(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のテープを被着体に貼り付けることが可能な第1押圧部と、第2のテープを、前記被着体に貼り付けられた前記第1のテープ表面に貼り付けることが可能な第2押圧部とを有する重ね貼り装置であって、
前記重ね貼り装置を、前記被着体表面に沿って移動させた際に、前記第1のテープ上に重ね合うように前記第2のテープが貼り付けられるように、前記第1押圧部および前記第2押圧部が配置されていることを特徴とする重ね貼り装置。
前記第1のテープおよび前記第2のテープが貼り付けられる方向に力を加えることで、前記第1押圧部および前記第2押圧部により前記第1のテープおよび前記第2のテープが貼り付けられ、前記第1のテープおよび前記第2のテープの重ね貼りができるような位置に配置された取手部を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の重ね貼り装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、2つのテープを重ね貼りする場合に用いる重ね貼り装置に関する。ここで、2つのテープを重ね貼りする場合、
図11(a)に示すように、第1のテープ1aと第2のテープ1bとが、平面視上重なるように貼り合せることが求められる。特に、第1のテープと第2のテープとが接触することで接着性が発現する場合には、第1のテープと第2のテープとが重なる領域がより広くなるように貼り合せることが求められる。仮に、
図11(b)に示すように、第1のテープ1aと第2のテープ1bとが平面視上一部のみ重なると、
図11(a)に示すように両テープが重ね貼りされた領域R
aに比べて、
図11(b)に示すように両テープが重ね貼りされた領域R
bが狭まってしまい、より広い領域において所定の接着性を発現することが困難になるという問題がある。
【0022】
また、第1のテープと第2のテープとの見分けが付きにくい場合には、両テープのうち、先に配置したテープがいずれのテープであり、次にいずれのテープを重ね貼りすべきかが分からなくなってしまうといった問題がある。
【0023】
これに対し、本発明においては、第1のテープおよび第2のテープを重ね貼りするための重ね貼り装置が、第1のテープを貼り付ける第1押圧部と、上記第1のテープに重ね合うように第2のテープを貼り付ける第2押圧部と、を備えることにより、上述のような問題を解消することができ、2つのテープの重ね貼りを効率良く行うことが可能である。
【0024】
以下、本発明の重ね貼り装置について説明する。
【0025】
A.重ね貼り装置
本発明の重ね貼り装置は、第1のテープを被着体に貼り付けることが可能な第1押圧部と、第2のテープを、上記被着体に貼り付けられた上記第1のテープ表面に貼り付けることが可能な第2押圧部とを有する装置であって、上記重ね貼り装置を、上記被着体表面に沿って移動させた際に、上記第1のテープ上に重ね合うように上記第2のテープが貼り付けられるように、上記第1押圧部および上記第2押圧部が配置されていることを特徴とする装置である。
【0026】
本発明の重ね貼り装置について、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の重ね貼り装置の一例を示す概略図である。本発明の重ね貼り装置10は、
図1に示すように、第1のテープを貼り付ける第1押圧部2aと、上記第1のテープに重ね合うように第2のテープを貼り付ける第2押圧部2bと、を備える。なお、
図1に示す重ね貼り装置10は、第1押圧部2a、第2押圧部2bの他にも、巻回された第1のテープを保持する第1取り付け部4a、および巻回された第2のテープを保持する第2取り付け部4bを有し、さらに、第1のテープの一方の面に設けられた第1のセパレータを巻き取る第1巻き取り部3a、および第2のテープの一方の面に設けられた第2のセパレータを巻き取る第2巻き取り部3bを有する例である。さらにまた、
図1に示す重ね貼り装置10は、第1押圧部2a、第1取り付け部4aおよび第1巻き取り部3a等を支持するための第1枠部20a、ならびに、第2押圧部2b、第2取り付け部4bおよび第2巻き取り部3b等を支持するための第2枠部20bを有し、また、第1取り付け部4aと第1巻き取り部3aとを同期させるための歯車である第1補助部7a、第2取り付け部4bと第2巻き取り部3bとを同期させるための歯車である第2補助部7b、第1枠部20aおよび第2枠部20bを連結するための連結部30を有する例である。
【0027】
図2は、上述した
図1に示す重ね貼り装置の観察面を第1面としたとき、当該第1面の裏面となる第2面から観察した重ね貼り装置の概略図である。本発明の重ね貼り装置では、
図2に示す第2面側にロール状に巻回された第1のテープおよび第2のテープをそれぞれ第1取り付け部4aおよび第2取り付け部4bにより保持させ、このように保持された第1のテープおよび第2のテープを用いて、次のようにして貼り付けを行う。本発明の重ね貼り装置10では、
図2の実線矢印に示すように第1のテープおよび第2のテープは、第1取り付け部4aおよび第2取り付け部4bから、第1押圧部2aおよび第2押圧部2bへとそれぞれ送られ、第1押圧部2aおよび第2押圧部2bにより被着面に貼り付けられる。その後、
図2の点線矢印に示すように、第1のセパレータおよび第2のセパレータは、
図1巻き取り部3aおよび第2巻き取り部3bにより巻き取られて回収される。
【0028】
図1、
図2では、第1押圧部2a上に第1巻き取り部3aが配置され、第1巻き取り部3a上に第1取り付け部4aが配置されており、また、第2押圧部2b上に第2巻き取り部3bが配置され、第2巻き取り部3b上に第2取り付け部4bが配置された例を示している。本発明では、第1巻き取り部3aおよび第1取り付け部4a、第2巻き取り部3bおよび第2取り付け部4bの位置は特に限定されず、各構成が所定の機能を発揮することができれば良い。そのため、例えば、
図3に示すように、第1押圧部2a上に第1取り付け部4aが配置され、第1取り付け部4a上に第1巻き取り部3aが配置されていても良く、第2押圧部2b上に第2取り付け部4bが配置され、第2取り付け部4b上に第2巻き取り部3bが配置されていても良い。なお、
図3において説明していない符号については、
図1、2と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
【0029】
図4は、本発明の重ね貼り装置を用いた第1のテープおよび第2のテープの重ね貼りを説明するための説明図である。本発明においては、
図4に示すように、第1のテープ1aを第1押圧部2aにより貼り付け、その後、第1押圧部2aにより貼り付けられた第1のテープ1a上に、第2押圧部2bにより第2のテープ1bを貼り付けることができる。なお、
図4は、第1のテープ1aが、一方の面に第1のセパレータ1a”を有し、第1押圧部2aにより第1のテープ1aが貼り付けられた後に、第1のセパレータ1a”が回収され、第2のテープ1bも同様に、一方の面に第2のセパレータ1b”を有し、第2押圧部2bにより第2のテープ1bが貼り付けられた後に、第2のセパレータ1b”が回収される例を示している。
【0030】
本発明の重ね貼り装置は、第1のテープを貼り付ける第1押圧部と、上記第1のテープに重ね合うように第2のテープを貼り付ける第2押圧部と、を備えることにより、2つのテープの重ね貼りを効率良く行うことが可能である。
以下、本発明の重ね貼り装置について説明する。
【0031】
1.第1押圧部
本発明における第1押圧部は、第1のテープを被着体に貼り付けることが可能な部材である。
【0032】
本発明における第1押圧部は、巻き出された第1のテープを被着体へ貼り付ける部材である。そのため、第1押圧部は、第1のテープが被着体へ充分に接着する程度に押圧する部材であることが好ましい。ここで、第1のテープが被着体へ充分に接着する程度とは、例えば、第1のテープと被着体との間に空気等が入り込まず、かつ第1のテープが切断されない程度をいい、第1のテープの種類や被着体に応じて適宜調整されるため、具体的な圧力等では定義されない。
【0033】
本発明における第1押圧部は、第1のテープを貼り付けることが可能な形状を有し、その形状としては、例えば、ロール状やヘラ状等が挙げられる。本発明においては、中でも
図1、2に示すようにロール状であることが好ましい。第1押圧部がロール状である場合、第1押圧部の回転により、第1のテープが被着体へと貼り付けられる。なお、第1押圧部は、通常、他の部材と連動していないため、第1押圧部の回転は、他の部材等により制御されておらず、単独で動作する。
【0034】
本発明における第1押圧部がロール状である場合、第1押圧部と第1のテープとの接触面では、所定の摩擦が生じることが好ましい。ここで、第1押圧部と第1のテープとの接触面とは、例えば、
図4の点線で囲った領域R
mを指し、第1のテープ1aが第1のセパレータ1a”と第1の接着層1a’とを有する場合には、第1押圧部2aと第1のセパレータ1a”との接触面を指す。本発明においては、第1押圧部と第1のセパレータとの接触面で所定の摩擦が生じることにより、第1の接着層から第1のセパレータが剥離しやすくなるといった効果を奏する。
【0035】
第1押圧部と第1のセパレータとの接触面で摩擦を発生させる方法としては、例えば、第1押圧部の表面、すなわち第1押圧部の第1のセパレータと接触する面に、所定の材料を用いる方法が挙げられる。第1押圧部の表面に用いられる材料としては、例えば、コーティングダイヤモンド、コーティングCBN(立方晶窒化ホウ素)等の無機材料が好適である。また、第1押圧部の表面に用いられるその他の材料としては、例えば、樹脂材料に粒子を分散させて埋め込んだ材料が挙げられる。樹脂材料には、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンゴム、プロピレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、ハイパロンゴム、弗素ゴム等を用いることができる。また、粒子には、例えば、銅、ニッケル、銀、チタン、白色アルミナ質、解砕型アルミナ質、淡紅色アルミナ質、緑色炭化ケイ素、黒色炭化ケイ素等を用いることができる。
【0036】
第1押圧部の大きさについては、用いられる第1のテープの幅等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。本発明における第1押圧部は、第1のテープが、第1押圧部により被着体へ良好に貼り付けられる程度の大きさであることが好ましい。
【0037】
2.第2押圧部
本発明における第2押圧部は、第2のテープを、上記被着体に貼り付けられた上記第1のテープ表面に貼り付けることが可能な部材である。
【0038】
本発明における第2押圧部は、巻き出された第2のテープを、上述した第1のテープに重ね合うように貼り付ける部材である。そのため、第2押圧部は、第2のテープが第1のテープ上に充分に接着する程度に押圧する部材であることが好ましい。ここで、第2のテープが第1のテープ上に充分に接着する程度とは、例えば、第1のテープと第2のテープとの間に空気等が入り込まず、かつ第2のテープが切断されない程度をいい、第2のテープの種類や第1のテープの種類に応じて適宜調整されるため、具体的な圧力等では定義されない。
【0039】
本発明における第2押圧部は、第2のテープを貼り付けることが可能な形状を有し、その形状としては、例えば、ロール状やヘラ状等が挙げられる。本発明においては、中でも
図1〜
図4に示すようにロール状であることが好ましい。第2押圧部がロール状である場合、第2押圧部の回転により、第2のテープが被着体へと貼り付けられる。なお、第2押圧部は、他の部材に連動していないため、第2押圧部の回転は、他の部材等により制御されておらず、単独で動作する。
【0040】
本発明においては、第2押圧部により、第2のテープが、第1のテープと重なり合うように貼り付けられる。そのため、第2押圧部は、重ね貼り装置を、被着体表面に沿って移動させた際に、第1押圧部により貼り付けられた第1のテープ上に、第2のテープが重ね合わさるように配置されていることが好ましい。ここで、重ね合わさるとは、本発明の重ね貼り装置を被着体表面に沿って移動させ、第1のテープと第2のテープとの貼り付けを行った際に、第2のテープが、第1のテープの一部の領域で重なっていることや、あるいは第1のテープの全ての領域を覆うように重なっていること等を指す。本発明においては、後者であることが好ましい。第1のテープにおいて、より広い領域で第2のテープと重ね合わせることができるからである。第1のテープおよび第2のテープの重なり合いは、例えば、
図4のY方向から観察することで確認することができる。
【0041】
なお、重ね貼り装置を、被着体表面に沿って移動させた際に、第1押圧部により貼り付けられた第1のテープ上に、第2のテープが重ね合わさるように配置されているとは、換言すると、重ね貼り装置を、被着体表面に沿って移動させた際に、第1押圧部により第1のテープが貼り付けられる方向と、第2押圧部により第2のテープが貼り付けられる方向とが同じであり、第1押圧部および第2押圧部が、第1のテープおよび第2のテープが貼り付けられる方向に沿って配置されることを指す。
【0042】
ここで、第1のテープおよび第2のテープが貼り付けられる方向に沿って配置されるとは、例えば、
図4に示す第1押圧部2aおよび第2押圧部2bを、Y方向から観察した際に、
図5に示すように、第1押圧部2aおよび第2押圧部2bが、矢印で示す進行方向に沿って配置されることを指す。なお、
図5では、第1押圧部2aの幅W
2aと、第2押圧部2bの幅W
2bとが同じであり、第1押圧部2aと第2押圧部2bとが、進行方向に沿って全て重なるように配置された例である。
【0043】
第2押圧部にその他の説明については、上述した「1.第1押圧部」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
【0044】
3.第1取り付け部および第2取り付け部
本発明においては、巻回された上記第1のテープを保持し、上記第1押圧部に上記第1のテープを巻き出すことが可能な第1取り付け部と、巻回された上記第2のテープを保持し、上記第2押圧部に上記第2のテープを巻き出すことが可能な第2取り付け部とを有することが好ましい。
【0045】
第1取り付け部および第2取り付け部は、いずれも第1のテープまたは第2のテープを保持することができる部材であり、さらに、第1取り付け部は、第1のテープを第1押圧部へと巻き出すことができ、第2取り付け部は、第2のテープを第2押圧部へと巻き出すことができる。
【0046】
本発明における第1取り付け部および第2取り付け部は、例えば、
図1に示す第1取り付け部4a、第2取り付け部4bのように、ロール状であることが好ましい。第1のテープおよび第2のテープの巻き出しを良好に行うことができるからである。
【0047】
第1取り付け部および第2取り付け部がロール状である場合、第1取り付け部および第2取り付け部は、
図1に示すように、歯車を有することが好ましい。本発明の重ね貼り装置が、第1のセパレータを巻き取る第1巻き取り部、および第2のセパレータを巻き取る第2巻き取り部を有し、かつ、第1巻き取り部および第2巻き取り部が歯車を有する場合であって、第1取り付け部の歯車が第1巻き取り部の歯車を連れ回し、また第2取り付け部の歯車が第2巻き取り部の歯車を連れ回す場合に、次のような理由から、第1のテープの貼り付けおよび第2のテープの貼り付けを良好に行うことが可能となる。すなわち、第1取り付け部における歯車と軸心が同一となるように、ロール状に巻回された第1のテープを第1取り付け部に保持させ、また、第2取り付け部における歯車と軸心が同一となるように、ロール状に巻回された第2のテープを第2取り付け部に保持させることで、第1取り付け部および第2取り付け部からの第1のテープおよび第2のテープの巻き出しと、第1巻き取り部および第2巻き取り部による第1のセパレータおよび第2のセパレータの巻き取りとを、連動して行うことが可能できる。このような理由から、第1のテープの貼り付けおよび第2のテープの貼り付けを良好に行うことが可能となる。なお、ここでの第1のセパレータおよび第2のセパレータの巻き取りは、第1巻き取り部の歯車と軸心が同一となるように保持されたロール、および第2巻き取り部の歯車と軸心が同一となるように保持されたロールによって行うことができる。
【0048】
第1取り付け部および第2取り付け部がロール状であり、上述のように第1取り付け部および第2取り付け部が歯車を有する場合であって、第1取り付け部における歯車と軸心が同一となるように、ロール状に巻回された第1のテープを第1取り付け部に保持させ、また、第2取り付け部における歯車と軸心が同一となるように、ロール状に巻回された第2のテープを第2取り付け部に保持させる場合、第1取り付け部および第2取り付け部が有する歯車の大きさ、具体的には、第1取り付け部および第2取り付け部が有する歯車の半径は、第1のテープおよび第2のテープの巻き出し量に応じて適宜調整することができる。例えば、本発明の重ね貼り装置が、第1巻き取り部および第2巻き取り部を有する場合、第1のテープおよび第2のテープの巻き出し量と、第1のセパレータおよび第2のセパレータの巻き取り量は、常に一定となることが好ましい。そのため、本発明の重ね貼り装置が、第1巻き取り部および第2巻き取り部を有する場合には、第1取り付け部および第2取り付け部の半径は、第1巻き取り部が有する歯車および第2巻き取り部が有する歯車の半径に応じて適宜調整することが好ましい。第1取り付け部が有する歯車の半径および第2取り付け部が有する歯車の半径よりも、第1巻き取り部が有する歯車の半径および第2巻き取り部が有する歯車の半径が大きいと、第1のテープおよび第2のテープの貼り付けは軽くなり、重ね貼り装置の動作を軽くすることができる。
【0049】
4.第1巻き取り部および第2巻き取り部
本発明においては、上記第1押圧部により上記被着体に貼り付けられた上記第1のテープから、上記第1のセパレータを巻き取ることが可能な第1巻き取り部と、上記第2押圧部により上記第1のテープ表面に貼り付けられた上記第2のテープから、上記第2のセパレータを巻き取ることが可能な第2巻き取り部とを有することが好ましい。
【0050】
本発明における第1巻き取り部および第2巻き取り部は、例えば、
図1に示す第1巻き取り部3a、第2巻き取り部3bのように歯車を有し、当該歯車と軸心が同一となるようにロールが保持されていることが好ましい。第1取り付け部および第2取り付け部と同期させることができるため、第1のテープおよび第2のテープの巻き出しと、第1のセパレータおよび第2のセパレータの巻き取りを連動させ、第1のテープおよび第2のテープの重ね貼りを良好に行うことができるからである。
【0051】
第1巻き取り部および第2巻き取り部が歯車を有し、当該歯車と軸心が同一となるようにロールが保持されている場合、第1巻き取り部および第2巻き取り部が有する歯車の大きさ、具体的には、第1巻き取り部および第2巻き取り部が有する歯車の半径は、歯車と軸心が同一となるように保持されたロールによって巻き取られる第1のセパレータおよび第2のセパレータの巻き取り量に応じて適宜調整することができる。例えば、本発明の重ね貼り装置は、第1のテープおよび第2のテープの巻き出し量と、第1のセパレータおよび第2のセパレータの巻き取り量は、常に一定となることが好ましい。そのため、本発明の重ね貼り装置における第1巻き取り部および第2巻き取り部が有する歯車の半径は、第1取り付け部および第2取り付け部が有する歯車の半径に応じて適宜調整することが好ましい。第1取り付け部および第2取り付け部が有する歯車の半径よりも、第1巻き取り部および第2巻き取り部が有する歯車の半径が大きいと、第1のテープおよび第2のテープの貼り付けは軽くなり、重ね貼り装置の動作を軽くすることができる。
【0052】
5.取手部
本発明においては、第1のテープおよび第2のテープが貼り付けられる方向に力を加えることで、第1押圧部および第2押圧部により第1のテープおよび第2のテープが貼り付けられ、第1のテープおよび第2のテープの重ね貼りができるような位置に配置された取手部を有することが好ましい。
【0053】
重ね貼り装置が取手部を有することにより、手動で重ね貼り装置を用いることができる。したがって、第1のテープおよび第2のテープを、例えば、床面や、床面に対して垂直面となる壁面や、床面に対向する天井面等、様々な被着面に用いることができ、従来の卓上の装置に比べて自由度が向上する。
【0054】
本発明においては、例えば、
図1に示す取手部領域R
5に、
図6に示す取手部5を備えることが好ましい。なお、
図7は、取手部5を有する重ね貼り装置の実際の写真であり、
図8は、取手部5を有する重ね貼り装置を実際に使用したときの写真である。
図8では、矢印方向に重ね貼り装置を動かし、第1のテープおよび第2のテープを貼り付けている。
【0055】
本発明における取手部は、例えば、
図9(a)、(b)に示すように、持手部51を有していても良い。
図9(a)に示すように、取手部5に、持手部51が備わっている場合には、持手部51を手で握り、重ね貼り装置を動かすことができる。また、
図9(b)に示すように、取手部5に、持手部51が備わっている場合には、取手部5を握った手が外れないように、ストッパーとしての機能を発揮することができる。なお、取手部に設けられる持手部は、必要に応じて様々な角度や長さ、形状で設けることができ、特に限定されない。
【0056】
本発明においては、例えば、
図10に示すように、取手部領域から、被着面に対し斜め垂直方向に取手部5を設けても良い。この場合、取手部5の長さを長くし、かつ取手部5の先端に持手部51を設けることにより、重ね貼り装置を使用する使用者が、持手部51を手で握り、立った状態で重ね貼り装置を動かすことができる。したがって、使用者が楽な姿勢で作業することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
【0057】
取手部に用いられる材料は、取手部により重ね貼り装置を動かすことができる程度の強度を有する材料であることが好ましい。例えば、木材、革材、骨材、樹脂材、ゴム材等が挙げられる。また、取手部は、強度を増すために補強材料を含んでいても良い。補強材料としては、例えば、樹脂材、鋼材等が挙げられる。
【0058】
取手部の大きさや形状は、本発明の重ね貼り装置の使用方法に応じて適宜調整することができ、重ね貼り装置を動かすことができれば特に限定されない。
【0059】
また、取手部に備えられる持手部の材料については、上述した取手部の材料と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。さらに、持手部の大きさや形状についても、取手部と同様に、本発明の重ね貼り装置の使用方法に応じて適宜調整することができ、重ね貼り装置を動かすことができれば特に限定されない。
【0060】
6.第1切断部および第2切断部
本発明においては、第1のテープを貼り付けた後に、第1のテープ、具体的には第1の接着層を切断する第1切断部、および第2のテープを貼り付けた後に、第2のテープ、具体的には第2の接着層を切断する第2切断部を有することが好ましい。
【0061】
本発明においては、例えば、
図1に示すように、第1押圧部2aの後方に第1切断部6aを設けることができ、第2押圧部2bの後方に第2切断部6bを設けることができる。第1切断部6aおよび第2切断部6bを有することにより、第1のセパレータおよび第2のセパレータが巻き取られた後に、カッター等で、第1の接着層および第2の接着層のみを切断することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0062】
第1切断部および第2切断部は、第1の接着層および第2の接着層を切断することができる部材であれば良く、例えば、鋼材、ステンレス鋼材、粉末鋼、クラッド材、セラミック、チタン等が挙げられる。第1切断部および第2切断部の形状としては、例えば、段付き形状、ハマグリ形状、本刃付け形状、片刃形状等が挙げられる。
【0063】
本発明において、第1切断部および第2切断部により、第1の接着層および第2の接着層を切断する方法としては、例えば、押し切り方式や引き切り方式が挙げられる。具体例としては、例えば、市販のセロハンテープのカッターのように、材料として鋼材を用いた第1切断部および第2切断部を段付き形状とし、段付き形状とした刃物を、山谷が交互になるように配置し、第1の接着層および第2の接着層に押し当てることで、山部分から引き切り、切断する方法が挙げられる。
【0064】
7.第1のテープおよび第2のテープ
本発明における第1のテープおよび第2のテープは、上述した第1押圧部および第2押圧部により被着体に重ね貼りされる部材である。
【0065】
本発明においては、第1のテープは、第1のテープの一方の面に設けられた第1のセパレータを有することが好ましい。また、第2のテープは、第2のテープの一方の面に設けられた第2のセパレータを有することが好ましい。このとき、第1のテープは、第1の接着層であり、第2のテープは第2の接着層である。そのため、本発明においては、第1の接着層と、第1の接着層の一方の面に設けられた第1のセパレータとの積層体、および第2の接着層と、第2の接着層の一方の面に設けられた第2のセパレータとの積層体を用いることができる。
以下、第1の接着層および第2の接着層、ならびに第1のセパレータおよび第2のセパレータに分けて説明する。
【0066】
(1)第1の接着層および第2の接着層
本発明における第1の接着層および第2の接着層は、それぞれ同一の材料であっても良く、異なる材料であっても良い。本発明においては、第1の接着層と第2の接着層とが互いに異なる材料であり、かつ第1の接着層と第2の接着層とが互いに接触することにより硬化する材料であることが好ましい。具体的には、第1の接着層および第2の接着層のうち、一方を、硬化性成分を含有する接着層、すなわち硬化性成分含有層とし、他方を、反応付与成分を含有する接着層、すなわち反応付与成分含有層とすることが好ましい。本発明の重ね貼り装置を用いることによる効果を、より顕著なものとすることができるからである。
【0067】
ここで、反応付与成分とは、硬化性成分と直接反応する成分や、硬化性成分の硬化反応を誘発させる、若しくは促進させる成分を指す。硬化性成分を含有する接着層、および反応付与成分を含有する接着層は、接触により硬化反応が開始し、それぞれの成分が相互に拡散するにつれて硬化反応が進むことにより、実質的に均一に硬化することとなる。
【0068】
第1の接着層および第2の接着層は、硬化性成分を含有する硬化性成分含有層であっても良く、反応付与成分を含有する反応付与成分含有層であっても良い。第1の接着層が硬化性成分含有層である場合には、第2の接着層が反応付与成分含有層であることが好ましく、一方、第1の接着層が反応付与成分含有層である場合には、第2の接着層が硬化性成分含有層であることが好ましい。
【0069】
硬化性成分含有層に含有される硬化性成分、および反応付与成分含有層に含有される反応付与成分は、互いに接触することで硬化するという機能を発揮することができる成分であることが好ましい。例えば、硬化性成分として硬化性樹脂を用いる場合には、反応付与成分として硬化剤を用いることが好ましく、また、硬化性成分として硬化性樹脂および潜在性硬化剤を用いる場合には、反応付与成分として触媒や還元剤を用いることが好ましく、さらに、硬化性成分として硬化性無機材料を用いる場合には、反応付与成分として水分や触媒を用いることが好ましく、さらにまた、硬化性成分として硬化性樹脂およびph反応付与成分を用いる場合には、反応付与成分として酸あるいはアルカリ成分を用いることが好ましい。
【0070】
第1の接着層および第2の接着層のうち、例えば、一方の接着層に硬化性成分が含まれるが、他方の接着層にも硬化性成分が含まれていても良い。このような例としては、例えば、第1の接着層が硬化性成分含有層であり、上記第1の接着層は、硬化性樹脂であるアクリルモノマーと重合開始剤とを硬化性成分として含み、第2の接着層が反応付与成分含有層であり、上記第2の接着層は、還元剤を反応付与成分として含み、さらに、硬化性樹脂であるアクリルモノマーを硬化性成分として含んでいても良い。上記の場合、第1の接着層および第2の接着層が接触することで、還元剤と重合開始剤とが反応してラジカル発生することにより硬化反応が進む。このとき、第1の接着層および第2の接着層に含まれる硬化性樹脂は同じであっても良く、異なっても良い。第1の接着層および第2の接着層の両方が硬化性成分を含む場合、反応付与成分を主成分とする接着層が、反応付与成分含有層となる。
【0071】
第1の接着層および第2の接着層は、一方が硬化性成分を含有し、他方が反応付与成分を含有し、硬化性成分を含有する接着層が、少なくとも硬化性成分に対して相溶する第1の相溶性ポリマー成分をさらに含み、反応性成分を含有する接着層が、少なくとも反応性成分に対して相溶する第2の相溶性ポリマー成分をさらに含んでいても良い。中でも、硬化性成分がエポキシ樹脂を含み、反応付与成分がイミダゾール化合物を含む組合せが好ましく、第1の相溶性ポリマー成分および第2の相溶性ポリマー成分が、アクリルポリマーを含む同一の成分であることがより好ましい。
【0072】
(2)第1のセパレータおよび第2のセパレータ
第1のセパレータおよび第2のセパレータは、第1の接着層および第2の接着層から剥離可能であれば特に限定されず、第1の接着層および第2の接着層を保護することが可能な程度の強度を有することが好ましい。
【0073】
第1のセパレータおよび第2のセパレータとしては、例えば、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを用いることができる。具体的には、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム、フッ素フィルムなどが挙げられる。
【0074】
第1のセパレータおよび第2のセパレータは、通常、第1押圧部および第2押圧部により第1のテープおよび第2のテープが貼り付けられた後、
図1の符号3a、3bで示すような第1巻き取り部および第2巻き取り部により回収されるため、巻き取りが可能な程度の柔軟性を有することが好ましい。このような第1のセパレータおよび第2のセパレータとしては、例えばポリエチレンフィルム等が好適である。
【0075】
また、第1のセパレータおよび第2のセパレータは、第1の接着層および第2の接着層に含まれる材料や施工環境に応じて、遮光性を有していても良い。第1押圧部により第1のテープを貼り付けるまでの間、および第2押圧部により第2のテープを貼り付けるまでの間に、第1の接着層および第2の接着層への紫外線等の照射を抑制し、第1の接着層および第2の接着層を充分に保護することができる。遮光性を有する第1のセパレータおよび第2のセパレータとしては、例えば、アルミ箔セパレータ、アルミ蒸着フィルムや紙セパレータ、着色セパレータ、紫外線吸収剤入りのフィルムセパレータ等が挙げられる。
【0076】
第1のセパレータおよび第2のセパレータは、第1の接着層および第2の接着層と接する面に易剥離処理が施されていることが好ましい。
【0077】
(3)製造方法
第1のテープおよび第2のテープの製造方法について説明する。なお、ここでは、第1のテープの一方の面に第1のセパレータを有し、第2のテープの一方の面に第2のセパレータを有する例について説明する。
【0078】
第1のテープおよび第2のテープは、例えば2液分別塗布型接着剤の2種類の薬液、すなわち、硬化性成分を含む接着剤組成物および反応性成分を含む接着剤組成物を、それぞれ第1のセパレータおよび第2のセパレータの一方の面に塗布し、乾燥することで形成することができる。上記接着剤組成物は必要に応じて溶剤を含むことができる。
【0079】
接着剤組成物の塗布方法は特に限定されず、公知の印刷法やコーティング法を用いることができる。また、塗布層の乾燥条件は、塗布層中に含まれている溶剤を十分揮発させることができる程度の条件で行うことが好ましく、組成に応じて適宜設定することができる。
【0080】
8.その他の部材
本発明の重ね貼り装置は、上述した部材以外にも、必要に応じてその他の部材を有していても良い。その他の部材としては、例えば、
図1に示すように、第1押圧部2a、第1取り付け部4aおよび第1巻き取り部3a等を支持するための第1枠部20aや、第2押圧部2b、第2取り付け部4bおよび第2巻き取り部3b等を支持するための第2枠部20bが挙げられる。また、第1取り付け部4aと第1巻き取り部3aとの間の距離を設けるための第1補助部7aや、第2取り付け部4bと第2巻き取り部3bとの間の距離を設けるための第2補助部7bが挙げられる。さらに、第1枠部20aおよび第2枠部20bを連結するための連結部30が挙げられる。
【0081】
第1枠部は、第1押圧部、第1取り付け部および第1巻き取り部等の各部材を支持する部材である。また、第2枠部は、第2押圧部、第2取り付け部および第2巻き取り部等の各部材を支持する部材である。そのため、第1枠部および第2枠部の材料は、上述した各部材を支持することができる材料であれば特に限定されず、所定の強度を有する材料であることが好ましい。
【0082】
第1補助部は、第1取り付け部と第1巻き取り部との間の距離を設けるための部材である。また、第2補助部は、第2取り付け部と第2巻き取り部との間の距離を設けるための部材である。第1補助部および第2補助部の形状としては、例えば、ロール状が挙げられ、
図1に示すように、第1補助部7aおよび第2補助部7bは、複数個設けることもできる。
図1に示す例では、第1補助部7aおよび第2補助部7bは、歯車のように周囲に歯形を有し、第1補助部7aは、第1取り付け部4aおよび第1巻き取り部3aを連れ回し、第2補助部7bは、第2取り付け部4bおよび第2巻き取り部3bを連れ回している。
【0083】
連結部は、第1枠部および第2枠部を連結する部材である。また、重ね貼り装置が取手部を有する場合には、連結部に取手部を設置することができる。ここで、
図1に示すように、第1枠部20aと連結部30とを接合した点を接合点31aとすると、接合点31aは、第1押圧部2aの中心と、第1のテープの被着面に対して垂直線上に位置することが好ましい。同様に、第2枠部20bと連結部30とを接合した点を接合点31bとすると、接合点31bは、第2押圧部2bの中心と、第2のテ―プの被着面に対して垂直線上に位置することが好ましい。連結部に取手部を設けた際に、取手部から被着面に圧力を加えることで、第1押圧部および第2押圧部から被着面に所定の圧力を加えることができるからである。なお、このとき、第1押圧部および第2押圧部に均一に圧力を加えるために、連結部の中心に取手部を設けることが好ましい。
【0084】
本発明においては、第1押圧部2a、第1巻き取り部3aおよび第1取り付け部4aの中心が、一直線上となるように配置されることが好ましい。また、第2押圧部2b、第2巻き取り部3bおよび第2取り付け部4bの中心が、一直線上となるように配置されることが好ましい。このような配置とすることで、第1押圧部および第2押圧部に所定の圧力を加えることができ、第1テープおよび第2テープの貼り付けを良好に行うことができる。
【0085】
B.建材の貼り合せ方法
本発明の建材の貼り合せ方法は、被着体に建材を貼り合せる建材の貼り合せ方法であって、第1のテープを貼り付ける第1押圧部および上記第1のテープに重ね合うように第2のテープを貼り付ける第2押圧部とを備えた重ね貼り装置を用いて、上記被着体または上記建材の少なくとも一方の表面に、上記第1のテープおよび上記第2のテープを重ね合わせて配置し、上記第1のテープおよび上記第2のテープを介して上記被着体に上記建材を貼り合せる方法である。
【0086】
本発明における重ね貼り装置、第1のテープおよび第2のテープについては、上述した「A.重ね貼り装置」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
【0087】
本発明でいう被着体への建材の貼り合せとは、例えば、建築構造物における内壁への壁紙の貼り合せ、床へのフォローロングボード等の化粧床材の貼り合せ、外壁へのタイルの貼り合せ等、建築構造物における柱、梁、天井、壁、床等の躯体への別の建材の貼り合せ等を指し、特に限定されない。また、複合建材を作成するための2種類の異なる建材の貼り合せも含む。
【0088】
本発明においては、建材が床材であることが好ましい。本発明における重ね貼り装置は、取手部を設けることで、垂直面や斜面等、多様な貼り付け作業に対応することができるため、重ね貼り装置を用いることによる効果を顕著なものとすることができる。
【0089】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。