(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サイドガイドローラは、前記車軸シャフトの走行方向前後に近接して配置され、平面視において前記一対の走行車輪に一部同士が重なっている、請求項1に記載の駆動台車。
前記リニアモータガイドに装着されており、前記リニアモータとマグネットレールとの間隔を保つクリアランスローラをさらに備える、請求項1又は2に記載の駆動台車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスタッカクレーンの走行台車は、ガイドレールによって案内される一対の走行車輪23a、23bを有する。また、走行台車23には、ブラケット33が固定されている。ブラケット33は右マスト25bに固定されて制御盤31を支持している。ブラケット33は、走行車輪23b全体の上側及び左右両側を覆って配置されている。
このように走行車輪全体を覆うようにブラケットが設けられていると、走行台車全体が大型化するとともに構造が複雑になり、その結果コストが高くなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、駆動台車の構造を簡素化してコストを下げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る駆動台車は、軌道に沿って走行する。駆動台車は、車軸シャフトと、一対の走行車輪と、支持部材と、サイドガイドローラと、分岐切替ローラと、分岐切替ローラ用レールとを備えている。
車軸シャフトは、走行方向に直交する左右方向に延びる。
一対の走行車輪は、車軸シャフトの両端に回転自在に装着されている。
支持部材は、車軸シャフトの一対の走行車輪間に配置されて装着されている。
サイドガイドローラは、支持部材に装着されている。
分岐切替ローラ用レールは、支持部材に装着され、分岐切替ローラを左右方向に案内する。
この駆動台車では、支持部材を車軸シャフト中央に配置し、その支持部材に各種部品を組み付けた構造としている。したがって、駆動台車の構成を簡素化でき、コストを下げることができる。
【0008】
サイドガイドローラは、車軸シャフトの走行方向前後に近接して配置され、平面視において一対の走行車輪に一部同士が重なっていてもよい。
この駆動台車では、駆動台車が走行方向に小型化される。
【0009】
駆動台車は、リニアモータと、リニアモータガイドとをさらに備えていてもよい。リニアモータガイドは、リニアモータが搭載され、支持部材に上下方向に移動自在に支持されている。
この駆動台車では、リニアモータを上下動可能なフローティング構造とすることで、レール等の高い寸法精度を不要にしている。また、リニアモータガイドを支持部材に支持させることで、特別な部材が不要となり、コストを抑えている。
【0010】
駆動台車は、クリアランスローラをさらに備えていてもよい。クリアランスローラは、リニアモータガイドに装着されており、リニアモータと磁石が設けられたマグネットレールとの間隔を保つ。
この駆動台車では、クリアランスローラにより、リニアモータと磁石との間隔が正確に保たれる。
【0011】
駆動台車は、リニアモータガイドに装着された磁極センサ及び冷却ファンをさらに備えていてもよい。
この実施形態では、リニアモータガイドに複数の装置が装着されており、リニアモータのユニットが実現されている。したがって、装置全体が小型化しており、さらに取り扱いかが簡単になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る駆動台車では、構造が簡素化されてコストが下げられる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
(1)自動倉庫
図1及び
図2を用いて、自動倉庫1を説明する。
図1は、本発明の一実施形態が採用された自動倉庫の概略平面図である。
図2は、自動倉庫の概略正面図である。
【0015】
自動倉庫1は、複数のラック5を有している。ラック5は、複数段の棚5aを有している。複数のラック5は、
図1において、左右方向に延びて並列的に配置されている。棚5aは、
図2に示すように、集品棚部材25又はパレットP(以下、「荷物」ということもある)を収納可能である。パレットPには、容器23又は段ボール箱28が載置される。
集品棚部材25は、複数段の支持部を有する棚構造を有しており、複数の容器23及び段ボール箱28を収納可能である。容器23は、商品を収納可能な部材である。なお、集品棚部材25の底面はパレットPの底面と同様の構造を有しており、それによりスタッカクレーン11によって支持及び搬送される。また、
図1においてはアルファベットが付されているのは、ラック5に収納されたパレットPである。また、図示しない別のラック5には容器23や段ボール箱28が収納されている。
【0016】
自動倉庫1は、ラック5に沿って設けられた天井レール7(軌道の一例)を有している。具体的には、天井レール7は、ラック5の間の通路5bの上方に配置されている。天井レール7は、ラック5より高い位置、すなわち、複数段の棚5aより高い位置に設けられている。また、天井レール7は、平面レイアウトにおいて、曲線部を有する複数の周回ルートを有しており、さらに分岐部、合流部を有している。
自動倉庫1は、ラック5に沿って設けられた下部ガイドレール9を有している。具体的には、下部ガイドレール9は、ラック5の間の通路5bの床面に配置されている。
【0017】
自動倉庫1は、懸垂式スタッカクレーン11(以下、「スタッカクレーン11」という)を有している。「懸垂式」とは、上部構造が、走行及び分岐を行い、さらには下部構造を懸垂していることをいう。スタッカクレーン11は、
図2に示すように、天井レール7から懸垂した状態で走行する。
なお、スタッカクレーン11の走行方向を「走行方向」として、図では矢印Xで表す。さらに、走行方向に直交する水平方向を「左右方向」として、図では矢印Yで表す。
【0018】
図1及び
図3に示すように、スタッカクレーン11は、上部走行台車12を有している。上部走行台車12は、駆動力を発生することで天井レール7に沿って走行する装置である。上部走行台車12は、走行方向(白抜き矢印で示す)に並んで配置された複数の駆動台車13を有している。この実施形態では、駆動台車13は8台設けられている。
図3は、スタッカクレーンの概略平面図である。
スタッカクレーン11は、複数の駆動台車13に対して昇降可能に吊り下げられた移載装置15を有している。移載装置15は、集品棚部材25又はパレットPを移載可能である。移載装置15は、例えば、スライドフォーク式の装置である。
なお、
図2に示すように、スタッカクレーン11は、下部走行台車17を有している。下部走行台車17は、下部ガイドレール9に沿って案内される。
【0019】
(2)スタッカクレーン
図4及び
図5を用いて、スタッカクレーン11を詳細に説明する。
図4は、スタッカクレーンの斜視図である。
図5は、スタッカクレーンの上部の斜視図である。
図4及び
図5に示すように、8台の駆動台車13は、走行方向に並んで配置されている。さらに、駆動台車13は、
図3及び
図9に示すように、ボギー構造29(ボギー連結部の一例)を有している。
ボギー構造29によって、スタッカクレーン11は、周回軌道のカーブを安定して走行できる。ボギー構造29の詳細は後述する。
【0020】
スタッカクレーン11は、走行方向すなわち前後方向に並んだ一対のマスト31を有している。一対のマスト31は、上下方向に長く延びている。
スタッカクレーン11は、走行方向に延びて一対のマスト31の上端同士を連結する上側ベース部材33を有している。具体的には、一対のマスト31の上端には昇降フレーム45(後述)が固定されており、上側ベース部材33は昇降フレーム45同士を連結している。
【0021】
スタッカクレーン11は、走行方向に延びて一対のマスト31の下端同士を連結する下側ベース部材34を有している。
一対のマスト31の上下両端は、
図9に示すように、ピン47、49によって他の部材に支持されている。具体的には、一対のマスト31の上端は、昇降フレーム45(後述)に対して、ピン47によって支持されている。また、一対のマスト31の下端は、下側ベース部材34に対して、ピン49によって支持されている。ピン47、49は左右方向に延びており、そのため一対のマスト31は走行方向に揺動可能になっている。以上に述べた構造によって、制振制御と機体重量低減が実現される。
【0022】
スタッカクレーン11は、移載装置15を昇降させるための昇降装置35を有している。昇降装置35は、マスト31に支持された昇降台37と、昇降台37を昇降させるための昇降部39とを有している。昇降部39は、一対のマスト31それぞれに設けられている。昇降部39は、昇降駆動モータ40、チェーン41、スプロケット46などからなる公知の装置である。
【0023】
昇降部39は、昇降フレーム45を有している。昇降駆動モータ40及びスプロケット46は、昇降フレーム45に固定されている。昇降フレーム45は、マスト31の上端に連結されており、マスト31の一部となっている。さらに、前述のように、昇降フレーム45には上側ベース部材33が固定されている。
移載装置15は、昇降台37に設けられている。移載装置15は、左右方向に荷物を移動させて荷物を棚との間で移載する。
一対のマスト31の一方の下部には、制御盤43が設けられている。
なお、この実施形態では、4台の駆動台車13が走行方向前側のマスト31に対応して配置されており、4台の駆動台車13が走行方向後側のマスト31に対応して配置されている。特に、4台の駆動台車13の走行方向中心がスプロケット46の中心に対応するように、4台の駆動台車13が配置されている。以上の構成により、昇降台37及びマスト31から作用する荷重を駆動台車13が均等に支持できる。
【0024】
(3)駆動台車
図6〜
図8を用いて、駆動台車13を説明する。
図6は、駆動台車の斜視図である。
図7は、駆動台車の概略断面図である。
図8は、車軸シャフト、ブラケット、及び走行車輪の平面位置関係を示す概略平面図である。
駆動台車13は、車軸シャフト51を有している。車軸シャフト51は、左右方向に延びている。
【0025】
駆動台車13は、一対の走行車輪53を有している。各走行車輪53は、車軸シャフト51の両端に回転自在に装着されている。具体的には、各走行車輪53は2個の車輪である。走行車輪53は、天井レール7の走行壁75a(後述)の上に置かれている。
駆動台車13は、ブラケット55(支持部材の一例)を有している。ブラケット55は、
図8に示すように、車軸シャフト51の中央部つまり一対の走行車輪53の間に配置されて、固定されている。これにより車軸シャフト51はブラケットに対して回転不能に支持される。
詳細には、ブラケット55は、車軸シャフト51が回転不能に支持される孔が形成された本体部55aを有している。本体部55aは、
図7及び
図8に示すように、左右方向に見た場合に、走行車輪53の外径内に概ね収まっている。特に、本体部55aの上面は、
図7に示すように、走行車輪53の上端より低い位置にある。また、本体部55aの走行方向両側面は、
図7及び
図8に示すように、走行車輪53の走行方向両端により走行方向内側にある。
さらに、ブラケット55は、本体部55aの下部から下方に延びる駆動台車シャフト13aを有している。
さらに、ブラケット55は、本体部55aの上部から走行方向に延びる一対のアーム55bを有している。アーム55bは、
図7及び
図8に示すように、走行車輪53の走行方向両端からさらに走行方向両側に延びている。
【0026】
駆動台車13は、サイドガイドローラ59を有している。サイドガイドローラ59は、天井レール7の側壁75bの内側面(後述)によってガイドされる。サイドガイドローラ59は、ブラケット55に装着されている。具体的には、サイドガイドローラ59は、ブラケット55の一対のアーム55bの下側に固定されている。この実施形態ではサイドガイドローラ59は、走行方向に並んで一対ずつ設けられ、合計4個である。
【0027】
駆動台車13は、分岐合流切替装置61を有している。分岐合流切替装置61は、周回軌道において分岐・合流地点において走行経路を選択するための装置である。
分岐合流切替装置61は、分岐切替ローラ63を有している。分岐切替ローラ63は、走行方向に並んで一対ずつ設けられ、合計4個である。分岐切替ローラ63は、サイドガイドローラ59の上方に配置されている。分岐切替ローラ63同士の左右方向の距離は、サイドガイドローラ59同士の左右方向の距離より短い。分岐切替ローラ63同士は、プレート65によって連結されており、プレート65は、左右方向にスライド可能である。
【0028】
分岐合流切替装置61は、分岐切替ローラ用レール67を有している。分岐切替ローラ用レール67は、ブラケット55に装着され、分岐切替ローラ63を左右方向に案内する。具体的には、分岐切替ローラ用レール67は、ブラケット55の一対のアーム55bの上側に固定されている。以上により、分岐切替ローラ63は、左右方向に移動可能にブラケット55に支持されている。
分岐合流切替装置61は、プレート65をスライド駆動するための動力を発生するモータ68を有している。モータ68は、ブラケット55に固定されている。
【0029】
駆動台車13は、リニアモータ69を有している。リニアモータ69は、天井側に設けられたマグネットレール78に対向するコイルからなる。
駆動台車13は、リニアモータガイド71を有している。リニアモータガイド71は、リニアモータ69が搭載され、ブラケット55に上下方向に移動自在に支持されている。
【0030】
具体的には、リニアモータガイド71は、本体部71aを有している。本体部71aは、ブラケット55の上方に配置されている。リニアモータガイド71は、本体部71aから下方に延びる一対のシャフト71bを有している。一対のシャフト71bは、走行方向に並んで配置されている。一対のシャフト71bは、ブラケット55のアーム55bに設けられた一対の穴55c内に挿入されている。これにより、リニアモータ69を上下動可能なフローティング構造が実現され、そのため天井レール7の高い寸法精度が不要になっている。また、リニアモータガイド71をブラケット55に支持させることで、特別な部材が不要となり、コストを抑えている。
【0031】
駆動台車13は、クリアランスローラ73を有している。クリアランスローラ73は、リニアモータガイド71に装着されており、リニアモータ69とマグネットレール78との間隔を保つ。具体的には、クリアランスローラ73は、リニアモータガイド71の本体部71aの上面においてリニアモータ69の走行方向両側に配置されている。これにより、リニアモータ69とマグネットレール78との間隔が正確に保たれる。
【0032】
上記のフローティング構造において、ブラケット55の上部とリニアモータガイド71の下部との間には、バネ74が配置されている。バネ74は、圧縮コイルスプリングであって、シャフト71bの外周に配置されている。バネ74はリニアモータガイド71に付勢力を与えており、そのためクリアランスローラ73はマグネットレール78に対して接触した状態を保つ。ただし、バネ74は省略されてもよい。
【0033】
上述したように駆動台車13及び駆動台車13の各々に分岐切替ローラ63及びリニアモータ69が設けられているので、駆動台車13の数の増減への対応が容易になる。また、駆動台車13ごとを制御できるので、制御が容易かつ正確になる。
さらに、駆動台車13では、ブラケット55を車軸シャフト51の中央に配置し、ブラケット55に各種部品を組み付けた構造としている。つまり、車軸シャフトを覆って延びるフレームがないので、部品点数が減って構造が簡単になっている。したがって、駆動台車13の構成を簡素化でき、コストを下げることができる。
駆動台車13は、磁極センサ101を有している。磁極センサ101は駆動台車13の走行位置を検出するためのセンサである。磁極センサ101は、リニアモータ69の側方に配置され、リニアモータガイド71に装着されている。
駆動台車13は、冷却ファン103を有している。冷却ファン103は、リニアモータ69の下方に配置され、リニアモータガイド71に装着されている。
【0034】
サイドガイドローラ59は、車軸シャフト51の走行方向前後に近接して配置され、平面視において一対の走行車輪53に一部同士が重なっている。具体的には、サイドガイドローラ59は、走行方向の一部が走行車輪53の下部前後面の斜め下方に近接している。これにより、駆動台車13が走行方向に小型化される。
分岐切替ローラ63は、車軸シャフト51の走行方向前後に近接して配置され、平面視において一対の走行車輪53に一部同士が重なっている。具体的には、分岐切替ローラ63は、走行方向の一部が走行車輪53の上部前後面の斜め上方に近接している。これにより、駆動台車13が走行方向に小型化される。
【0035】
(4)ボギー構造
図9を用いて、ボギー構造29を詳細に説明する。
図9は、ボギー構造の概略構成を示す概略側面図である。
ボギー構造29は、スタッカクレーン11の荷重支持部分を構成しており、複数段階のボギーを有している。この実施形態では、ボギー構造29は、3段ボギーである。つまり、2台の駆動台車13をボギー構造とし、さらにボギー構造とすることで4台の駆動台車13のボギー構造とし、さらにボギー構造とすることで8台の駆動台車13のボギー構造としている。以下、ボギー構造29を詳細に説明する。
【0036】
ボギー構造29は、駆動台車13からから下方に延びる駆動台車シャフト13aが回動自在に支持される第1ボギー部材201を有している。駆動台車シャフト13aの下端は、第1ボギー部材201に回動自在に支持されており、第1ボギー部材201の荷重を支持するようになっている。第1ボギー部材201は、走行方向に延びており、走行方向両端に駆動台車シャフト13aが回動自在に支持されている。つまり、第1ボギー部材201は、一対の駆動台車13をそれぞれ回動自在に支持している。このようにして、スタッカクレーン11では、一対の駆動台車13ごとに1段目ボギー構造205が実現されており、その数は合計4個である。
【0037】
さらに、ボギー構造29は、第1ボギー部材201から下方に延びる第1シャフト201aが回動自在に支持される第2ボギー部材203を有している。第1シャフト201aの下端は、第2ボギー部材203に回動自在に支持されており、第2ボギー部材203の荷重を支持するようになっている。第2ボギー部材203は、走行方向に延びており、走行方向両端に第1シャフト201aが回動自在に支持されている。つまり、第2ボギー部材203は、一対の第1ボギー部材201を回動自在に支持している。
このようにして、スタッカクレーン11では、一対の第1ボギー部材201ごとに2段目ボギー構造207が実現されており、その数は合計2個である。
【0038】
さらに、ボギー構造29は、一対のマスト31の上端に固定された昇降フレーム45において、第2ボギー部材203から下方に延びる第2シャフト203aが回動自在に支持される支持部45aを有している。第2シャフト203aの下端は、支持部45aに回動自在に支持されており、支持部45aの荷重を支持するようになっている。つまり、支持部45aは、一対の第2ボギー部材203を回動自在に支持している。このようにして、スタッカクレーン11では、一対の第2ボギー部材203ごとに3段目ボギー構造209が実現されているなお、支持部45aと第2ボギー部材203とで、3段目ボギー構造209が構成されている。
上記のボギー構造29によって、複数の駆動台車13が天井レール7の曲線部を走行するときに、各駆動台車13が適切な方向を向くことができ、そのためスムーズに走行できる。
【0039】
(5)天井レール
図10を用いて、天井レール7を説明する。
図10は、天井レールの直線構造の斜視図である。
天井レール7は、レール本体75を有している。レール本体75は、主に、走行壁75aと、側壁75bとを有している。走行壁75aは、左右方向に間を空けて配置された一対の走行面を形成している。側壁75bは、走行面の両側に設けられた一対のガイド面を形成している。天井レール7は、複数の支持部材77を有している。支持部材77は、レール本体75を天井から吊している。
【0040】
(6)分岐切替構造
図11及び
図12を用いて、分岐切替構造85を説明する。
図11は、天井レールの分岐部の斜視図である。
図12は、駆動台車の分岐動作を模式的に示す概略平面図である。なお、以下では、説明の簡略化のための、1台の駆動台車13の1つの分岐切替ローラ63の動作のみを説明する。
図11に示すように、天井レール7は、図右上側の第1直線路91と、図左下側の第2直線路93と、図右下側の湾曲路95と、分岐部97とを有している。
【0041】
図11では、例えば駆動台車13は、第1直線路91を図右上側から図左側に移動し、分岐部97において直線移動するか又は分岐移動するかを選択する。
図12に示すように分岐部97においては、左右両側の走行壁75a同士の間の隙間76は、直線側隙間76aと湾曲側隙間76bとに分かれている。さらに、湾曲部の走行壁75aの上方には、分岐用ガイドレール89が設けられている。分岐用ガイドレール89は、分岐側湾曲部の側壁75bとの間に所定の隙間を確保するように湾曲された形状で配置されている。また、直線部の走行壁75aの上方には、
図12に示すように、直線用ガイドレール90が設けられている。直線用ガイドレール90は、直線部の側壁75bとの間に所定の隙間を確保するように直線状に配置されている。
【0042】
図12を用いて、分岐動作を説明する。駆動台車13が分岐部97の手前にくると、分岐切替ローラ63が図右側に移動させられる。すると、分岐切替ローラ63は分岐用ガイドレール89と側壁75bと間に入り込む。したがって、駆動台車13は分岐用ガイドレール89に拘束されることで、湾曲路95側に移動し、その結果、駆動台車シャフト13aが湾曲路95側の直線側隙間76aに入っていく。以上の動作によって、駆動台車13の分岐動作が完了する。
なお、図示していないが、駆動台車13が分岐部97を直線走行する場合は、駆動台車13が分岐部97の手前にくると、分岐切替ローラ63が
図12左側に移動させられる。すると、分岐切替ローラ63は直線用ガイドレール90と側壁75bと間に入り込む。したがって、駆動台車13は直線用ガイドレール90に拘束されることで、第2直線路93側に移動し、その結果、駆動台車シャフト13aが第2直線路93側の直線側隙間76aに入っていく。以上の動作によって、駆動台車13の直線方向移動動作が完了する。
【0043】
(7)自動倉庫の制御構成
図13を用いて、自動倉庫1の制御構成を説明する。
図13は、自動倉庫の制御構成を示すブロック図である。
スタッカクレーン11は、コントローラ81を有している。コントローラ81は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ81は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
【0044】
コントローラ81は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ81の各要素の機能は、一部又は全てが、制御部を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、制御部の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
コントローラ81には、図示しないが、荷物の大きさ、形状及び位置検出するセンサ、スタッカクレーン11の各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
【0045】
コントローラ81は、スタッカクレーン11の各駆動台車13の動作を制御する。コントローラ81には、各駆動台車13のリニアモータ69及び分岐合流切替装置61が接続されている。さらに、コントローラ81には、移載装置15及び昇降装置35が接続されており、コントローラ81は、それらに駆動信号を送信可能である。
なお、走行状態に関する情報を検出するためのセンサは、各駆動台車13に設けられている。以上より、コントローラ81は、走行駆動、分岐切替などについて、各駆動台車13の個々の位置に基づいて適したタイミング・能力を制御できる。
【0046】
コントローラ81は、上位コントローラ83と交信可能である。上位コントローラ83は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。上位コントローラ83は、自動倉庫1全体を制御し、特に、スタッカクレーン11による容器23及び集品棚部材25の移載と搬送、及びこれらによる出庫物品の荷揃えを制御する。上位コントローラ83は、スタッカクレーン11を管理し、これらに走行指令又は搬送指令を割り付ける割り付け機能を有している。なお、「搬送指令」は、走行指令、及び荷つかみ位置と荷おろし位置を含む移載指令を含んでいる。
【0047】
(8)マストユニット
以上に述べたように、各マスト31には、昇降駆動モータ40及びスプロケット46が装着されており、全体でマストユニット42を構成している。そして、一対のマストユニット42は、上側ベース部材33及び下側ベース部材34によって互い連結されていることになる。
したがって、上側ベース部材33及び下側ベース部材34を交換するだけで、一対のマストユニット42の走行方向間隔変更でき、つまりスタッカクレーン11のサイズを変更できる。このように一対のマストユニット42を共通部分とすることで、荷物に応じてスタッカクレーンの構成を変化させてもコストを抑えることができる。
【0048】
2.実施形態の特徴
前記実施形態では、駆動台車13(駆動台車の一例)は、天井レール7(軌道の一例)に沿って走行する。駆動台車13は、車軸シャフト51(車軸シャフトの一例)と、一対の走行車輪53(一対の走行車輪の一例)と、ブラケット55(支持部材の一例)と、サイドガイドローラ59(サイドガイドローラの一例)と、分岐切替ローラ63(分岐切替ローラの一例)と、分岐切替ローラ用レール67(分岐切替ローラ用レールの一例)とを備えている。
車軸シャフト51は、走行方向に直交する左右方向に延びる。
一対の走行車輪53は、車軸シャフト51の両端に回転自在に装着されている。
ブラケット55は、車軸シャフト51の一対の走行車輪53間に配置されて装着されている。
サイドガイドローラ59は、ブラケット55に装着されている。
分岐切替ローラ用レール67は、ブラケット55に装着され、分岐切替ローラ63を左右方向に案内する。
【0049】
この駆動台車13では、ブラケット55を車軸シャフト51中央に配置し、ブラケット55に各種部品を組み付けた構造としている。したがって、駆動台車13の構成を簡素化でき、コストを下げることができる。
【0050】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
前記実施形態では駆動台車はスタッカクレーンに用いられていたが、駆動台車が採用される搬送車はスタッカクレーン以外でもよい。
【0051】
前記実施形態では駆動台車は8台であったが、駆動台車の台数は限定されない。駆動台車は1台でもよい。
前記実施形態では駆動台車は天井レールを走行していたが、駆動台車は地上レールを走行してもよい。