(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ナットの締結を解除した状態で前記入出力回路の前記特性値が所定の第1の目標特性値となる前記回転角を第1の目標回転角として記憶する第1の目標回転角記憶部と、
前記第1の目標回転角に前記締結相当回転角を加算した第2の目標回転角を算出する第2の目標回転角算出部と
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入出力回路特性調整装置。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルデータ通信における高速化・大容量化にともなって、より高性能かつ低コストの電子機器の開発が求められている。こうした電子機器においては、入力信号に対し、増幅や減衰やフィルタリングなどの処理を行って出力信号に変換する入出力回路が用いられる。上述した電子機器の高性能化に伴い、これらの入出力回路には、厳しい規格の特性が要求される。
【0003】
一般的に、入出力回路は、回路の形状や構造、または、可変抵抗や可変インダクタなど複数の素子によって、特性を調整できるように構成される。代表的なものは、調整ねじで特性を調整することが可能な入出力回路である。調整ネジを用いた入出力回路では、調整が完了した後は、振動などの影響で特性が変化することを防ぐため、調整ネジを固定する。その固定は、例えば、入出力回路本体側の雌ネジとナットによるダブルナット方式で行うことができる。
【0004】
上記の調整ネジを用いた入出力回路の特性調整では、厳しい要求特性規格を満たすために、調整ねじの挿入長をμmオーダで高精度に調整することが必要となる。このような高精度の調整にあっては、調整ネジをナットで締結する際のわずかな挿入長や姿勢の変化で、入出力回路の特性が目標特性からずれてしまう場合がある。特性がずれた場合は、ナットを緩めて微調整を行い、再度ナットを締める操作を、ネジ毎に何度も繰り返さなければならない。そこで、ナットの締結で生じる特性変化を極力小さくしようとする試みが種々為されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、入出力回路本体とナットとの間にバネ座金を挟み、雌ネジの加工部と雄ネジの加工部との隙間を、バネ座金のバネ力で解消する技術が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、厚み方向に凹部を有するナットと、ナットの凹部に係合する凸部とバネ性を有する片とを有するバネ座金を用いて、ナットの締結による特性の変化を低減する技術が開示されている。この技術では、バネ座金がナットに係合することで、バネ座金の径方向の位置変動を抑制し、バネ座金に加わる発生荷重の方向を調整ネジの軸と一致させて、信頼性を向上させている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の入出力回路特性調整装置を示すブロック図である。入出力回路特性調整装置は、調整ネジ回転角制御部10と、ナット締結制御部20と、特性測定部30と、締結解除特性値記憶部40と、締結特性値記憶部50と、特性値一致回転角探索部60と、締結相当回転角算出部70とを有している。
【0016】
調整ネジ回転角制御部10は、調整ネジの回転角を制御する。調整ネジは、入出力回路に螺入され、その回転角で入出力回路の特性を調整するものである。
【0017】
ナット締結制御部20は、調整ネジを入出力回路に対して締結するナットの締結を制御する。
【0018】
特性測定部30は、入出力回路の特性を測定する。
【0019】
締結解除特性値記憶部40は、ナットの締結を解除した状態で、回転角が任意の第1の回転角である時の特性値を、締結解除特性値として記憶する。
【0020】
締結特性値記憶部50は、回転角が前記の第1の回転角であるときに、所定トルクでナットを締結した時の特性値を締結特性値として記憶する。ナットを締結すると、ナットは調整ネジに対し、入出力回路から引き抜かれる方向の力を加える。このため調整ネジは、入出力回路から引き抜かれる方向、すなわち挿入長が短くなる方向に、わずかに移動する。
【0021】
特性値一致回転角探索部60は、ナットの締結を解除した状態で、特性値が上記の締結特性値に一致する第2の回転角を探索する。
【0022】
締結相当回転角算出部70は、第1の回転角と第2の回転角との差を計算し、この差をナット締結による特性変化に相当する回転角、締結相当回転角として算出する。
【0023】
次に、入出力回路特性調整装置の動作を説明する。
図2は、この動作を示すフローチャートである。
【0024】
まず、ナット締結制御部20が、ナットの締結を解除する(S1)。次に、調整ネジ回転角制御部10が、調整ネジの回転角を任意の第1の回転角に調整する(S2)。そして、この時の特性値を特性測定部30が測定し、締結解除特性値記憶部40に記憶する(S3)。次に、ナット締結制御部20が、所定トルクでナットを締結する(S4)。この時の特性値を特性測定部30が測定し、締結特性値として締結特性値記憶部50に記憶する(S5)。次に、ナット締結制御部20が、ナットの締結を解除する(S6)。次に、特性値一致回転角探索部60が、調整ネジ回転角制御部10を利用して調整ネジの回転角を制御し、特性値が締結特性値に略一致する第2の回転角を探索する(S7)。ここで、略一致とは、その差が予め定めた所定範囲内に収まることを言う。この所定範囲は、例えば締結特性値に対して±7%以内などのように定めることができる。そして、締結相当回転角算出部70が、第1の回転角と第2の回転角の差分を締結相当回転角として算出する(S8)。こうして、ナットの締結による特性変化に相当する回転角を求めることができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態によれば、ナット締結による入出力回路の特性値変化に相当する調整ネジの回転角を求めることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態の入出力回路特性調整装置を示すブロック図である。本実施形態の入出力回路特性調整装置は、第1の実施形態の構成に加えて、第1の目標回転角記憶部80と、第2の目標回転角算出部90とを有している。その他の構成は第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と同様の動作により、締結相当回転角を求めることができる。
【0027】
第1の目標回転角記憶部80は、ナットの締結を解除した状態で、目標特性を得る第1の目標回転角を記憶する。
【0028】
第2の目標回転角算出部90は、第1の目標回転角に締結相当回転角を加算した第2の目標回転角を算出する。第1の実施形態で説明したように、ナットの締結を解除した状態からナットを締結すると、特性値は締結相当回転角の分だけシフトする。このため、調整ネジを第2の目標回転角に調整して、ナットを所定トルクで締結すると、特性値は目標特性に略一致することになる。
【0029】
次に、本実施形態の入出力回路特性調整装置による、目標特性への調整方法を、具体例を用いて説明する。
図4はナットを締結しない状態における回転角と特性値との関係を示す特性曲線の一例である。ここでは、特性曲線における極小値を取るa点の特性値y1が目標特性値であるとする。なおこのグラフの回転角は、挿入長が増加する方向を正としている。
【0030】
まず、ナットの締結を解除した状態で、調整ネジ回転角を調整し、特性をa点に調整する。この時の回転角を第1の目標回転角θ1、特性値を目標特性値y1とする。次に、回転角を正方向(挿入長が増加する方向)に締結相当回転角Δθだけ増加させ、第2の目標回転角θ2に調整する。この操作は、特性曲線上でa点からb点に移動したことに相当する。次にナットを所定トルクで締結する。すると特性値は、締結相当回転角に対応する分Δyだけシフトし、
図4のc点に移動する。こうして、ナット締結後の特性値を目標特性値y1に調整することができる。
【0031】
上記の例では、
図4の特性曲線の極小点であるa点より回転角が正方向の、特性値が単調増加する領域のみで調整を行っている。すなわち、a点より負方向の特性曲線の形状とは無関係に目標特性への調整を行うことができる。このため、例えば特性曲線が極小点や極大点を与える回転角について非対称となっていても調整を実行することが可能である。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、ナット締結後の入出力回路特性を目標特性に調整することができる。
【0033】
(第3の実施形態)
本実施形態では、入出力回路特性調整装置の具体的な構成について説明する。
図5は、入出力回路特性調整装置の構成例を示すブロック図である。
【0034】
入出力回路特性調整装置は、特性測定器100と、コントローラ200と、回転機構部300とを有している。回転機構部300は、調整ネジ回転機構310と、ナット回転機構320とを有し、ナット回転機構はトルク制御部321を備えている。
【0035】
ここで、入出力回路400は、本体部分と、入出力回路400の特性を調整するための単数または複数の調整ネジ410と、それぞれの調整ネジ410を固定するためのナット420とから構成されるものとする。調整ネジ410は、例えば上部に十字型の溝が形成されたナベ頭ネジなどであってよいが、この限りではない。またナット420は、例えば外形が正六角形に加工されたナットなどであってよいが、この限りではない。
【0036】
特性測定器100は、入出力回路400の周波数特性値などの特性値を測定し、データをコントローラ200に送信する。コントローラ200は受信したデータに基づいて演算を行い、回転機構部300を制御する。
【0037】
回転機構部300はコントローラ200によって制御される。そして調整ネジ回転機構310は調整ネジ410を回転してその回転角を調整する。ナット回転機構320は調整ネジ410を入出力回路400に対して締結するナットを回転し、調整ネジ410の締結および締結の解除を行う。この締結トルクは、トルク制御部321が制御する。
【0038】
コントローラ200は、締結解除特性値記憶部210と、締結特性値記憶部220と、特性値一致回転角探索部230と、締結相当回転角算出部240と、第1の目標回転角記憶部250と、第2の目標回転角算出部260とを有している。
【0039】
締結解除特性値記憶部210は、締結を解除した状態で調整ネジ410を任意の第1の回転角に調整した時の特性値を記憶する。
【0040】
締結特性値記憶部220は、調整ネジ410の回転角を第1の回転角としてナット420を所定トルクで締結した時の特性値を、締結特性値として記憶する。前述したように、ナット420を締結すると、調整ネジは、入出力回路から引き抜かれる方向に動き、回転角が負方向に回転したのと同等な特性値変化をもたらす。
【0041】
特性値一致回転角探索部230は、ナット420の締結を解除した状態で、特性値が上記の締結特性値に一致する第2の回転角を探索する。そして発見した第2の回転角を記憶する。
【0042】
締結相当回転角算出部240は、第1の回転角と第2の回転角との差を計算し、この差をナット締結による特性変化に相当する回転角、締結相当回転角として算出する。
【0043】
第1の目標回転角記憶部250は、ナットの締結を解除した状態で、目標特性を得る第1の目標回転角を記憶する。第1の目標特性は任意に定めることができる。
【0044】
第2の目標回転角算出部260は、第1の目標回転角に締結相当回転角を加算した第2の目標回転角を算出する。
【0045】
次に入出力回路特性調整装置の具体的な構成例と動作について説明する。
【0046】
図6は、入出力回路特性長装置の具体例の詳細を示す部分断面図である。上述したように、入出力回路特性調整装置は、特性測定器100と、コントローラ200と、回転機構部300とを有している。ここでは、主として、調整ネジ回転機構310と、ナット回転機構320の詳細について説明する。
【0047】
特性測定器100は、周波数特性値など測定する特性に応じた汎用の測定器を用いることができる。コントローラ200は、特性測定器100の測定結果を受信し、受信した測定結果に基づいて回転機構部300を制御する。コントローラ200は、モータ等の回転機構を制御可能な例えばシーケンサやパーソナルコンピュータなどを用いることができる。
【0048】
調整ネジ回転機構310は、先端部分が調整ネジ410に嵌合する調整ネジ用回転ビット311と、調整ネジ用回転ビット311を回転させる回転駆動部312とを有する。両者は、上下機構313に連結され、上下方向の動作が可能である。また、調整ネジ用回転ビット311の回転軸は、回転方向保持部品314によって回転動作を妨げる事なく回転方向を保持される。調整ネジ用回転ビット311と回転駆動部312とは回転軸ずれ吸収機構315によって連結されている。回転軸ずれ吸収機構315は、2つのずれている回転軸を連結して回転動作を伝達可能な部品であり、例えばカップリングなどの機構部品を用いることができる。
【0049】
調整ネジ用回転ビット311は、その先端部分が調整ネジの先端部分と嵌め合う事により調整ネジに回転動作を伝達可能するものであり、例えばドライバービットなどの機構部品とすることができる。
【0050】
回転駆動部312には、例えば、電磁力を利用して回転角度を微調整可能なステッピングモータやサーボモータなどを用いることができる。
【0051】
回転方向保持部品314は、例えばベアリングである。
【0052】
ナット回転機構320は、先端部分がナット420に嵌合するナット用回転ビット322と、ナット用回転ビット322を回転させる回転駆動部323とを有する。ここでは、ナット用回転ビット322の回転軸は、調整ネジ用回転ビット311の回転軸と一致するように配置するものとしている。そして、調整ネジ用回転ビット311は、ナット用回転ビット322の内部を貫通して回転動作および上下動作を行えるようになっている。上記の動作を実現するため、回転駆動部323の回転軸325の回転方向を、回転方向変換機構324を用いて変換している。回転軸325と回転方向変換機構324とは、回転軸ずれ吸収機構326によって連結され、回転軸ずれが吸収されるよになっている。
【0053】
回転駆動部323の回転軸325は、回転方向保持部品327によって、回転動作を妨げる事なく回転方向を保持される。回転駆動部323、回転軸325、回転方向保持部品327、回転方向変換機構324およびナット用回転ビット322は、上下機構328に連結され、上下方向の動作が可能である。
【0054】
ナット用回転ビット322は、その先端部分がナット420の外形部分と嵌め合う事により、ナット420に回転動作を伝達可能な、例えばソケットレンチに類する機構部品とすることができる。回転方向変換機構324は、2つの交差する回転軸を連結して回転動作を伝達可能な、例えば傘歯車などの機構部品とすることができる。回転駆動部323は、例えば電磁力を利用して回転方向のトルクを調整可能なトルクモータなどを用いることができる。回転方向保持部品327は、例えばベアリングとすることができる。
【0055】
以上のようにして、調整ネジ用回転ビット311が、ナット用回転ビット322の内部を貫通して回転動作および上下動作を行う事ができる様に構成する。
【0056】
次に、上記した具体例の動作について説明する。
図7は入出力回路特性調整装置の動作を示すフローチャートである。
【0057】
まずナットの締結を解除する(S101)。具体的には、まず上下機構328を動作し、ナット用回転ビット322の先端をナット420に嵌合させ、ナット420を締結する方向に所定トルクで回転して調整ネジ410を固定する。続いて、上下機構313を動作し、調整ネジ用回転ビット311の先端を調整ネジ410に嵌合させ、ナット420の締結を解除する方向に一定量回転させてナット締結解除する。
【0058】
次に調整ネジ用回転ビット311を回転して、入出力回路の特性値が第1の目標特性値になるように調整する(S102)。そしてこの時の回転角を第1の目標回転角として記憶する(S103)。
【0059】
次に、ナットを所定トルクで締結した時の特性値の変化に相当する回転角、締結相当回転角を算出する(S104)。この定義済み処理は、
図2に示す第1の実施形態と同様であるが、詳細は後述する。
【0060】
次に、第2の目標回転角を算出する(S105)。第2の回転角は、第1の目標回転角に、締結相当回転角を加算することによって算出する。
【0061】
次にナット420の締結を解除する(S106)。そして回転角を第2の回転角に調整する(S107)。
【0062】
次に所定トルクでナットを締結する(S108)。ナットを締結すると、調整ネジ410が入出力回路本体から引き抜かれる方向に動き、特性値は、締結相当回転角に対応する分だけ回転角が減少したのと同じ方向にシフトする。その結果、入出力回路の特性値は、第1の目標特性値に調整される。
【0063】
次にS104の締結相当回転角算出について説明する。
図8は、S104の締結相当角算出処理を示すフローチャートである。
【0064】
まず、調整ネジ用回転ビット311を回転して、調整ネジ410所定量正方向に回転し、この時の調整ネジ回転角度を第3の回転角として記憶する(S1041)。前記したようにナット420を締結すると調整ネジ410は入出力回路400から引き抜かれる方向に動く。このステップにおける回転角の所定量は、ナット420の締結によって調整ネジ410が動くのに相当する調整ネジ15の回転角度より十分大きな角度となるように設定する。これは、締結相当回転角を求める回転角の範囲で、特性値が単調増加または単調減少となるようにするためである。一般的に、入出力回路400の特性は、回転角に対して極小値や極大値となるように調整することが多い。例えば、第1の目標回転角で特性値が極小値を取るとすると、回転角の所定量が小さい場合ナット締結による特性変化に極小点が含まれ、回転角と特性値とが1対1に対応しなくなる。このような事態を避けるため、正方向回転の所定量は、締結よる調整ネジ410の移動量に比べて十分大きくする。
【0065】
そして、この時の回転角を第3の回転角として記憶する(S1042)。またこの時の特性値を第3の特性値として記憶する(S1043)。
【0066】
次にトルク制御部321でトルクを所定値に制御しながらナット回転機構320を回転させてナット420を締結する(S1044)。そして締結後の特性値を、締結特性値として記憶する(S1045)。
【0067】
次にナット420を締結解除方向に一定量回転させてナットの締結を解除する(S1046)。そして、調整ネジ410を回転して、特性値が締結特性値と略一致する回転角を探索し、求められた回転角を第4の回転角として記憶する(S1047)。この時、調整ネジ410とナット420のガタを解消するバックラッシュ補正を行うため、同じ角度だけ正方向と負方向に調整ネジを回転するステップを入れても良い。なお、上記の略一致とは、その差が予め定めた所定範囲内に収まることであり、例えば締結特性値に対して±5%以内などのように定めることができる。前述の通り、ナット420の締結により、調整ネジ410は、入出力回路から引き抜かれる方向に動く。このため、探索する第4の回転角は、第3の回転角より負方向の値となる。
【0068】
そして、第3の回転角と第4の回転角との差を、締結相当回転角として算出する(S1048)。締結相当回転角は、雌ネジと雄ネジのネジ山や谷の微妙な形状の違いによる隙間や弾性変形が異なることで、ネジ穴とネジの組み合わせで異なる。しかしながら、本実施形態の方法では、ナット締結による調整ネジの移動量を、特性変化量として間接的に探索するため、特定のネジ穴とネジの組み合わせに限ることなく、締結相当回転角を求めることができる。
【0069】
上記の
図7、8で説明した動作では、締結相当回転角の算出と、目標特性への調整とを、第1の目標回転角より回転角が正方向の領域のみで行っている。したがって、この調整は、第1の目標調整点より回転角が負方向の特性に影響を受けることなく実行することができる。このため、例えば回転角に対する特性曲線が、第1の目標調整点について非対称となっていても、調整を実行することが可能である。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、ナット締結による特性値変化を含めて、入出力回路の特性を目標特性に調整することができる。
【0071】
上述した第1乃至第3の実施形態の処理をコンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0072】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。