特許第6790737号(P6790737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790737
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】用紙厚さ検知装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   B65H7/02
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-216906(P2016-216906)
(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公開番号】特開2018-76128(P2018-76128A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111811
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】西川 浩志
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−234023(JP,A)
【文献】 特開2011−178487(JP,A)
【文献】 特開2012−030937(JP,A)
【文献】 特開2005−306491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00− 7/20
B65H 43/00−43/08
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いを圧して接触することで形成されるニップ部に進入する用紙を搬送するローラ対と、
前記ローラ対のうち一方のローラの変位を検出する変位検出部と、
を備え、
前記ローラ対を構成する2つの前記ローラ各々の、回転周期が短い方の周期よりも長く、回転周期が長い方の周期よりも短い期間において、前記変位検出部が検出した前記ローラの変位の検出値のうち、前記ローラ対を構成する2つの前記ローラ各々の回転周期とは異なる周期でサンプリングされ、且つ、サンプリング周期の整数倍が、前記2つの前記ローラ各々の回転周期とは異なる周期である複数の前記検出値の平均値を前記ニップ部を通過する用紙の厚さとして算出することを特徴とする用紙厚さ検知装置。
【請求項2】
前記検出値の最大値を含み、前記検出値の前記最大値に値が近い所定数の前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする請求項1に記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項3】
前記ローラ対が、動力を得て回転する駆動ローラと、前記駆動ローラに接触して回転する従動ローラとを含み、
前記変位検出部が、前記従動ローラの変位を検出する請求項1または請求項2に記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項4】
複数の前記検出値のうち、所定の閾値を超える前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項5】
前記ニップ部に所定の基準用紙を通過させたときの前記検出値の最大値を基準値とし、
前記閾値が、前記基準値に、前記ニップ部に通すことが可能な最大厚さの用紙と前記基準用紙との用紙厚さの差を加算した値であることを特徴とする請求項に記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項6】
用紙の搬送方向下流端が前記ニップ部に進入する前の所定期間と、用紙の前記ニップ部の通過期間の前半の期間と、における前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項7】
用紙の搬送方向下流端が前記ニップ部に進入したときから所定期間の前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする請求項に記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項8】
用紙の搬送方向上流端が前記ニップ部を通過した後の所定期間と、用紙の前記ニップ部の通過期間の後半の期間と、における前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項9】
用紙の搬送方向上流端が前記ニップ部を通過したときから所定期間の前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする請求項に記載の用紙厚さ検知装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項のいずれかに記載の用紙厚さ検知装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
装置の状態の報知に用いられる報知部を備え、
前記検出値が所定の閾値を超えた場合に、前記検出値が前記閾値を超えたことに係る情報を前記報知部を用いて報知することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙厚さ検知装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンターなどの画像形成装置には、原稿を含めた用紙の厚さを検知するための用紙厚さ検知装置を備えるものがある。用紙厚さ検知装置は、例えば用紙を搬送するローラ対のニップ部を用紙が通過するときのローラの変位から用紙の厚さを検知する。用紙厚さ検知装置を用いることで、用紙厚さに応じた用紙搬送速度や定着温度の制御を行うことができ、画像品質を向上させることが可能である。
【0003】
しかしながら、上記構成の用紙厚さ検知装置はローラの表面への異物の付着を検知することができない。ローラの表面に異物が付着すると、用紙厚さの検知においてノイズとなり、検知精度の低下を招く虞がある。このような問題を解決すべく提案された従来の用紙厚さ検知装置の一例が特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に記載された紙葉類の厚み検知装置は、基準ローラと検知ローラとの間を通る紙葉類の厚さに応じて回動変位する検知ブロックと、検知ブロックの回動変位に応じて変位する第一の押圧部材の変位量を非接触で検知する変位検知手段とを備える。さらに、この装置はローラに付着した異物を除去するスクレーパーを備える。スクレーパーを用いることで、ローラの表面の異物除去が可能になり、正確な厚み検知を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2009/028109号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された紙葉類の厚み検知装置は、スクレーパーがローラに接触することでローラの動作に支障をきたし、厚み検知において誤検知が生じる虞があることが課題であった。また、スクレーパーがローラに接触することで、スクレーパー或いはローラが摩耗する虞がある。これにより、部品交換等に伴うランニングコストの増加が懸念された。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、ローラの表面への異物の付着に係る影響を受けることなく、用紙の厚さを精度良く検知することが可能な用紙厚さ検知装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の用紙厚さ検知装置は、互いを圧して接触することで形成されるニップ部に進入する用紙を搬送するローラ対と、前記ローラ対のうち一方のローラの変位を検出する変位検出部とを備え、前記変位検出部が検出した前記ローラの変位の検出値のうち、前記ローラ対を構成する2つの前記ローラ各々の回転周期とは異なる周期でサンプリングした前記検出値を用いて、前記ニップ部を通過する用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0009】
この構成によると、振幅の極値や、ローラ表面に付着した異物に起因するノイズを繰り返しサンプリングすることが抑制される。
【0010】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、複数の前記検出値の平均値を用紙の厚さとして算出することを特徴とする。
【0011】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、前記検出値の最大値を含み、前記検出値の前記最大値に値が近い所定数の前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0012】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、前記ローラ対が、動力を得て回転する駆動ローラと、前記駆動ローラに接触して回転する従動ローラとを含み、前記変位検出部が、前記従動ローラの変位を検出し、前記検出値のサンプリング周期の整数倍が、前記従動ローラの回転周期とは異なることを特徴とする。
【0013】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、前記検出値のサンプリング周期の整数倍が、前記駆動ローラの回転周期とは異なることを特徴とする。
【0014】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、前記ローラ対を構成する2つの前記ローラ各々の、回転周期が短い方の周期よりも長く、回転周期が長い方の周期よりも短い期間において、複数の前記検出値がサンプリングされることを特徴とする。
【0015】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、複数の前記検出値のうち、所定の閾値を超える前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0016】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、前記ニップ部に所定の基準用紙を通過させたときの前記検出値の最大値を基準値とし、前記閾値が、前記基準値に、前記ニップ部に通すことが可能な最大厚さの用紙と前記基準用紙との用紙厚さの差を加算した値であることを特徴とする。
【0017】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、用紙の搬送方向下流端が前記ニップ部に進入する前の所定期間と、用紙の前記ニップ部の通過期間の前半の期間とにおける前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0018】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、用紙の搬送方向下流端が前記ニップ部に進入したときから所定期間の前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0019】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、用紙の搬送方向上流端が前記ニップ部を通過した後の所定期間と、用紙の前記ニップ部の通過期間の後半の期間とにおける前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0020】
また、上記構成の用紙厚さ検知装置において、用紙の搬送方向上流端が前記ニップ部を通過したときから所定期間の前記検出値を除外した前記検出値を用いて用紙の厚さを算出することを特徴とする。
【0021】
また、上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、上記構成の用紙厚さ検知装置を備えることを特徴とする。
【0022】
また、上記構成の画像形成装置において、装置の状態の報知に用いられる報知部を備え、前記検出値が所定の閾値を超えた場合に、前記検出値が前記閾値を超えたことに係る情報を前記報知部を用いて報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の構成によれば、ローラの表面への異物の付着に係る影響を受けることなく、用紙の厚さを精度良く検知することが可能な用紙厚さ検知装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態の画像形成装置の部分垂直断面正面図である。
図2】本発明の第1実施形態の画像形成装置の原稿搬送装置の垂直断面正面図である。
図3】本発明の第1実施形態の用紙厚さ検知装置の概略平面図である。
図4】本発明の第1実施形態の用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形を示すグラフである。
図5】本発明の第1実施形態の用紙厚さ検知装置の従動ローラの回転に係る振動波形を示すグラフである。
図6】本発明の第1実施形態の用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。
図7】本発明の第2実施形態の用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。
図8】本発明の第3実施形態の用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。
図9】本発明の第3実施形態の用紙厚さ検知装置を備える画像形成装置の用紙厚さ検知処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の第4実施形態の用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0026】
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の部分垂直断面正面図の一例である。なお、図1の矢印付き二点鎖線は用紙の搬送経路及び搬送方向を示す。また、図1における上下方向、左右方向及び紙面奥行き方向が画像形成装置の上下方向、左右方向及び奥行き方向である。
【0027】
画像形成装置1は、図1に示すように所謂タンデム型のカラー複写機であり、原稿の画像を読み取る画像読取部2と、読み取った画像を用紙等の転写材に印刷する印刷部3と、印刷条件の入力や稼働状況の表示を行うための操作部4と、主制御部5とを備える。
【0028】
画像読取部2としてはプラテンガラス2aの上面に載置された原稿の画像を、不図示のスキャナーを移動して読み取る公知のものである。また、画像形成装置1は用紙搬送装置である原稿搬送装置40を備え、原稿搬送装置40及び画像読取部2を利用して複数枚の原稿の画像を1枚ずつ自動的に読み取ることも可能である。原稿の画像は赤(R)、緑(G)、青(B)の三色に色分解され、不図示のCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーで電気信号に変換される。これにより、画像読取部2は赤(R)、緑(G)、青(B)の色別の画像データを得る。
【0029】
画像読取部2が原稿から得た色別の画像データは主制御部5において各種処理が行われ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換されて主制御部5の不図示のメモリーに格納される。メモリーに格納された再現色別の画像データは位置ずれの補正のための処理を受けた後、像担持体である感光体ドラム21に対する光走査を行うために用紙の搬送と同期して走査ラインごとに読み出される。
【0030】
印刷部3は電子写真方式によって画像を形成し、その画像を用紙に転写して印刷する。印刷部3は中間転写体を無端状のベルトとして形成した中間転写ベルト11を備える。中間転写ベルト11は駆動ローラ12、従動ローラ13、14に巻き掛けられる。中間転写ベルト11は駆動ローラ12によって図1における反時計回りに回転移動する。
【0031】
駆動ローラ12は中間転写ベルト11を挟んで対向する二次転写ローラ15に圧して接触する。従動ローラ14の箇所では、中間転写ベルト11を挟んで従動ローラ14に対向するように設けられた中間転写クリーニング部16が中間転写ベルト11の外周面に接触する。中間転写クリーニング部16は中間転写ベルト11の外周面に形成されたトナー像が用紙に転写された後、中間転写ベルト11の外周面に残留したトナーなどの付着物を除去してクリーニングする。
【0032】
中間転写ベルト11の下方にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色に対応する画像形成部20Y、20M、20C、20Kが設けられる。なおこの説明において、特に限定する必要がある場合を除き、「Y」、「M」、「C」、「K」の識別記号の記載を省略して、例えば「画像形成部20」と総称することがある。4台の画像形成部20は中間転写ベルト11の回転方向に沿って、回転方向の上流側から下流側に向けて一列にして配置される。4台の画像形成部20は構成がすべて同じであり、図1における時計回りに回転する感光体ドラム21を中心としてその周囲に帯電部、露光部(露光装置23)、現像部、ドラムクリーニング部及び一次転写ローラを備える。
【0033】
中間転写ベルト11の上方には、4台の各再現色の画像形成部20に対応するトナーボトル31及びトナーホッパー32が設けられる。現像部及びトナーホッパー32に対しては各々の内部のトナーの残量を検出する不図示の残量検出部が設けられる。また、現像部とトナーホッパー32との間及びトナーホッパー32とトナーボトル31との間には各々不図示のトナーの補給装置が設けられる。残量検出部によって現像部の内部のトナーの残量の低下が検出されると、補給装置がトナーホッパー32から現像部にトナーを補給するように駆動する。さらに、残量検出部によってトナーホッパー32の内部のトナーの残量の低下が検出されると、補給装置がトナーボトル31からトナーホッパー32にトナーを補給するように駆動する。トナーボトル31は装置本体に対して着脱可能に設けられ、適宜新しいものと交換することができる。
【0034】
画像形成部20の下方には露光部である露光装置23が配置される。露光装置23は4台の画像形成部20に対して1台で対応し、4個の感光体ドラム21各々に個別に対応した不図示の4つの半導体レーザ等の光源を有する。露光装置23は4つの半導体レーザを各再現色の画像階調データに応じて変調して、各再現色に対応するレーザ光を4個の感光体ドラム21に対して個別に出射する。
【0035】
露光装置23の下方には用紙供給装置91が設けられる。用紙供給装置91はその内部に複数の用紙Pを積載して収容し、用紙束の最上層から順に用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路Qに送り出す。用紙積載装置91から用紙搬送路Qに送り出された用紙Pはレジストローラ対94の箇所に到達する。そして、レジストローラ対94が用紙Pの斜め送りを矯正(スキュー補正)しつつ中間転写ベルト11の回転と同期をとって、中間転写ベルト11と二次転写ローラ15との接触部(二次転写ニップ部)に向けて用紙Pを送り出す。
【0036】
画像形成部20では露光装置23から照射されたレーザ光によって感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部によってトナー像として可視像化される。感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は感光体ドラム21が中間転写ベルト11を挟んで一次転写ローラと対向する箇所において中間転写ベルト11の外周面に一次転写される。そして、中間転写ベルト11の回転とともに所定のタイミングで各画像形成部20のトナー像が順次中間転写ベルト11に転写されることにより、中間転写ベルト11の外周面にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像(印刷画像)が形成される。
【0037】
中間転写ベルト11の外周面に一次転写されたカラートナー像はレジストローラ対94により同期をとって送られてきた用紙Pに、中間転写ベルト11と二次転写ローラ15とが接触して形成される二次転写ニップ部にて転写される。
【0038】
二次転写ニップ部の上方には定着部95が備えられる。二次転写ニップ部にて未定着トナー像が転写された用紙Pは定着部95へと送られ、トナー像が加熱、加圧されて用紙Pに定着される。定着部95を通過した用紙Pは中間転写ベルト11の上方に設けられた用紙排出部96に排出される。
【0039】
操作部4は画像形成装置1の上部の正面側に設けられる。操作部4はタッチパネルを有する表示部4wを備える。操作部4は、例えばユーザーによる印刷に使用する用紙Pの種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などの設定の入力や、ファクシミリ送信におけるファックス番号や送信者名などの設定の入力を受け付ける。また、操作部4は、例えば装置の状態や注意事項、エラーメッセージなどを表示部4wに表示することによって、それらをユーザーに対して報知するための報知部としての役割も果たす。
【0040】
また、画像形成装置1にはその全体の動作制御のため、不図示のCPUや画像処理部、その他の図示しない電子部品で構成された主制御部5が設けられる。主制御部5は中央演算処理装置であるCPUと画像処理部とを利用し、メモリーに記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取部2や原稿搬送装置40、印刷部3などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作、印刷動作を実現する。
【0041】
続いて、画像形成装置1の原稿搬送装置40の構成とその動作について、図1に加えて図2を用いて説明する。図2は原稿搬送装置40の垂直断面正面図である。なお、図2における上下方向、左右方向及び紙面奥行き方向が画像形成装置1及び原稿搬送装置40の上下方向、左右方向及び前後方向である。
【0042】
原稿搬送装置40は、図1に示すようにプラテンガラス2aと対向する形でその上方に設けられる。原稿搬送装置40はプラテンガラス2aの表面全体をカバーする略直方体形状を成すユニットである。
【0043】
原稿搬送装置40は画像読取部2の背面側に設けられた左右方向に略水平に延びる不図示の2箇所の支軸を中心として、画像形成装置1本体に対して揺動可能に取り付けられる。これにより、原稿搬送装置40はその正面側部分を自由端として上下に振るようにして揺動し、プラテンガラス2aの表面の開放、閉鎖が可能である。
【0044】
原稿搬送装置40は、図2に示すようにその下面に原稿マット40aを備える。原稿マット40aはその一面がプラテンガラス2aに対向する原稿背景部となる。原稿マット40aは例えばスポンジ等の弾性部材を含んで表面が白色を成し、プラテンガラス2aの全域をカバーする位置及び大きさを成す。原稿搬送装置40でプラテンガラス2aの表面を閉鎖したとき、原稿マット40aはプラテンガラス2aに載置された原稿に上方から圧して接触し、その全面を均一に加圧するように密着して原稿を移動しないように保持する。
【0045】
原稿搬送装置40は原稿マット40aに加えて、給紙トレイ41、原稿搬送部50及び排紙トレイ42を備える。
【0046】
給紙トレイ41は原稿搬送装置40の上部に配置された原稿の載置部である。給紙トレイ41には原稿を上方から載置して積み上げることができる。給紙トレイ41は原稿搬送方向の上流から下流に向かって、すなわち図2において右方から左方に向かって下る傾斜を有する。
【0047】
給紙トレイ41の原稿搬送方向下流部には原稿の押し上げ部41aが設けられる。押し上げ部41aは給紙トレイ41の載置面に沿った形状を成し、その上流端に設けられて原稿搬送方向と交差する方向である原稿幅方向に延びる不図示の支軸を中心とし、下流端を自由端として垂直面内で回転可能にして設けられる。押し上げ部41aは原稿の供給時に、不図示のモーター等によって支軸を中心として回転されることで、給紙トレイ41に積み上げられた原稿の下流端がその上方に配置された供給ローラ52に接触するように上方に向かって付勢される。
【0048】
原稿搬送部50は給紙トレイ41の原稿搬送方向の下流端に原稿供給口51と、供給ローラ52とを備える。供給ローラ52は給紙トレイ41に積み上げられた原稿を最上層から1枚ずつ分離して原稿搬送部50の内部へと供給し、搬送する。原稿供給口51の下流側には原稿搬送部50の内部に向かって原稿搬送路53が延びる。
【0049】
原稿搬送路53にはレジストローラ対54が設けられる。レジストローラ対54は原稿の斜め送りを矯正(スキュー補正)した後、原稿をさらに搬送方向下流へと送り出す。また、原稿搬送路53の各所には搬送ローラ55が設けられる。
【0050】
レジストローラ対54の原稿搬送方向の下流側には用紙厚さ検知装置60が設けられる。用紙厚さ検知装置60については詳細を後述する。
【0051】
原稿搬送路53の、レジストローラ対54及び用紙厚さ検知装置60の原稿搬送方向下流は原稿搬送装置40の底面に到達し、この箇所に第1原稿読取部56が設けられる。第1原稿読取部56に送り込まれた原稿は原稿搬送路53上をさらに下流側へ、すなわち図2において第1原稿読取部56の箇所を左方から右方へと移動する最中に、その下方に設けられた画像形成装置1本体の画像読取部2により、下側の面である第1面の画像データが読み取られる。
【0052】
原稿搬送路53の、第1原稿読取部56の原稿搬送方向下流には第2原稿読取部57が設けられる。原稿の両面の画像データの読み取りが必要な場合、第2原稿読取部57に送り込まれた原稿は原稿搬送路53上をさらに下流側へ、すなわち図2において第2原稿読取部57の箇所を左方から右方へと移動する最中に、その上方に設けられた第2原稿読取部57により、上側の面である第2面の画像データが読み取られる。
【0053】
原稿搬送路53の下流端には原稿排出口58が設けられる。画像データの読み取りが済んだ原稿は原稿排出口58から排紙トレイ42に排出される。排紙トレイ42は給紙トレイ41のすぐ下方に備えられ、これらのトレイが上下二段にして構成される。排紙トレイ42に排出された原稿は原稿搬送装置40の正面側から取り出すことができる。
【0054】
給紙トレイ41と、排紙トレイ42とは互いの原稿搬送方向を逆にして、すなわち図2において給紙トレイ41は原稿を左方に向かって送り出し、排紙トレイ42は原稿を左方から受け取る形にして構成される。これにより、原稿供給口51から原稿排出口58まで延びる原稿搬送路53は、図2に示すようにU字状に湾曲した構成を横方向に傾けた形態で設けられる。
【0055】
上記構成により、原稿搬送装置40は給紙トレイ41に載置された原稿を1枚ずつ分離して原稿搬送部50の内部に供給し、第1原稿読取部56及び第2原稿読取部57でその画像データを読み取った後、排紙トレイ42に排出する。
【0056】
続いて、用紙厚さ検知装置60の詳細な構成とその動作について、図3図6を用いて説明する。図3は用紙厚さ検知装置60の概略平面図である。図4は用紙厚さ検知装置60の駆動ローラの回転に係る振動を示すグラフである。図5は用紙厚さ検知装置60の従動ローラの回転に係る振動を示すグラフである。図6は用紙厚さ検知装置60の駆動ローラの回転に係る振動と従動ローラの回転に係る振動とを重畳したグラフである。
【0057】
用紙厚さ検知装置60は、図3に示すように駆動ローラ61及び従動ローラ62で構成されるローラ対63と、モーター64と、付勢部材65と、変位検出部66とを備える。
【0058】
駆動ローラ61は原稿搬送装置40の前後方向に沿って延びる軸部61aを有する。駆動ローラ61は軸線方向に沿って並べられた例えば4個のローラ部61bが共通の軸部61aに固定される。ローラ部61bは例えば材質がEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)であり、直径が20mmである。軸部61aはその軸線方向の両端部が、原稿搬送装置40のフレーム部40bに固定された軸受67を介してその軸線回りに回転可能に支持される。駆動ローラ61は例えばローラ部61bの直径に係る回転振れ精度が0.08mmである。
【0059】
駆動ローラ61はモーター64に連結される。駆動ローラ61はモーター64から動力を得て回転する。なお、モーター64は原稿搬送部50に設けられた他のモーターを併用しても構わない。
【0060】
従動ローラ62は原稿搬送装置40の前後方向に沿って延びる軸部62aを有する。従動ローラ62は軸線方向に沿って並べられた例えば4個のローラ部62bが共通の軸部62aに固定される。ローラ部62bは例えば材質がPOM(ポリアセタール)であり、直径が12mmである。軸部62aはその軸線方向の両端部が、原稿搬送装置40のフレーム部40bに設けられた軸受68を介してその軸線回りに回転可能に支持される。従動ローラ62は例えばローラ部62bの直径に係る回転振れ精度が0.12mmである。
【0061】
軸受68は従動ローラ62が駆動ローラ61に対して接近、離隔する方向に、フレーム部40bに対して相対変位が可能である。そして、従動ローラ62は付勢部材65によって、軸線方向と交差して駆動ローラ61に接近する方向に付勢される。これにより、駆動ローラ61と、従動ローラ62とは互いのローラ部61b、62bの周面が対向し、互いを圧して接触することで用紙(原稿)が通過するニップ部63Nを形成する。なお、従動ローラ62は駆動ローラ61に接触することで、駆動ローラ61の回転に従って回転する。
【0062】
変位検出部66は従動ローラ62の軸部62aに隣接して配置される。変位検出部66は、例えば、歪ゲージを利用した接触式の変位センサーを有し、従動ローラ62の軸部62aに接触して軸部62aの変位を検出する。
【0063】
ここで、原稿搬送部50は例えば搬送速度250mm/sで用紙(原稿)を搬送する。駆動ローラ61の回転周期は0.25s(=4rps)である。駆動ローラ61対して従動回転する従動ローラ62は回転周期が0.15s(=6.67rps)である。原稿搬送装置40で利用可能であって、ローラ対63のニップ部63Nに通すことが可能な用紙(原稿)は本明細書で薄紙と呼ぶ35g/m2(厚さ0.045mm)の用紙と、普通紙と呼ぶ80g/m2(厚さ0.09mm)の用紙と、厚紙と呼ぶ128g/m2(厚さ0.15mm)及び210g/m2(厚さ0.24mm)の用紙とである。
【0064】
図4は駆動ローラ61の回転に係る振動波形を示すグラフである。図5は従動ローラ62の回転に係る振動波形を示すグラフである。駆動ローラ61及び従動ローラ62は各々、ローラ部61b、62b自体が回転中心に対する偏心を有し、その偏心に起因して図4及び図5に示された振動(回転振れ)が生じる。
【0065】
そして、例えば従動ローラ62の表面にトナーや紙粉などの異物が付着した場合、図5に示す振動波形の矢印Aの箇所において突出部(ノイズ)が生じる。従動ローラ62の表面から異物が剥離しない限り、異物に起因するノイズは周期的に生じる。
【0066】
図6は変位検出部66の検出波形である。変位検出部66は従動ローラ62の軸部62aの変位を検出するが、実際には駆動ローラ61の回転に係る振動と従動ローラ62の回転に係る振動とが重畳された変位を検出することとなる。
【0067】
用紙厚さ検知装置60は、変位検出部66が検出した従動ローラ62の変位の検出値のうち、所定の周期でサンプリングした検出値を用いて、ニップ部63Nを通過する用紙(原稿)の厚さを算出する。そのサンプリング周期はローラ対63を構成する駆動ローラ61及び従動ローラ62各々の回転周期である0.25s、0.15sとは異なる。例えば、用紙厚さ検知装置60は、図6に×印で示した0.0675sの周期で検出値のサンプリングを行う。
【0068】
この構成によれば、振幅の極値や、ローラ表面に付着した異物に起因するノイズを繰り返しサンプリングすることを抑制することが可能である。したがって、ニップ部63Nを通過する用紙の厚さを算出するにあたって、誤差の要因が含まれることを防止することができる。その結果、用紙の厚さを精度良く検知することが可能になる。
【0069】
また、用紙厚さ検知装置60は従動ローラ62の変位の複数の検出値の平均値を用紙の厚さとして算出する。これにより、容易に、高精度にの用紙厚さを検知することが可能になる。
【0070】
また、用紙厚さ検知装置60は検出値の最大値(図6の矢印B)を含み、検出値の最大値に値が近い所定数の検出値を除外した検出値を用いて用紙の厚さを算出する。検出値の最大値に値が近い所定数の検出値としては、例えば最大値の値自体を含む上位10点、或いは上位50点といった数の検出値である。これにより、用紙の厚さを算出するにあたって、誤差の要因が含まれることをより一層抑制することができる。
【0071】
また、検出値のサンプリング周期の整数倍が従動ローラ62の回転周期とは異なる。さらに、検出値のサンプリング周期の整数倍が駆動ローラ61の回転周期とは異なる。これにより、ローラ表面に付着した異物に起因するノイズを繰り返しサンプリングすることをより一層抑制することが可能である。
【0072】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の用紙厚さ検知装置について、図7を用いて説明する。図7は用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ名称、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0073】
第2実施形態の用紙厚さ検知装置60は、図7に示すサンプリング期間T1において、従動ローラ62の変位の複数の検出値(図7の×印)のサンプリングを行う。サンプリング期間T1はローラ対63を構成する駆動ローラ61及び従動ローラ62各々の、回転周期が短い方の周期よりも長く、回転周期が長い方の周期よりも短い。
【0074】
サンプリング期間T1は、例えば従動ローラ62の回転周期0.15sよりも長く、駆動ローラ61の回転周期0.25sよりも短い0.24sに設定される。このサンプリング期間T1において、用紙厚さ検知装置60は例えば0.025sの周期でサンプリングを行う。
【0075】
この構成によれば、仮に、駆動ローラ61と従動ローラ62とが共振した場合であっても、ノイズの影響を受けないようにすることができる。その結果、用紙の厚さを精度良く検知することが可能になる。
【0076】
通常ローラに付着する異物は最大でも1mm程度であり、用紙搬送速度が250mm/sであれば0.004sの変動である。この変動はローラの周期に対して十分に小さい。すなわち、1つの異物により発生したローラの変位の極大値を複数サンプリングするような高周波であるサンプリング周期の場合、異物が付着していない領域の検出値も十分な数がサンプリングされる。したがって、極大値を除去することで、用紙厚さの検知に十分な精度を確保することが可能である。
【0077】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態の用紙厚さ検知装置について、図8及び図9を用いて説明する。図8は用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。図9は用紙厚さ検知装置を備える画像形成装置の用紙厚さ検知処理の例を示すフローチャートである。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ名称、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0078】
第3実施形態の用紙厚さ検知装置60では、工場出荷前の、ローラ対63に汚れが付着していない状態のニップ部63Nに、基準用紙である普通紙(80g/m2、厚さ0.09mm)を通過させる。図8の波形w1がニップ部63Nに当該普通紙を通過させた場合の振動波形である。このとき、変位検出部66の検出値の最大値Q1(=0.2mm、図8参照)を基準値として得る。
【0079】
続いて、原稿搬送装置40で利用可能な最大厚さの厚紙(210g/m2、厚さ0.24mm)と普通紙との用紙厚さの差(0.15mm)を基準値Q1に加算した閾値Q2(=0.35mm)を導出し、用紙厚さ検知装置60に記憶させる。なお、図8の波形w2がニップ部63Nに当該厚紙を通過させた場合の振動波形である。
【0080】
そして、用紙厚さ検知装置60は、工場出荷後の実際の使用の際に、用紙厚さの検知のために検出した従動ローラ62の変位の複数の検出値(図8の波形w3)のうち、閾値Q2を超える検出値を除外した検出値を用いて用紙の厚さを算出する。
【0081】
この構成によれば、ニップ部63Nを通過する用紙の厚さを算出するにあたって、所定の閾値Q2を超える検出値を予め除外することができる。したがって、容易に用紙の厚さを精度良く検知することが可能になる。
【0082】
続いて、画像形成装置1における用紙厚さ検知処理の流れの一例を、図9を用いて説明する。
【0083】
用紙厚さ検知処理が開始されると(図9のスタート)、ステップ#101において従動ローラ62の変位が用紙厚さ検知装置60によって検出される。
【0084】
ステップ#102では従動ローラ62の変位の検出値が閾値Q2を超えたか否かが判定される。検出値が閾値Q2を超えた場合はステップ#103に移行する。検出値が閾値Q2を超えていない場合はステップ#104に移行する。
【0085】
ステップ#103では検出値が閾値Q2を超えたことに係る情報が報知部である操作部4を用いて報知される。例えば、表示部4wに、ローラの清掃に係る指示、メッセージが表示される。また例えば、光源の点灯や音声等を利用して報知しても良い。
【0086】
ステップ#104ではサンプリング期間が終了したか否かが判定される。サンプリング期間が終了していない場合はステップ#101に戻り、従動ローラ62の変位の検出が繰り返される。サンプリング期間が終了した場合は用紙厚さ検知処理が終了される(図9のエンド)。
【0087】
この構成によれば、ユーザー自身に対して、適宜ローラの清掃に係るメンテナンスを促すことで、用紙厚さの検知精度を高精度に維持することが可能になる。
【0088】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態の用紙厚さ検知装置について、図10を用いて説明する。図10は用紙厚さ検知装置の駆動ローラの回転に係る振動波形と従動ローラの回転に係る振動波形とを重畳したグラフである。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ名称、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0089】
従動ローラ62は駆動ローラ61に接触し、駆動ローラ61の回転に従って回転するので、スリップが発生し易いことが分かっている。そして、このスリップに起因して、従動ローラ62の表面において異物の付着と剥離が繰り返されると考えられる。これにより、用紙がニップ部63Nに進入する前、用紙がニップ部63Nを通過中、用紙がニップ部63Nから通過した後の各々において、従動ローラ62の表面状態が異なることが推測される。
【0090】
このため、第4実施形態の用紙厚さ検知装置60は、図10に示すように用紙の搬送方向下流端がニップ部63Nに進入する前の所定期間と、用紙のニップ部63Nの通過期間の前半の期間とにおける従動ローラ62の変位の検出値を用いて用紙の厚さを算出する。用紙の搬送方向下流端がニップ部63Nに進入する前後において、互いの従動ローラ62の表面状態は近い。したがって、用紙の厚さを算出するにあたって、用紙のニップ部63Nの通過期間の前半の期間の従動ローラ62の変位の検出値から、用紙の搬送方向下流端がニップ部63Nに進入する前の従動ローラ62の変位の検出値を差し引くことが好ましい。
【0091】
さらに、用紙厚さ検知装置60は用紙の搬送方向下流端がニップ部63Nに進入したときから所定期間T2の従動ローラ62の変位の検出値を除外した検出値を用いて用紙の厚さを算出する。用紙がニップ部63Nに進入した直後は、その進入に係る衝撃の影響が従動ローラ62の変位に及ぶ虞があるので、所定期間T2の従動ローラ62の変位の検出値は除外することが好ましい。
【0092】
なお、図10では、従動ローラ62の表面への異物の付着が振動波形の矢印Aの箇所において表れ、従動ローラ62の表面からの異物の剥離が振動波形の矢印Cの箇所において表れている。
【0093】
また、用紙厚さ検知装置60は、図10に示すように用紙の搬送方向上流端がニップ部63Nから通過した後の所定期間と、用紙のニップ部63Nの通過期間の後半の期間とにおける従動ローラ62の変位の検出値を用いて用紙の厚さを算出する。用紙の搬送方向上流端がニップ部63Nから通過する前後において、互いの従動ローラ62の表面状態は近い。したがって、用紙の厚さを算出するにあたって、用紙のニップ部63Nの通過期間の後半の期間の従動ローラ62の変位の検出値から、用紙の搬送方向上流端がニップ部63Nから通過した後の従動ローラ62の変位の検出値を差し引くことが好ましい。
【0094】
さらに、用紙厚さ検知装置60は用紙の搬送方向上流端がニップ部63Nから通過したときから所定期間T3の従動ローラ62の変位の検出値を除外した検出値を用いて用紙の厚さを算出する。用紙がニップ部63Nから通過した直後は、その通過に係る衝撃の影響が従動ローラ62の変位に及ぶ虞があるので、所定期間T3の従動ローラ62の変位の検出値は除外することが好ましい。
【0095】
この構成によれば、用紙の搬送方向下流端がニップ部63Nに進入する前後、または用紙の搬送方向上流端がニップ部63Nから通過する前後の各々において従動ローラ62の表面状態を考慮することで、用紙の厚さを精度良く検知することが可能になる。
【0096】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0097】
例えば、上記実施形態の用紙厚さ検知装置60は原稿搬送装置40への搭載に限定されるわけではない。用紙厚さ検知装置60を画像形成装置1の本体に搭載し、印刷に使用する用紙Pの厚さを検出するために利用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は用紙厚さ検知装置及び画像形成装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置
4 操作部(報知部)
40 原稿搬送装置
60 用紙厚さ検知装置
61 駆動ローラ
62 従動ローラ
63 ローラ対
64 モーター
65 付勢部材
66 変位検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10