(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のコネクタは、前記本体部と前記3つのフード部とを区画する3つの隔壁部には、前記タブを位置決めする位置決め孔が形成されていてもよい。この構成によれば、1つの端子金具を、3つの位置決め孔によって安定して位置決めすることができる。
【0010】
本発明のコネクタは、前記ハウジングが、前記本体部を構成する収容部と1つの前記フード部とを一体化した複数の分割体を合体した形態であってもよい。この構成によれば、複数の収容部を合体することにより、端子基部を本体部内に収容することが可能である。
【0011】
本発明のコネクタは、上面に複数の保持溝が形成され且つ上下に貫通する複数の貫通孔が形成された仮保持部材を備えており、前記3本のタブは、前記端子基部から前方と後方と下方へ延出しており、前記端子基部を前記保持溝に取り付けるとともに、下方へ延出した前記タブを前記貫通孔に貫通させた状態で、複数の前記端子金具が前記仮保持部材に取り付けられていてもよい。この構成によれば、1つの仮保持部材によって複数の端子金具を位置決めして仮保持しておくことができる。
【0012】
本発明のコネクタは、複数の前記仮保持部材は、上下に積層した状態に組付け可能であってもよい。この構成によれば、前方へ延出したタブ同士を上下に並べて配置することができるとともに、後方へ延出したタブ同士を上下に並べて配置することができる。
【0013】
本発明のコネクタは、前記複数の仮保持部材は、全て同一の形状であって、積層状態で互いに前後方向に位置ずれした位置関係となるように嵌合する嵌合部を有していてもよい。この構成によれば、下方へ延出した複数のタブ同士を、互いに干渉させることなく前後に並ぶように配置することができる。
【0014】
本発明のコネクタは、前記下方へ延出したタブの前記端子基部からの延出寸法は、下段側の前記仮保持部材に取り付けた前記端子金具よりも、上段側の前記仮保持部材に取り付けた前記端子金具の方が長く設定されていてもよい。この構成によれば、下方へ延出したタブの下端の高さを揃えることができる。
【0015】
本発明のコネクタは、前方へ延出した前記タブの前記端子基部からの延出寸法は、前側の前記仮保持部材に取り付けた前記端子金具よりも、後側の前記仮保持部材に取り付けた前記端子金具の方が長く設定されていてもよい。この構成によれば、前方へ延出したタブの延出端の位置を揃えることができる。
【0016】
本発明のコネクタは、後方へ延出した前記タブの前記端子基部からの延出寸法は、後側の前記仮保持部材に取り付けた前記端子金具よりも、前側の前記仮保持部材に取り付けた前記端子金具の方が長く設定されていてもよい。この構成によれば、後方へ延出したタブの延出端の位置を揃えることができる。
【0017】
本発明のコネクタは、1つの前記ハウジングに複数の前記端子金具が取り付けられており、前記ハウジングには、前記タブに接触することで前記複数の端子金具同士を短絡させる短絡部材が設けられていてもよい。この構成によれば、端子金具同士を短絡させることができる。
【0018】
本発明のコネクタは、前記短絡部材が、前記タブを接触状態で貫通させる導通孔と、前記タブを非接触状態で貫通させる非接触孔とを備えていてもよい。この構成によれば、導通孔と非接触孔の配置を適宜に設定することで、所望の端子金具を短絡させることができる。
【0019】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を
図1〜
図19を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、
図3〜5における右方を前方と定義する。上下の方向については、
図1,2,4,6〜19にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
【0020】
本実施例1のコネクタAは、例えば自動車のボディのピラーの内部のような狭く屈曲した空間内に
ワイヤーハーネス60を配索する場合に用いられるものであり、
ワイヤーハーネス60を構成する複数の
導電路61F,61D,61Rを中継して分岐させる機能を有する。コネクタAは、合成樹脂製のハウジング10と、ハウジング10内に設けた1つの端子モジュール30と、ハウジング10内に設けた3つの短絡モジュール40とを備えている。
【0021】
<ハウジング10>
ハウジング10は、内部が収容空間となっている箱形の本体部11と、本体部11から角筒状の前向きフード部12F(請求項に記載のフード部)と角筒状後向きフード部12R(請求項に記載のフード部)と角筒状の下向きフード部12D(請求項に記載のフード部)とを突出させた形態であり、ハウジング10の側面視形状は概ねT字形をなしている。ハウジング10の平面に形状は前後方向に長い長方形である。
図7に示すように、ハウジング10は、前側分割体13F(請求項に記載の分割体)と、後側分割体13R(請求項に記載の分割体)と、下側分割体13D(請求項に記載の分割体)とを合体して構成されている。
【0022】
前側分割体13Fは、前向きフード部12Fの後端から後方へ延出した角筒状の前側収容部14Fと、前向きフード部12Fの後端と前側収容部14Fの前端を区画する隔壁部15とを備えた単一部品である。後側分割体13Rは、後向きフード部12Rの前端から前方へ延出した角筒状の後側収容部14Rと、後向きフード部12Rの前端と後側収容部14Rの後端を区画する隔壁部15とを備えた単一部品である。
【0023】
下側分割体13Dは、下向きフード部12Dの上端から下方へ延出した角筒状の下側収容部14Dと、下向きフード部12Dの上端と下側収容部14Dの下端を区画する隔壁部15とを備えた単一部品である。前側分割体13Fと後側分割体13Rの隔壁部15には前後方向に貫通する複数の位置決め孔16が形成され、下側分割体13Dの隔壁部15には上下方向に貫通する複数の位置決め孔16が形成されている。
【0024】
図1に示すように、前側分割体13Fと後側分割体13Rは、前側分割体13Fの上面後端縁に形成したロックアーム17とロック孔18を、夫々、後側分割体13Rの上面前端縁に形成したロック孔18とロックアーム17に係止することで、前後に隣接して合体した状態に保持されている。前側分割体13Fの後面の開口縁部に形成した左右一対の連結リブ19と、後側分割体13Rの前面の開口縁部に形成した左右一対の連結リブ19とが、前後に合体した状態となっている。
【0025】
下側分割体13Dには、その上面の開口縁における左右両端部から上方へ突出した一対の溝形アーム部20が形成されている。前後両分割体13F,13Rに対して下側分割体13Dを下から組み付けると、左右の連結リブ19が左右の溝形アーム部20内に嵌合し、
図7に示すように、連結リブ19のロック突起21が溝形アーム部20のロック受け部22に係止することで、3つの分割体13F,13D,13Rが合体状態にロックされる。3つの分割体13F,13D,13Rが合体した状態では、前側収容部14Fと後側収容部14Rと下側収容部14Dとによって本体部11が構成され、本体部11内に側面視T字形の収容空間が構成される。
【0026】
<端子モジュール30>
端子モジュール30は、
図8〜10に示すように、3つの仮保持部材31と、複数の第1端子金具37F(請求項に記載の端子金具)と、複数の第2端子金具37S(請求項に記載の端子金具)と、複数の第3端子金具37T(請求項に記載の端子金具)とから構成されている。
【0027】
3つの仮保持部材31は、形状及び寸法が同一の部品である。
図11に示すように、仮保持部材31は、全体として左右方向に長い平面視略方形の板状をなしている。仮保持部材31の上面における左右方向中央部には、嵌合凸部32(請求項に記載の嵌合部)が形成されている。仮保持部材31の下面における左右方向中央部には、嵌合凹部33(請求項に記載の嵌合部)が形成されている。
図9に示すように、嵌合凹部33は、嵌合凸部32よりも後方にずれた位置に配されている。
【0028】
3つの仮保持部材31は、上下に積層するように組み付けられている。組付け状態では、上側の仮保持部材31の嵌合凹部33と、下側の仮保持部材31の嵌合凸部32とを嵌合させることにより、両仮保持部材31が前後方向及び左右方向に位置決めされる。嵌合凸部32は嵌合凹部33より前方に位置するので、上段の仮保持部材31が最も前側に位置し、下段の仮保持部材31が最も後側に位置する。
【0029】
仮保持部材31の上面のうち嵌合凸部32より右方領域及び左方領域には、前後方向に細長い複数の保持溝34が左右に並列して形成されている。保持溝34のうち前後方向中央より少し後方の部分は、左右方向一方向へ幅を拡大した形態の拡幅部35となっている。仮保持部材31には、仮保持部材31を上下方向に貫通する複数の貫通孔36が形成されている。各保持溝34には、前後に並ぶ3つの貫通孔36が対応するように配されている。3つの貫通孔36のうち後端の貫通孔36は、拡幅部35の前端部に位置している。3つの貫通孔36のうち前端と中央の2つの貫通孔36は、保持溝34のうち拡幅部35より前方の領域に隣り合うように位置している。
【0030】
各端子金具37F,37S,37Tは、金属板材に曲げ加工した単一部品であり、端子基部38と、端子基部38の前端縁から前方へ直線状に延出した前向きタブ39Fと、端子基部38の後端縁から後方へ直線状に延出した後向きタブ39Rと、端子基部38から下方へ直線状に延出した下向きタブ39Dとから構成されている。端子基部38と前向きタブ39Fと後向きタブ39Rは、前後方向に一直線状に連なっている。下向きタブ39Dは、端子基部38の前端縁のうち前向きタブ39Fの基端部(端子基部38に連なる後端部)に対して側方にずれた位置から、前後両タブ39F,39Rに対して直角に延出している。
【0031】
各仮保持部材31には、複数の端子金具37F,37S,37Tが、前後方向及び左右方向に位置決めされた状態で仮保持される。仮保持状態では、下向きタブ39Dが拡幅部35の貫通孔36に挿通され、端子基部38が保持溝34の拡幅部35内に嵌入され、前向きタブ39Fの基端部と後向きタブ39Rの基端部(前端部)が保持溝34に嵌入される。仮保持部材31と端子金具37F,37S,37Tには、端子金具37F,37S,37Tが仮保持部材31から上方へ離脱させるための手段は設けられていない。
【0032】
図10に示すように、上段の仮保持部材31には第1端子金具37Fが仮保持され、中段の仮保持部材31には第2端子金具37Sが仮保持され、下段の仮保持部材31には第3端子金具37Tが仮保持されている。第1端子金具37Fの下向きタブ39Dは、上段の仮保持部材31の貫通孔36だけでなく、中段の仮保持部材31の貫通孔36と下段の仮保持部材31の貫通孔36にも挿通される。第2端子金具37Sの下向きタブ39Dは、中段の仮防振部材材の貫通孔36だけでなく、下段の仮保持部材31の貫通孔36にも挿通される。
【0033】
端子金具37F,37S,37Tが仮保持された3つの仮保持部材31を積層した状態では、上段の仮保持部材31が最も前側に位置し、下段の仮保持部材31が最も後側に位置することを勘案し、
図12に示すように、前向きタブ39Fの端子基部38からの突出寸法は、第1端子金具37Fが最も短く設定され、第3端子金具37Tが最も長く設定されている。この寸法設定により、
図4,5,9に示すように、前後方向において、全ての端子金具37F,37S,37Tの全ての前向きタブ39Fの前端の位置が揃っている。
【0034】
また、後向きタブ39Rの端子基部38からの突出寸法は、第1端子金具37Fが最も長く設定され、第3端子金具37Tが最も短く設定されている。この寸法設定により、
図4,5,9に示すように、前後方向において、全ての端子金具37F,37S,37Tの全ての後向きタブ39Rの後端の位置が揃っている。さらに、下向きタブ39Dの端子基部38からの突出寸法は、第1端子金具37Fが最も長く設定され、第3端子金具37Tが最も短く設定されている。この寸法設定により、
図4,6に示すように、上下方向において、全ての端子金具37F,37S,37Tの全ての下向きタブ39Dの下端の位置が揃っている。
【0035】
<短絡モジュール40>
図13に示すように、短絡モジュール40は、複数の短絡ユニット41を積層して構成されている。
図14〜18に示すように、1つの短絡ユニット41は、一枚の金属製の短絡プレート42(請求項に記載の短絡部材)と、1枚の合成樹脂製の絶縁プレート47とを組み付けて構成されている。
【0036】
短絡プレート42は、正面視形状が横長の方形をなす板状の部材である。短絡プレート42の外周縁のうち一方の長辺部には、誤組防止凹部43が形成されている。短絡プレート42には、複数の非接触孔44と複数の導通孔45が、タブ39F,39D,39Rの配置と対応するように縦横に整列して形成されている。非接触孔44の開口形状は方形である。非接触孔44の各辺の寸法は、タブ39F,39D,39Rの高さ寸法及び幅寸法よりも大きく設定されている。
【0037】
導通孔45は、横向きのH字形をなすように開口しており、互いに対向するように内向きに突出した一対の弾性接触片46を有している。一対の弾性接触片46は弾性変形が可能であり、一対の弾性接触片46が弾性変形していない自由状態における一対の弾性接触片46の最小間隔は、タブ39F,39D,39Rの幅寸法よりも小さく設定されている。したがって、導通孔45に貫通されたタブ39F,39D,39Rは、短絡プレート42と導通可能な状態となる。これらの導通孔45と非接触孔44は、短絡させるタブ39F,39D,39R同士の組合せに応じて適宜に配置されている。
【0038】
絶縁プレート47は、正面視形状が短絡プレート42よりも一回り大きい横長の方形をなす板状の部材である。絶縁プレート47の外周縁のうち一方の長辺部には、正面側へ突出した受けリブ48が形成されている。短絡プレート42の正面には、受けリブ48から突出した形態であって誤組防止凹部43と嵌合する誤組防止突起49が形成されている。
【0039】
絶縁プレート47の外周縁のうち一対の短辺部には、正面側へ突出する支持リブ50が形成されている。支持リブ50には、短絡プレート42の外周縁のうち一対の短辺部を嵌合させるための取付溝51が形成されている。絶縁プレート47には、その板厚方向に貫通する複数のガイド孔52が、非接触孔44及び導通孔45と対応するように縦横に整列して形成されている。ガイド孔52は、方形に開口している。ガイド孔52の一辺の寸法は、非接触孔44の一辺より小さく、タブの高さ及び幅寸法とほぼ同じ寸法である。
【0040】
<コネクタAの内部構造>
コネクタAの内部では、3つの短絡モジュール40が、各分割体13F,13D,13Rの収容部14F,14D,14R内に個別に収容されて隔壁部15に当接した状態で本体部11内に取り付けられている。短絡プレート42の正面は隔壁部15と対向し、絶縁プレート47の背面は収容部14F,14D,14Rの開口側に臨む向きとなっている。端子モジュール30も本体部11内に収容されている。
【0041】
前向きタブ39Fは、前側分割体13F内の短絡モジュール40のガイド孔52、非接触孔44、導通孔45、隔壁部15の位置決め孔16に貫通されている。後向きタブ39Rは、後側分割体13R内の短絡モジュール40のガイド孔52、非接触孔44、導通孔45、隔壁部15の位置決め孔16に貫通されている。下向きタブ39Dは、下側分割体13D内の短絡モジュール40のガイド孔52、非接触孔44、導通孔45、隔壁部15の位置決め孔16に貫通されている。前向きフード部12F内には複数の前向きタブ39Fの前端部が収容され、後向きフード部12R内には複数の後向きタブ39Rの後端部が収容され、下向きフード部12D内には複数の下向きタブ39Dの下端部が収容されている。
【0042】
複数の前向きタブ39Fのうち各短絡プレート42の複数の導通孔45に貫通されたもの同士は、この短絡プレート42を介して短絡可能な状態となる。前向きタブ39Fのうち非接触孔44を貫通するものは、その非接触孔44が形成されている短絡プレート42とは導通しない。前向きタブ39Fは、導通孔45の配置が異なる複数枚の短絡プレート42を貫通しているので、前向きタブ39Fの短絡パターンは、1つの短絡モジュール40を構成する短絡プレート42の枚数と同じ数だけ設定することができる。後向きタブ39R同士と下向きタブ39D同士も、前向きタブ39Fと同様、複数のパターンで短絡可能とすることができる。
【0043】
<実施例1の作用及び効果>
本実施例1のコネクタAは、端子基部38と、端子基部38から互いに異なる方向へ延出した3本のタブ39F,39D,39Rを有する端子金具37F,37S,37Tと、端子基部38を収容する本体部11と、3本のタブ39F,39D,39Rを個別に包囲する3つのフード部12F,12D,12Rを有するハウジング10とを備えている。
図4に示すように、各フード部12F,12D,12Rには、
ワイヤーハーネス60を構成する3本の
導電路61F,61D,61Rの端末部が嵌合されている。
導電路61F,61D,61Rは、端子金具37F,37S,37Tと同数の電線(図示省略)から構成され、各電線は雌形端子(図示省略)を介して各タブ39F,39D,39Rと個別に接続されている。
【0044】
前向きフード部12Fに嵌合された前側導電路51Fと、後向きフード部12Rに嵌合された後側導電路51Rは、前向きタブ39Fと端子基部38と後向きタブ39Rを介すことにより、前後方向に延びた幹線52Mを構成する。下向きフード部12Dに嵌合された下側導電路51Dと下向きタブ39Dは、
幹線52Mから略直角に下向きに分岐した分岐線52Sを構成する。
幹線52Mと分岐線52Sは、ワイヤーハーネス50を構成する。
【0045】
幹線52Mから分岐線52Sが分岐する部分は、端子基部38と3本のタブ39F,39D,39Rの基端部とで構成されている。ここで、各タブ39F,39D,39Rの基端部は直線形状をなしていて、
幹線52Mを構成する前向きタブ39Fの基端部(後端部)と端子基部38と後向きタブ39Rの基端部(前端部)は、一直線状に連なっている。分岐線52Sを構成する下向きタブ39Dは、端子基部38(
幹線52M)にから小さい曲率半径でほぼ直角に屈曲して分岐している。このように
幹線52Mと分岐線52Sを構成する端子金具37F,37S,37Tの側面視形状はT字形であり、この端子金具37F,37S,37Tを収容するハウジング10の側面視形状もT字形である。したがって、本実施例のコネクタAを用いれば、狭くて屈曲した空間内にワイヤーハーネス50(導電路51F,51D,51R)を配索することが可能である。
【0046】
また、本体部11と3つのフード部12F,12D,12Rとを区画する3つの隔壁部15には、タブ39F,39D,39Rを位置決めする位置決め孔16が形成されているので、1つの端子金具37F,37S,37Tを、3つの位置決め孔16によって安定して位置決めすることができる。また、ハウジング10は、本体部11を構成する収容部14F,14D,14Rと1つのフード部12F,12D,12Rとを一体化した複数の分割体13F,13D,13Rを合体した形態である。この構成によれば、複数の収容部14F,14D,14Rを合体することにより、端子金具37F,37S,37Tの端子基部38を本体部11内に収容することが可能である。
【0047】
また、本実施例のコネクタAは仮保持部材31を備えている。仮保持部材31の上面には複数の保持溝34が形成され、仮保持部材31には上下に貫通する複数の貫通孔36が形成されている。3本のタブ39F,39D,39Rは、端子基部38から前方と後方と下方へ延出しており、端子基部38を保持溝34に取り付けるとともに、下方へ延出した下向きタブ39Dを貫通孔36に貫通させた状態で、複数の端子金具37F,37S,37Tが仮保持部材31に取り付けられている。この構成によれば、1つの仮保持部材31によって複数の端子金具37F,37S,37Tを位置決めして仮保持しておくことができる。
【0048】
また、複数の仮保持部材31は上下に積層した状態に組付け可能であるから、前方へ延出した前向きタブ39F同士を上下に並べて配置することができるとともに、後方へ延出した後向きタブ39R同士を上下に並べて配置することができる。さらに、複数の仮保持部材31は、全て同一の形状であって、積層状態で互いに前後方向に位置ずれした位置関係となるように嵌合する嵌合凸部32と嵌合凹部33を有している。この構成によれば、下方へ延出した複数の下向きタブ39D同士を、互いに干渉させることなく前後に並ぶように配置することができる。
【0049】
また、下向きタブ39Dの端子基部38からの延出寸法は、下段側の仮保持部材31に取り付けた第2端子金具37S又は第3端子金具37Tよりも、上段側の仮保持部材31に取り付けた第1端子金具37F又は第2端子金具37Sの方が長く設定されている。この構成によれば、下向きタブ39Dの下端の高さを揃えることができる。
【0050】
また、前向きタブ39Fの端子基部38からの延出寸法は、積層状態で前側に位置する仮保持部材31に取り付けた第1端子金具37F又は第2端子金具37Sよりも、後側の仮保持部材31に取り付けた第2端子金具37S又は第3端子金具37Tの方が長く設定されている。この構成によれば、前向きタブ39Fの前端(延出端)の位置を揃えることができる。
【0051】
また、後向きタブ39Rの端子基部38からの延出寸法は、積層状態で後側に位置する仮保持部材31に取り付けた第2端子金具37S又は第3端子金具37Tよりも、前側の仮保持部材31に取り付けた第1端子金具37F又は第2端子金具37Sの方が長く設定されている。この構成によれば、後向きタブ39の後端(延出端)の位置を揃えることができる。
【0052】
また、1つのハウジング10には複数の端子金具37F,37S,37Tが取り付けられており、ハウジング10には、タブ39F,39D,39Rに接触することで複数の端子金具37F,37S,37T同士を短絡させる短絡プレート42が設けられている。この構成によれば、端子金具37F,37S,37T同士を短絡させることができる。さらに、短絡プレート42は、タブ39F,39D,39Rを接触状態で貫通させる導通孔45と、タブ39F,39D,39Rを非接触状態で貫通させる非接触孔44とを備えている。この構成によれば、導通孔45と非接触孔44の配置を適宜に設定することで、所望の端子金具37F,37S,37Tを短絡させることができる。
【0053】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、1つの端子金具に形成されているタブの本数が3本であるが、1つの端子金具に形成されるタブの本数は4本以上でもよい。
(2)上記実施例では、端子金具の側面視形状がT字形であるが、端子金具の側面視形状は、K字形、X字形、
Y字形等であってもよい。
(3)上記実施例では、ハウジングを3つ(端子金具の種類数と同数)の分割体で構成したが、ハウジングを構成する分割体の数は、2つでもよく、4つ以上でもよい。この場合、端子金具の種類数と分割体の数は、同じでもよく、異なっていてもよい。
(4)上記実施例では、端子金具を仮保持部材に仮保持した状態でハウジングに組み付けたが、端子金具は、仮保持部材を用いずにハウジングに直接取り付けてもよい。
(5)上記実施例では、端子基部からのタブの延出寸法が異なる3種類の端子金具を、1つのハウジングに取り付けたが、1つのハウジングに取り付ける端子金具の種類数は、2種類以下でもよく、4種類以上でもよい。
(6)上記実施例では、複数の端子金具同士を短絡プレートを介して短絡させるようにしたが、端子金具同士を短絡させない形態としてもよい。