記貯留ケースの加振を制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記加振手段は、前記クリーニングブレードの固定部からの距離が異なる前記貯留ケースの各部に対して振動を加えることが可能な構成であり、
前記制御手段は、前記画像形成中よりも前記非画像形成中において、前記クリーニングブレードの固定部からの距離がより近い位置で前記貯留ケースに振動を加えるように、前記加振手段による前記貯留ケースの加振を制御する
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記加振手段は、前記クリーニングブレードの固定部からの距離が異なる前記貯留ケースの各部を打振する複数の振動部材を備え、
前記制御手段は、前記複数の振動部材による前記貯留ケースの打振を制御する
請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記貯留ケースは、前記クリーニングブレードの固定部からの距離が異なる各部に分断され、分断部分が緩衝材で連結された
請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記貯留ケースは、前記加振手段によって振動が加えられる位置と、前記クリーニングブレードの固定部とを分断する分断部分を有し、
前記加振手段は、前記分断部分に対して着脱自在な振動伝達部材を備え、
前記制御手段は、前記画像形成中には前記振動伝達部材を前記分断部分から離脱させて前記加振手段によって前記貯留ケースに加えられた振動の前記クリーニングブレードへの伝達を遮蔽し、前記非画像形成中には前記振動伝達部材を前記分断部分に装着させて前記加振手段によって前記貯留ケースに加えられた振動を前記クリーニングブレードに伝達する
請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記像担持体は、前記非画像形成中において前記画像形成中とは逆方向に前記像担持面を搬送する
請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記加振手段は、前記貯留ケースに対して複数方向の振動を加える
請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記加振手段による前記貯留ケースの振動方向は、前記クリーニングブレードの延設方向に対して垂直な方向を含む複数方向である
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成中における前記像担持面の搬送方向の前記クリーニングユニットよりも上流側に、別のクリーニングユニットが配置されている
請求項1〜9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記クリーニングブレードは、前記貯留ケースに固定して設けられたものであり、
前記クリーニングブレードが固定された前記貯留ケースは、前記像担持体に対して取り外しが自在である
請求項1〜10の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記加振手段は、機械的に振動して前記貯留ケースを部分的に打振するように配置された振動部材を有する
請求項1〜11の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特には像担持体に残留したトナーを除去するためのクリーニングユニットを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の一つに、粉体状のトナーを現像剤に用いた乾式の画像形成装置がある。この画像形成装置には、像担持体上に形成したトナー画像を記録紙等に転写した後、像担持体に残留した残留トナーを除去するためのクリーニングユニットが設けられている。
【0003】
このようなクリーニングユニットの1つとして、クリーニングブレードがトナー像担持ベルトの外周面に当接して残留トナーを除去するとき、ブレード支持部材を振動させることで、トナー像担持ベルトを振動させ、トナー像担持ベルトからの残留トナーの除去効率の向上を図る構成のものが開示されている(下記特許文献1参照)。また別のクリーニングユニットの1つとして、残留トナーを除去するためのフレード部材またはブレード部材を保持するためのホルダーに、ブレード部材を加振してブレード部材の先端部と像担持体との摺接状態を変更することが可能な加振手段を設け、スティックスリップによる騒音の発生を防止する構成のものが開示されている(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4812865号公報
【特許文献2】特開2009−169277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述したクリーニングユニットの中には、クリーニングブレードによって像担持体上から除去した残留トナーを、クリーニングフレードが固定された廃トナーの貯留ケース内にそのまま貯め置く構成のものがある。この様な構成の貯留型クリーニングユニットは、貯留ケース内の廃トナーが満杯になった場合に、分解することなく交換される。このため、クリーニングユニットの交換サイクルを長くするには、廃トナーの貯留ケースを大容量化する必要がある。しかしながら、クリーニングブレードによって像担持体上から貯留ケース内に掻き落とされた残留トナーは、貯留ケースの開口部付近に滞留し易く、大容量化した貯留ケースの奥にまで行き届き難い。したがって、貯留ケースを大容量化しても、容量分の廃トナーを貯留ケース内に貯めることが困難であった。
【0006】
そこで本発明は、クリーニングブレードによって像担持体上から除去した残留トナーを、廃トナーの貯留ケースの開口部付近に滞留させることなく貯留ケースの深部に移動させることが可能なクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するための本発明の画像形成装置は、トナー像が形成される像担持面を有し当該像担持面を一方向に搬送する像担持体と、前記トナー像を転写した後の前記像担持面に残留する残留トナーを当該像担持面から除去するためのクリーニングユニットとを備えた画像形成装置であって、前記クリーニングユニットは、前記像担持面に当接して配置され当該像担持面から残留トナーを掻き取るためのクリーニングブレードと、前記像担持面に対向して配置される開口部を有し、前記クリーニングブレードによって前記像担持面から掻き取られた残留トナーを当該開口部から収容して貯留する貯留ケースと、前記貯留ケースに振動を加えるための加振手段と、前記加振手段によって前記貯留ケースに加える振動を制御する制御手段とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明の画像形成装置によれば、クリーニングブレードによって像担持体上から除去した残留トナーを、廃トナーの貯留ケースの開口部付近に滞留させることなく貯留ケースの深部に移動させることが可能なクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
図2】第1実施形態のクリーニングユニットの構成図である。
図3】第2実施形態のクリーニングユニットの構成図である。
図4】第3実施形態のクリーニングユニットの構成図である。
図5】第4実施形態のクリーニングユニットの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪本発明の実施形態に係る画像形成装置≫
先ず、本発明を適用した各実施形態に係る画像形成装置の説明に先立ち、図1を用いて本発明の実施形態に係る乾式の画像形成装置の概略構成を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る乾式の画像形成装置を前面(正面)から見た構成図であり、以降に説明する各実施形態に係る画像形成装置1(2,3,4)に共通する図面である。この図に示す乾式の画像形成装置1(2,3,4)は、筐体10の上面部分に画像読取部11を備えている。筐体10の内部には、画像読取部11側から順に、画像形成部20および転写部30、定着部40、さらには用紙供給部50が設けられている。これらの各部材の構成は、次のようである。
【0012】
<画像読取部11>
画像読取部11は、その上面で構成される原稿台13に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。なお、本実施形態において画像データは、画像読取部11で生成されるデータに限定されず、画像形成装置1(2,3,4)に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置1(2,3,4)などの外部装置から受信したものであってもよい。
【0013】
<画像形成部20>
画像形成部20は、例えばイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット20y,20m,20c,20kを有する。各画像形成ユニット20y,20m,20c,20kは、それぞれが感光体21と、感光体21の周囲に配置された現像部23と、搬送型クリーニングユニット25とを備え、さらにここでの図示を省略した帯電部および露光部を備えている。
【0014】
このうち感光体21は、トナー像が形成される像担持体の1つであって、駆動モーターによって回転するドラム状であり、帯電部によって一様に帯電されたドラム状の側周表面を像担持面21aとし、この像担持面21aに露光部による露光走査によって静電潜像が形成される。なお、露光部による露光走査は、例えば画像読取部11で読み取られた画像データ、または外部装置から受信した画像データに基づいて行われる。
【0015】
また現像部23は、帯電部および露光部よりも感光体21の回転方向下流側において、感光体21の軸方向に沿って、感光体21の側周に配置されている。この現像部23は、帯電させたトナーを感光体21に供給することにより、感光体21の像担持面21aに形成された静電潜像に各色のトナーを付着させるものである。これにより、画像形成ユニット20yにおける感光体21の像担持面21aにはイエローのトナー像、画像形成ユニット20mにおける感光体21の表面にはマゼンタのトナー像、画像形成ユニット20cの感光体21にはシアンのトナー像、画像形成ユニット20kの感光体21にはブラックのトナー像が形成される。
【0016】
また搬送型クリーニングユニット25は、感光体21の像担持面21aに残留したトナーを除去するためのものであり、帯電部および露光部よりも感光体21の回転方向上流側において、感光体21の軸方向に沿って、感光体21の側周に配置されている。この搬送型クリーニングユニット25は、感光体21に向かって開口する断面U字管状のトナー収集路25a内に、感光体21の表面に静電吸着されたトナーをかき落とすクリーニングブレード25bと、トナー収集路25a内のトナーを搬送するためのスクリュー25cとを備えている。各画像形成ユニット20y,20m,20c,20kのトナー収集路25a内に掻き落とされたトナーは、スクリュー25cによってトナー収集路25aの外に運搬され、ここでの図示を省略したトナー収容部に回収される。
【0017】
以上のように構成された画像形成ユニット20y,20m,20c,20kは、感光体21の軸方向を平行にして配置される。配置された状態においては、各感光体21における現像部23の下流側で搬送型クリーニングユニット25の上流側の像担持面21aが、同一方向に向けられた状態となっている。
【0018】
<転写部30>
転写部30は、画像形成部20と並列して配置されている。この転写部30は、回転する無端ベルトとして構成された中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31に内接された複数のローラ33a〜33dおよび一次転写部35とを備えている。また転写部30は、二次転写ローラ35a、除電ローラ37、搬送型クリーニングユニット39、および貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)を備えている。
【0019】
このうち中間転写ベルト31は、トナー像が形成される像担持体の1つであって、複数のローラ33a〜33dに掛け渡された状態で配置されている。ローラ33a〜33dに掛け渡された状態の中間転写ベルト31の外周面は、像担持面31aであって、画像形成ユニット20y,20m,20c,20kの各感光体21の回転とは逆方向に回転し、感光体21の全てに順次接触する状態で配置されている。
【0020】
またローラ33a〜33dは、画像形成ユニット20y,20m,20c,20kの各感光体21と平行に配置され、中間転写ベルト31の像担持面31aを感光体21の全てに接触させるように中間転写ベルト31の内周側に配設されている。これらのローラ33a〜33dのうちの1つは、中間転写ベルト31を回転させるための駆動ローラとして構成されている。
【0021】
そして一次転写部35は、中間転写ベルト31の内周側で、各画像形成ユニット20y,20m,20c,20kの感光体21と対向するそれぞれの位置に、各感光体21との間に中間転写ベルト31を挟持する状態で配置されている。これらの一次転写部35は、トナーと反対の極性の電圧が印加され、これにより感光体21の像担持面上に付着したトナーを中間転写ベルト31の像担持面31aに転写させる。また中間転写ベルト31の回転駆動により、中間転写ベルト31の像担持面31aには、4つの画像形成ユニット20y,20m,20c,20kの各感光体21に形成された各色のトナー像が順次転写され、中間転写ベルト31上には、各色のトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
【0022】
また二次転写ローラ35aは、中間転写ベルト31の像担持面31a側において、ローラ33a〜33dのうちの1つ(ここではローラ33c)に対向する位置に、ローラ33cとの間に中間転写ベルト31を挟持する状態で配置されている。ここで、二次転写ローラ35aと対向配置されたローラ33cは、アースローラとして機能する。そして、二次転写ローラ35aとローラ33cとが接触するニップ部は、中間転写ベルト31の像担持面31a上に形成されたトナー画像を、以降に説明する用紙供給部50から搬送された記録紙Pに転写する転写位置となる。
【0023】
さらに除電ローラ37は、中間転写ベルト31の回転方向おける二次転写ローラ35aの下流側で、かつ一次転写部35の上流側において、中間転写ベルト31を挟持する状態で設けられ、中間転写ベルト31の電荷を除去する。
【0024】
また搬送型クリーニングユニット39は、除電ローラ37と一次転写部35との間における中間転写ベルト31の外周側において、中間転写ベルト31の像担持面31aに対向して配置されている。この搬送型クリーニングユニット39は、中間転写ベルト31の像担持面31aに残留したトナーを除去するためのもので、画像形成部20に設けられた搬送型クリーニングユニット25と同様に構成されたものである。
【0025】
そして貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)は、中間転写ベルト31の回転方向おける搬送型クリーニングユニット39の下流側において、ローラ33a〜33dのうちの1つ(ここではローラ33a)に対して対向する位置に設けられている。この貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)は、中間転写ベルト31の像担持面31aに残留したトナーのうち、搬送型クリーニングユニット39によっても除去しきれずに中間転写ベルト31に残留したトナーを除去するためのものである。
【0026】
各貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)は、中間転写ベルト31の像担持面31aから除去した残留トナーを、廃トナーとしてそのまま貯め置き、その一部が画像形成装置1(2,3,4)のメンテナンスに際して交換されるものである。このような貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)のぞれぞれは、以降に詳細に説明する各実施形態に特有の構成を有している。
【0027】
<定着部40>
定着部40は、次に説明する用紙供給部50から搬送された記録紙Pの搬送方向に対して、転写部30における二次転写ローラ35aの下流側に配置されている。この定着部40は、加熱ローラ41と、この加熱ローラ41に対向配置された圧着ローラ43とを備え、二次転写ローラ35aから搬送された記録紙Pをニップし、記録紙Pに転写されたトナー像を記録紙Pに定着させ、トナー像が定着された記録紙Pを筐体10の外部に排出する。
【0028】
<用紙供給部50>
用紙供給部50は、転写部30における二次転写ローラ35aに近接して配置されている。この用紙供給部50は、記録紙Pを収納するカセット51と、カセット51に収納された記録紙Pを送り出す送り出しローラ53、送り出しローラ53で送り出された記録紙Pを搬送する搬送ローラ55とを備えている。そして搬送ローラ55により、二次転写ローラ35aとローラ33cとの間における中間転写ベルト31の外周側に、中間転写ベルト31と共に記録紙Pを挟持させる。
【0029】
以上のような構成の画像形成装置1(2,3,4)は、以降の各実施形態で説明する貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)を備えているところが特徴的である。以下、各実施形態において、貯留型クリーニングユニット100(200,300,400)の詳細を説明する。なお、各実施形態において、図1を用いて説明した概略構成の詳細な説明は省略し、さらに各実施形態における共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0030】
≪第1実施形態≫
図2は、第1実施形態の画像形成装置1に設けられた貯留型クリーニングユニット100の構成図であり、図2Aは画像形成中の状態を示す図であり、図2Bは非画像形成中の状態を示す図である。ここで画像形成中とは、トナー画像が形成された中間転写ベルト31の像担持面31aが、所定方向に搬送されている場合であることとする。また非画像形成中とは、画像形成中以外の場合であり、これらは以降の各実施形態で共通であることとする。
【0031】
これらの図に示す貯留型クリーニングユニット100は、像担持体の1つである中間転写ベルト31に近接して配置されたものであり、中間転写ベルト31における像担持面31aに残留する残留トナーを除去するためのものでる。この貯留型クリーニングユニット100は、貯留部60と、加振手段70と、制御手段80とを備えている。これらは次のように構成されている。
【0032】
<貯留部60>
貯留部60は、ローラ33aとの間に中間転写ベルト31を挟持する位置に、ローラ33aの軸方向に沿って配置されている。ここでは特に図2Aに示すように、貯留部60は、画像形成中に所定方向に搬送される中間転写ベルト31が、上方に向かって移動する位置に配置されていることとする。また貯留部60は、中間転写ベルト31の像担持面31aからの取り外しが自在であり、この貯留型クリーニングユニット100を備えた画像形成装置1のメンテナンスに際して必要に応じて交換されるものである。
【0033】
このような貯留部60は、クリーニングブレード61、貯留ケース63、およびシール部材65を備えており、それぞれ以下のように構成されている。
【0034】
[クリーニングブレード61]
クリーニングブレード61は、像担持面31aから残留トナーTを掻き取るためのものである。クリーニングブレード61は、残留トナーTの他にも、中間転写ベルト31の像担持面31aしている付着物、例えば紙粉や外添剤等も同時に掻き取るが、以下においてはこれらの付着物をまとめて残留トナーTとする。このクリーニングブレード61は、ローラ33aの外周面で支持されている中間転写ベルト31の像担持面31aに対し、その幅方向にわたって当接する状態で配置される。このため、例えばローラ33aの軸方向が水平であれば、クリーニングブレード61も水平方向に延設されたものとなる。そしてクリーニングブレード61が像担持面31aに対して当接する角度は、像担持面31aから残留トナーTを掻き取り易い角度に設定されていることとする。
【0035】
このようなクリーニングブレード61は、例えばステンレス鋼材のような耐触性および耐久性に優れた材料用いて構成されていることが好ましい。
【0036】
[貯留ケース63]
貯留ケース63は、クリーニングブレード61によって像担持面31aから掻き取られた残留トナーTを収容し、廃トナーとして貯留するためのものである。この貯留ケース63は、両端が閉塞された筒状であって、ローラ33aの軸方向と並行に設けられ、中間転写ベルト31の像担持面31aの幅方向にわたって配置されたものである。貯留ケース63において像担持面31aに向かう面には、像担持面31aの幅方向にわたって像担持面31aと対向する形状の開口部63aが設けられている。この開口部63aにクリーニングブレード61が固定された状態となっている。
【0037】
開口部63aにおけるクリーニングブレード61の固定状態は、開口部63aの周縁のうち、上方の周縁から貯留ケース63の外側に向かって突出する状態で固定されている。これにより、クリーニングブレード61によって中間転写ベルト31の像担持面31aから掻き取られた残留トナーTが、落下によって貯留ケース63内に収容される構成となっている。貯留ケース63に対するクリーニングブレード61の固定部Pにおいては、残留トナーTの漏れ出しがないように、貯留ケース63とクリーニングブレード61とが密着して固定されていることとする。
【0038】
また貯留ケース63は、開口部63aよりも下側の内壁部分が、開口部63aから下方向に傾斜した形状となっていることが好ましい。これにより、クリーニングブレード61によって掻き取られ、開口部63aから貯留ケース63内に収容された残留トナーTが、貯留ケース63の深部にまで落下によって到達し易い形状となっている。なお、貯留ケース63における開口部63aよりも下側の内壁部分の傾斜の角度は、画像形成装置1における貯留ケース63の専有スペースの形状によって設定された角度でよく、水平であってもよい。
【0039】
[シール部材65]
シール部材65は、貯留ケース63の開口部63aにおいて、貯留ケース63と中間転写ベルト31の像担持面31aとの間の隙間を封鎖するために設けられたものである。このようなシール部材65は、クリーニングブレード61の固定部P以外の部分において、貯留ケース63の開口部63aに固定されている。このようなシール部材65は、中間転写ベルト31の搬送に追従する程度の弾性を有するシート材料によって構成されている。
【0040】
<加振手段70>
加振手段70は、貯留ケース63に振動を加えるためのものである。特にこの加振手段70は、貯留ケース63の所定部を打振するように振動する構成であり、貯留ケース63に対して、異なる大きさの振動を加えることが可能な構成である。
【0041】
このような加振手段70は、例えばモーター71と、モーター71の動力を伝えるためのギア72と、ギア72と係合して回転する小径カム73aおよび大径カム73bとで構成された振動モーターを有する。また、加振手段70は、この振動モーターによって振動する振動部材74、および振動部材74に取り付けられた引っ張りバネ75を有する。
【0042】
[小径カム73aおよび大径カム73b]
振動モーターの小径カム73aおよび大径カム73bは、円板型の周縁を切り欠いた段差を備えた偏芯カムであり、大径カム73bの段差が、小径カム73aの段差よりも大きく構成されている。これらの小径カム73aおよび大径カム73bは、例えばギア72と係合する1本の回転軸に対して同軸上に固定され、モーター71の駆動によって自在に回転する。小径カム73aおよび大径カム73bが固定された回転軸は、軸方向の伸縮が自在であり、これによって小径カム73aと大径カム73bは、軸方向の移動が自在である。
【0043】
[振動部材74]
振動部材74は、長尺状の板材であって、その中央部に設定された支点74aにおいて装置筐体70aに対して固定され、支点74aを中心にして回転自在である。この支点74aは、小径カム73aおよび大径カム73bの回転軸と平行な回転軸である。
【0044】
このような振動部材74の一端部は、駆動端74bとして小径カム73aまたは大径カム73bの段差を有する周縁部によって上方への移動が規制される。すなわち、図2Aに示すように、振動部材74の駆動端74bは、小径カム73aの周縁部に下方から当接した状態においては、回転する小径カム73aの周縁の高さ位置に追従して上方への移動が規制される。一方、図2Bに示すように、振動部材74の駆動端74bは、大径カム73bの周縁部に下方から当接した状態においては、回転する大径カム73bの周縁の高さ位置に追従して上方への移動が規制される。
【0045】
以上のような小径カム73aおよび大径カム73bに対する振動部材74の駆動端74bの位置は、小径カム73aおよび大径カム73bの回転軸を軸方向に移動させることによって自在に設定され、これによって振動部材74を振動させるためのカムの交換がなされる。
【0046】
また振動部材74の他端部は、打振端74cとして貯留ケース63の所定部の上方に配置される。この打振端74cは、小径カム73aまたは大径カム73bの回転によって駆動端74bの位置が規制されることによって、駆動端74bとは逆方向に上下の位置が規制される。打振端74cが最も下方向に位置した状態では、打振端74cが貯留ケース63の所定部を打振するように構成されている。ここで、打振端74cは、貯留ケース63において、クリーニングブレード61の固定部Pからできるだけ離れた位置を打振するように配置されることとする。
【0047】
[引っ張りバネ75]
また引っ張りバネ75は、振動部材74における支点74aと打振端74cとの間において、振動部材74を装置筐体70aに対して連結し、振動部材74の打振端74cを常に下方に引っ張る構成である。
【0048】
以上のように構成された加振手段70は、振動部材74の打振端74cが、小径カム73aまたは大径カム73bの回転に追従して機械的に上下に振動して貯留ケース63を部分的に打振する。また打振端74cによる貯留ケース63の打振は、小径カム73aまたは大径カム73bの回転速度に対応して周期的に実施され、これによって貯留ケース63に機械的な周波数の振動が加えられる。またこの際の貯留ケース63の振動方向は、上下の鉛直方向であって、クリーニングブレード61の延設方向に対して垂直な方向となる。
【0049】
また加振手段70は、小径カム73aおよび大径カム73bの回転軸を軸方向に移動させることによって、打振端74cを振動させるためのカムを交換し、打振端74cの振動の大きさを変化させることができる。すなわち、大径カム73bの回転によって振動部材74の打振端74cを振動させる場合には、小径カム73aによる場合と比較して、より大きなエネルギーで貯留ケース63を打振することができる。
【0050】
このような構成において小径カム73aおよび大径カム73bの段差、さらに振動部材74の打振端74cによる貯留ケース63の打振位置は、次のように設定されていることとする。すなわち、図2Aに示すように、振動部材74の打振端74cが小径カム73aの回転に追従して小さく上下動して貯留ケース63を打振する場合には、貯留ケース63に加えられた小さな振動波W1がクリーニングブレード61までには伝達されずに収束する。また図2Bに示すように、振動部材74の打振端74cが大径カム73bの回転に追従して大きく上下動して貯留ケース63を打振する場合には、小径カム73aの回転に追従する場合よりも大きなエネルギーで貯留ケース63が打振され、貯留ケース63に加えられた大きな振動波W2がクリーニングブレード61まで伝達される。
【0051】
なお、以上説明した加振手段70の構成は、あくまでも一例であり、貯留ケース63の所定部を異なる大きさで打振することが可能な構成であれば限定されることはない。例えば、以上においては、小径カム73aと大径カム73bの回転軸を軸方向に移動させることで、振動部材74の打振端74cを振動させるカムを交換する構成としたが、振動部材74を支点74aの軸方向に移動させる構成であってもよく、支点74aの位置を駆動端74bと引っ張りバネ75との間で移動させる構成であってもよい。また加振手段70の振動モーターの構成も、上述した構成に限定されることはない。
【0052】
<制御手段80>
制御手段80は、加振手段70によって貯留ケース63に加える振動を制御するものであり、特に画像形成中よりも非画像形成中において、貯留ケース63に大きな振動を加えるように、加振手段70による貯留ケース63への加振を制御する。上述した構成の加振手段70の制御であれば、制御手段80は、小径カム73aおよび大径カム73bの回転軸の伸縮を制御することにより、加振手段70によって貯留ケース63に加える振動を制御する。
【0053】
この場合の制御手段80による加振手段70の具体的な制御は、図2Aに示す画像形成中には、小径カム73aが振動部材74の駆動端74bの移動を規制し、図2Bに示す非画像形成中には、大径カム73bが振動部材74の駆動端74bの移動を規制するように、小径カム73aおよび大径カム73bの回転軸を伸縮させる。
【0054】
以上のような制御を実施するための制御手段80は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備えたものであり、CPUがROMに記憶されているプログラムを読出すことによって上記制御を実行する。
【0055】
<その他>
以上の他、貯留型クリーニングユニット100を備えた画像形成装置1においては、貯留型クリーニングユニット100が配置された中間転写ベルト31は、図2Bに示す非画像形成中において、像担持面31aの搬送を停止するか、または図中の破線矢印に示すように、画像形成中とは逆方向に像担持面31aを搬送してもよい。
【0056】
また以上説明した加振手段70の打振端74cによる貯留ケース63の打振は、クリーニングブレード61の延設方向に対して垂直な方向としたが、加振手段70は、貯留ケース63に対して複数方向の振動を加える構成であってもよい。この場合、貯留ケース63に対して設置角度を変えた複数の加振手段70を設けた構成とすればよい。ただし、加振手段70による貯留ケース63の加振方向は、クリーニングブレード61の延設方向に対して垂直な方向を含むことが好ましい。
【0057】
<第1実施形態の効果>
以上説明した構成の貯留型クリーニングユニット100を備えた画像形成装置1は、貯留ケース63に対して振動を加える加振手段70を設けた構成である。これにより、クリーニングブレード61によって像担持面31aから掻き取られて貯留ケース63内に収容された残留トナーTは、貯留ケース63の振動によって貯留ケース63内を移動し、貯留ケース63内においての残留トナーTの溜り部が均等に均される。したがて、貯留ケース63の開口部63a付近に残留トナーTが留まり続けることが防止され、貯留ケース63の容量に対応する十分な量の残留トナーTを貯留ケース63内に収容することが可能になる。したがって、貯留部60を交換するサイクルを伸ばすことが可能となり、画像形成装置1におけるメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。しかも、貯留ケース63の容量を大型化するほど、貯留部60を交換するサイクルを伸ばしてメンテナンス性を向上させることが可能になる。
【0058】
また貯留ケース63の開口部63a付近に残留トナーTが留まり続けることを防止できるため、クリーニングブレード61と像担持面31aとの隙間から、像担持面31aから掻き取った残留トナーTが漏れ出すことを防止できる。これにより像担持面31aのクリーニング精度が向上し、画像不良を防止することが可能である。
【0059】
そして特に、図2Aに示す画像形成中、すなわち像担持面31aの搬送が実施されている場合には、振動部材74の打振端74cが小径カム73aの回転に追従して小さく上下動して貯留ケース63を打振し、貯留ケース63に加えられた小さな振動波W1がクリーニングブレード61までには伝達されずに収束する構成である。これにより、画像形成中にはクリーニングブレード61と像担持面31aとの間に隙間が形成されることはない。したがって、貯留ケース63内からの残留トナーTの漏れ出しによる画像不良を確実に防止することが可能である。またこのように画像形成中であっても、貯留ケース63内の残留トナーTの均しを実施できるため、画像形成の生産性を低下させることもない。
【0060】
一方、図2Bに示す非画像形成中、すなわち像担持面31aの搬送が停止状態であるか逆方向である場合には、振動部材74の打振端74cが大径カム73bの回転に追従して大きく上下動して貯留ケース63を打振し、貯留ケース63に加えられた大きな振動波W2がクリーニングブレード61まで伝達される構成である。これにより、クリーニングブレード61に付着した残留トナーTをクリーニングブレード61から振り落し、クリーニングブレード61のメンテナンスを実施することが可能である。しかも、クリーニングブレード61から振り落した残留トナーTは、貯留ケース63内から漏れ出すことなく貯留ケース63内に収容されるため、画像不良が引き起こされることもない。
【0061】
さらに、加振手段70による貯留ケース63の加振方向を、クリーニングブレード61の延設方向に対して垂直な方向を含む複数方向とした場合であれば、貯留ケース63内の残留トナーTを、クリーニングブレード61の延設方向にも均すことができる。このため、さらに残留トナーTの収容量を増加させることが可能である。
【0062】
≪第2実施形態≫
図3は、第2実施形態の画像形成装置2に設けられた貯留型クリーニングユニット200の構成図であり、図3Aは画像形成中の状態を示す図であり、図3Bは非画像形成中の状態を示す図である。これらの図に示す貯留型クリーニングユニット200が、図2を用いて説明した貯留型クリーニングユニット100と異なるところは、加振手段70’の構成と、この加振手段70’の駆動を制御するための制御手段81の構成にあり、貯留部60の構成は同様である。このため、以下においては加振手段70’および制御手段81の構成を説明する。
【0063】
<加振手段70’>
加振手段70’は、貯留ケース63に振動を加えるためのものであり、特に貯留ケース63の複数個所を打振することが可能な構成である。ここで貯留ケース63の複数個所とは、クリーニングブレード61の固定部Pからの距離が異なる各部である。
【0064】
このような加振手段70’は、例えばモーター71と、モーター71の動力を伝えるためのギア72と、ギア72と係合して回転するカム73とで構成された振動モーターを有する。また、加振手段70’は、この振動モーターによって振動する振動部材74とこれに取り付けられた引っ張りバネ75、さらに長尺振動部材76とこれに取り付けられた引っ張りバネ77とを有する。
【0065】
[カム73]
振動モーターのカム73は、円板型の周縁を切り欠いた段差を備えた偏芯カムであり、ギア72と係合する1本の回転軸に対して同軸上に固定され、モーター71の駆動によって自在に回転する。また、カム73が固定された回転軸には、ここでの図示を省略した2つのストッパーがカム73を挟んだ位置に固定されていることとする。これらストッパーは、それぞれが一定の径で構成された円板型の同心カムであって、次に説明する振動部材74および長尺振動部材76の振動を停止させるためのものである。
【0066】
[振動部材74]
振動部材74は、図2を用いて説明したものと同様の長尺状の板材であり、その中央部に設定された支点74a’において装置筐体70aに対して固定され、支点74a’を中心にして回転自在であることも同様である。この支点74a’は、カム73の回転軸と平行な回転軸であり、軸方向に移動が自在である。
【0067】
このような振動部材74の一端部は、駆動端74bとしてカム73の段差を有する周縁部によって上方への移動が規制される。すなわち、図3Aに示すように、支点74a’の軸方向への移動により、カム73の周縁部の下方に振動部材74の駆動端74bを当接させた状態においては、振動部材74の駆動端74bが、回転するカム73の周縁の高さ位置に追従して上方への移動が規制される。
【0068】
また振動部材74の他端部は、打振端74cとして貯留ケース63の所定部の上方に配置される。この打振端74cは、カム73の回転によって駆動端74bの位置が規制されることによって、駆動端74bとは逆方向に上下の位置が規制される。打振端74cが最も下方向に位置した状態では、打振端74cが貯留ケース63において、クリーニングブレード61の固定部Pからできるだけ離れた位置を打振するように、振動部材74の長さが設定されていることとする。
【0069】
[引っ張りバネ75]
また引っ張りバネ75は、振動部材74における支点74a’と打振端74cとの間において、振動部材74を装置筐体70aに対して連結し、振動部材74の打振端74cを常に下方に引っ張る構成である。
【0070】
[長尺振動部材76]
長尺振動部材76は、振動部材74よりもさらに長尺の板材であり、その中央部に設定された支点76aにおいて装置筐体70aに対して固定され、支点76aを中心にして回転自在である。ここで長尺振動部材76の支点76aは、振動部材74の支点74a’と同一であってカム73の回転軸と平行な回転軸であって、軸方向に移動が自在であることとし、以下支点76aを支点74a’とも記す。
【0071】
このような長尺振動部材76の一端部は、駆動端76bとしてカム73の段差を有する周縁部によって上方への移動が規制される。すなわち、図3Bに示すように、カム73の周縁部の下方に長尺振動部材76の駆動端76bが当接した状態においては、長尺振動部材76の駆動端76bが、回転するカム73の周縁の高さ位置に追従して上方への移動が規制される。
【0072】
また長尺振動部材76の他端部は、打振端76cとして貯留ケース63の所定部の上方に配置される。この打振端76cは、カム73の回転によって駆動端76bの位置が規制されることによって、駆動端76bとは逆方向に上下の位置が規制される。打振端76cが最も下方向に位置した状態では、貯留ケース63においてクリーニングブレード61の固定部Pに近接する位置を、打振端76cが打振するように、長尺振動部材76の長さが設定されていることとする。
【0073】
[引っ張りバネ77]
また引っ張りバネ77は、長尺振動部材76における支点76aと打振端76cとの間において、長尺振動部材76を装置筐体70aに対して連結し、長尺振動部材76の打振端76cを常に下方に引っ張る構成である。
【0074】
以上のように構成された加振手段70’は、振動部材74の打振端74cまたは長尺振動部材76の打振端76cが、カム73の回転に追従して機械的に上下に振動して貯留ケース63を部分的に打振する。また打振端74cおよび打振端76cによる貯留ケース63の打振は、カム73の回転速度に対応して周期的に実施され、これによって貯留ケース63に機械的な周波数の振動が加えられる。またこの際の貯留ケース63の振動方向は、上下の鉛直方向であって、クリーニングブレード61の延設方向に対して垂直な方向となる。
【0075】
また加振手段70’は、振動部材74および長尺振動部材76の支点74a’の回転軸を軸方向に移動させることによって、カム73の回転に追従させる振動部材を交換し、貯留ケース63に対して振動を加える位置を変化させることができる。すなわち、カム73の回転によって長尺振動部材76の打振端76cを振動させる場合には、振動部材74の場合と比較して、よりクリーニングブレード61の固定部Pに近い位置において、貯留ケース63を打振することができる。
【0076】
このような構成においてカム73の段差、さらに振動部材74の打振端74cおよび長尺振動部材76の打振端76cによる貯留ケース63の打振位置は、次のように設定されていることとする。すなわち、図3Aに示すように、振動部材74の打振端74cがカム73の回転に追従して上下動して貯留ケース63を打振する場合には、貯留ケース63に加えられた振動波Wがクリーニングブレード61までには伝達されずに収束する。また図3Bに示すように、長尺振動部材76の打振端76cがカム73の回転に追従して上下動して貯留ケース63を打振する場合には、貯留ケース63に加えられた振動波Wがクリーニングブレード61まで伝達される。
【0077】
なお以上説明した加振手段70’の構成は、あくまでも一例であり、クリーニングブレード61の固定部Pからの距離が異なる貯留ケース63の各部を打振することが可能な構成であれば限定されることはない。
【0078】
<制御手段81>
制御手段81は、加振手段70’によって貯留ケース63に加える振動を制御するものであり、特に画像形成中よりも非画像形成中において、クリーニングブレード61の固定部Pからの距離がより近い位置で貯留ケース63に振動を加えるように、加振手段70’による貯留ケース63への加振を制御する。上述した構成の加振手段70’の制御であれば、制御手段81は、振動部材74と長尺振動部材76の支点74a’の軸方向への移動を制御することにより、貯留ケース63に振動を加える位置を制御する。
【0079】
この場合の制御手段81による加振手段70’の具体的な制御は、画像形成中には図3Aに示すように、カム73が振動部材74の駆動端74bの移動を規制し、それ以外の非画像形成中には図3Bに示すように、カム73が長尺振動部材76の駆動端76bの移動を規制するように、振動部材74と長尺振動部材76の支点74a’の軸方向の移動を制御する。
【0080】
以上のような制御を実施するための制御手段81は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備えたものであり、CPUがROMに記憶されているプログラムを読出すことによって上記制御を実行する。
【0081】
<第2実施形態の効果>
以上説明した構成の貯留型クリーニングユニット200を備えた画像形成装置2は、貯留ケース63に対して振動を加える加振手段70’を設けた構成である。このため、第1実施形態の画像形成装置1と同様に、貯留部60を交換するサイクルを伸ばして画像形成装置2におけるメンテナンス性の向上を図ることが可能であり、また像担持面31aのクリーニング精度が向上し画像不良を防止することが可能である。
【0082】
そして特に、図3Aに示す画像形成中、すなわち像担持面31aの搬送が実施されている場合には、振動部材74の打振端74cがクリーニングブレード61の固定部Pから離れた位置を打振し、貯留ケース63に加えられた振動波Wがクリーニングブレード61までには伝達されずに収束する構成である。これにより、像担持面31aが搬送状態にある場合には、クリーニングブレード61と像担持面31aとの間に隙間が形成されることはない。したがって、貯留ケース63a内からの残留トナーTの漏れ出しによる画像不良を確実に防止することが可能である。またこのように画像形成中であっても、貯留ケース63内の残留トナーTの均しを実施できるため、画像形成の生産性を低下させることもない。
【0083】
一方、図3Bに示す非画像形成中、すなわち像担持面31aの搬送が停止しているかもしくは逆方向である場合には、長尺振動部材76の打振端76cがクリーニングブレード61の固定部Pに近い位置を打振し、貯留ケース63に加えられた振動波Wがクリーニングブレード61まで伝達される構成である。これにより、クリーニングブレード61に付着した残留トナーTをクリーニングブレード61から振り落し、クリーニングブレード61のメンテナンスを実施することが可能である。しかも、クリーニングブレード61から振り落した残留トナーTは、貯留ケース63内から漏れ出すことなく貯留ケース63内に収容されるため、画像不良を防止することも可能である。
【0084】
≪第3実施形態≫
図4は、第3実施形態の画像形成装置3に設けられた貯留型クリーニングユニット300の構成図であり、図4Aは画像形成中の状態を示す図であり、図4Bは非画像形成中の状態を示す図である。これらの図に示す貯留型クリーニングユニット300は、図3を用いて説明した貯留型クリーニングユニット200の変形例であり、貯留部60’における貯留ケース63’の構成のみが貯留型クリーニングユニット200と異なる。このため、以下においては貯留ケース63’の構成を説明する。
【0085】
<貯留部60’>
[貯留ケース63’]
貯留ケース63’は、先の第1実施形態で説明した貯留ケース(図2および図3の貯留ケース60)が、クリーニングブレード61の固定部Pに対して平行な分断部分63bにおいて分断されたものである。つまり貯留ケース63’は、分断部分63bによって、クリーニングブレード61の固定部Pからの距離が異なる各部に分断されたものである。
【0086】
この分断部分63bは、像担持面31aの幅方向にわたってクリーニングブレード61の固定部Pと平行に設けられている。また分断部分63bは、貯留ケース63’における振動部材74の打振端74cによる打振位置と、長尺振動部材76の打振端76cによる打振位置とを分断する位置に設けられることとする。
【0087】
このような分断部分63bは、緩衝材67で埋め込まれて塞がれており、この緩衝材67によって貯留ケース63’の分断部分63bが連結された状態となっている。緩衝材67は、加振手段70’によって貯留ケース60に加えられた振動を吸収して遮断するためのものであり、例えば各種のゴム材料のような弾性を有す材料によって構成される。このような緩衝材67は、貯留ケース63’内に収容された残留トナーTの漏れ出しがないように、分断部分63bを完全に塞ぐ要に設けられていることが好ましい。
【0088】
<第3実施形態の効果>
以上説明した構成の貯留型クリーニングユニット300を備えた画像形成装置3は、第2実施形態の構成に対して、貯留ケース63’に分断部分63bを設け、この分断部分63bを緩衝材67で塞いだ構成である。これにより、振動部材74の打振端74cがクリーニングブレード61の固定部Pから離れた位置を打振した場合に貯留ケース63に加わる振動波Wを、分断部分63bによって確実に遮断することができる。
【0089】
このため、図4Aに示す画像形成中においては、振動部材74の打振端74cによって、第2実施形態よりも強いエネルギーで、クリーニングブレード61の固定部Pから離れた位置を打振することで、貯留ケース63’を大きな振動波Wで振動させつつも、これに固定されたクリーニングブレード61の振動を確実に防止することが可能となる。したがって、第2実施形態と比較して、貯留ケース63’内の残留トナーTの均しをより効果的に実施しつつ、貯留ケース63a内からの残留トナーTの漏れ出しによる画像不良を、さらに確実に防止することが可能である。
【0090】
≪第4実施形態≫
図5は、第4実施形態の画像形成装置4に設けられた貯留型クリーニングユニット400の構成図であり、図5Aは画像形成中の状態を示す図であり、図5Bは非画像形成中の状態を示す図である。
【0091】
これらの図に示す貯留型クリーニングユニット400は、像担持体の1つである中間転写ベルト31に近接して配置されたものであり、中間転写ベルト31における像担持面31aに残留する残留トナーを除去するためのものでる。この貯留型クリーニングユニット400は、貯留部60”と、加振手段70”と、制御手段84とを備えている。これらは次のように構成されている。
【0092】
<貯留部60”>
貯留部60”は、クリーニングブレード61、貯留ケース63”、およびシール部材65を備えており、貯留ケース63”の構成のみが他の実施形態の物と異なる構成である。このため、以下においては貯留ケース63”の構成を説明する。
【0093】
[貯留ケース63”]
貯留ケース63”は、第3実施形態で説明した貯留ケース(図4の貯留ケース63”)と同様の分断部分63bを有する形状であり、加振手段の振動部材74によって振動が加えられる位置と、クリーニングブレード61の固定部Pとが分断部分63bによって分断されたものである。ただし、貯留ケース63”において、分断部分63bは開放された状態にあって、緩衝材で埋め込まれた状態にはない。
【0094】
<加振手段70”>
加振手段70”は、例えばモーター71と、モーター71の動力を伝えるためのギア72と、ギア72と係合して回転するカム73とで構成された振動モーターを有する。また、加振手段70”は、この振動モーターによって振動する振動部材74とこれに取り付けられた引っ張りバネ75、さらに貯留ケース63”の分断部分63bに対して着脱自在な振動伝達部材78を備えたものである。この振動伝達部材78は、貯留ケース63”の振動を遮断することなく伝達できる材質で構成されたもので、貯留ケース63”と同様の材質で構成されたものであってよい。
【0095】
この振動伝達部材78は、図5Aに示すように、貯留ケース63”の分断部分63bを開放するように、分断部分63bから脱離される。分断部分63bから脱離させた状態において、振動伝達部材78は、貯留ケース63”に対して非接触な状態に保たれるか、またはクリーニングブレード61の固定部P側のみ、あるいはその逆側のみに接触していてもよい。なお、この場合の振動伝達部材78と貯留ケース63”との隙間は、残留トナーTの漏れ出しを防止するために、できるだけ小さい方が好ましい。
【0096】
一方、振動伝達部材78は、図5Bに示すように、貯留ケース63”の分断部分63bを塞ぐように、分断部分63bに対して装着される。分断部分63bに対して装着された状態において、振動伝達部材78は、分断部分63bを完全に塞ぐ状態であり、これにより加振手段の振動部材74によって貯留ケース63”に加えられた振動が、クリーニングブレード61の固定部P側に伝達される構成となっている。また、残留トナーTの漏れ出しも防止される。
【0097】
<制御手段84>
制御手段84は、加振手段70”によって貯留ケース63に加わる振動を制御するものであり、特に画像形成中には貯留ケース63”に加えられた振動がクリーニングブレード61の固定部Pに伝達されることのないように、加振手段70”を制御する。上述した構成の加振手段70”’の制御であれば、制御手段82は、貯留ケース63”の分断部分63bへの振動伝達部材78の着脱を制御することにより、貯留ケース63”に加わる振動を制御する。
【0098】
すなわち画像形成中には、図5Aに示すように、振動伝達部材78を分断部分63bから離脱させる。これにより、振動部材74によって貯留ケース63”に加えられた振動のクリーニングブレード61への伝達を遮蔽する。また非画像形成中には、図5Bに示すように、振動伝達部材78を分断部分63bに装着させる。これにより、振動部材74によって貯留ケース63”に加えられた振動をクリーニングブレード61に伝達する。
【0099】
<その他>
以上の他、貯留型クリーニングユニット400を備えた画像形成装置4においては、貯留型クリーニングユニット400が配置された中間転写ベルト31は、図4Bに示す非画像形成中において、像担持面31aの搬送を停止するか、または図中の破線矢印に示すように、画像形成中とは逆方向に像担持面31aを搬送してもよい。さらに、加振手段70”は、クリーニングブレード61の延設方向に対して垂直な方向を含む複数方向の振動を加える構成であってもよいことは、第1実施形態と同様である。
【0100】
<第4実施形態の効果>
以上説明した構成の貯留型クリーニングユニット400を備えた画像形成装置4は、貯留ケース63”に対して振動を加える加振手段70”を設けた構成である。このため、第1実施形態の画像形成装置1と同様に、貯留部60”を交換するサイクルを伸ばして画像形成装置4におけるメンテナンス性の向上を図ることが可能であり、また像担持面31aのクリーニング精度が向上し画像不良を防止することが可能である。
【0101】
また特に、貯留ケース63”は、分断部分63bを有し、持この分断部分63bに対して着脱自在な振動伝達部材78を設けた構成であり、図5Aに示す画像形成中には、貯留ケース63”に設けた分断部分63bから振動伝達部材78を離脱させた状態で、振動部材74の打振端74cによって貯留ケース63”に振動が加えられる。このため、貯留ケース63”に加えられた振動Wは、分断部分63bで遮断されてクリーニングブレード61までには伝達されることはない。したがって、強いエネルギーで貯留ケース63”を打振して貯留ケース63’を大きな振動波Wで振動させることで貯留ケース63’内の残留トナーTを効果的に均すことが可能でありながらも、これに固定されたクリーニングブレード61の振動を確実に防止することが可能である。
【0102】
一方、図5Bに示す非画像形成中には、貯留ケース63”に設けた分断部分63bに振動伝達部材78を装着させた状態で、振動部材74の打振端74cによって貯留ケース63”に振動が加えられる。このため、貯留ケース63”に加えられた振動Wは、振動伝達部材78を介してクリーニングブレード61にまで伝達される。これにより、クリーニングブレード61に付着した残留トナーTをクリーニングブレード61から振り落し、クリーニングブレード61のメンテナンスを実施することが可能である。しかも、クリーニングブレード61から振り落した残留トナーTは、貯留ケース63”内から漏れ出すことなく貯留ケース63”内に収容されるため、画像不良が引き起こされることもない。
【符号の説明】
【0103】
1,2,3,4…画像形成装置
31…中間転写ベルト(像担持体)
31a…像担持面
39…別のクリーニングユニット
61…クリーニングブレード
63,63’…貯留ケース
63a…開口部(貯留ケース)
63b…分断部分
67…緩衝材
70,70’…加振手段
74…振動部材(加振手段)
76…長尺振動部材(加振手段)
78…振動伝達部材
80,81,84…制御手段
100,200,300,400…貯留型クリーニングユニット
P…固定部
T…残留トナー
図1
図2
図3
図4
図5