(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1の構成では、メインのタンクと増設のタンク相互を繋ぐ管路として耐久性に優れた金属パイプなどが用いられている。金属パイプを用いる場合、エア漏れしないように接続することが困難であるため、ユーザが勝手にこの金属パイプを連結したり、切り離ししたりすることができないように設計されている。そもそも、タンク同士を接続するエア管路は、エア漏れが発生しないようにするため、使用者が簡単に取り外せるような構造にはなっていない。
【0010】
そのため、常に5本のタンクを使用して作業が行われるから、圧縮空気の消費量が少ない作業現場で使用する場合には、その大きさがデメリットとなることがあった。
【0011】
勿論、タンクを連結することによって、エアコンプレッサ本体の置き場所(スペース)はあまり占有しないが、その反面常に5本のタンクからなるエアコンプレッサ本体を現場に持ち運ばなければならず、重量も嵩む。
【0012】
そこで、この発明はこのような問題を解決したものであって、メインタンクと増設タンクとを分離できるようにすると共に、タンク相互間の脱着(取り付けおよび取り外し)作業が容易に行えるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、請求項1記載の発明に係るエアコンプレッサは、圧縮空気を生成する圧縮機と、上記圧縮空気を貯留するメインタンクと、上記圧縮空気を貯留する増設タンクと、上記メインタンクと
上記増設タンクとの間に設けられた挿脱自在な圧縮空気の連結管路と、上記メインタンクと
上記増設タンクとの間に設けられた着脱自在な締結手段とを備え
、上記締結手段は、上記メインタンク側に取り付けられた嵌合部と、この嵌合部が嵌合する上記増設タンク側に設けられた被嵌合部とで構成され、上記嵌合部と上記被嵌合部とは着脱自在に構成され、上記被嵌合部は、上記メインタンク側に面する上面と前面が開放された、主辺と左右側辺を有する箱型の形状であり、上記嵌合部は上記被嵌合部に嵌合する形状となされたエアコンプレッサであって、箱型状をなす上記被嵌合部のうち上記左右側辺は上記メインタンクの当接辺として使用されると共に、上記増設タンクに固定する脚辺として使用されることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明に係るエアコンプレッサ
は、圧縮空気を生成する圧縮機と、上記圧縮空気を貯留するメインタンクと、上記圧縮空気を貯留する増設タンクと、上記メインタンクと
上記増設タンクとの間に設けられた挿脱自在な圧縮空気の連結管路と、上記メインタンクと
上記増設タンクとの間に設けられた着脱自在な締結手段とを備え
、上記締結手段は、上記メインタンク側に取り付けられた嵌合部と、この嵌合部が嵌合する上記増設タンク側に設けられた被嵌合部とで構成され、上記嵌合部と上記被嵌合部とは着脱自在に構成され、上記被嵌合部は、上記メインタンク側に面する上面と前面が開放された、主辺と左右側辺を有する箱型の形状であり、上記嵌合部は上記被嵌合部に嵌合する形状となされたエアコンプレッサであって、上記被嵌合部のうち上記主辺には上記メインタンクと上記増設タンクとを締結するための締結用のバカ孔構成のネジ孔が形成されると共に、上記ネジ孔を跨ぐように一対のスリットが形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記圧縮空気の連結管路は、可撓性を有するホースが使用されることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記締結手段は、上記メインタンクと上記増設タンクとの間に設けられたことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記嵌合部は、上記メインタンクに接合された取り付け部材と、この取り付け部材を囲繞する緩衝部材とで構成され、上記緩衝部材はエアコンプレッサ本体の脚部として利用されることを特徴とする。
【0018】
請求項6記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記メインタンクを構成する一対のタンクは、双胴タンクであることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記増設タンクは、相互に連結された3連双のタンクで構成されることを特徴とする。
【0020】
請求項8記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記増設タンクのうち中央のタンクの正面側端部近傍に、上記圧縮空気用連結管路の接続口が設けられたことを特徴とする。
【0021】
請求項9記載のこの発明に係るエアコンプレッサにおいて、
上記被嵌合部には、上記メインタンクと間にクッション部材が装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明に係るエアコンプレッサは、圧縮空気を生成する圧縮機と、圧縮機に固定されて圧縮空気を貯留するメインタンクからなる基本構成に対し、圧縮空気を貯留する増設タンクを設けるに当たり、メインタンクと増設タンクとの間に設けられる圧縮空気の連結管を挿脱自在に構成すると共に、メインタンクと増設タンクとの間に設けられる締結手段を着脱自在に構成したものである。
【0025】
これによれば、メインタンクに対する増設タンクの取り付けおよび取り外しが自在であるため、建設現場やリフォーム現場で、必要とする圧縮空気量に見合ったエアコンプレッサを提供できる。
【0026】
取り付け取り外しは、圧縮空気連結管の挿脱と、締結手段の着脱のみの作業であるから、その取り替え作業が簡単である。圧縮空気の連結管(エア連結管路)は柔軟性に富むホースなどを利用しているため調達性も良く、取り扱いが容易である。
【0027】
なお、ここで言うホースとは可撓性を有した管路部材を指すものであり、特に材質が限定されるものではない。
【0028】
締結手段は、スリットを有した主辺からなる被嵌合部を用意したので、例えば溶接作業などによって嵌合部と被嵌合部とが若干ずれてしまっているような場合でも、スリットによる主辺の撓みおよびバカ孔構成のネジ孔を設けることによって、両者の機械的ずれを比較的容易に吸収でき、締結手段の着脱作業も迅速に行うことができる。
【0029】
嵌合部および被嵌合部にはゴム材などを使用した緩衝部材を介在させてあるので、メインタンクと増設タンクとの間の振動を吸収し易くなり、騒音対策にも有効である。
【0030】
増設タンクを取り外した状態で使用するときは、嵌合部そのものがエアコンプレッサ本体の台座(脚)つまりゴム足として機能するので、床面に対する緩衝効果に加え、被嵌合部の構成部材を取り外して保管するなどの手間が不要になり、保管に伴う構成部材の紛失事故を未然に防止できる実益もある。
【発明を実施するための形態】
【0032】
続いて、この発明に係るエアコンプレッサの一例を、図面を参照して説明する。エアコンプレッサは、建築現場、リフォーム現場などの工事現場で使用する釘打ち機などの工具を駆動するために必要な圧縮空気(エアという)を供給するためのものである。
【0033】
エアコンプレッサ10の全体構成を示す
図1〜
図3はカバー本体を装着した状態の図であり、
図1はその全体斜視図、
図2はその平面図、
図3は正面図である。
図4〜
図6はカバー本体を外した状態の図で、
図4はその平面図、
図5は右側面図、
図6は正面図ある。
【0034】
図4〜
図6を参照して説明すると、エアコンプレッサ10は、主として、
圧縮機10A、
圧縮機を支持すると共にその圧縮空気を貯めるタンク部(メインタンク)10B、
メインタンク10Bから圧縮空気を取り出すエア取り出し部10C、
圧縮機10Aに対するモータ駆動用の回路基板(インバータ基板)10D、
圧縮機制御用の操作部10E、
本体カバー10F(
図1)とで構成される。さらに、メインタンク10Bに対して着脱自在に設けられた増設タンク10Gを有する。
エアコンプレッサ本体の基本的な構成は、圧縮機10Aとメインタンク10Bとである。
【0035】
<圧縮機10Aの構成>
図4〜
図6に示すように、圧縮機10Aは圧縮用モータ12を有し、その回転軸(モータ軸)(図示はしない)には、冷却ファン13が取り付けられると共に、冷却ファン13とは反対側のモータ軸側には圧縮用シリンダ15が配置される。
【0036】
シリンダ15はこの例では一次シリンダ15Aの他に、二次シリンダ15Bを有する2段圧縮構造であり、
図4のようにモータ軸と直交する左右方向に配置される。シリンダ15で空気を圧縮するため、モータ軸と一次及び二次シリンダ15A,15Bの各ピストン(図示はしない)とを連結するピストン駆動手段(図示しない)がクランクケース16内でモータ軸に直結され、モータ12の回転でピストンを駆動して、シリンダ15内の空気を圧縮する。ピストン駆動手段がモータ軸に直結されているため、モータ12とクランクケース16、シリンダ15は一体化されている。
【0037】
一次シリンダ15Aで圧縮された圧縮空気は、クランクケース16の上方を跨ぐように配管されたエア連結管17を介して二次シリンダ15Bに送りこまれ、二次シリンダ15Bでさらに高圧に圧縮された圧縮空気はエア連結管18(
図5)を介してメインタンク10Bのうち、この例では右側のタンク21Bに送り込まれる。
【0038】
<モータとタンクとの関係>
圧縮機10Aは上述したようにメインタンク10Bの上部に取り付けられる。
一次シリンダ15Aから二次シリンダ15Bまでの長さ(シリンダ軸の長さ)が、冷却ファン13を含めた圧縮機10Aの長さ(モータ軸の長さ)よりも長いときは、
図4のようにシリンダ軸はタンク軸と並行で、モータ軸がタンク軸と直交するように圧縮機10Aが載置される。エアコンプレッサ10を小型化した場合であっても、載置された圧縮機がメインタンク10Bの側面よりも突出しないようにするためである。
【0039】
メインタンク10Bの上部に圧縮機10Aが取り付けられる。図示はしないが、各タンク21A,21Bに接合された金属留め具(オス側)と、圧縮機10Aに接合された金属金具(メス側)とを利用して固定される。
【0040】
この場合、両者には緩衝材(ゴム材など)を介在させるも、比較的緩く嵌合されて圧縮機10Aが若干揺動できる構成となされている。この自在な揺動によって圧縮機10Aからの振動がメインタンク10B側に伝わりにくくなるようにしている。
【0041】
図6に示すメインタンク10Bは所定の空気量を貯えることができるような長さと径を有する一対のタンク21A,21Bが使用されると共に、双胴タンクとなるようにタンク相互は所定のピッチ(タンクピッチ)をもって取り付け固定される。この例では、
図6のように連結板体20を溶接して相互に固定される。
【0042】
メインタンク10Bの後端部側の上面であって、二次シリンダ15Bの下側に沿って左タンク21Aと右タンク21Bの両者間にドレン管路22が連結される。ドレン管路22はタンクの内部底面に滞留している水分を排出するためのもので、それぞれのタンク管内に水分導出管(図示はしない)が垂設されている。
【0043】
ドレンコック25は、右タンク21Bの前面側であって、二次シリンダ15Bの下面付近に面した管面に設けられる。そして、このドレンコック25はドレン連結管路(図示はしない)によって後部のドレン管路22と連結される。ドレンコック25から排水するための接続管26は、
図5のように右タンク21Bの側面から排出される。ただし、このドレン連結および排出のための配管は一例である。
【0044】
<圧縮機とタンクの取り付け位置関係>
圧縮機10Aはメインタンク10Bの後端側(図では右端側)に寄せて載置されることで、
図4および
図5のようにタンク前端上部に各種部材の取り付け用スペースが確保される。各種部材とは具体的には後述するようにエア取り出し部10Cであり、圧縮機用のインバータ基板10Dであり、そして圧縮機操作用の操作部10Eなどの取り付けスペースである。
【0045】
<エア取り出し部>
エア取り出し部10Cは貯留されているエアをタンクから取り出し、工具に送給するための部材であって、夫々のタンク前端上面側(天頂側)に設けられたタンク接続口31A,31Bに、エア取り出し部10Cの一部を構成する一次圧力管路32Aが連結される。エアは一次圧力管路32Aおよび後述する二次圧力管路32Bを経て終端のエア取り出し口(エアチャック38A,38B)まで導かれ、エア取り出し口38A,38Bに挿着されたホースを介して工具(釘打ち機など)にエアが送給される。
【0046】
<エア取り出し部とタンクとの位置関係>
それぞれのエア取り出し部10C、10Cが本体中心面に寄せられた状態となるように、しかもタンク上面より余り突出しないように全体を寝かせた格好で、一対のエア取り出し部が左タンク21Aと右タンク21Bの上部に取り付けられる。
【0047】
左タンク21Aからのエア取り出し部10Cと、右タンク21Bからのエア取り出し部10Cは、互いにエアコンプレッサ本体の中心近くに寄るように配置され、さらにはエア取り出し部10Cに設けられたエア取り出し口38は、一対のタンク21A,21Bの対峙空間内に位置するように配置される。よって、エア取り出し口38が図のように上下二股構成のようなときには、少なくとも下側に位置するエア取り出し口38Bは、各タンク21A,21Bの中心を通る垂直軸と外周面との交点同士を結んだ接線上の近傍(上方、下方、交叉を含む)に位置するようになされるのが好ましい。
【0048】
エアコンプレッサ本体の中心面側に寄せて配置されるため、
図1のようにグリップ28の脚の間からエア取り出し口38が臨めるような位置関係となり、このグリップ28の間(脚間)を通って工具用ホースが挿着される。その結果、エアコンプレッサ本体から外側への工具用ホースの突出量を減らすことができる。それにより、エアコンプレッサを狭い隙間に配置したり、隣に工事用の部材が置かれた環境などでの使用が可能となる。また、作業スペースが少ない現場であっても、他の工事用機材を邪魔することなく作業できる。グリップ28はエアコンプレッサ10の運搬用把持部材である。
【0049】
<エア取り出し部の構成>
エア取り出し部10Cは、エアコンプレッサ本体の中心寄りに配されているだけでなく、本体に取り付けた状態で占有するスペースを少なくできるように、高さ、幅及び奥行きをできるだけ短くなるように工夫した。
【0050】
図7にその具体例を抽出して示す。
図7はメインタンク10Bに取り付けられたときの平面図であり、
図8はその正面図(エアコンプレッサ本体の正面側)であり、
図9はその左側面図(左タンク21Aの側面側)である。
【0051】
エア取り出し部10Cは一次圧力管路32Aと、これに連通する二次圧力管路32Bと、さらに二次圧力管路32Bの先端に設けられたエア取り出し口(エアチャック)38とで構成される。それぞれのタンク21Aと21Bに取り付けられるエア取り出し部10Cは左右対称に構成されているので、左タンク21Aに取り付けられるエア取り出し部10Cについてのみ説明する。
【0052】
エア取り出し部10Cは、左タンク21Aの前面側上面の所定位置に穿設された接続口(図示せず)より上方(圧縮機方向)に立ち上がってから、エアコンプレッサ本体の中心に向かうT字状の一次圧力管路32Aを有する。
【0053】
一次圧力管路32Aのうちモータ軸に並行な管路32Aの延長端にタンク内圧力を検出する圧力センサ34が取り付けられ、モータ軸と直交し、タンク軸と並行する管路32B上に減圧弁33が取り付けられている。33Aは圧力調整用の操作部(把持部)である。
【0054】
一次圧力管路32Aを構成する管路32Aのうち、タンク接続口に連なる上面部にはエア接続口37A(
図7参照)が設けられ、エア取り出し部10Cのエア接続口同士がエア連結管37(
図4)によって相互に連結される。これで、一対のタンク21Aと21Bとに溜められたエアが相互に連通した状態となる。一次圧力管路32Aにエア連結管37の接続部を設けることによって、エア連結管37はエア取り出し部10Cの上部空間(一次圧力管路32Aの上部空間)を利用して配管することができる。
【0055】
減圧弁33はタンク21A,21Bから取り出すエアの圧力を任意に調整するためのものである。これによってタンクから吐出するエア吐出圧を任意に調整することができる。例えば左側のエア取り出し口から取り出す圧力を常圧としたとき、右側のエア取り出し口から取り出す圧力は高圧となるように調整できる。これは夫々のエア取り出し口38(38A,38B)に接続される工具の種類によって要求されるエア吐出圧が相違こともあるからである。
【0056】
減圧弁33は、圧縮機10Aのモータ軸とタンク軸にそれぞれ直交する軸と、モータ軸の2軸によって形成される面内に配されるものであり、
図6ではモータ軸に対してその角度が0°となるように取り付けられる。したがって、減圧弁33はモータ軸、換言すればメインタンク10Bの水平軸と並行になる。
【0057】
一次圧力は減圧弁33によって調整されて二次圧力(出力圧力)となり二次圧力管路32Bに流入する。
【0058】
二次圧力管路32Bはクランク状の管路であって、図示するようにタンク軸と並行な管路36Aの折り曲げ端部36Bに圧力計35が連結される。この圧力計35で二次圧力を知ることができる。
【0059】
圧力計35は、モータ軸とタンク軸にそれぞれ直交する軸と、モータ軸およびタンク軸の3軸に囲まれた面内に配される。
【0060】
図7〜
図9ではこの3軸に囲まれる面内であって、モータ軸とタンク軸のそれぞれに対して20°〜30°だけ傾け、斜め上方を向くように圧力計35が取り付けられる。
【0061】
圧力計35を傾けて取り付けることで、圧力計35を減圧弁33に近接して配置しても、減圧弁33を支障なく操作できると共に、圧力計35の計器面が斜め上方を向くことになり、これで計器面にゴミなどの塵埃が付着したり堆積するのを防止できる。
【0062】
管路36Aに連なるモータ軸と並行な管路を経て、クランク状に折り曲げられたタンク軸と並行な管路36Cの先端部がエアチャック機能を有したエア取り出し口38となる。
【0063】
エア取り出し口38は上下に2又に分かれる。この例では、上方のエア取り出し口38Aはパージ付きのソケットであり、下方のエア取り出し口は通常のソケットである。
【0064】
このように一対のエア取り出し部10Cは、左右一対のタンク21A,21Bの頂面同士を結んだ水平線(モータ軸)とほぼ並行で、しかもエア取り出し部10Cの双方を本体中心面側に寄せて配置されている。そのため、その高さ、幅および長さを短縮した小型のエア取り出し部10Cを実現できる。
【0065】
これに加えて、グリップ28に邪魔されることなく、エア取り出し口38に対する工具ホースの取り付け、取り外しができ、減圧弁33はグリップ28とタンク接続口31Aとの間であって、モータ軸に並行しているので、圧力の調整が容易であり、圧力計35は斜めに配置されているため、塵埃が計器面を滑り落ちるようになるので、計器面が見やすくなるなどの実益を有する。
【0066】
なお、特許文献1のように一方例えば下側に位置するエア取り出し口をタンク軸と並行ではなく、外側(斜め外方)に向くように取り付けられた場合には、これに工具用ホースを取り付けたとき、工具用ホースが平面視で八の字状に拡がってしまうため、エアコンプレッサ本体の置き場所の占有面積が広くなってしまう。
【0067】
<増設タンクの構成>
図10〜
図12に増設タンク10Gの一例を示す。
図10は平面図であり、
図11は右側面図である、
図12は中央横断面図である。
【0068】
増設タンク10Gは複数本のタンクで構成され、この例では3本のタンク40A〜40Cよりなる3連双タイプである。それぞれのタンク40A〜40Cは前後に設けられた複数の連結板41A〜41Fによって等間隔に所定ピッチを保持した状態で相互に固定される。
【0069】
左タンク40Aのほぼ中央上面と中央タンク40Bの後端上面との間に管路43が接続され、同じく中央タンク40Bと右タンク40Cのほぼ中央上面との間にも管路44が接続される。これら管路43,44はエア接続管路として機能する他、ドレン接続管路としても機能している。そのため、右タンク40Cの管路終端部にはドレンコック45が設けられおり、ドレンコック45には排水管47が接続されている。それぞれのタンク40A〜40Cには水分排出管48が垂設されている(中央タンク40Bのみ
図12に示す)。中央タンク40Bにはメインタンク10Bとの間でのエア連結を実現するため、その前端 中央上面側にはエア連結管50を挿脱自在にするための接続口51が穿設されている。
エア連結管50の端部に設けられる接続部は着脱(挿脱)を容易にするためにワンタッチ式のカプラなどが使用される。
【0070】
エア連結管50は可撓性を有する管体であって、図のようにゴムホースなどの柔軟性に富んだ連結管などを使用することができ、その長さも上部に位置するメインタンク10Bの一方この例では
図3のように右タンク21Bの側面に設けられた接続口23Bに連結できる程度の長さのものが使用される。つまり、エア連結管50は工具用ホースの取り付け、取り外しに支障が出ない程度の長さに選定されている。
【0071】
エア連結管50の端部に設けられる接続部は、着脱(挿脱)容易なワンタッチ式のカプラなどが使用されるが、ワンタッチ式のカプラを使用する場合は脱落を防ぐためにロック付のカプラを用いるか、タンクからのエアの噴出を抑制する様なオリフィス(絞り)を設けたり、パージカプラを用いることが好ましい。
【0072】
<締結手段>
左右両タンク40A,40Cの前後する両端部近傍で、その上面には、メインタンク10Bとの取り付け、取り外しを着脱自在に行うための締結手段60が設けられている。
【0073】
締結手段60の一例を
図13〜
図15を参照して説明する。締結手段60は嵌合部60Aと被嵌合部60Bとで構成され、
図13に示す実施例は、右タンク21B側に設けられた嵌合部60Aが、増設タンク10G側に設けられた被嵌合部60Bに既に嵌合した状態でネジ止めされている要部の斜視図である。嵌合部60Aは右タンク21Bの下面側部側に設けられ、被嵌合部60Bは増設タンク10Gのうち右タンク40Cの上面中央部に設けられる。
【0074】
図14に示すように嵌合部60Aは、右タンク21Bのみのときは台座(脚部)として利用され、緩衝機能を有する緩衝部材62と、この緩衝部材62に対する取り付け部材63とを有する。緩衝部材62はメインタンク10Bのみで使用するときの足ゴム材として機能する。
【0075】
取り付け部材63は右タンク21Bに溶接された縦断面がほぼJ字状の金属板体が使用され、この取り付け部材63を囲繞するように緩衝部材62が取り付け固定される。
【0076】
緩衝部材62は、柔軟性に富むゴム材などが使用され、肉厚底部62Aと立設片62Bとを有し、肉厚底部62Aの空洞62C側から取り付け部材63に対し、締め付けネジ(この例では、タッピングネジ)65が鍔付きワッシャー66Aを介して締結される。
【0077】
取り付け部材63の側面板63Aの中央部付近には内側よりナット68が圧入され、この圧入ナット68に立設片62B側よりネジ69で締め付けることで、緩衝部材62と取り付け部材63の相互締結が行われる。
【0078】
締め付けネジ65としてタッピングネジを使用したのは、緩衝部材62と取り付け部材63とが相互に連結された後は両者を分離しない設計となっているからである。
【0079】
一方被嵌合部60Bは、
図13のように上方と前方が開放された、主辺70と左右側辺71を有し、台座である嵌合部60Aの嵌合深さと幅を持った箱型の形状となされた連結板である。
【0080】
左右側辺71のうち上面側は右タンク21Bの周面当接部(当接辺)として使用されると共に、その下面側は右タンク40Cに固定する脚部(脚辺)71Bとして使用される。左右側辺71は底辺72によって分離され、折り返された底辺72のうちその先端部72Aのみ右タンク40Cと接触するように右タンク40C側に折り返されている。こうすることによって、左右側辺71と底辺先端部72A(
図14)のみが右タンク40Cに溶接されて、被嵌合部60Bが固定される。左右側辺71と底辺先端部72Aのみを接合することで、底辺全体を溶接するよりも効率よく、被嵌合部60Bを増設タンク10Gに固定できると共に、多少のダンパー効果が得られる。
【0081】
主辺70の中央上部側には右タンク21Bと増設タンク10Gとを締結するための締結用のバカ孔構成のネジ孔73が形成されると共に、このネジ孔73を跨ぐように一対のスリット74(74A,74B)が形成される。
【0082】
スリット74の形成によって、主辺70に多少の撓みを持たせることができるので、このスリット74とバカ孔構成のネジ孔73を組み合わせることで、嵌合部60Aと被嵌合部60Bとの取り付け誤差(公差)を吸収できる。これによって取り付け、取り外しが容易になる。
【0083】
左右側辺71はタンク当接面に一致するような曲面となされ、この周面当接部75には、クッション兼用のキャップ76が装着される。これで被嵌合部60Bの右タンク21Bに対する衝撃を吸収しやすくなっている。
【0084】
締結手段としては、従来から
図16に示すような構成を採用した係止手段100(参考例)が知られている。この係止手段100は構成の簡略版であって、上述した実施例の例に倣えば、係止片100Aと、この係止片100Aが取り付けられる被係止片100Bとで構成される。係止片100Aは縦断面がほぼ丁字状をなす成形板体が使用され、タンク21Bの下面側部に溶接などによって接合されている。一方被係止片100Bは断面がほぼ門型(π状)の成形板体で両脚部が右タンク40Cの上面中央付近に溶接などによって接合されている。
【0085】
断面L字状の中間板体102を介してネジ103などによって係止片100Aに被係止片100Bが取り付け固定される。中間板体102は上方のネジ103によって被係止片100Bの上面より取り付けられ、さらに中間板体102と係止片100Aが下方のネジ104によってこの係止片100Aの側面に取り付け固定される。
【0086】
この従来の係止手段100は、2つのネジ103,104を外すことで増設タンク10Gをメインタンク10Bから外すことができるものの、増設タンク10Gを取り外した場合には2本のネジ103,104のほかに中間板体102などの取り付け部品を保管しなければならず、現場などでタンク取り外し作業を行うと、取り付け部品が紛失し易く、取り付け部品の保管・管理が非常に面倒になる。この点、上述した実施例による場合にはネジ69を被嵌合部60B側に固定しておくことができるため、取り付け部品の保管・管理が不要になる。
【0087】
また、係止片100Aと被係止片100Bとの間に生じるずれを吸収するためにバカ孔が形成された中間板体102を用いないことで、ズレが生じた場合に確実に締結することが困難になるが、ネジ孔73を跨ぐように形成された一対のスリット74(74A,74B)によって、主辺70に多少の撓みを持たせ、このスリット74とバカ孔構成のネジ孔73を組み合わせて、接合部のズレ(公差)を吸収するように構成されているため、従来同様、多少のずれを許容することも可能である。
【0088】
<エア連結管用継手>
上述したようにエア連結管路としてのエア連結管50を挿脱自在に構成する場合、メインタンク10Bとエア連結管50との接続部分においてエアの洩れが発生しないようにしなければならない。
【0089】
図17に、ワンタッチカプラ以外の方法による洩れのおそれのない接続手段(カプラ)120の一例を示す。同
図Aは拡大平面図、同
図Bはその縦断面図、同
図Cはその正面図である。
【0090】
この接続手段120は同
図Bに示すように、タンク40C側に接合された継手120Aと、エア連結管50側に設けられた継手120Bとで構成される。
【0091】
タンク側継ぎ手120Aは金属製の継手であり、その一端122がタンク21Bの接続口23Bにねじ込まれて固定されている。他端123の先端側は接合部125として利用される。 接合部125の先端寄りにはオスネジ126が形成されると共に、その先端部の内面には接合用のテーパ(メス型テーパ)127が形成される。
【0092】
一方、エア連結管50側に設けられる継手120Bは、エア連結管50の先端部に嵌合される嵌合部(金属製管体)130を有し、この嵌合部130の一端は径大部131となされる。
【0093】
径大部131の先端より若干手前側に、所定の内径と幅を有するリング状溝132が形成され、このリング状溝132よりさらに先端部143には上述したタンク側継手120Aの接合用テーパ127に当接する接合用のテーパ(メス型テーパ)133が形成されている。
【0094】
継手120Bにはさらに径大部131の先端部を覆うように係合した接合ネジ140が設けられる。接合ネジ140は、一方の継手120Aと連結して両者を接合(固定)するためのもので、接合部125まで到達するように径大部131の先端部より所定長突出する長さのものが使用される。そしてその接合ネジ140の先端部140Aの内面には、上述したオスネジ126に歯合するメスネジ142が切られている。
【0095】
このように構成された接続手段120にあって、継手120Aと120Bを連結する場合には、接合ネジ140を締めて、オスネジ126にメスネジ142を歯合させ、接合用テーパ127に、他方の接合用テーパ133が当接して、互いが密着するまで接合ネジ140を回す。両者が密着することによって、エア連結管50側の継手120Bがタンク側の継手120Aに確実に密着固定される。その結果、所要のエア突出圧がエア連結管50に加わったとしてもこの接続手段120からエア洩れが発生する恐れはない。
【0096】
因みに、従来では
図18に示すような接続形態となる接続手段150が使用される場合がある。この接続手段150はタンク側継手150Aとして直管状の接合部160のみで構成され、一方エア連結管50用の継手150Bも、直管状の管体151が用いられ、管体151の先端152が継手150Aの管内に所定長Pだけ差し込まれる構成である。
【0097】
管体151の先端152より長さPだけ手前には楔状のブッシュ155が嵌入され、このブッシュ155を抑え込めるようにブッシュ155の外側に接合ネジ156が嵌め込まれている。
【0098】
この接合ネジ156は接合部160の端面外周に切られたオスネジに歯合できる構成となっている。
【0099】
管体151を接合部160の内側に差し込んだ状態で、接合ネジ156を接合部160の外側に形成されたネジ部と係合させ、さらに締め込むと、ブッシュ155は接合ネジ156の内側テーパ部、及び接合部160先端のテーパ部に倣うように密着しながら変形する。同時にブッシュ155は管体151が密着するように変形するので、確実にシールすることができる。
【0100】
この構成では、継手150Bの締め付けトルクが重要であり、工場での組み付け時には特に問題とはならないが、ユーザが接続手段150を取り付けたり、取り外したりするとき、この構成では、トルクが不十分な場合はエア漏れを防ぐことができない。逆に過大なトルクで締めこむと、管体151を変形させてしまい、やはり、確実にシールすることが出来なくなるおそれがある。
【0101】
これに対し、
図17の構成では接合ネジ140の締め付けだけで、テーパ127と142とが完全に密着して継手120Bを他方の継手120Aに結合させることができるので、締め付け時のトルク管理が容易になり、接続手段120の取り付け、取り外しを繰り返し行っても、シールが不完全になるおそれがない。
【0102】
また、締め付け時に変形するような部材を使用していないので、締め付け時のトルクに左右されることなく、シール性を確保できるから、締め付けトルク管理が容易になる。上記継ぎ手構造は、接続手段の一例に過ぎない。
管路と継手の接続をユーザが行うことは、上記理由から困難であるが、既に管路に取り付けられている継手と、タンク側に設けられている継手とを接続するように構成すれば、管路の着脱が容易にできるので、予め継手が取り付けられた連結管路部材を用いればよい。
【0103】
<インバータの配置>
インバータ基板(インバータ用の基板)10Dは、圧縮用モータ12を駆動するために使用されるものであって、
図4のようにほぼ矩形状の基板にコイル、コンデンサなどの複数の回路素子がマウントされて構成される。
【0104】
インバータ基板10Dは、メインタンク10Bの上面であって、圧縮用モータ12と一次シリンダ15Aとの間に存在する空間(スペース)内に取り付けられる。インバータ基板10Dはメインタンク10Bを取り付ける連結部材(図示はしない)に、補助部材82を介してモータ軸と並行するように立設される。
【0105】
インバータ基板10Dは圧縮用モータ12やクランクケース16よりも背丈が低く、しかもインバータ基板10Dを立設したとき、インバータ10基板Dの回路素子が上述したエア取り出し部10Cとは重ならないようにインバータ10基板Dの厚みが選定される。
【0106】
インバータ基板10Dのうちその基板の回路素子マウント面とは反対側の面(裏面)が冷却ファン13側を向くように配置され、インバータ基板を効率よく冷却できるように工夫されている。
【0107】
<操作部の配置>
エア取り出し部10Cの上面空間内にエアコンプレッサ本体を制御する操作部10Eが配される。操作部10Eには電源スイッチなどが配される他、表示インジケータなどの表示部品が付設される。操作面は後述する本体カバー10Fの外面より突出しないように所定の傾斜をもって操作部10Eが取り付けられる。
【0108】
<本体カバー>
本体カバー10Fは、
図1のようにメインタンク10Bの上部に配置された圧縮機10A等をカバーするためのもので、圧縮機10Aそのものの外形(圧縮用モータ12、一次及び二次シリンダ15A,15Bの外縁形状)に沿った形状で、圧縮機の振動を許容できる程度にこれら部材を若干隙間をもたせるように成型されている。また、本体カバー10F両側面の下端部は、回転部や電気回路部から使用者を保護するため、極力隙間を小さく設定している。
【0109】
本体カバー10Fの前面、つまりエアコンプレッサ本体の正面側は、斜め手前に傾斜しているが、操作部10Eと対向する部分は操作部が露呈するように空隙となされる。
【0110】
図1のようにこの操作部10Eの両側下方の位置に対応する本体カバー10Fは開口され、これによって上述した減圧弁33、圧力計35及びエア取り出し部10Cが夫々外部に露呈する。これで、操作性と視認性が確保される。
【0111】
<コンプレッサの小型化>
圧縮機10Aをメインタンク10Bの上部に配置するに当たっては、メインタンク10Bの外縁からはみ出さずに、小型化できるような位置関係を選択し、エア取り出し部10Cはその背丈を短くしながら、エアコンプレッサ本体の中心に寄せて配置するようにしたので、エアコンプレッサの高さ、幅および奥行きが可能な限り短くなっている。これによってエアコンプレッサの小型化が可能になる。
【0112】
これらの構成に加えて、ドレン管路は二次シリンダ15Bとメインタンク10Bの間の空間を使用して配管し、ドレンコック25は一次シリンダ15A寄りのメインタンク10Bの上面側に配し、インバータ基板10Dはモータ12と一次シリンダ15Aの間の空間を利用して配し、特にモータ軸と並行するように立設構成としたので、メインタンク10Bの上部側の空間を有効に利用できる。これによって、タンク長やタンクピッチを短くできるので、エアコンプレッサ10のさらなる小型化が可能になる。
【0113】
2本の筒状タンクによってメインタンクを構成した形態について示したが、一方のタンクのみ空気を貯留できるようにしてもう一方を物入れ等に用いた場合や、3本以上のタンクによってメインタンクを構成するエアコンプレッサにも本願発明が適用できることは言うまでもない。