特許第6790835号(P6790835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6790835ネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション方法と装置とプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6790835
(24)【登録日】2020年11月9日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】ネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション方法と装置とプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/455 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   G06F9/455 150
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-570730(P2016-570730)
(86)(22)【出願日】2016年1月22日
(86)【国際出願番号】JP2016051895
(87)【国際公開番号】WO2016117694
(87)【国際公開日】20160728
【審査請求日】2018年12月4日
(31)【優先権主張番号】特願2015-11810(P2015-11810)
(32)【優先日】2015年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】極樂寺 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大平 麻代
(72)【発明者】
【氏名】篠澤 博一
【審査官】 漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】 Network Functions Virtualisation (NFV); Management and Orchestration,ETSI GS NFV-MAN 001,フランス,ETSI,2014年12月,V1.1.1,pp.15,27,44-53,65,97,158-175,[検索日:2020.02.10],URL,https://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/NFV-MAN/001_099/001/01.01.01_60/gs_NFV-MAN001v010101p.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
VNF(Virtualized Network Function)ディスクリプタ(VNFD)において、VDU(Virtual Deployment Unit)の情報要素と同一階層に、VDUに接続する予め定められた少なくとも一つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、前記エントリには、その配下に、前記装置の装置名を含む定義要素を括り付けたVNFDを記憶部に記憶し、
前記記憶部から前記VNFDを入力し、関連するインスタンスを生成
前記VNFDにおける複数の前記VDUが前記VNFDにおける前記装置のエントリを指定し同一の装置名を使用するように設定された前記VNFDに基づき生成された、複数の前記VDUのインスタンス間で前記装置を共有可能とする、ことを特徴とするネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション方法。
【請求項2】
前記装置がストレージを含み、
前記ストレージを定義する情報要素として、
前記VNFDにおいて、前記VDUの情報要素と同一階層に、前記ストレージに関する定義を記述するストレージ定義エントリを備え、
前記ストレージ定義エントリは、その配下に、ストレージ名を少なくとも含む、要素タイプがリーフタイプのストレージ定義要素を有し、
前記VNFDにおける複数の前記VDUでは、使用するストレージとして、前記VNFDに定義された前記VDUの情報要素と同一階層の前記ストレージ定義エントリを指定し、前記VNFDにおける複数の前記VDU間で同一のストレージ名を用いることで、複数の前記VDUのインスタンス間で前記ストレージを共有可能とする、ことを特徴とする請求項1記載のネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション方法。
【請求項3】
前記VNFDにおける前記VDUの情報要素に含まれる複数のVNFC(Virtualized Network Functions Components)において使用するストレージとして、前記VNFDに定義された前記VDUの情報要素と同一階層の異なる前記ストレージ定義エントリをそれぞれ指定した前記VNFDに基づき生成された前記VDUのインスタンス内において、接続するストレージがそれぞれ異なる前記複数のVNFCを配備可能としてなる、ことを特徴とする請求項2記載のネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション方法。
【請求項4】
VNF(Virtualized Network Function)ディスクリプタ(VNFD)であって、VDU(Virtual Deployment Unit)の情報要素と同一階層に、VDUに接続する予め定められた少なくとも一つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、
前記エントリには、その配下に、前記装置の装置名を少なくとも含む定義要素を括り付けたVNFDを記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記VNFDを入力し、関連するインスタンスを生成する手段と、
を備え
前記VNFDにおける複数の前記VDUが前記VNFDにおける前記装置のエントリを指定し同一の装置名を使用するように設定された前記VNFDに基づき生成された、複数の前記VDUのインスタンス間で前記装置を共有可能としてなる、ことを特徴とするネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション装置。
【請求項5】
前記装置が、ストレージを含み、
前記ストレージを定義する情報要素として、
前記VNFDにおいて、前記VDUの情報要素と同一階層に、前記ストレージに関する定義を記述するストレージ定義エントリを備え、前記ストレージ定義エントリは、その配下に、ストレージ名を少なくとも含む要素タイプがリーフタイプのストレージ定義要素を有し、
前記VNFDにおける複数の前記VDUでは、使用するストレージとして、前記VNFDに定義された前記VDUの情報要素と同一階層の前記ストレージ定義エントリを指定し、前記VNFDにおける複数の前記VDU間で同一のストレージ名を用いることで、複数の前記VDUのインスタンス間で前記ストレージを共有可能とする、ことを特徴とする請求項記載のネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション装置。
【請求項6】
前記VNFDにおける前記VDUの情報要素に含まれる複数のVNFC(Virtualized Network Functions Components)において使用するストレージとして、前記VNFDに定義された前記VDUの情報要素と同一階層の異なる前記ストレージ定義エントリをそれぞれ指定した前記VNFDに基づき生成された前記VDUのインスタンスにおいて、接続するストレージがそれぞれ異なる前記複数のVNFCを配備可能としてなる、ことを特徴とする請求項記載のネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション装置。
【請求項7】
VNF(Virtualized Network Function)ディスクリプタ(VNFD)であって、VDU(Virtual Deployment Unit)の情報要素と同一階層に、VDUに接続する予め定められた少なくとも一つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、
前記エントリには、その配下に、前記装置の装置名を少なくとも含む定義要素を括り付けたVNFDを格納した記憶部から、前記VNFDを入力し、関連するインスタンスを生成し、
前記VNFDにおける複数の前記VDUが前記VNFDにおける前記装置のエントリを指定し同一の装置名を使用するように設定された前記VNFDに基づき生成された、複数の前記VDUのインスタンス間で前記装置を共有可能としてなる処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
前記装置が、ストレージを含み、
前記ストレージを定義する情報要素として、
前記VNFDにおいて、前記VDUの情報要素と同一階層に、前記ストレージに関する定義を記述するストレージ定義エントリを備え、前記ストレージ定義エントリは、その配下に、ストレージ名を少なくとも含む、要素タイプがリーフタイプのストレージ定義要素を有し、
前記VNFDにおける複数の前記VDUでは、使用するストレージとして、前記VNFDに定義された前記VDUの情報要素と同一階層の前記ストレージ定義エントリを指定し、前記VNFDにおける複数の前記VDU間で同一のストレージ名を用いることで、複数の前記VDUのインスタンス間で前記ストレージを共有可能とする処理を前記コンピュータに実行させる請求項記載のプログラム。
【請求項9】
前記VNFDにおける前記VDUの情報要素に含まれる複数のVNFC(Virtualized Network Functions Components)において使用するストレージとして、前記VNFDに定義された前記VDUの情報要素と同一階層の異なる前記ストレージ定義エントリをそれぞれ指定した前記VNFDに基づき生成された前記VDUのインスタンスにおいて、接続するストレージがそれぞれ異なる前記複数のVNFCを配備可能としてなる、請求項記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願についての記載)
本発明は、日本国特許出願:特願2015−011810号(2015年1月23日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明はネットワーク管理およびオーケストレーション技術に関し、特にネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization)の管理およびオーケストレーションに適用して好適な方法と装置とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ上のハイパーバイザ(HyperVisor)等の仮想化レイヤ(Virtualization Layer)上に実装した仮想マシン(VM:Virtual Machine)により、該サーバのハードウェア資源(コンピューティング、ストレージやネットワーク機能等)を仮想化する仮想化技術を用いて、ネットワーク機器等をソフトウェア的に実現するNFV(Network Functions Virtualization)等が知られている。NFVは、例えば、MANO(Management & Orchestration)アーキテクチャに基づき実現される。図1は、非特許文献1の第23頁のFigure 5.1(The NFV-MANO architectural framework with reference points)から引用した図である。
【0003】
図1を参照すると、VNF(Virtualized Network Function)は、サーバ上の仮想マシン(VM)で動作するアプリケーション等に対応し、ネットワーク機能をソフトウェア的に実現する。VNFとして、例えばLTE(Long Term Evolution)ネットワークのコア網であるEPC(Evolved Packet Core)におけるMME(Mobility Management Entity)やS−GW(Serving Gateway)、P−GW(PDN Gateway)等をソフトウェア(仮想マシン)で実現するようにしてもよい。図1の例では、例えばVNFごとにEM(Element Manager:要素管理)という管理機能が設けられる。
【0004】
VNFの実行基盤をなすNFVI(Network Function Virtualization Infrastructure)は、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク機能等、物理マシン(サーバ)のハードウェア資源をハイパーバイザ等の仮想化レイヤで仮想化した仮想化コンピューティング、仮想化ストレージ、仮想化ネットワーク等の仮想化ハードウェア資源として柔軟に扱えるようにした基盤である。
【0005】
NFV MANO(Management & Orchestration)は、NFV-Orchestrator(NFVO)、VNF-manager(VNFM)、Virtualized Infrastructure Manager(VIM)を備えている。
【0006】
NFV-Orchestrator(NFVO)は、NFVIリソースのオーケストレーション、及びNS(Network Service)のライフサイクル管理(NSインスタンスのInstantiation、Scaling、Termination、Update等)を行う。また、NSカタログ(NSD/VLD/VNFFGD)、及びVNFカタログ(VNFD/VMイメージ/マニフェストファイル等)の管理を行い、NFVインスタンスのリポジトリ、NFVIリソースのリポジトリを持つ。
【0007】
VNF-Manager(VNFM)は、VNFのライフサイクル管理(instantiation、update、query、scaling、termination等)およびイベント通知を行う。
【0008】
Virtualized Infrastructure Manager(VIM)は、仮想化レイヤを介して、NFVIを制御する(コンピューティング、ストーレッジ、ネットワークのリソース管理、NFVの実行基盤であるNFVIの障害監視、リソース情報の監視等)。
【0009】
OSS(Operations Support Systems)は、例えば通信事業者(キャリア)がサービスを構築し、運営していくために必要なシステム(機器やソフトウェア、仕組みなど)を総称したものである。BSS(Business Support systems)は、例えば通信事業者(キャリア)が利用料などの課金、請求、顧客対応などのために使う情報システム(機器やソフトウェア、仕組みなど)の総称である。
【0010】
NSカタログ(NS catalog:図1のNS Catalogue)は、ネットワークサービス(NS)のリポジトリを表している。NSカタログ(NS catalog)は、ネットワークサービス(NS)デプロイメントテンプレート(Network Service Descriptor(NSD)、Virtual Link Descriptor(VLD)、VNF Forwarding Graph Descriptor(VNFFGD))の生成と管理の支援を行う。
【0011】
VNFカタログ(VNF catalog:図1のVNF Catalogue)は、VNFパッケージのリポジトリを表している。VNFカタログは、VNF Descriptor(VNFD)、ソフトウェアイメージ、マニフェストファイル等のVNFパッケージの生成と管理の支援を行う。
【0012】
NFVインスタンスリポジトリ(NFV instance Repository:図1のNFV Instances)は、全VNF、全ネットワークサービス(NS)のインスタンス情報を保持する。VNFインスタンス、NSインスタンスはそれぞれVNF、NSレコードに記述される。これらのレコードは各インスタンスのライフサイクルで、VNFライフサイクル管理操作、NSライフサイクル管理操作の実行結果を反映するように更新される。
【0013】
NFVIリソースリポジトリ(NFVI Resources Repository:図1のNFVI Resources)は、オペレータのinfrastructure domain を超えてVIMにより抽出された、利用可能な(available)/予約された(reserved)/割り付けられた(allocated)リソースの情報を保持する。
【0014】
図1において、参照ポイントOs−Nfvoは、OSS(Operation Service Systems)/BSS(Business Service Systems)とNFVO間の参照ポイントであり、ネットワークサービスのライフサイクル管理要求、VNFライフサイクル管理要求、NFV関連の状態情報の転送、ポリシ管理情報の交換等に用いられる。
【0015】
参照ポイントVnfm−Viは、VNFMからのリソース割り当て要求、仮想化リソースの構成と状態情報の交換に用いられる。
【0016】
参照ポイントVe−Vnfm−emは、EMと、VNFM間でVNFインスタンシエーション、VNFインスタンス検索、更新、終了、スケールアウト/イン、スケールアップ/ダウン、EMからVNFMへの構成、イベントの転送、VNFMからVNFへのVNFの構成、イベントの通知等に用いられる。
【0017】
参照ポイントVe−Vnfm−Vnfは、VNFと、VNFM間でVNFインスタンシエーション、VNFインスタンス検索、更新、終了、スケールアウト/イン、スケールアップ/ダウン、VNFからVNFMへの構成、イベントの転送、VNFMからVNFへのVNFの構成、イベントの通知等に用いられる。
【0018】
参照ポイントNf−Viは、コンピューティング/ストレージ資源の指示とともにVMの割り付け、VMリソース割り当ての更新、VMマイグレーション、VM終了、VM間の接続の生成・削除等、リソース割り当て要求に対する仮想化リソースの割り付け、仮想化リソースの状態情報の転送、ハードウェア資源の構成と状態の情報の交換等に用いられる。
【0019】
参照ポイントVn−NfはNFVIによってVNFに提供される実行環境を表している。
【0020】
参照ポイントNfvo−Vnfmは、VNF−manager(VNFM)によるリソース関連要求(認証、予約(reservation)、割り当て等)、VNFMへの構成情報の転送、VNFの状態情報の収集に用いられる。
【0021】
参照ポイントNfvo−ViはNFVOからのリソース予約、割り当て要求と仮想化リソースの構成と状態情報の交換に用いられる(詳細は非特許文献1参照)。
【0022】
図2は、非特許文献1の第40頁のFigure6.2 (Information elements in different context)を引用したものである。インスタンシエーション入力パラメータが入力される。
【0023】
図2において、ネットワークサービスディスクリプタ(Network Service Descriptor:NSD)は、ネットワークサービス(NS)の一部をなす部品を記述する他のディスクリプタを参照するネットワークサービスデプロイメントテンプレートである。
【0024】
VNFディスクリプタ(VNF Descriptor:VNFD)は、デプロイメントとオペレーション上の挙動の要求の観点からVNFを記述するデプロイメントテンプレートである。
【0025】
VNFDは、VNFのインスタンシエーション(instantiation:インスタンス化)とVNFインスタンスのライフサイクル管理においてVNFMにより主に用いられる。VNFDは、NFVOによって、ネットワークサービス、NFVI上の仮想化リソースの管理とオーケストレーション(コンピュータシステム/ミドルウェア/サービスの配備/設定/管理の自動化)に用いられる。NFVI内のVNFCインスタンス、又は、VNFインスタンスと、他のネットワーク機能への端点間の仮想リンク構築のために、NFVOで利用されるコネクティビティ・インターフェース・KPI(Key Performance Indicators)要件を含む。
【0026】
VNF Forwarding Graph Descriptor(VNFFGD)は、ネットワークサービスのトポロジ、あるいは一部を、VNF、PNF、それらを接続するVirtual Linkを参照することで、記述したデプロイメントテンプレートである。
【0027】
仮想リンクディスクリプタ(Virtual Link Descriptor:VLD)は、NFVIで利用可能なVNF間、PNF間、NSの端点(endpoints)間のリンクに必要なリソース要求を記述したデプロイメントテンプレートである。
【0028】
物理ネットワークファンクションディスクリプタ(Physical Network Function Descriptor:PNFD)は、アタッチした物理ネットワーク機能への、仮想リンクのコネクティビティ(接続性)、インターフェース、KPI要件を記述する。NSに物理デバイスが組み入れられるときに必要とされ、ネットワーク増設を容易にする。
【0029】
NSD、VNFFGD、VLDは、NSカタログ(図2のNetwork Service Catalogue)に含まれ、VNFDは、VNFパッケージとして、VNFカタログ(図2のVNF Catalogue)に含まれる。
【0030】
OSS/BSSやVNFMからNFVOに対してNS、またはVNFのインスタンシエーション操作が行われる。インスタンシエーション操作の結果、新たに生成されたインスタンスを表すレコードが生成される。例えば、各ディスクリプタで与えられる情報、コンポーネントインスタンスに関連した追加のランタイム情報をもとに生成される各レコードは、ネットワークサービス(NS)のインスタンス状態をモデル化するためのデータを提供する。
【0031】
生成されるインスタンスレコード(NFV Instances)の種類として、例えば、
・Network Service Record (NSR)、
・VNFFG Record (VNFFGR)、
・Virtual Link Record (VLR)、
・VNF(Virtualized Network Function) Record (VNFR)、
・PNF(Physical Network Function) Record (PNFR)
がある。
【0032】
NSR、VNFR、VNFFGR、VVLR情報要素はNS、VNF、VNFFG、VLのインスタンスの状態のモデル化に必要なデータアイテム集合を提供する。
【0033】
PNFレコードはNSの部分をなし前から存在するPNFに関連したインスタンスを表し、PNF情報のランタイム属性(NFVOへのコネクティビティ)を含む。なお、以下の表1、2にNFVの各要素の概要を一覧でまとめる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0036】
【非特許文献1】ETSI GS NFV-MAN 001 V1.1.1 (2014-12) Network Functions Virtualisation (NFV); Management and Orchestration (2015年1月19日検索)<http://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/NFV-MAN/001_099/001/01.01.01_60/gs_NFV-MAN001v010101p.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
以下に、本発明者による分析を与える。
【0038】
VNFとVNFC(VNF Components)とVDU(Virtualization Deployment Unit)の関係の一例について、図3を参照して説明する。図3には、S−GW(Serving gateway)を仮想化したVNFにおいて、各論理インターフェース毎にVNFCを設定した例が模式的に例示されている。VDUは、VNFの一部又は全体のデプロイメントとオペレーション挙動の記述をサポートする情報モデルで用いられる構成体である。なお、VNFの実行基盤を提供するVNFIは、ハイパーバイザ等の仮想化レイヤ上で仮想化された仮想コンピューティング、仮想ストレージ、仮想ネットワークからなる。仮想化レイヤ上の仮想マシン(仮想CPU(Central Processing Unit)、仮想メモリ、仮想ストレージ、ゲストOS(Operating System))を備え、ゲストOS上でアプリケーションが実行される。仮想化レイヤの下のCompute、Storage、Networkは、CPU、ストレージ、ネットワーク・インターフェースコントローラ(Network Interface Controller:NIC)等のハードウェア資源を模式的に表している。Vn−NfはNFVIによってVNFに提供される実行環境を表している。
【0039】
図3において、SGWをVNFとした場合において、各論理インターフェース毎にVNFCを設定し、C−Plane(Control Plane)に関する論理インターフェースS11、Gx、S5/S8−Cをまとめて一つのVDU(VM)として定義し、U−Planeに関する論理インターフェースS1U、S5/S8−U、S12をまとめて一つのVDU(VM)として定義している。S5/S8−CにおけるCはコントロールプレーン(Control Plane)を表している。S1U、S5/S8−UにおけるUはユーザプレーン(User-Plane)を表している。
【0040】
なお、S11は、EPCにおいて、MMEとSGWの間のコントロールプレーン・インターフェース、S5/S8はSGWとPGWの間のユーザプレーン・インターフェース、S1Uは、eNodeB(evolved NodeB)とコアネットワークの間のインターフェース、GxはPGWとPCRF(Policy and Charging Rules Function)の間のインターフェース、S11は、MMEとS−GW間のインターフェース、S12はUTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)とS−GW間のインターフェースである。
【0041】
図4は、各ディスクリプタの論理関係を示す図である(非特許文献1のFig.6.4から引用)。図4には、内部仮想リンク(internal Virtual Link)と外部仮想リンク(external Virtual Link)の関係が示されている。また図4には、ネットワークサービス(NS)におけるVNFとVNFCとVL(Virtual Link)との接続点(Connection Points)の関係が示されている。
【0042】
図5は、NFV−MANOの標準仕様に関する非特許文献1のVNFディスクリプタ(VNFD)の構造(階層構造、木構造)を模式的に示す図である(非特許文献1参照)。図6は、非特許文献1の第44頁の6.3.1.1(vnfd base information elements)を引用した図であり、VNFをデプロイメントと操作挙動(operational behavior)要件の観点から記述するデプロイメントテンプレートであるVNFディスクリプタ(VNFD)の基本情報要素を示す図である。
【0043】
なお、図6等において、タイプが、リーフ(Leaf)のエントリ(要素)は、木構造(階層構造)のテンプレートにおける、葉(末端ノード)を表しており、他の要素をまったく含まない要素を表している。リーフ要素は、一般に空要素かテキストである。Element(Element Tree)は、子ノード(IDを有する)を有する。
【0044】
テンプレートのルート(根)要素であるVNFDには、VNFの要件・制約条件を定義する情報として、
VDU(Virtual Deployment Unit)、
仮想リンク(Virtual Link)(0…N)、
接続点(Connection Points) (1…N)、
デプロイメントフレーバ(Deployment Flavor)(1…N)
等が同一階層で規定される。ただし、Nは1以上の整数である。
【0045】
VDU(Virtual Deployment Unit)は、VNFの一部又は全体のデプロイメントとオペレーション挙動の記述をサポートする情報モデルで用いられる構成体である。図7(A)は、テーブル形式で定義されるVDUの基本要素(vdu base elements)を示す図である(非特許文献1の6.3.1.2.1)。各VDUは、VNFを構成するVDUの要件・制約条件を定義する情報として、VNFCを子ノードとして備えている。各VNFCの情報要素は図7(B)に示される(非特許文献1の6.3.1.2.1.1参照)。VNFCは、接続点(Connection point)をリーフ要素として備える。Connection pointの情報要素は図7(C)に示される(非特許文献1の6.3.1.2.1.2参照)。
【0046】
また、各VDUには、各VDUが使用する各種リソース要件・制約条件(例えばCPU、仮想スイッチ、セキュリティ、ハイパーバイザ、PCIe(ピーシーアイエクスプレス)、信頼性と可用性(reliability and availability)、ストレージ(図8(A)参照:非特許文献1の6.3.1.2.10参照)、ネットワークインターフェース等のVDU情報)が規定される。なお、本明細書では、ストレージの情報要素のみ例示するが、CPU、仮想スイッチ、セキュリティ、ハイパーバイザ、PCIe(ピーシーアイエクスプレス)、信頼性と可用性等に関連するVDU情報要素に関しては非特許文献1が適宜参照される。
【0047】
図5のVNFディスクリプタ(VNFD)における仮想リンク(Virtual Link)、接続点(Connection Points)、デプロイメントフレーバ(Deployment Flavor)、Constituent VDUのテンプレートを、それぞれ図8(B)、図8(C)、図9(A)、図9(B)に示す。仮想リンク(Virtual Link)は非特許文献1の6.3.1.3、接続点(Connection Points)は非特許文献1の6.3.1.4、デプロイメントフレーバ(Deployment Flavor)は非特許文献1の6.3.1.5、Constituent VDUは、非特許文献1の6.3.1.5.1が参照される。
【0048】
ストレージのテンプレート(ディスクリプタ)は、図8(A)に示すように、リーフ要素として、ストレージの要件(storage requirement)、rdma(Remote Direct Memory Access)-support-bandwidth等がある。
【0049】
信頼性・可用性が求められるNFVにおけるアプリケーション(VNF)は、ホットスタンバイ方式の二重化構成やN重化、N+1冗長等の構成が用いられる。
【0050】
アクティブ系とスタンバイ系を備えた二重化システムやN+1構成等の冗長構成では、例えば各VDUで、ストレージ(Storage)を共有する場合がある。
【0051】
しかしながら、非特許文献1等のNFV標準仕様のVNFディスクリプタ(VNFD)では、VDUが使用するストレージ(Storage)の情報(図8(A))は、図5に示すように、参照(reference)ElementであるVDUに接続するストレージ情報(vdu information (storage))として記載される。図5のデータ構造において、あるVDUの情報要素に、他のVDU(Element)に接続するストレージの情報等を関連付ける(括り付ける)ためのパス等の手立てがない。このため、非特許文献1等のNFV標準仕様のVNFDでは、VDU間でストレージ(Storage)を共有することができない、という問題がある(本発明者らによる知見)。
【0052】
したがって、本発明は、上記問題点を解消するために創案されたものであって、その目的は、VDU間で、例えばストレージ(Storage)装置等のリソースを共有可能とするVNFディスクリプタ(VNFD)を提供するネットワーク機能仮想化管理およびオーケストレーション方法と装置、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0053】
本発明の1つの側面(aspect)によれば、仮想ネットワーク機能(VNF:Virtualized Network Function)ディスクリプタ(VNFD)において、仮想デプロイメントユニット(VDU:Virtual Deployment Unit)の情報要素と同一階層に、VDUに接続する予め定められた少なくとも一つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、前記エントリには、その配下に、前記装置の装置名を含む定義要素を括り付けたVNFDを記憶部に記憶し、前記記憶部から前記VNFDを入力し、関連するインスタンスを生成する方法が提供される。
【0054】
本発明の他の側面によれば、VNF(Virtualized Network Function)ディスクリプタ(VNFD)であって、VDU(Virtual Deployment Unit)の情報要素と同一階層に、VNF(Virtualized Network Functions)の実行基盤(Infrastructure)を与える予め定められた少なくとも一つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、前記エントリには、その配下に、前記装置の装置名を少なくとも含む定義要素を括り付けたVNFDを記憶する記憶部と、前記記憶部から前記VNFDを入力し、関連するインスタンスを生成する手段を備えた装置が提供される。
【0055】
本発明のさらに別の側面によれば、VNF(Virtualized Network Function)ディスクリプタ(VNFD)であって、VDU(Virtual Deployment Unit)の情報要素と同一階層に、VDUに接続する予め定められた少なくとも一つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、前記エントリには、その配下に、前記装置の装置名を少なくとも含む定義要素を括り付けたVNFDを記憶部から入力し、関連するインスタンスを生成する処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。本発明によれば、該コンピュータプログラムを記録した磁気ディスク、半導体メモリ等(non-transitory computer readable recording medium)が提供される。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、VDU間で、ストレージ(Storage)等のリソースを共有可能とするVNFディスクリプタ(VNFD)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】NFVアーキテクチャのNFV−MAN0を説明する図である(非特許文献1のFig.5.1を引用)。
図2】非特許文献1によるテンプレートとインスタンスレコードを説明する図である(非特許文献1のFig.6.2を引用)。
図3】VNFとVNFCとVDUの関係を説明する図である。
図4】ディスクリプタの論理関係を模式的に示す図である(非特許文献1のFig.6.4を引用)。
図5】VNFディスクリプタ(vnfd)の構成を模式的に示す図である。
図6】VNFディスクリプタ(vnfd)のテーブルの情報要素を説明する図である(非特許文献1の6.3.1.1を引用)。
図7】(A)はVDU、(B)はVNFC、(C)Connection pointの情報要素を説明する図である(非特許文献1の6.3.1.2.1、6.3.1.2.1.1、6.3.1.2.1.2を引用)。
図8】(A)はストレージに関するVDUの情報要素、(B)はVNF internal Virtual Link、(C)Connection pointの情報要素を説明する図である(非特許文献1の6.3.1.2.10を引用)。
図9】(A)はデプロイメントフレーバ(Deployment Flavor)の情報要素、(B)はConstituent VDUの情報要素を説明する図である(非特許文献1の6.3.1.5、6.3.1.5.1を引用)。
図10図6による比較例を説明する図である。
図11】(A)実施形態のVNFディスクリプタ(vnfd)の情報要素、(B)は実施形態におけるストレージの定義を示す図である。
図12】実施形態のVMに接続するストレージに関する情報要素を示す図である。
図13】実施形態におけるVNFディスクリプタ(vnfd)の構成を模式的に示す図である。
図14】実施形態の一例を説明する図である。
図15】実施形態のディスクリプタを処理するNFV-MANO装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明のいくつかの例示的な実施形態の1つによれば、VNF(Virtualized Network Function)をデプロイメントと操作挙動(operational behavior)要件(Requirements)の観点から記述するデプロイメントテンプレートであるVNFディスクリプタ(VNFD)は、例えば、VNFDのID、VDUの情報要素と同一の階層(ルート直下)に、ストレージ等、VNFの実行環境を与える少なくとも1つの装置に関する定義を記述するエントリを設け、前記エントリには、情報要素(前記装置の装置名を少なくとも含む定義要素)を括り付ける。例えばNFV−MANO(図2参照)は、このVNFDを入力し、関連するインスタンスを生成する。
【0059】
例示的な実施形態の1つによれば、ストレージを定義する情報要素として、VNFディスクリプタ(VNFD)に、VDUの情報要素と同一階層に、前記ストレージに関する定義を記述するストレージ定義エントリを備えている。前記ストレージ定義エントリ(Storage Definition)は、その配下に、ストレージ名を少なくとも含む、要素タイプがリーフタイプのストレージ定義要素(Storage Definition Element)を有する。VDUでは、該VDUが使用するストーレッジリソースとして、前記VNFDに定義されたVDUの情報要素と同一階層の前記ストレージ定義エントリを指定し、VDU間で同一のストレージ名を用いることで、VDU間で同一ストレージを共有可能としている。すなわち、例示的な実施形態の1つによれば、VNFディスクリプタ(VNFD)に基づき生成されたインスタンス(VM)では、異なるVDUの間で同一ストレージを共有することを可能としている。
【0060】
ここで、上記本発明の前提となる、前述した本発明の課題についてさらに分析する。非特許文献1等に規定された標準仕様のVNFディスクリプタ(VNFD)の構造では、図5図7(A)を参照して説明したように、VDUディスクリプタ(VNFD)内にストレージの特性(サイズ等のストレージ特性要件)を指定することでVNFは適切なプラットフォーム上でデプロイすることができる。しかしながらが、VDUディスクリプタ内にストレージの情報を記述しているため(すなわち、ストレージ定義情報要素がVDUディスクリプタに括りつけられている)、VDU間でストレージ(Storage)を共有することができない。この点について、図10に示す比較例を参照して説明する。
【0061】
図10を参照すると、VDU1では、VNFC1−1とVNFC1−2がストレージ(Storage)1をアクセスする。
【0062】
VDU2では、VNFCはストレージ(Storage)2をVDU単位でアクセスする。VDU2のVNFCは、ストレージ1をアクセスすることはできない。VNFC3−1とVNFC3−2はストレージ2をアクセスしているが、VNFC2−1とVNFC2−2と、VNFC2−3はストレージ(Storage)1をアクセスすることはできない(ストレージ2にのみアクセスできる)。これは、ストレージに関するVDUの情報要素が、VDU単位に、リーフ(Leaf)として、規定されているためである。VNFディスクリプタを入力するNFV−MANOでは、異なったVDUでは異なったインスタンス(ストレージ)を生成する。したがって、図10に示すように、同一VDU内のVNFCは同一ストレージをアクセスする。
【0063】
この種の問題を解決するため、本実施形態では、VNFディスクリプタ(VNFD)の構成を以下のようなものとしている。図11は、本実施形態を説明する図である。図11(A)は、前述した図6の「VNFD base information elements」に対応している。なお、図11(A)は、図6の一部を図示している。
【0064】
図11(A)に示すように、VNFディスクリプタ(VNFD)において、識別子(ID(identifier))、ベンダ(Vendor)、バージョン(Version)、VDUと同一階層に、ストレージに関する定義を記述する情報要素であるストレージ定義(Storage Definition)を設ける。このストレージ定義(Element Type)は、ストレージ名を少なくとも含みリーフ要素であるストレージ定義要素(Storage Definition Element)(図11(B))を子ノードとして持つ。ストレージ定義要素(Storage Definition Element)は、ストレージ名(Storage Name)、タイプ(Type)、サイズ(Size)の情報要素(リーフ要素)を有する。
【0065】
図13は、本実施形態のVNFディスクリプタの構造を説明する図であり、前述した図5に対応する(図2のVNFDに対応する)。図13を参照すると、VNFディスクリプタ(VNFD)において、vdu、Virtual Link、Connection Point、Deployment Flavor等の情報要素と同じ階層にエントリされたストレージ定義の情報要素(1乃至NのStorage Definition要素)を含む。VNFディスクリプタ(vnfd)に追加されたストレージ定義のエントリ(情報要素)のタイプはElementであり、ストレージ定義要素(Storage Definition Element)を子ノードとして持つ。
【0066】
本実施形態において、VDUでは、VNFDディスクリプタで定義したストレージ定義(Storage Definition)を指定する。
【0067】
VDUでは、VNFDで定義したストレージ情報を用いることで、複数のVDU(1:N)間で同一ストレージを共有可能としている。
【0068】
図12は、仮想マシン(VM)がストレージ情報要素を説明する図である。図12の情報要素はVNFCが接続するストレージの定義情報として参照され、VNFCは接続するストレージをストレージ名で指定することができる構成とされている。
【0069】
例えば図14に示すように、本実施形態によれば、例えばVDU2において、VNFC2−1、VNFC2−2、VNFC2−3がそれぞれ接続するストレージ定義を、ストレージ1のストレージ名(Storage1)とすることで、VDU2におけるVNFC2−1、VNFC2−2、VNFC2−3は、VDU1におけるVNFC1−1、VNFC1−2が接続するストレージ1に接続することができる。同様にして、VDU2におけるVNFC3−1、VNFC3−2も、VDU1におけるVNFC1−1、VNFC1−2が接続するストレージ1に接続することができる(逆も同様である)。
【0070】
なお、VDU2におけるVNFCは、デフォルトでVDD内のストレージに接続するインスタンスが生成され、図11図13を参照して説明したストレージ定義(Storage Definition)がVNFディスクリプタに組み込まれており、VNFCによるストレージ名の情報要素(図12)が定義されている場合に、異なるVDDの(VDD間に跨る)ストレージに接続するインスタンスを生成する構成としてもよいことは勿論である。
【0071】
図15は、図11図13を参照して説明した本実施形態のVNFディスクリプタ(vnfd)を記憶部から読み込み、NFVインスタンスを生成する処理を実行するNFV−MANO(図2)を説明する図である。当該処理は、NFV−MANOのNFVO又はVNFM等にプログラムとして実装するようにしてもよい。この場合、NFV−MANOのNFVO又はVNFM等を構成する不図示のプロセッサ(CPU(Central Processing Unit))は、半導体メモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等に記憶されるプログラムを主メモリに読み込み、実行することで、記憶部からのVNFディスクリプタ(vnfd)の読み込み処理、NFVインスタンス生成処理を実現する。
【0072】
図15を参照すると、NFV−MANO100は、ディスクリプタ記憶部111から、図11等を参照して説明した本実施形態によるディスクリプタ(vnfd)を入力するディスクリプタ入力部101と、インスタンシエーションインプットパラメータを入力するインスタンシエーションインプットパラメータ入力部102、インスタンシエーション操作を実行するインスタンシエーション実行部103、インスタンスレコードを出力するインスタンスレコード出力部104を備えている。インスタンスレコード・データはインスタンスレコード記憶部112に記憶される。
【0073】
例えばOSS/BSSやVNFMからNFVOに対してNS、またはVNFのインスタンシエーション操作を実行する。インスタンシエーションインプットパラメータは、例えばネットワークサービスNS又はVNFを特定のインスタンシエーションへのカストマイズのために用いられる。インスタンシエーションインプットパラメータは,使用するデプロイメントフレーバ(Deployment Flavor)を識別する情報と、インスタンシエーション操作で組み込まれるVNF・PNFを参照する。インスタンシエーション実行部103では、新たに生成されたインスタンスを表すレコード(NSR、VNFR、VLR、VNFFGR等)が生成される。例えば、各ディスクリプタで与えられる情報、コンポーネントインスタンスに関連した追加のランタイム情報をもとに生成される各レコードは、ネットワークサービス(NS)、VNF、VNFFG、又はVL(Virtual Link)のインスタンス状態のモデル化に必要なデータ集合を提供する。
【0074】
上記実施形態では、VDUでは、VNFDで定義したストレージ情報を用いることで、複数のVDU間で同一ストレージを共有可能としているが、ストレージに限定されるものでなく、VNFの実行基盤となるハードウェア装置のうち(例えばネットワーク装置等)、VDU単位で定義されている他の機器に関しても、同様なディスクリプタ構成とすることで、VDU間で共有可能となる。
【0075】
なお、上記の非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0076】
1−1〜1−2,2−1〜2−3、3−1〜3−2 VNFC
100 NFV−MAN0
101 ディスクリプタ入力部
102 インスタンシエーションインプットパラメータ入力部
103 インスタンシエーション実行部
104 インスタンスレコード出力部
111 ディスクリプタ記憶部
112 インスタンスレコード記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15