特許第6790788号(P6790788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790788
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20201116BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201116BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20201116BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   B41J29/38 204
   G03G21/00 370
   G03G15/08 330
   G03G15/08 322Z
   B41J29/42 F
【請求項の数】11
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-241724(P2016-241724)
(22)【出願日】2016年12月13日
(65)【公開番号】特開2018-94804(P2018-94804A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 玉清
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−190517(JP,A)
【文献】 特開2002−318508(JP,A)
【文献】 特開2011−150210(JP,A)
【文献】 特開2016−170255(JP,A)
【文献】 特開2014−119515(JP,A)
【文献】 特開2008−257074(JP,A)
【文献】 特開2004−148637(JP,A)
【文献】 特開2006−251067(JP,A)
【文献】 特開2015−072314(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0206037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38 −29/46
G03G 15/08
G03G 21/00
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗材を収容する消耗材ユニットを有し、前記消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成部と、
前記消耗材ユニットに収容される前記消耗材の残量を検知する消耗材残量検知部と、
前記消耗材ユニットが着脱されたことを検知する消耗材着脱検知部と、
記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶される第1閾値に達すると、前記消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶され前記第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、
前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットの着脱を検知し、前記消耗材残量検知部が検知する着脱後の前記消耗材の残量が着脱前の消耗材の残量より多い場合に、前記消耗材ユニットが交換されたと決定する第1消耗材交換決定処理と、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記第1消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、
を実行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
消耗材を収容する消耗材ユニットを有し、前記消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成部と、
前記消耗材ユニットに収容される前記消耗材の残量を検知する消耗材残量検知部と、
前記消耗材ユニットが着脱されたことを検知する消耗材着脱検知部と、
記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記消耗材ユニットには、記憶チップが取り付けられ、
前記制御部は、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶される第1閾値に達すると、前記消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶され前記第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、
前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットの着脱を検知し、前記消耗材ユニットの記憶チップが前記消耗材ユニットが新品であることを示す場合に、前記消耗材ユニットが交換されたと決定する第2消耗材交換決定処理と、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記第2消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、
を実行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
消耗材を収容する消耗材ユニットを有し、前記消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成部と、
前記消耗材ユニットに収容される前記消耗材の残量を検知する消耗材残量検知部と、
前記消耗材ユニットが着脱されたことを検知する消耗材着脱検知部と、
記憶部と、
制御部と、
を備え、
前記消耗材ユニットは、前記消耗材ユニットが新品である際に信号を出力し、
前記消耗材着脱検知部は、前記消耗材ユニットから出力される信号を受信可能であり、
前記制御部は、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶される第1閾値に達すると、前記消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶され前記第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、
前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットの着脱を検知し、前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットから出力される信号を受信した際に、前記消耗材ユニットが交換されたと決定する第3消耗材交換決定処理と、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記第3消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、
を実行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、表示部をさらに備え、
前記制御部は、
前記出力処理において、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値に達すると、前記第1情報を前記表示部に表示させ、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第2閾値に達すると、前記第2情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記閾値更新処理において、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であって、前記消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定する毎に、前記第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記閾値更新処理において、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定した回数が所定回数に達すると、前記第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記出力処理において、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値に達した時刻を前記記憶部に記憶させ、
前記閾値更新処理において、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定し、前記消耗材の残量が前記第1閾値に達した時刻から、前記消耗材ユニットが着脱されたことを前記消耗材着脱検知部が検知した時刻までの時間のうち、前記画像形成装置の電源がオンされている間の時間が所定時間よりも短かった回数が所定回数を超えると、前記第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記記憶部には、前記第1閾値未満かつ前記第2閾値以上の値に設定された第1閾終端値が記憶され、
前記制御部は、
前記閾値更新処理において、
前記第1閾値から一定値を減じた値が前記第1閾終端値以下である場合は、前記第1閾値を更新しない、
ことを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記憶部には、前記第1閾値未満かつ前記第2閾値以上の値に設定された第1閾終端値が記憶され、
前記制御部は、
前記閾値更新処理において、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、
前記第1閾値から前記第1閾終端値を減じた値を所定値で除した値に前記所定値から1を減じた値を乗じることにより得られた値に前記第1閾終端値を加えた値を、新たな第1閾値として更新する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶部には、初期第1閾値が記憶され、
前記制御部は、
前記閾値更新処理において、
前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第2閾値以下であるときに、前記消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記初期第1閾値を、新たな第1閾値として更新する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記記憶部は、不揮発性メモリを含み、
前記制御部は、
前記画像形成装置の電源をオフする指示に対応して、前記第1閾値を前記不揮発性メモリに記憶させる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インク又はトナーなどの消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、品質を保持した画像を形成できなくなるまで消耗材の残量が減少した状態であるエンプティ状態になると、画像形成ができなくなる。
【0003】
従って、従来の画像形成装置においては、消耗材の残量を検知し、検知した消耗材の残量が少なくなった状態であるニアエンプティ状態を示す第1閾値になると、消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す情報を表示部に表示して消耗材の準備を使用者に促し、検知した消耗材の残量が第1閾値よりも小さなエンプティ状態を示す第2閾値になると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す情報を表示部に表示するように構成したものがある。例えば、特許文献1に開示される画像形成装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−72316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、消耗材の残量がニアエンプティ状態となった場合、消耗材の残量は少なくはなっているが、まだ品質を保持した画像を形成することができるだけの量の消耗材が残存している。
しかし、画像形成装置を使用する使用者によっては、消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す情報が表示部に表示されると、消耗材が収容される消耗材ユニットが直ちに交換されてしまうことがある。このように、まだ画像形成ができる量の消耗材が残っている段階で消耗材ユニットが交換されてしまうと、消耗材に無駄が生じる。
【0006】
そこで、消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成装置においては、早期の消耗材ユニットの交換を抑制して、消耗材ユニットに収容される消耗材をできるだけ使い切ることができる画像形成装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
即ち、画像形成装置は、消耗材を収容する消耗材ユニットを有し、前記消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成部と、前記消耗材ユニットに収容される前記消耗材の残量を検知する消耗材残量検知部と、前記消耗材ユニットが着脱されたことを検知する消耗材着脱検知部と、記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶される第1閾値に達すると、前記消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶され前記第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットの着脱を検知し、前記消耗材残量検知部が検知する着脱後の前記消耗材の残量が着脱前の消耗材の残量より多い場合に、前記消耗材ユニットが交換されたと決定する第1消耗材交換決定処理と、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記第1消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、を実行する。
【0008】
また、画像形成装置は、消耗材を収容する消耗材ユニットを有し、前記消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成部と、前記消耗材ユニットに収容される前記消耗材の残量を検知する消耗材残量検知部と、前記消耗材ユニットが着脱されたことを検知する消耗材着脱検知部と、記憶部と、制御部と、を備え、前記消耗材ユニットには、記憶チップが取り付けられ、前記制御部は、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶される第1閾値に達すると、前記消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶され前記第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットの着脱を検知し、前記消耗材ユニットの記憶チップが前記消耗材ユニットが新品であることを示す場合に、前記消耗材ユニットが交換されたと決定する第2消耗材交換決定処理と、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記第2消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、を実行する。
【0009】
また、画像形成装置は、消耗材を収容する消耗材ユニットを有し、前記消耗材を用いてシートに画像を形成する画像形成部と、前記消耗材ユニットに収容される前記消耗材の残量を検知する消耗材残量検知部と、前記消耗材ユニットが着脱されたことを検知する消耗材着脱検知部と、記憶部と、制御部と、を備え、前記消耗材ユニットは、前記消耗材ユニットが新品である際に信号を出力し、前記消耗材着脱検知部は、前記消耗材ユニットから出力される信号を受信可能であり、前記制御部は、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶される第1閾値に達すると、前記消耗材の残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が、前記記憶部に記憶され前記第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、消耗材の残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットの着脱を検知し、前記消耗材着脱検知部が前記消耗材ユニットから出力される信号を受信した際に、前記消耗材ユニットが交換されたと決定する第3消耗材交換決定処理と、前記消耗材残量検知部が検知した前記消耗材の残量が前記第1閾値以下かつ前記第2閾値を超える量であるときに、前記第3消耗材交換決定処理によって前記消耗材ユニットが交換されたことを決定すると、前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザによる早期の消耗材ユニットの着脱を抑制して、消耗材ユニットに収容される消耗材をできるだけ使い切ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】画像形成装置を示す斜視図である。
図3】画像形成装置を示すブロック図である。
図4】トナー残量表示処理におけるメインフローの第1実施形態を示すフローチャートである。
図5】トナー残量表示工程を示すフローチャートである。
図6】閾値更新処理工程の第1実施形態示すフローチャートである。
図7】閾値更新処理工程の第2実施形態示すフローチャートである。
図8】閾値更新処理工程の第3実施形態示すフローチャートである。
図9】閾値更新処理工程の第4実施形態示すフローチャートである。
図10】電源オフ時処理を示すフローチャートである。
図11】トナー残量表示処理におけるメインフローの第2実施形態を示すフローチャートである。
図12】トナー残量表示処理におけるメインフローの第3実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0013】
[画像形成装置の全体構成]
図1図3に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、筐体2と、消耗材の一例であるトナーを用いてシートSに画像を形成する画像形成部5と、シートSを画像形成部5に供給する給紙部3と、画像形成部5を駆動するモータ11とを備えている。なお、画像形成装置1は、インク等の他の消耗材を用いて画像を形成する画像形成装置に構成することも可能である。
【0014】
以下の説明においては、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1における紙面手前側を画像形成装置1の右側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の左側と規定する。また、図1における上下方向を画像形成装置1の上下方向と規定する。
【0015】
筐体2は、略直方体形状に形成される箱体であり、給紙部3及び画像形成部5を収容している。筐体2の上面には、前側から後側へ向かって下り傾斜するように凹む排紙トレイ23が形成されている。
【0016】
給紙部3は、シートカセット31と、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34a、34bと、レジストローラ対35a、35bとを備えている。筐体2内には、シートカセット31から画像形成部5を経由して排紙トレイ23へ至る搬送経路Pが構成されている。
シートカセット31は、複数枚のシートSを積層状態で収容している。シートカセット31に収容されるシートSは、給紙ローラ32により分離ローラ33側へ繰り出されるとともに、分離ローラ33及び分離パッド33aにより一枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。
【0017】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34a、34bにより画像形成部5に向けて搬送される。搬送経路Pにおける搬送ローラ対34a、34bよりも下流側にはレジストローラ対35a、35bが配置されている。レジストローラ対35a、35bは、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5の転写位置に向けて搬送する。
【0018】
画像形成部5はシートカセット31の上方に配置されており、給紙部3から搬送されてきたシートSの表面に画像を転写するプロセスカートリッジ50と、プロセスカートリッジ50の感光体ドラム54の表面を露光する露光ユニット56と、プロセスカートリッジ50によりシートSに転写された画像を定着させる定着ユニット60とを備えている。
【0019】
プロセスカートリッジ50は、トナーカートリッジ51と、供給ローラ52と、現像ローラ53と、感光体ドラム54と、転写ローラ55等とを備えている。トナーカートリッジ51は消耗材ユニットの一例である。
【0020】
トナーカートリッジ51には現像剤となるトナーが収容されている。トナーカートリッジ51に収容されたトナーは、図示しない撹拌部材により撹拌されながら供給ローラ52に送られる。供給ローラ52は、トナーカートリッジ51から送られてくるトナーをさらに現像ローラ53へ供給する。トナーカートリッジ51は、筐体2に対して着脱可能に構成されており、トナーカートリッジ51を筐体2に対して着脱することで、トナーカートリッジ51の交換を行うことが可能となっている。
【0021】
露光ユニット56は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、レンズ、及び反射鏡等を備えており、画像形成装置1に入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム54へ向けて照射することにより、感光体ドラム54の表面を露光する。
【0022】
感光体ドラム54は、現像ローラ53に隣接して配置されている。感光体ドラム54の表面は、図示しない帯電器により一様に正帯電された後、露光ユニット56により露光される。感光体ドラム54の露光された部分は他の部分よりも電位が低くなり、感光体ドラム54に画像データに基づく静電潜像が形成される。
そして、静電潜像が形成された感光体ドラム54の表面に、正に帯電されたトナーが現像ローラ53から供給されることにより、静電潜像が顕像化されて現像剤像となる。
【0023】
転写ローラ55は、感光体ドラム54に対向配置され、図示しないバイアス印加手段により負の転写バイアスが印加される。転写ローラ55の表面に転写バイアスがされている状態で、現像剤像が形成された感光体ドラム54と転写ローラ55との間(転写位置)でシートSを挟持しなから搬送することにより、感光体ドラム54の表面に形成された現像剤像がシートSの表面に転写される。
【0024】
定着ユニット60は、加熱ローラ61と加圧ローラ62とを備えている。加熱ローラ61はモータ11からの駆動力により回転駆動され、加熱ローラ61は図示しない電源から電力を供給することで加熱される。加圧ローラ62は加熱ローラ61に対向配置されており、加熱ローラ61に密着して従動回転する。現像剤像が転写されたシートSが定着ユニット60に搬送されてくると、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間でシートSを挟持しながら搬送し、シートSに現像剤像を定着させる。
【0025】
排出ユニット7は排出ローラ対71、71を備えており、定着ユニット60から搬送されてくるシートSを筐体2の外部へ向けて排出する。具体的には、定着ユニット60から搬送されてくるシートSを、排出ローラ対71、71により排紙トレイ23に排出する。
【0026】
また、画像形成装置1は、制御部81、記憶部82、表示部83、及び操作部84を備えている。制御部81は画像形成装置1の各種動作を制御するものであり、演算手段であるCPU81aを有している。記憶部82は、制御部81に接続されており、ROM82a、RAM82b、及びNVRAM(不揮発性メモリ)82cを備えている。表示部83及び操作部84は、例えば筐体2の上面に配置されており、制御部81に接続されている。
【0027】
画像形成部5は、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量を検知するトナー残量検知部57、及びトナーカートリッジ51の筐体2に対する着脱を検知するトナーカートリッジ着脱検知部58を有している。トナー残量検知部57は消耗材材料検知部の一例であり、トナーカートリッジ着脱検知部58は消耗材着脱検知部の一例である。
【0028】
画像形成装置1においては、トナー残量検知部57により検知されたトナーの残量がニアエンプティ状態であると、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が表示部83に表示され、トナー残量検知部57により検知されたトナーの残量がエンプティ状態であると、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が表示部83に表示されるように構成されている。
【0029】
具体的には、記憶部82のNVRAM82cには、トナー残量検知部57により検知されたトナーの残量がニアエンプティ状態であるか否かの判定を行うための第1閾値、及びトナー残量検知部57により検知されたトナーの残量がエンプティ状態であるか否かの判定を行うための第1閾値よりも小さな第2閾値が記憶されており、トナー残量検知部57により検知されたトナーの残量が第1閾値に達すると、制御部81が前記第1情報を出力するとともに表示部83に表示させ、トナー残量検知部57により検知されたトナーの残量が第2閾値に達すると、制御部81が前記第2情報を出力するとともに表示部83に表示させる。
【0030】
ここで、ニアエンプティ状態とは、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量が少なくなった状態ではあるが、まだ品質を保持した画像を形成することができるだけの量の消耗材が残存している状態をいい、エンプティ状態とは、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量が、品質を保持した画像を形成できなくなるまで減少した状態をいう。
【0031】
[トナー残量表示処理]
画像形成装置1においては、制御部81により、トナーの残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報、及びトナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が表示部83に表示されるが、トナーカートリッジ51の交換状況に応じて第1情報の表示タイミングが調整される。
次に、表示部83にトナーの残量を表示する際のトナー残量表示処理について説明する。
【0032】
(トナー残量表示処理におけるメインフローの第1実施形態)
図4に示すように、トナー残量表示処理は、例えば画像形成装置1の起動時に開始され、画像形成装置1が起動されると、まず制御部81により第1閾値、トナーカートリッジ51の交換回数等の各種値が起動時値として設定される(ステップS01)。例えば、第1閾値及びトナーカートリッジ51の交換回数の起動時値としては、今回の起動時の直前において画像形成装置1が電源オフされたときの第1閾値及びトナーカートリッジ51の交換回数が設定される。
【0033】
各種値の起動時値が設定されると、制御部81により、トナー残量検知部57にて検知されたトナー残量の取得が開始される(ステップS02)。
トナー残量を取得した制御部81はトナー残量表示工程(ステップS20)を実行して、トナー残量に関する情報を表示部83に表示する。
【0034】
制御部81は、トナー残量表示工程(ステップS20)を実行した後、印刷命令がなされているか否かの判定を行い(ステップS03)、印刷命令がなされていなければ、トナーカートリッジ51の筐体2に対する着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたか否かの判定を行う(ステップS04)。
【0035】
ステップS04での判定の結果、トナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されていれば、制御部81は、着脱後のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量が、着脱前のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量よりも多いか否かの判定を行う(ステップS05)。
制御部81は、ステップS05での判定の結果、着脱後のトナー残量が着脱前のトナー残量よりも多ければ、トナーカートリッジ51の交換がされたことを決定する(ステップS06)。
【0036】
つまり、制御部81は、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナーカートリッジ着脱検知部58が検知する着脱後のトナーの残量が着脱前のトナーの残量より多い場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第1消耗材交換決定処理を実行する。
【0037】
制御部81は、トナーカートリッジ51の交換がされたことを決定した後、閾値更新処理工程(ステップS30)において第1閾値の更新処理を実行する。閾値更新処理工程(ステップS30)が終了すると、トナー残量表示工程(ステップS20)を再度実行する。
【0038】
一方、制御部81は、ステップS04において、トナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されていないと判定した場合、及びステップS05において、着脱後のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量が、着脱前のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量よりも多くないと判定した場合は、トナー残量表示工程(ステップS20)を再度実行する。
【0039】
制御部81は、ステップS03において印刷命令がなされていると判定した場合、給紙部3及び画像形成部5を駆動して印刷を開始し、シートSに画像を形成する。
制御部81は、印刷を開始した後、印刷が中断されていないか否かの判定を行い(ステップS08)、印刷が中断されていないと判定すると、トナー残量表示工程(ステップS20)を実行し、トナー残量に関する情報を表示部83に表示する。
【0040】
制御部81は、トナー残量表示工程(ステップS20)を実行した後、印刷が終了したか否かの判定を行う(ステップS09)。ステップS09において印刷が終了していないとの判定を行った場合、ステップS08に戻って印刷が中断されたか否かの判定を再度実行する。一方、ステップS09において印刷が終了したとの判定を行った場合は、トナー残量表示処理を終了する。
【0041】
制御部81は、ステップS08において印刷が中断されたと判定した場合、次に印刷中断状態が解消されたか否かの判定を行う(ステップS10)。制御部81は、ステップS10において印刷中断状態が解消されていないと判定した場合、トナーカートリッジ51の筐体2に対する着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたか否かの判定を行う(ステップS11)。
【0042】
ステップS11での判定の結果、トナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されていれば、制御部81は、着脱後のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量が、着脱前のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量よりも多いか否かの判定を行う(ステップS12)。
制御部81は、ステップS12での判定の結果、着脱後のトナー残量が着脱前のトナー残量よりも多ければ、トナーカートリッジ51の交換がされたことを決定する(ステップS13)。
【0043】
つまり、制御部81は、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナーカートリッジ着脱検知部58が検知する着脱後のトナーの残量が着脱前のトナーの残量より多い場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第1消耗材交換決定処理を実行する。
【0044】
制御部81は、トナーカートリッジ51の交換がされたことを決定した後、閾値更新処理工程(ステップS30)において第1閾値の更新処理を実行する。閾値更新処理工程(ステップS30)が終了すると、ステップS10に戻り印刷中断状態が解消されたか否かの判定を再度実行する。
【0045】
制御部81は、ステップS10において印刷中断状態が解消されたと判定した場合、ステップS08に戻って印刷が中断されたか否かの判定を再度実行する。
また、制御部81は、ステップS11においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されていないと判定した場合、及びステップS12において、着脱後のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量が、着脱前のトナーカートリッジ51に収容されているトナーの残量よりも多くないと判定した場合には、ステップS10に戻り印刷中断状態が解消されたか否かの判定を再度実行する。
【0046】
(トナー残量表示工程)
次に、トナー残量表示工程(ステップS20)について説明する。
図5に示すように、トナー残量表示工程においては、まず制御部81により、トナー残量検知部57が検知したトナー残量が第1閾値よりも多いか否かの判定がなされる(ステップS201)。
ステップS201での判定の結果、トナー残量が第1閾値よりも多ければ、第1フラグがオフするとともに(ステップS202)、第2フラグがオフする(ステップS203)。
【0047】
第1フラグは、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を制御部81が出力する際に用いられるフラグであり、第2フラグは、トナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を制御部81が出力する際に用いられるフラグである。
第1フラグがオンしているときに第1情報が出力され、第1フラグがオフしているときには第1情報は出力されない。また、第2フラグがオンしているときに第2情報が出力され、第2フラグがオフしているときには第2情報は出力されない。
【0048】
従って、ステップS201においてトナー残量が第1閾値よりも多いと判定され、第1フラグがオフするとともに(ステップS202)、第2フラグがオフした場合には(ステップS203)、制御部81から第1情報及び第2情報は出力されず、表示部83にはトナー残量に関する情報は表示されない。
また、ステップS204において、記憶部82のNVRAM82cに記憶されている時刻Tがリセットされて、トナー残量表示工程が終了する。時刻Tは、トナー残量検知部57が検知したトナー残量が、第1閾値よりも多い状態から第1閾値以下に達した時刻である。
【0049】
制御部81は、ステップS201での判定の結果、トナー残量が第1閾値以下であった場合、ステップS211においてトナー残量が第2閾値よりも多いか否かの判定を行う。ステップS211での判定の結果、トナー残量が第2閾値よりも多ければ、第1フラグがオンするとともに(ステップS212)、第2フラグがオフする(ステップS213)。
これにより、制御部81から第1情報が出力され、表示部83にはトナー残量がニアエンプティ状態にある旨の情報が表示される(ステップS214)。表示部83には、例えばトナー残量がニアエンプティ状態にある旨の情報である「マモナク トナーコウカン」との表示がなされる。
【0050】
また、制御部81は、トナー残量が第1閾値よりも多い状態から第1閾値以下に達した現在時刻を時刻Tとして記憶部82のNVRAM82cに記憶して(ステップS215)、トナー残量表示工程を終了する。
【0051】
ステップS211での判定の結果、トナー残量が第2閾値以下であった場合、第2フラグがオンするとともに(ステップS221)、第1フラグがオフする(ステップS222)。これにより、制御部81から第2情報が出力され、表示部83にはトナー残量がエンプティ状態にある旨の情報が表示される(ステップS214)。表示部83には、例えばトナー残量がエンプティ状態にある旨の情報である「トナーコウカン」との表示がなされる。
また、ステップS224において、記憶部82のNVRAM82cに記憶されている時刻Tがリセットされて、トナー残量表示工程が終了する。
【0052】
このように、トナー残量表示工程においては、制御部81は、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶される第1閾値に達すると、トナーの残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶され第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、トナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理を実行する。
【0053】
また、制御部81は、前記出力処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値に達すると、第1情報を表示部83に表示させ、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第2閾値に達すると、第2情報を表示部83に表示させる。
このように、第1情報及び第2情報を表示部83に表示させることで、トナーの残量がニアエンプティ状態であること、及びトナーの残量がエンプティ状態であることを、使用者に容易に認識させることが可能となっている。
【0054】
(閾値更新処理工程の第1実施形態)
次に、閾値更新処理工程(ステップS30)の第1実施形態について説明する。
図6に示すように、閾値更新処理工程においては、まず制御部81により、トナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知される直前に、トナー残量検知部57により検知されたトナー残量(以降、単に「着脱直前のトナー残量」と記載する)が第1閾値以下であるか否かの判定が行われる(ステップS300)。
制御部81は、ステップS300での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であれば、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多いか否かの判定を行う(S301)。
【0055】
制御部81は、ステップS301での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多ければ、第1閾値から一定値を減じた値が、第1閾終端値よりも大きいが否かの判定を行う(S302)。ここで、第1閾終端値は、第1閾値未満かつ第2閾値以上に設定された値であり、予め記憶部82に記憶されている。また、第1閾値から減じる一定値も予め設定され、記憶部82に記憶されている。
【0056】
ステップS302での判定の結果、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値よりも大きければ、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新し(ステップS303)、閾値更新処理工程を終了する。
このように、制御部81は、閾値更新処理工程(ステップS30)において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、前述の第1消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、第1閾値よりも小さくかつ第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する。
【0057】
これにより、表示部83にトナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示され、エンプティ状態である旨の情報が表示されていない状態でトナーカートリッジ51が交換された場合に、トナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示されるタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0058】
また、トナー残量表示処理においては、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し(ステップS04)、制御部81によりトナーカートリッジ51が交換されたと決定されると(ステップS05)、閾値更新処理(ステップS30)が実行されるため、本実施形態においては、制御部81は、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第1消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定する毎に、第1閾値よりも小さくかつ第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新することとなる。
【0059】
これにより、表示部83にトナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示され、エンプティ状態である旨の情報が表示されていない状態でトナーカートリッジ51が交換される毎に、トナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示されるタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0060】
制御部81は、ステップS300での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値よりも多かった場合、及びステップS302での判定の結果、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値以下であった場合は、そのまま閾値更新処理工程を終了する。
このように、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値以下であると、第1閾値を更新することなく閾値更新処理工程を終了することで、ニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力するタイミングが遅くなり過ぎて、トナーの準備が間に合わなくなることを防止することが可能となっている。
【0061】
また、制御部81は、ステップS301での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値以下であった場合は、記憶部82に記憶されている初期第1閾値を新たな第1閾値として更新して(ステップS304)、閾値更新処理工程を終了する。この場合、初期第1閾値は、画像形成装置1の出荷時に予め設定されている第1閾値である。
【0062】
このように、着脱直前のトナー残量が第2閾値以下であった場合は、ニアエンプティ状態であることを示す第1情報が表示部83に表示されてから、エンプティ状態であることを示す第2情報が表示されるまでの間にトナーカートリッジ51が交換されていないということである。このような場合は、第1情報を表示するタイミングをトナーの残量がより少なくなったタイミングに更新しなくても、トナーカートリッジ51に収容されるトナーができるだけ使い切られることが期待できるため、第1情報を表示するタイミングを初期のタイミングに戻すようにしている。
【0063】
(閾値更新処理工程の第2実施形態)
次に、閾値更新処理工程(ステップS30)の第2実施形態について説明する。
図7に示すように、閾値更新処理工程においては、まず制御部81により、トナーカートリッジ51の着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であるか否かの判定が行われる(ステップS310)。
制御部81は、ステップS310での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であれば、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多いか否かの判定を行う(S311)。
【0064】
制御部81は、ステップS311での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多ければ、トナーカートリッジ51が交換されたと決定された回数(以降、単に交換決定回数と記載する)を、現在の交換決定回数に1を加えた値に決定する(ステップS312)。この場合、交換決定回数に加えられるトナーカートリッジ51が交換されたとの決定は、閾値更新処理工程(ステップS30)が実行される前に実行された、トナーカートリッジ51の交換がされたことの決定(ステップS06又はステップS13)である。
【0065】
次に、制御部81は、ステップS312にて決定した交換決定回数が、予め設定されている所定回数に達したか否かの判定を行う(ステップS313)。
制御部81は、ステップS313での判定の結果、交換決定回数が所定回数に達していれば、第1閾値から一定値を減じた値が、第1閾終端値よりも大きいが否かの判定を行う(S314)。制御部81は、ステップS314での判定の結果、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値よりも大きければ、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する(ステップS315)。
【0066】
つまり、制御部81は、閾値更新処理工程(ステップS30)において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、前述の第1消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定した回数が所定回数に達すると、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。
制御部81は、その後交換決定回数を0に設定して(ステップS316)、閾値更新処理工程を終了する。
【0067】
このように、本実施形態においては、トナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときにトナーカートリッジ51の交換が行われたことが所定回数行われた場合、つまり、表示部83にトナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示され、エンプティ状態である旨の情報が表示されていない状態でトナーカートリッジ51が交換される傾向がある場合に、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。
【0068】
これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力するタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となっている。
【0069】
制御部81は、ステップS310での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値よりも多かった場合、ステップS313での判定の結果、交換決定回数が所定回数に達していなかった場合、及びステップS314での判定の結果、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値以下であった場合は、そのまま閾値更新処理工程を終了する。
また、制御部81は、ステップS311での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値以下であった場合は、初期第1閾値を新たな第1閾値として更新するとともに、交換決定回数を0に設定して(ステップS317)、閾値更新処理工程を終了する。
【0070】
(閾値更新処理工程の第3実施形態)
次に、閾値更新処理工程(ステップS30)の第3実施形態について説明する。
図8に示すように、閾値更新処理工程においては、まず制御部81により、トナーカートリッジ51の着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であるか否かの判定が行われる(ステップS320)。
制御部81は、ステップS320での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であれば、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多いか否かの判定を行う(S321)。
【0071】
制御部81は、ステップS321での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多ければ、記憶部82に記憶されている時刻Tから、トナーカートリッジ51が着脱されたことをトナーカートリッジ着脱検知部58が検知した時刻までの時間のうち、画像形成装置1の電源がオンされている間の時間が、予め設定されている所定時間よりも短いか否かの判定を行う(ステップS322)。
【0072】
制御部81は、ステップS322での判定の結果、時刻Tから、トナーカートリッジ51が着脱されたことを検知した時刻までの時間のうち、画像形成装置1の電源がオンされている間の時間が、予め設定されている所定時間よりも短かった場合、時間条件を充足していると判断する。また、時刻Tから、トナーカートリッジ51が着脱されたことを検知した時刻までの時間のうち、画像形成装置1の電源がオンされている間の時間が、予め設定されている所定時間以上であった場合、時間条件を充足していないと判断する。
【0073】
制御部81は、時間条件を充足していると判断すると、時間条件を充足した回数(以降、時間条件充足回数と記載する)を、現在の時間条件充足回数に1を加えた回数に決定する(ステップS323)。
次に、制御部81は、ステップS323にて決定した時間条件充足回数が、予め設定されている所定回数を超えたか否かの判定を行う(ステップS324)。
【0074】
なお、ステップS322での判定において、時刻Tから、トナーカートリッジ51が着脱されたことを検知した時刻までの時間のうち、画像形成装置1の電源がオンされている間の時間が、予め設定されている所定時間以上であった場合は、ステップS323を経ることなくステップS324に移行する。
【0075】
制御部81は、ステップS324での判定の結果、時間条件充足回数が前記所定回数を超えていれば、第1閾値から一定値を減じた値が、第1閾終端値よりも大きいが否かの判定を行う(S325)。制御部81は、ステップS325での判定の結果、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値よりも大きければ、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する(ステップS326)。
【0076】
つまり、制御部81は、閾値更新処理工程(ステップS30)において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、前述の第1消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定し、トナーの残量が第1閾値に達した時刻Tから、トナーカートリッジ51が着脱されたことをトナーカートリッジ着脱検知部58が検知した時刻までの時間のうち、画像形成装置1の電源がオンされている間の時間が所定時間よりも短かった回数が所定回数を超えると、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。
制御部81は、その後時間条件充足回数を0に設定して(ステップS327)、閾値更新処理工程を終了する。
【0077】
前述の時間条件を充足するということは、ニアエンプティ状態であることを示す第1情報が表示部83に表示されてから、短い時間でトナーカートリッジ51が着脱されたことを示す。
本実施形態においては、時間条件充足回数が所定回数を超えると、つまりトナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示部83に表示されてから短い時間でトナーカートリッジ51が着脱され交換される傾向がある場合に、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力するタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0078】
制御部81は、ステップS320での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値よりも多かった場合、ステップS324での判定の結果、時間条件充足回数が所定回数以下であった場合、及びステップS325での判定の結果、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値以下であった場合は、そのまま閾値更新処理工程を終了する。
また、制御部81は、ステップS321での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値以下であった場合は、初期第1閾値を新たな第1閾値として更新するとともに、時間条件充足回数を0に設定し(ステップS328)、さらに記憶部82に記憶されている時刻Tをリセットして(ステップS329)、閾値更新処理工程を終了する。
【0079】
(閾値更新処理工程の第4実施形態)
次に、閾値更新処理工程(ステップS30)の第4実施形態について説明する。
図9に示すように、閾値更新処理工程においては、まず制御部81により、トナーカートリッジ51の着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であるか否かの判定が行われる(ステップS330)。
制御部81は、ステップS330での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値以下であれば、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多いか否かの判定を行う(S331)。
【0080】
制御部81は、ステップS331での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値よりも多ければ、次式(1)により算出される値Lを決定する(S332)。なお、式(1)におけるNは、正の整数であり、予め所定の値に設定されている。
【0081】
L=[(第1閾値―第1閾終端値)/N]×(N−1) ・・・(1)
【0082】
制御部81は、ステップS332にて値Lを決定した後、値L([(第1閾値―第1閾終端値)/N]×(N−1))に第1閾終端値を加えた値を、新たな第1閾値として更新する(ステップS334)。
【0083】
つまり、制御部81は、閾値更新処理工程(ステップS30)において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、前述の第1消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、第1閾値から第1閾終端値を減じた値を所定値Nで除した値に所定値Nから1を減じた数を乗じることにより得られた値Lに前記第1閾終端値を加えた値を、新たな第1閾値として更新する(ステップS333)。
【0084】
これにより、表示部83にトナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示され、エンプティ状態である旨の情報が表示されていない状態でトナーカートリッジ51が交換された場合に、トナー残量がニアエンプティ状態である旨の情報が表示されるタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0085】
制御部81は、ステップS333にて第1閾値を更新した後、所定値Nから1を減じた値が0であるか否かの判定を行う(ステップS334)。
制御部81は、ステップS334での判定の結果、所定値Nから1を減じた値が0であった場合、所定値Nを1に設定して(ステップS335)、閾値更新処理工程を終了する。一方、ステップS334での判定の結果、所定値Nから1を減じた値が0でなければ、所定値Nを所定値Nから1を減じた値に設定して(ステップS336)、閾値更新処理工程を終了する。
【0086】
制御部81は、ステップS330での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第1閾値よりも多かった場合は、そのまま閾値更新処理工程を終了する。
また、制御部81は、ステップS331での判定の結果、着脱直前のトナー残量が第2閾値以下であった場合は、初期第1閾値を新たな第1閾値として更新するとともに、所定値Nを初期の所定値Nに設定して(ステップS337)、閾値更新処理工程を終了する。
この場合、初期の所定値Nは、画像形成装置1の出荷時に予め設定されている所定値Nである。
【0087】
なお、本実施形態においては、例えば初期の所定値Nが5(N=5)に設定されている場合、1回目の閾値更新処理工程(ステップS30)では、値Lは第1閾値から第1閾終端値を減じた値の4/5の値に決定される。また、2回目の閾値更新処理工程(ステップS30)では、値Lは第1閾値から第1閾終端値を減じた値の3/4の値に決定される。さらに、3回目の閾値更新処理工程(ステップS30)では、値Lは第1閾値から第1閾終端値を減じた値の2/3の値に決定される。
【0088】
[電源オフ時処理]
画像形成装置1においては、電源オフ時に、制御部81により電源オフ時処理が行われる。電源オフ時処理は、画像形成装置1に対して電源をオフする旨の指示がなされた際に、トナー残量表示処理にて用いられる各種値の設定を行う処理である。
図10に示すように、電源オフ時処理においては、制御部81は、まず電源オフの指示がなされたか否かの判定を行う(ステップS400)。
【0089】
制御部81は、ステップS400において電源オフの指示がなされたと判定した場合、現在設定されている第1閾値を、画像形成装置1の次回起動時に設定される起動時第1閾値として設定し、記憶部82のNVRAM82cに記憶する(ステップS401)。ステップS401においては、同様に、トナーカートリッジ51の現在の着脱回数を起動時着脱回数として設定し、現在設定されている所定値Nを起動時の所定値Nとして設定し、現在設定されている時刻Tを起動時の時刻Tとして設定したうえで、これらの各値を記憶部82のNVRAM82cに記憶する。
【0090】
このように、画像形成装置1の電源オフ時に、各種設定値をNVRAM82cに記憶することで、画像形成装置1の電源がオフされている間も第1閾値等の各種設定値を記憶部82に記憶させておくことができ、電源がオフされる前の各種設定値を、画像形成装置1の起動時の各種設定値として設定することができる。
【0091】
[トナー残量表示処理におけるメインフローの第2実施形態]
次に、トナー残量表示処理におけるメインフローの第2実施形態について説明する。
図11に示すトナー残量表示処理のメインフローは、ステップS04においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたと判定されてから、閾値更新処理工程(ステップS30)に移行するまでの過程が、図4に示したメインフローに対して異なる。以下、図4に示したメインフローと異なる箇所について説明を行い、共通するフローについては説明を省略する。
【0092】
本実施形態におけるトナーカートリッジ51には、トナーカートリッジ51が使用されたことがあるか否か、即ち当該トナーカートリッジ51が新品であるか否かの情報を記憶する記憶手段が取り付けられている。トナーカートリッジ51に付設される記憶手段は、トナーカートリッジ51の記憶チップの一例である。
【0093】
図11に示すメインフローにおいては、制御部81は、ステップS04においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたと判定すると、前記記憶手段に記憶されている情報がトナーカートリッジ51が新品であることを示す情報であるか否かの判定を行い(ステップS15)、前記情報がトナーカートリッジ51が新品である旨の情報であれば、トナーカートリッジ51の交換が行われたと決定し(ステップS06)、閾値更新処理工程(ステップS30)に移行する。
一方、制御部81は、ステップS15において、前記記憶手段に記憶されている情報がトナーカートリッジ51が新品であることを示す情報でないと判定した場合は、トナー残量表示工程(ステップS20)を再度実行する。
【0094】
また、制御部81は、ステップS11においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたと判定した場合も、前記記憶手段に記憶されている情報がトナーカートリッジ51が新品であることを示す情報であるか否かの判定を行い(ステップS16)、前記情報がトナーカートリッジ51が新品である旨の情報であれば、トナーカートリッジ51の交換が行われたと決定し(ステップS13)、閾値更新処理工程(ステップS30)に移行する。
一方、制御部81は、ステップS16において、前記記憶手段に記憶されている情報がトナーカートリッジ51が新品であることを示す情報でないと判定した場合は、ステップS10に戻り印刷中断状態が解消されたか否かの判定を再度実行する。
【0095】
つまり、制御部81は、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナーカートリッジ51に付設される記憶手段がトナーカートリッジ51が新品であることを示す場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第2消耗材交換決定処理を実行する。
このように、トナーカートリッジ51自身に付設される記憶手段がトナーカートリッジ51が新品であることを示す場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定することで、トナーカートリッジ51が交換されたことの判断をより正確に行うことが可能となっている。
【0096】
[トナー残量表示処理におけるメインフローの第3実施形態]
次に、トナー残量表示処理におけるメインフローの第3実施形態について説明する。
図12に示すトナー残量表示処理のメインフローは、ステップS04においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたと判定されてから、閾値更新処理工程(ステップS30)に移行するまでの過程が、図4に示したメインフローに対して異なる。以下、図4に示したメインフローと異なる箇所について説明を行い、共通するフローについては説明を省略する。
【0097】
本実施形態におけるトナーカートリッジ51は、トナーカートリッジ51が未だ使用されていない状態にある場合、即ち当該トナーカートリッジ51が新品である場合に、新品である旨の信号を出力するように構成されている。
また、トナーカートリッジ着脱検知部58は、トナーカートリッジ51の着脱を検知した際に、トナーカートリッジ51から信号が出力されていれば、当該信号を受信することが可能に構成されている。
【0098】
図12に示すメインフローにおいては、制御部81は、ステップS04においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたと判定すると、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51からの信号を受信したか否かの判定を行い(ステップS17)、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51からの信号を受信したものと判定すれば、トナーカートリッジ51の交換が行われたと決定し(ステップS06)、閾値更新処理工程(ステップS30)に移行する。
一方、制御部81は、ステップS17において、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51からの信号を受信していないと判定した場合は、トナー残量表示工程(ステップS20)を再度実行する。
【0099】
また、制御部81は、ステップS11においてトナーカートリッジ51の着脱がトナーカートリッジ着脱検知部58により検知されたと判定した場合も、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51からの信号を受信したか否かの判定を行い(ステップS18)、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51からの信号を受信したものと判定すれば、トナーカートリッジ51の交換が行われたと決定し(ステップS13)、閾値更新処理工程(ステップS30)に移行する。
一方、制御部81は、ステップS18において、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51からの信号を受信していないと判定した場合は、ステップS10に戻り印刷中断状態が解消されたか否かの判定を再度実行する。
【0100】
つまり、制御部81は、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51から出力される信号を受信した際に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第3消耗材交換決定処理を実行する。
このように、トナーカートリッジ51から出力される信号をトナーカートリッジ着脱検知部58が受信した場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定することで、トナーカートリッジ51が交換されたことの判断をより正確に行うことが可能となっている。
【0101】
[本実施形態における効果]
本実施形態においては、画像形成装置1は上述のように構成されている。
つまり、画像形成装置1は、トナーを収容するトナーカートリッジ51を有し、トナーを用いてシートSに画像を形成する画像形成部5と、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量を検知するトナー残量検知部57と、トナーカートリッジ51が着脱されたことを検知するトナーカートリッジ着脱検知部58と、記憶部82と、制御部81と、を備え、制御部81は、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶される第1閾値に達すると、トナーの残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶され第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、トナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナー残量検知部57が検知する着脱後のトナーの残量が着脱前のトナーの残量より多い場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第1消耗材交換決定処理と、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第1消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、第1閾値よりも小さくかつ第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、を実行する。
【0102】
これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が出力され、トナー残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が出力されていない状態でトナーカートリッジ51が交換された場合に、第1情報を出力するタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0103】
また、画像形成装置1は、トナーを収容するトナーカートリッジ51を有し、トナーを用いてシートSに画像を形成する画像形成部5と、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量を検知するトナー残量検知部57と、トナーカートリッジ51が着脱されたことを検知するトナーカートリッジ着脱検知部58と、記憶部82と、制御部81と、を備え、トナーカートリッジ51には記憶チップが取り付けられ、制御部81は、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶される第1閾値に達すると、トナーの残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、トナー残量検知部が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶され第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、トナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナーカートリッジ51の記憶チップがトナーカートリッジ51が新品であることを示す場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第2消耗材交換決定処理と、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第2消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、第1閾値よりも小さくかつ第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、を実行する。
【0104】
このように、トナーカートリッジ51自身に取り付けられる記憶手段がトナーカートリッジ51が新品であることを示す場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定することで、トナーカートリッジ51が交換されたことの判断をより正確に行うことができる。
【0105】
また、画像形成装置1は、トナーを収容するトナーカートリッジ51を有し、トナーを用いてシートSに画像を形成する画像形成部5と、トナーカートリッジ51に収容されるトナーの残量を検知するトナー残量検知部57と、トナーカートリッジ51が着脱されたことを検知するトナーカートリッジ着脱検知部58と、記憶部82と、制御部81と、を備え、トナーカートリッジ51は、トナーカートリッジ51が新品である際に信号を出力し、トナーカートリッジ着脱検知部58は、トナーカートリッジ51から出力される信号を受信可能であり、制御部81は、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶される第1閾値に達すると、トナーの残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力し、トナー残量検知部が検知したトナーの残量が、記憶部82に記憶され第1閾値よりも小さな第2閾値に達すると、トナーの残量がエンプティ状態であることを示す第2情報を出力する出力処理と、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51の着脱を検知し、トナーカートリッジ着脱検知部58がトナーカートリッジ51から出力される信号を受信した際に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定する第3消耗材交換決定処理と、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第3消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、第1閾値よりも小さくかつ第2閾値よりも大きな値を新たな第1閾値として更新する閾値更新処理と、を実行する。
【0106】
このように、トナーカートリッジ51から出力される信号をトナーカートリッジ着脱検知部58が受信した場合に、トナーカートリッジ51が交換されたと決定することで、トナーカートリッジ51が交換されたことの判断をより正確に行うことが可能となっている。
【0107】
画像形成装置1は、表示部83をさらに備え、制御部81は、出力処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値に達すると、第1情報を表示部83に表示させ、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が前記第2閾値に達すると、第2情報を表示部83に表示させる。
【0108】
このように、第1情報及び第2情報を表示部83に表示させることで、トナーの残量がニアエンプティ状態であること、及びトナーの残量がエンプティ状態であることを、使用者に容易に認識させることができる。
【0109】
また、制御部81は、閾値更新処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であって、第1消耗材交換決定処理又は第2消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定する毎に、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。
【0110】
これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が出力され、トナー残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が出力されていない状態でトナーカートリッジ51が交換される毎に、第1情報を出力するタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0111】
また、制御部81は、閾値更新処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第1消耗材交換決定処理又は第2消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定した回数が所定回数に達すると、前記第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。
【0112】
これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が出力され、トナー残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が出力されていない状態でトナーカートリッジ51が交換される傾向がある場合に、第1情報を出力するタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0113】
また、制御部81は、閾値更新処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値に達した時刻Tを記憶部82に記憶させ、閾値更新処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第1消耗材交換決定処理又は第2消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定し、トナーの残量が第1閾値に達した時刻Tから、トナーカートリッジ51が着脱されたことをトナーカートリッジ着脱検知部58が検知した時刻までの時間のうち、画像形成装置1の電源がオンされている間の時間が所定時間よりも短かった回数が所定回数を超えると、第1閾値から一定値を減じた値を新たな第1閾値として更新する。
【0114】
これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が出力されてから短い時間でトナーカートリッジ51が着脱される傾向がある場合に、第1情報を出力するタイミングを、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0115】
また、記憶部82には、第1閾値未満かつ第2閾値以上の値に設定された第1閾終端値が記憶され、制御部81は、閾値更新処理において、第1閾値から一定値を減じた値が第1閾終端値以下である場合は、第1閾値を更新しない。
これにより、ニアエンプティ状態であることを示す第1情報を出力するタイミングが遅くなり過ぎて、トナーの準備が間に合わなくなることを防止することができる。
【0116】
また、記憶部82には、第1閾値未満かつ第2閾値以上の値に設定された第1閾終端値が記憶され、制御部81は、閾値更新処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第1閾値以下かつ第2閾値を超える量であるときに、第1消耗材交換決定処理又は第2消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、第1閾値から第1閾終端値を減じた値を所定値で除した値に前記所定値から1を減じた値を乗じることにより得られた値に第1閾終端値を加えた値を、新たな第1閾値として更新する。
【0117】
これにより、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が出力され、トナー残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が出力されていない状態でトナーカートリッジ51が交換された場合に、第1情報を出力するタイミングを、トナーカートリッジ51が交換されたタイミングに応じて、トナーの残量がより少なくなったタイミングに更新することができるため、ユーザによる早期のトナーカートリッジ51の交換を抑制して、トナーカートリッジ51に収容されるトナーをできるだけ使い切ることが可能となる。
【0118】
また、記憶部82には、初期第1閾値が記憶され、制御部81は、閾値更新処理において、トナー残量検知部57が検知したトナーの残量が第2閾値以下であるときに、第1消耗材交換決定処理又は第2消耗材交換決定処理によってトナーカートリッジ51が交換されたことを決定すると、初期第1閾値を、新たな第1閾値として更新する。
【0119】
このように、トナー残量がニアエンプティ状態であることを示す第1情報が出力されてから、トナー残量がエンプティ状態であることを示す第2情報が出力されるまでの間にトナーカートリッジ51が交換されなかった場合は、第1情報を出力するタイミングをトナーの残量がより少なくなったタイミングに更新しなくても、トナーカートリッジ51に収容されるトナーができるだけ使い切られることが期待できるため、第1情報を出力するタイミングを初期のタイミングに戻すことができる。
【0120】
また、記憶部82は、不揮発性メモリであるNVRAM82cを含み、制御部81は、画像形成装置1の電源をオフする指示に対応して、第1閾値をNVRAM82cに記憶させる。
このように、画像形成装置1の電源オフ時に、各種設定値をNVRAM82cに記憶することで、画像形成装置1の電源がオフされている間も第1閾値等の各種設定値を記憶部82に記憶させておくことができ、電源がオフされる前の各種設定値を、画像形成装置1の起動時の各種設定値として設定することができる。
【符号の説明】
【0121】
1 画像形成装置、
2 筐体
5 画像形成部
57 トナー残量検知部
58 トナーカートリッジ着脱検知部
81 制御部
82 記憶部
82c NVRAM(不揮発性メモリ)
83 表示部
84 操作部
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12