特許第6790802号(P6790802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790802
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】流量制御弁
(51)【国際特許分類】
   F01P 7/16 20060101AFI20201116BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20201116BHJP
   F16K 27/04 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   F01P7/16 502B
   F01P7/16 503
   F16K31/04 Z
   F16K27/04
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-247594(P2016-247594)
(22)【出願日】2016年12月21日
(65)【公開番号】特開2018-100636(P2018-100636A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2019年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】今阪 祐介
(72)【発明者】
【氏名】瀬古 直史
(72)【発明者】
【氏名】佐野 亮
【審査官】 小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−133882(JP,A)
【文献】 特開平08−114275(JP,A)
【文献】 特開平09−074718(JP,A)
【文献】 特開2006−345674(JP,A)
【文献】 特開2013−249810(JP,A)
【文献】 特開2016−160872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 7/16
F16K 27/04
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の内燃機関(2)を冷却する冷却水の流量を制御可能な流量制御弁(10)であって、
冷却水が流れる流路(200)、収容空間(210)、および、前記収容空間と外部とを連通するはき出し孔(270)を有するハウジング(20)と、
前記収容空間に収容され、トルクを出力可能な駆動部(30)と、
前記流路に設けられ、前記駆動部が出力するトルクにより駆動し、前記流路を流れる冷却水の流量を制御可能な弁体(41)と、を備え、
前記はき出し孔は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記収容空間の鉛直方向下側の面に形成され
前記はき出し孔は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記流路の鉛直方向の最下点を通る水平面に対し下側に位置する流量制御弁。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記流路と前記収容空間とを連通する軸受穴部(223)を有する請求項1に記載の流量制御弁。
【請求項3】
前記はき出し孔は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記軸受穴部を通る水平面に対し下側に位置する請求項2に記載の流量制御弁。
【請求項4】
前記駆動部は、給電用の端子(311)を有するモータ(31)を含み、
前記端子は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記軸受穴部を通る水平面に対し下側に位置する請求項2または3に記載の流量制御弁。
【請求項5】
前記はき出し孔側開口部は、前記はき出し孔側開口部を経由して前記端子を目視不能な位置に形成されている請求項に記載の流量制御弁。
【請求項6】
前記はき出し孔は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【請求項7】
前記はき出し孔を外側から覆うようにして設けられたはき出し孔遮蔽部(80)をさらに備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【請求項8】
前記はき出し孔遮蔽部と前記はき出し孔との間に設けられ、前記はき出し孔へ向かう液体の流れを阻害可能なはき出し孔側阻害部(90)をさらに備える請求項に記載の流量制御弁。
【請求項9】
前記はき出し孔遮蔽部は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記はき出し孔を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されたはき出し孔側開口部(800)を有する請求項またはに記載の流量制御弁。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記収容空間と外部とを連通する連通孔(250)をさらに有し、
前記連通孔を覆うようにして設けられた連通孔遮蔽部(60、61、62)をさらに備え、
前記連通孔は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記収容空間の鉛直方向の最下点よりも上方に形成されている請求項1〜のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【請求項11】
前記連通孔は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、水平方向に向かって開口するよう形成されている請求項10に記載の流量制御弁。
【請求項12】
前記連通孔遮蔽部と前記連通孔との間に設けられ、前記連通孔へ向かう液体の流れを阻害可能な連通孔側阻害部(70、71、72)をさらに備える請求項10または11に記載の流量制御弁。
【請求項13】
前記連通孔側阻害部の少なくとも一部(72)は、前記連通孔遮蔽部(62)と一体に形成されている請求項12に記載の流量制御弁。
【請求項14】
前記連通孔遮蔽部は、前記流量制御弁が前記車両に搭載された状態において、前記連通孔を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成された連通孔側開口部(600)を有する請求項1013のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【請求項15】
内側の空間が前記流路に連通するパイプ部(51、52、53)をさらに備え、
前記パイプ部(52)は、前記連通孔遮蔽部(62)と一体に形成されている請求項1014のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【請求項16】
前記はき出し孔と前記連通孔とは、前記流量制御弁をどの方向から見ても同時に目視不能な位置に形成されている請求項1015のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御弁に関し、特に車両の内燃機関を冷却する冷却水の流量を制御可能な流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内燃機関を冷却する冷却水の流量を制御可能な流量制御弁が知られている。例えば特許文献1には、冷却水が流れる流路、および、収容空間を有するハウジングと、収容空間に収容されたモータおよびギア部等の駆動部と、流路に設けられ冷却水の流量を制御可能な弁体とを備えた流量制御弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−249810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の流量制御弁では、弁体と一体のシャフトを軸受けする軸受部を経由して、流路内の冷却水が収容空間に浸入するおそれがある。また、ハウジングの隙間等を経由して、外部から収容空間に水が浸入するおそれがある。収容空間に水が浸入すると、水がモータの端子に付着し、ショートするおそれがある。ところが、特許文献1の流量制御弁では、収容空間に水が浸入した場合の対策について何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動部を収容する収容空間に浸入した水を排出可能な流量制御弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の内燃機関を冷却する冷却水の流量を制御可能な流量制御弁であって、ハウジングと駆動部と弁体とを備えている。
ハウジングは、冷却水が流れる流路、収容空間、および、収容空間と外部とを連通するはき出し孔を有している。
駆動部は、収容空間に収容され、トルクを出力可能である。
弁体は、流路に設けられ、駆動部が出力するトルクにより駆動し、流路を流れる冷却水の流量を制御可能である。
【0007】
はき出し孔は、流量制御弁が車両に搭載された状態において、収容空間の鉛直方向下側の面に形成されている。そのため、収容空間に水が浸入したとしても、侵入した水を、はき出し孔を経由して外部へ排出することができる。これにより、駆動部のモータが端子を有している場合、端子に水が付着することによるショートを抑制することができる。
本発明では、はき出し孔は、流量制御弁が車両に搭載された状態において、流路の鉛直方向の最下点を通る水平面に対し下側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態による流量制御弁を示す平面図。
図2】本発明の第1実施形態による流量制御弁のカバーを取り外した状態を示す図。
図3図1のIII−III線断面図。
図4】本発明の第1実施形態による流量制御弁の連通孔およびはき出し孔を示す断面図。
図5】本発明の第1実施形態による流量制御弁の連通孔を示す断面図。
図6】本発明の第1実施形態による流量制御弁のはき出し孔側開口部およびその近傍を示す斜視図。
図7】本発明の第2実施形態による流量制御弁の一部を示す斜視図。
図8】本発明の第2実施形態による流量制御弁を示す斜視図。
図9】本発明の第3実施形態による流量制御弁を示す平面図。
図10】本発明の第3実施形態による流量制御弁を示す断面図。
図11】本発明の第4実施形態による流量制御弁を示す斜視図。
図12】本発明の第4実施形態による流量制御弁を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の複数の実施形態による流量制御弁を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による流量制御弁を図1〜6に示す。
【0010】
流量制御弁10は、車両1の内燃機関(以下、「エンジン」とする)2を冷却する冷却水の流量を制御するのに用いられる。流量制御弁10は、例えば、車両1のエンジンルームのうち車両1の前方側、すなわち、車両1の進行方向の前方側に搭載される。本実施形態では、流量制御弁10は、エンジン2への吸気量を制御するスロットルボディよりも車両1の前方側に配置される。
流量制御弁10は、ハウジング20、駆動部30、弁体41、パイプ部51、52、53、連通孔遮蔽部60、連通孔側阻害部70、はき出し孔遮蔽部80、はき出し孔側阻害部90等を備えている。
ハウジング20は、ハウジング本体21、カバー22等を有している。
ハウジング本体21およびカバー22は、例えば樹脂等により形成されている。
【0011】
図3に示すように、ハウジング本体21は、内側に、空間としての流路200およびモータ収容空間211を有している。流路200およびモータ収容空間211は、それぞれ、略円筒状に形成されている。ハウジング本体21の外壁には、開口部221、222が形成されている。流路200は、開口部221に接続している。そのため、流路200は、開口部221を経由して外部と連通している。モータ収容空間211は、開口部222に接続している。そのため、モータ収容空間211は、開口部222を経由して外部と連通している。ここで、流路200およびモータ収容空間211は、互いの軸が略平行となるよう形成されている。開口部221には、軸受部23が設けられている。
【0012】
ハウジング本体21の流路200の開口部221とは反対側には、軸受穴部223が形成されている。軸受穴部223は、流路200とハウジング本体21の開口部221とは反対側の外壁とを接続するよう形成されている。軸受穴部223は、流路200と同軸に形成されている。軸受穴部223には、軸受部24が設けられている。
ハウジング本体21には、流路200と外部とを接続する流路穴部231、232、233が形成されている。
【0013】
カバー22は、例えば皿状に形成され、ハウジング本体21の開口部222、軸受穴部223側を覆うようにして設けられている。カバー22は、ハウジング本体21との間にギア部収容空間212を形成している。ギア部収容空間212は、開口部222を経由してモータ収容空間211と接続している。モータ収容空間211とギア部収容空間212とは、収容空間210を構成している。すなわち、ハウジング20は、内側に収容空間210を有している。
駆動部30は、モータ31、ギア部32を有している。
【0014】
モータ31は、端子311、出力部312を有している。モータ31は、端子311を経由して給電されることにより回転駆動し、出力部312からトルクを出力する。モータ31は、出力部312を除く大部分がモータ収容空間211に収容されている。
【0015】
ギア部32は、ギア部収容空間212に収容されている。ギア部32は、ギア321、322、323を有している。ギア321は、モータ31の出力部312に噛み合うようにして設けられている。ギア322は、ギア321に噛み合うようにして設けられている。ギア323は、ギア322に噛み合うようにして設けられている(図2参照)。本実施形態では、ギア321、322、323は、減速機を構成している。そのため、モータ31が回転駆動し出力部312から出力されたトルクは、ギア部32で減速され、ギア323から出力される。
【0016】
弁体41は、例えば樹脂等により、有底筒状に形成されている。弁体41は、底部側が軸受穴部223側に位置するよう流路200に設けられている。そのため、弁体41の開口部側は、ハウジング本体21の開口部221近傍に位置している。
【0017】
弁体41は、軸穴部410、弁穴部411、412、413を有している。軸穴部410は、弁体41の底部の内壁と外壁とを接続するよう、底部の中央に形成されている。弁穴部411、412、413は、それぞれ、弁体41の筒部の内壁と外壁とを接続するよう、所定の箇所に形成されている。
【0018】
弁体41の軸穴部410には、シャフト42が設けられている。シャフト42は、例えば金属等により棒状に形成されている。弁体41とシャフト42とは、一体に回転可能に設けられている。すなわち、弁体41とシャフト42とは、相対回転不能である。
【0019】
シャフト42の一方の端部側は、軸受部23により軸受けされている。シャフト42の他方の端部側は、軸受部24により軸受けされている。これにより、弁体41は、シャフト42とともに軸受部23、24により軸受けされ、流路200において回転可能に支持されている。
【0020】
シャフト42の他方の端部には、ギア部32のギア323が固定されている。そのため、モータ31が回転駆動し出力部312から出力されたトルクは、ギア部32を経由してシャフト42に伝達する。これにより、弁体41が流路200において回転する。弁体41の回転位置により、弁穴部411、412、413と流路穴部231、232、233との重なり面積が変化する。
【0021】
パイプ部51、52、53は、それぞれ、例えば樹脂等により管状に形成されている。パイプ部51は、内側の空間が流路穴部231に接続するよう、ハウジング本体21に取り付けられている。パイプ部52は、内側の空間が流路穴部232に接続するよう、ハウジング本体21に取り付けられている。パイプ部53は、内側の空間が流路穴部233に接続するよう、ハウジング本体21に取り付けられている。
【0022】
パイプ部51のハウジング本体21とは反対側の端部は、ラジエータ11に接続される。パイプ部52のハウジング本体21とは反対側の端部は、オイルクーラ12に接続される。パイプ部53のハウジング本体21とは反対側の端部は、ヒータ13に接続される。
【0023】
本実施形態では、エンジン2を流れて温度が上昇した冷却水は、ハウジング本体21の開口部221を経由して流路200の弁体41の内側に流入する。弁体41の内側に流入した冷却水は、弁体41の回転位置により変化する弁穴部411、412、413と流路穴部231、232、233との重なり面積に応じて、パイプ部51、52、53に分配される。
パイプ部51に分配された冷却水は、ラジエータ11に導かれ、ラジエータ11を通過することで温度が低下する。ラジエータ11で温度の低下した冷却水は、エンジン2に戻され、エンジン2を冷却する。
【0024】
パイプ部52に分配された冷却水は、オイルクーラ12に導かれ、潤滑オイルの温度を上昇させる。これにより、環境温度が低い場合でも、潤滑オイルの粘度を低下させることができる。オイルクーラ12を通過した冷却水は、ラジエータ11に導かれる。
パイプ部53に分配された冷却水は、ヒータ13に導かれ、車両1の車室内の温度を上昇させる。ヒータ13を通過した冷却水は、ラジエータ11に導かれる。
【0025】
流量制御弁10は、モータ31を回転駆動させて、弁体41の回転位置を制御することにより、弁穴部411、412、413と流路穴部231、232、233との重なり面積を変化させ、ラジエータ11、オイルクーラ12、ヒータ13への冷却水の流量を任意に制御することができる。
このように、弁体41は、駆動部30が出力するトルクにより回転駆動し、流路200を流れる冷却水の流量を制御可能である。
【0026】
図4、5に示すように、本実施形態では、ハウジング本体21は、連通孔250を有している。
連通孔250は、収容空間210のモータ収容空間211と外部とを連通するようにして形成されている。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向の最下点よりも上方に形成されている(図4、5参照)。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、水平方向に向かって開口するよう形成されている(図4、5参照)。
連通孔遮蔽部60は、連通孔250の近傍に設けられている。連通孔遮蔽部60は、連通孔遮蔽部61、62を有している(図4、5参照)。
【0027】
連通孔遮蔽部61は、例えば樹脂等により、ハウジング本体21と一体に形成されている。連通孔遮蔽部61は、連通孔250の開口する方向に設けられている。すなわち、連通孔遮蔽部61は、連通孔250に対し水平方向に所定距離離れた位置に設けられている。
連通孔遮蔽部62は、例えば樹脂等により、パイプ部52と一体に形成されている。連通孔遮蔽部62は、ハウジング本体21と連通孔遮蔽部61とにより形成される開口部240を塞ぐようにして設けられている(図5参照)。
このように、連通孔遮蔽部60は、連通孔250の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、連通孔遮蔽部60は、連通孔250を外側から覆っている。そのため、連通孔250は、連通孔遮蔽部60により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
【0028】
本実施形態では、連通孔遮蔽部62は、ハウジング本体21または連通孔遮蔽部61との間に連通孔側開口部600を有している。ここで、連通孔250は、連通孔側開口部600を経由して外部と連通している。
連通孔側開口部600は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、連通孔250を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている(図5参照)。
連通孔側阻害部70は、連通孔遮蔽部60と連通孔250との間に設けられている。連通孔側阻害部70は、連通孔側阻害部71、72を有している。
【0029】
連通孔側阻害部71は、例えば樹脂等により、ハウジング本体21と一体に形成されている。連通孔側阻害部71は、ハウジング本体21から鉛直方向下側の開口部240近傍まで板状に延びるようにして形成されている(図5参照)。
【0030】
連通孔側阻害部72は、例えば樹脂等により、連通孔遮蔽部62と一体に形成されている。連通孔側阻害部72は、連通孔遮蔽部62から鉛直方向上側のハウジング本体21に向かって板状に延びるよう複数形成されている。複数の連通孔側阻害部72の間に、連通孔側阻害部71の先端部が位置している(図5参照)。これにより、連通孔側阻害部71と連通孔側阻害部72とは、連通孔側開口部600と連通孔250との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状の部位を形成し、連通孔側開口部600を経由して連通孔250へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
なお、本実施形態では、連通孔250の外部側にパイプ部52、連通孔遮蔽部62、連通孔側阻害部72等が設けられているため、外部から連通孔側開口部600を経由して連通孔250を目視することはできない(図5参照)。
【0031】
図4に示すように、本実施形態では、ハウジング本体21は、はき出し孔270を有している。
はき出し孔270は、収容空間210のモータ収容空間211と外部とを連通するようにして形成されている。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向下側の面に形成されている(図4参照)。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図4参照)。
【0032】
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の近傍に設けられている。はき出し孔遮蔽部80は、例えば樹脂等により、ハウジング本体21と一体に形成されている。はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の開口する方向に設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270に対し鉛直方向下側に所定距離離れた位置に設けられている。
このように、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270を外側から覆っている。そのため、はき出し孔270は、はき出し孔遮蔽部80により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
【0033】
本実施形態では、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔側開口部800を有している。ここで、はき出し孔270は、はき出し孔側開口部800を経由して外部と連通している。
はき出し孔側開口部800は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、はき出し孔270を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている(図4参照)。
【0034】
なお、本実施形態では、はき出し孔側開口部800は、はき出し孔270に対し水平方向に所定距離ずれた位置に形成されている。そのため、外部からはき出し孔側開口部800を経由してはき出し孔270を目視することはできない(図4参照)。
【0035】
はき出し孔側阻害部90は、はき出し孔遮蔽部80とはき出し孔270との間に設けられている。はき出し孔側阻害部90は、例えば樹脂等により、ハウジング本体21と一体に形成されている。より具体的には、はき出し孔側阻害部90は、はき出し孔側開口部800の鉛直方向上側に形成されている。これにより、はき出し孔側阻害部90は、はき出し孔側開口部800とはき出し孔270との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状の部位を形成し、はき出し孔側開口部800を経由してはき出し孔270へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
図4、6に示すように、本実施形態では、突出部81、82を備えている。
突出部81は、例えば樹脂等により、はき出し孔遮蔽部80と一体に形成されている。突出部81は、はき出し孔遮蔽部80のはき出し孔側開口部800の近傍から鉛直方向下側へ向かって板状に突出するよう形成されている。
【0036】
突出部82は、例えば樹脂等により、ハウジング本体21と一体に形成されている。突出部82は、ハウジング本体21のはき出し孔側開口部800の近傍から鉛直方向下側へ向かって板状に突出するよう形成されている。ここで、突出部81と突出部82とは、略平行となるよう形成されている。
突出部81、82により、特定方向からの水等がはき出し孔側開口部800を経由してはき出し孔遮蔽部80の内側に浸入するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、はき出し孔側開口部800は、はき出し孔側開口部800を経由してモータ31の端子311を目視不能な位置に形成されている(図4参照)。
また、本実施形態では、はき出し孔側開口部800と連通孔250とは、流量制御弁10をどの方向から見ても同時に目視不能な位置に形成されている(図4参照)。
【0037】
以上説明したように、(1)本実施形態は、車両1のエンジン2を冷却する冷却水の流量を制御可能な流量制御弁10であって、ハウジング20と駆動部30と弁体41とを備えている。
ハウジング20は、冷却水が流れる流路200、収容空間210、および、収容空間210と外部とを連通するはき出し孔270を有している。
駆動部30は、収容空間210に収容され、トルクを出力可能である。
弁体41は、流路200に設けられ、駆動部30が出力するトルクにより駆動し、流路200を流れる冷却水の流量を制御可能である。
【0038】
はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向下側の面に形成されている。そのため、収容空間210に水が浸入したとしても、侵入した水を、はき出し孔270を経由して外部へ排出することができる。これにより、駆動部30のモータ31の端子311に水が付着することによるショートを抑制することができる。
【0039】
また、(2)本実施形態では、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている。そのため、収容空間210に浸入した水を、はき出し孔270を経由して外部へ容易に排出することができる。
【0040】
また、(3)本実施形態は、はき出し孔270を外側から覆うようにして設けられたはき出し孔遮蔽部80をさらに備えている。そのため、例えば車両1の洗浄時等、流量制御弁10が高圧で被水したとしても、水がはき出し孔270を経由して収容空間210に浸入するのを抑制することができる。
【0041】
また、(4)本実施形態は、はき出し孔遮蔽部80とはき出し孔270との間に設けられ、はき出し孔270へ向かう液体の流れを阻害可能なはき出し孔側阻害部90をさらに備えている。そのため、水がはき出し孔270を経由して収容空間210に浸入するのをより効果的に抑制することができる。
【0042】
また、(5)本実施形態では、はき出し孔遮蔽部80は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、はき出し孔270を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されたはき出し孔側開口部800を有している。そのため、はき出し孔270から排出された水を、はき出し孔側開口部800を経由して外部へ排出することができる。また、はき出し孔側開口部800は、はき出し孔270よりも鉛直方向下側に形成されているため、はき出し孔側開口部800およびはき出し孔270を経由して収容空間210に水が浸入するのを抑制することができる。
【0043】
また、(6)本実施形態では、駆動部30は、給電用の端子311を有するモータ31を含んでいる。はき出し孔側開口部800は、はき出し孔側開口部800を経由して端子311を目視不能な位置に形成されている。そのため、はき出し孔側開口部800を経由して収容空間210に浸入した水が端子311に付着するのを抑制することができる。これにより、端子311に水が付着することによるショートを抑制できる。
【0044】
また、(7)本実施形態では、ハウジング20は、収容空間210と外部とを連通する連通孔250をさらに有している。また、連通孔250を外側から覆うようにして設けられた連通孔遮蔽部60をさらに備えている。
連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向の最下点よりも上方に形成されている。
【0045】
本実施形態では、ハウジング20が連通孔250を有するため、収容空間210と外部との圧力差を低減することができる。また、連通孔遮蔽部60が連通孔250を外側から覆うようにして設けられているため、車両1の洗浄時等、連通孔250を経由した収容空間210への水の浸入を抑制することができる。
【0046】
なお、流量制御弁10は、ラジエータ11への経路を確保する機能上、車両1前方に搭載される。そのため、流量制御弁10は、洗車時等、被水し易い。しかしながら、本実施形態では、連通孔遮蔽部60を備えることにより、連通孔250を経由した収容空間210への水の浸入を確実に抑制することができる。
【0047】
また、連通孔250に水が付着した場合、収容空間210に負圧が発生すると、水が連通孔250を経由して収容空間210に引き込まれるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、連通孔遮蔽部60により、連通孔250への水の付着を抑制できるため、収容空間210に負圧が発生したとしても、水が連通孔250を経由して収容空間210に引き込まれるのを抑制することができる。
【0048】
また、(8)本実施形態では、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、水平方向に向かって開口するよう形成されている。そのため、車両1の洗車時等、連通孔250に向かって水が飛来するおそれがある。しかしながら、本実施形態では、連通孔250を外側から覆うようにして連通孔遮蔽部60が設けられているため、連通孔250に向かって水が飛来したとしても、連通孔250を経由した収容空間210への水の浸入を抑制することができる。
【0049】
また、(9)本実施形態は、連通孔遮蔽部60と連通孔250との間に設けられ、連通孔250へ向かう液体の流れを阻害可能な連通孔側阻害部70をさらに備えている。そのため、連通孔250を経由した収容空間210への水の浸入をより効果的に抑制することができる。
また、(10)本実施形態では、連通孔側阻害部70の少なくとも一部(連通孔側阻害部72)は、連通孔遮蔽部62と一体に形成されている。そのため、部材点数を低減することができる。
【0050】
また、(11)本実施形態では、連通孔遮蔽部60は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、連通孔250を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成された連通孔側開口部600を有している。そのため、連通孔250と連通孔遮蔽部60との間に水が浸入したとしても、侵入した水を、連通孔側開口部600を経由して外部へ排出することができる。また、連通孔側開口部600は、連通孔250よりも鉛直方向下側に形成されているため、連通孔側開口部600および連通孔250を経由して収容空間210に水が浸入するのを抑制することができる。
また、(12)本実施形態は、内側の空間が流路200に連通するパイプ部52をさらに備えている。パイプ部51は、連通孔遮蔽部62と一体に形成されている。そのため、部材点数を低減することができる。
【0051】
また、(13)本実施形態では、はき出し孔270と連通孔250とは、流量制御弁10をどの方向から見ても同時に目視不能な位置に形成されている。そのため、はき出し孔270および連通孔250が同時に埋まることによる異物や液体の堆積を抑制することができる。
【0052】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による流量制御弁を図7、8に示す。
ハウジング20のカバー22の内側には、収容空間210が形成されており、モータ31およびギア部32が収容されている(図7参照)。
図7、8に示すように、ハウジング20のカバー22には、連通孔250が形成されている。
【0053】
連通孔250は、収容空間210と外部とを連通するようにして形成されている。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向の最下点よりも上方に形成されている(図7参照)。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、水平方向に向かって開口するよう形成されている(図7、8参照)。
連通孔遮蔽部60は、連通孔250の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、連通孔遮蔽部60は、連通孔250を外側から覆っている。そのため、連通孔250は、連通孔遮蔽部60により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
連通孔遮蔽部62は、連通孔側開口部600を有している。ここで、連通孔250は、連通孔側開口部600を経由して外部と連通している。
【0054】
連通孔側開口部600は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、連通孔250を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている。連通孔側開口部600は、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図7、8参照)。
【0055】
連通孔側阻害部70は、連通孔遮蔽部60と連通孔250との間に設けられている。連通孔側阻害部70は、例えば複数の板状の部材が所定の間隔で交互に配置されることにより、連通孔側開口部600と連通孔250との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状に形成されている。これにより、連通孔側開口部600を経由して連通孔250へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
図7、8に示すように、ハウジング20のカバー22には、はき出し孔270が形成されている。
はき出し孔270は、収容空間210と外部とを連通するようにして形成されている。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向下側の面に形成されている(図7参照)。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図7参照)。
【0056】
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の開口する方向に設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270に対し鉛直方向下側に設けられている。
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270を外側から覆っている。そのため、はき出し孔270は、はき出し孔遮蔽部80により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔側開口部800を有している。ここで、はき出し孔270は、はき出し孔側開口部800を経由して外部と連通している。
はき出し孔側開口部800は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、はき出し孔270を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている(図7参照)。
なお、本実施形態では、はき出し孔側開口部800は、はき出し孔270に対し水平方向に所定距離ずれた位置に形成されている。
【0057】
はき出し孔側阻害部90は、はき出し孔遮蔽部80とはき出し孔270との間に設けられている。はき出し孔側阻害部90は、例えば複数の板状の部材が所定の間隔で交互に配置されることにより、はき出し孔側開口部800とはき出し孔270との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状に形成されている。これにより、はき出し孔側開口部800を経由してはき出し孔270へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
本実施形態は、開口遮蔽部63をさらに備えている。開口遮蔽部63は、ハウジング20のカバー22の外壁において連通孔遮蔽部60の近傍から突出するよう形成されている。開口遮蔽部63は、連通孔側開口部600を外側から覆っている。これにより、連通孔側開口部600を経由した連通孔250側への水の浸入を抑制可能である。なお、開口遮蔽部63により、連通孔側開口部600とはき出し孔側開口部800とを同時に目視することはできない。
以上説明した第2実施形態は、部材の配置や構成等が第1実施形態と異なるものの、第1実施形態と実質的に同一の作用を発揮する部位により、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0058】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による流量制御弁を図9、10に示す。
ハウジング20のハウジング本体21、カバー22の内側には、収容空間210が形成されており、モータ31およびギア部32が収容されている(図10参照)。
図9、10に示すように、ハウジング20のカバー22には、連通孔250が形成されている。
【0059】
連通孔250は、収容空間210と外部とを連通するようにして形成されている。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向の最下点よりも上方に形成されている(図10参照)。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、水平方向に向かって開口するよう形成されている(図9、10参照)。
連通孔遮蔽部60は、連通孔250の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、連通孔遮蔽部60は、連通孔250を外側から覆っている。そのため、連通孔250は、連通孔遮蔽部60により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
連通孔遮蔽部62は、連通孔側開口部600を有している。ここで、連通孔250は、連通孔側開口部600を経由して外部と連通している。
【0060】
連通孔側開口部600は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、連通孔250を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている。連通孔側開口部600は、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図9、10参照)。
【0061】
連通孔側阻害部70は、連通孔遮蔽部60と連通孔250との間に設けられている。連通孔側阻害部70は、例えば複数の板状の部材が所定の間隔で交互に配置されることにより、連通孔側開口部600と連通孔250との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状に形成されている。これにより、連通孔側開口部600を経由して連通孔250へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
【0062】
図9、10に示すように、ハウジング20のカバー22には、はき出し孔270が形成されている。
はき出し孔270は、収容空間210と外部とを連通するようにして形成されている。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向下側の面に形成されている(図10参照)。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図9、10参照)。
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の開口する方向に設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270に対し鉛直方向下側に設けられている。
【0063】
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270を外側から覆っている。そのため、はき出し孔270は、はき出し孔遮蔽部80により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔側開口部800を有している。ここで、はき出し孔270は、はき出し孔側開口部800を経由して外部と連通している。
はき出し孔側開口部800は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、はき出し孔270を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている(図9、10参照)。
なお、本実施形態では、はき出し孔側開口部800は、はき出し孔270に対し水平方向に所定距離ずれた位置に形成されている。
【0064】
はき出し孔側阻害部90は、はき出し孔遮蔽部80とはき出し孔270との間に設けられている。はき出し孔側阻害部90は、例えば複数の板状の部材が所定の間隔で交互に配置されることにより、はき出し孔側開口部800とはき出し孔270との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状に形成されている。これにより、はき出し孔側開口部800を経由してはき出し孔270へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
本実施形態は、開口遮蔽部63をさらに備えている。開口遮蔽部63は、ハウジング20のハウジング本体21の外壁において連通孔遮蔽部60の近傍から突出するよう形成されている。開口遮蔽部63は、連通孔側開口部600を外側から覆っている。これにより、連通孔側開口部600を経由した連通孔250側への水の浸入を抑制可能である。なお、開口遮蔽部63により、連通孔側開口部600とはき出し孔側開口部800とを同時に目視することはできない。
以上説明した第3実施形態は、部材の配置や構成等が第1実施形態と異なるものの、第1実施形態と実質的に同一の作用を発揮する部位により、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による流量制御弁を図11、12に示す。
ハウジング20の内側には、収容空間210が形成されており、モータ31およびギア部32が収容されている(図11、12参照)。
図11、12に示すように、ハウジング20のハウジング本体21には、連通孔250が形成されている。
【0066】
連通孔250は、収容空間210と外部とを連通するようにして形成されている。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向の最下点よりも上方に形成されている(図11、12参照)。
また、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、水平方向に向かって開口するよう形成されている(図11、12参照)。
連通孔遮蔽部60は、連通孔250の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、連通孔遮蔽部60は、連通孔250を外側から覆っている。そのため、連通孔250は、連通孔遮蔽部60により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
連通孔遮蔽部62は、連通孔側開口部600を有している。ここで、連通孔250は、連通孔側開口部600を経由して外部と連通している。
【0067】
連通孔側開口部600は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、連通孔250を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている。連通孔側開口部600は、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図11、12参照)。
【0068】
連通孔側阻害部70は、連通孔遮蔽部60と連通孔250との間に設けられている。連通孔側阻害部70は、例えば複数の板状の部材が所定の間隔で交互に配置されることにより、連通孔側開口部600と連通孔250との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状に形成されている。これにより、連通孔側開口部600を経由して連通孔250へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
図11、12に示すように、ハウジング20のハウジング本体21には、はき出し孔270が形成されている。
【0069】
はき出し孔270は、収容空間210と外部とを連通するようにして形成されている。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、収容空間210の鉛直方向下側の面に形成されている(図11、12参照)。
また、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、鉛直方向下側に向かって開口するよう形成されている(図11、12参照)。
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の開口する方向に設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270に対し鉛直方向下側に設けられている。
【0070】
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270の外部側を覆うようにして設けられている。すなわち、はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔270を外側から覆っている。そのため、はき出し孔270は、はき出し孔遮蔽部80により遮蔽され、外部からの目視は不能である。
はき出し孔遮蔽部80は、はき出し孔側開口部800を有している。ここで、はき出し孔270は、はき出し孔側開口部800を経由して外部と連通している。
はき出し孔側開口部800は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、はき出し孔270を通る水平面に対し鉛直方向下側に形成されている(図11、12参照)。
なお、本実施形態では、はき出し孔側開口部800は、はき出し孔270に対し水平方向に所定距離ずれた位置に形成されている。
【0071】
はき出し孔側阻害部90は、はき出し孔遮蔽部80とはき出し孔270との間に設けられている。はき出し孔側阻害部90は、例えば複数の板状の部材が所定の間隔で交互に配置されることにより、はき出し孔側開口部800とはき出し孔270との間において、少なくとも1つの折れ曲がり部を有する迷路状に形成されている。これにより、はき出し孔側開口部800を経由してはき出し孔270へ向かう水等の液体の流れを阻害可能である。
以上説明した第4実施形態は、部材の配置や構成等が第1実施形態と異なるものの、第1実施形態と実質的に同一の作用を発揮する部位により、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0072】
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、はき出し孔270は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、鉛直方向下側以外の方向に向かって開口するよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、はき出し孔側阻害部90を備えていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、はき出し孔遮蔽部80を備えていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、連通孔250は、流量制御弁10が車両1に搭載された状態において、水平方向以外の方向に向かって開口するよう形成されていてもよい。
【0073】
また、上述の第1実施形態では、連通孔側阻害部72が、連通孔遮蔽部62と一体に形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、連通孔側阻害部72は、連通孔遮蔽部62と一体に形成されていなくてもよい。すなわち、連通孔側阻害部72は、連通孔遮蔽部62と別体に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、連通孔側阻害部70を備えていなくてもよい。
【0074】
また、上述の第1実施形態では、パイプ部52が、連通孔遮蔽部62と一体に形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、パイプ部52は、連通孔遮蔽部62と一体に形成されていなくてもよい。すなわち、パイプ部52は、連通孔遮蔽部62と別体に形成されていてもよい。
また、上述の第1実施形態では、突出部81、82を備える例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、突出部81、82の少なくとも一方を備えないこととしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ハウジング20に、連通孔250は形成されていなくてもよい。この場合、連通孔遮蔽部60、連通孔側阻害部70は省略してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ハウジング20、パイプ部51、52、53は、樹脂に限らず、金属等により形成してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 車両、2 エンジン(内燃機関)、10 流量制御弁、20 ハウジング、200 流路、210 収容空間、270 はき出し孔、30 駆動部、41 弁体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12